JP4772191B2 - 作業装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業装置に関し、更に詳細には、車体に起伏動可能に枢結されたブームと、ブームの先端に上下方向に揺動可能に枢結された平行リンクと、平行リンクの先端に上下方向に揺動可能に枢結された作業台とを有して構成された作業装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高所作業を行なう高所作業車としては、例えば、車体上に旋回動可能に設けられた旋回台に少なくとも起伏動可能に構成されたブームと、ブームの先端に上下方向に揺動可能に取り付けられた平行リンクと、平行リンクの先端に上下方向に揺動自在に取り付けられた作業台とを備えてなる作業装置を有するものがある。平行リンクとブームの先端部間にはブームの先端に対して平行リンクを上下方向に揺動させる屈伸シリンダが枢結されており、この屈伸シリンダが伸縮動すると平行リンクを上下方向に揺動させて作業台が水平状態のまま上下方向に移動するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、平行リンクは同一長さを有した2本の第1リンク部材と第2リンク部材を有し、ブームが水平方向に延びた状態の正面視において、第1リンク部材の一方の端部はブームの先端部に枢結され、第2リンク部材の一方の端部は第1リンク部材の前記ブームへの枢結位置よりも垂直下方のブーム先端部の位置に枢結され、第1リンク部材及び第2リンク部材の他方の端部が作業台に枢結されて平行リンクを構成している。その結果、屈伸シリンダが伸縮動して平行リンクを上下方向に揺動させると、平行リンクの揺動角度が大きくなるに従って第1リンク部材と第2リンク部材間の間隙が徐徐に小さくなり、ついには間隙が無くなって第1リンク部材と第2リンク部材が密着して平行リンクの揺動を規制する。このため、従来の平行リンクではブームの先端に対して平行リンクを大きな揺動角度で揺動させることができず、作業台の移動範囲を狭くして作業全体の作業効率を低下させていた。
【0004】
そこで、ブームの先端に対して作業台の移動範囲を拡大させるため、ブームの先端に屈伸アームを枢結し、屈伸アームの先端に作業台を上下方向に揺動自在に枢結し、屈伸アームの基端部とブームの先端部間にリンクを枢結し、このリンクと屈伸アーム間に屈伸シリンダを枢結して構成した作業装置が提案されている。
【0005】
この作業装置によれば、屈伸シリンダの伸縮動によりリンクを介して屈伸アームが大きな揺動角度で揺動して作業台の移動範囲を拡大させることができるが、ブームの起伏動にともなって傾く作業台を水平状態にするレベリング装置の他に、屈伸アームのみを単体で揺動させたときに傾く作業台を水平状態にさせるレベリング装置が更に必要となり、作業装置の重量を増加させるとともにコストの増加を招くという問題が生じる。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ブームの先端において作業台を大きな範囲で移動させることができ、且つ軽量で安価な作業装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために第1の発明の車両の作業装置は、基台(例えば、実施形態における旋回台11)に少なくとも起伏動可能に取り付けられたブームと、基端部がブームの先端部に上下に揺動自在に枢結されて互いに平行に延びる同一長さの第1平行リンク部材及び第2平行リンク部材と、互いに平行に延びた状態第1平行リンク部材及び第2平行リンク部材の先端部に枢結された作業台ブラケットと、作業台ブラケットに上下に揺動自在に枢結された作業台とを有して構成された作業装置であって、第1および第2平行リンクが水平に延びて位置した状態で、ブームの側面視において、第1平行リンク部材の基端部とブームの先端部との枢結部が第2平行リンク部材の基端部とブームの先端部との枢結部より上方に位置し、ブームの平面視においてブームが延びる方向に直角な方向に所定の間隙を有して第1平行リンク部材及び第2平行リンク部材が互