JP2004008931A - 金属感外観積層塗膜及びその形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】適度な金属感外観を有する塗膜を作業性良く、安価に実現することができる金属感外観積層塗膜及びその形成方法を提供する。
【解決手段】被塗物上に金属調塗膜層2とクリヤ上塗り塗膜層3をこの順で積層されて金属感外観を示す積層塗膜である。金属調塗膜層2は不透明の鱗片状顔料と蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料とを含有する。光輝性顔料は上記被塗物の表面に沿うように面状に配向する。被塗物と金属調塗膜層との間に下塗り塗膜層1を挿入することができる。
積層塗膜の形成方法では、被塗物上に、不透明鱗片状顔料と光輝性顔料とを含み、不透明鱗片状顔料と光輝性顔料の顔料質量濃度(PWC)が10〜90%で、光輝性顔料のPWCが1〜14%である金属調塗料を塗布し、その後、形成された金属調塗膜層上に、クリヤ上塗り塗料を塗布する。
【選択図】 図1
【解決手段】被塗物上に金属調塗膜層2とクリヤ上塗り塗膜層3をこの順で積層されて金属感外観を示す積層塗膜である。金属調塗膜層2は不透明の鱗片状顔料と蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料とを含有する。光輝性顔料は上記被塗物の表面に沿うように面状に配向する。被塗物と金属調塗膜層との間に下塗り塗膜層1を挿入することができる。
積層塗膜の形成方法では、被塗物上に、不透明鱗片状顔料と光輝性顔料とを含み、不透明鱗片状顔料と光輝性顔料の顔料質量濃度(PWC)が10〜90%で、光輝性顔料のPWCが1〜14%である金属調塗料を塗布し、その後、形成された金属調塗膜層上に、クリヤ上塗り塗料を塗布する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属感外観積層塗膜及びその形成方法に係り、更に詳細には、金属メッキ面等が有する金属感外観をメッキ処理によらずに実現する積層塗膜、及びその形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属調塗料としては、蒸着アルミ膜を粉砕して金属片とした蒸着アルミを含有した塗料が知られており、例えば、自動車の内装やホイールキャップ等の塗装に用いられている。このような自動車の内外装塗装に用いられている金属調塗料は、いわゆる粒子感が無く、ハイライト領域とシェード領域の光沢の差が大きい独特の意匠性を有するものである。
【0003】
一方、自動車の部品や電化製品の部品等においては、上記の金属調塗料による金属素地感ではなく、鏡面のような金属面の光沢感が付与されたものが知られている。このような金属感外観を有する部品では、一般に金属メッキや金属蒸着により、表面に金属薄膜を析出して付着させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属メッキによる方法では、導電性を有する基材に限定されたり、あるいは基材表面に導電層を形成する必要があったりする。また、基材全体をメッキ浴に浸漬する必要があり、製造工程が複雑で、設備上種々の制限があった。更に重金属の使用など昨今の環境対応に対し不利な面がある。また、金属を蒸着させる方法では、真空又は減圧容器中に基材を設置する必要があり、大型の基材には適用できないという問題があった。また、製造工程上も減圧化を必要とするなど実用化に当たっては制限があった。
【0005】
一方、顔料として蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料単体のみを含む塗料により適度な金属素地感を出す工法もあったが、光輝材が塗膜中で奇麗に配向せずに意匠性がでなかったり、意匠性を確保するために一度に塗装する膜厚を極端に抑えて多段塗装を実施し必要膜厚を確保するなど多くの工程を必要としたり、塗装場所の温度や湿度などの環境に敏感に影響を受けるため、細かな塗装環境調整を実施したりしていた。更には、使用する光輝性顔料が非常に高価であるため塗料が高価なものとなっていた。
【0006】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、適度な金属感外観を有する塗膜を作業性良く、安価に実現することができる金属感外観積層塗膜及びその形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、鱗片状顔料と光輝性顔料を併用し、顔料の配向状態を適切に制御して積層構造を形成することなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の金属感外観積層塗膜は、被塗物の上に金属調塗膜層とクリヤ上塗り塗膜層をこの順で積層されて金属感外観を示す積層塗膜であって、
上記金属調塗膜層が、不透明の鱗片状顔料と蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料とを含有し、
上記鱗片状顔料と光輝性顔料の少なくとも上記金属調塗膜層の表面に沿った部分は、その面状部位が上記被塗物の表面に沿うようにほぼ面状に配向していることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の金属感外観積層塗膜の好適形態は、上記被塗物と金属調塗膜層との間に下塗り塗膜層を介挿して成り、上記鱗片状顔料と光輝性顔料の少なくとも上記金属調塗膜層の表面に沿った部分は、その面状部位が上記下塗り塗膜層の表面に沿うようにほぼ面状に配向していることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の金属感外観積層塗膜の形成方法は、被塗物の上に金属調塗膜層とクリヤ上塗り塗膜層をこの順で積層されて金属感外観を示す積層塗膜を形成するに当たり、
被塗物の上に、不透明の鱗片状顔料と、蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料とを含み、上記鱗片状顔料と光輝性顔料の合計PWCが10〜90%で、且つこの光輝性顔料のPWCが1〜14%である金属調塗料を塗布し、これにより、上記鱗片状顔料と光輝性顔料の少なくとも上記金属調塗膜層の表面に沿った部分はその面状部位を上記被塗物の表面に沿うようにほぼ面状に配向し、
しかる後、形成された金属調塗膜層の上に、クリヤ上塗り塗料を塗布することを特徴とする。
【0011】
更に、本発明の金属感外観積層塗膜の形成方法の好適形態は、上記被塗物の上に下塗り塗料を塗布し、上記金属調塗料中の鱗片状光輝性顔料の少なくとも一部がこの下塗り塗料中に沈降せずその表面に沿ってほぼ面状に配向できる程度に、この下塗り塗料を硬化させ、次いで、形成された下塗り塗膜層の上に上記金属調塗料を塗布することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の金属感外観積層塗膜について詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を示す。
