JPH07335429A - 留め具 - Google Patents

留め具

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JPH07335429A
JPH07335429A JP15303394A JP15303394A JPH07335429A JP H07335429 A JPH07335429 A JP H07335429A JP 15303394 A JP15303394 A JP 15303394A JP 15303394 A JP15303394 A JP 15303394A JP H07335429 A JPH07335429 A JP H07335429A
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JP
Japan
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ferromagnetic
permanent magnet
fastener
magnetic pole
hole
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JP15303394A
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Tamao Morita
玉男 森田
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Tarmo Co Ltd
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Tarmo Co Ltd
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Publication date
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A45HAND OR TRAVELLING ARTICLES
    • A45CPURSES; LUGGAGE; HAND CARRIED BAGS
    • A45C13/00Details; Accessories
    • A45C13/10Arrangement of fasteners
    • A45C13/1069Arrangement of fasteners magnetic

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  • Slide Fasteners, Snap Fasteners, And Hook Fasteners (AREA)
  • Connection Of Plates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 雌雄留め具を吸着状態とした際における雌雄
留め具の外部に生ずる漏れ磁束を極力少なくして、雄留
め具の非吸着状態にある雌留め具における永久磁石の磁
極面の外周縁部分にのみ高密度の磁束を生ずることのな
いようにした留め具の提供。 【構成】 一方の磁極面11に凹部13が設けられ、且
つ、該凹部13の底から他方の磁極面12に通し穴14
が設けられている永久磁石10及び、該通し穴14の開
口されている側の磁極面12に備えられている強磁性部
材20を有する雌留め具Aと、前記永久磁石10の凹部
13の設けられている磁極面11の側にある前記雌留め
具Aの側に吸着され、且つ、該雌留め具Aを構成する永
久磁石10の通し穴14内において該雌留め具Aの強磁
性部材20に吸着する強磁性の突起部を有する強磁性部
材50を備えた雄留め具Bとよりなる留め具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、永久磁石の吸着力を
利用した留め具の提供、特に、雌留め具を構成する永久
磁石における雄留め具の吸着側に凹部を設け、この凹部
の底から該永久磁石の他方の磁極面側に通し穴を設ける
ようにした留め具の提供に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石の吸着力を利用した留め具には
種々の構造のものが夫々使用目的に対応して提供されて
いる。かかる永久磁石の吸着力を利用した留め具の典型
的なものとしては、図26に示されるように磁極方向に
通し穴101aを備えた環板状の永久磁石101と、こ
の一方の磁極面に添装され、且つ該永久磁石101の通
し穴に起立する強磁性突起102aを備えた強磁性部材
