JPH0257189B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は永久磁石を使用した係合具、就中磁
気シールド効果の施された係合具と、この係合具
における単純な取付け手法の約束された取付け構
造の開示に係るものである。

而して従前における係合具はこの種の障害、殊
に磁気キツプ、磁気テープあるいは磁気カード等
の磁気的記録部分の破壊が問題とされると共に、
係合具自体の取付けにおいて折込み脚等の取付け
生地面に対する刺挿、折曲げにより締着されるも
のであるため、取付けに際して、この脚の刺挿方
向により取付け係合具の上面方向位置が特定さ
れ、これを事後的に修正することが不可能とさ
れ、且つ取付けにおいて座金の介装、折付けと云
つた煩雑な取付け作業が必要であつた。

特に、取付け面に対する正確な位置決めは、装
着される係合具が円筒状ないしは円盤状である場
合においては特に問題とされないものであるが、
この係合具形状が角形あるいは楕円形等である場
合においてはハンドバツグ等の開口縁に対して正
確な位置、向きをなすものとして熟練者による慎
重な取付けを要した。かゝる取付け上の問題は、
取付け後において、刺挿したまゝでの修正が無理
であることゝ、刺挿係合具を取外して再度刺挿取
付けることがハワドバツグ等の生地損傷、特に生
地表面の毀損により殆ど不可能とされたこと並び
に取付け縫着上、即ち座金を取付けて表生地に係
合具を取付けた後に、裏生地を表生地に一体に縫
着すると云つた構造上における困難性があつた。

又、かゝる従前における折曲げ脚構造において
は他方係合具との嵌合位置、方向にズレのある場
合においても、これが修正を殆ど困難とし、取付
け作業における正確さが特に要請されたものであ
る。

本発明は上記の状況に鑑み問題点を解決するた
めに係合具を磁極方向に亘つて孔１ａを有する永
久磁石１と、この永久磁石１の一方の磁極面に添
装されている強磁性板２と、前記孔１ａに連通す
る孔３ａを有し前記永久磁石１の他方の磁極面に
添装されている強磁性板３とが、前記孔３ａの内
周壁に当接する縁鍔を孔縁に有する孔４ａを底壁
にもつ下面開口の非磁性ケース４内に、前記強磁
性板３を前記底壁の側にして組込まれ、且つ該非
磁性ケース４の開口縁にある爪４ｂが前記強磁性
板２の面に折つけられて前記強磁性板２と、永久
磁石１と、強磁性板３とが前記非磁性ケース４に
一体に抱持されていると共に前記孔１ａ内の強磁
性板２に強磁性桿６が立設されてなる吸着具Ａ
と、この吸着具Ａの、前記強磁性板３の側にある
前記非磁性ケース４の面に吸着される強磁性板５
と、この強磁性板５の面から突設され、前記吸着
具Ａの孔１ａ内で前記強磁性桿６に吸着される他
の強磁性桿６とからなる被吸着具Ｂとからなる係
合具において、前記強磁性板３の側にある前記吸
着具Ａの吸着面とされる前記非磁性ケース４の周
縁が、該吸着面から隆起した肩部４ｃとされ、該
肩部４ｃで囲まれる前記吸着具Ａの面が前記強磁
性板５の凹陥状の吸着面とされていると共に、一
方が鍔状に拡開されて水平の展延鍔８ａとされて
いるカシメ管８と、この展延鍔８ａに添装され、
且つ、この展延鍔８ａの周縁に巻きつく係止鍔７
ａを有する平板７とからなり、該係止鍔７ａの巻
きつけで前記カシメ管８と該平板７とが一体に組
付けられている取付具Ｃが、該取付具Ｃの平板７
の面を前記強磁性桿６の設けられていない側の前
記強磁性板２と強磁性板５との面に添装され、前
記強磁性板２及び強磁性板５の面に設けられてい
る強磁性桿６の細径桿部６ａを、この強磁性板２
及び強磁性板５と前記平板７に設けられている孔
から前記取付具Ｃのカシメ管８の側に挿通し、該
細径桿部６ａの突出し端を前記平板７の面に圧潰
して該取付具Ｃと前記吸着具Ａ及び被吸着具Ｂと
が一体とされている構成としたものである。

