JPH0813889A - 留め具 - Google Patents

留め具

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JPH0813889A
JPH0813889A JP17022994A JP17022994A JPH0813889A JP H0813889 A JPH0813889 A JP H0813889A JP 17022994 A JP17022994 A JP 17022994A JP 17022994 A JP17022994 A JP 17022994A JP H0813889 A JPH0813889 A JP H0813889A
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JP
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ferromagnetic
fastener
permanent magnet
magnetic pole
male
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JP17022994A
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Tamao Morita
玉男 森田
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Tarmo Co Ltd
Original Assignee
Tarmo Co Ltd
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A45HAND OR TRAVELLING ARTICLES
    • A45CPURSES; LUGGAGE; HAND CARRIED BAGS
    • A45C13/00Details; Accessories
    • A45C13/10Arrangement of fasteners
    • A45C13/1069Arrangement of fasteners magnetic

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  • Purses, Travelling Bags, Baskets, Or Suitcases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 雌雄留め具の吸着、係合に何等の支障が無
く、強磁性部材相互の接触面に対して、効果的な吸着力
をもたらすようにした留め具の提供。 【構成】 磁極面11から磁極面12に通し穴が設けら
れている永久磁石10と、強磁性部材20とを有する雌
留め具Aと雌留め具Aの強磁性部材20に吸着する強磁
性の突起部52’を有する強磁性部材50を備えた雄留
め具Bとよりなり、永久磁石10における磁極面11の
外周側と、これに続く永久磁石10の磁極間にある面と
のなす縁が曲面13A又は傾斜面13Bとされており、
雌留め具Aに吸着される雄留め具Bの強磁性部材50に
おける被吸着面部の外周側部分が、雌留め具Aに備えら
れている永久磁石10の磁極間の略中間、又は、これよ
りも短い突き出し幅で該永久磁石10の曲面13A又は
傾斜面に沿って延びる曲面部53A’、又は傾斜面部と
されている留め具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は永久磁石の吸着力を利
用した留め具の提供、特に、雌留め具を構成している永
久磁石の吸着力を、雌雄留め具の接触面に都合良くもた
らすようにした留め具の提供に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石を用いた留め具としては、例え
ば、図49に示される構成の留め具があった。この図4
9に示される留め具は、厚さ方向に着磁され、しかも磁
極方向に亘って通し穴101aを備えている永久磁石1
01の一方の磁極面101bに強磁性板102aを添装
し、且つこれらを非磁性ケース103内に取り入れて抱
持一体になすと共に、前記強磁性板102aに対して、
前記通し穴101a内に起立する強磁性突起102bを
一体に止着し、且つ、この強磁性突起102bの取付け
に際して脚部材104をも該強磁性板102aに対して
一体に止着することで雌留め具100を構成している。
また、この雌留め具100に吸着される雄留め具110
は、強磁性板111aの面に、前記通し穴101a内に
おいて、前記強磁性突起102bに接触、吸着される強
磁性突起111bを起立状態にして一体的に止着してあ
ると共に、この強磁性突起111bの取付けに際して脚
部材112を前記強磁性板111aに対して一体に止着
することで当該雄留め具110を構成している。
【0003】しかしながら、かかる留め具にあっては、
雌雄留め具を吸着状態とした際に、雌留め具100を構
成している永久磁石101における強磁性板102bの
備えられていない側の磁極面101cの外周縁101
c’から、該雌留め具100の外に磁気の漏れを生じ易
く、この漏れ磁気に相当する吸着力が、雌雄留め具にお
ける強磁性突起102b、111bの接触面にもたらさ
れない不都合を有していた。
【0004】図50で示される留め具は、前記図49に
示されている留め具に対して雄留め具を構成している強
磁性板111aが、その外周部分で、雌留め具100の
側に向けて略直角の状態で屈曲されており、この強磁性
板111aにおける垂下突縁113内に、雌留め具10
0の上部側が収まる構成としている。
【0005】この図50で示される留め具における垂下
突縁113は、この垂下突縁113が雌留め具の周側面
に対して引っかかる構成とすることによって、通し穴1
01aに対する強磁性突起111bの引っかかりの働き
を助けるように機能させることを目的に構成されてお
り、かかる目的の為に、雌留め具100は、その磁極面
101cの側と、その周側面103aとが略直角になる
構成とし、この直角に構成される面に対して、雄留め具
110の垂下突縁113が確実に係当される構成として
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この図50に示される
留め具にあっては、雌雄留め具を確実に引っかけ合った
係合状態におくことを目的としていることから、雄留め
具110を構成している垂下突縁113を備えた強磁性
板111aに対して、雌留め具100を略その真下か
ら、該強磁性板111aの面に向けて真直ぐに移動させ
る必要があり、確実な係合状態が得られる反面、雌雄留
め具の吸着、係合操作に難があった。
【0007】また、この垂下突縁113において補足さ
れた磁気は、この垂下突縁113を介し、この垂下突縁
113に対して略直角の状態とされている強磁性板11
1aに案内されることから、当該磁気の磁気路は最短と
はならず、且つ直角に屈曲した磁気路とされ、このため
捕捉された磁気の一部が再度漏れ出すことが予想され
る。
【0008】本発明は、かかる従来の留め具における不
都合に鑑み、雌雄留め具の吸着、係合に何等の支障が無
く、しかも、雌雄留め具における夫々の強磁性部材相互
の接触面に対して、効果的な吸着力をもたらすようにし
た留め具の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】本発明は、叙上の目的を達成するものとし
て、その請求項1に係る発明の留め具を、一方の磁極面
11から他方の磁極面12に通し穴14が設けられてい
る永久磁石10と、この永久磁石10の一方の磁極面1
2に備えられている強磁性部材20とを有する雌留め具
Aと、前記強磁性部材20の備えられていない永久磁石
10の磁極面11側にある前記雌留め具Aの側に吸着さ
れ、且つ前記永久磁石10の通し穴14を介して、前記
雌留め具Aの強磁性部材20に吸着する強磁性の突起部
52’を有する強磁性部材50を備えた雄留め具Bとよ
りなる留め具であって、前記雌留め具Aを構成する永久
磁石10における前記雄留め具Bの吸着される側にある
磁極面11の外周側と、これに続く該永久磁石の磁極間
にある面とのなす縁が曲面13Aとされており、且つ、
前記雌留め具Aに吸着される雄留め具Bの強磁性部材5
0における被吸着面部の外周側部分が、前記雌留め具A
に備えられている永久磁石10の磁極間の略中間、又
は、これよりも短い突き出し幅で該永久磁石10の曲面
13Aに沿って延びる曲面部、又は傾斜面部とされた構
成としている。
【0010】次いで、請求項2の発明に係る留め具を、
一方の磁極面11から他方の磁極面12に通し穴14が
設けられている永久磁石10と、この永久磁石10の一
方の磁極面12に備えられている強磁性部材20とを有
する雌留め具Aと、前記強磁性部材20の備えられてい
ない永久磁石10の磁極面11側にある前記雌留め具A
の側に吸着され、且つ前記永久磁石10の通し穴14を
介して、前記雌留め具Aの強磁性部材20に吸着する強
磁性の突起部52’を有する強磁性部材50を備えた雄
留め具Bとよりなる留め具であって、前記雌留め具Aを
構成する永久磁石10における前記雄留め具Bの吸着さ
れる側にある磁極面11の外周側と、これに続く該永久
磁石10の磁極間にある面とのなす縁が傾斜面13Bと
されており、且つ、前記雌留め具Aに吸着される雄留め
具Bの強磁性部材50における被吸着面部の外周側部分
が、前記雌留め具Aに備えられている永久磁石10の磁
極間の略中間、又は、これよりも短い突き出し幅で該永
久磁石10の傾斜面13Bに沿って延びる曲面部、又は
傾斜面部とされた構成としている。
【0011】更に、請求項3の発明に係る留め具を、前
記請求項1、又は請求項2に係る留め具において、雄留
め具Bの強磁性部材50が、強磁性板部51’と、この
強磁性板部51’に立設される強磁性の突起部52’と
して構成している。
【0012】また、請求項4の発明に係る留め具を、前
記請求項1、又は請求項2に係る留め具において、雌留
め具Aの強磁性部材20が、強磁性板部21’、又は、
強磁性板部21’と、この強磁性板部21’に立設され
る強磁性の突起部22’として構成している。
【0013】次いで、また、請求項5の発明に係る留め
具を、前記請求項1、又は請求項2に係る留め具におい
て、上面に永久磁石10の通し穴14に連通する通し穴
33を備え、且つ下面開口のケース30内に、雌留め具
Aを構成する永久磁石10、及び強磁性部材20を抱持
一体とした構成としている。
【0014】
【作用】雌留め具Aを構成する永久磁石10の磁極面1
1の外周側の縁を、曲面13A、又は傾斜面13Bと
し、しかも雄留め具Bを構成する強磁性部材50の被吸
着面部の外周側部分を、前記永久磁石10の磁極間の略
中間、又は、これよりも短かい突き出し幅で、この永久
磁石10の前記曲面13A、又は傾斜面13Bに沿って
延びる曲面部、又は傾斜面部として構成していることか
ら、磁極面11の外周部分において該曲面部又は傾斜面
部で捕捉された磁気は、磁気抵抗が少なく、しかも短か
い磁気路を介して、強磁性部材20と、強磁性部材50
との接触面に案内される。
【0015】また、雌留め具Aを構成する永久磁石10
の磁極面11の外周側の縁を、曲面13A、又は傾斜面
13Bとし、しかも雄留め具Bを構成する強磁性部材5
0の被吸着面部の外周側部分を、前記永久磁石10の磁
極間の略中間、又は、これよりも短かい突き出し幅で、
この永久磁石10の前記曲面13A、又は傾斜面13B
に沿って延びる曲面部、又は傾斜面部として構成してい
ることから、雌雄留め具の吸着、係合に際して、この曲
面部、又は傾斜面部が雌留め具Aの吸着面上を滑らかに
移動するように機能する。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係る典型的な各実施例を詳細
に説明する。図1〜図48は本発明に係る典型的な実施
例としての第1〜第16実施例に係る留め具を示し、図
51は比較例としての留め具を示している。
【0017】図1〜図3は、第1実施例に係る留め具を
示すものであって、図1は、この留め具の各構成部品を
分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示しており、
図2は、ここで構成される雌雄留め具を取付け対象物H
に取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を分離した状
態で、断面することで示しており、図3は、これを取付
け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を吸着状態の断面
として示している。
【0018】図4〜図6は、第2実施例に係る留め具を
示すものであって、図4は、この留め具の各構成部品を
分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示しており、
図5は、ここで構成される雌雄留め具を取付け対象物H
に取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を分離した状
態で、断面することで示しており、図6は、これを取付
け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を吸着状態の断面
として示している。
【0019】図7〜図9は、第3実施例に係る留め具を
示すものであって、図7は、この留め具の各構成部品を
分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示しており、
図8は、ここで構成される雌雄留め具を取付け対象物H
に取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を分離した状
態で、断面することで示しており、図9は、これを取付
け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を吸着状態の断面
として示している。
【0020】図10〜図12は、第4実施例に係る留め
具を示すものであって、図10は、この留め具の各構成
部品を分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示して
おり、図11は、ここで構成される雌雄留め具を取付け
対象物Hに取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を分
離した状態で、断面することで示しており、図12は、
これを取付け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を吸着
状態の断面として示している。
【0021】図13〜図15は、第5実施例に係る留め
具を示すものであって、図13は、この留め具の各構成
部品を分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示して
おり、図14は、ここで構成される雌雄留め具を取付け
対象物Hに取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を分
離した状態で、断面することで示しており、図15は、
これを取付け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を吸着
状態の断面として示している。
【0022】図16〜図18は、第6実施例に係る留め
具を示すものであって、図16は、この留め具の各構成
部品を分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示して
おり、図17は、ここで構成される雌雄留め具を取付け
対象物Hに取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を分
離した状態で、断面することで示しており、図18は、
これを取付け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を吸着
状態の断面として示している。
【0023】図19〜図21は、第7実施例に係る留め
具を示すものであって、図19は、この留め具の各構成
部品を分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示して
おり、図20は、ここで構成される雌雄留め具を取付け
対象物Hに取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を分
離した状態で、断面することで示しており、図21は、
これを取付け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を吸着
状態の断面として示している。
【0024】図22〜図24は、第8実施例に係る留め
具を示すものであって、図22は、この留め具の各構成
部品を分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示して
おり、図23は、ここで構成される雌雄留め具を取付け
対象物Hに取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を分
離した状態で、断面することで示しており、図24は、
これを取付け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を吸着
状態の断面として示している。
【0025】図25〜図27は、第9実施例に係る留め
具を示すものであって、図25は、この留め具の各構成
部品を分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示して
おり、図26は、ここで構成される雌雄留め具を取付け
対象物Hに取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を分
離した状態で、断面することで示しており、図27は、
これを取付け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を吸着
状態の断面として示している。
【0026】図28〜図30は、第10実施例に係る留
め具を示すものであって、図28は、この留め具の各構
成部品を分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示し
ており、図29は、ここで構成される雌雄留め具を取付
け対象物Hに取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を
分離した状態で、断面することで示しており、図30
は、これを取付け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を
吸着状態の断面として示している。
【0027】図31〜図33は、第11実施例に係る留
め具を示すものであって、図31は、この留め具の各構
成部品を分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示し
ており、図32は、ここで構成される雌雄留め具を取付
け対象物Hに取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を
分離した状態で、断面することで示しており、図33
は、これを取付け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を
吸着状態の断面として示している。
【0028】図34〜図36は、第12実施例に係る留
め具を示すものであって、図34は、この留め具の各構
成部品を分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示し
ており、図35は、ここで構成される雌雄留め具を取付
け対象物Hに取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を
分離した状態で、断面することで示しており、図36
は、これを取付け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を
吸着状態の断面として示している。
【0029】図37〜図39は、第13実施例に係る留
め具を示すものであって、図37は、この留め具の各構
成部品を分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示し
ており、図38は、ここで構成される雌雄留め具を取付
け対象物Hに取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を
分離した状態で、断面することで示しており、図39
は、これを取付け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を
吸着状態の断面として示している。
【0030】図40〜図42は、第14実施例に係る留
め具を示すものであって、図40は、この留め具の各構
成部品を分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示し
ており、図41は、ここで構成される雌雄留め具を取付
け対象物Hに取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を
分離した状態で、断面することで示しており、図42
は、これを取付け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を
吸着状態の断面として示している。
【0031】図43〜図45は、第15実施例に係る留
め具を示すものであって、図43は、この留め具の各構
成部品を分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示し
ており、図44は、ここで構成される雌雄留め具を取付
け対象物Hに取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を
分離した状態で、断面することで示しており、図45
は、これを取付け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を
吸着状態の断面として示している。
【0032】図46〜図48は、第16実施例に係る留
め具を示すものであって、図46は、この留め具の各構
成部品を分離し、且つ一部を破断した斜視の状態で示し
ており、図47は、ここで構成される雌雄留め具を取付
け対象物Hに取付ける前の状態で、且つ、雌雄留め具を
分離した状態で、断面することで示しており、図48
は、これを取付け対象物Hに取付け、且つ雌雄留め具を
吸着状態の断面として示している。
【0033】本実施例として構成される留め具は、永久
磁石10と、この永久磁石10の一方の磁極面12に備
えられた強磁性部材20とを備えて構成される雌留め具
Aと、主としてこの雌留め具Aにおける永久磁石10の
磁極方向に開設されている通し穴14内、即ち、この通
し穴14を介して、前記強磁性部材20の強磁性板部2
1’、又は、この強磁性板部21’から該通し穴14内
に起立されている強磁性の突起部22’に接触、吸着す
る強磁性の突起部52’を有する強磁性部材50を備え
た雄留め具Bとにより構成してある。
【0034】そして、前記雌留め具Aを構成する永久磁
石10における雄留め具Bの吸着側にある磁極面11の
外周側と永久磁石10の磁極面の面とが構成する縁を曲
面13A、又は傾斜面13Bとして構成すると共に、こ
の磁極面11の側にある雌留め具Aに吸着される強磁性
部材50における被吸着面部の外周側部分を、前記永久
磁石10の磁極間の略中間、又は、これよりも短かい突
き出し幅で、この永久磁石10における前記曲面13
A、又は傾斜面13Bに沿って延びる曲面部53A’、
又は傾斜面部53B’として構成している。
【0035】尚、本明細書において、曲面13A、又は
傾斜面13Bに沿って延びる強磁性部材50における被
吸着面部の外周部分にある曲面部53A’又は傾斜面部
53B’は、例えば曲面13Aに沿って延びる曲面部5
3A’としてあっても良く、また、曲面13Aに沿って
延びる傾斜面部53B’としてあっても良い。さらに、
傾斜面13Bに沿って延びる曲面部53A’としてあっ
ても良く、該傾斜面13Bに 沿って延びる傾斜面部5
3B’としてあっても良い。また、ここで、曲面13
A、傾斜面13Bに“沿って”とは、該曲面13A、傾
斜面13Bに対応した位置にある全ての状態を称するも
のであって、曲面13A、傾斜面13Bに対して、必ず
しも接し、又は近接している必要はなく、この曲面13
A、傾斜面13Bから生ずる磁気を捕捉できる範囲内に
あれば、相当の間隔を隔てて雄留め具Bにおける前記傾
斜面部53B’、曲面部53A’が位置づけられる場合
をも含むものである。また、ここで対応されて用いられ
る場合の曲面13Aと曲面部53A’、傾斜面13Bと
傾斜面部53B’の夫々の曲率あるいは傾斜の度合は必
ずしも同一でなくて良く、雄留め具Bを雌留め具Aに吸
着した際に、この傾斜面部53B’あるいは曲面部53
A’の先端側で、前面曲面13A、傾斜面13Bとの間
の間隔が、より大きく構成されていても良く、また、逆
に、より小さく構成されていても良い。尚、本明細書に
おいて強磁性部材、強磁性板部、強磁性の突起部、強磁
性板、強磁性突起とは、永久磁石10の磁気路を構成し
得る素材一般を称するものであって、好ましくは、透磁
率の高い素材が用いられる。また、本明細書における永
久磁石は、一般に永久磁石と称されるものの全てを意味
するものとして用いられているものであり、いかなる永
久磁石材料で構成されていても良い。更に、構成される
留め具にあっては、永久磁石10の通し穴14を介し
て、強磁性部材20と強磁性部材50における強磁性の