102とを用意し、非磁性のケース103、特に、下面
が開口され、しかも天板面103aには前記永久磁石1
01の通し穴101aに連通する孔を備えた容器状のケ
ース103に対し、前記永久磁石101を上方にして該
永久磁石101と強磁性部材102とを組込み、これを
該ケース103によって抱持一体として雌留め具100
を構成すると共に、この雌留め具100を構成する前記
永久磁石101の通し穴101a内において、前記強磁
性突起102aに当接、吸着する強磁性突起111aを
備え、且つ前記雌留め具100の吸着面に吸着される強
磁性部材111をもって雄留め具110を構成するよう
にしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる構成からなる留
め具を構成する雌留め具100にあって、これに用いら
れる永久磁石101が、通例、厚さ方向に着磁され、し
かも、この厚さ方向に通し穴101aを備えた、所謂環
板状の永久磁石101として構成されている。
【0004】かかる板厚方向に着磁された環板状をなす
永久磁石101にあっては、夫々の磁極面の中心から、
当該磁極面の周側に近づくにつれて、より密度の高い磁
束を生ずる磁極面とされ、その周側縁で、通例当該磁束
が最大となる傾向を示すと共に、夫々の磁極面の中心側
で、磁束密度が疎になる傾向を示している。
【0005】この結果、構成される留め具相互を引き離
した状態では、雌留め具100の外周側に多くの漏れ磁
束を生ずることとなり、この漏れ磁束によって、例え
ば、電車、地下鉄などの乗車券の磁気的記録部分が破壊
される難を生ずる不都合があった。また、構成される雌
留め具100に対して、雄留め具110を吸着させるこ
とによって、永久磁石101の有する磁気を、雌留め具
100の強磁性部材102及び雄留め具110の強磁性
部材111に集めると共に、この強磁性部材102及び
強磁性部材111間を強磁性突起102a及び111a
で連絡することによって低磁気回路を構成した際におい
ても、永久磁石101の雄留め具110の吸着側にある
磁極面の外周縁101bと、雌留め具100を構成する
強磁性部材102の外周縁102bとの間に比較的多く
の磁気を生じ、当該部分に生ずる漏れ磁束に相応して、
前記強磁性突起102a及び強磁性突起111a間にお
ける吸着力が減る不都合を有していた。
【0006】更に、雌留め具100に対して、雄留め具
110を近づけた際に、この雄留め具110は、雌留め
具100を構成している永久磁石101における該雄留
め具110の吸着側にある磁極面の外周縁101bに生
ずる磁気によって強く吸引されるにも拘らず、この雄留
め具110を構成している強磁性部材111の強磁性突
起111aを、永久磁石101の通し穴101a内に引
き込む吸引力が比較的弱く、この結果、雄留め具110
の強磁性突起111aを、雌留め具100の吸着面上に
吸着状態で摺動させながら、この強磁性突起111aを
前記通し穴101aに導き入れる必要があった。
【0007】本発明は、かかる従前における永久磁石を
用いた留め具の不都合に鑑み、雌雄留め具を吸着状態と
した際における雌雄留め具の外部に生ずる漏れ磁束を極
力少なくして、雌留め具の備えている永久磁石の磁気を
雌雄留め具の吸着力として効果的に導き出すようになす
と共に、雄留め具の非吸着状態にある雌留め具における
永久磁石の磁極面、特に、雄留め具の吸着される側にあ
る磁極面の外周縁部分にのみ高密度の磁束を生ずること
のないようにした留め具の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、叙上の目的を
達成するものとして、請求項1の発明に係る留め具を、
一方の磁極面11に凹部13が設けられ、且つ、該凹部
13の底から他方の磁極面12に通し穴14が設けられ
ている永久磁石10、及び該通し穴14の開口されてい
る側の磁極面12に備えられている強磁性部材20を有
する雌留め具Aと、前記永久磁石10の凹部13の設け
られている磁極面11の側にある前記雌留め具Aの側に
吸着され、且つ、該雌留め具Aを構成する永久磁石10
の通し穴14内において該雌留め具Aの強磁性部材20
に吸着する強磁性の突起部を有する強磁性部材50を備
えた雄留め具Bとにより構成している。
【0009】次いで、請求項2の発明に係る留め具を、
前記請求項1の発明に係る留め具において、雄留め具B
の強磁性部材50が、強磁性板部51’と、この強磁性
板部51’に立設される強磁性の突起部52’として構
成してある。
【0010】更に、請求項3の発明に係る留め具を、前
