JPH0262476B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は作業員、資材等を高所に持ち上げて建
設、修理、補修等の作業を行うことができるブー
ム式リフト装置に関し、特に、ブーム体を伸張さ
せた際に作業体の揺れが少ないブーム式リフト装
置に関する。

建造物の組立、修理、塗装や街路等の点検、電
球の交換等の高所における作業が多くなつてお
り、このため径の異なる複数のブームを大径のも
のへ小径のものを順に挿入して一組のブーム体と
し、このブーム体を伸縮させることで作業体を上
下に昇降させるブーム式リフト装置が盛んに用い
られている。このリフト装置ではブーム体を複数
の径の異なるブームにより構成させているため、
各ブームの間に隙間が生ずるとともに、各ブーム
のいずれか二つの辺が水平線に対して平行となる
ように配置していたので、各ブームが伸長した際
には遊びが大きくなるものであつた。このため、
ブーム体を最伸長させた状態で車体を旋回させ、
次いで急停止させると前述の各ブーム間の遊びと
慣性力が相互に作用してブーム体が水平方向にガ
タ付き、作業員の載つた作業体が大きく揺れて作
業員に無用の不安感を与えるものであつた。

本発明は上述の欠点に鑑み、ブーム体を左右に
旋回させても各ブームの遊び小さく、作業体の揺
れが少いブーム式リフト装置を提供するものであ
る。

以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。

第１図は本実施例の全体を示すもので、１は架
台であり、架台１の四辺にそれぞれ車輪２が軸支
してあり、架台１の中央上面には旋回台３が固着
してある。この旋回台３上にはエンジン、油圧装
置等を収納した車体４が水平方向に回転自在に載
置してあり、車体４上面には三角状をした一対の
軸支片５が固着してあり、この軸支片５の間には
内部が中空の細長いパイプ状をした下段ブーム６
の下端が挿入してあり、軸支片５と下段ブーム６
とはピン７によつて垂直方向に回動自在に軸支し
てある。この下段ブーム６の上端開口より内部中
空の中段ブーム８が摺動自在に挿通してあり、中
段ブーム８の上端開口より内部中空の上段ブーム
９が摺動自在に挿通してあり、これらのブーム
６，８，９により３段のブーム体１０が形成され
ている。各ブーム６，８，９はそれぞれの断面形
状を中空の楕円形状としており、それぞれの楕円
は同心状に配置されており、各楕円の長円方向が
上方及び下方を向くように位置させてある。前記
上段ブーム９の先端には少し上方を向いた連結片
１１が固着してあり、この連結片１１には作業員
が搭乗する四角形をした作業体１２がピン１３に
よつて連結してあり、連結片１１と作業体１２の
間に姿勢を補正するための修正油圧シリンダ１４
が介在させてあり、作業体１２の上部には制御ボ
ツクス１５が固着してある。また、車体４の上部
と下段ブーム６との間には持ち上げ用の油圧シリ
ンダ１６が介在させてある。

第２図は第１図中Ｘ−Ｘ矢視したブーム体１０
の断面を示すもので、各ブーム６，８，９の断面
はれぞれ径の異なる楕円形をしており、それぞれ
のブーム６，８，９間には少しの隙間が設けてあ
り、各ブーム６，８，９の断面の軸芯は一致させ
てある。このブーム内にある空洞には油圧シリン
ダ１７が長さ方向を揃えて配置してあり、ブーム
９の下向きとなつた側面にはその長さ方向に沿つ
て少し内部に凹部形に曲げられたチエーン収納部
１８の空間が形成されており、このチエーン収納
部１８内にはチエーン１９が挿入してある。そし
て、このブーム６，８，９は、その楕円の長円方
向を上下に位置させてある。

また、第３図は第２図中Ｙ−Ｙ矢視したブーム
体１０の長さ方向の断面を示すもので、前記ブー
ム６の底部は底板２０によつて閉鎖してあり、底
板２０には前記油圧シリンダ１７の基部が固着し
てある。この油圧シリンダ１７のシリンダロツド
２１には、その軸線と長角方向にジヨイント２２
が固着してあり、このジヨイント２２には細長い
ロツド２３が油圧シリンダ１７と平行になるよう
に接続してあり、ロツド２３の先端にはブロツク
２４を介して中段ブーム８の基部に連結してあ
る。そして、上段ブーム９の基部と下段ブーム６
の頂部との間にはチエーン１９の両端がそれぞれ
接続してあり、このチエーン１９は中段ブーム８
の先端下部に軸支してあるローラ２５に巻回して
ある。また、下段ブーム６と中段ブーム８の先端
部内壁には、それぞれ中段ブーム８、上段ブーム
９の外周壁に接続して摺動するMCナイロン等で
の形成されたスライダ２６，２７が固着してあ
り、中段ブーム８、上段ブーム９の基部外周には
それぞれ下段ブーム６、中段ブーム９の内周壁に
接触して摺動するスライダ２８，２９が固着して
ある。