いに平行に且つブームの延びる方向と同一方向に延びて平行リンクを構成し、平面視において、第1平行リンク部材および第2平行リンク部材間に配置されるとともに第1平行リンク部材および第2平行リンク部材と同一長さを有して平行に延び、一端側がブームの先端部に上下に揺動自在に枢結され他端側が作業台ブラケットに上下に揺動自在に枢結されたアーム部材と、一端側がブームの先端部に上下に揺動自在に枢結された第1リンク機構部材、および一端側が第1リンク機構部材の他端側に上下に揺動自在に枢結され他端側がアーム部材の中間部に上下に揺動自在に枢結された第2リンク機構部材からなるリンク機構と、一端側が第2リンク機構部材の中間部に上下に揺動自在に枢結され、他端側がアーム部材と作業台ブラケットとの枢結部に上下に揺動自在に枢結された伸縮自在な屈伸シリンダ(例えば、実施形態における第1屈伸シリンダ37)を有し、屈伸シリンダを伸縮動させて、側面視において平行リンクをブームの先端部との枢結部を中心として上下揺動させて作業台を上下方向に移動させることができるように構成される。
【0008】
上記構成の作業装置によれば、まず、屈伸シリンダが伸縮動すると、第1平行リンク部材と第2平行リンク部材がブーム先端部の各枢結位置を揺動中心として揺動する。また、平行リンクを構成する第1平行リンク部材と第2平行リンク部材の揺動により作業台は水平状態に維持されて上下方向に移動する。ここで、第1平行リンク部材と第2平行リンク部材が揺動してある揺動角度になると正面視において、第1平行リンク部材と第2平行リンク部材が重なり合うように見えるが、平面視において第1平行リンク部材と第2平行リンク部材は横方向に所定の間隙を有したブームの先端部の位置に配設されているので、両者が接触することはない。その結果、第1平行リンク部材と第2平行リンク部材は大きな揺動角度で揺動させてもその揺動は規制されず、側面視において平行リンクが少なくとも垂直下方に延びる位置から垂直上方に延びる位置まで揺動して作業台を水平状態のまま上下方向に移動させることができる。
さらに上記構成の作業装置によれば、屈伸シリンダが伸縮動するとリンク機構を介してアーム部材のブームとの枢結位置を揺動中心としてアーム部材を上下に大きな角度で揺動させる。これと同時に作業台を介して第1平行リンク部材と第2平行リンク部材が揺動するとともに、平行リンクを構成する第1平行リンク部材と第2平行リンク部材の揺動により作業台が水平状態に維持されたまま上下方向に移動する。その結果、屈伸シリンダの伸縮量が小さくてもアーム部材を大きな揺動角度で揺動させることができる。
【0009】
このため、ブーム先端部における作業台の移動範囲を拡大させることができ、作業全体の作業効率を向上させることができる。
【0010】
上記構成の作業装置において、第1平行リンク部材のブームの先端部への枢結位置と第2平行リンク部材のブームの先端部への枢結位置が側面視においてブームが延びる方向にずれていることが好ましい。
【0011】
上記構成の作業装置によれば、第1平行リンク部材と第2平行リンク部材のブームの先端部への枢結位置をブームが延びる方向にずらすことで、ブームの先端部に作用する荷重を分散させることができる。
【0014】
また、第2の発明の車両の作業装置は、基台(例えば、実施形態における旋回台11)に少なくとも起伏動可能に取り付けられたブームと、基端部がブームの先端部に上下に揺動自在に枢結されて互いに平行に延びる同一長さの第1平行リンク部材及び第2平行リンク部材と、互いに平行に延びた状態第1平行リンク部材及び第2平行リンク部材の先端部に枢結された作業台ブラケットと、作業台ブラケットに上下に揺動自在に枢結された作業台とを有して構成された作業装置であって、第1および第2平行リンクが水平に延びて位置した状態で、ブームの側面視において、第1平行リンク部材の基端部とブームの先端部との枢結部が第2平行リンク部材の基端部とブームの先端部との枢結部より上方に位置し、ブームの平面視においてブームが延びる方向に直角な方向に所定の間隙を有して第1平行リンク部材及び第2平行リンク部材が互いに平行に且つブームの延びる方向と同一方向に延びて平行リンクを構成し、平面視において、第1平行リンク部材と第2平行リンク部材間に配置されるとともに第1平行リンク部材および第2平行リンク部材と同一長さを有して平行に延び、一端側がブームの先端部に上下に揺動自在に枢結され他端側が作業台ブラケットに上下に揺動自在に枢結されたアーム部材と、一端側においてアーム部材の中間部に上下に揺動自在に枢結されたリンク機構部材と、一端側がリンク機構部材の他端側上下に揺動自在に枢結され、他端側がアーム部材の中間部上下に揺動自在に枢結された伸縮自在な第1屈伸シリンダと、ブームの先端部に先端側に開口する先端開口部が設けられ、一端側がリンク機構部材における第1屈伸シリンダとの枢結部に上下に揺動自在に枢結され、他端側がブームの先端部における先端開口部の内側部に上下に揺動自在に枢結された伸縮自在な第2屈伸シリンダとを有し、第1屈伸シリンダ及び第2屈伸シリンダの少なくともいずれか一方の伸縮動により平行リンクを上下方向に揺動させて作業台が上下方向に移動するように構成されている。
【0015】
上記構成の作業装置によれば、第1屈伸シリンダ及び第2屈伸シリンダの少なくともいずれか一方が伸縮動するとリンク機構部材を介してアーム部材のブームとの枢結位置を揺動中心としてアーム部材を上下に大きな角度で揺動させる。そして、作業台を介して第1平行リンク部材と第2平行リンク部材が揺動されて作業台が水平状態のまま上下方向に移動する。
【0016】
また、上記構成の作業装置において、第1屈伸シリンダ及び第2屈伸シリンダのいずれか一方を伸縮動させることにより、平行リンクブームの延伸方向と同一方向に延びた状態にさせるとともに、第1屈伸シリンダ、第2屈伸シリンダ及びリンク機構部材が平行リンク内に収まり、平行リンクがブーム内に格納可能に構成することが好ましい。
【0017】
上記構成の作業装置によれば、平行リンクがブームの延伸方向と同一方向に延びた状態において平行リンクはブーム内に格納可能に構成されるので、ブームを車体に格納させる場合、ブームを全縮状態にしたときの長さを短くすることができ、ブームを車体にコンパクトに格納することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1から図5に基づいて説明する。本実施の形態は車体上に旋回動且つ起伏動自在に設けられ伸縮動可能に構成されたブームの先端に平行リンクを介して連結された作業台を有してなる高所作業車の態様を示す。
【0019】
【第1の実施の形態】
本発明に係わる作業装置の第1の実施の形態を図1から図3を使用して説明する。最初に、作業装置を説明する前に、作業装置を搭載した高所作業車を説明する。高所作業車1は、図1に示すように、車体3の前後に車輪5を配設して走行可能であり、前部に運転キャビン7を有したトラック車両をベースに構成されている。車体前後の左右両側部には外側に張り出して車体3を持ち上げ支持するジャッキ9が取り付けられている。トラック車両の車体3の後部には旋回モータ(図示せず)により駆動されて水平旋回可能に構成された旋回台11が配設されている。旋回台11には作業装置20が取り付けられている。
【0020】
次に、作業装置20について説明する。作業装置20は旋回台11の上端部に上下方向に揺動自在に枢結されたブーム21を有している。ブーム21は起伏シリンダ23により起伏動するように構成され、基端ブーム21a、中間ブーム21b及び先端ブーム21cを入れ子式に組み合わせ、内蔵の伸縮シリンダ25により伸縮動可能に構成されている。ブーム21の先端にはリンクブラケット27が取り付けられ、リンクブラケット27に平行リンク30が上下方向に揺動可能に取り付けられている。平行リンク30の先端部には作業台ブラケット40を介して作業台50が上下方向に揺動可能に枢結されている。
【0021】