記請求項1の発明に係る留め具において、雌留め具Aの
強磁性部材20が、強磁性板部21’、又は、強磁性板
部21’と、この強磁性板部21’に立設される強磁性
の突起部22’として構成してある。
【0011】次いで、また、請求項4の発明に係る留め
具を、前記請求項1の発明に係る留め具において、雌留
め具Aの永久磁石10が、円形の通し穴14と、該通し
穴14と同心状の円形の凹部13とを備えた構成として
ある。
【0012】更に、また、請求項5の発明に係る留め具
を、前記請求項1の発明に係る留め具において、雌留め
具Aを、上面31に永久磁石10の通し穴14に連通す
る通し穴33を備え、且つ下面開口のケース30内に、
雌留め具Aを構成する永久磁石10及び、強磁性部材2
0を抱持一体とした構成としている。
【0013】
【作用】構成される留め具を、一方の磁極面11に凹部
13が設けられ、且つ、該凹部13の底から他方の磁極
面12に通し穴14が設けられている永久磁石10及
び、該通し穴14の開口されている側の磁極面12に備
えられている強磁性部材20を有する雌留め具Aと、前
記永久磁石10の凹部13の設けられている磁極面11
の側にある前記雌留め具Aの側に吸着され、且つ、該雌
留め具Aを構成する永久磁石10の通し穴14内におい
て該雌留め具Aの強磁性部材20に吸着する強磁性の突
起部52’を有する強磁性部材50を備えた雄留め具B
とによって構成してあることから、雌留め具Aを構成す
る永久磁石10は、これに雄留め具Bを吸着していない
状態において、磁極面11の外周縁部11aとこの永久
磁石10に備えられている強磁性部材20との間、当該
磁極面11に設けられている凹部13及び通し穴14と
のなす縁部13aと強磁性部材20との間、磁極面11
において段差状に落し込み形成されている前記凹部13
における落し込み上縁部13bと強磁性部材20との間
に、夫々磁束密度の高い磁場を構成するように機能す
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る留め具の典型的な各実施
例について詳細に説明する。図1は、本発明の典型的な
実施例に係る留め具の機能的特性の説明に用いられる構
成図であり、図2〜図25は、留め具の第1〜第8実施
例を示している。
【0015】図2〜図4は、第1実施例に係る留め具を
示すものであって、図2は、この留め具の構成部品を分
離した状態を、図3は留め具を取付け対象物Hに取付け
る前の雌雄留め具を分離状態の断面として示しており、
図4では、これを取付け対象物Hに取付け、且つ雌雄留
め具を吸着状態の断面として示している。
【0016】図5〜図7は、第2実施例に係る留め具を
示すものであって、図5は、この留め具の構成部品を分
離した状態を、図6は留め具を取付け対象物Hに取付け
る前の雌雄留め具を分離状態の断面として示しており、
図7では、これを取付け対象物Hに取付け、且つ雌雄留
め具を吸着状態の断面として示している。
【0017】図8〜図10は、第3実施例に係る留め具
を示すものであって、図8は、この留め具の構成部品を
分離した状態を、図9は留め具を取付け対象物Hに取付
ける前の雌雄留め具を分離状態の断面として示してお
り、図10では、これを取付け対象物Hに取付け、且つ
雌雄留め具を吸着状態の断面として示している。
【0018】図11〜図13は、第4実施例に係る留め
具を示すものであって、図11は、この留め具の構成部
品を分離した状態を、図12は留め具を取付け対象物H
に取付ける前の雌雄留め具を分離状態の断面として示し
ており、図13では、これを取付け対象物Hに取付け、
且つ雌雄留め具を吸着状態の断面として示している。
【0019】図14〜図16は、第5実施例に係る留め
具を示すものであって、図14は、この留め具の構成部
品を分離した状態を、図15は留め具を取付け対象物H
に取付ける前の雌雄留め具を分離状態の断面として示し
ており、図16では、これを取付け対象物Hに取付け、
且つ雌雄留め具を吸着状態の断面として示している。
【0020】図17〜図19は、第6実施例に係る留め
具を示すものであって、図17は、この留め具の構成部
品を分離した状態を、図18は留め具を取付け対象物H
に取付ける前の雌雄留め具を分離状態の断面として示し
ており、図19では、これを取付け対象物Hに取付け、
且つ雌雄留め具を吸着状態の断面として示している。
【0021】図20〜図22は、第7実施例に係る留め
具を示すものであって、図20は、この留め具の構成部
品を分離した状態を、図21は留め具を取付け対象物H
に取付ける前の雌雄留め具を分離状態の断面として示し
