JPS6145365B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、永久磁石の吸着力を利用した係合
具において、係合具を構成する雄、雌の吸着部材
相互が揺動できるようにして、係合具にもたらさ
れる衝撃あるいはテコ状の外力によつて吸着面が
引き剥されることのないように改良した係合具の
提供に関する。

（従来技術） 永久磁石の吸着力を利用した係合具類は既に多
量に製作、販売されている。

そして、これらの係合具類においては、使用永
久磁石の吸着力を効果的に引き出すことを主眼と
して、各磁極にヨークを添設して磁場を構成した
り、あるいは一方の磁極に強磁性板を添設し、永
久磁石を環板状として、この環板状の永久磁石の
中心孔部において雄具を、この添設した強磁性板
に吸着する構成が見受けられている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、これらの係合具類は、使用永久
磁石の吸着力を、雄、雌の吸着面に集めて効果的
な吸着力を引き出す点に主眼が置かれている結
果、この吸着力以上の衝撃が係合具に加えられた
場合、その吸着面が容易に引き離されて、係合状
態が解放される傾向にあつた。

即ち、永久磁石の有する吸着力は、その吸着面
に垂直の方向に向けた引つ張りに対しては特に優
れた吸着性を生ずるのに比し、吸着面の横方向か
ら付加されるテコ状の力あるいは瞬間的な衝撃に
弱い傾向を有している。

その結果、係合具の雄雌が共にハンドバツグの
本体部分と蓋部分とに、しつかりと係止されてい
るような現在の係合具では、仮に使用永久磁石の
吸着力を増したとしても、蓋部分に加えられるテ
コ状の外力あるいは衝撃により、蓋部分が容易に
解放されてしまう欠点を有していた。

（問題を解決するための手段） 本発明は、かゝる従来における係合具の改良を
なすものであり、雄、雌の吸着面が、係合具を取
付けているハンドバツグ等の動きに対して何等影
響されないように永久磁石に吸着されている吸着
部材自体を揺動させて、このハンドバツグ等の動
きに追随させるようにした。即ち、係合具の構成
を一方の磁極面ａから他方の磁極面ｂに向けて孔
１ａを有する永久磁石１の磁極面ｂに取付けられ
た強磁性板２と、磁極面ａに吸着される強磁性板
６との両方又はいずれか一方から突設される強磁
性突起５及び７が前記孔１ａを介して相互に、又
は他方の強磁性板２又は６に着脱自在に吸着され
る係合具において、前記強磁性板６を収容する薄
い倒皿状をなす非磁性ケース１１の立上り周壁１
１ａから該非磁性ケース１１の中心方向に向けて
突設された複数の係合片１１ｂ，１１ｂ………内
に前記強磁性板６が揺動可能に収容されている係
合具としたものである。

（実施例） 以下本発明の詳細を図面に示す典型的な一実施
例について説明するに、１は永久磁石であつて、
この永久磁石１はその一方の磁極面ａより他方の
磁極面ｂに向けて孔１ａを、単一の磁石又は複数
個の磁石の組合せをもつて開設せしめるようにな
すと共に該磁石１の磁極面ｂに強磁性板２を配
し、この強磁性板２と永久磁石１とを非磁性素材
よりなるケース３をもつて一体的に止着して止具
Ａを構成している。

尚、このケース３は第１０図におけるように全
く割愛され、永久磁石１をプラスチツク磁石と
し、この永久磁石１と強磁性板２とを直接的に接
着した場合は勿論、第９図におけるように強磁性
板２に対向した磁極面ａにシールド用の強磁性板
４を添装した場合においては特に磁極面ａを再度
被包する必要がないものであつて、ケース３を単
に円筒状のものとし、その上下の開口縁に突設し
た係合片をもつて強磁性板２，４と永久磁石１と
の一体化がなされている。

かゝる強磁性板２に対して必要に応じて強磁性
突起５の立設、殊に永久磁石１の孔１ａの内周壁
面に当接しないようにロウヅケ、カシメヅケ、溶
接ないしは螺締その他の手法をもつて取付けた。