以下本発明に係る係合具の典型的な一実施例を
添附の図面について説明するに、Ａは吸着具を示
すもので、１は磁極面方向に亘り係合用の孔１ａ
を開設された永久磁石であり、この永久磁石１の
一方の磁極面に強磁性板２を添装し、この強磁性
板２には孔１ａ内に向けて強磁性桿６が突設され
ており、又他方の磁極面に、孔１ａに連通する孔
３ａを有する強磁性板３を添装し、これ等強磁性
板２，３と永久磁石１とを非磁性ケース４をもつ
て抱持し、一体的に止着するようにしたものであ
り、該非磁性ケース４は孔１ａ，３ａに連通し、
しかもこれ等孔１ａ，３ａの内壁面に係当する折
曲げ縁鍔を有する孔４ａを底部面に開設した倒皿
状の非磁性素材よりなるものである。

而してケース４内に収容された強磁性板２，３
と永久磁石１は、ケース４における孔４ａの縁鍔
を孔１ａ，３ａに係当されて、この非磁性ケース
４の孔４ａ位置に、孔１ａ，３ａが位置するよう
に位置決めがなされ、次いでケース４の開口縁に
設けられる爪４ｂを強磁性板２面上に折曲げ圧着
して、一体的な抱持をなすようにしたものであ
る。

尚、非磁性ケース４は、強磁性板５に当接する
端面の周縁を、この強磁性板５との当接端面方向
に折出して、隆起した肩部４ｃとなし、磁極面に
対し磁気キツプ等が直接接触することを避けたも
のであり、この肩部４ｃにおける立上り寸法分の
磁気的間隙を、吸着具Ａにおける磁極面上に介在
せしめて、記録内容の破壊を確実に抑止したもの
である。

又、かゝる肩部４ｃの介在をもつて強磁性板５
における横ズレが確実に防止され、吸着面におけ
る横方向よりする外力付加に対応し得たものであ
る。

次いで、この吸着具Ａに係脱自在に吸着される
強磁性板５を別途用意し、この強磁性板５上に強
磁性桿６を立設して被吸着具Ｂとされ、この立設
された強磁性桿６と先の孔１ａにおける強磁性板
２面上の強磁性桿６とが相互に孔１ａ内において
係脱自在に吸着するように構成したものであり、
強磁性桿６における細径桿部６ａを強磁性板２，
５の孔２ａ，５ａより他側方に突出するように挿
通して強磁性桿６の取付けをなすようにしたもの
である。

かゝる吸着具Ａ、被吸着具Ｂに対し、一方が鍔
状に拡開されて水平の展延鍔８ａとされているカ
シメ管８と、この展延鍔８ａに添装され、且つ、
この展延鍔８ａの周縁に巻きつく係止鍔７ａを有
する平板７とからなり、該係止鍔７ａの巻きつけ
で前記カシメ管８と該平板７とが一体に組付けら
れている取付具Ｃが該取付具Ｃの平板７の面を前
記強磁性桿６の設けられていない側の前記強磁性
板２と強磁性板５との面に添装され、前記強磁性
板２及び強磁性板５の面に設けられている強磁性
桿６の細径桿部６ａを、この強磁性板２及び強磁
性板５と前記平板７に設けられている孔から前記
取付具Ｃのカシメ管８の側に挿通し、該細径桿部
６ａの突出し端を前記平板７の面に圧潰して該取
付具Ｃと前記吸着具Ａ及び被吸着具Ｂとが一体と
されている。

本発明は叙上における特長ある構成よりしてカ
シメ管８を取付け基版に対し、単純に刺挿し、そ
の刺挿端を基版面にカシメづけ、又は座金を介装
してカシメづけ、あるいは該カシメ管８に嵌着又
は被嵌される漏斗状のカシメ管部材を別途用意
し、これ等別途用意されたカシメ管部材を基版の
他側面より圧入、止着する等の適宜の手段により
止着することができる。