ており、図22では、これを取付け対象物Hに取付け、
且つ雌雄留め具を吸着状態の断面として示している。
【0022】図23〜図25は、第8実施例に係る留め
具を示すものであって、図23は、この留め具の構成部
品を分離した状態を、図24は留め具を取付け対象物H
に取付ける前の雌雄留め具を分離状態の断面として示し
ており、図25では、これを取付け対象物Hに取付け、
且つ雌雄留め具を吸着状態の断面として示している。
【0023】先ず、図1及び図2に示す留め具について
説明する。この図1及び図2に示される留め具は、本実
施例に係る留め具の構成及び作用を、より理解し易いよ
うに、当該留め具を構成する主要部分のみを示すことに
よって明らかにするものである。
【0024】この図1及び図2に示される留め具は、雌
留め具Aと、雄留め具Bとによって構成されており、雌
留め具Aは、磁極方向に通し穴14を有する永久磁石1
0と、この永久磁石の一方の磁極面12に備えられてい
る強磁性部材20とを有する構成としてあると共に、雄
留め具Bは、この雌留め具Aの永久磁石10の一方の磁
極面11側に吸着される強磁性部材50であって、しか
も、この永久磁石10に備えられている通し穴14内に
おいて前記強磁性部材20、又は、この通し穴14内に
起立している該強磁性部材20の突起部22’に吸着さ
れる強磁性の突起部52’を有する該強磁性部材50を
備えた構成としてある。尚、本明細書において強磁性部
材、強磁性板部、強磁性の突起部、強磁性板、強磁性突
起とは、永久磁石10の磁気路を構成し得る素材一般を
称するものであって、好ましくは、透磁率の高い素材が
用いられる。また、本明細書における永久磁石は、一般
に永久磁石と称されるものの全てを意味するものとして
用いられているものであり、いかなる永久磁石材料で構
成されていても良い。
【0025】次いで、前記雌留め具Aを構成する永久磁
石10は、略円形の盤状をなしており、その厚さ方向に
着磁され、一対の略平行な磁極面11、12を備えてい
ると共に、この、一方の磁極面11において略垂直に落
ち込み且つ、底面が平らな凹部13と、この凹部13の
底から他方の磁極面12に貫通されている通し穴14と
を備えた構成としてあり、所謂、環板状をなす永久磁石
10の円形をなす通し穴14と同心状の円形の凹部13
を該環板状をなす永久磁石10の一方の磁極面11の側
に設けた構成としてある。この結果、この雌留め具Aを
構成する永久磁石10は、その一方の磁極面11が、凹
部13の外側に構成される環状をなす平らな面としての
第1の磁極面11’と、この第1の磁極面11’の内側
にあって、該磁極面11から垂直に落し込まれると共
に、底が平らな凹部13の底面として構成される環状を
なす平らな面としての第2の磁極面11”とを備え、こ
の第2の磁極面11”と他方の磁極面12との間を連通
するように通し穴14が設けられている。
【0026】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して強磁性部材20が取付けられて雌留め具A
を構成している。この強磁性部材20は、前記永久磁石
10の磁極面12の面にあって、この磁極面12におけ
る磁気の磁場を構成する強磁性板部21’と、この強磁
性板部21’から前記永久磁石10の通し穴14内に起
立する強磁性の突起部22’とを備えており、この突起
部22’は、該通し穴14から上方に、その頂部側が突
き出ない起立寸法に構成してある。
【0027】かかる雌留め具Aに吸着して用いられる雄
留め具Bは、前記磁極面11、特に、永久磁石10の上
面として構成される環状面としての第1の磁極面11’
に吸着され、該磁極面11’の磁気を捕捉するように機
能する強磁性板部51’と、この強磁性板部51’から
突設され、且つ前記永久磁石10の通し穴14内におい
て雌留め具Aの強磁性の突起部22’に吸着する強磁性
の突起部52’とを備えた構成としてある。
【0028】かくして構成される雌留め具Aにあって
は、図1の[1]に示すように、雄留め具Bを該雌留め
具Aから分離した際に、磁極面11の外周縁部11a、
即ち、前記の環状面としての第1の磁極面11’の外側
の円周方向の縁と、強磁性部材20の強磁性板部21’
における外周部分との間に磁束密度の高い磁場xを、ま
た、この第1の磁極面11’の内側の円周方向の縁、即
ち、凹部13の落し込み上縁部13bと強磁性の突起部
22’との間に磁束密度の高い磁場yを、さらに、凹部
13と、通し穴14とのなす縁部13a、即ち、環状面
として構成される第2の磁極面11”の内側の円周方向