上述の如く、本発明の金属感外観積層塗膜は、被塗物の上に金属調塗膜層を積層し、この金属調塗膜層の上にクリヤ上塗り塗膜層を積層して構成される。
また、金属調塗膜層は、不透明の鱗片状顔料と光輝性顔料を含有し、この鱗片状顔料と光輝性顔料の少なくとも上記金属調塗膜層の表面に沿った部分は、被塗物に対しほぼ面状に配向し、かかる顔料の面状部位が被塗物表面とほぼ平行になるように接触又は位置している。
【0013】
ここで、金属調塗膜層は、金属調塗料を塗布・硬化させることにより形成されるが、この金属調塗料としては、上記鱗片状顔料と光輝性顔料とを合計した顔料質量濃度(PWC)が10〜90%であって、且つ光輝性顔料のみのPWCが1〜14%であるものを用いることが好ましい。
なお、鱗片状顔料と光輝性顔料との合計PWCは、15〜40%程度とすることが更に好ましく、より望ましくは15〜30%である。かかる鱗片状顔料や光輝性顔料のPWCが高すぎると、塗装時の微粒化が低下するため外観が悪くなり、逆にこれらのPWCが少なすぎると金属感外観の意匠性が低下することがある。
【0014】
また、光輝性顔料は蒸着金属膜を粉砕して得られるが、金属調塗料中での光輝性顔料単独のPWCが1%未満では、ハイライト部の光輝感が不足し、14%を超えると、作業性ないしは密着性が不足することがある。
なお、本発明においては、光輝性顔料のPWCはできるだけ高いことが好ましく、7〜14%とすることが更に好ましい。
【0015】
また、不透明鱗片状顔料は、例えば、金属粉もしくは金属粒子を粉砕、展延して得られる金属粉顔料が挙げられるが、特に限定されるものではない。
この顔料の厚みとしては、一般には0.1超〜2μm、特に0.1超〜1.5μmが好ましい。厚みがこの範囲を逸脱すると、粒子感が現れて金属感が得られないことがある。更に、粒径(最長部長)は5〜60μ、特に5〜30μmであることが好ましい。この範囲を逸脱すると、顔料が面状に配向しづらくなる。
【0016】
一方、光輝性顔料も、蒸着金属膜を粉砕して金属片としたものであれば特に限定されるものではない。このような光輝性顔料は、一般にベースフィルム上に金属膜を蒸着させ、ベースフィルムを剥離した後、蒸着金属膜を粉砕することにより得られる。
蒸着金属膜の厚み、即ち粉砕して得られる金属片の厚みとしては、一般には0.01〜0.1μm、特に0.03〜0.1μmが好ましい。厚みがこの範囲を逸脱すると、粒子感が発現して金属感が得られ難くなる。また、粉砕の程度としては、粒径(最長部長)が5〜60μmとなるように粉砕されていることが好ましい。この範囲を逸脱すると、顔料が面状に配向し辛くなる。
【0017】
上記不透明鱗片状顔料の材質としては、特に限定されるものではないが、例えば厚みの薄いアルミニウム、金、銀等が挙げられる。
一方、光輝性顔料の材質としても、特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム、金、銀及び銅等が挙げられる。
【0018】
上述の如く、不透明鱗片状顔料は、極めて厚みの薄い粒径の揃った鱗片状顔料である。従って、後述するように面状に配向させることにより、表面がフラットな金属調塗膜層を形成することができ、適切な金属感外観をもたらすことができる。
【0019】
また、光輝性顔料は、蒸着金属膜を粉砕して金属片としたものであるので、極めて厚みが薄い金属片である。従って、後述するように面状に配向させることにより、表面がフラットな金属調塗膜層を形成することができ、金属感外観をもたらすことができる。
なお、従来のメタリック塗料に用いられているアルミニウムフレーク等の金属フレークは、比較的厚みが厚く、また表面に凹凸を有しているので、このような金属フレークを面状に配向させても、表面がフラットにならず、本発明のような金属感外観は得られない。
【0020】
上述のように、本発明において用いられる金属調塗料は、不透明鱗片状顔料及び光輝性顔料を含有するが、溶剤、更には必要に応じて、バインダーとなる樹脂及び添加剤を添加して調製される。
ここで、かかる溶剤は、光輝性顔料製造の際に用いた剥離剤やトップコート剤、あるいは金属調塗料塗装の下地塗膜の種類などを考慮して選択されるものであるが、有機溶剤としては、芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤及びエーテル系溶剤等の炭化水素系溶剤を挙げることができる。
また、不透明鱗片状顔料や光輝性顔料がペーストのような市販品として入手される場合には、このペースト中に含有されている溶剤が含まれてもよい。
【0021】
本発明において用いられる金属調塗料では、不透明鱗片状顔料と光輝性顔料及び溶剤以外の成分はできるだけ少量であることが好ましいが、上述のように必要に応じてバインダーとなる樹脂や添加剤を添加することができる。
バインダー樹脂としては、一般に塗膜形成樹脂として用いられている樹脂などを用いることができ、アクリル樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂及びセルロース樹脂などの樹脂が例示される。
また、添加剤としては、ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックスなどのワックス類や、分散剤等が例示される。
【0022】
なお、上述したような金属調塗料によって形成される金属調塗膜層の膜厚は、特に限定されるものではないが、1〜20μm程度が好ましい。
膜厚が1μm未満では、不透明鱗片状顔料と光輝性顔料の絶対量が不足し、金属感が十分に確保できず、20μmを超えると、塗膜中での顔料配向が困難となり金属感が得られないことがある。
【0023】
次に、上述した金属調塗膜層の上に被覆されるクリヤ上塗り塗膜層としては、一般的なクリヤ塗膜を用いることができ、更には半透明感を付与した、いわゆる濁りクリヤ塗膜を用いてもよい。
また、クリヤ上塗り層は、溶剤型塗料から形成してもよいし、粉体塗料から形成してもよい。溶剤型塗料としては、一液型塗料を用いてもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料のような二液型樹脂を用いてもよい。
【0024】
なお、上述のように、本発明で用いられる金属調塗料では、できるだけバインダー樹脂の添加量を少なくすることが好ましいが、バインダー樹脂量が少なすぎたり、あるいはバインダー樹脂を全く用いなかったりした場合には、光輝性顔料が表面から剥がれ落ち易くなることがある。従って、金属調塗料から得られる金属調塗膜層の上にクリヤ上塗り層を形成することにより、このような光輝性顔料の剥がれ落ちを防止することができる。
【0025】