突起部52’とが接触、吸着される構成としてあり、本
明細書において、“通し穴14を介して”とは、この通
し穴14内に延びる強磁性の突起部52’が強磁性部材
20に接触、吸着される場合は勿論のこと、通し穴14
内に延びる強磁性の突起部22’が前記雄留め具Bの強
磁性の突起部52’に接触、吸着される場合をも含むも
のである。
【0036】(1) 第1実施例に係る留め具 図1〜図3は第1実施例に係る留め具を示すものであ
り、雌留め具A(本実施例では第1実施例に係る雌留め
具A−1として説明する。)、雄留め具B(本実施例で
は第1実施例に係る雄留め具B−1として説明する。)
と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する取付け
手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0037】本実施例において用いられる雌留め具A−
1は、強磁性の突起部22’としての強磁性突起22
と、強磁性板部21’としての強磁性板21とによって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、磁極面11と磁極面12との間に透設される通し穴
14を備えた永久磁石10とを、ケース30内に取り入
れ、これを抱持一体になすと共に、前記強磁性板21の
面に、脚部材40を前記強磁性突起22を用いて一体に
止着した構成とし、しかも、前記永久磁石10における
磁極面11の外周側と、これに続く該永久磁石10の磁
極間にある面15、即ち、永久磁石10の周側の面15
とのなす縁を曲面13Aとしてある。
【0038】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、この磁極面11の外周部
と、該永久磁石10の周側面15との間が曲面状の面取
り面としての曲面13Aとしてあると共に、この磁極面
11には、該磁極面11から略垂直に落ち込み且つ他方
の磁極面12に貫通されている通し穴14を備えた構成
としてある。
【0039】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’と、この
強磁性板部21’から前記永久磁石10の通し穴14内
に起立する強磁性の突起部22’とを備えており、この
突起部22’は、雌留め具A−1として構成される通し
穴から上方に、その頂部側が突き出ない起立寸法に構成
してある。特に、この実施例において用いられる強磁性
部材20は、前記強磁性板部21’を構成する円形の強
磁性板21と、これに取付けられ且つ前記強磁性の突起
部22’として機能する強磁性突起22とを備えた構成
としてあると共に、この強磁性突起22の小径桿部22
bを用いて、脚部材40を一体に組付けられた構成とし
てある。
【0040】即ち、前記強磁性板21に取付けられる強
磁性突起22を、前記永久磁石10の通し穴14内に起
立し、且つ、構成される雌留め具A−1における通し穴
から、その頂部側が突き出ない形状、寸法からなる短寸
円柱状の大径桿部22aと、この大径桿部22aと同一
軸線上にあり、且つ前記強磁性板21の中心に開設され
た円形の孔21aに挿通される短寸円柱状の小径桿部2
2bとを備えた構成とし、且つ、該大径桿部22aの頂
端面を、追って説明する雄留め具Bにおける強磁性の突
起部52’に対して都合良く吸着できる形状、例えば図
示例におけるように比較的平らな面として構成してい
る。
【0041】ここで構成される雌留め具A−1の強磁性
部材20には、前記強磁性突起22を用いて脚部材40
を一体に止着してある。この脚部材40は、前記強磁性
板21の面に添装される略円形の座板部41と、この座
板部41の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片42、42とを備えた構成として
あり、前記座板部41の略中央に、前記強磁性突起22
の小径桿部22bの挿通される円形の孔41aを有す
る。かかる構成からなる脚部材40を、該脚部材40に
おける孔41aを前記強磁性板21の孔21aに連通さ
せるように該強磁性板21に添装すると共に、この脚部
材40の取付け側と反対の側から、前記強磁性突起22
の小径桿部22bを該孔21a、41aに挿通し、該強
磁性突起22における大径桿部22aを該強磁性板21
の面に当接した状態で、脚部材40の座板部41の孔4
1aから突き出している該小径桿部22bの突き出し端
を、この座板部41の面に圧潰することによって、これ
らの各部材を一体に止着してある。
【0042】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20とを抱持一体に組付けるケース30は、典型
的には真鍮などの非磁性のケース30として用意されて
いるが、このケース30を、例えばステンレススチール
などの難磁性材料で構成してあっても良く、また、鉄板
などの強磁性材料で構成してあっても良い。また、一部
をプラスチックなどの非磁性材で構成し、他の部分を鉄
などの強磁性材で構成してあっても良い。
【0043】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設した際に、この永久磁石10の磁極
面11と、これに続く永久磁石10の周側面15と、強
磁性板21の周側面21bとを覆う形状の、所謂、円形
の上面板部37と周側板部36とを備えた下面開口の円
形筒状の容器形状としてあると共に、このケース30を
構成する周側板部36の下縁、即ち、開口縁35に係止
爪34、34…が延設状に突設してある。
【0044】また、該ケース30の上面31は略円形を
なしており、この上面31を構成する上面板部37の外
周部分と、周側板部36との間が面取り状の曲面32A
として構成してあると共に、該円形をなす上面31の略
中心に、該上面31に対して略同心状の円形の通し穴3
3を、前記上面31を構成している上面板部37を略直
角の状態、即ち、垂下状に折り曲げ、これを短寸円筒状
の鍔部38とすることによって構成している。尚、ここ
で構成される通し穴33及び、これを構成するための短
寸円筒状の鍔部38は、前記永久磁石10の通し穴14
よりも直径を小さく構成してあり、この通し穴14内
に、該鍔部38が収まると共に、この鍔部38の下端
が、強磁性板21の面に届かない構成とし、結果的に、
通し穴14と、通し穴33とが連通する構成としてあ
る。
【0045】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10を、この永久磁石10の一方の磁極面11
を構成する面取り状の曲面13Aが、ケ−ス30におけ
る曲面32Aに略沿うようにして、収め入れる。また、
この永久磁石10の組入れと同時に、該永久磁石10の
磁極面12に対して、前記脚部材40の取付けられた強
磁性部材20を吸着しておき、この強磁性部材20を構
成する強磁性板21の周側面21bにあるケース30の
周側板部36から延びる係止爪34を、強磁性板21に
おける永久磁石10に吸着されていない側の面に折り曲
げることによって、当該強磁性部材20と前記永久磁石
10とを該ケース30によって抱持、一体としている。
【0046】かくして構成される雌留め具A−1は、図
2に示されるように、この雌留め具A−1における雄留
め具Bの吸着側の外周部分に面取り状の曲面13A、3
2Aを備えた構成とされていると共に、構成される雌留
め具A−1の通し穴の上面から、強磁性突起22が上方
に突き出ない構成、即ち、雌留め具A−1において構成
される吸着側の面として構成されるケース30の上面3
1の面よりも、強磁性突起22が上方に突き出ない構成
としてある。
【0047】かかる構成からなる雌留め具A−1は、図
3に示されるように、例えばハンドバッグの本体側の構
成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40の脚
片42を挿通し、この取付け対象物Hから突き出された
該脚片42を該取付け対象物Hに添装される座金45の
スリット45aに挿通して、これを該座金45の面に折
り曲げることによって取付け用いる。
【0048】次いで、前記雌留め具A−1に吸着される
雄留め具B−1は、強磁性板部51’としての円形の強
磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の突起
部52’とされる強磁性突起52とによって構成される
強磁性部材50と、この強磁性突起52によって該強磁
性板51に止着される脚部材60とで構成してある。
【0049】この強磁性板51は、略中央に孔51aを
備えた円盤状に構成してあり、雌留め具A−1の平らな
吸着面に対して吸着される平らな被吸着面部の外周部分
が、前記永久磁石10の磁極面11の外周側にある曲面
13Aに沿って僅かに延びる曲面部53A’を構成する
湾曲部53Aとしてある。即ち、ここで構成される曲面
部53A’は、前記永久磁石10における曲面13Aの
一部を覆う状態、従って、永久磁石10の平らな磁極面
11から僅かに外方に突き出す構成としてある。又、こ
の強磁性板51に取付けられる強磁性突起52は、該強
磁性板51に設けられている円形の孔51aと、脚部材
60に設けられている円形の孔61aに挿通される短寸
円柱状をなす小径桿部52bと、この小径桿部52bと
同一軸線上にあり、しかも前記雌留め具A−1の通し穴
内において、前記強磁性突起22に接触、吸着される短
寸円柱状をなす大径桿部52aとを備えた構成としてあ
り、この大径桿部52aの頂端面を、前記突起22に対
して都合良く吸着できる形状、例えば、図示例における
ように比較的平らな面として構成している。
【0050】ここで構成される雄留め具B−1の強磁性
部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材60
を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁性
板51の面に添装される略円形の座板部61と、この座
板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成として
あり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起52
の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備えた
構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、該
脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔5
1aに連通させるように該強磁性板51に添装すると共
に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記強
磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61aに
挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを該
強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座板
部61の孔61aから突き出している該小径桿部52b
の突き出し端を、この座板部61の面に圧潰することに
よって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0051】かかる構成からなる雄留め具B−1は、図
3に示されるように、取付け対象物H、例えば、ハンド
バッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A−
1に対して、雄留め具B−1における強磁性突起52
が、この雌留め具A−1の通し穴14内にある強磁性突
起22に都合良く接触、吸着する位置にある取付け対象
物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片62を挿
通し、この取付け対象物Hから突き出ている該脚片62
を、この取付け対象物Hに添装される座金65のスリッ
ト65aに挿通し、これを該座金65の面に折り曲げる
ことによって取付け用いる。
【0052】かくして構成される留め具にあっては、図
3に示すように雌雄留め具を吸着状態においた際に、雌
留め具A−1を構成している永久磁石10の磁極面11
における外周部分と強磁性板21の周側面21bとの間
に生ずる漏れ磁束が、前記雄留め具B−1における強磁
性板50の湾曲部53Aによって捕捉される構成として
ある。かかる湾曲部53Aにおいて捕捉される磁気は、
この雌雄留め具が構成している抵抗の少ない磁気回路と
しての強磁性板21、強磁性突起22、強磁性突起5
2、強磁性板51に導かれることとなり、雌雄留め具の
接触点としての強磁性突起22及び強磁性突起52の接
触面における吸着力として機能し、結果的に吸着効率の
良い留め具を構成することができる。
【0053】また、前記における湾曲部53Aは、これ
が曲面部53A’を備えていると共に、強磁性板51に
おける円板状部分から僅かに突き出す構成としてあるこ
とから、この湾曲部53Aが、雄留め具B−1の強磁性
突起52を雌留め具A−1の通し穴に導き入れる際の妨
げとなることがない。
【0054】(2) 第2実施例に係る留め具 図4〜図6は第2実施例に係る留め具を示すものであ
り、雌留め具A(本実施例では第2実施例に係る雌留め
具A−2として説明する。)、雄留め具B(本実施例で
は第2実施例に係る雄留め具B−2として説明する。)
と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する取付け
手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0055】この第2実施例に係る留め具は、雄留め具
B−2を構成している強磁性板部51’としての強磁性
板51の外周部分に設けられている曲面部53A’を構
成している湾曲部53Aが、前記第1実施例に係る雄留
め具B−1における湾曲部53Aよりも突き出し幅を大
きく構成してある以外の構成を、前記第1実施例に係る
留め具と同一、又は実質的に同一としてあり、同一、又
は実質的に同一の構成部分には同一の番号を付して説明
を省略する。
【0056】即ち、この第2実施例に係る留め具におい
ては、この留め具の一方を構成する雄留め具B−2にお
ける強磁性板51の外周部分に、雌留め具A−2に備え
られている永久磁石10の磁極面11から、磁極面12
の側に向けて、該磁極面間寸法の略四分の一程度突き出
す湾曲部53Aを構成している。
【0057】このように構成された留め具にあっては、
雌雄留め具を図6に示すように吸着させた際に、前記第
1実施例に係る留め具に比較して、永久磁石10の前記
曲面13Aと強磁性板21の周側面21bとの間に生ず
る漏れ磁束を更に少なくすることができ、結果的に、雌
雄留め具における夫々の強磁性突起22と強磁性突起5
2との接触面に、より効果的な吸着力をもたらすことが
できる。尚、この場合にあっても、前記における湾曲部
53Aは、これが曲面部53A’を備えていると共に、
強磁性板51における円板状部分から雌留め具A−2に
おける永久磁石10の磁極間寸法の略四分の一程度、こ
の永久磁石10の磁極面12の側に向けて突き出す構成
としてあることから、この湾曲部53Aが、雄留め具B
−2の強磁性突起部52’としての強磁性突起52を雌
留め具A−2の通し穴に導き入れる際の妨げとなること
がない。
【0058】(3) 第3実施例に係る留め具 図7〜図9は第3実施例に係る留め具を示すものであ
り、雌留め具A(本実施例では第3実施例に係る雌留め
具A−3として説明する。)、雄留め具B(本実施例で
は第3実施例に係る雄留め具B−3として説明する。)
と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する取付け
手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0059】この第3実施例に係る留め具は、雄留め具
B−3を構成している強磁性板部材51’としての強磁
性板51の外周部分に設けられている曲面部53A’を
構成している湾曲部53Aが、前記第1実施例に係る雄
留め具B−1における湾曲部53Aよりも突き出し幅を
大きく構成してある以外の構成を、前記第1実施例に係
る留め具と同一、又は実質的に同一としてあり、同一、
又は実質的に同一の構成部分には同一の番号を付して説
明を省略する。
【0060】即ち、この第3実施例に係る留め具におい
ては、この留め具の一方を構成する雄留め具B−3にお
ける強磁性板51の外周部分に、雌留め具A−3に備え
られている永久磁石10の磁極面11から、磁極面12
の側に向けて、該磁極面間寸法の略二分の一程度、又
は、これより稍々突き出す湾曲部53Aを構成してい
る。
【0061】このように構成された留め具にあっては、
雌雄留め具を図9に示すように吸着させた際に、前記第
1実施例に係る留め具より以上に、永久磁石10の前記
曲面13Aと強磁性板21の周側面21bとの間におけ
る漏れ磁束の生ずる余地を殆ど無くすことができ、結果
的に、雌雄留め具における夫々の強磁性突起22と強磁
性突起52との接触面に、極めて効果的な吸着力をもた
らすことができる。又、この場合、前記における湾曲部
53Aは、これが曲面部53A’を備えていると共に、
強磁性板51における円板状部分から雌留め具A−2に
おける永久磁石10の磁極間寸法の略四分の一程度、こ
の永久磁石10の磁極面12の側に向けて突き出す構成
としてあることから、この湾曲部53Aが、雄留め具B
−3の強磁性突起部52’としての強磁性突起52を雌
留め具A−3の通し穴に導き入れる際の妨げとなること
がない。
【0062】(4) 比較例に係る留め具 図51は比較例に係る留め具を示すものであって、雄留
め具N及び雌留め具Mによって構成してある。この比較
例として示される留め具は、雄留め具Nを構成している
強磁性板部51’としての強磁性板51の外周部分に設
けられている曲面部53A’を構成している湾曲部53
Aが、前記各実施例に係る雄留め具B−1における湾曲
部53Aと異なり、永久磁石10の他方の磁極面12の
近くまで延ばして構成した以外の構成を、前記各実施例
に係る留め具と同一、又は実質的に同一としてあり、同
一、又は実質的に同一の構成部分には同一の番号を付し
て説明を省略する。
【0063】即ち、この比較例に係る留め具において
は、この留め具の一方を構成する雄留め具Nにおける強
磁性板51の外周部分に、雌留め具Mに備えられている
永久磁石10の磁極面11から、磁極面12の側に向け
て、該磁極面12の側方にまで近づく程度に突き出す湾
曲部53Aを構成している。
【0064】このように構成された比較例の留め具にあ
っては、雌雄留め具を図51に示すように吸着させた際
に、前記各実施例に係る留め具と異なり、湾曲部53A
と強磁性板21の周側面21bとの間に多くの漏れ磁束
を生ずることとなり、結果的に、雌雄留め具における夫
々の強磁性突起22と強磁性突起52との接触面に、よ
り効果的な吸着力をもたらすことができない。又、この
ように湾曲部53Aが、磁極面12の側方にまで近づく
程度にまで伸ばされた構成にあっては、雄留め具Nを雌
留め具Mに吸着させる際に、この湾曲部53Aが妨げと
なって、雄留め具Nの強磁性突起52を雌留め具Mの通
し穴に導き入れることができない。
【0065】(5) 第4実施例に係る留め具 図10〜図12は第4実施例に係る留め具を示すもので
あり、雌留め具A(本実施例では第4実施例に係る雌留
め具A−4として説明する。)、雄留め具B(本実施例
では第4実施例に係る雄留め具B−4として説明す
る。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する
取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0066】本実施例において用いられる雌留め具A−
4は、強磁性板部21’としての強磁性板21によって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、磁極面11と磁極面12との間に透設される通し穴
14を備えた永久磁石10と前記強磁性板21の面に添
装される脚部材40における座板部41’とをケース3
0内に取り入れて、これを抱持一体に構成し、しかも、
前記永久磁石10における磁極面11の外周側と、これ
に続く該永久磁石10の磁極面間にある面15、即ち、
該永久磁石10の周側面15とのなす縁を曲面13Aと
してある。
【0067】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、この磁極面11の外周部
と、該永久磁石10の周側面15との間が曲面状の面取
り面としての曲面13Aとしてあると共に、この磁極面
11には、該磁極面11から略垂直に落ち込み且つ他方
の磁極面12に貫通されている通し穴14を備えた構成
としてある。
【0068】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’特に、こ
の実施例において用いられる強磁性部材20は、前記強
磁性板部21’を構成する円形の強磁性板21として構
成してある。
【0069】次いで、この強磁性部材20に添装した状
態で、ケース30によって抱持一体とされる脚部材40
は、この強磁性部材20の強磁性板21と略同一寸法の
円形をなす座板部41’と、脚片42’、42’とより
なっており、この脚片42’は、前記座板部41’に対
して、略垂下状に設けてあると共に、該座板部41’の
周側から切り込まれた一対の切断線によって、該座板部
41’の周側部よりも内側に入った処から折り曲げ形成
されており、且つ、この座板部41’に設けられた切り
込みよりも長寸に形成してあり、互に向き合った一対の
脚片42’、42’としてある。
【0070】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20及び脚部材40の座板部41’とを抱持一体
に組付けるケース30は、典型的には真鍮などの非磁性
のケース30として用意されているが、このケース30
を、例えばステンレススチールなどの難磁性材料で構成
してあっても良く、また、鉄板などの強磁性材料で構成
してあっても良い。また、一部をプラスチックなどの非
磁性材で構成し、他の部分を鉄などの強磁性材で構成し
てあっても良い。
【0071】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設し、更に脚部材40の座板部41’
を該強磁性部材20に添装した際に、この永久磁石10
の磁極面11と、これに続く永久磁石10の周側面15
と、強磁性板21の周側面21bと、座板部41’の周
側面41’bとを覆う形状の、所謂、円形の上面板部3
7と周側板部36とを備えた下面開口の円形筒状の容器
形状としてあると共に、このケース30を構成する周側
板部36の下縁、即ち、開口縁35に係止爪34、34
…が延設状に突設してある。
【0072】また、該ケース30の上面31は、略円形
をなしており、この上面31を構成する上面板部37の
外周部分と、周側板部36との間が面取り状の曲面32
Aとして構成してあると共に、該円形をなす上面31の
略中心に、該上面31に対して略同心状の円形の通し穴
33を、前記上面31を構成している上面板部37を略
直角の状態、即ち、垂下状に折り曲げ、これを短寸円筒
状の鍔部38とすることによって構成している。尚、こ
こで構成される通し穴33及び、これを構成するための
短寸円筒状の鍔部38は、前記永久磁石10の通し穴1
4よりも直径を小さく構成してあり、この通し穴14内
に、該鍔部38が収まると共に、この鍔部38の下端
が、強磁性板21の面に届かない構成とし、結果的に、
通し穴14と、通し穴33とが連通する構成としてあ
る。
【0073】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10を、この永久磁石10の一方の磁極面11
を構成する面取り状の曲面13Aがケ−ス30における
曲面32Aに略沿うようにして収め入れる。また、この
永久磁石10の組入れと同時に、該永久磁石10の磁極
面12に対して、強磁性部材20を吸着しておき、更
に、この強磁性部材20を構成する強磁性板21に脚部
材40の座板部41’を添装すると共に、前記ケース3
0の周側板部36から延びる係止爪34を、強磁性板2
1に添装された座板部41’の面に折り曲げることによ
って、当該強磁性部材20及び脚部材40と前記永久磁
石10とを該ケース30によって抱持、一体としてい
る。
【0074】かくして構成される雌留め具A−4は、図
11に示されるように、この雌留め具A−4における雄
留め具Bの吸着側の外周部分に面取り状の曲面13A、
32Aを備えた構成とされていると共に、この吸着側の
面から、永久磁石10の他方の磁極面12に向けて設け
られている通し穴内に、強磁性部材20の強磁性板部2
1’としての強磁性板21の面があらわれる構成として
ある。
【0075】かかる構成からなる雌留め具A−4は、図
12に示されるように、例えばハンドバッグの本体側の
構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40の
脚片42’を挿通し、この取付け対象物Hから突き出さ
れた該脚片42’を該取付け対象物Hに添装される座金
45のスリット45aに挿通して、これを該座金45の
面に折り曲げることによって取付け用いる。
【0076】次いで、前記雌留め具A−4に吸着される
雄留め具B−4は、強磁性板部51’としての円形の強
磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の突起