而して該強磁性突起５は、永久磁石１に着脱自
在に当接される強磁性板６との相互関係より自ず
と定まる長さ寸法、即ち強磁性板６における強磁
性突起７の長さ寸法に対応した長さ寸法とし、該
突起７の長さ寸法が強磁性板２に到る充分な長さ
寸法である場合には強磁性突起５を一切不要と
し、又該突起５が永久磁石１の孔１ａの上端に到
る長さ寸法である場合においては強磁性板６にお
ける強磁性突起７を一切不要とした。

叙上における永久磁石１を有する止具Ａを基版
８に止着するに際し、取付脚片９ａ〜９ａを有す
る座金９を先のケース３をもつて永久磁石１に一
体的に止着又は強磁性突起５と共にカシメ付け
て、この脚片９ａを座金１０を介して折曲げ止着
するようにした。

かゝる構造体に対し、止具Ｂは強磁性板６の取
付けの為の皿状をなす非磁性ケース１１を別途用
意し、このケース１１の立上り周壁１１ａの上縁
の内側に係合縁鍔１１ｂを設けるようになすと共
に、この縁鍔１１ａ内に強磁性板６を嵌合して構
成している。尚、この縁鍔１１ａが立上り周壁１
１ａの上縁の内側に周縁鍔状に設けた場合と、数
ケ所に突起状に設けた場合とがある。

尚、このケース１１の取付けには各種の事例が
あり、その一つは飾り釦１２におけるパイプ状の
取付管１３をケース１１の取付孔に挿通カシメ止
着するようにした場合と、飾り釦１２における取
付片１４をケース１１に挿通、折曲げるようにし
た場合と、飾り釦１２における取付管１３に対し
ケース１１面より頭付きピン１５ないしはボルト
等を圧入又は螺入止着するようにした場合と、第
５図におけるように取付脚片１６ａをケース１１
面より基版９方向に突設折り曲げ、止着するよう
にした取付板１６を設けた場合、更に該板１６を
設けずケース１１に直接脚片を設けるようにした
場合その他の相当の取付手段があり、これによつ
て止具Ｂを構成した。

（効果） 本発明は叙上に於ける特長ある構成、就中板６
をケース１１に揺動可能に遊嵌したことによつ
て、板６はケース１１の止着されている基版８の
傾斜拡開に拘らず板６と止具Ａとの密着、磁着状
態が継続保持された。

かゝる構造的特性よりして取付ベースである基
版８の傾斜、殊に引き剥し方向に対する外力の付
加に対しても吸着面は何等傾斜することのないも
のであつて、この吸着面に対するテコ作用の働き
は確実に消去され、もつて確実な係合状態が保持
され得た。

一般的に磁石利用の係合具に於ては吸着面に垂
直の引つ張り力に対して極めて強い吸着力を有す
るに拘らず、吸着側縁よりするテコ作用的な引き
剥しには著しく弱い欠点を有していた。

本発明は叙上に於ける特長ある構成よりして斯
かる従前例に於ける不都合を確実に防止し、安定
した吸着力を有する係合具の提供を可能とした。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の典型的な一実施例である係合
具の断面図、第２図は動作状態を示す断面図、第
３図〜第６図は止具Ｂの各実施例を示す断面図、
第７図〜第１０図は止具Ａの各実施例を示す断面
図。 尚、図中１……永久磁石、２……強磁性板、３
……ケース、４……強磁性板、５……強磁性突
起、６……強磁性板、７……強磁性突起、８……
基板、９〜１０……座金、１１……ケース、１２
……飾り釦、１３……取付管、１４……取付片、
１５……ピン、１６……取付板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一方の磁極面ａから他方の磁極面ｂに向けて
   孔１ａを有する永久磁石１の磁極面ｂに取付けら
   れた強磁性板２と、磁極面ａに吸着される強磁性
   板６との両方又はいずれか一方から突設される強
   磁性突起５及び７が前記孔１ａを介して相互に、
   又は他方の強磁性板２又は６に着脱自在に吸着さ
   れる係合具において、 前記強磁性板６を収容する薄い倒皿状をなす非
   磁性ケース１１の立上り周壁１１ａから該非磁性
   ケース１１の中心方向に向けて突設された複数の
   係合片１１ｂ，１１ｂ………内に前記強磁性板６
   が揺動可能に収容されていることを特徴とする係
   合具。