JPH03130357A - 金属薄膜を表面に有する合成樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、金属特有の表面光沢を有し、密着性に優れた
金属薄膜を合成樹脂の表面に形成した合成樹脂成形品及
びその製造方法に関するものである。

［従来の技術］ 従来、金属薄膜を表面に有する合成樹脂成形品は、例え
ば合成樹脂からなる基体表面に、接着力を有する下塗り
塗料層を設けた後、該下塗り塗料層の表面に金属被覆層
を設け、その表面に上塗り塗料層が設けられたものがあ
る。（特願平１−１４７３３３号参照） ［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、−船釣に難接着性プラスチックといわれ
る樹脂に、接着剤をコーティングする場合に、両方の分
子と分子との分子間力による引き合う力が接着力である
から、無極性又は無極性に近い樹脂への接着力は弱く、
したがって接着剤（下塗り塗料）の上に金属被覆層を形
成しても、樹脂表面と接着剤との間で剥離し易く、上記
合成樹脂成形品においても同様であった。

そこで、本発明は、上記の問題を解決し、密着性よく金
属特有の表面光沢を有する金属薄膜を合成樹脂の表面に
形成した合成樹脂成形品及びその製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、（１）合成樹脂からなる基体の表面に、気相
蒸着により形成された金属蒸着層、下塗り塗料層、気相
蒸着により形成された金属蒸着層及び上塗り塗料層を順
次設けた金属薄膜を表面に有する合成樹脂成形品並びに
　（２〉合成樹脂からなる基体の表面に、所定金属材料
を気相蒸着して金属蒸着層を形成したのち、その表面に
接着力を有する下塗り塗料を塗布し、その後、上記と同
様に金属蒸着層を形威し、更にその表面に上塗り塗料を
塗布する金属薄膜を表面に有する合成樹脂成形品の製造
方法である。

本発明の層構成は第１図に示すとおりである。

すなわち、ｌは基体、２は金属蒸着層、３は下塗り塗料
層、４は金属蒸着層、５は上塗り塗料層である。

本発明における合成樹脂からなる基体ｌは、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
アセタール、ポリカーボネート等の合成樹脂材より構成
されるものであり、かかる基体ｌの表面に真空蒸着法、
イオンブレーティング法、スパッタリング法、気相メツ
キ法（ＣＶＤ）等の気相蒸着手段によって、アルルミニ
ウム、クロム、ニッケル、ステンレス、金、銀、銅、真
鍮等の金属又は金属合金を薄膜状に蒸着形成させ、金属
蒸着層２を形成するものである。

又、下塗り塗料層３及び上塗り塗料層５に用いる塗料は
、アクリル、ウレタン、ポリエステル、尿素−メラミン
、エポキシ、アミノアルキド、ポリイソシアネート、ア
ルキルチタネート等の熱反応性、電子線硬化性、紫外線
硬化性の合成樹脂又はニトロセルローズ等よりなる塗料
であり、下塗り塗料にあっては、上記金属蒸着層に吹付
けて形成し、金属蒸着層に対して密着力に優れたもので
ある。又、上塗り塗料にあっては、金属蒸着層に吹付は
乾燥したもので、これにより優れた金属光沢を与えると
共に密着性、耐洗濯性を高めるものである。ここで上塗
り塗料層５は下の金属蒸着層４の色調を透視できるよう
に透明又は半透明のものであることが必要であり、又、
透視に支障のないような任意の色に着色されていてもよ
い。例えば、銀色の光沢を呈しているアルミニウムの金
属蒸着層４に、黄色に着色した上塗り塗料層５を施すこ
とにより、金色の金属特有の光沢を呈する合成樹脂成形
品を得ることができる。又、アルミニウムの金属蒸着層
４に緑色に着色した上塗り塗料層５を施すことにより緑
色の金属特有の光沢を出すことができる。このようにベ
ースとなる色の光沢をもった金属蒸着層４に透視に支障
のないように種々の色に着色した上塗り塗料層５を施す
ことにより、その色に相応する金属特有の光沢を有する
装飾体を得ることができる。