部52’とされる強磁性突起52とにより構成される強
磁性部材50と、この強磁性突起52によって該強磁性
板51に止着される脚部材60とで構成してある。
【0077】この強磁性板51に取付けられる強磁性突
起52は、該強磁性板51に設けられている円形の孔5
1aと、脚部材60に設けられている円形の孔61aに
挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、この小
径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留め具
A−4の通し穴内において、前記強磁性板21に接触、
吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを備えた
構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面を、前記
強磁性板21の面に対して都合良く吸着できる形状、例
えば、図示例におけるように比較的平らな面として構成
している。
【0078】この強磁性板51は、略中央に孔51aを
備えた円盤状に構成してあり、雌留め具A−4の平らな
吸着面に対して吸着される平らな被吸着部の外周部分
が、前記永久磁石10の磁極面11の外周側にある曲面
13Aに沿って延びる曲面部53A’を構成する湾曲部
53Aとしてある。即ち、ここで構成される曲面部53
A’は、前記永久磁石10における曲面13Aの一部を
覆う状態、従って、永久磁石10の平らな磁極面11か
ら外方に突き出す構成としてある。即ち、雄留め具B−
4における強磁性板51の外周部分に、雌留め具A−4
に備えられている永久磁石10の磁極面11から、磁極
面12の側に向けて該磁極面間寸法の略四分の一程度突
き出す湾曲部53Aを構成している。
【0079】ここで構成される雄留め具B−4の強磁性
部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材60
を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁性
板51の面に添装される略円形の座板部61と、この座
板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成として
あり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起52
の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備えた
構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、該
脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔5
1aに連通させるように該強磁性板51に添装すると共
に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記強
磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61aに
挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを該
強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座板
部61の孔61aから突き出している該小径桿部52b
の突き出し端を、この座板部61の面に圧潰することに
よって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0080】かかる構成からなる雄留め具B−4は、図
12示されるように、取付け対象物H、例えば、ハンド
バッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A−
4に対して、雄留め具B−4における強磁性突起52
が、この雌留め具A−4の通し穴14内にある強磁性板
21の面に都合良く接触、吸着する位置にある取付け対
象物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片62を
挿通し、この取付け対象物Hから突き出ている該脚片6
2を、この取付け対象物Hに添装される座金65のスリ
ット65aに挿通し、これを該座金65の面に折り曲げ
ることによって取付け用いるようにしてある。
【0081】かくして構成される留め具にあっては、図
12に示すように雌雄留め具を吸着状態においた際に、
雌留め具A−4を構成している永久磁石10の磁極面1
1における外周部分と強磁性板21の周側面21bとの
間に生ずる漏れ磁束が、前記雄留め具B−4における強
磁性板50の湾曲部53Aによって捕捉される構成とし
てある。かかる湾曲部53Aにおいて捕捉される磁気
は、この雌雄留め具が構成している抵抗の少ない磁気回
路としての強磁性板21、強磁性突起52、強磁性板5
1に導かれることとなり、雌雄留め具の接触点としての
強磁性板21、及び強磁性突起52の接触面における吸
着力として機能し、結果的に吸着効率の良い留め具を構
成することができる。
【0082】また、前記における湾曲部53Aは、これ
が曲面部53A’を備えていると共に、強磁性板51に
おける円板状部分から永久磁石10の磁極間の厚さの略
四分の一程度、磁極面12の側に向けて突き出す構成と
してあることから、この湾曲部53Aが、雄留め具B−
4の強磁性突起52を雌留め具A−4の通し穴に導き入
れる際の妨げとなることがない。
【0083】(6) 第5実施例に係る留め具 図13〜図15は第5実施例に係る留め具を示すもので
あり、雌留め具A(本実施例では第5実施例に係る雌留
め具A−5として説明する。)、雄留め具B(本実施例
では第5実施例に係る雄留め具B−5として説明す
る。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する
取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0084】本実施例において用いられる雌留め具A−
5は、強磁性の突起部22’としての強磁性突起22
と、強磁性板部21’としての強磁性板21とによって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、他方の磁極面11に凹部16を備え、且つ、この凹
部16の底から他方の磁極面12に貫設された通し穴1
4を備えた永久磁石10とを、ケース30内に取り入
れ、これを抱持一体になすと共に、前記強磁性板21の
面に、脚部材40を前記強磁性突起22を用いて一体に
止着した構成とし、しかも、前記永久磁石10における
磁極面11の外周側と、これに続く該永久磁石10の磁
極面にある面15、即ち、永久磁石10の周側面15と
のなす縁を曲面13Aとしてある。
【0085】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、この磁極面11の外周部
と、該永久磁石10の周側面15との間が曲面状の面取
り面としの曲面13Aとしてあると共に、この磁極面1
1には、該磁極面11から略垂直に落ち込み且つ底面が
平らな凹部16を、また、この凹部16の底から他方の
磁極面12に貫通されている通し穴14を備えた構成と
してあり、所謂、円形の環板状をなす永久磁石10の円
形をなす通し穴14と同心状の円形の凹部16とを、該
環板状をなす永久磁石10の一方の磁極面11の側に設
けた構成としてある。この結果、この雌留め具A−5を
構成する永久磁石10は、その一方の磁極面11が、凹
部16の外側に構成される環状面としての第1の磁極面
11’と、この第1の磁極面11’の内側にあって、該
磁極面11から垂直に落し込み形成されている凹部16
の底面として構成される環状の面をなす第2の磁極面1
1”とを備え、この第2の磁極面11”と他方の磁極面
12との間を連通するように通し穴14が設けられてい
ると共に、前記第1の磁極面11’の外周部分に面取り
状の曲面13Aが設けられた構成とされている。
【0086】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’と、この
強磁性板部21’から前記永久磁石10の通し穴14内
に起立する強磁性の突起部22’とを備えており、この
突起部22’は、雌留め具A−5として構成される通し
穴から上方に、その頂部側が突き出ない起立寸法に構成
してある。特に、この実施例において用いられる強磁性
部材20は、前記強磁性板部21’を構成する円形の強
磁性板21と、これに取付けられ且つ前記強磁性の突起
部22’として機能する強磁性突起22とを備えた構成
としてあると共に、この強磁性突起22の小径桿部22
bを用いて、脚部材40を一体に組付けられた構成とし
てある。
【0087】即ち、前記強磁性板21に取付けられる強
磁性突起22を、前記永久磁石10の通し穴14内に起
立し、且つ、構成される雌留め具A−5における通し穴
から、その頂部側が突き出ない形状、寸法からなる短寸
円柱状の大径桿部22aと、この大径桿部22aと同一
軸線上にあり、且つ前記強磁性板21の中心に開設され
た円形の孔21aに挿通される短寸円柱状の小径桿部2
2bとを備えた構成とし、且つ、該大径桿部22aの頂
端面を、追って説明する雄留め具Bにおける強磁性の突
起部52’に対して都合良く吸着できる形状、例えば図
示例におけるように比較的平らな面として構成してい
る。
【0088】ここで構成される雌留め具A−5の強磁性
部材20には、前記強磁性突起22を用いて脚部材40
を一体に止着してある。この脚部材40は、前記強磁性
板21の面に添装される略円形の座板部41と、この座
板部41の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片42、42とを備えた構成として
あり、前記座板部41の略中央に、前記強磁性突起22
の小径桿部22bの挿通される円形の孔41aを有す
る。かかる構成からなる脚部材40を、該脚部材40に
おける孔41aを前記強磁性板21の孔21aに連通さ
せるように該強磁性板21に添装すると共に、この脚部
材40の取付け側と反対の側から、前記強磁性突起22
の小径桿部22bを該孔21a、41aに挿通し、該強
磁性突起22における大径桿部22aを該強磁性板21
の面に当接した状態で、脚部材40の座板部41の孔4
1aから突き出している該小径桿部22bの突き出し端
を、この座板部41の面に圧潰することによって、これ
らの各部材を一体に止着してある。
【0089】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20とを抱持一体に組付けるケース30は、典型
的には真鍮などの非磁性のケース30として用意されて
いるが、このケース30を、例えばステンレススチール
などの難磁性材料で構成してあっても良く、また、鉄板
などの強磁性材料で構成してあっても良い。また、一部
をプラスチックなどの非磁性材で構成し、他の部分を鉄
などの強磁性材で構成してあっても良い。
【0090】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設した際に、この永久磁石10の磁極
面11と、これに続く永久磁石10の周側面15と、強
磁性板21の周側面21bとを覆う形状の、所謂、円形
の上面板部37と周側板部36とを備えた下面開口の円
形筒状の容器形状としてあると共に、このケース30を
構成する周側板部36の下縁、即ち、開口縁35に係止
爪34、34…が延設状に突設してある。
【0091】また、該ケース30の上面31は、この上
面31を構成する上面板部37が、その外周部分から、
周側板部36に向けて傾斜する曲面32Aを備えた構成
としてあると共に、その外縁より、所定間隔相当分内側
にある位置において、その円周方向に向けて、略直角の
状態、即ち垂下状に折り曲げて、環状折曲部を構成した
後、前記当初上面と略平行となるように折り曲げ、これ
によって、該上面31に前記永久磁石10の凹部16に
沿え、且つ該凹部16内に収まる円形の凹部39を構成
している。この凹部39は、ケース30の円形の上面に
対して、略同心状に構成してある円形の凹部39とされ
ていると共に、この円形の凹部39の略中心に、該凹部
39に対して略同心状の円形の通し穴33を、前記凹部
39を構成している上面板部37を略直角の状態、即
ち、垂下状に折り曲げ、これを短寸円筒状の鍔部38と
することによって構成している。尚、ここで構成される
通し穴33及び、これを構成するための短寸円筒状の鍔
部38は、前記永久磁石10の通し穴14よりも直径を
小さく構成してあり、この通し穴14内に、該鍔部38
が収まると共に、この鍔部38の下端が、強磁性板21
の面に届かない構成とし、結果的に、通し穴14と、通
し穴33とが連通する構成としてある。
【0092】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10の第1の磁極面11’を構成する環状凸部
を、該環状凸部の外周縁に備えられる曲面13Aを、ケ
−ス30における曲面32Aに沿わせるようにして、該
ケース30の上面31における外周側にある環状の収納
部分に収め、永久磁石10の凹部16の底面として構成
される第2の磁極面11”が、該ケース30の上面31
における凹部39の内側面に沿うように、該永久磁石1
0を組み入れる。また、この永久磁石10の組入れと同
時に、該永久磁石10の磁極面12に対して、前記脚部
材40の取付けられた強磁性部材20を吸着しておき、
この強磁性部材20を構成する強磁性板21の周側面2
1bにあるケース30の周側板部36から延びる係止爪
34を、強磁性板21における永久磁石10に吸着され
ていない側の面に折り曲げることによって、当該強磁性
部材20と前記永久磁石10とを該ケース30によって
抱持、一体としている。
【0093】かくして構成される雌留め具A−5は、図
14に示されるように、この雌留め具A−5における雄
留め具Bの吸着側に凹部を備えた構成とされていると共
に、この凹部の底から、永久磁石10の他方の磁極面1
2に向けて設けられている通し穴から、強磁性突起22
が上方に突き出ない構成、即ち、雌留め具A−5におい
て構成される凹部の底面のなす面よりも、強磁性突起2
2が上方に突き出ない構成としてある。
【0094】かかる構成からなる雌留め具A−5は、図
15に示されるように、例えばハンドバッグの本体側の
構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40の
脚片42を挿通し、この取付け対象物Hから突き出され
た該脚片42を該取付け対象物Hに添装される座金45
のスリット45aに挿通して、これを該座金45の面に
折り曲げることによって取付け用いる。
【0095】次いで、前記雌留め具A−5に吸着される
雄留め具B−5は、強磁性板部51’としての円形の強
磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の突起
部52’とされる強磁性突起52とにより構成される強
磁性部材50と、この強磁性突起52によって該強磁性
板51に止着される脚部材60とで構成してある。この
強磁性板51は、略中央に孔51aを備えた円盤状に構
成してあり、雌留め具A−5の平らな吸着面に対して吸
着される平らな被吸着面部の外周部分が、前記永久磁石
10の磁極面11の外周側にある曲面13Aに沿って延
びる曲面部53A’を構成する湾曲部53Aとしてあ
る。即ち、前記永久磁石10における曲面13Aの一部
を覆う状態、従って、永久磁石10の平らな磁極面11
から外方に突き出す構成としてある。即ち、雄留め具B
−5における強磁性板51の外周部分に、雌留め具A−
5に備えられている永久磁石10の磁極面11から、磁
極面12の側に向けて該磁極面間寸法の略四分の一程度
突き出す湾曲部53Aを構成している。
【0096】又、この強磁性板51に取付けられる強磁
性突起52は、該強磁性板51に設けられている円形の
孔51aと、脚部材60に設けられている円形の孔61
aに挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、こ
の小径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留
め具A−5の通し穴内において、前記強磁性突起22に
接触、吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを
備えた構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面
を、前記突起22に対して都合良く吸着できる形状、例
えば、図示例におけるように比較的平らな面として構成
している。
【0097】ここで構成される雄留め具B−5の強磁性
部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材60
を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁性
板51の面に添装される略円形の座板部61と、この座
板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成として
あり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起52
の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備えた
構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、該
脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔5
1aに連通させるように該強磁性板51に添装すると共
に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記強
磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61aに
挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを該
強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座板
部61の孔61aから突き出している該小径桿部52b
の突き出し端を、この座板部61の面に圧潰することに
よって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0098】かかる構成からなる雄留め具B−5は、図
15に示されるように、取付け対象物H、例えば、ハン
ドバッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A
−5に対して、雄留め具B−5における強磁性突起52
が、この雌留め具A−5の通し穴14内にある強磁性突
起22に都合良く接触、吸着する位置にある取付け対象
物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片62を挿
通し、この取付け対象物Hから突き出ている該脚片62
を、この取付け対象物Hに添装される座金65のスリッ
ト65aに挿通し、これを該座金65の面に折り曲げる
ことによって取付け用いる。
【0099】かくして構成される雌留め具A−5にあっ
ては、図14に示すように、雄留め具B−5を該雌留め
具A−5から分離した際に、磁極面11の外周縁部、即
ち、前記の環状面としての第1の磁極面11’の外側の
円周方向の縁、特に、曲面13Aの内側の縁と、強磁性
部材20の強磁性板21における周側面21bとの間に
磁束密度の高い磁場を、また、この第1の磁極面11’
の内側の円周方向の縁、即ち、凹部16の落し込み上縁
部と強磁性突起22との間に磁束密度の高い磁場を、さ
らに、凹部16と、通し穴14とのなす縁部、即ち、環
状面として構成される第2の磁極面11”の内側の円周
方向の縁と、強磁性突起22との間に磁束密度の高い磁
場を形成しており、前記外周縁部と周側面21bとの間
に磁場を構成する磁束は、他の磁場を構成する磁束に相
当する磁束分少なくなる。
【0100】この結果、前記外周縁部と該周側面21b
との間に生ずる磁場が、極端に強い磁気を有することと
ならず、永久磁石10からの漏れ磁束による弊害を極力
抑制することができる。また、かかる状態で、雄留め具
B−5を、雌留め具A−5に近づけた場合、前記落し込
み上縁部と強磁性突起22との間にある磁場を構成して
いる磁気が、該雄留め具B−5における強磁性突起52
を凹部16内に強く吸引するように作用し、更に、縁部
と強磁性突起22との間にある磁場を構成している磁気
が、前記突起52を通し穴14内に吸引するように作用
し、結果的に、雌雄留め具の吸着、係合を円滑且つ確実
になすことができる。
【0101】かくして構成される留め具にあっては、図
15に示すように雌雄留め具を吸着状態においた際に、
雌留め具A−5を構成している永久磁石10の磁極面1
1における外周部分と強磁性板21の周側面21bとの
間に生ずる漏れ磁束が、前記雄留め具B−5における強
磁性板50の湾曲部53Aによって捕捉される構成とし
てある。かかる湾曲部53Aにおいて捕捉される磁気
は、この雌雄留め具が構成している抵抗の少ない磁気回
路としての強磁性板21、強磁幅突起22、強磁性突起
52、強磁性板51に導かれることとなり、雌雄留め具
の接触点としての強磁性突起22、及び強磁性突起52
の接触面おける吸着力として機能し、結果的に吸着効率
の良い留め具を構成することができる。また、前記にお
ける湾曲部53Aは、これが曲面部53A’を備えてい
ると共に、強磁性板51における円板状部分から永久磁
石10の磁極間の厚さの略四分の一程度、磁極面12の
側に向けて突き出す構成としてあることから、この湾曲
部53Aが、雄留め具B−5の強磁性突起52を雌留め
具A−5の通し穴に導き入れる際の妨げとなることがな
い。
【0102】(7) 第6実施例に係る留め具 図16〜図18は第6実施例に係る留め具を示すもので
あり、雌留め具A(本実施例では第6実施例に係る雌留
め具A−6として説明する。)、雄留め具B(本実施例
では第6実施例に係る雄留め具B−6として説明す
る。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する
取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0103】本実施例において用いられる雌留め具A−
6は、強磁性板部21’としての強磁性板21によって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、他方の磁極面11に凹部16を備え、且つ、この凹
部16の底から他方の磁極面12に貫設された通し穴1
4を備えた永久磁石10と前記強磁性板21の面に添装
される脚部材40における座板部41’とをケース30
内に取り入れて、これを抱持一体に構成し、しかも、前
記永久磁石10における磁極面11の外周側と、これに
続く該永久磁石10の磁極間にある面15、即ち、永久
磁石10の周側面15とのなす縁を曲面13Aとしてあ
る。
【0104】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、この磁極面11の外周部
と、該永久磁石10の周側面15との間が曲面13Aと
してあると共に、この磁極面11には、該磁極面11か
ら略垂直に落ち込み且つ底面が平らな凹部16を、ま
た、この凹部16の底から他方の磁極面12に貫通され
ている通し穴14を備えた構成としてあり、所謂、円形
の環板状をなす永久磁石10の円形をなす通し穴14と
同心状の円形の凹部16とを、該環板状をなす永久磁石
10の一方の磁極面11の側に設けた構成としてある。
この結果、この雌留め具A−6を構成する永久磁石10
は、その一方の磁極面11が、凹部16の外側に構成さ
れる環状面としての第1の磁極面11’と、この第1の
磁極面11’の内側にあって、該磁極面11から垂直に
落し込み形成されている凹部16の底面として構成され
る環状の面をなす第2の磁極面11”とを備え、この第
2の磁極面11”と他方の磁極面12との間を連通する
ように通し穴14が設けられていると共に、前記第1の
磁極面11’の外周部分に面取り状の曲面13Aが設け
られた構成とされている。
【0105】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’特に、こ
の実施例において用いられる強磁性部材20は、前記強
磁性板部21’を構成する円形の強磁性板21として構
成してある。
【0106】次いで、この強磁性部材20に添装した状
態で、ケース30によって抱持一体とされる脚部材40
は、この強磁性部材20の強磁性板21と略同一寸法の
円形をなす座板部41’と、脚片42’、42’とより
なっており、この脚片42’は、前記座板部41’に対
して、略垂下状に設けてあると共に、該座板部41’の
周側から切り込まれた一対の切断線によって、該座板部
41’の周側部よりも内側に入った位置から折り曲げ形
成されており、且つ、この座板部41’に設けられた切
り込みよりも長寸に形成してあり、互に向き合った一対
の脚片42’、42’としてある。
【0107】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20及び脚部材40の座板部41’とを抱持一体
に組付けるケース30は、典型的には真鍮などの非磁性
のケース30として用意されているが、このケース30
を、例えばステンレススチールなどの難磁性材料で構成