本発明の金属感外観積層塗膜においては、被塗物と金属調塗膜層との間に下塗り塗膜層を介挿することができる。
かかる下塗り塗膜層の有無については、被塗物の種類、表面の凹凸の程度及び密着性の要求レベルにより適宜選定することが望ましい。
このような下塗り塗膜層は、クリヤ塗膜としてもよいし、着色された塗膜としてもよいが、着色塗膜とすることが好ましい。着色塗膜を採用する場合、アルミニウムのような金属光沢に対しては、グレー系又はブラック等の濃色系無彩色の着色を選定することが好ましい。また、下塗り塗膜層は、水系型や溶剤型、粉体塗料から形成することができる。
【0026】
なお、このように下塗り塗膜層を付加した場合には、上記金属調塗料中の不透明鱗片状顔料と光輝性顔料は、後述するように、下塗り塗膜層の表面に対して上述の如きほぼ面状の配置をとることになり、これにより、金属感外観が実現される。
【0027】
本発明の金属感外観積層塗膜の一実施形態においては、下塗り塗膜層がクリヤ塗料から形成され、クリヤ上塗り層がクリヤ塗料又は濁りクリヤ塗料から形成される。また、他の実施形態では、下塗り塗膜層が着色塗料から形成され、クリヤ上塗り層がクリヤ塗料又は濁りクリヤ塗料から形成される。
【0028】
図1は、本発明の金属感外観積層塗膜の好適実施形態を示す断面図である。
同図において、この実施形態では、下塗り塗膜層1とクリヤ上塗り層3の間に、金属調塗膜層2が設けられている。本実施形態では、下塗り塗膜層1としてクリヤ塗膜が形成されている。
図1に示すように、金属調塗膜層2の厚みは、下塗り塗膜層1及びクリヤ塗膜上塗り層3に比べて薄くなっており、金属調塗膜層2は下塗り塗膜層1とクリヤ上塗り層3に挟まれた状態で、面状に配向している。このように、不透明鱗片状顔料と蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料とが面状に配向することにより、良好な金属感外観を示す。
【0029】
下塗り塗膜層1の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば15〜200μm程度、好ましくは25〜150μm程度とすることができる。また、クリヤ上塗り層3の厚みも特に限定されるものではないが、一例として10〜50μm程度、好ましくは25〜40μm程度の厚みが挙げられる。
なお、金属調塗膜層2の厚みは、薄いことが好ましく、上述したように一般には20μm以下、好ましくは5μm以下とすることが好ましい。
【0030】
次に、本発明の金属感外観積層塗膜の形成方法について説明する。
本発明の積層塗膜の形成方法は、上述のような金属感外観積層塗膜を形成するものであり、被塗物上に上述の如き金属調塗料を塗布して金属調塗膜層を形成し、その後、金属調塗膜層の表面にクリヤ上塗り塗料を塗布してクリヤ上塗り塗膜層を形成することにより、金属調塗膜層とクリヤ上塗り塗膜層とが積層した積層塗膜を得るものである。
そして、本形成方法においては、上述のように、金属調塗料に含まれる不透明鱗片状顔料と光輝性顔料は、極めて厚みの薄いフラットな顔料であるため、被塗物表面に対して面状に配向する。従って、得られた積層塗膜は適切な金属感外観を呈することになる。なお、本発明において、不透明鱗片状顔料の面状配向も、金属感外観を得るための必須条件である。
【0031】
また、被塗物と金属調塗膜層との間に下塗り塗膜層を配設する場合には、被塗物表面に上述のような下塗り塗料を塗布した後、金属調塗料中の不透明鱗片状顔料及び光輝性顔料の少なくとも金属調塗膜層の表面に沿った部分が、形成される下塗り塗膜層の表面に沿ってほぼ面状に配向できる程度にこの下塗り塗膜層を硬化させ、しかる後、金属調塗料を塗布することが好ましい。
このように下塗り塗膜層をある程度硬化させた後に金属調塗料を塗布することにより、金属調塗料中の光輝性顔料や鱗片状顔料を、下塗り塗膜層の表面に沿って沈み込むことなく配向させることができ、より良好な金属感外観を得ることができる。
なお、この場合の下塗り塗膜層の硬化の程度は、下塗り塗膜層の種類、金属調塗料の光輝性顔料や鱗片状顔料の種類及び溶剤の種類等に応じて適宜選定することが好ましい。
【0032】
本発明の形成方法の好適形態により得られる積層塗膜は、下塗り塗膜層を塗布した後、金属調塗料を塗布し、その上にクリヤ上塗り層を形成した積層塗膜である。即ち、下塗り塗膜層とクリヤ上塗り層の間に、不透明鱗片状顔料と蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料とを含む金属調塗膜層が設けられており、該金属調塗膜層中の鱗片状顔料と光輝性顔料とが実質的に面状に配向することにより金属感外観を示すことを特徴とする積層塗膜である。
【0033】
実際の適用において、本発明の積層塗膜を鋼板等の金属板の上に形成する場合には、第1下塗り層を形成した後に、本発明の積層塗膜を形成してよい。
例えば、金属板の上に電着塗装を施した後、第1下塗り塗膜を形成し、その上に本発明の積層塗膜を形成してもよい。
【0034】
以上に説明してきた本発明の積層塗膜及びその形成方法によれば、鏡面光沢のように強い光沢感ではなく、柔らかい適度な光沢感を有する金属感外観を塗膜の形成により物品に付与することができる。
従って、取っ手やホイールなどの自動車部品や自動車車体など、あるいは電化製品やその他の物品に、柔らかな適度な金属感外観を簡易な工程で付与することができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0036】
(実施例1〜7、比較例1〜5)
[金属調塗料の調製]
金属調塗料として、不透明鱗片状顔料とアルミニウム蒸着膜を粉砕して得られるアルミニウム粉(光輝性顔料)を含有した実施例及び比較例に係わる都合12種類の塗料を調製した。
不透明鱗片状顔料としては、アルミニウム粉(粒径(最長部長):10〜15μm、厚さ:0.1超〜0.2μm、アルミニウム粉含有量:60%)を用いた。一方、蒸着金属膜を粉砕して得られるアルミニウム粉(光輝性顔料)としては、市販のアルミニウム粉のペースト(商品名「DECOMET1001/10」、CARL SCHLENK AG社製、粒径:5〜20μm、厚さ:0.05〜0.1μm、アルミニウム粉含有量:10%)を用いた。
【0037】
比較として、一般のメタリック塗料に用いられるアルミニウムフレークを含有した市販のアルミニウムペースト(商品名「アルペーストGX−201A」、旭化成工業社製、粒径:5〜15μm、厚さ:0.5〜1.5μm、アルミニウムフレーク含有量:74質量%)を用いた。
【0038】
これら12種類の金属調塗料の配合組成を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
[積層塗膜の形成]