の縁と、強磁性の突起部22’との間に磁束密度の高い
磁場zを形成しており、磁場xを構成する磁束は、磁場
y及び磁場zを構成する磁束相当分少なくされる。
【0029】この結果、磁場xが、極端に強い磁気を有
することとならず、永久磁石10からの漏れ磁束による
弊害を極力抑制することができる。また、かかる状態
で、雄留め具Bを、雌留め具Aに近づけた場合、磁場y
を構成している磁気が、該雄留め具Bにおける強磁性の
突起部52’を凹部13内に強く吸引するように作用
し、更に、磁場zを構成している磁気が、前記突起部5
2’を通し穴14内に吸引するように作用し、結果的
に、雌雄留め具の吸着、係合を円滑且つ確実になすこと
ができる。
【0030】次いで、雌雄留め具を図1の[2]に示す
吸着の状態とした場合、永久磁石10の有する磁気が、
夫々の強磁性板部21’、51’と、これら相互を連接
する強磁性の突起部22’、52’とによって磁気抵抗
の少ない磁気路を構成し、結果的に、強磁性の突起部2
1’、52’相互の接触面に強い吸着力を生ずるように
作用し、特に、この場合、雌留め具Aを構成している永
久磁石10は、前記の磁場xを構成する磁束量が相対的
に減じられていることから、雌雄留め具を吸着状態にし
た際にあっても、磁極面11の外周縁部11aから強磁
性板部51’に向けた漏れ磁束が少なく、この結果、前
記強磁性の突起部22’、52’相互の接触面に強い吸
着力をもたらすように機能するものと思われる。
【0031】尚、叙上で示される留め具は、本実施例の
もっとも基本的な構成例を概括的に示したものであっ
て、前記雌留め具Aにおける強磁性の突起部22’を設
けず、雌留め具Aにおける強磁性部材20を強磁性板部
21’のみで構成すると共に、雄留め具Bの強磁性の突
起部52’が直接、該強磁性板部21’に接触吸着され
る構成としてあっても良い。また、前記各強磁性部材2
0、50における強磁性の突起部22’、52’は、夫
々強磁性部材20及び強磁性部材50から直接一体的に
隆起して構成してあるが、板状をなす強磁性部材と、桿
状をなす強磁性部材とを各別に用意し、これを固着する
ことによって夫々強磁性板部21’、51’の面に、強
磁性の突起部22’、52’を設けるようにしてあって
も良い。
【0032】また、雌留め具Aを構成する永久磁石10
と強磁性部材20とは、互が分離しないように構成して
あれば良く、例えば、非磁性のケースなどを用いて、こ
のケース内に該永久磁石10と強磁性部材20とを取り
入れることによって相互を組付けた構成としてあっても
良く、又、例えば、ケ−スを用いることなく永久磁石1
0に対して強磁性部材20を接着剤を用いて固着した構
成としてあっても良い。さらに、例えば、永久磁石10
の通し穴14内に起立される強磁性の突起部22’を該
通し穴14に対して緊く挿入される構成とし、該突起部
22’を通し穴14に対して圧入、嵌着することによっ
て、強磁性部材20と永久磁石10とを止着する構成と
してあっても良い。
【0033】かかる構成からなる留め具は、この留め具
に対して適宜の取付け手段を備えさせ、あるいは、かか
る取付け手段を備えさせることなく、ハンドバッグなど
の取付け対象物に対して取付けて用いる。この場合、例
えば、ハトメ状の管状取付け具を該留め具に止着し、こ
の管状取付け具を取付け対象物に対して挿通、カシメづ
けても良く、又、例えば、ネジ状の取付け具を該留め具
に止着し、このネジ状取付け具を取付け対象物に対して
ネジ込み止着しても良く、さらに、例えば、接着剤、両
面粘着シートを用いて、該留め具を取付け対象物に止着
しても良い。また、さらに、例えば、この雌雄留め具
を、取付け対象物としてのプラスチック製品の中にイン
サート成形することによって、当該プラスチック製品に
固定してあっても良く、かかる取付け手段は、いかなる
ものであっても良い。
【0034】図2〜図25は、かかる留め具の、より具
体的な実施例を示すものであり、主たる構成的特長及び
作用的特長は、前記図1及び図2に示した実施例に係る
留め具と同一、又は実質的に同一である。
【0035】(1) 第1実施例に係る留め具 図2〜図4は第1実施例に係る留め具を示すものであ
り、雌留め具A(本実施例では第1実施例に係る雌留め
具A−1として説明する。)、雄留め具B(本実施例で
は第1実施例に係る雄留め具B−1として説明する。)
と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する取付け
手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0036】本実施例において用いられる雌留め具A−