してあっても良く、また、鉄板などの強磁性材料で構成
してあっても良い。また、一部をプラスチックなどの非
磁性材で構成し、他の部分を鉄などの強磁性材で構成し
てあっても良い。
【0108】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設し、更に脚部材40の座板部41’
を該強磁性部材20に添装した際に、この永久磁石10
の磁極面11と、これに続く永久磁石10の周側面15
と、強磁性板21の周側面21bと、座板部41’の周
側面41’bとを覆う形状の、所謂、円形の上面板部3
7と周側板部36とを備えた下面開口の円形筒状の容器
形状としてあると共に、このケース30を構成する周側
板部36の下縁、即ち、開口縁35に係止爪34、34
…が延設状に突設してある。
【0109】また、該ケース30の上面31は、この上
面31を構成する上面板部37が、その外周部分から、
周側板部36に向けて傾斜する曲面32Aを備えた構成
としてあると共に、その外縁より、所定間隔相当分内側
にある位置において、その円周方向に向けて、略直角の
状態、即ち垂下状に折り曲げて、環状折曲部を構成した
後、前記当初上面と略平行となるように折り曲げ、これ
によって、該上面31に前記永久磁石10の凹部16に
沿え、且つ該凹部16内に収まる円形の凹部39を構成
している。この凹部39は、ケース30の円形の上面に
対して、略同心状に構成してある円形の凹部39とされ
ていると共に、この円形の凹部39の略中心に、該凹部
39に対して略同心状の円形の通し穴33を、前記凹部
39を構成している上面板部37を略直角の状態、即
ち、垂下状に折り曲げ、これを短寸円筒状の鍔部38と
することによって構成している。尚、ここで構成される
通し穴33及び、これを構成するための短寸円筒状の鍔
部38は、前記永久磁石10の通し穴14よりも直径を
小さく構成してあり、この通し穴14内に、該鍔部38
が収まると共に、この鍔部38の下端が、強磁性板21
の面に届かない構成とし、結果的に、通し穴14と、通
し穴33とが連通する構成としてある。
【0110】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10の第1の磁極面11’を構成する環状凸部
を、該環状凸部の外周縁に備えられる曲面13Aをケ−
ス30における曲面32Aに沿わせるようにして、、該
ケース30の上面31における外周側にある環状の収納
部分に収め、永久磁石10の凹部16の底面として構成
される第2の磁極面11”が、該ケース30の上面31
における凹部39の内側面に沿うように、該永久磁石1
0を組み入れる。また、この永久磁石10の組入れと同
時に、該永久磁石10の磁極面12に対して、強磁性部
材20を吸着しておき、更に、この強磁性部材20を構
成する強磁性板21に脚部材40の座板部41’を添装
すると共に、前記ケース30の周側板部36から延びる
係止爪34を、強磁性板21に添装された座板部41’
の面に折り曲げることによって、当該強磁性部材20及
び脚部材40と前記永久磁石10とを該ケース30によ
って抱持、一体としている。
【0111】かくして構成される雌留め具A−6は、図
17に示されるように、この雌留め具A−6における雄
留め具Bの吸着側に凹部を備えた構成とされていると共
に、この凹部の底から、永久磁石10の他方の磁極面1
2に向けて設けられている通し穴内に、強磁性部材20
の強磁性板部21’としての強磁性板21の面があらわ
れる構成としてある。
【0112】かかる構成からなる雌留め具A−6は、図
18に示されるように、例えばハンドバッグの本体側の
構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40の
脚片42’を挿通し、この取付け対象物Hから突き出さ
れた該脚片42’を該取付け対象物Hに添装される座金
45のスリット45aに挿通して、これを該座金45の
面に折り曲げることによって取付け用いる。
【0113】次いで、前記雌留め具A−6に吸着される
雄留め具B−6は、強磁性板部51’としての円形の強
磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の突起
部52’とされる強磁性突起52とにより構成される強
磁性部材50と、この強磁性突起52によって該強磁性
板51に止着される脚部材60とで構成してある。この
強磁性板51は、略中央に孔51aを備えた円盤状に構
成してあり、雌留め具A−6の平らな吸着面に対して吸
着される平らな被吸着面部の外周部分が、前記永久磁石
10の磁極面11の外周側にある曲面13Aに沿って延
びる曲面部53A’を構成する湾曲部53Aとしてあ
る。即ち、ここで構成される曲面部53A’は、前記永
久磁石10における曲面13Aの一部を覆う状態、従っ
て、永久磁石10の平らな磁極面11から外方に突き出
す構成としてある。即ち、雄留め具B−6における強磁
性板51の外周部分に、雌留め具A−6に備えられてい
る永久磁石10の磁極面11から、磁極面12の側に向
けて該磁極間寸法の略四分の一程度突き出す湾曲部53
Aを構成している。
【0114】又、この強磁性板51に取付けられる強磁
性突起52は、該強磁性板51に設けられている円形の
孔51aと、脚部材60に設けられている円形の孔61
aに挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、こ
の小径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留
め具A−6の通し穴内において、前記強磁性板21に接
触、吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを備
えた構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面を、
前記強磁性板21の面に対して都合良く吸着できる形
状、例えば、図示例におけるように比較的平らな面とし
て構成している。
【0115】ここで構成される雄留め具B−6の強磁性
部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材60
を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁性
板51の面に添装される略円形の座板部61と、この座
板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成として
あり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起52
の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備えた
構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、該
脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔5
1aに連通させるように該強磁性板51に添装すると共
に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記強
磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61aに
挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを該
強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座板
部61の孔61aから突き出している該小径桿部52b
の突き出し端を、この座板部61の面に圧潰することに
よって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0116】かかる構成からなる雄留め具B−6は、図
18示されるように、取付け対象物H、例えば、ハンド
バッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A−
6に対して、雄留め具B−6における強磁性突起52
が、この雌留め具A−6の通し穴14内にある強磁性板
21の面に都合良く接触、吸着する位置にある取付け対
象物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片62を
挿通し、この取付け対象物Hから突き出ている該脚片6
2を、この取付け対象物Hに添装される座金65のスリ
ット65aに挿通し、これを該座金65の面に折り曲げ
ることによって取付け用いる。
【0117】かくして構成される雌留め具A−6にあっ
ては、図17に示すように、雄留め具B−6を該雌留め
具A−6から分離した際に、磁極面11の外周縁部、即
ち、前記の環状面としての第1の磁極面11’の外側の
円周方向の縁、特に、曲面13Aの内側の縁と、強磁性
部材20の強磁性板21における周側面21bとの間に
磁束密度の高い磁場を、また、この第1の磁極面11’
の内側の円周方向の縁、即ち、凹部16の落し込み上縁
部と磁極面12側にある通し穴14の穴縁との間に磁束
密度の高い磁場を、さらに、凹部16と、通し穴14と
のなす縁部、即ち、環状面として構成される第2の磁極
面11”の内側の円周方向の縁と、磁極面12側にある
通し穴14の穴縁との間に磁束密度の高い磁場を形成し
ており、前記外周縁部と周側面21bとの間に磁場を構
成する磁束は、他の磁場を構成する磁束に相当する磁束
分少なくなる。
【0118】この結果、前記外周縁部と該周側面21b
との間に生ずる磁場が、極端に強い磁気を有することと
ならず、永久磁石10からの漏れ磁束による弊害を極力
抑制することができる。また、かかる状態で、雄留め具
B−6を、雌留め具A−6に近づけた場合、前記落し込
み上縁部と磁極面12側にある通し穴14の穴縁との間
にある磁場を構成している磁気が、該雄留め具B−6に
おける強磁性突起52を凹部16内に強く吸引するよう
に作用し、更に、縁部と磁極面12側にある通し穴14
の穴縁との間にある磁場を構成している磁気が、前記突
起52を通し穴14内に吸引するように作用し、結果的
に、雌雄留め具の吸着、係合を円滑且つ確実になすこと
ができる。
【0119】かくして構成される留め具にあっては、図
18に示すように雌雄留め具を吸着状態において際に、
雌留め具A−6を構成している永久磁石10の磁極面1
1における外周部分と強磁性板21の周側面21bとの
間に生ずる漏れ磁束が、前記雄留め具B−6における強
磁性板50の湾曲部53Aによって捕捉される構成とし
てある。かかる湾曲部53Aにおいて捕捉される磁気
は、この雌留め具が構成している抵抗の少ない磁気回路
としての強磁性板21、強磁性突起52、強磁性板51
に導かれることとなり、雌雄留め具の接触点としての強
磁性板21、及び強磁性突起52の接触面における吸着
力として機能し、結果的に吸着効率の良い留め具を構成
することができる。また、前記における湾曲部53A
は、これが曲面部53A’を備えていると共に、強磁性
板51における円板状部分から永久磁石10の磁極間の
厚さの略四分の一程度、磁極面12の側に向けて突き出
す構成としてあることから、この湾曲部53Aが、雄留
め具B−6の強磁性突起52を雌留め具A−6の通し穴
に導き入れる際の妨げとなることがない。
【0120】(8) 第7実施例に係る留め具 図19〜図21は第7実施例に係る留め具を示すもので
あり、雌留め具A(本実施例では第7実施例に係る雌留
め具A−7として説明する。)、雄留め具B(本実施例
では第7実施例に係る雄留め具B−7として説明す
る。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する
取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0121】本実施例において用いられる雌留め具A−
7は、強磁性の突起部22’としての強磁性突起22
と、強磁性板部21’としての強磁性板21とによって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、磁極面11と磁極面12との間に透設される通し穴
14を備えた永久磁石10とを備え、この強磁性突起2
2を永久磁石10の通し穴14に圧入嵌着することによ
って両者を一体になすと共に、前記強磁性板21の面
に、脚部材40を前記強磁性突起22を用いて一体に止
着した構成とし、しかも、前記永久磁石10における磁
極面11の外周側と、これに続く該永久磁石10の磁極
間にある面15、即ち、永久磁石10の周側の面15と
のなす縁を曲面13Aとしてある。
【0122】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石10
であって、主としてプラスチック磁石などの永久磁石材
料で構成されており、一方の磁極面11に、この磁極面
11の外周部と、該永久磁石10の周側面15との間が
曲面状の面取り面としての曲面13Aとしてあると共
に、この磁極面11には、該磁極面11から略垂直に落
ち込み且つ他方の磁極面12に貫通されている通し穴1
4を備えた構成としてある。
【0123】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’と、この
強磁性板部21’から前記永久磁石10の通し穴14内
に強く押し入れられる強磁性の突起部22’とを備えて
おり、この突起部22’は、雌留め具A−7として構成
される通し穴から上方に、その頂部側が突き出ない起立
寸法に構成してある。特に、この実施例において用いら
れる強磁性部材20は、前記強磁性板部21’を構成す
る円形の強磁性板21と、これに取付けられ且つ前記強
磁性の突起部22’として機能する強磁性突起22とを
備えた構成としてあると共に、この強磁性突起22の小
径桿部22bを用いて、脚部材40を一体に組付けられ
た構成としてある。
【0124】即ち、前記強磁性板21に取付けられる強
磁性突起22を、前記永久磁石10の通し穴14内に強
く嵌まり入る大きさの径寸法に起立し、且つ、構成され
る雌留め具A−7における通し穴から、その頂部側が突
き出ない形状、寸法からなる短寸円柱状の大径桿部22
aと、この大径桿部22aと同一軸線上にあり、且つ前
記強磁性板21の中心に開設された円形の孔21aに挿
通される短寸円柱状の小径桿部22bとを備えた構成と
し、且つ、該大径桿部22aの頂端面を、追って説明す
る雄留め具Bにおける強磁性の突起部52’に対して都
合良く吸着できる形状、例えば図示例におけるように比
較的平らな面として構成している。
【0125】ここで構成される雌留め具A−7の強磁性
部材20には、前記強磁性突起22を用いて脚部材40
を一体に止着してある。この脚部材40は、前記強磁性
板21の面に添装される略円形の座板部41と、この座
板部41の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片42、42とを備えた構成として
あり、前記座板部41の略中央に、前記強磁性突起22
の小径桿部22bの挿通される円形の孔41aを有す
る。かかる構成からなる脚部材40を、該脚部材40に
おける孔41aを前記強磁性板21の孔21aに連通さ
せるように該強磁性板21に添装すると共に、この脚部
材40の取付け側と反対の側から、前記強磁性突起22
の小径桿部22bを該孔21a、41aに挿通し、該強
磁性突起22における大径桿部22aを該強磁性板21
の面に当接した状態で、脚部材40の座板部41の孔4
1aから突き出している該小径桿部22bの突き出し端
を、この座板部41の面に圧潰することによって、これ
らの各部材を一体に止着してある。
【0126】かくして構成される雌留め具A−7は、図
20に示されるように、この雌留め具A−7における雄
留め具Bの吸着側の外周部分に面取り状の曲面13Aを
備えた構成とされていると共に、構成される雌留め具A
−7の通し穴の上面から、強磁性突起22が上方に突き
出ない構成、即ち、雌留め具A−7において構成される
吸着側の面として構成される磁極面11の面よりも、強
磁性突起22が上方に突き出ない構成としてある。
【0127】かかる構成からなる雌留め具A−7は、図
21に示されるように、例えばハンドバッグの本体側の
構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40の
脚片42を挿通し、この取付け対象物Hから突き出され
た該脚片42を該取付け対象物Hに添装される座金45
のスリット45aに挿通して、これを該座金45の面に
折り曲げることによって取付け用いる。
【0128】次いで、前記雌留め具A−7に吸着される
雄留め具B−7は、強磁性板部51’としての円形の強
磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の突起
部52’とされる強磁性突起52とにより構成される強
磁性部材50と、この強磁性突起52によって該強磁性
板51に止着される脚部材60とで構成してある。
【0129】この強磁性板51は、略中央に孔51aを
備えた円盤状に構成してあり、雌留め具A−7の平らな
吸着面に対して吸着される平らな被吸着面部の外周部分
が、前記永久磁石10の磁極面11の外周側にある曲面
13Aに沿って僅かに延びる曲面部53A’を構成する
湾曲部53Aとしてある。即ち、ここで構成される曲面
部53A’は、前記永久磁石10における曲面13Aの
一部を覆う状態、即ち、永久磁石10の平らな磁極面1
1から磁極面12の側に向けて、該磁極面間寸法の略四
分一程度外方に突き出す湾曲部53Aを備えた構成とし
てある。又、この強磁性板51に取付けられる強磁性突
起52は、該強磁性板51に設けられている円形の孔5
1aと、脚部材60に設けられている円形の孔61aに
挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、この小
径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留め具
A−7の通し穴内において、前記強磁性突起22に接
触、吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを備
えた構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面を、
前記突起22に対して都合良く吸着できる形状、例え
ば、図示例におけるように比較的平らな面として構成し
ている。
【0130】ここで構成される雄留め具B−7の強磁性
部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材60
を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁性
板51の面に添装される略円形の座板部61と、この座
板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成として
あり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起52
の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備えた
構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、該
脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔5
1aに連通させるように該強磁性板51に添装すると共
に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記強
磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61aに
挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを該
強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座板
部61の孔61aから突き出している該小径桿部52b
の突き出し端を、この座板部61の面に圧潰することに
よって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0131】かかる構成からなる雄留め具B−7は、図
21に示されるように、取付け対象物H、例えば、ハン
ドバッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A
−7に対して、雄留め具B−7における強磁性突起52
が、この雌留め具A−7の通し穴14内にある強磁性突
起22に都合良く接触、吸着する位置にある取付け対象
物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片62を挿
通し、この取付け対象物Hから突き出ている該脚片62
を、この取付け対象物Hに添装される座金65のスリッ
ト65aに挿通し、これを該座金65の面に折り曲げる
ことによって取付け用いる。
【0132】かくして構成される留め具にあっては、図
21に示すように雌雄留め具を吸着状態においた際に、
雌留め具A−7を構成している永久磁石10の磁極面1
1における外周部分と強磁性板21の周側面21bとの
間に生ずる漏れ磁束が、前記雄留め具B−7における強
磁性板50の湾曲部53Aによって捕捉される構成とし
てある。かかる湾曲部53Aにおいて捕捉される磁気
は、この雌雄留め具が構成してなる抵抗の少ない磁気回
路としての強磁性板21、強磁性突起22、強磁性突起
52、強磁性板51に導かれることとなり、雌雄留め具
の接触点としての強磁性突起22及び強磁性突起52の
接触面における吸着力として機能し、結果的に吸着効率
の良い留め具を構成することができる。
【0133】また、前記における湾曲部53Aは、これ
が曲面部53A’を備えていると共に、強磁性板51に
おける円板状部分から前記永久磁石10の磁極間寸法の
略四分の一程度磁極面12の側に向けて突き出す構成と
してあることから、この湾曲部53Aが、雄留め具B−
7の強磁性突起52を雌留め具A−7の通し穴に導き入
れる際の妨げとなることがない。
【0134】(8) 第8実施例に係る留め具 図22〜図24は第8実施例に係る留め具を示すもので
あり、雌留め具A(本実施例では第8実施例に係る雌留
め具A−8として説明する。)、雄留め具B(本実施例
では第8実施例に係る雄留め具B−8として説明す
る。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する
取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0135】本実施例において用いられる雌留め具A−
8は、強磁性板部21’としての強磁性板21によって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、磁極面11と磁極面12との間に透設される通し穴
14を備えた永久磁石10と前記強磁性板21の面に添
装される脚部材40における座板部41’を夫々接着な
どの手法によって、一体に構成し、しかも、前記永久磁
石10における磁極面11の外周側と、これに続く該永
久磁石10の磁極面間にある面15、即ち、該永久磁石
10の周側面15とのなす縁を曲面13Aとしてある。
【0136】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石10
であって、例えば、プラスチック磁石などの永久磁石材
料で構成されており、一方の磁極面11に、この磁極面
11の外周部と、該永久磁石10の周側面15との間が
曲面状の面取り面としての曲面13Aとしてあると共
に、この磁極面11には、該磁極面11から略垂直に落
ち込み且つ他方の磁極面12に貫通されている通し穴1
4を備えた構成としてある。
【0137】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して接着取付けられる強磁性部材20は、前記
永久磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面1
2における磁気の磁場を構成する強磁性板部21’特
に、この実施例において用いられる強磁性部材20は、
前記強磁性板部21’を構成する円形の強磁性板21と
して構成してある。
【0138】次いで、この強磁性部材20に添装した状
態で、溶着一体とされる脚部材40は、円形をなす座板
部41と、脚片42、42とよりなっており、この脚片
42が、前記座板部41の両側から、略垂下状に折り曲
げ状に設けてある。かくして、脚部材40を一体に有す
る強磁性部材20における強磁性板21を、前記永久磁
石10における磁極面12に添装し、且つ、これを接着
することによって雌留め具A−8を構成する。
【0139】かくして構成される雌留め具A−8は、図
23に示されるように、この雌留め具A−8における雄
留め具Bの吸着側に外周部分に面取り状の曲面13Aを
備えた構成とされていると共に、この吸着側の面から、
永久磁石10の他方の磁極面12に向けて設けられてい
る通し穴内に、強磁性部材20の強磁性板部21’とし
ての強磁性板21の面があらわれる構成としてある。
【0140】かかる構成からなる雌留め具A−8は、図
24に示されるように、例えばハンドバッグの本体側の
構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40の
脚片42を挿通し、この取付け対象物Hから突き出され
た該脚片42を該取付け対象物Hに添装される座金45
のスリット45aに挿通して、これを該座金45の面に
折り曲げることによって取付け用いる。