次に、本実施例の作用を説明する。

車体４内のエンジンを作動させ、エンジンによ
つて図示しない油圧発生装置を従動させて油圧を
リフト装置の各部に供給させ、制御ボツクス１５
内のレバー等の操作することによつてリフト装置
は自由に動作することになる。すなわち、作業体
１２に作業員が搭乗し、制御ボツクス１５を操作
することで架台１はＡ方向に進退することがで
き、車体４は旋回台３上でＢ方向に左右いずれに
も回転でき、下段ブーム６は油圧シリンダ１６に
よつてＣ方向に傾動でき、中段、上段ブーム８，
９は油圧シリンダ１７によりＤ方向に伸縮でき、
作業体１２は修正油圧シリンダ１４により常に垂
直となるようＥ方向に修正揺動される。つまり、
車体４は車輪２を回転させて架台１を所定の作業
位置にまで移動させることができ、次いで車体４
を旋回台３上で回転させて作業台１２を必要とす
る方向に向けさせせることができる。そして、油
圧シリンダ１６を伸長させることで下段ブーム６
を必要傾斜角度にまで持ち上げ、中段、上段ブー
ム８，９は油圧シリンダ１７により下段ブーム６
から伸長されることで作業体１２を壁面、陸橋下
面等の作業個所の高さ位置にまで接近させること
ができ、作業体１２上の作業員は張付け、修正、
取外し等の作業を行うことができる。なお、作業
体１２は油圧シリンダ１４の作用で補正されて常
に垂直方向に保持されている。

このブーム体における中段、上段ブーム８，９
の伸縮は油圧シリンダ１４によつて行なわれる
が、油圧シリンダ１７が伸縮するとシリンダロツ
ド２１の作用力はジヨイント２２、ロツド２３、
ブロツク２４を介して中段ブーム８に伝えられ、
中段ブーム８を下段ブーム６により引き伸すこと
になる。同時に中段ブーム８の伸縮によりローラ
ー２５はチエーン１９を引き上げ、上段ブーム９
を中段ブーム８より引き伸すように作用し、中
段、上段ブーム８，９は下段ブーム６より同時に
伸張される。このブーム体１０の伸縮において各
ブーム６，８，９はそれぞれスライダ２６〜２９
によつて揺動する。このブーム体１０は第２図で
示す様に断面が楕円形状であり、その長円方向が
各ブームの上下方向に位置しているため、ブーム
体１０を伸張したとき、中段ブーム８、上段ブー
ム９の重力は楕円の長円頂部の狭いややＵ字形の
部分に集中する。このため、ブーム８，９の上方
の頂点にあるスライダ２８，２９は、ブーム６，
８の上方の楕円による長円の狭い内周壁部分に密
着し、また、ブーム８，９の下方の楕円による長
円の狭い外周壁はブーム６，８の下方の頂点にあ
るスライダ２６，２７に密着し、各ブーム６，
８，９間における上下の遊びが吸収される。した
がつて、各ブーム６，８，９を伸張した状態で車
体４を水平方向に旋回させて急停止させるとブー
ム体１０の先端に連結した作業体１２はしなうこ
とになるが、各ブーム６，８，９間の間隙に遊び
が生じないため、ガタ付きが生じなくなり、作業
体１２はガタ付きから生ずる振動が伝えられず、
大きく揺れることなく、車体４を急停止させるこ
とによつても作業体１２は静かに停止することが
できる 本発明は上述の様に構成したので、ブーム体を
構成する各ブーム間の遊びを吸収してガタ付きを
生じさせないため、作業体は作業中においても振
動が伝えられず、作業員は安心して作業をするこ
とができ、無用の不安感を与えないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図、第２
図は第１図中Ｘ−Ｘ矢視のブーム体の断面図、第
３図は第２図中Ｙ−Ｙ矢視のブーム体の側断面図
である。 ４……車体、６，８，９……ブーム、１０……
ブーム体、１２……作業体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 移動できるとともに水平方向に旋回できる車
   体と、複数のブームをその長さ方向にそれぞれ伸
   縮自在に挿通してなりその径大なブームの基部を
   車体上に軸支させられたブーム体と、そのブーム
   体のうち径小のブームの先端に連結された作業体
   とから成り、ブーム体のブームを長さ方向に伸縮
   させるとともにブーム体を上下に揺動させること
   で作業体を自由な高さに位置させることができる
   ブーム式リフト装置において、ブーム体の各ブー
   ムの断面をそれぞれ楕円形状に形成するととも
   に、ブームの形状である楕円の長円を上下方向に
   位置させることを特徴とするブーム式リスト装
   置。