平行リンク30は、図2(a)及び図2(b)に示すように、同一長さを有する第1平行リンク部材31と第2平行リンク部材32を有し、ブーム21が水平方向に延びた状態の平面視において、第1平行リンク部材31の一方の端部はリンクブラケット27の先端右側の上部に枢結され、第2平行リンク部材32の一方の端部はリンクブラケット27の先端左側の下部に枢結されている。その結果、第1平行リンク部材31の一方の端部のリンクブラケット27への枢結位置と第2平行リンク部材32の一方の端部の枢結位置は、ブーム21の左右方向に所定の間隙を有し、且つ上下及び前後方向に所定の間隙を有した状態で配設されていることになる。第1平行リンク部材31の他方の端部は作業台ブラケット40の基端側の右側上部に枢結され、第2平行リンク部材32の他方の端部は作業台ブラケット40の中間部左側の下部に枢結され、第1平行リンク部材31及び第2平行リンク部材32により平行リンクが構成されている。
【0022】
図2(a)に示す平行リンク30の平面視において、第1平行リンク部材31と第2平行リンク部材32間には屈伸アーム33が並設されている。屈伸アーム33は下方に開口部を有し前後方向に延びる凹部34を有している。屈伸アーム33は、第1平行リンク部材31と第2平行リンク部材32と同一長さであり、一方の端部がリンクブラケット27の先端中央部の上部に枢結され、他方の端部が作業台ブラケット40の中間上部の略中央部に枢結されている。図2(b)に示す屈伸アーム33のブーム側の凹部34とリンクブラケット27との間にはリンク機構35が枢結されている。更に詳細には、リンク機構35は第1リンク機構部材35aと第2リンク機構部材35bとを有して構成され、第1リンク機構部材35aは直線状であり、第2リンク機構部材35bはく字状に屈曲した形状を有している。第1リンク機構部材35aの基端部はリンクブラケット27の中央下部に枢結され、第1リンク機構部材35aの先端部は第2リンク機構部材35bの先端部に枢結されている。第2リンク機構部材35bの基端部は屈伸アーム33の基端側の凹部34内に枢結されている。
【0023】
第2リンク機構部材35bの中間部と屈伸アーム33の先端側の凹部34との間には第1屈伸シリンダ37が枢結されている。作業台ブラケット40の先端部には上下方向に揺動自在に枢結された揺動ブラケット41が取り付けられている。揺動ブラケット41の上端部と作業台ブラケット40の先端部間には上部レベリングシリンダ43が枢結されている。揺動ブラケット41の上端には上方へ突出して回動可能な垂直ポスト45が取り付けられており、この垂直ポスト45に作業台50が取り付けられている。上部レベリングシリンダ43は、図1に示す基端ブーム21aの基端部と旋回台11との間に枢結された下部レベリングシリンダ13とともに図示しない閉回路を構成した油圧回路内に設けられており、一方のシリンダが伸長動すると、他方のシリンダが縮小動するように構成されている。作業台50にはブーム21の起伏動、旋回動及び伸縮動を操作するブーム操作装置51と、平行リンク30を揺動させる揺動操作装置53が取り付けられている。
【0024】
次に、第1の実施の形態における作業装置20の作動に関して、平行リンク30を上下に揺動させる場合について説明する。まず、作業台50を作業位置の近くに移動させる場合について説明する。図1に示すように、ブーム21とジャッキ9を車体3に格納させた状態で高所作業車1を作業現場に移動させ、ジャッキ9を張り出して車体3を持ち上げ支持させる。そして、図示しない作業者が作業台50に搭乗してブーム操作装置51を操作し、ブーム21を起伏、旋回及び伸縮動させて作業台50を作業位置の近くに移動させる。ここで、平行リンク30は、図3(b)に示すように、ブーム21の伸長方向と同一方向に伸長した状態にあるとする。尚、ブーム21の起伏動に伴って図1に示す下部レベリングシリンダ13が伸縮動して図2に示す上部レベリングシリンダ43を縮伸動させるので、作業台50は水平状態に保持された状態にある。
【0025】
次に、平行リンク30を上下方向に揺動させる場合について説明する。まず、平行リンク30を上方向に揺動させる場合について説明する。図2(b)に示す揺動操作装置53の操作レバーを一方側に倒伏操作すると、図3(b)に示すように、第1屈伸シリンダ37が伸長動して屈伸アーム33のリンクブラケット27との枢結位置を揺動中心として屈伸アーム33が上方へ揺動する。これと同時に、第2リンク機構部材35bを介して第1リンク機構部材35aが上方へ揺動されて第1屈伸シリンダ37のロッド側先端部が上方へ移動する。ここで、第1平行リンク部材31と第2平行リンク部材32によりリンクが構成されているので、第1屈伸シリンダ37の伸長量が小さくても屈伸アーム33の揺動角度を大きくすることができる。
