JP2004050155A - 金属感外観積層塗膜及びその形成方法 - Google Patents

金属感外観積層塗膜及びその形成方法 Download PDF

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田中 和夫
Kentaro Watanabe
渡邉 健太郎
Masahiko Yamanaka
山中 雅彦
Yutaka Morikawa
森川 豊
Osamu Masuko
益子 治
Tomoyoshi Saito
齋藤 智好
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Abstract

【課題】適度な金属感外観を有する金属調塗膜を、作業性良く安価に形成した積層塗膜及びその形成方法を提供すること。
【解決手段】被塗物上に光輝性顔料を含む金属調塗料を用いた塗膜層を形成し、この金属調塗膜層の上にクリヤ上塗り層を形成して成る金属感外観を有する積層塗膜である。光輝性顔料が蒸着金属膜を粉砕した金属片から成り、金属調塗料におけるこの光輝性顔料の顔料質量濃度(PWC)が3〜14%である。被塗物と金属調塗膜層との間に、下塗り塗膜層を付加できる。
このような金属感外観を示す積層塗膜を形成する方法である。被塗物の上に直接又は下塗り塗膜層を形成した後に、蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料の顔料質量濃度(PWC)が3〜14%である金属調塗料の塗膜層を形成し、形成した金属調塗膜層の上に、クリヤ上塗り塗膜層を形成する。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属メッキ面等が有する金属感外観を示す積層塗膜及びその形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属調塗料としては、蒸着アルミ膜を粉砕して金属片とした蒸着アルミを含有した塗料が知られており、例えば、自動車の内装やホイールキャップ等の塗装に用いられている。このような自動車の内外装塗装に用いられる金属調塗料は、いわゆる粒子感が無く、ハイライト領域とシェード領域の光沢の差が大きい独特の意匠性を有するものである。
【0003】
一方、自動車の部品や電化製品の部品等においては、上記の金属調塗料による金属素地感ではなく、鏡面のような金属面の光沢感が付与されたものが知られている。このような金属感外観を有する部品では、一般に金属メッキや金属蒸着により、表面に金属薄膜を析出して付着させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる金属メッキによる方法では、被塗物が導電性を有する基材に限定されたり、又は基材表面に導電層を形成するなどの必要がある。また、基材全体をメッキ浴に浸漬する必要があり、製造工程が複雑で、設備上種々の制限があった。更に、重金属の使用など昨今の環境対応に対して不利な面がある。また、金属を蒸着させる方法では、真空又は減圧容器中に基材を設置する必要があり、大型の基材には適用できないという問題があった。また、製造工程上も減圧化を必要とするなど実用化に当たり制限があった。
【0005】
また、顔料として蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料単体のみを含む塗料により適度な金属素地感を出す工法もあったが、光輝材が塗膜中で綺麗に配向せずに意匠性が発現しなかったり、意匠性を確保するため、一度に塗装する膜厚を極端に抑えて多段塗装を実施して必要な膜厚を確保するなど、多くの工程を必要としたり、塗装場所の温度や湿度などの環境に敏感に影響を受けるため細かな塗装環境調整を実施していた。更に使用する光輝性顔料が非常に高価であるため塗料が高価なものとなっていた。
【0006】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、適度な金属感外観を有する金属調塗膜を、作業性良く安価に形成した積層塗膜及びその形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、光輝性顔料の含有量を制御した所定の金属調塗料を用いることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の積層塗膜は、金属感外観を有する積層塗膜であって、被塗物上に、金属調塗膜層とクリヤ上塗り層をこの順で積層したものである。そして、かかる金属調塗膜層は、蒸着金属膜を粉砕した金属片から成る光輝性顔料を、顔料質量濃度(PWC)3〜14%の割合で含む金属調塗料を用いて形成される。