1は、強磁性の突起部22’としての強磁性突起22
と、強磁性板部21’としての強磁性板21とによって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、他方の磁極面11に凹部13を備え、且つ、この凹
部13の底から他方の磁極面12に貫設された通し穴1
4を備えた永久磁石10とを、ケース30内に取り入
れ、これを抱持一体になすと共に、前記強磁性板21の
面に、脚部材40を前記強磁性突起22を用いて一体に
止着した構成としている。
【0037】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、該面から略垂直に落ち込み
且つ底面が平らな凹部13を、また、この凹部13の底
から他方の磁極面12に貫通されている通し穴14を備
えた構成としてあり、所謂、円形の環板状をなす永久磁
石10の円形をなす通し穴14と同心状の円形の凹部1
3とを、該環板状をなす永久磁石10の一方の磁極面1
1の側に設けた構成としてある。この結果、この雌留め
具A−1を構成する永久磁石10は、その一方の磁極面
11が、凹部13の外側に構成される環状面としての第
1の磁極面11’と、この第1の磁極面11’の内側に
あって、該磁極面11から垂直に落し込み形成されてい
る凹部13の底面として構成される環状の面をなす第2
の磁極面11”とを備え、この第2の磁極面11”と他
方の磁極面12との間を連通するように通し穴14が設
けられている。
【0038】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’と、この
強磁性板部21’から前記永久磁石10の通し穴14内
に起立する強磁性の突起部22’とを備えており、この
突起部22’は、雌留め具A−1として構成される通し
穴から上方に、その頂部側が突き出ない起立寸法に構成
してある。特に、この実施例において用いられる強磁性
部材20は、前記強磁性板部21’を構成する円形の強
磁性板21と、これに取付けられ且つ前記強磁性の突起
部22’として機能する強磁性突起22とを備えた構成
としてあると共に、この強磁性突起22の小径桿部22
bを用いて、脚部材40を一体に組付けられた構成とし
てある。
【0039】即ち、前記強磁性板21に取付けられる強
磁性突起22を、前記永久磁石10の通し穴14内に起
立し、且つ、構成される雌留め具A−1における通し穴
から、その頂部側が突き出ない形状、寸法からなる短寸
円柱状の大径桿部22aと、この大径桿部22aと同一
軸線上にあり、且つ前記強磁性板21の中心に開設され
た円形の孔21aに挿通される短寸円柱状の小径桿部2
2bとを備えた構成とし、且つ、該大径桿部22aの頂
端面を、追って説明する雄留め具Bにおける強磁性の突
起部52’に対して都合良く吸着できる形状、例えば図
示例におけるように比較的平らな面として構成してい
る。
【0040】ここで構成される雌留め具A−1の強磁性
部材20には、前記強磁性突起22を用いて脚部材40
を一体に止着してある。この脚部材40は、前記強磁性
板21の面に添装される略円形の座板部41と、この座
板部41の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片42、42とを備えた構成として
あり、前記座板部41の略中央に、前記強磁性突起22
の小径桿部22bの挿通される円形の孔41aを有す
る。かかる構成からなる脚部材40を、該脚部材40に
おける孔41aを前記強磁性板21の孔21aに連通さ
せるように該強磁性板21に添装すると共に、この脚部
材40の取付け側と反対の側から、前記強磁性突起22
の小径桿部22bを該孔21a、41aに挿通し、該強
磁性突起22における大径桿部22aを該強磁性板21
の面に当接した状態で、脚部材40の座板部41の孔4
1aから突き出している該小径桿部22bの突き出し端
を、この座板部41の面に圧潰することによって、これ
らの各部材を一体に止着してある。
【0041】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20とを抱持一体に組付けるケース30は、典型
的には真鍮などの非磁性のケース30として用意されて
いるが、このケース30を、例えばステンレススチール
などの難磁性材料で構成してあっても良く、また、鉄板
などの強磁性材料で構成してあっても良い。また、一部
をプラスチックなどの非磁性材で構成し、他の部分を鉄
などの強磁性材で構成してあっても良い。