【0026】
屈伸アーム33が上方へ揺動すると、作業台ブラケット40を介して第1平行リンク部材31及び第2平行リンク部材32が上方へ揺動されて作業台50が上方へ移動する。ここで、第1平行リンク部材31と第2平行リンク部材32は平行リンク30を構成しているので、作業台ブラケット40は水平状態のままで移動することになり、その結果、作業台50は水平状態に維持される。
【0027】
ここで、図3(a)に示すように、平行リンク30の揺動角度θが大きな状態になると側面視において、屈伸アーム33と第2平行リンク部材32が重なり合う状態に見えるが、屈伸アーム33と第2平行リンク部材32は平行リンク30の左右方向に所定の間隙を有した状態で並設されているので、両者が接触することはない。同様に平行リンク30の揺動にともなって第1平行リンク部材31と第2平行リンク部材32が接触することもない。その結果、平行リンク30の揺動角度θが少なくとも+90度になる位置まで平行リンク30を揺動させることができるとともに、作業台50を水平状態のまま上方位置に移動させることができる。また、第1平行リンク部材31と第2平行リンク部材32は前後方向にずれた状態で先端ブーム21の先端部に枢結されているので、ブーム21の先端部や作業台ブラケット40に作用する荷重を分散させることができる。
【0028】
次に、平行リンク30を下方向に揺動させる場合について説明する。図2(b)に示す揺動操作装置53の操作レバーを他方側に倒伏操作すると、図3(b)に示すように、第1屈伸シリンダ37が縮小動して屈伸アーム33のリンクブラケット27との枢結位置を揺動中心として屈伸アーム33が下方へ揺動する。これと同時に、第2リンク機構部材35bを介して第1リンク機構部材35aが下方へ揺動されて第1屈伸シリンダ37のロッド側先端部が下方へ移動する。ここで、第1平行リンク部材31と第2平行リンク部材32によりリンクが構成されているので、第1屈伸シリンダ37の縮小量が小さくても屈伸アーム33の揺動角度を大きくすることができる。
【0029】
屈伸アーム33が下方へ揺動すると、作業台ブラケット40を介して第1平行リンク部材31及び第2平行リンク部材32を下方させて揺動して作業台50が下方へ移動する。ここで、第1平行リンク部材31と第2平行リンク部材32は平行リンクを構成しているので、作業台ブラケット40は水平状態のままで移動することになり、その結果、作業台50は水平状態に維持される。
【0030】
また、図3(c)に示すように、平行リンク30の揺動角度θが大きな状態になると側面視において、屈伸アーム33と第2平行リンク部材32が重なり合う状態に見えるが、屈伸アーム33と第2平行リンク部材32は平行リンク30の左右方向に所定の間隙を有した状態で並設されているので、両者が接触することはない。また、同様に平行リンク30の揺動にともなって第1平行リンク部材31と第2平行リンク部材32が接触することもない。その結果、平行リンク30の揺動角度θが少なくとも−90度になる位置まで平行リンク30を揺動させることができるとともに、作業台50を水平状態のまま下方位置に移動させることができる。また、第1平行リンク部材31と第2平行リンク部材32は前後方向にずれた状態で先端ブーム21の先端部に枢結されているので、ブーム21の先端部や作業台ブラケット40に作用する荷重を分散させることができる。このため、ブーム21の先端周辺において作業台50を広範囲に移動させることができ、作業全体の作業効率の向上を図ることができる。
【0031】
また、従来、ブーム21の先端に屈伸アーム(図示せず)を上下方向に揺動可能に枢結し、屈伸アームの先端に作業台50を上下方向に揺動自在に枢結し、屈伸アームの揺動により傾斜する作業台50をレベリングするためのレベリング装置(図示せず)を屈伸アームに設けられたものと比較して、上下方向に大きな揺動角度を有して揺動可能な平行リンク30を作業台50に連結させることで、レベリング装置が不要となり作業装置20を軽量化させることができるとともに、コストを安価にすることができる。