リン酸亜鉛処理した厚み0.8mm、70mm×150mmのダル鋼板に、カチオン電着塗料(商品名「パワートップU600M」、日本ペイント社製カチオン型電着塗料)を、乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装した後、160℃で30分間焼き付けた。その後、日本油脂社製のグレーの中塗り塗料(商品名:ハイエピコNo.500)を30μm塗装し、140℃で30分間焼き付けた。
【0041】
次に、第1層(下塗り塗膜層)、第2層(金属調塗膜層)、及び第3層(クリヤ上塗り層)から成る積層塗膜を形成した。
第1層は乾燥膜厚が3μmとなるようにスプレー塗装し、第2層は表1に示した上記金属調塗料を用いて乾燥膜厚が3μmとなるようにスプレー塗装し、第3層は乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装した。その後、140℃で30分間焼き付けた。
【0042】
なお、第1層目及び第3層目の塗料としては、以下のものを用いた。
第1層目用塗料:溶剤型シルバー塗料…商品名「ベルコートNo.6010」、日本油脂社製アクリル・メラミン系塗料
第3層目用塗料:溶剤型クリヤ…商品名「ベルコートNo.6200」日本油脂社製アクリル・メラミン系塗料
【0043】
得られた実施例1〜7及び比較例1〜5の塗膜について、光沢感、金属感外観及び密着性を以下のようにして評価し、得られた結果を表2に示した。
【0044】
[光沢感]
塗膜外観を以下の基準で肉眼により評価した。
◎:かなり光沢感がある。
○:光沢感がある。
△:普通の感覚。
×:ぼけた感じがする。
【0045】
[金属感外観]
金属感外観について、以下の基準で肉眼により評価した。
◎:ハイライト部とシェード部の対比が極めて大きい。
○:ハイライト部とシェード部の対比が大きい。
△:ハイライト部とシェード部の対比が小さい。
×:ムラ等がありメタリック感も無い。
【0046】
[作業性]
A4サイズのブリキ板に第1層(下塗り塗膜層)、第2層(金属調塗膜層)、及び第3層(クリヤ上塗り層)から成る積層塗膜を形成した。このとき、第1層は乾燥膜厚が3μmとなるようにスプレー塗装し、第2層は乾燥膜厚が3μmとなるようにスプレー塗装し、第3層は乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装した。そして、第2層塗膜塗装時の塗装条件を以下の基準で評価した。
○:塗装ガンのタイプを選択せず塗装回数4パス以下で膜厚確保と意匠性が確保できる。
△:塗装ガンのタイプを選択すれば塗装回数4パス以下で膜厚確保と意匠性が確保できる。
×:塗装ガンタイプを選択して、塗装回数8パス以上で膜厚確保と意匠性が確保できる。
【0047】
[密着性]
塗膜にカッターナイフ(JIS K 5400の7.2(2)(e)に規定)で塗膜素地に達する直交する縦横11本ずつの平行線を2mmの間隔で引き、正方形の碁盤目を形成した。碁盤目状の塗膜の上にセロハンテープ(JIS Z 1522に規定)を密着させ上方に一気に引き剥がし、100個の碁盤目中での塗膜の残った碁盤目の数を測定した。
以上、各評価結果を表2に併せて示す。
【0048】
【表2】
【0049】
表2の結果から明らかなように、本発明に属する実施例1〜9の積層塗膜は、良好な金属感外観及び良好な作業性、密着性を示している。また、鱗片状顔料・光輝性顔料のPWCが好適な範囲にある実施例1〜7がより好ましく、現時点において、作業性と金属感の観点からは、実施例3が最も良好と言える。
更に、実施例8の積層塗膜は、鱗片状顔料と光輝性顔料との合計の質量濃度(PWC)が10%未満であるため、実施例1〜7に比べると光沢感にやや劣ることが判る。また、実施例9の積層塗膜は、光輝性顔料の顔料質量濃度(PWC)が14%を超えるために、実施例1〜7に比べると作業性にやや劣ることが判る。
【0050】
一方、比較例1の積層塗膜は、鱗片状顔料を全く含んでいないために、塗装ガンタイプの選択や塗装回数の増大が必須となり、実施例に対し作業性や密着性に劣ることが判る。また、比較例2の積層塗膜は、鱗片状顔料と光輝性顔料とを全く含んでいないために、実施例に対し金属感に劣る。
【0051】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、不透明鱗片状顔料と光輝性顔料を併用し、顔料の配向状態を適切に制御して積層構造を形成することなどとしたため、適度な金属感外観を有する塗膜を作業性良く、安価に実現することができる金属感外観積層塗膜及びその形成方法を提供することができる。
【0052】
即ち、本発明によれば、特に規定された狭い塗装条件に限定されることなく、通常のメタリック塗装と同様の作業性で目的の金属感が得られる。更に蒸着金属膜を粉砕した光輝性顔料は非常に高価であるが、この光輝材の使用量を最小限に抑えることで安価な金属調塗料を提供するとともに、塗膜の形成により金属感外観を物品に付与することができるので、従来の金属メッキ及び金属蒸着による方法に比べ、より簡易な方法で金属感外観を付与することができる。
【0053】
更にまた、従来のこれらの方法では鏡面光沢のような強すぎる金属感外観しか実現できなかったが、本発明によれば、より柔らかな適度な金属感外観を付与することができる。従って、ホイールや取っ手などの自動車部品や自動車車体、あるいは電化製品などの広い分野において本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属感外観積層塗膜の一実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 下塗り塗膜層
2 金属調塗膜層
3 クリヤ上塗り塗膜層
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属感外観積層塗膜及びその形成方法に係り、更に詳細には、金属メッキ面等が有する金属感外観をメッキ処理によらずに実現する積層塗膜、及びその形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属調塗料としては、蒸着アルミ膜を粉砕して金属片とした蒸着アルミを含有した塗料が知られており、例えば、自動車の内装やホイールキャップ等の塗装に用いられている。このような自動車の内外装塗装に用いられている金属調塗料は、いわゆる粒子感が無く、ハイライト領域とシェード領域の光沢の差が大きい独特の意匠性を有するものである。
【0003】
一方、自動車の部品や電化製品の部品等においては、上記の金属調塗料による金属素地感ではなく、鏡面のような金属面の光沢感が付与されたものが知られている。このような金属感外観を有する部品では、一般に金属メッキや金属蒸着により、表面に金属薄膜を析出して付着させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属メッキによる方法では、導電性を有する基材に限定されたり、あるいは基材表面に導電層を形成する必要があったりする。また、基材全体をメッキ浴に浸漬する必要があり、製造工程が複雑で、設備上種々の制限があった。更に重金属の使用など昨今の環境対応に対し不利な面がある。また、金属を蒸着させる方法では、真空又は減圧容器中に基材を設置する必要があり、大型の基材には適用できないという問題があった。また、製造工程上も減圧化を必要とするなど実用化に当たっては制限があった。