次に、本発明における気相蒸着手段をイオンブレーティ
ング法を例にとって図面に基づいて説明する。第２図に
示すように、真空装置Ｂ内に、ガス導入管７より例えば
アルゴンガスなどの不活性ガスを導入し、合成樹脂から
なる基体あるいはその表面に下塗り塗料層を形成したも
のを基材８とし、これを陰極として装置内に所定金属材
料からなる蒸発源９と対向して配置し、両者間に電圧を
印加して、蒸発ｒ１．９より所定金属材料の原子、分子
、クラスタを蒸発させ、これらを基材８と蒸発源９との
間に配された高周波用コイル１０に電圧をかけることに
より発生する高周波電界によってイオン化し、高エネル
ギーイオンを基材表面に照射することで、基材８の表面
に金属蒸着層を形成するものである。ここで高エネルギ
ーイオンを高周波電界によって加速して、基材面に衝突
させることにより、粒子のもつ大きなエネルギーによっ
て衝突部が局部的に超高温に加熱され、粒子が基材面に
強力に密着する。更にイオン衝撃によりイオン注入と、
それに伴うミキシングにより、所定金属材料からなる金
属蒸着層の原子に大きなエネルギーを与えることにより
、金属蒸着層格子原子は激しく運動し、その結果、高い
密度の欠陥を表面や界面につくり、密着度がよく丈夫な
金属蒸着層を生成することになる。又、上記金属蒸着層
の形成前に、基材表面の油脂層又は不純物を超音波洗浄
、エツチングなどを施すことにより、活性でクリーンな
樹脂表面を得ることができ、金属蒸着層の密着に悪影響
を与える要因を除去することができる。

又、上記において蒸発原をアルミニウムにした場合、例
えば０．１μｍ以下のアルミニウムからなる金属蒸着層
は、合成樹脂からなる基体の表面粗さが０．１μ搗を超
えると灰白色となり、金属特有の表面光沢を有した表面
が得られず、これにアルミニウムと密着力のよい下塗り
塗料（例えば主剤としてポリエステルポリオール、硬化
剤としてポリイソシアネート）を使用し、その後更にア
ルミニウムからなる金属蒸着層を形成することにより、
金属特有の光沢のある銀色を得ることができる。更に、
金属蒸着層を保護するため、上塗り塗料を塗布すること
により、密着性、耐摩耗性に優れ、金属特有の表面光沢
を有する合成樹脂成形品を得ることができる。

［作　用］ 合成樹脂からなる基体又は下塗り塗料層の表面に気相蒸
着手段により所定金属材料からなる金属粒子をそれぞれ
独立した状態で付着させるとともに、大きなエネルギー
をもつ粒子を樹脂表面に局部的に衝突させ、加熱させて
金属粒子を付着させる。又、下塗り塗料、上塗り塗料は
、極性をもつ金属蒸着層に、該金属蒸着層に接着しやす
いものを選択して塗布することにより、密着性に優れた
合成樹脂成形品を得ることができる。

［実施例］ 次に実施例について具体的に説明する。

ポリアセクールポリマーの射出成形品（基体二表面粗さ
０６ｉμ−以上）をフロンで超音波洗浄をし、その後高
周波イオンブレーティング法により全面に膜厚０．０５
〜０．１μ国のアルミニウムからなる金属蒸着層を形成
し、次にアルミニウムと密着性の良い溶剤型ポリエステ
ルと溶剤型ポリイソシアネート及びシンナーを１００：
３０：２０の割合に配合した下塗り塗料を吹付け、その
後１２０℃で９０分間乾燥して下塗り塗料層を形成した
。次に再度上記と同様に高周波イオンブレーティング法
により全面に膜厚０．０５〜０．１μｍのアルミニウム
膜を形成し、その後アルミニウムと密着性の良い溶剤型
ポリエステルと溶剤型ポリイソシアネート及びシンナー
を１００　：　５　：５０の割合に配合した上塗り塗料
を吹き付け、その後６５℃で８０分間の乾燥をし、上塗
り塗料層を形成した。その後適時間放置し、完全硬化を
行い、合成樹脂成形品を得た。このようにして得られた
合成樹脂成形品の表面をナイフで１■毎に切ってＬ００
コマのマス目を作り、その後ＪＩｓセロハンテープにて
マス目上にテープを密着し、これを剥がすことによる強
制試験を行い、残存したマス目をマス目総数１００コ当
りについて調査した。又、比較のためポリアセタールポ
リマーの射出成形品に、上記と同様の方法により、下塗
り塗料層、金属蒸着層、上塗り塗料層とを順次形成した
もの（従来のもの：比較例１）と、ポリアセタールポリ
マーの射出成形品に上記と同様の方法により、金属蒸着
層、上塗り塗料層とを順次形成したもの（比較例２）と
についても、上記と同様の強制試験を行った。又、これ
らの金属膜を形成した第３図ａＳｂに示すような、雌体
ａ雄体すとよりなるバックルにより実用試験を行った。