【0032】
【第2の実施の形態】
作業装置の第2の実施の形態を図4及び図5を使用して説明する。尚、第2の実施の形態においては第1の実施の形態との相違点のみを説明し、第1の実施の形態と同一態様部分については同一符号を附してその説明を省略する。図4(a)に示すように、先端ブーム21cの先端には左右方向に一対の段部60が形成され、この段部60に第1平行リンク部材31及び第2平行リンク部材32が枢結されている。第1平行リンク部材31と第2平行リンク部材32の左右方向の幅寸法Aは先端ブーム21cの左右方向の幅寸法Bと略同一寸法を有している。
【0033】
図4(b)に示すように、屈伸アーム33の基端側の凹部34には棒状の第3リンク機構部材61が揺動自在に枢結されている。第3リンク機構部材61の先端部に第1屈伸シリンダ37のロッド側先端部が枢結されている。先端ブーム21cの先端部内側には第2屈伸シリンダ63が揺動自在に枢結されており、そのロッド側先端部は先端ブーム21cの先端から突出して第3リンク機構部材61の先端部に枢結されている。
【0034】
尚、平行リンク30が先端ブーム21cの延伸方向と同一方向に伸長している状態では、第1屈伸シリンダ37、第2屈伸シリンダ63及び第2リンク機構61は平行リンク30の内側に収まった状態にあるとともに、第1屈伸シリンダ37は全縮の状態で第2屈伸シリンダ63は全伸長の状態にある。
【0035】
次に、第2の実施の形態における作業装置の作動に関して、平行リンク30を上下方向に揺動させる場合について説明する。まず、ブーム21の延伸方向と同一方向に平行リンク30が伸長している状態で平行リンク30を上方へ揺動させる場合について説明する。平行リンク30を上方へ揺動させるには、図5(b)に示すように、第2屈伸シリンダ63を全伸長にさせた状態のままで第1屈伸シリンダ37を伸長動させる。第1屈伸シリンダ37が伸長動すると、第1屈伸シリンダ37のボトム側が伸長動して屈伸アーム33の先端ブーム21cとの枢結位置を揺動中心として屈伸アーム33を上方へ揺動させ、作業台ブラケット40を介して第1平行リンク部材31及び第2平行リンク部材32が上方へ揺動されて作業台50が上方へ移動する(図5(a)参照)。ここで、第1平行リンク部材31と第2平行リンク部材32は平行リンクを構成しているので、作業台50は水平状態が維持される。尚、上方に揺動された平行リンク30を下方へ揺動させてブーム21の伸長方向と同一の方向になる位置まで揺動させるには、前述した伸長動させた第1屈伸シリンダ37を縮小動させる。
【0036】
次に、ブーム21の延伸方向と同一方向に平行リンク30が伸長している状態で平行リンク30を下方へ揺動させる場合について説明する。平行リンク30を下方へ揺動させるには、図5(b)に示すように、第1屈伸シリンダ37を全縮状態のままで第2屈伸シリンダ63を縮小動させる。第2屈伸シリンダ63が縮小動すると、第2屈伸シリンダ63のロッド部がボトム側に移動し、屈伸アーム33の先端ブーム21cとの枢結位置を揺動中心として屈伸アーム33を下方へ揺動させ、作業台ブラケット40を介して第1平行リンク部材31及び第2平行リンク部材32が下方へ揺動されて作業台50が下方へ移動する(図5(c)参照)。ここで、第1平行リンク部材31と第2平行リンク部材32は平行リンクを構成しているので、作業台50は水平状態に維持されている。尚、下方に揺動された平行リンク30を上方へ揺動させてブーム21の伸長方向と同一の方向になる位置まで揺動させるには、第1屈伸シリンダ37を縮小動のままで前述した第2屈伸シリンダ63を伸長動させる。
【0037】
このように、第1屈伸シリンダ37と第2屈伸シリンダ63の伸縮動を交互に行なうことで、作業台50を水平状態に維持したままで平行リンク30を上下に揺動させることができる。
【0038】