【0141】次いで、前記雌留め具A−8に吸着される
雄留め具B−8は、強磁性板部51’としての円形の強
磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の突起
部52’とされる強磁性突起52とにより構成される強
磁性部材50と、この強磁性突起52によって該強磁性
板51に止着される脚部材60とで構成してある。
【0142】この強磁性板51に取付けられる強磁性突
起52は、該強磁性板51に設けられている円形の孔5
1aと、脚部材60に設けられている円形の孔61aに
挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、この小
径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留め具
A−8の通し穴内において、前記強磁性板21に接触、
吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを備えた
構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面を、前記
強磁性板21の面に対して都合良く吸着できる形状、例
えば、図示例におけるように比較的平らな面として構成
している。
【0143】この強磁性板51は、略中央に孔51aを
備えた円盤状に構成してあり、雌留め具A−8の平らな
吸着面に対して吸着される平らな被吸着面部の外周部分
が、前記永久磁石10の磁極面11の外周側にある曲面
13Aに沿って延びる曲面部53A’を構成する湾曲部
53Aとしてある。即ち、ここで構成される曲面部53
A’は、前記永久磁石10における曲面13Aの一部を
覆う状態、従って、永久磁石10の平らな磁極面11か
ら外方に突き出す構成としてある。即ち、雄留め具B−
8における強磁性板51の外周部分に、雌留め具A−8
に備えられている永久磁石10の磁極面11から、磁極
面12の側に向けて該磁極面間寸法の略四分の一程度突
き出す湾曲部53Aを構成している。
【0144】ここで構成される雄留め具B−8の強磁性
部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材60
を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁性
板51の面に添装される略円形の座板部61と、この座
板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成として
あり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起52
の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備えた
構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、該
脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔5
1aに連通させるように該強磁性板51に添装すると共
に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記強
磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61aに
挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを該
強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座板
部61の孔61aから突き出している該小径桿部52b
の突き出し端を、この座板部61の面に圧潰することに
よって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0145】かかる構成からなる雄留め具B−8は、図
24示されるように、取付け対象物H、例えば、ハンド
バッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A−
8に対して、雄留め具B−8における強磁性突起52
が、この雌留め具A−8の通し穴14内にある強磁性板
21の面に都合良く接触、吸着する位置にある取付け対
象物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片62を
挿通し、この取付け対象物Hから突き出ている該脚片6
2を、この取付け対象物Hに添装される座金65のスリ
ット65aに挿通し、これを該座金65の面に折り曲げ
ることによって取付け用いるようにしてある。
【0146】かくして構成される留め具にあっては、図
24に示すように雌雄留め具を吸着状態においた際に、
雌留め具A−8を構成している永久磁石10の磁極面1
1における外周部分と強磁性板21の周側面21bとの
間に生ずる漏れ磁束が、前記雄留め具B−8における強
磁性板50の湾曲部53Aによって捕捉される構成とし
てある。かかる湾曲部53Aにおいて捕捉される磁気
は、この雌雄留め具が構成している抵抗の少ない磁気回
路としての強磁性板21、強磁性突起52、強磁性板5
1に導かれることとなり、雌雄留め具の接触点としての
強磁性板21、及び強磁性突起52の接触面における吸
着力として機能し、結果的に吸着効率の良い留め具を構
成することができる。
【0147】また、前記における湾曲部53Aは、これ
が曲面部53A’を備えていると共に、強磁性板51に
おける円板状部分から永久磁石10の磁極間の厚さの略
四分の一程度、磁極面12の側に向けて突き出す構成と
してあることから、この湾曲部53Aが、雄留め具B−
8の強磁性突起52を雌留め具A−8の通し穴に導き入
れる際の妨げとなることがない。
【0148】尚、叙上における第1〜第8実施例におい
て、雄留め具Bを構成している強磁性板部51’として
の強磁性板51は、その外周側に曲面部53A’を備え
ている湾曲部53Aを有する構成としてあるが、この曲
面部53A’を備えた湾曲部53Aを、傾斜面部を備え
た傾斜部として構成してあっても良い。又、ここで構成
される雄留め具Bにおける曲面部53A’あるいは傾斜
面部は、これに対応される永久磁石10の曲面13Aに
接し、あるいは、これに近接して吸着される場合は勿論
のこと、この曲面13Aから離れた状態で雌雄留め具が
吸着状態におかれていても良い。更に、ここで構成され
る雄留め具Bにおける曲面部53A’あるいは傾斜面部
は、これに対応される永久磁石10の曲面13Aに対し
て雌雄留め具の吸着時において平行である必要がなく、
当該部分において生ずる漏れ磁束を捕捉できる位置に設
けられていれば良い。
【0149】(10)第9実施例に係る留め具 図25〜図27は第9実施例に係る留め具を示すもので
あり、雌留め具A(本実施例では第9実施例に係る雌留
め具A−9として説明する。)、雄留め具B(本実施例
では第9実施例に係る雄留め具B−9として説明す
る。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する
取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0150】本実施例において用いられる雌留め具A−
9は、強磁性の突起部22’としての強磁性突起22
と、強磁性板部21’としての強磁性板21とによって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、磁極面11と磁極面12との間に透設される通し穴
14を備えた永久磁石10とを、ケース30内に取り入
れ、これを抱持一体になすと共に、前記強磁性板21の
面に、脚部材40を前記強磁性突起22を用いて一体に
止着した構成とし、しかも、前記永久磁石10における
磁極面11の外周側と、これに続く該永久磁石10の磁
極間にある面15、即ち、永久磁石10の周側の面15
とのなす縁を傾斜面13Bとしてある。
【0151】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、この磁極面11の外周部
と、該永久磁石10の周側面15との間が直線状の面取
り面としての傾斜面13Bとしてあると共に、この磁極
面11には、該磁極面11から略垂直に落ち込み且つ他
方の磁極面12に貫通されている通し穴14を備えた構
成としてある。
【0152】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’と、この
強磁性板部21’から前記永久磁石10の通し穴14内
に起立する強磁性の突起部22’とを備えており、この
突起部22’は、雌留め具A−9として構成される通し
穴から上方に、その頂部側が突き出ない起立寸法に構成
してある。特に、この実施例において用いられる強磁性
部材20は、前記強磁性板部21’を構成する円形の強
磁性板21と、これに取付けられ且つ前記強磁性の突起
部22’として機能する強磁性突起22とを備えた構成
としてあると共に、この強磁性突起22の小径桿部22
bを用いて、脚部材40を一体に組付けられた構成とし
てある。
【0153】即ち、前記強磁性板21に取付けられる強
磁性突起22を、前記永久磁石10の通し穴14内に起
立し、且つ、構成される雌留め具A−9における通し穴
から、その頂部側が突き出ない形状、寸法からなる短寸
円柱状の大径桿部22aと、この大径桿部22aと同一
軸線上にあり、且つ前記強磁性板21の中心に開設され
た円形の孔21aに挿通される短寸円柱状の小径桿部2
2bとを備えた構成とし、且つ、該大径桿部22aの頂
端面を、追って説明する雄留め具Bにおける強磁性の突
起部52’に対して都合良く吸着できる形状、例えば図
示例におけるように比較的平らな面として構成してい
る。
【0154】ここで構成される雌留め具A−9の強磁性
部材20には、前記強磁性突起22を用いて脚部材40
を一体に止着してある。この脚部材40は、前記強磁性
板21の面に添装される略円形の座板部41と、この座
板部41の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片42、42とを備えた構成として
あり、前記座板部41の略中央に、前記強磁性突起22
の小径桿部22bの挿通される円形の孔41aを有す
る。かかる構成からなる脚部材40を、該脚部材40に
おける孔41aを前記強磁性板21の孔21aに連通さ
せるように該強磁性板21に添装すると共に、この脚部
材40の取付け側と反対の側から、前記強磁性突起22
の小径桿部22bを該孔21a、41aに挿通し、該強
磁性突起22における大径桿部22aを該強磁性板21
の面に当接した状態で、脚部材40の座板部41の孔4
1aから突き出している該小径桿部22bの突き出し端
を、この座板部41の面に圧潰することによって、これ
らの各部材を一体に止着してある。
【0155】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20とを抱持一体に組付けるケース30は、典型
的には真鍮などの非磁性のケース30として用意されて
いるが、このケース30を、例えばステンレススチール
などの難磁性材料で構成してあっても良く、また、鉄板
などの強磁性材料で構成してあっても良い。また、一部
をプラスチックなどの非磁性材で構成し、他の部分を鉄
などの強磁性材で構成してあっても良い。
【0156】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設した際に、この永久磁石10の磁極
面11と、これに続く永久磁石10の周側面15と、強
磁性板21の周側面21bとを覆う形状の、所謂、円形
の上面板部37と周側板部36とを備えた下面開口の円
形筒状の容器形状としてあると共に、このケース30を
構成する周側板部36の下縁、即ち、開口縁35に係止
爪34、34…が延設状に突設してある。
【0157】また、該ケース30の上面31は略円形を
なしており、この上面31を構成する上面板部37の外
周部分と、周側板部36との間が直線状の面取り面とし
ての傾斜面32Bとして構成してあると共に、該円形を
なす上面31の略中心に、該上面31に対して略同心状
の円形の通し穴33を、前記上面31を構成している上
面板部37を略直角の状態、即ち、垂下状に折り曲げ、
これを短寸円筒状の鍔部38とすることによって構成し
ている。尚、ここで構成される通し穴33及び、これを
構成するための短寸円筒状の鍔部38は、前記永久磁石
10の通し穴14よりも直径を小さく構成してあり、こ
の通し穴14内に、該鍔部38が収まると共に、この鍔
部38の下端が、強磁性板21の面に届かない構成と
し、結果的に、通し穴14と、通し穴33とが連通する
構成としてある。
【0158】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10を、この永久磁石10の一方の磁極面11
を構成する面取り状の傾斜面13Bが、ケ−ス30にお
ける傾斜面32Bに略沿うようにして、収め入れる。ま
た、この永久磁石10の組入れと同時に、該永久磁石1
0の磁極面12に対して、前記脚部材40の取付けられ
た強磁性部材20を吸着しておき、この強磁性部材20
を構成する強磁性板21の周側面21bにあるケース3
0の周側板部36から延びる係止爪34を、強磁性板2
1における永久磁石10に吸着されていない側の面に折
り曲げることによって、当該強磁性部材20と前記永久
磁石10とを該ケース30によって抱持、一体としてい
る。
【0159】かくして構成される雌留め具A−9は、図
26に示されるように、この雌留め具A−9における雄
留め具Bの吸着側の外周部分に面取り状の傾斜面13
B、32Bを備えた構成とされていると共に、構成され
る雌留め具A−9の通し穴の上面から、強磁性突起22
が上方に突き出ない構成、即ち、雌留め具A−9におい
て構成される吸着側の面として構成されるケース30の
上面31の面よりも、強磁性突起22が上方に突き出な
い構成としてある。
【0160】かかる構成からなる雌留め具A−9は、図
27されるように、例えばハンドバッグの本体側の構成
皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40の脚片
42を挿通し、この取付け対象物Hから突き出された該
脚片42を該取付け対象物Hに添装される座金45のス
リット45aに挿通して、これを該座金45の面に折り
曲げることによって取付け用いる。
【0161】次いで、前記雌留め具A−9に吸着される
雄留め具B−9は、強磁性板部51’としての円形の強
磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の突起
部52’とされる強磁性突起52とにより構成される強
磁性部材50と、この強磁性突起52によって該強磁性
板51に止着される脚部材60とで構成してある。
【0162】この強磁性板51は、略中央に孔51aを
備えた円盤状に構成してあり、雌留め具A−9の平らな
吸着面に対して吸着される平らな被吸着面部の外周部分
が、前記永久磁石10の磁極面11の外周側にある傾斜
面13Bに沿って僅かに延びる傾斜面部53B’を構成
する傾斜部53Bとしてある。即ち、ここで構成される
傾斜面部53B’は、前記永久磁石10における傾斜面
13Bの一部を覆う状態、従って、永久磁石10の平ら
な磁極面11から僅かに外方に突き出す構成としてあ
る。又、この強磁性板51に取付けられる強磁性突起5
2は、該強磁性板51に設けられている円形の孔51a
と、脚部材60に設けられている円形の孔61aに挿通
される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、この小径桿
部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留め具A−
9の通し穴内において、前記強磁性突起22に接触、吸
着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを備えた構
成としてあり、この大径桿部52aの頂端面を、前記突
起22に対して都合良く吸着できる形状、例えば、図示
例におけるように比較的平らな面として構成している。
【0163】ここで構成される雄留め具B−9の強磁性
部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材60
を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁性
板51の面に添装される略円形の座板部61と、この座
板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成として
あり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起52
の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備えた
構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、該
脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔5
1aに連通させるように該強磁性板51に添装すると共
に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記強
磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61aに
挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを該
強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座板
部61の孔61aから突き出している該小径桿部52b
の突き出し端を、この座板部61の面に圧潰することに
よって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0164】かかる構成からなる雄留め具B−9は、図
27に示されるように、取付け対象物H、例えば、ハン
ドバッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A
−9に対して、雄留め具B−9における強磁性突起52
が、この雌留め具A−9の通し穴14内にある強磁性突
起22に都合良く接触、吸着する位置にある取付け対象
物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片62を挿
通し、この取付け対象物Hから突き出ている該脚片62
を、この取付け対象物Hに添装される座金65のスリッ
ト65aに挿通し、これを該座金65の面に折り曲げる
ことによって取付け用いる。
【0165】かくして構成される留め具にあっては、図
27に示すように雌雄留め具を吸着状態においた際に、
雌留め具A−9を構成している永久磁石10の磁極面1
1における外周部分と強磁性板21の周側面21bとの
間に生ずる漏れ磁束が、前記雄留め具B−9における強
磁性板50の傾斜部53Bによって捕捉される構成とし
てある。かかる傾斜部53Bにおいて捕捉される磁気
は、この雌雄留め具が構成している抵抗の少ない磁気回
路としての強磁性板21、強磁性突起22、強磁性突起
52、強磁性板51に導かれることとなり、雌雄留め具
の接触点としての強磁性突起22及び強磁性突起52の
接触面における吸着力として機能し、結果的に吸着効率
の良い留め具を構成することができる。
【0166】また、前記における傾斜部53Bは、これ
が傾斜部53B’を備えていると共に、強磁性板51に
おける円板状部分から僅かに突き出す構成としてあるこ
とから、この傾斜部53Bが、雄留め具B−9の強磁性
突起52を雌留め具A−9の通し穴に導き入れる際の妨
げとなることがない。
【0167】(11)第10実施例に係る留め具 図28〜図30は第10実施例に係る留め具を示すもの
であり、雌留め具A(本実施例では第10実施例に係る
雌留め具A−10として説明する。)、雄留め具B(本
実施例では第10実施例に係る雄留め具B−10として
説明する。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに
対する取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示してい
る。
【0168】この第10実施例に係る留め具は、雄留め
具B−10を構成している強磁性板部51’としての強
磁性板51の外周部分に設けられている傾斜面部53
B’を構成している傾斜部53Bが、前記第9実施例に
係る雄留め具B−9における湾曲部53Bよりも突き出
し幅を大きく構成してある以外の構成を、前記第9実施
例に係る留め具と同一、又は実質的に同一としてあり、
同一、又は実質的に同一の構成部分には同一の番号を付
して説明を省略する。
【0169】即ち、この第10実施例に係る留め具にお
いては、この留め具の一方を構成する雄留め具B−10
おける強磁性板51の外周部分に、雌留め具A−10に
備えられている永久磁石10の磁極面11から、磁極面
12の側に向けて、該磁極面間寸法の略四分の一程度突
き出す傾斜部53Bを構成している。
【0170】このように構成された留め具にあっては、
雌雄留め具を図29に示すように吸着させた際に、前記
第9実施例に係る留め具に比較して、永久磁石10の前
記傾斜面13Bと強磁性板21の周側面21bとの間に
生ずる漏れ磁束を更に少なくすることができ、結果的
に、雌雄留め具における夫々の強磁性突起22と強磁性
突起52との接触面に、より効果的な吸着力をもたらす
ことができる。尚、この場合にあっても、前記における
傾斜部53Bは、これが傾斜面部53B’を備えている
と共に、強磁性板51における円板状部分から雌留め具
A−10における永久磁石10の磁極間寸法の略四分の
一程度、この永久磁石10の磁極面12の側に向けて突
き出す構成としてあることから、この傾斜部53Bが、
雄留めB−10の強磁性突起部52’としての強磁性突
起52を雌留め具A−10の通し穴に導き入れる際の妨
げとなることがない。
【0171】(12)第11実施例に係る留め具 図31〜図33は第11実施例に係る留め具を示すもの
であり、雌留め具A(本実施例では第11実施例に係る
雌留め具A−11として説明する。)、雄留め具B(本
実施例では第11実施例に係る雄留め具B−11として
説明する。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに
対する取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示してい
る。
【0172】この第11実施例に係る留め具は、雄留め
具B−11を構成している強磁性板部材51’としての
強磁性板51の外周部分に設けられている傾斜面部53
B’を構成している傾斜部53Bが、前記第9実施例に
係る雄留め具B−9における傾斜部53Bよりも突き出
し幅を大きく構成してある以外の構成を、前記第9実施
例に係る留め具と同一、又は実質的に同一としてあり、
同一、又は実質的に同一の構成部分には同一の番号を付
して説明を省略する。
【0173】即ち、この第11実施例に係る留め具にお
いては、この留め具の一方を構成する雄留め具B−11
における強磁性板51の外周部分に、雌留め具A−11
に備えられている永久磁石10の磁極面11から、磁極
面12の側に向けて、該磁極面間寸法の略二分の一程
度、又は、これより稍々突き出す傾斜部53Bを構成し
ている。
【0174】このように構成された留め具にあっては、
雌雄留め具を図32に示すように吸着させた際に、前記
第9実施例に係る留め具より以上に、永久磁石10の前
記傾斜面13Bと強磁性板21の周側面21bとの間に
おける漏れ磁束の生ずる余地を殆ど無くすことができ、
結果的に、雌雄留め具における夫々の強磁性突起22と
強磁性突起52との接触面に、極めて効果的な吸着力を
もたらすことができる。又、この場合、前記における傾
斜部53Bは、これが傾斜面部53B’を備えていると
共に、強磁性板51における円板状部分から雌留め具A
−11における永久磁石10の磁極間寸法の略二分の一
程度、この永久磁石10の磁極面12の側に向けて突き
出す構成としてあることから、この傾斜部53Bが、雄
留めB−11の強磁性突起部52’としての強磁性突起
52を雌留め具A−11の通し穴に導き入れる際の妨げ
となることがない。
【0175】(13)第12実施例に係る留め具 図34〜図36は第12実施例に係る留め具を示すもの
であり、雌留め具A(本実施例では第12実施例に係る
雌留め具A−12として説明する。)、雄留め具B(本
実施例では第12実施例に係る雄留め具B−12として
説明する。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに
対する取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示してい
る。
【0176】本実施例において用いられる雌留め具A−
12は、強磁性板部21’としての強磁性板21によっ
て構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、
且つ、磁極面11と磁極面12との間に透設される通し
穴14を備えた永久磁石10と前記強磁性板21の面に
添装される脚部材40における座板部41’とをケース
30内に取り入れて、これを抱持一体に構成し、しか
も、前記永久磁石10における磁極面11の外周側と、
これに続く該永久磁石10の磁極面間にある面15、即
ち、該永久磁石10の周側面15とのなす縁を直線状の
傾斜面13Bとしてある。