【0005】
一方、顔料として蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料単体のみを含む塗料により適度な金属素地感を出す工法もあったが、光輝材が塗膜中で奇麗に配向せずに意匠性がでなかったり、意匠性を確保するために一度に塗装する膜厚を極端に抑えて多段塗装を実施し必要膜厚を確保するなど多くの工程を必要としたり、塗装場所の温度や湿度などの環境に敏感に影響を受けるため、細かな塗装環境調整を実施したりしていた。更には、使用する光輝性顔料が非常に高価であるため塗料が高価なものとなっていた。
【0006】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、適度な金属感外観を有する塗膜を作業性良く、安価に実現することができる金属感外観積層塗膜及びその形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、鱗片状顔料と光輝性顔料を併用し、顔料の配向状態を適切に制御して積層構造を形成することなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の金属感外観積層塗膜は、被塗物の上に金属調塗膜層とクリヤ上塗り塗膜層をこの順で積層されて金属感外観を示す積層塗膜であって、
上記金属調塗膜層が、不透明の鱗片状顔料と蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料とを含有し、
上記鱗片状顔料と光輝性顔料の少なくとも上記金属調塗膜層の表面に沿った部分は、その面状部位が上記被塗物の表面に沿うようにほぼ面状に配向していることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の金属感外観積層塗膜の好適形態は、上記被塗物と金属調塗膜層との間に下塗り塗膜層を介挿して成り、上記鱗片状顔料と光輝性顔料の少なくとも上記金属調塗膜層の表面に沿った部分は、その面状部位が上記下塗り塗膜層の表面に沿うようにほぼ面状に配向していることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の金属感外観積層塗膜の形成方法は、被塗物の上に金属調塗膜層とクリヤ上塗り塗膜層をこの順で積層されて金属感外観を示す積層塗膜を形成するに当たり、
被塗物の上に、不透明の鱗片状顔料と、蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料とを含み、上記鱗片状顔料と光輝性顔料の合計PWCが10〜90%で、且つこの光輝性顔料のPWCが1〜14%である金属調塗料を塗布し、これにより、上記鱗片状顔料と光輝性顔料の少なくとも上記金属調塗膜層の表面に沿った部分はその面状部位を上記被塗物の表面に沿うようにほぼ面状に配向し、
しかる後、形成された金属調塗膜層の上に、クリヤ上塗り塗料を塗布することを特徴とする。
【0011】
更に、本発明の金属感外観積層塗膜の形成方法の好適形態は、上記被塗物の上に下塗り塗料を塗布し、上記金属調塗料中の鱗片状光輝性顔料の少なくとも一部がこの下塗り塗料中に沈降せずその表面に沿ってほぼ面状に配向できる程度に、この下塗り塗料を硬化させ、次いで、形成された下塗り塗膜層の上に上記金属調塗料を塗布することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の金属感外観積層塗膜について詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を示す。
上述の如く、本発明の金属感外観積層塗膜は、被塗物の上に金属調塗膜層を積層し、この金属調塗膜層の上にクリヤ上塗り塗膜層を積層して構成される。
また、金属調塗膜層は、不透明の鱗片状顔料と光輝性顔料を含有し、この鱗片状顔料と光輝性顔料の少なくとも上記金属調塗膜層の表面に沿った部分は、被塗物に対しほぼ面状に配向し、かかる顔料の面状部位が被塗物表面とほぼ平行になるように接触又は位置している。
【0013】
ここで、金属調塗膜層は、金属調塗料を塗布・硬化させることにより形成されるが、この金属調塗料としては、上記鱗片状顔料と光輝性顔料とを合計した顔料質量濃度(PWC)が10〜90%であって、且つ光輝性顔料のみのPWCが1〜14%であるものを用いることが好ましい。
なお、鱗片状顔料と光輝性顔料との合計PWCは、15〜40%程度とすることが更に好ましく、より望ましくは15〜30%である。かかる鱗片状顔料や光輝性顔料のPWCが高すぎると、塗装時の微粒化が低下するため外観が悪くなり、逆にこれらのPWCが少なすぎると金属感外観の意匠性が低下することがある。
【0014】
また、光輝性顔料は蒸着金属膜を粉砕して得られるが、金属調塗料中での光輝性顔料単独のPWCが1%未満では、ハイライト部の光輝感が不足し、14%を超えると、作業性ないしは密着性が不足することがある。
なお、本発明においては、光輝性顔料のPWCはできるだけ高いことが好ましく、7〜14%とすることが更に好ましい。
【0015】
また、不透明鱗片状顔料は、例えば、金属粉もしくは金属粒子を粉砕、展延して得られる金属粉顔料が挙げられるが、特に限定されるものではない。
この顔料の厚みとしては、一般には0.1超〜2μm、特に0.1超〜1.5μmが好ましい。厚みがこの範囲を逸脱すると、粒子感が現れて金属感が得られないことがある。更に、粒径(最長部長)は5〜60μ、特に5〜30μmであることが好ましい。この範囲を逸脱すると、顔料が面状に配向しづらくなる。
【0016】
一方、光輝性顔料も、蒸着金属膜を粉砕して金属片としたものであれば特に限定されるものではない。このような光輝性顔料は、一般にベースフィルム上に金属膜を蒸着させ、ベースフィルムを剥離した後、蒸着金属膜を粉砕することにより得られる。
蒸着金属膜の厚み、即ち粉砕して得られる金属片の厚みとしては、一般には0.01〜0.1μm、特に0.03〜0.1μmが好ましい。厚みがこの範囲を逸脱すると、粒子感が発現して金属感が得られ難くなる。また、粉砕の程度としては、粒径(最長部長)が5〜60μmとなるように粉砕されていることが好ましい。この範囲を逸脱すると、顔料が面状に配向し辛くなる。
【0017】
上記不透明鱗片状顔料の材質としては、特に限定されるものではないが、例えば厚みの薄いアルミニウム、金、銀等が挙げられる。
一方、光輝性顔料の材質としても、特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム、金、銀及び銅等が挙げられる。