尚、図4(b)に示すように、ブーム21の伸長方向と同一の方向に平行リンク30が伸長している状態では、第1屈伸シリンダ37、第2屈伸シリンダ63及び第3リンク機構部材61は平行リンク30の内側に収まっているので、ブーム21を全縮動させると中間ブーム21bの内側に平行リンク30の後端側を収容させることができる。
【0039】
また、ブーム21の伸長方向と同一の方向に平行リンク30が伸長している状態では、第1屈伸シリンダ37が全縮状態となり、第2屈伸シリンダ63が全伸長状態となるように構成されているので、平行リンク30をブーム21内に格納する場合、シリンダをストロークエンドにすることで平行リンク30を格納姿勢にすることができるので、平行リンク30が格納姿勢にあるか否かを検出するためのセンサ等が不要となり、平行リンク30の格納制御が容易となる。更に、前述した実施の形態では、ブーム21の伸長方向と同一の方向に平行リンク30が伸長している状態では、第1屈伸シリンダ37が全縮状態となり、第2屈伸シリンダ63が全伸長状態となるように構成したが、第1屈伸シリンダ37が全伸長状態となり、第2屈伸シリンダ63が全縮状態となるように構成してもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明における作業装置によれば、基台に少なくとも起伏動可能に取り付けられたブームと、ブームの先端に枢結された平行リンクと、平行リンクの先端に上下に揺動自在に枢結された作業台とを有して構成し、平行リンクは同一長さを有する第1平行リンク部材と第2平行リンク部材を有し、第1平行リンク部材と第2平行リンク部材が上下且つ左右方向に所定の間隙を有した状態でブームの先端部と作業台間に枢結して平行リンクを構成することで、平行リンクを少なくとも垂直下方に延びる位置から垂直上方に延びる位置まで揺動させることができ、ブームの先端周辺における作業台の移動範囲が広範囲となり作業全体の作業効率を向上させることができる。また、従来、ブームの先端に屈伸アームを枢結し、屈伸アームの先端に作業台を枢結したものと比較して、屈伸アームのみを単体で揺動させたときに傾く作業台を水平状態にさせるレベリング装置が不要となり、作業装置を軽量化させるとともにコストを安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における作業装置を搭載した高所作業車の後側面図を示す。
【図2】本発明の第1の実施の形態における作業装置を示し、同図(a)は作業装置の平面図であり、同図(b)は作業装置の正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における作業装置の作用を説明するための正面図を示す。
【図4】本発明の第2の実施の形態における作業装置を示し、同図(a)は作業装置の平面図であり、同図(b)は作業装置の正面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における作業装置の作用を説明するための正面図である。
【符号の説明】
11 旋回台(基台)
20 作業装置
21 ブーム
30 平行リンク
31 第1リンク部材
32 第2リンク部材
33 屈伸アーム(アーム部材)
35 第1リンク機構
37 第1屈伸シリンダ
50 作業台
61 第2リンク機構
63 第2屈伸シリンダ

Claims (4)

  1. 基台に少なくとも起伏動可能に取り付けられたブームと、基端部が前記ブームの先端部に上下に揺動自在に枢結されて互いに平行に延びる同一長さの第1平行リンク部材及び第2平行リンク部材と、互いに平行に延びた状態前記第1平行リンク部材及び前記第2平行リンク部材の先端部に枢結された作業台ブラケットと、前記作業台ブラケットに上下に揺動自在に枢結された作業台とを有して構成された作業装置であって、
    前記第1および前記第2平行リンクが水平に延びて位置した状態で、前記ブームの側面視において、前記第1平行リンク部材の基端部と前記ブームの先端部との枢結部が前記第2平行リンク部材の基端部と前記ブームの先端部との枢結部より上方に位置し、前記ブームの平面視において前記ブームが延びる方向に直角な方向に所定の間隙を有して前記第1平行リンク部材及び前記第2平行リンク部材が互いに平行に且つ前記ブームの延びる方向と同一方向に延びて平行リンクを構成し、