【0177】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、この磁極面11の外周部
と、該永久磁石10の周側面15との間が直線状の面取
り面としての傾斜面13Bとしてあると共に、この磁極
面11には、該磁極面11から略垂直に落ち込み且つ他
方の磁極面12に貫通されている通し穴14を備えた構
成としてある。
【0178】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’特に、こ
の実施例において用いられる強磁性部材20は、前記強
磁性板部21’を構成する円形の強磁性板21として構
成してある。
【0179】次いで、この強磁性部材20に添装した状
態で、ケース30によって抱持一体とされる脚部材40
は、この強磁性部材20の強磁性板21と略同一寸法の
円形をなす座板部41’と、脚片42’、42’とより
なっており、この脚片42’は、前記座板部41’に対
して、略垂下状に設けてあると共に、該座板部41’の
周側から切り込まれた一対の切断線によって、該座板部
41’の周側部よりも内側に入った処から折り曲げ形成
されており、且つ、この座板部41’に設けられた切り
込みよりも長寸に形成してあり、互に向き合った一対の
脚片42’、42’としてある。
【0180】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20及び脚部材40の座板部41’とを抱持一体
に組付けるケース30は、典型的には真鍮などの非磁性
のケース30として用意されているが、このケース30
を、例えばステンレススチールなどの難磁性材料で構成
してあっても良く、また、鉄板などの強磁性材料で構成
してあっても良い。また、一部をプラスチックなどの非
磁性材で構成し、他の部分を鉄などの強磁性材で構成し
てあっても良い。
【0181】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設し、更に脚部材40の座板部41’
を該強磁性部材20に添装した際に、この永久磁石10
の磁極面11と、これに続く永久磁石10の周側面15
と、強磁性板21の周側面21bと、座板部41’の周
側面41’bとを覆う形状の、所謂、円形の上面板部3
7と周側板部36とを備えた下面開口の円形筒状の容器
形状としてあると共に、このケース30を構成する周側
板部36の下縁、即ち、開口縁35に係止爪34、34
…が延設状に突設してある。
【0182】また、該ケース30の上面31は、略円形
をなしており、この上面31を構成する上面板部37の
外周部分と、周側板部36との間が直線状の面取り面と
しての傾斜面32Bとして構成してあると共に、該円形
をなす上面31の略中心に、該上面31に対して略同心
状の円形の通し穴33を、前記上面31を構成している
上面板部37を略直角の状態、即ち、垂下状に折り曲
げ、これを短寸円筒状の鍔部38とすることによって構
成している。尚、ここで構成される通し穴33及び、こ
れを構成するための短寸円筒状の鍔部38は、前記永久
磁石10の通し穴14よりも直径を小さく構成してあ
り、この通し穴14内に、該鍔部38が収まると共に、
この鍔部38の下端が、強磁性板21の面に届かない構
成とし、結果的に、通し穴14と、通し穴33とが連通
する構成としてある。
【0183】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10を、この永久磁石10の一方の磁極面11
を構成する面取り状の傾斜面13Bがケ−ス30におけ
る傾斜面32Bに略沿うようにして収め入れる。また、
この永久磁石10の組入れと同時に、該永久磁石10の
磁極面12に対して、強磁性部材20を吸着しておき、
更に、この強磁性部材20を構成する強磁性板21に脚
部材40の座板部41’を添装すると共に、前記ケース
30の周側板部36から延びる係止爪34を、強磁性板
21に添装された座板部41’の面に折り曲げることに
よって、当該強磁性部材20及び脚部材40と前記永久
磁石10とを該ケース30によって抱持、一体としてい
る。
【0184】かくして構成される雌留め具A−12は、
図35に示されるように、この雌留め具A−12におけ
る雄留め具Bの吸着側の外周部分に面取り状の傾斜面1
3B、32Bを備えた構成とされていると共に、この吸
着側の面から、永久磁石10の他方の磁極面12に向け
て設けられている通し穴内に、強磁性部材20の強磁性
板部21’としての強磁性板21の面があらわれる構成
としてある。
【0185】かかる構成からなる雌留め具A−12は、
図36に示されるように、例えばハンドバッグの本体側
の構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40
の脚片42’を挿通し、この取付け対象物Hから突き出
された該脚片42’を該取付け対象物Hに添装される座
金45のスリット45aに挿通して、これを該座金45
の面に折り曲げることによって取付け用いる。
【0186】次いで、前記雌留め具A−12に吸着され
る雄留め具B−12は、強磁性板部51’としての円形
の強磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の
突起部52’とされる強磁性突起52とにより構成され
る強磁性部材50と、この強磁性突起52によって該強
磁性板51に止着される脚部材60とで構成してある。
【0187】この強磁性板51に取付けられる強磁性突
起52は、該強磁性板51に設けられている円形の孔5
1aと、脚部材60に設けられている円形の孔61aに
挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、この小
径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留め具
A−12の通し穴内において、前記強磁性板21に接
触、吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを備
えた構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面を、
前記強磁性板21の面に対して都合良く吸着できる形
状、例えば、図示例におけるように比較的平らな面とし
て構成している。
【0188】この強磁性板51は、略中央に孔51aを
備えた円盤状に構成してあり、雌留め具A−12の平ら
な吸着面に対して吸着される平らな被吸着面部の外周部
分が、前記永久磁石10の磁極面11の外周側にある傾
斜面13Bに沿って延びる傾斜面部53B’を構成する
傾斜面部53Bとしてある。即ち、ここで構成される傾
斜面部53B’は、前記永久磁石10における傾斜面1
3Bの一部を覆う状態、従って、永久磁石10の平らな
磁極面11から外方に突き出す構成としてある。即ち、
雄留め具B−12における強磁性板51の外周部分に、
雌留め具A−12に備えられている永久磁石10の磁極
面11から、磁極面12の側に向けて該磁極面間寸法の
略四分の一程度突き出す傾斜部53Bを構成している。
【0189】ここで構成される雄留め具B−12の強磁
性部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材6
0を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁
性板51の面に添装される略円形の座板部61と、この
座板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互
に向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成とし
てあり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起5
2の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備え
た構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、
該脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔
51aに連通させるように該強磁性板51に添装すると
共に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記
強磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61a
に挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを
該強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座
板部61の孔61aから突き出している該小径桿部52
bの突き出し端を、この座板部61の面に圧潰すること
によって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0190】かかる構成からなる雄留め具B−12は、
図36示されるように、取付け対象物H、例えば、ハン
ドバッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A
−12に対して、雄留め具B−12における強磁性突起
52が、この雌留め具A−12の通し穴14内にある強
磁性板21の面に都合良く接触、吸着する位置にある取
付け対象物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片
62を挿通し、この取付け対象物Hから突き出ている該
脚片62を、この取付け対象物Hに添装される座金65
のスリット65aに挿通し、これを該座金65の面に折
り曲げることによって取付け用いるようにしてある。
【0191】かくして構成される留め具にあっては、図
36に示すように雌雄留め具を吸着状態においた際に、
雌留め具A−12を構成している永久磁石10の磁極面
11における外周部分と強磁性板21の周側面21bと
の間に生ずる漏れ磁束が、前記雄留め具B−12におけ
る強磁性板50の傾斜部53Bによって捕捉される構成
としてある。かかる傾斜部53Bにおいて捕捉される磁
気は、この雌雄留め具が構成している抵抗の少ない磁気
回路としての強磁性板21、強磁性突起52、強磁性板
51に導かれることとなり、雌雄留め具の接触点として
の強磁性板21、及び強磁性突起52の接触面における
吸着力として機能し、結果的に吸着効率の良い留め具を
構成することができる。
【0192】また、前記における傾斜部53Bは、これ
が傾斜面部53B’を備えていると共に、強磁性板51
における円板状部分から永久磁石10の磁極間の厚さの
略四分の一程度、磁極面12の側に向けて突き出す構成
としてあることから、この傾斜部53Bが、雄留め具B
−12の強磁性突起52を雌留め具A−12の通し穴に
導き入れる際の妨げとなることがない。
【0193】(14)第13実施例に係る留め具 図37〜図39は第13実施例に係る留め具を示すもの
であり、雌留め具A(本実施例では第13実施例に係る
雌留め具A−13として説明する。)、雄留め具B(本
実施例では第13実施例に係る雄留め具B−13として
説明する。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに
対する取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示してい
る。
【0194】本実施例において用いられる雌留め具A−
13は、強磁性の突起部22’としての強磁性突起22
と、強磁性板部21’としての強磁性板21とによって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、他方の磁極面11に凹部16を備え、且つ、この凹
部16の底から他方の磁極面12に貫設された通し穴1
4を備えた永久磁石10とを、ケース30内に取り入
れ、これを抱持一体になすと共に、前記強磁性板21の
面に、脚部材40を前記強磁性突起22を用いて一体に
止着した構成とし、しかも、前記永久磁石10における
磁極面11の外周側と、これに続く該永久磁石10の磁
極面にある面15、即ち、永久磁石10の周側面15と
のなす縁を直線状の傾斜面13Bとしてある。
【0195】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、この磁極面11の外周部
と、該永久磁石10の周側面15との間が直線状の面取
り面としの傾斜面13Bとしてあると共に、この磁極面
11には、該磁極面11から略垂直に落ち込み且つ底面
が平らな凹部16を、また、この凹部16の底から他方
の磁極面12に貫通されている通し穴14を備えた構成
としてあり、所謂、円形の環板状をなす永久磁石10の
円形をなす通し穴14と同心状の円形の凹部16とを、
該環板状をなす永久磁石10の一方の磁極面11の側に
設けた構成としてある。この結果、この雌留め具A−1
3を構成する永久磁石10は、その一方の磁極面11
が、凹部16の外側に構成される環状面としての第1の
磁極面11’と、この第1の磁極面11’の内側にあっ
て、該磁極面11から垂直に落し込み形成されている凹
部16の底面として構成される環状の面をなす第2の磁
極面11”とを備え、この第2の磁極面11”と他方の
磁極面12との間を連通するように通し穴14が設けら
れていると共に、前記第1の磁極面11’の外周部分に
面取り状の傾斜面13Bが設けられた構成とされてい
る。
【0196】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’と、この
強磁性板部21’から前記永久磁石10の通し穴14内
に起立する強磁性の突起部22’とを備えており、この
突起部22’は、雌留め具A−13として構成される通
し穴から上方に、その頂部側が突き出ない起立寸法に構
成してある。特に、この実施例において用いられる強磁
性部材20は、前記強磁性板部21’を構成する円形の
強磁性板21と、これに取付けられ且つ前記強磁性の突
起部22’として機能する強磁性突起22とを備えた構
成としてあると共に、この強磁性突起22の小径桿部2
2bを用いて、脚部材40を一体に組付けられた構成と
してある。
【0197】即ち、前記強磁性板21に取付けられる強
磁性突起22を、前記永久磁石10の通し穴14内に起
立し、且つ、構成される雌留め具A−13における通し
穴から、その頂部側が突き出ない形状、寸法からなる短
寸円柱状の大径桿部22aと、この大径桿部22aと同
一軸線上にあり、且つ前記強磁性板21の中心に開設さ
れた円形の孔21aに挿通される短寸円柱状の小径桿部
22bとを備えた構成とし、且つ、該大径桿部22aの
頂端面を、追って説明する雄留め具Bにおける強磁性の
突起部52’に対して都合良く吸着できる形状、例えば
図示例におけるように比較的平らな面として構成してい
る。
【0198】ここで構成される雌留め具A−13の強磁
性部材20には、前記強磁性突起22を用いて脚部材4
0を一体に止着してある。この脚部材40は、前記強磁
性板21の面に添装される略円形の座板部41と、この
座板部41の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互
に向き合った一対の脚片42、42とを備えた構成とし
てあり、前記座板部41の略中央に、前記強磁性突起2
2の小径桿部22bの挿通される円形の孔41aを有す
る。かかる構成からなる脚部材40を、該脚部材40に
おける孔41aを前記強磁性板21の孔21aに連通さ
せるように該強磁性板21に添装すると共に、この脚部
材40の取付け側と反対の側から、前記強磁性突起22
の小径桿部22bを該孔21a、41aに挿通し、該強
磁性突起22における大径桿部22aを該強磁性板21
の面に当接した状態で、脚部材40の座板部41の孔4
1aから突き出している該小径桿部22bの突き出し端
を、この座板部41の面に圧潰することによって、これ
らの各部材を一体に止着してある。
【0199】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20とを抱持一体に組付けるケース30は、典型
的には真鍮などの非磁性のケース30として用意されて
いるが、このケース30を、例えばステンレススチール
などの難磁性材料で構成してあっても良く、また、鉄板
などの強磁性材料で構成してあっても良い。また、一部
をプラスチックなどの非磁性材で構成し、他の部分を鉄
などの強磁性材で構成してあっても良い。
【0200】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設した際に、この永久磁石10の磁極
面11と、これに続く永久磁石10の周側面15と、強
磁性板21の周側面21bとを覆う形状の、所謂、円形
の上面板部37と周側板部36とを備えた下面開口の円
形筒状の容器形状としてあると共に、このケース30を
構成する周側板部36の下縁、即ち、開口縁35に係止
爪34、34…が延設状に突設してある。
【0201】また、該ケース30の上面31は、この上
面31を構成する上面板部37が、その外周部分から、
周側板部36に向けて直線状に傾斜する傾斜面32Bを
備えた構成としてあると共に、その外縁より、所定間隔
相当分内側にある位置において、その円周方向に向け
て、略直角の状態、即ち垂下状に折り曲げて、環状折曲
部を構成した後、前記当初上面と略平行となるように折
り曲げ、これによって、該上面31に前記永久磁石10
の凹部16に沿え、且つ該凹部16内に収まる円形の凹
部39を構成している。この凹部39は、ケース30の
円形の上面に対して、略同心状に構成してある円形の凹
部39とされていると共に、この円形の凹部39の略中
心に、該凹部39に対して略同心状の円形の通し穴33
を、前記凹部39を構成している上面板部37を略直角
の状態、即ち、垂下状に折り曲げ、これを短寸円筒状の
鍔部38とすることによって構成している。尚、ここで
構成される通し穴33及び、これを構成するための短寸
円筒状の鍔部38は、前記永久磁石10の通し穴14よ
りも直径を小さく構成してあり、この通し穴14内に、
該鍔部38が収まると共に、この鍔部38の下端が、強
磁性板21の面に届かない構成とし、結果的に、通し穴
14と、通し穴33とが連通する構成としてある。
【0202】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10の第1の磁極面11’を構成する環状凸部
を、該環状凸部の外周縁に備えられる傾斜面13Bを、
ケ−ス30における傾斜面32Bに沿わせるようにし
て、該ケース30の上面31における外周側にある環状
の収納部分に収め、永久磁石10の凹部16の底面とし
て構成される第2の磁極面11”が、該ケース30の上
面31における凹部39の内側面に沿うように、該永久
磁石10を組み入れる。また、この永久磁石10の組入
れと同時に、該永久磁石10の磁極面12に対して、前
記脚部材40の取付けられた強磁性部材20を吸着して
おき、この強磁性部材20を構成する強磁性板21の周
側面21bにあるケース30の周側板部36から延びる
係止爪34を、強磁性板21における永久磁石10に吸
着されていない側の面に折り曲げることによって、当該
強磁性部材20と前記永久磁石10とを該ケース30に
よって抱持、一体としている。
【0203】かくして構成される雌留め具A−13は、
図38に示されるように、この雌留め具A−13におけ
る雄留め具Bの吸着側に凹部を備えた構成とされている
と共に、この凹部の底から、永久磁石10の他方の磁極
面12に向けて設けられている通し穴から、強磁性突起
22が上方に突き出ない構成、即ち、雌留め具A−5に
おいて構成される凹部の底面のなす面よりも、強磁性突
起22が上方に突き出ない構成としてある。
【0204】かかる構成からなる雌留め具A−13は、
図39に示されるように、例えばハンドバッグの本体側
の構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40
の脚片42を挿通し、この取付け対象物Hから突き出さ
れた該脚片42を該取付け対象物Hに添装される座金4
5のスリット45aに挿通して、これを該座金45の面
に折り曲げることによって取付け用いる。
【0205】次いで、前記雌留め具A−13に吸着され
る雄留め具B−13は、強磁性板部51’としての円形
の強磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の
突起部52’とされる強磁性突起52とにより構成され
る強磁性部材50と、この強磁性突起52によって該強
磁性板51に止着される脚部材60とで構成してある。
この強磁性板51は、略中央に孔51aを備えた円盤状
に構成してあり、雌留め具A−13の平らな吸着面に対
して吸着される平らな被吸着面部の外周部分が、前記永
久磁石10の磁極面11の外周側にある傾斜面13Bに
沿って延びる傾斜面部53B’を構成する傾斜部53B
としてある。即ち、前記永久磁石10における傾斜面1
3Bの一部を覆う状態、従って、永久磁石10の平らな
磁極面11から外方に突き出す構成としてある。即ち、
雄留め具B−13における強磁性板51の外周部分に、
雌留め具A−13に備えられている永久磁石10の磁極
面11から、磁極面12の側に向けて該磁極面間寸法の
略四分の一程度突き出す傾斜部53Bを構成している。
【0206】又、この強磁性板51に取付けられる強磁
性突起52は、該強磁性板51に設けられている円形の
孔51aと、脚部材60に設けられている円形の孔61
aに挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、こ
の小径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留
め具A−13の通し穴内において、前記強磁性突起22
に接触、吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aと
を備えた構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面
を、前記突起22に対して都合良く吸着できる形状、例
えば、図示例におけるように比較的平らな面として構成
している。
【0207】ここで構成される雄留め具B−13の強磁
性部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材6
0を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁
性板51の面に添装される略円形の座板部61と、この
座板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互
に向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成とし
てあり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起5
2の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備え
た構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、
該脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔
51aに連通させるように該強磁性板51に添装すると
共に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記
強磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61a
に挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを
該強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座
板部61の孔61aから突き出している該小径桿部52
bの突き出し端を、この座板部61の面に圧潰すること
によって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0208】かかる構成からなる雄留め具B−13は、
図39に示されるように、取付け対象物H、例えば、ハ
ンドバッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具
A−13に対して、雄留め具B−13における強磁性突
起52が、この雌留め具A−13の通し穴14内にある
強磁性突起22に都合良く接触、吸着する位置にある取
付け対象物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片
62を挿通し、この取付け対象物Hから突き出ている該
脚片62を、この取付け対象物Hに添装される座金65
のスリット65aに挿通し、これを該座金65の面に折
り曲げることによって取付け用いる。
【0209】かくして構成される雌留め具A−13にあ
っては、図38に示すように、雄留め具B−13を該雌
留め具A−13から分離した際に、磁極面11の外周縁
部、即ち、前記の環状面としての第1の磁極面11’の
外側の円周方向の縁、特に、傾斜面13Bの内側の縁
と、強磁性部材20の強磁性板21における周側面21
bとの間に磁束密度の高い磁場を、また、この第1の磁
極面11’の内側の円周方向の縁、即ち、凹部16の落
し込み上縁部と強磁性突起22との間に磁束密度の高い
磁場を、さらに、凹部16と、通し穴14とのなす縁
部、即ち、環状面として構成される第2の磁極面11”
の内側の円周方向の縁と、強磁性突起22との間に磁束