【0018】
上述の如く、不透明鱗片状顔料は、極めて厚みの薄い粒径の揃った鱗片状顔料である。従って、後述するように面状に配向させることにより、表面がフラットな金属調塗膜層を形成することができ、適切な金属感外観をもたらすことができる。
【0019】
また、光輝性顔料は、蒸着金属膜を粉砕して金属片としたものであるので、極めて厚みが薄い金属片である。従って、後述するように面状に配向させることにより、表面がフラットな金属調塗膜層を形成することができ、金属感外観をもたらすことができる。
なお、従来のメタリック塗料に用いられているアルミニウムフレーク等の金属フレークは、比較的厚みが厚く、また表面に凹凸を有しているので、このような金属フレークを面状に配向させても、表面がフラットにならず、本発明のような金属感外観は得られない。
【0020】
上述のように、本発明において用いられる金属調塗料は、不透明鱗片状顔料及び光輝性顔料を含有するが、溶剤、更には必要に応じて、バインダーとなる樹脂及び添加剤を添加して調製される。
ここで、かかる溶剤は、光輝性顔料製造の際に用いた剥離剤やトップコート剤、あるいは金属調塗料塗装の下地塗膜の種類などを考慮して選択されるものであるが、有機溶剤としては、芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤及びエーテル系溶剤等の炭化水素系溶剤を挙げることができる。
また、不透明鱗片状顔料や光輝性顔料がペーストのような市販品として入手される場合には、このペースト中に含有されている溶剤が含まれてもよい。
【0021】
本発明において用いられる金属調塗料では、不透明鱗片状顔料と光輝性顔料及び溶剤以外の成分はできるだけ少量であることが好ましいが、上述のように必要に応じてバインダーとなる樹脂や添加剤を添加することができる。
バインダー樹脂としては、一般に塗膜形成樹脂として用いられている樹脂などを用いることができ、アクリル樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂及びセルロース樹脂などの樹脂が例示される。
また、添加剤としては、ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックスなどのワックス類や、分散剤等が例示される。
【0022】
なお、上述したような金属調塗料によって形成される金属調塗膜層の膜厚は、特に限定されるものではないが、1〜20μm程度が好ましい。
膜厚が1μm未満では、不透明鱗片状顔料と光輝性顔料の絶対量が不足し、金属感が十分に確保できず、20μmを超えると、塗膜中での顔料配向が困難となり金属感が得られないことがある。
【0023】
次に、上述した金属調塗膜層の上に被覆されるクリヤ上塗り塗膜層としては、一般的なクリヤ塗膜を用いることができ、更には半透明感を付与した、いわゆる濁りクリヤ塗膜を用いてもよい。
また、クリヤ上塗り層は、溶剤型塗料から形成してもよいし、粉体塗料から形成してもよい。溶剤型塗料としては、一液型塗料を用いてもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料のような二液型樹脂を用いてもよい。
【0024】
なお、上述のように、本発明で用いられる金属調塗料では、できるだけバインダー樹脂の添加量を少なくすることが好ましいが、バインダー樹脂量が少なすぎたり、あるいはバインダー樹脂を全く用いなかったりした場合には、光輝性顔料が表面から剥がれ落ち易くなることがある。従って、金属調塗料から得られる金属調塗膜層の上にクリヤ上塗り層を形成することにより、このような光輝性顔料の剥がれ落ちを防止することができる。
【0025】
本発明の金属感外観積層塗膜においては、被塗物と金属調塗膜層との間に下塗り塗膜層を介挿することができる。
かかる下塗り塗膜層の有無については、被塗物の種類、表面の凹凸の程度及び密着性の要求レベルにより適宜選定することが望ましい。
このような下塗り塗膜層は、クリヤ塗膜としてもよいし、着色された塗膜としてもよいが、着色塗膜とすることが好ましい。着色塗膜を採用する場合、アルミニウムのような金属光沢に対しては、グレー系又はブラック等の濃色系無彩色の着色を選定することが好ましい。また、下塗り塗膜層は、水系型や溶剤型、粉体塗料から形成することができる。
【0026】
なお、このように下塗り塗膜層を付加した場合には、上記金属調塗料中の不透明鱗片状顔料と光輝性顔料は、後述するように、下塗り塗膜層の表面に対して上述の如きほぼ面状の配置をとることになり、これにより、金属感外観が実現される。
【0027】
本発明の金属感外観積層塗膜の一実施形態においては、下塗り塗膜層がクリヤ塗料から形成され、クリヤ上塗り層がクリヤ塗料又は濁りクリヤ塗料から形成される。また、他の実施形態では、下塗り塗膜層が着色塗料から形成され、クリヤ上塗り層がクリヤ塗料又は濁りクリヤ塗料から形成される。
【0028】
図1は、本発明の金属感外観積層塗膜の好適実施形態を示す断面図である。
同図において、この実施形態では、下塗り塗膜層1とクリヤ上塗り層3の間に、金属調塗膜層2が設けられている。本実施形態では、下塗り塗膜層1としてクリヤ塗膜が形成されている。
図1に示すように、金属調塗膜層2の厚みは、下塗り塗膜層1及びクリヤ塗膜上塗り層3に比べて薄くなっており、金属調塗膜層2は下塗り塗膜層1とクリヤ上塗り層3に挟まれた状態で、面状に配向している。このように、不透明鱗片状顔料と蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料とが面状に配向することにより、良好な金属感外観を示す。
【0029】
下塗り塗膜層1の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば15〜200μm程度、好ましくは25〜150μm程度とすることができる。また、クリヤ上塗り層3の厚みも特に限定されるものではないが、一例として10〜50μm程度、好ましくは25〜40μm程度の厚みが挙げられる。
なお、金属調塗膜層2の厚みは、薄いことが好ましく、上述したように一般には20μm以下、好ましくは5μm以下とすることが好ましい。
【0030】
次に、本発明の金属感外観積層塗膜の形成方法について説明する。
本発明の積層塗膜の形成方法は、上述のような金属感外観積層塗膜を形成するものであり、被塗物上に上述の如き金属調塗料を塗布して金属調塗膜層を形成し、その後、金属調塗膜層の表面にクリヤ上塗り塗料を塗布してクリヤ上塗り塗膜層を形成することにより、金属調塗膜層とクリヤ上塗り塗膜層とが積層した積層塗膜を得るものである。
そして、本形成方法においては、上述のように、金属調塗料に含まれる不透明鱗片状顔料と光輝性顔料は、極めて厚みの薄いフラットな顔料であるため、被塗物表面に対して面状に配向する。従って、得られた積層塗膜は適切な金属感外観を呈することになる。なお、本発明において、不透明鱗片状顔料の面状配向も、金属感外観を得るための必須条件である。