従つて、カシメ管８の取付けは、常に、このカ
シメ管８を軸として自由に方向づけが可能とさ
れ、取付け基版に対する刺挿孔の開穿を、係合具
の取付けられたことを想定しながらなす必要がな
く、実際に係合具を基版面に刺挿、添設した状態
でカシメづけが可能とされ、取付けにおける「向
き」の問題が確実に解決されたものである。

又、カシメ管８によるカシメづけであることよ
りして、取付け後においても、ある程度の向きの
変更は、逐一係合具を取外すことなく可能とされ
たものである。

次いで強磁性板３の介装をもつて磁気シールド
が約束され、この充分にシールドされた強磁性板
３上に更に非磁性ケース４を肩部４ｃの充分な立
上りによる磁気的な間隙を生ずるように被覆した
ことよりして、吸着具Ａ面に磁気テープ、磁気キ
ツプ等の磁気的な記録をした部材が直接当接せ
ず、又直接接触した場合においてもこれ等記録内
容の破壊が防止され、強磁性板５の非吸着時にお
ける磁気シールドを確実にするものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る係合具の一実施例を示す
断面図、第２図は同部品分解斜視図である。 １……永久磁石、２，３……強磁性板、４……
非磁性ケース、５……強磁性板、６……強磁性
桿、７……平板、８……カシメ管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 磁極方向に亘つて孔１ａを有する永久磁石１
   と、この永久磁石１の一方の磁極面に添装されて
   いる強磁性板２と、 前記孔１ａに連通する孔３ａを有し前記永久磁
   石１の他方の磁極面に添装されている強磁性板３
   とが、 前記孔３ａの内周壁に当接する縁鍔を孔縁に有
   する孔４ａを底壁にもつ下面開口の非磁性ケース
   ４内に、前記強磁性板３を前記底壁の側にして組
   込まれ、且つ該非磁性ケース４の開口縁にある爪
   ４ｂが前記強磁性板２の面に折つけられて前記強
   磁性板２と、永久磁石１と、強磁性板３とが前記
   非磁性ケース４に一体に抱持されていると共に前
   記孔１ａ内の強磁性板２に強磁性桿６が立設され
   てなる吸着具Ａと、 この吸着具Ａの、前記強磁性板３の側にある前
   記非磁性ケース４の面に吸着される強磁性板５
   と、この強磁性板５の面から突設され、前記吸着
   具Ａの孔１ａ内で前記強磁性桿６に吸着される他
   の強磁性桿６とからなる被吸着具Ｂとからなる係
   合具において、 前記強磁性板３の側にある前記吸着具Ａの吸着
   面とされる前記非磁性ケース４の周縁が、該吸着
   面から隆起した肩部４ｃとされ、該肩部４ｃで囲
   まれる前記吸着具Ａの面が前記強磁性板５の凹陥
   状の吸着面とされていると共に、 一方が鍔状に拡開されて水平の展延鍔８ａとさ
   れているカシメ管８と、この展延鍔８ａに添装さ
   れ、且つ、この展延鍔８ａの周縁に巻きつく係止
   鍔７ａを有する平板７とからなり、該係止鍔７ａ
   の巻きつけで前記カシメ管８と該平板７とが一体
   に組付けられている取付具Ｃが、 該取付具Ｃの平板７の面を前記強磁性桿６の設
   けられていない側の前記強磁性板２と強磁性板５
   との面に添装され、 前記強磁性板２及び強磁性板５の面に設けられ
   ている強磁性桿６の細径桿部６ａを、この強磁性
   板２及び強磁性板５と前記平板７に設けられてい
   る孔から前記取付具Ｃのカシメ管８の側に挿通
   し、該細径桿部６ａの突出し端を前記平板７の面
   に圧潰して該取付具Ｃと前記吸着具Ａ及び被吸着
   具Ｂとが一体とされていることを特徴とする係合
   具。