【0009】
また、本発明の積層塗膜の形成方法は、上述のような金属感外観を示す積層塗膜を形成する方法であって、
被塗物の上に直接又は下塗り塗膜層を形成し、次いで、上述の如き金属調塗料の塗膜層を形成し、しかる後、この金属調塗膜層の上に、クリヤ上塗り塗膜層を形成することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の金属感外観を有する積層塗膜及び積層塗膜の形成方法について詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明の金属感外観積層塗膜は、被塗物上に形成した金属調塗膜層と、この金属調塗膜層上にクリヤ上塗り層を有する。
また、本発明の積層塗膜では、必要に応じて、被塗物と金属調塗膜層との間に、下塗り塗膜層を付加・形成することができる。この下塗り塗膜層の有無については、基材(被塗物)の種類、表面の凹凸の程度、密着性の要求レベルにより適宜選定することが望ましい。
【0011】
本発明の積層塗膜において、金属調塗膜層は、金属調塗料を用いて形成されるが、この金属調塗料は、光輝性顔料を含み、その顔料質量濃度(PWC)が3〜14%、更に好ましくは7〜14%の塗料である。
光輝性顔料の含有量が14%を超えると、塗装時の微粒化が低下するため外観が悪くなり、逆に3%未満では金属感外観の意匠性が低下する。
【0012】
かかる光輝性顔料は、蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料であれば特に限定されるものではない。このような光輝性顔料は、一般にベースフィルム上に金属膜を蒸着させ、ベースフィルムを剥離した後、蒸着金属膜を粉砕して金属片とすることにより得られる。
蒸着金属膜の厚み、即ち粉砕して得られる金属片の厚みとしては、一般には0.01〜0.1μm程度が好ましい。厚みがこの範囲を逸脱すると、粒子感が発現して金属感が得られ難くなる。また、粉砕の程度としては、最長部の長さが約5〜約60μm程度となるような粉砕が好ましい。この範囲を逸脱すると、顔料が面状に配向し難くなる。
なお、蒸着金属膜の材質としては、特に限定されるものではないが、例えばアルミニウム、金及び銀等の金属膜が挙げられる。
【0013】
本発明において用いる光輝性顔料は、蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料であるので、極めて厚みが薄い金属片である。従って、面状に配向することにより、即ち金属片の面状部位(縁部以外の部位)を被塗物の表面(下塗り塗膜層が付加されている場合は該下塗り塗膜層の表面)に対向又は平行に配置することにより、極めて薄い厚みに起因して表面がフラットな金属調塗膜層を形成することができ、金属感外観をもたらすことができる。
これに対し、従来のメタリック塗料に用いられているアルミニウムフレーク等の金属フレークは、比較的厚みが厚く、また表面に凹凸を有しているので、このような金属フレークを面状に配向しても表面がフラットにはならず、本発明のような金属感外観は得られない。
なお、面状に配向する金属片は、必ずしも全部である必要はなく、少なくとも一部、代表的には6割以上の金属片が面状に配向すれば十分である。また、面状配向の際、金属片の面状部位と被塗物又は下塗り塗膜層の表面とのなす角度は必ずしも180゜である必要はなく、金属感外観が実現されるような角度で、該面状部位と該表面が対向し又は平行になっていればよい。
【0014】
上述のように、本発明で用いる金属調塗料は、光輝性顔料を含むが、溶剤、更には必要に応じてバインダーとなる樹脂及び添加剤を添加して調製される。
この金属調塗料においては、光輝性顔料の顔料質量濃度(PWC)はできるだけ高いことが好ましく、更に好ましいのは7〜14%である。
また、使用する溶剤は、光輝性顔料製造の際に用いた剥離剤やトップコート剤、又は金属調塗料塗装の下地塗膜の種類などを考慮して選択されるものであるが、有機溶剤としては、芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤及びエーテル系溶剤等の炭化水素系溶剤を挙げることができる。また、光輝性顔料がペーストのような市販品として入手される場合には、このペースト中に含有されている溶剤が含まれてもよい。
【0015】
かかる金属調塗料において、光輝性顔料及び溶剤以外の成分は、できるだけ少量であることが好ましいが、必要に応じてバインダーとなる樹脂や添加剤を添加することができる。