【0042】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設した際に、この永久磁石10の磁極
面11と、これに続く永久磁石10の周側面15と、強
磁性板21の周側面21bとを覆う形状の、所謂、上面
板部37と周側板部36とを備えた下面開口の円形の容
器形状としてあると共に、このケース30を構成する周
側板部36の下縁、即ち、開口縁35に係止爪34、3
4…が延設状に突設してある。
【0043】また、該ケース30の上面31は、この上
面31を構成する上面板部37が、その外縁より、所定
間隔相当分内側にある位置において、その円周方向に向
けて、略直角の状態、即ち垂下状に折り曲げて、環状折
曲部を構成した後、前記当初上面と略平行となるように
折り曲げ、これによって、該上面31に前記永久磁石1
0の凹部13に沿え、且つ該凹部13内に収まる円形の
凹部32を構成している。この凹部32は、ケース30
の円形の上面に対して、略同心状に構成してある円形の
凹部32とされていると共に、この円形の凹部32の略
中心に、該凹部32に対して略同心状の円形の通し穴3
3を、前記凹部32を構成している上面板部37を略直
角の状態、即ち、垂下状に折り曲げ、これを短寸円筒状
の鍔部38とすることによって構成している。尚、ここ
で構成される通し穴33及び、これを構成するための短
寸円筒状の鍔部38は、前記永久磁石10の通し穴14
よりも直径を小さく構成してあり、この通し穴14内
に、該鍔部38が収まると共に、この鍔部38の下端
が、強磁性板21の面に届かない構成とし、結果的に、
通し穴14と、通し穴33とが連通する構成としてあ
る。
【0044】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10の第1の磁極面11’を構成する環状凸部
が、該ケース30の上面31における外周側にある環状
の収納部分に収まるようになすと共に、永久磁石10の
凹部13の底面として構成される第2の磁極面11”
が、該ケース30の上面31における凹部32の内側面
に沿うように、該永久磁石10を組み入れる。また、こ
の永久磁石10の組入れと同時に、該永久磁石10の磁
極面12に対して、前記脚部材40の取付けられた強磁
性部材20を吸着しておき、この強磁性部材20を構成
する強磁性板21の周側面21bにあるケース30の周
側板部36から延びる係止爪34を、強磁性板21にお
ける永久磁石10に吸着されていない側の面に折り曲げ
ることによって、当該強磁性部材20と前記永久磁石1
0とを該ケース30によって抱持、一体としている。
【0045】かくして構成される雌留め具A−1は、図
3に示されるように、この雌留め具A−1における雄留
め具Bの吸着側に凹部を備えた構成とされていると共
に、この凹部の底から、永久磁石10の他方の磁極面1
2に向けて設けられている通し穴から、強磁性突起22
が上方に突き出ない構成、即ち、雌留め具A−1におい
て構成される凹部の底面のなす面よりも、強磁性突起2
2が上方に突き出ない構成としてある。
【0046】かかる構成からなる雌留め具A−1は、図
4に示されるように、例えばハンドバッグの本体側の構
成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40の脚
片42を挿通し、この取付け対象物Hから突き出された
該脚片42を該取付け対象物Hに添装される座金45の
スリット45aに挿通して、これを該座金45の面に折
り曲げることによって取付け用いる。
【0047】次いで、前記雌留め具A−1に吸着される
雄留め具B−1は、強磁性板部51’としての円形の強
磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の突起
部52’とされる強磁性突起52と、この強磁性突起5
2によって該強磁性板51に止着される脚部材60とで
構成してある。
【0048】この強磁性板51に取付けられる強磁性突
起52は、該強磁性板51に設けられている円形の孔5
1aと、脚部材60に設けられている円形の孔61aに
挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、この小
径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留め具
A−1の通し穴内において、前記強磁性突起22に接
触、吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを備