いわゆるバックルの挿入部は何回も挿入を繰返している
うちに機械的接触により膜が剥れてくるところであり、
最も密着力が要求される部分である。この部分において
挿入を２００回繰返して実用試験を行った。

上記強制試験、実用試験の結果及び合成樹脂成形品に形
成された金属薄膜の表面光沢について表１に示す。

表１ 以上のように本発明の金属薄膜を表面に有する合成樹脂
成形品は、密着性に優れ、金属特有の表面光沢を有して
いることが判る。そして、第３図（ａ）　、　（ｂ）に
示す例えばアセタール樹脂で成形されたバックルに本発
明を適用した場合、止め具の係合、解離に伴う係合部分
の金属薄膜の剥離がなく、常に外観の良い製品とするこ
とができる。

又、例えば第４図（ａ）に示すようなスライドファスナ
ー１１の例えばアセタール樹脂で成形されたファスナー
エレメント１２に、第４図（ｂ）に示すように本発明を
適用することによって、金属装飾性のある製品を得るこ
とができる。そして、スライダー１３の摺動に伴うかも
しくはファスナーエレメント同士の噛合、解離に伴うフ
ァスナーエレメント表面からの金属薄膜の剥離が生ぜず
、常に外観の良い製品とすることができる。

［発明の効果］ 本発明の金属薄膜を表面に有する合成樹脂成形品は、樹
脂基体表面と金属蒸着層との間又は金属蒸着層と塗料層
との間などのそれぞれの層の間で密着性が優れていると
ともに金属特有の表面光沢が得られ、実用上優れた効果
を発揮する。特に機械的な接触を繰返すような製品にお
いて、長期に亙って金属薄膜の剥離がなく、金属特有の
表面光沢を維持することができる。

そして、本発明の製造方法によれば、かかる優れた合成
樹脂成形品を容易に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明成形品の層構成の説明図、第２図は本発
明製造方法に用いる気相蒸着手段の説明図、第３図（ａ
）は本発明を応用する例のバックル雌体、第３図（ｂ）
は同雄体、第４図（ａ）は本発明を応用する例のスライ
ドファスナーの平面図、第４図（ｂ）はファスナーエレ
メントに本発明を応用した層構成を示す断面図である。 ｌ・・・基体、２・・・金属蒸着層、３・・・下塗り塗
料層４・・・金属蒸着層、　５・・・上塗り塗料層６・
・・真空装置、７・・・ガス導入管、８・・・基材、９
・・・蒸発源、ｌＯ・・・高周波用コイル、１１・・・
スライドファスナー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）合成樹脂からなる基体の表面に、気相蒸着により
   形成された金属蒸着層、下塗り塗料層、気相蒸着により
   形成された金属蒸着層及び上塗り塗料層を順次設けたこ
   とを特徴とする金属薄膜を表面に有する合成樹脂成形品
   。
2. （２）合成樹脂からなる基体の表面に、所定金属材料を
   気相蒸着して金属蒸着層を形成したのち、その表面に接
   着力を有する下塗り塗料を塗布し、その後、上記と同様
   に金属蒸着層を形成し、更にその表面に上塗り塗料を塗
   布することを特徴とする金属薄膜を表面に有する合成樹
   脂成形品の製造方法。