【0031】
また、被塗物と金属調塗膜層との間に下塗り塗膜層を配設する場合には、被塗物表面に上述のような下塗り塗料を塗布した後、金属調塗料中の不透明鱗片状顔料及び光輝性顔料の少なくとも金属調塗膜層の表面に沿った部分が、形成される下塗り塗膜層の表面に沿ってほぼ面状に配向できる程度にこの下塗り塗膜層を硬化させ、しかる後、金属調塗料を塗布することが好ましい。
このように下塗り塗膜層をある程度硬化させた後に金属調塗料を塗布することにより、金属調塗料中の光輝性顔料や鱗片状顔料を、下塗り塗膜層の表面に沿って沈み込むことなく配向させることができ、より良好な金属感外観を得ることができる。
なお、この場合の下塗り塗膜層の硬化の程度は、下塗り塗膜層の種類、金属調塗料の光輝性顔料や鱗片状顔料の種類及び溶剤の種類等に応じて適宜選定することが好ましい。
【0032】
本発明の形成方法の好適形態により得られる積層塗膜は、下塗り塗膜層を塗布した後、金属調塗料を塗布し、その上にクリヤ上塗り層を形成した積層塗膜である。即ち、下塗り塗膜層とクリヤ上塗り層の間に、不透明鱗片状顔料と蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料とを含む金属調塗膜層が設けられており、該金属調塗膜層中の鱗片状顔料と光輝性顔料とが実質的に面状に配向することにより金属感外観を示すことを特徴とする積層塗膜である。
【0033】
実際の適用において、本発明の積層塗膜を鋼板等の金属板の上に形成する場合には、第1下塗り層を形成した後に、本発明の積層塗膜を形成してよい。
例えば、金属板の上に電着塗装を施した後、第1下塗り塗膜を形成し、その上に本発明の積層塗膜を形成してもよい。
【0034】
以上に説明してきた本発明の積層塗膜及びその形成方法によれば、鏡面光沢のように強い光沢感ではなく、柔らかい適度な光沢感を有する金属感外観を塗膜の形成により物品に付与することができる。
従って、取っ手やホイールなどの自動車部品や自動車車体など、あるいは電化製品やその他の物品に、柔らかな適度な金属感外観を簡易な工程で付与することができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0036】
(実施例1〜7、比較例1〜5)
[金属調塗料の調製]
金属調塗料として、不透明鱗片状顔料とアルミニウム蒸着膜を粉砕して得られるアルミニウム粉(光輝性顔料)を含有した実施例及び比較例に係わる都合12種類の塗料を調製した。
不透明鱗片状顔料としては、アルミニウム粉(粒径(最長部長):10〜15μm、厚さ:0.1超〜0.2μm、アルミニウム粉含有量:60%)を用いた。一方、蒸着金属膜を粉砕して得られるアルミニウム粉(光輝性顔料)としては、市販のアルミニウム粉のペースト(商品名「DECOMET1001/10」、CARL SCHLENK AG社製、粒径:5〜20μm、厚さ:0.05〜0.1μm、アルミニウム粉含有量:10%)を用いた。
【0037】
比較として、一般のメタリック塗料に用いられるアルミニウムフレークを含有した市販のアルミニウムペースト(商品名「アルペーストGX−201A」、旭化成工業社製、粒径:5〜15μm、厚さ:0.5〜1.5μm、アルミニウムフレーク含有量:74質量%)を用いた。
【0038】
これら12種類の金属調塗料の配合組成を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
[積層塗膜の形成]
リン酸亜鉛処理した厚み0.8mm、70mm×150mmのダル鋼板に、カチオン電着塗料(商品名「パワートップU600M」、日本ペイント社製カチオン型電着塗料)を、乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装した後、160℃で30分間焼き付けた。その後、日本油脂社製のグレーの中塗り塗料(商品名:ハイエピコNo.500)を30μm塗装し、140℃で30分間焼き付けた。
【0041】
次に、第1層(下塗り塗膜層)、第2層(金属調塗膜層)、及び第3層(クリヤ上塗り層)から成る積層塗膜を形成した。
第1層は乾燥膜厚が3μmとなるようにスプレー塗装し、第2層は表1に示した上記金属調塗料を用いて乾燥膜厚が3μmとなるようにスプレー塗装し、第3層は乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装した。その後、140℃で30分間焼き付けた。
【0042】
なお、第1層目及び第3層目の塗料としては、以下のものを用いた。
第1層目用塗料:溶剤型シルバー塗料…商品名「ベルコートNo.6010」、日本油脂社製アクリル・メラミン系塗料
第3層目用塗料:溶剤型クリヤ…商品名「ベルコートNo.6200」日本油脂社製アクリル・メラミン系塗料
【0043】
得られた実施例1〜7及び比較例1〜5の塗膜について、光沢感、金属感外観及び密着性を以下のようにして評価し、得られた結果を表2に示した。
【0044】
[光沢感]
塗膜外観を以下の基準で肉眼により評価した。
◎:かなり光沢感がある。
○:光沢感がある。
△:普通の感覚。
×:ぼけた感じがする。
【0045】
[金属感外観]
金属感外観について、以下の基準で肉眼により評価した。
◎:ハイライト部とシェード部の対比が極めて大きい。
○:ハイライト部とシェード部の対比が大きい。
△:ハイライト部とシェード部の対比が小さい。
×:ムラ等がありメタリック感も無い。
【0046】
[作業性]
A4サイズのブリキ板に第1層(下塗り塗膜層)、第2層(金属調塗膜層)、及び第3層(クリヤ上塗り層)から成る積層塗膜を形成した。このとき、第1層は乾燥膜厚が3μmとなるようにスプレー塗装し、第2層は乾燥膜厚が3μmとなるようにスプレー塗装し、第3層は乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装した。そして、第2層塗膜塗装時の塗装条件を以下の基準で評価した。
○:塗装ガンのタイプを選択せず塗装回数4パス以下で膜厚確保と意匠性が確保できる。
△:塗装ガンのタイプを選択すれば塗装回数4パス以下で膜厚確保と意匠性が確保できる。
×:塗装ガンタイプを選択して、塗装回数8パス以上で膜厚確保と意匠性が確保できる。
【0047】
[密着性]
塗膜にカッターナイフ(JIS K 5400の7.2(2)(e)に規定)で塗膜素地に達する直交する縦横11本ずつの平行線を2mmの間隔で引き、正方形の碁盤目を形成した。碁盤目状の塗膜の上にセロハンテープ(JIS Z 1522に規定)を密着させ上方に一気に引き剥がし、100個の碁盤目中での塗膜の残った碁盤目の数を測定した。
以上、各評価結果を表2に併せて示す。
【0048】
【表2】
【0049】