バインダー樹脂としては、一般に塗膜形成樹脂として用いられている樹脂などを用いることができ、アクリル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂及びセルロース樹脂などの樹脂が例示される。また、添加剤としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのワックス類や分散剤等が例示される。
なお、本発明において、金属調塗料を用いて形成される金属調塗膜層の膜厚としては、特に限定されるものではないが、1〜20μmとすることが好ましく、1〜5μmが更に好ましい。膜厚が1μm未満では、鱗片状顔料と光輝性顔料の絶対量が不足し、金属感が十分に確保できず、20μmを超えると、塗膜中での顔料配向が困難となり金属感が得られないことがある。
【0016】
次に、上述の如き金属調塗膜層の上に形成されるクリヤ上塗り層については、一般的なクリヤ塗膜を用いることができ、更には半透明感を付与した、いわゆる濁りクリヤ塗膜を用いてもよい。
また、クリヤ上塗り層は、溶剤型塗料から形成してもよいし、粉体塗料から形成してもよい。溶剤型塗料としては、一液型塗料を用いてもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料のような二液型樹脂を用いてもよい。
【0017】
更に、必要に応じて形成される下塗り塗膜層については、クリヤ塗膜であってもよいし、着色された塗膜であってもよい。
着色塗膜の場合、アルミニウムのような金属光沢に対しては、グレー系又はブラック等の濃色系無彩色の着色が好ましい。
また、かかる下塗り塗膜層の形成に用いられる下塗り塗料には、繊維素系の樹脂を3〜10%配合することが好ましい。3%未満では光輝性顔料の配向が悪くなり、10%を超えると下塗り塗膜層と金属調塗膜層との界面における付着性が低下することがある。なお、このような下塗り塗膜層は、水系型や溶剤型、粉体塗料から形成してもよい。
【0018】
また、本発明の積層塗膜の形成方法は、被塗物上に直接又は下塗り塗膜層を形成した後に、上述のようなPWCが3〜14%の金属調塗料を用いて金属調塗膜層を形成する工程と、この金属調塗膜層の上にクリヤ上塗り層を形成する工程を有する方法であって、上述の如き本発明の金属感外観積層塗膜を形成するものである。
【0019】
なお、かかる形成方法において、下塗り塗膜層を形成した場合は、下塗り塗膜層を塗布した後、焼き付けを行うことなく金属調塗料を塗布する。
この際に用いる下塗り塗料としては、上述の如く、繊維素系の樹脂を樹脂固形分に対して3〜10%含有するものを用いることが好ましい。かかる繊維素系樹脂の含有量を満足する下塗り塗料を用いることにより、上記光輝性顔料の面状配向がいっそう実現され易くなる。
【0020】
本発明の積層塗膜の一例としては、下塗り塗膜層がクリヤ塗料から形成され、クリヤ上塗り層がクリヤ塗料又は濁りクリヤ塗料から形成されたものを挙げることができる。また、他の例としては、下塗り塗膜層が着色塗料から形成され、クリヤ上塗り層がクリヤ塗料又は濁りクリヤ塗料から形成されたものを挙げることができる。
【0021】
更に、本発明の積層塗膜の好適な実施形態としては、下塗り塗膜層を塗布した後、金属調塗料を塗布し、その上にクリヤ上塗り層を形成した積層塗膜を挙げることができる。即ち、下塗り塗膜層とクリヤ塗膜層の間に、蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料を含む金属調塗膜層が設けられており、この金属調塗膜層中の光輝性顔料が、その全金属片又は一部の金属片を実質的に面状に配向することにより金属感外観を示す積層塗膜である。
なおこの場合、下塗り塗膜層としては、クリヤ塗膜又は着色塗膜が用いられるが、好ましくは着色塗膜である。
【0022】
図1は、本発明の積層塗膜の一実施形態を示す断面図である。
下塗り塗膜層1とクリヤ上塗り層3との間に、金属調塗膜層2が設けられている。本実施形態では、下塗り塗膜層1としてクリヤ塗膜が形成されている。
図1に示すように、下塗り塗膜層1及び金属調塗膜層2の厚みは、クリヤ上塗り層3に比べて薄くなっており、この金属調塗膜層2中の金属片は、下塗り塗膜層1とクリヤ上塗り層3に挟まれた状態で、下塗り塗膜層1の表面に対して面状に配向している。このように蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料が面状に配向することにより、良好な金属感外観を示す。
【0023】
下塗り塗膜層1の厚みは特に限定されるものではないが、一例として15〜200μm程度、好ましくは3〜25μm程度である。また、クリヤ上塗り層3の厚みも特に限定されるものではないが、一例として10〜50μm程度、好ましくは25〜40μm程度である。金属調塗膜層2の厚みは、薄いことが好ましく、一般には10μm以下、好ましくは5μm以下の厚みが好ましい。