密度の高い磁場を形成しており、前記外周縁部と周側面
21bとの間に磁場を構成する磁束は、他の磁場を構成
する磁束に相当する磁束分少なくなる。
【0210】この結果、前記外周縁部と該周側面21b
との間に生ずる磁場が、極端に強い磁気を有することと
ならず、永久磁石10からの漏れ磁束による弊害を極力
抑制することができる。また、かかる状態で、雄留め具
B−13を、雌留め具A−13に近づけた場合、前記落
し込み上縁部と強磁性突起22との間にある磁場を構成
している磁気が、該雄留め具B−13における強磁性突
起52を凹部16内に強く吸引するように作用し、更
に、縁部と強磁性突起22との間にある磁場を構成して
いる磁気が、前記突起52を通し穴14内に吸引するよ
うに作用し、結果的に、雌雄留め具の吸着、係合を円滑
且つ確実になすことができる。
【0211】かくして構成される留め具にあっては、図
39に示すように雌雄留め具を吸着状態においた際に、
雌留め具A−13を構成している永久磁石10の磁極面
11における外周部分と強磁性板21の周側面21bと
の間に生ずる漏れ磁束が、前記雄留め具B−13におけ
る強磁性板50の傾斜部53Bによって捕捉される構成
としてある。かかる傾斜部53Bにおいて捕捉される磁
気は、この雌雄留め具が構成している抵抗の少ない磁気
回路としての強磁性板21、強磁幅突起22、強磁性突
起52、強磁性板51に導かれることとなり、雌雄留め
具の接触点としての強磁性突起22、及び強磁性突起5
2の接触面おける吸着力として機能し、結果的に吸着効
率の良い留め具を構成することができる。また、前記に
おける傾斜部53Bは、これが傾斜面部53B’を備え
ていると共に、強磁性板51における円板状部分から永
久磁石10の磁極間の厚さの略四分の一程度、磁極面1
2の側に向けて突き出す構成としてあることから、この
傾斜部53Bが、雄留め具B−13の磁性突起52を雌
留め具A−13の通し穴に導き入れる際の妨げとなるこ
とがない。
【0212】(15)第14実施例に係る留め具 図40〜図42は第14実施例に係る留め具を示すもの
であり、雌留め具A(本実施例では第14実施例に係る
雌留め具A−14として説明する。)、雄留め具B(本
実施例では第14実施例に係る雄留め具B−14として
説明する。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに
対する取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示してい
る。
【0213】本実施例において用いられる雌留め具A−
14は、強磁性板部21’としての強磁性板21によっ
て構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、
且つ、他方の磁極面11に凹部16を備え、且つ、この
凹部16の底から他方の磁極面12に貫設された通し穴
14を備えた永久磁石10と前記強磁性板21の面に添
装される脚部材40における座板部41’とをケース3
0内に取り入れて、これを抱持一体に構成し、しかも、
前記永久磁石10における磁極面11の外周側と、これ
に続く該永久磁石10の磁極間にある面15、即ち、永
久磁石10の周側面15とのなす縁を直線状の傾斜面1
3Bとしてある。
【0214】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、この磁極面11の外周部
と、該永久磁石10の周側面15との間が傾斜面13B
としてあると共に、この磁極面11には、該磁極面11
から略垂直に落ち込み且つ底面が平らな凹部16を、ま
た、この凹部16の底から他方の磁極面12に貫通され
ている通し穴14を備えた構成としてあり、所謂、円形
の環板状をなす永久磁石10の円形をなす通し穴14と
同心状の円形の凹部16とを、該環板状をなす永久磁石
10の一方の磁極面11の側に設けた構成としてある。
この結果、この雌留め具A−14を構成する永久磁石1
0は、その一方の磁極面11が、凹部16の外側に構成
される環状面としての第1の磁極面11’と、この第1
の磁極面11’の内側にあって、該磁極面11から垂直
に落し込み形成されている凹部16の底面として構成さ
れる環状の面をなす第2の磁極面11”とを備え、この
第2の磁極面11”と他方の磁極面12との間を連通す
るように通し穴14が設けられていると共に、前記第1
の磁極面11’の外周部分に面取り状の直線的な傾斜面
13Bが設けられた構成とされている。
【0215】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’特に、こ
の実施例において用いられる強磁性部材20は、前記強
磁性板部21’を構成する円形の強磁性板21として構
成してある。
【0216】次いで、この強磁性部材20に添装した状
態で、ケース30によって抱持一体とされる脚部材40
は、この強磁性部材20の強磁性板21と略同一寸法の
円形をなす座板部41’と、脚片42’、42’とより
なっており、この脚片42’は、前記座板部41’に対
して、略垂下状に設けてあると共に、該座板部41’の
周側から切り込まれた一対の切断線によって、該座板部
41’の周側部よりも内側に入った処から折り曲げ形成
されており、且つ、この座板部41’に設けられた切り
込みよりも長寸に形成してあり、互に向き合った一対の
脚片42’、42’としてある。
【0217】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20及び脚部材40の座板部41’とを抱持一体
に組付けるケース30は、典型的には真鍮などの非磁性
のケース30として用意されているが、このケース30
を、例えばステンレススチールなどの難磁性材料で構成
してあっても良く、また、鉄板などの強磁性材料で構成
してあっても良い。また、一部をプラスチックなどの非
磁性材で構成し、他の部分を鉄などの強磁性材で構成し
てあっても良い。
【0218】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設し、更に脚部材40の座板部41’
を該強磁性部材20に添装した際に、この永久磁石10
の磁極面11と、これに続く永久磁石10の周側面15
と、強磁性板21の周側面21bと、座板部41’の周
側面41’bとを覆う形状の、所謂、円形の上面板部3
7と周側板部36とを備えた下面開口の円形筒状の容器
形状としてあると共に、このケース30を構成する周側
板部36の下縁、即ち、開口縁35に係止爪34、34
…が延設状に突設してある。
【0219】また、該ケース30の上面31は、この上
面31を構成する上面板部37が、その外周部分から、
周側板部36に向けて直線状に傾斜する傾斜面32Bを
備えた構成としてあると共に、その外縁より、所定間隔
相当分内側にある位置において、その円周方向に向け
て、略直角の状態、即ち垂下状に折り曲げて、環状折曲
部を構成した後、前記当初上面と略平行となるように折
り曲げ、これによって、該上面31に前記永久磁石10
の凹部16に沿え、且つ該凹部16内に収まる円形の凹
部39を構成している。この凹部39は、ケース30の
円形の上面に対して、略同心状に構成してある円形の凹
部39とされていると共に、この円形の凹部39の略中
心に、該凹部39に対して略同心状の円形の通し穴33
を、前記凹部39を構成している上面板部37を略直角
の状態、即ち、垂下状に折り曲げ、これを短寸円筒状の
鍔部38とすることによって構成している。尚、ここで
構成される通し穴33及び、これを構成するための短寸
円筒状の鍔部38は、前記永久磁石10の通し穴14よ
りも直径を小さく構成してあり、この通し穴14内に、
該鍔部38が収まると共に、この鍔部38の下端が、強
磁性板21の面に届かない構成とし、結果的に、通し穴
14と、通し穴33とが連通する構成としてある。
【0220】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10の第1の磁極面11’を構成する環状凸部
を、該環状凸部の外周縁に備えられる傾斜面13Bをケ
−ス30における傾斜面32Bに沿わせるようにし
て、、該ケース30の上面31における外周側にある環
状の収納部分に収め、永久磁石10の凹部16の底面と
して構成される第2の磁極面11”が、該ケース30の
上面31における凹部39の内側面に沿うように、該永
久磁石10を組み入れる。また、この永久磁石10の組
入れと同時に、該永久磁石10の磁極面12に対して、
強磁性部材20を吸着しておき、更に、この強磁性部材
20を構成する強磁性板21に脚部材40の座板部4
1’を添装すると共に、前記ケース30の周側板部36
から延びる係止爪34を、強磁性板21に添装された座
板部41’の面に折り曲げることによって、当該強磁性
部材20及び脚部材40と前記永久磁石10とを該ケー
ス30によって抱持、一体としている。
【0221】かくして構成される雌留め具A−14は、
図41に示されるように、この雌留め具A−14におけ
る雄留め具Bの吸着側に凹部を備えた構成とされている
と共に、この凹部の底から、永久磁石10の他方の磁極
面12に向けて設けられている通し穴内に、強磁性部材
20の強磁性板部21’としての強磁性板21の面があ
らわれる構成としてある。
【0222】かかる構成からなる雌留め具A−14は、
図42に示されるように、例えばハンドバッグの本体側
の構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40
の脚片42’を挿通し、この取付け対象物Hから突き出
された該脚片42’を該取付け対象物Hに添装される座
金45のスリット45aに挿通して、これを該座金45
の面に折り曲げることによって取付け用いる。
【0223】次いで、前記雌留め具A−14に吸着され
る雄留め具B−14は、強磁性板部51’としての円形
の強磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の
突起部52’とされる強磁性突起52とにより構成され
る強磁性部材50と、この強磁性突起52によって該強
磁性板51に止着される脚部材60とで構成してある。
この強磁性板51は、略中央に孔51aを備えた円盤状
に構成してあり、雌留め具A−14の平らな吸着面に対
して吸着される平らな被吸着面部の外周部分が、前記永
久磁石10の磁極面11の外周側にある傾斜面13Bに
沿って延びる傾斜面部53B’を構成する傾斜部53B
としてある。即ち、ここで構成される傾斜面部53B’
は、前記永久磁石10における傾斜面13Bの一部を覆
う状態、従って、永久磁石10の平らな磁極面11から
外方に突き出す構成としてある。即ち、雄留め具B−1
4における強磁性板51の外周部分に、雌留め具A−1
4に備えられている永久磁石10の磁極面11から、磁
極面12の側に向けて該磁極間寸法の略四分の一程度突
き出す傾斜部53Bを構成している。
【0224】又、この強磁性板51に取付けられる強磁
性突起52は、該強磁性板51に設けられている円形の
孔51aと、脚部材60に設けられている円形の孔61
aに挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、こ
の小径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留
め具A−14の通し穴内において、前記強磁性板21に
接触、吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを
備えた構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面
を、前記強磁性板21の面に対して都合良く吸着できる
形状、例えば、図示例におけるように比較的平らな面と
して構成している。
【0225】ここで構成される雄留め具B−14の強磁
性部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材6
0を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁
性板51の面に添装される略円形の座板部61と、この
座板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互
に向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成とし
てあり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起5
2の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備え
た構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、
該脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔
51aに連通させるように該強磁性板51に添装すると
共に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記
強磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61a
に挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを
該強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座
板部61の孔61aから突き出している該小径桿部52
bの突き出し端を、この座板部61の面に圧潰すること
によって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0226】かかる構成からなる雄留め具B−14は、
図42示されるように、取付け対象物H、例えば、ハン
ドバッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A
−14に対して、雄留め具B−14における強磁性突起
52が、この雌留め具A−14の通し穴14内にある強
磁性板21の面に都合良く接触、吸着する位置にある取
付け対象物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片
62を挿通し、この取付け対象物Hから突き出ている該
脚片62を、この取付け対象物Hに添装される座金65
のスリット65aに挿通し、これを該座金65の面に折
り曲げることによって取付け用いる。
【0227】かくして構成される雌留め具A−14にあ
っては、図41に示すように、雄留め具B−14を該雌
留め具A−14から分離した際に、磁極面11の外周縁
部、即ち、前記の環状面としての第1の磁極面11’の
外側の円周方向の縁、特に、傾斜面13Bの内側の縁
と、強磁性部材20の強磁性板21における周側面21
bとの間に磁束密度の高い磁場を、また、この第1の磁
極面11’の内側の円周方向の縁、即ち、凹部16の落
し込み上縁部と磁極面12側にある通し穴14の穴縁と
の間に磁束密度の高い磁場を、さらに、凹部16と、通
し穴14とのなす縁部、即ち、環状面として構成される
第2の磁極面11”の内側の円周方向の縁と、磁極面1
2側にある通し穴14の穴縁との間に磁束密度の高い磁
場を形成しており、前記外周縁部と周側面21bとの間
に磁場を構成する磁束は、他の磁場を構成する磁束に相
当する磁束分少なくなる。
【0228】この結果、前記外周縁部と該周側面21b
との間に生ずる磁場が、極端に強い磁気を有することと
ならず、永久磁石10からの漏れ磁束による弊害を極力
抑制することができる。また、かかる状態で、雄留め具
B−14を、雌留め具A−14に近づけた場合、前記落
し込み上縁部と磁極面12側にある通し穴14の穴縁と
の間にある磁場を構成している磁気が、該雄留め具B−
14における強磁性突起52を凹部16内に強く吸引す
るように作用し、更に、縁部と磁極面12側にある通し
穴14の穴縁との間にある磁場を構成している磁気が、
前記突起52を通し穴14内に吸引するように作用し、
結果的に、雌雄留め具の吸着、係合を円滑且つ確実にな
すことができる。
【0229】かくして構成される留め具にあっては、図
42に示すように雌雄留め具を吸着状態において際に、
雌留め具A−14を構成している永久磁石10の磁極面
11における外周部分と強磁性板21の周側面21bと
の間に生ずる漏れ磁束が、前記雄留め具B−14におけ
る強磁性板50の傾斜部53Bによって捕捉される構成
としてある。かかる傾斜部53Bにおいて捕捉される磁
気は、この雌留め具が構成している抵抗の少ない磁気回
路としての強磁性板21、強磁性突起52、強磁性板5
1に導かれることとなり、雌雄留め具の接触点としての
強磁性板21、及び強磁性突起52の接触面における吸
着力として機能し、結果的に吸着効率の良い留め具を構
成することができる。また、前記における傾斜部53B
は、これが傾斜面部53B’を備えていると共に、強磁
性板51における円板状部分から永久磁石10の磁極間
の厚さの略四分の一程度、磁極面12の側に向けて突き
出す構成としてあることから、この傾斜部53Bが、雄
留め具B−14の強磁性突起52を雌留め具A−14の
通し穴に導き入れる際の妨げとなることがない。
【0230】(16)第15実施例に係る留め具 図43〜図45は第15実施例に係る留め具を示すもの
であり、雌留め具A(本実施例では第15実施例に係る
雌留め具A−15として説明する。)、雄留め具B(本
実施例では第15実施例に係る雄留め具B−15として
説明する。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに
対する取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示してい
る。
【0231】本実施例において用いられる雌留め具A−
15は、強磁性の突起部22’としての強磁性突起22
と、強磁性板部21’としての強磁性板21とによって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、磁極面11と磁極面12との間に透設される通し穴
14を備えた永久磁石10とを備え、この強磁性突起2
2を永久磁石10の通し穴14に圧入嵌着することによ
って両者を一体になすと共に、前記強磁性板21の面
に、脚部材40を前記強磁性突起22を用いて一体に止
着した構成とし、しかも、前記永久磁石10における磁
極面11の外周側と、これに続く該永久磁石10の磁極
間にある面15、即ち、永久磁石10の周側の面15と
のなす縁を直線状の傾斜面13Bとしてある。
【0232】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石10
であって、主としてプラスチック磁石などの永久磁石材
料で構成されており、一方の磁極面11に、この磁極面
11の外周部と、該永久磁石10の周側面15との間が
直線状の面取り面としての傾斜面13Bとしてあると共
に、この磁極面11には、該磁極面11から略垂直に落
ち込み且つ他方の磁極面12に貫通されている通し穴1
4を備えた構成としてある。
【0233】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’と、この
強磁性板部21’から前記永久磁石10の通し穴14内
に強く押し入れられる強磁性の突起部22’とを備えて
おり、この突起部22’は、雌留め具A−15として構
成される通し穴から上方に、その頂部側が突き出ない起
立寸法に構成してある。特に、この実施例において用い
られる強磁性部材20は、前記強磁性板部21’を構成
する円形の強磁性板21と、これに取付けられ且つ前記
強磁性の突起部22’として機能する強磁性突起22と
を備えた構成としてあると共に、この強磁性突起22の
小径桿部22bを用いて、脚部材40を一体に組付けら
れた構成としてある。
【0234】即ち、前記強磁性板21に取付けられる強
磁性突起22を、前記永久磁石10の通し穴14内に強
く嵌まり入る大きさの径寸法に起立し、且つ、構成され
る雌留め具A−15における通し穴から、その頂部側が
突き出ない形状、寸法からなる短寸円柱状の大径桿部2
2aと、この大径桿部22aと同一軸線上にあり、且つ
前記強磁性板21の中心に開設された円形の孔21aに
挿通される短寸円柱状の小径桿部22bとを備えた構成
とし、且つ、該大径桿部22aの頂端面を、追って説明
する雄留め具Bにおける強磁性の突起部52’に対して
都合良く吸着できる形状、例えば図示例におけるように
比較的平らな面として構成している。
【0235】ここで構成される雌留め具A−15の強磁
性部材20には、前記強磁性突起22を用いて脚部材4
0を一体に止着してある。この脚部材40は、前記強磁
性板21の面に添装される略円形の座板部41と、この
座板部41の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互
に向き合った一対の脚片42、42とを備えた構成とし
てあり、前記座板部41の略中央に、前記強磁性突起2
2の小径桿部22bの挿通される円形の孔41aを有す
る。かかる構成からなる脚部材40を、該脚部材40に
おける孔41aを前記強磁性板21の孔21aに連通さ
せるように該強磁性板21に添装すると共に、この脚部
材40の取付け側と反対の側から、前記強磁性突起22
の小径桿部22bを該孔21a、41aに挿通し、該強
磁性突起22における大径桿部22aを該強磁性板21
の面に当接した状態で、脚部材40の座板部41の孔4
1aから突き出している該小径桿部22bの突き出し端
を、この座板部41の面に圧潰することによって、これ
らの各部材を一体に止着してある。
【0236】かくして構成される雌留め具A−15は、
図44に示されるように、この雌留め具A−15におけ
る雄留め具Bの吸着側の外周部分に面取り状の直線的な
傾斜面13Bを備えた構成とされていると共に、構成さ
れる雌留め具A−15の通し穴の上面から、強磁性突起
22が上方に突き出ない構成、即ち、雌留め具A−15
において構成される吸着側の面として構成される磁極面
11の面よりも、強磁性突起22が上方に突き出ない構
成としてある。
【0237】かかる構成からなる雌留め具A−15は、
図45に示されるように、例えばハンドバッグの本体側
の構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40
の脚片42を挿通し、この取付け対象物Hから突き出さ
れた該脚片42を該取付け対象物Hに添装される座金4
5のスリット45aに挿通して、これを該座金45の面
に折り曲げることによって取付け用いる。
【0238】次いで、前記雌留め具A−15に吸着され
る雄留め具B−15は、強磁性板部51’としての円形
の強磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の
突起部52’とされる強磁性突起52とにより構成され
る強磁性部材50と、この強磁性突起52によって該強
磁性板51に止着される脚部材60とで構成してある。
【0239】この強磁性板51は、略中央に孔51aを
備えた円盤状に構成してあり、雌留め具A−15の平ら
な吸着面に対して吸着される平らな被吸着面部の外周部
分が、前記永久磁石10の磁極面11の外周側にある傾
斜面13Bに沿って僅かに延びる傾斜面部53B’を構
成する傾斜部53Bとしてある。即ち、ここで構成され
る傾斜面部53B’は、前記永久磁石10における傾斜
面13Bの一部を覆う状態、即ち、永久磁石10の平ら
な磁極面11から磁極面12の側に向けて、該磁極面間
寸法の略四分一程度外方に突き出す傾斜部53Bを備え
た構成としてある。又、この強磁性板51に取付けられ
る強磁性突起52は、該強磁性板51に設けられている
円形の孔51aと、脚部材60に設けられている円形の
孔61aに挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52b
と、この小径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前
記雌留め具A−15の通し穴内において、前記強磁性突
起22に接触、吸着される短寸円柱状をなす大径桿部5
2aとを備えた構成としてあり、この大径桿部52aの
頂端面を、前記突起22に対して都合良く吸着できる形
状、例えば、図示例におけるように比較的平らな面とし
て構成している。
【0240】ここで構成される雄留め具B−15の強磁
性部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材6
0を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁
性板51の面に添装される略円形の座板部61と、この
座板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互
に向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成とし
てあり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起5
2の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備え
た構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、
該脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔
51aに連通させるように該強磁性板51に添装すると
共に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記
強磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61a
に挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを
該強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座
板部61の孔61aから突き出している該小径桿部52
bの突き出し端を、この座板部61の面に圧潰すること
によって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0241】かかる構成からなる雄留め具B−15は、
図45に示されるように、取付け対象物H、例えば、ハ
ンドバッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具
A−15に対して、雄留め具B−15における強磁性突
起52が、この雌留め具A−15の通し穴14内にある
強磁性突起22に都合良く接触、吸着する位置にある取
付け対象物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片
62を挿通し、この取付け対象物Hから突き出ている該
脚片62を、この取付け対象物Hに添装される座金65
のスリット65aに挿通し、これを該座金65の面に折
り曲げることによって取付け用いる。
【0242】かくして構成される留め具にあっては、図
45に示すように雌雄留め具を吸着状態においた際に、
雌留め具A−15を構成している永久磁石10の磁極面
11における外周部分と強磁性板21の周側面21bと
の間に生ずる漏れ磁束が、前記雄留め具B−15におけ
る強磁性板50の傾斜部53Bによって捕捉される構成
としてある。かかる傾斜部53Bにおいて捕捉される磁
気は、この雌雄留め具が構成してなる抵抗の少ない磁気
回路としての強磁性板21、強磁性突起22、強磁性突
起52、強磁性板51に導かれることとなり、雌雄留め
具の接触点としての強磁性突起22及び強磁性突起52
の接触面における吸着力として機能し、結果的に吸着効
率の良い留め具を構成することができる。
【0243】また、前記における傾斜部53Bは、これ
が傾斜面部53B’を備えていると共に、強磁性板51
における円板状部分から前記永久磁石10の磁極間寸法
の略四分の一程度磁極面12の側に向けて突き出す構成
としてあることから、この傾斜部53Bが、雄留め具B
−15の強磁性突起52を雌留め具A−15の通し穴に
導き入れる際の妨げとなることがない。
【0244】(17)第16実施例に係る留め具 図46〜図48は第16実施例に係る留め具を示すもの
であり、雌留め具A(本実施例では第16実施例に係る
雌留め具A−16として説明する。)、雄留め具B(本
実施例では第16実施例に係る雄留め具B−16として
説明する。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに
対する取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示してい
る。
【0245】本実施例において用いられる雌留め具A−
16は、強磁性板部21’としての強磁性板21によっ
て構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、
且つ、磁極面11と磁極面12との間に透設される通し
穴14を備えた永久磁石10と前記強磁性板21の面に
添装される脚部材40における座板部41’を夫々接着
などの手法によって、一体に構成し、しかも、前記永久
磁石10における磁極面11の外周側と、これに続く該
永久磁石10の磁極面間にある面15、即ち、該永久磁
石10の周側面15とのなす縁を直線状の傾斜面13B
としてある。
【0246】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石10
であって、例えばプラスチック磁石などの永久磁石材料
で構成されており、一方の磁極面11に、この磁極面1
1の外周部と、該永久磁石10の周側面15との間が直
線状の面取り面としての傾斜面13Bとしてあると共
に、この磁極面11には、該磁極面11から略垂直に落
ち込み且つ他方の磁極面12に貫通されている通し穴1
4を備えた構成としてある。
【0247】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して接着取付けられる強磁性部材20は、前記
永久磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面1
2における磁気の磁場を構成する強磁性板部21’特
に、この実施例において用いられる強磁性部材20は、
前記強磁性板部21’を構成する円形の強磁性板21と
して構成してある。
【0248】次いで、この強磁性部材20に添装した状
態で、溶着一体とされる脚部材40は、円形をなす座板
部41と、脚片42、42とよりなっており、この脚片
42が、前記座板部41の両側から、略垂下状に折り曲
げ状に設けてある。かくして、脚部材40を一体に有す
る強磁性部材20における強磁性板21を、前記永久磁
石10における磁極面12に添装し、且つ、これを接着
することによって雌留め具A−16を構成する。
【0249】かくして構成される雌留め具A−16は、
図47に示されるように、この雌留め具A−16におけ
る雄留め具Bの吸着側に外周部分に面取り状の直線的な
傾斜面13Bを備えた構成とされていると共に、この吸
着側の面から、永久磁石10の他方の磁極面12に向け
て設けられている通し穴内に、強磁性部材20の強磁性
板部21’としての強磁性板21の面があらわれる構成
としてある。
【0250】かかる構成からなる雌留め具A−16は、
図48に示されるように、例えばハンドバッグの本体側
の構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40
の脚片42を挿通し、この取付け対象物Hから突き出さ
れた該脚片42を該取付け対象物Hに添装される座金4
5のスリット45aに挿通して、これを該座金45の面
に折り曲げることによって取付け用いる。
【0251】次いで、前記雌留め具A−16に吸着され
る雄留め具B−16は、強磁性板部51’としての円形
の強磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の
突起部52’とされる強磁性突起52とにより構成され
る強磁性部材50と、この強磁性突起52によって該強
磁性板51に止着される脚部材60とで構成してある。
【0252】この強磁性板51に取付けられる強磁性突
起52は、該強磁性板51に設けられている円形の孔5
1aと、脚部材60に設けられている円形の孔61aに
挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、この小
径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留め具
A−16の通し穴内において、前記強磁性板21に接
触、吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを備
えた構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面を、
前記強磁性板21の面に対して都合良く吸着できる形
状、例えば、図示例におけるように比較的平らな面とし
て構成している。
【0253】この強磁性板51は、略中央に孔51aを
備えた円盤状に構成してあり、雌留め具A−16の平ら
な吸着面に対して吸着される平らな被吸着面部の外周部
分が、前記永久磁石10の磁極面11の外周側にある傾
斜面13Bに沿って延びる傾斜面部53B’を構成する
傾斜部53Bとしてある。即ち、ここで構成される傾斜
面部53B’は、前記永久磁石10における傾斜面13
Bの一部を覆う状態、従って、永久磁石10の平らな磁
極面11から外方に突き出す構成としてある。即ち、雄
留め具B−16における強磁性板51の外周部分に、雌
留め具A−16に備えられている永久磁石10の磁極面
11から、磁極面12の側に向けて該磁極面間寸法の略
四分の一程度突き出す傾斜部53Bを構成している。
【0254】ここで構成される雄留め具B−16の強磁
性部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材6
0を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁
性板51の面に添装される略円形の座板部61と、この
座板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互
に向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成とし
てあり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起5
2の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備え
た構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、
該脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔
51aに連通させるように該強磁性板51に添装すると
共に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記
強磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61a
に挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを
該強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座
板部61の孔61aから突き出している該小径桿部52
bの突き出し端を、この座板部61の面に圧潰すること
によって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0255】かかる構成からなる雄留め具B−16は、
図48示されるように、取付け対象物H、例えば、ハン
ドバッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A
−16に対して、雄留め具B−16における強磁性突起
52が、この雌留め具A−16の通し穴14内にある強
磁性板21の面に都合良く接触、吸着する位置にある取
付け対象物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片
62を挿通し、この取付け対象物Hから突き出ている該
脚片62を、この取付け対象物Hに添装される座金65
のスリット65aに挿通し、これを該座金65の面に折
り曲げることによって取付け用いるようにしてある。
【0256】かくして構成される留め具にあっては、図
48に示すように雌雄留め具を吸着状態においた際に、
雌留め具A−16を構成している永久磁石10の磁極面
11における外周部分と強磁性板21の周側面21bと
の間に生ずる漏れ磁束が、前記雄留め具B−16におけ
る強磁性板50の傾斜部53Bによって捕捉される構成
としてある。かかる傾斜部53Bにおいて捕捉される磁
気は、この雌雄留め具が構成している抵抗の少ない磁気
回路としての強磁性板21、強磁性突起52、強磁性板
51に導かれることとなり、雌雄留め具の接触点として
の強磁性板21、及び強磁性突起52の接触面における
吸着力として機能し、結果的に吸着効率の良い留め具を
構成することができる。
【0257】また、前記における傾斜部53Bは、これ
が傾斜面部53B’を備えていると共に、強磁性板51
における円板状部分から永久磁石10の磁極間の厚さの
略四分の一程度、磁極面12の側に向けて突き出す構成
としてあることから、この傾斜部53Bが、雄留め具B
−16の強磁性突起52を雌留め具A−16の通し穴に
導き入れる際の妨げとなることがない。
【0258】尚、叙上における第9〜第16実施例にお
いて、雄留め具Bを構成している強磁性板部51’とし
ての強磁性板51は、その外周側に傾斜面部53B’を
備えている傾斜部53Bを有する構成としてあるが、こ
の傾斜面部53B’を備えた傾斜部53Bを、曲面部を
備えた湾曲部として構成してあっても良い。又、ここで
構成される雄留め具Bにおける傾斜面部53B’あるい
は曲面部は、これに対応される永久磁石10の傾斜面1
3Bに接し、あるいは、これに近接して吸着される場合
は勿論のこと、この傾斜面13Bから離れた状態で雌雄
留め具が吸着状態におかれていても良い。更に、ここで
構成される雄留め具Bにおける曲面部あるいは傾斜面部
53’は、これに対応される永久磁石10の傾斜面13
Bに対して雌雄留め具の吸着時において平行である必要
がなく、当該部分において生ずる漏れ磁束を捕捉できる
位置に設けられていれば良い。
【0259】
【発明の効果】雌留め具Aを構成する永久磁石10の磁
極面11の外周側の縁を、曲面13A、又は傾斜面13
Bとし、しかも雄留め具Bを構成する強磁性部材50の
被吸着面部の外周側部分を、前記永久磁石10の磁極間
の略中間、又は、これよりも短かい突き出し幅で、この
永久磁石10の前記曲面13A、又は傾斜面13Bに沿
って延びる曲面部53A’、又は傾斜面部53B’とし
て構成していることから、磁極面11の外周部分におい
て該曲面部53A’又は傾斜面部53B’で捕捉された
磁気は、磁気抵抗が少なく、しかも短かい磁気路を介し
て、強磁性部材20と、強磁性部材50との接触面に案
内され、雌雄留め具を効果的な吸着状態とする特長を有
している。
【0260】また、雌留め具Aを構成する永久磁石10
の磁極面11の外周側の縁を、曲面13A、又は傾斜面
13Bとし、しかも雄留め具Bを構成する強磁性部材5
0の被吸着面部の外周側部分を、前記永久磁石10の磁
極間の略中間、又は、これよりも短かい突き出し幅で、
この永久磁石10の前記曲面13A、又は傾斜面13B
に沿って延びる曲面部53A’、又は傾斜面部53B’
として構成していることから、雌雄留め具Aの吸着、係
合に際して、この曲面部53A’、又は傾斜面部53
B’が雌留め具Aの吸着面上を滑らかに移動し、雄留め
具Bの強磁性突起52を雌留め具Aの通し穴内に導き入
れるのに妨げとならない特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る留め具を構成する各部品を分
離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図2】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金と
共に示す断面図
【図3】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図4】第2実施例に係る留め具を構成する各部品を分
離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図5】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金と
共に示す断面図
【図6】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図7】第3実施例に係る留め具を構成する各部品を分
離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図8】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金と
共に示す断面図
【図9】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図10】第4実施例に係る留め具を構成する各部品を
分離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図11】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金
と共に示す断面図
【図12】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図13】第5実施例に係る留め具を構成する各部品を
分離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図14】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金
と共に示す断面図
【図15】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図16】第6実施例に係る留め具を構成する各部品を
分離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図17】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金
と共に示す断面図
【図18】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図19】第7実施例に係る留め具を構成する各部品を
分離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図20】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金
と共に示す断面図
【図21】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図22】第8実施例に係る留め具を構成する各部品を
分離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図23】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金
と共に示す断面図
【図24】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図25】第9実施例に係る留め具を構成する各部品を
分離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図26】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金
と共に示す断面図
【図27】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図28】第10実施例に係る留め具を構成する各部品
を分離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図29】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金
と共に示す断面図
【図30】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図31】第11実施例に係る留め具を構成する各部品
を分離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図32】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金
と共に示す断面図
【図33】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図34】第12実施例に係る留め具を構成する各部品
を分離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図35】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金
と共に示す断面図
【図36】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図37】第13実施例に係る留め具を構成する各部品
を分離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図38】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金
と共に示す断面図
【図39】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図40】第14実施例に係る留め具を構成する各部品
を分離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図41】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金
と共に示す断面図
【図42】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図43】第15実施例に係る留め具を構成する各部品
を分離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図44】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金
と共に示す断面図
【図45】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図46】第16実施例に係る留め具を構成する各部品
を分離し、且つ一部を破断して示す部品斜視図
【図47】同雌雄留め具を分離し、且つ取付け用の座金
と共に示す断面図
【図48】同雌雄留め具を取付け対象物に取付けると共
に、雌雄留め具を吸着状態とした断面図
【図49】従来の留め具の組付け前の状態を示す断面図
【図50】他の従来留め具の組付け前の状態を示す断面
【図51】比較例としての留め具の組付け前の状態を示
す断面図
【符号の説明】
10 永久磁石 11 磁極面 12 磁極面 13A 曲面 13B 傾斜面 14 通し穴 20 強磁性部材 50 強磁性部材 52’ 強磁性の突起部 A 雌留め具 B 雄留め具

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の磁極面から他方の磁極面に通し穴
    が設けられている永久磁石と、この永久磁石の一方の磁
    極面に備えられている強磁性部材とを有する雌留め具
    と、 前記強磁性部材の備えられていない永久磁石の磁極面側
    にある前記雌留め具の側に吸着され、且つ前記永久磁石
    の通し穴を介して、前記雌留め具の強磁性部材に吸着す
    る強磁性の突起部を有する強磁性部材を備えた雄留め具
    とよりなる留め具であって、 前記雌留め具を構成する永久磁石における前記雄留め具
    の吸着される側にある磁極面の外周側と、これに続く該
    永久磁石の磁極間にある面とのなす縁が曲面とされてお
    り、 且つ、前記雌留め具に吸着される雄留め具の強磁性部材
    における被吸着面部の外周側部分が、前記雌留め具に備
    えられている永久磁石の磁極間の略中間、又は、これよ
    りも短い突き出し幅で該永久磁石の前記曲面に沿って延
    びる曲面部、又は傾斜面部とされていることを特徴とす
    る留め具。
  2. 【請求項2】 一方の磁極面から他方の磁極面に通し穴
    が設けられている永久磁石と、この永久磁石の一方の磁
    極面に備えられている強磁性部材とを有する雌留め具
    と、 前記強磁性部材の備えられていない永久磁石の磁極面側
    にある前記雌留め具の側に吸着され、且つ前記永久磁石
    の通し穴を介して、前記雌留め具の強磁性部材に吸着す
    る強磁性の突起部を有する強磁性部材を備えた雄留め具
    とよりなる留め具であって、 前記雌留め具を構成する永久磁石における前記雄留め具
    の吸着される側にある磁極面の外周側と、これに続く該
    永久磁石の磁極間にある面とのなす縁が傾斜面とされて
    おり、 且つ、前記雌留め具に吸着される雄留め具の強磁性部材
    における被吸着面部の外周側部分が、前記雌留め具に備
    えられている永久磁石の磁極間の略中間、又は、これよ
    りも短い突き出し幅で該永久磁石の傾斜面に沿って延び
    る曲面部、又は傾斜面部とされていることを特徴とする
    留め具。
  3. 【請求項3】 雄留め具の強磁性部材が、強磁性板部
    と、この強磁性板部に立設される強磁性の突起部とより
    なることを特徴とする請求項1又は請求項2記載に係る
    留め具。
  4. 【請求項4】 雌留め具の強磁性部材が、強磁性板部、
    又は、強磁性板部と、この強磁性板部に立設される強磁
    性の突起部とよりなることを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載に係る留め具。
  5. 【請求項5】 上面に永久磁石の通し穴に連通する通し
    穴を備え、且つ下面開口のケース内に、雌留め具を構成
    する永久磁石、及び強磁性部材を抱持一体としたことを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載に係る留め具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6836935B2 (en) 2001-01-19 2005-01-04 Lodestone Fasteners, Llc Adjustable magnetic snap fastener
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