表2の結果から明らかなように、本発明に属する実施例1〜9の積層塗膜は、良好な金属感外観及び良好な作業性、密着性を示している。また、鱗片状顔料・光輝性顔料のPWCが好適な範囲にある実施例1〜7がより好ましく、現時点において、作業性と金属感の観点からは、実施例3が最も良好と言える。
更に、実施例8の積層塗膜は、鱗片状顔料と光輝性顔料との合計の質量濃度(PWC)が10%未満であるため、実施例1〜7に比べると光沢感にやや劣ることが判る。また、実施例9の積層塗膜は、光輝性顔料の顔料質量濃度(PWC)が14%を超えるために、実施例1〜7に比べると作業性にやや劣ることが判る。
【0050】
一方、比較例1の積層塗膜は、鱗片状顔料を全く含んでいないために、塗装ガンタイプの選択や塗装回数の増大が必須となり、実施例に対し作業性や密着性に劣ることが判る。また、比較例2の積層塗膜は、鱗片状顔料と光輝性顔料とを全く含んでいないために、実施例に対し金属感に劣る。
【0051】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、不透明鱗片状顔料と光輝性顔料を併用し、顔料の配向状態を適切に制御して積層構造を形成することなどとしたため、適度な金属感外観を有する塗膜を作業性良く、安価に実現することができる金属感外観積層塗膜及びその形成方法を提供することができる。
【0052】
即ち、本発明によれば、特に規定された狭い塗装条件に限定されることなく、通常のメタリック塗装と同様の作業性で目的の金属感が得られる。更に蒸着金属膜を粉砕した光輝性顔料は非常に高価であるが、この光輝材の使用量を最小限に抑えることで安価な金属調塗料を提供するとともに、塗膜の形成により金属感外観を物品に付与することができるので、従来の金属メッキ及び金属蒸着による方法に比べ、より簡易な方法で金属感外観を付与することができる。
【0053】
更にまた、従来のこれらの方法では鏡面光沢のような強すぎる金属感外観しか実現できなかったが、本発明によれば、より柔らかな適度な金属感外観を付与することができる。従って、ホイールや取っ手などの自動車部品や自動車車体、あるいは電化製品などの広い分野において本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属感外観積層塗膜の一実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 下塗り塗膜層
2 金属調塗膜層
3 クリヤ上塗り塗膜層
Claims (15)
- 被塗物の上に金属調塗膜層とクリヤ上塗り塗膜層をこの順で積層されて金属感外観を示す積層塗膜であって、
上記金属調塗膜層が、不透明の鱗片状顔料と蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料とを含有し、
上記鱗片状顔料と光輝性顔料の少なくとも上記金属調塗膜層の表面に沿った部分は、その面状部位が上記被塗物の表面に沿うようにほぼ面状に配向していることを特徴とする金属感外観積層塗膜。 - 上記被塗物と金属調塗膜層との間に下塗り塗膜層を介挿して成り、上記鱗片状顔料と光輝性顔料の少なくとも上記金属調塗膜層の表面に沿った部分は、その面状部位が上記下塗り塗膜層又は被塗物の表面に沿うようにほぼ面状に配向していることを特徴とする請求項1記載の金属感外観積層塗膜。
- 上記金属調塗膜層は、上記鱗片状顔料と光輝性顔料とを、両者の合計の顔料質量濃度(PWC)が10〜90%で、且つこの光輝性顔料のPWCが1〜14%であるように含む塗料を塗布して形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の金属感外観積層塗膜。
- 上記金属調塗膜層の厚みが1〜20μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の金属感外観積層塗膜。
- 上記クリヤ上塗り塗膜層がクリヤ塗膜又は濁りクリヤ塗膜から形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の金属感外観積層塗膜。
- 上記下塗り塗膜層がクリヤ塗膜又は着色塗膜から形成されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つの項に記載の金属感外観積層塗膜。
- 被塗物の上に金属調塗膜層とクリヤ上塗り塗膜層をこの順で積層されて金属感外観を示す積層塗膜を形成するに当たり、
被塗物の上に、不透明の鱗片状顔料と、蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料とを含み、上記鱗片状顔料と光輝性顔料の合計PWCが10〜90%で、且つこの光輝性顔料のPWCが1〜14%である金属調塗料を塗布し、これにより、上記鱗片状顔料と光輝性顔料の少なくとも上記金属調塗膜層の表面に沿った部分はその面状部位を上記被塗物の表面に沿うようにほぼ面状に配向し、
しかる後、形成された金属調塗膜層の上に、クリヤ上塗り塗料を塗布することを特徴とする金属感外観積層塗膜の形成方法。 - 上記被塗物の上に下塗り塗料を塗布し、上記金属調塗料中の鱗片状顔料と光輝性顔料の少なくとも一部がこの下塗り塗料中に沈降せずその表面に沿ってほぼ面状に配向できる程度に、この下塗り塗料を硬化させ、次いで、形成された下塗り塗膜層の上に上記金属調塗料を塗布することを特徴とする請求項7記載の金属感外観積層塗膜の形成方法。
- 上記金属調塗料が、更に溶剤とバインダー樹脂を含有することを特徴とする請求項7又は8記載の金属感外観積層塗膜の形成方法。
- 上記光輝性顔料の厚さが0.01〜0.1μmで、最長部の長さが5〜60μmであることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つの項に記載の金属感外観積層塗膜の形成方法。
- 上記光輝性顔料がアルミニウムから成ることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つの項に記載の金属感外観積層塗膜の形成方法。
- 上記不透明鱗片状顔料の厚さが0.1超〜2μmで、最長部の長さが5〜60μmであることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1つの項に記載の金属感外観積層塗膜の形成方法。
- 上記不透明鱗片状顔料がアルミニウムから成ることを特徴とする請求項7〜12のいずれか1つの項に記載の金属感外観積層塗膜の形成方法。
- 上記クリヤ上塗り塗料が、クリヤ塗料又は濁りクリヤ塗料から成ることを特徴とする請求項7〜13のいずれか1つの項に記載の金属感外観積層塗膜の形成方法。
- 上記下塗り塗料が、クリヤ塗料又は顔料を含んだ着色塗料から成ることを特徴とする請求項8〜14のいずれか1つの項に記載の金属感外観積層塗膜の形成方法。
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