【0024】
なお、本発明の積層塗膜を鋼板等の金属板の上に形成する場合には、第1下塗り層を形成した後に、本発明の積層塗膜を形成してもよい。
例えば、金属板の上に電着塗装を施した後、第1下塗り塗膜の上に本発明の積層塗膜を形成してもよい。
【0025】
本発明によれば、鏡面光沢のように強い光沢感ではなく、柔らかな適度な光沢感を有する金属感外観を塗膜の形成により物品に付与することができる。従って、取っ手やホイールなどの自動車部品や自動車車体など、又は電化製品やその他の物品に、柔らかな適度な金属感外観を簡易な工程で付与することができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例では、第1層、第2層をウエットオンウエットで塗装しているが、第1層を塗装、焼き付け後に第2層を塗装してもよい。
【0027】
(実施例1〜7、比較例1〜5)
[金属調塗料の調製]
金属調塗料として、アルミニウム蒸着膜を粉砕して得られるアルミニウム粉を含有した塗料を調製した。蒸着金属膜を粉砕して得られるアルミニウム粉としては、以下の市販のアルミニウム粉のペーストを用いた。
・商品名「DECOMET1001/10」…CARL SCHLENK AG社製、アルミニウム粉含有量10%
【0028】
比較例として、一般のメタリック塗料に用いられるアルミニウムフレークを含有した以下のアルミニウムペーストを用いた。
・商品名「アルペーストGX−201A」…旭化成工業社製、アルミニウムフレーク含有量74%
【0029】
[積層塗膜の形成]
リン酸亜鉛処理した厚み0.8mm、70mm×150mmのダル鋼板に、カチオン電着塗料(商品名「パワートップU600M」、日本ペイント社製カチオン型電着塗料)を、乾燥膜厚が20μmになるように電着塗装した後、160℃で30分間焼き付けた。その後、日本油脂社製のグレーの中塗り(商品名「ハイエピコNo.500」)を30μm塗布し、140℃で30分間焼き付けた。
【0030】
次に、第1層(下塗り塗膜層)、第2層(金属調塗膜層)、及び第3層(クリヤ上塗り層)から成る積層塗膜を形成した。第1層は乾燥膜厚が3μmとなるようにスプレー塗布し、第2層は乾燥膜厚が3μmとなるようにスプレー塗装し、第3層は乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装した。その後、140℃で30分間焼き付けた。
なお、第1層目及び第3層目の塗料としては、以下のものを用いた。
・第1層用塗料
溶剤型シルバー塗料…商品名「ベルコートNo.6010」、日本油脂社製アクリル・メラミン系塗料
・第3層用塗料
溶剤型クリヤ…商品名「ベルコートNo.6200」、日本油脂社製アクリル・メラミン系塗料
各例の積層塗膜の構成等を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 2004050155
【0032】
[性能評価]
得られた実施例1〜7及び比較例1〜5の塗膜について、光沢感、金属感外観及び密着性を以下のようにして評価した。得られた結果を表2に示す。
【0033】
(光沢感)
塗膜外観を以下の基準で肉眼により評価した。
◎:かなり光沢感がある。
○:光沢感がある。
△:普通の感覚。
×:ぼけた感じがする。
【0034】
(金属感外観)
金属感外観について、以下の基準で肉眼により評価した。
◎:ハイライト部とシェード部の対比が極めて大きい。
○:ハイライト部とシェード部の対比が大きい。
△:ハイライト部とシェード部の対比が小さい。
×:ムラ等がありメタリック感もない。
【0035】
(作業性)
A4サイズのブリキ板に第1層(下塗り塗膜層)、第2層(金属調塗膜層)及び第3層(クリヤ上塗り層)から成る積層塗膜を形成した。
第1層は乾燥膜厚が3μmとなるようにスプレー塗布し、第2層は乾燥膜厚が3μmとなるようにスプレー塗装し、第3層は乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装した。
○:塗装ガンのタイプを選択せず塗装回数4パス以下で膜厚確保と意匠性が確保できる。
△:塗装ガンのタイプを選択すれば塗装回数4パス以下で膜厚確保と意匠性が確保できる。
×:。塗装ガンのタイプを選択して、塗装回数8パス以上で膜厚確保と意匠性が確保できる
【0036】
(密着性)
塗膜をカッターナイフ(JIS K 5400の7.2(2)(e)に規定)で塗膜素地に達する直交する縦横11本ずつの平行線を2mmの間隔で引き、正方形の碁盤目を形成した。碁盤目状の塗膜の上にセロハンテープ(JIS Z 1522に規定)を密着させ上方に一気に引き剥がし、100個の碁盤目中の塗膜の残った碁盤目の数を測定した。