    前記平面視において、前記第1平行リンク部材および前記第2平行リンク部材間に配置されるとともに前記第1平行リンク部材および前記第2平行リンク部材と同一長さを有して平行に延び、一端側が前記ブームの先端部に上下に揺動自在に枢結され他端側が前記作業台ブラケットに上下に揺動自在に枢結されたアーム部材と、
    一端側が前記ブームの先端部に上下に揺動自在に枢結された第1リンク機構部材、および一端側が前記第1リンク機構部材の他端側に上下に揺動自在に枢結され他端側が前記アーム部材の中間部に上下に揺動自在に枢結された第2リンク機構部材からなるリンク機構と、
    一端側が前記第2リンク機構部材の中間部に上下に揺動自在に枢結され、他端側が前記アーム部材と前記作業台ブラケットとの枢結部に上下に揺動自在に枢結された伸縮自在な屈伸シリンダを有し、
    前記屈伸シリンダを伸縮動させて、側面視において前記平行リンクを前記ブームの先端部との枢結部を中心として上下揺動させて前記作業台を上下方向に移動させることができるように構成されたことを特徴とする作業装置。
  2. 前記第1平行リンク部材の前記ブームの先端部への枢結位置と前記第2平行リンク部材の前記ブームの先端部への枢結位置が前記側面視において前記ブームが延びる方向にずれていることを特徴とする請求項1記載の作業装置。
  3. 基台に少なくとも起伏動可能に取り付けられたブームと、基端部が前記ブームの先端部に上下に揺動自在に枢結されて互いに平行に延びる同一長さの第1平行リンク部材及び第2平行リンク部材と、互いに平行に延びた状態前記第1平行リンク部材及び前記第2平行リンク部材の先端部に枢結された作業台ブラケットと、前記作業台ブラケットに上下に揺動自在に枢結された作業台とを有して構成された作業装置であって、
    前記第1および前記第2平行リンクが水平に延びて位置した状態で、前記ブームの側面視において、前記第1平行リンク部材の基端部と前記ブームの先端部との枢結部が前記第2平行リンク部材の基端部と前記ブームの先端部との枢結部より上方に位置し、前記ブームの平面視において前記ブームが延びる方向に直角な方向に所定の間隙を有して前記第1平行リンク部材及び前記第2平行リンク部材が互いに平行に且つ前記ブームの延びる方向と同一方向に延びて平行リンクを構成し、
    前記平面視において、前記第1平行リンク部材および前記第2平行リンク部材間に配置されるとともに前記第1平行リンク部材および前記第2平行リンク部材と同一長さを有して平行に延び、一端側が前記ブームの先端部に上下に揺動自在に枢結され他端側が前記作業台ブラケットに上下に揺動自在に枢結されたアーム部材と、
    一端側において前記アーム部材の中間部に上下に揺動自在に枢結されたリンク機構部材と、
    一端側が前記リンク機構部材の他端側上下に揺動自在に枢結され、他端側が前記アーム部材の中間部上下に揺動自在に枢結された伸縮自在な第1屈伸シリンダと、
    前記ブームの先端部に前記先端側に開口する先端開口部が設けられ、一端側が前記リンク機構部材における前記第1屈伸シリンダとの枢結部に上下に揺動自在に枢結され、他端側が前記ブームの先端部における前記先端開口部の内側部に上下に揺動自在に枢結された伸縮自在な第2屈伸シリンダとを有し、
    前記第1屈伸シリンダ及び前記第2屈伸シリンダの少なくともいずれか一方の伸縮動により前記平行リンクを上下方向に揺動させて前記作業台が上下方向に移動するように構成されていることを特徴とする作業装置。
  4. 前記第1屈伸シリンダ及び前記第2屈伸シリンダのいずれか一方の伸縮動により前記平行リンクを前記ブームの延伸方向と同一方向に延びた状態にさせるとともに、前記第1屈伸シリンダ、前記第2屈伸シリンダ及び前記リンク機構部材が前記平行リンク内に収まって前記平行リンクが前記ブーム内に格納可能に構成されることを特徴とする請求項3記載の作業装置。
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