【0037】
【表2】
Figure 2004050155
【0038】
表2の結果から明らかなように、本発明に属する実施例1〜7の積層塗膜は、良好な金属感外観と良好な密着性を示している。
【0039】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、光輝性顔料の含有量を制御した所定の金属調塗料を用いることとしたため、適度な金属感外観を有する金属調塗膜を、作業性良く安価に形成した積層塗膜及びその形成方法を提供することができる。
例えば、本発明に従えば、特に規定された狭い塗装条件に限定されることなく、通常のメタリック塗装と同様の作業性で目的の金属感が得られる。更に、蒸着金属膜を粉砕した光輝性顔料は非常に高価であるため、本光輝材の使用量を最小限に抑えることで安価な金属調塗料を提供するとともに、塗膜の形成により金属感外観を物品に付与することができる。
更に、従来のこれらの方法では、鏡面光沢のような光沢の強すぎる金属感外観であったが、本発明によれば、より柔らかな適度な金属感外観を付与することができる。従って、ホイールや取っ手などの自動車部品や自動車車体、又は電化製品など広い分野において本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層塗膜の一実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1  下塗り塗膜層
2  金属調塗膜層
3  クリヤ上塗り層

Claims (10)

  1. 被塗物上に光輝性顔料を含む金属調塗料を用いた塗膜層を形成し、この金属調塗膜層の上にクリヤ上塗り層を形成して成る金属感外観を有する積層塗膜であって、
    上記光輝性顔料が蒸着金属膜を粉砕した金属片から成り、上記金属調塗料におけるこの光輝性顔料の顔料質量濃度(PWC)が3〜14%であることを特徴とする積層塗膜。
  2. 上記被塗物と上記金属調塗膜層との間に、下塗り塗膜層を付加して成ることを特徴とする請求項1に記載の積層塗膜。
  3. 上記金属調塗膜層で、上記光輝性顔料の少なくとも一部がその面状部位を上記被塗物表面又は下塗り塗膜層表面に対向させ、実質的に面状に配向していることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層塗膜。
  4. 上記下塗り塗膜層がクリヤ塗料又は顔料を含んだ塗料を用いて形成されたクリヤ塗膜又は着色塗膜であり、上記クリヤ上塗り層がクリヤ塗料又は濁りクリヤ塗料を用いて形成されたことを特徴とする請求項2又は3に記載の積層塗膜。
  5. 上記金属調塗膜層の厚みが1〜20μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の積層塗膜。
  6. 上記光輝性顔料がアルミニウム粉であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の積層塗膜。
  7. 上記光輝性顔料の厚さが0.01〜0.2μmで、最長部の長さが5〜60μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の積層塗膜。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の金属感外観を示す積層塗膜を形成するに当たり、
    被塗物の上に直接又は下塗り塗膜層を形成した後に、蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料の顔料質量濃度(PWC)が3〜14%である金属調塗料の塗膜層を形成し、
    形成した金属調塗膜層の上に、クリヤ上塗り塗膜層を形成することを特徴とする積層塗膜の形成方法。
  9. 上記下塗り塗膜層を形成する下塗り塗料は繊維素系樹脂を樹脂固形分に対して3〜10%の割合で含有し、これにより、上記下塗り塗膜層を塗布した後、焼き付けをすることなく、上記金属調塗料中の光輝性顔料の少なくとも一部がその面状部位を該下塗り塗膜層の表面に沿って配向させることを特徴とする請求項8に記載の積層塗膜の形成方法。
  10. 上記金属調塗料が、上記光輝性顔料と、溶剤と、バインダー樹脂を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の積層塗膜の形成方法。
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