えた構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面を、
前記突起22に対して都合良く吸着できる形状、例え
ば、図示例におけるように比較的平らな面として構成し
ている。
【0049】ここで構成される雄留め具B−1の強磁性
部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材60
を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁性
板51の面に添装される略円形の座板部61と、この座
板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成として
あり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起52
の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備えた
構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、該
脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔5
1aに連通させるように該強磁性板51に添装すると共
に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記強
磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61aに
挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを該
強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座板
部61の孔61aから突き出している該小径桿部52b
の突き出し端を、この座板部61の面に圧潰することに
よって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0050】かかる構成からなる雄留め具B−1は、図
4に示されるように、取付け対象物H、例えば、ハンド
バッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A−
1に対して、雄留め具B−1における強磁性突起52
が、この雌留め具A−1の通し穴14内にある強磁性突
起22に都合良く接触、吸着する位置にある取付け対象
物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片62を挿
通し、この取付け対象物Hから突き出ている該脚片62
を、この取付け対象物Hに添装される座金65のスリッ
ト65aに挿通し、これを該座金65の面に折り曲げる
ことによって取付け用いる。
【0051】かくして構成される雌留め具A−1にあっ
ては、図3に示すように、雄留め具B−1を該雌留め具
A−1から分離した際に、磁極面11の外周縁部11
a、即ち、前記の環状面としての第1の磁極面11’の
外側の円周方向の縁と、強磁性部材20の強磁性板21
における周側面21bとの間に磁束密度の高い磁場を、
また、この第1の磁極面11’の内側の円周方向の縁、
即ち、凹部13の落し込み上縁部13bと強磁性突起2
2との間に磁束密度の高い磁場を、さらに、凹部13
と、通し穴14とのなす縁部13a、即ち、環状面とし
て構成される第2の磁極面11”の内側の円周方向の縁
と、強磁性突起22との間に磁束密度の高い磁場を形成
しており、前記外周縁部11aと周側面21bとの間に
磁場を構成する磁束は、他の磁場を構成する磁束に相当
する磁束分少なくなる。
【0052】この結果、前記外周縁部11aと該周側面
21bとの間に生ずる磁場が、極端に強い磁気を有する
こととならず、永久磁石10からの漏れ磁束による弊害
を極力抑制することができる。また、かかる状態で、雄
留め具B−1を、雌留め具A−1に近づけた場合、前記
落し込み上縁部13bと強磁性突起22との間にある磁
場を構成している磁気が、該雄留め具B−1における強
磁性突起52を凹部13内に強く吸引するように作用
し、更に、縁部13aと強磁性突起22との間にある磁
場を構成している磁気が、前記突起52を通し穴14内
に吸引するように作用し、結果的に、雌雄留め具の吸
着、係合を円滑且つ確実になすことができる。
【0053】次いで、雌雄留め具を図4に示す吸着の状
態とした場合、永久磁石10の有する磁気が、夫々の強
磁性板21、51と、これら相互を連接する強磁性突起
22、52とによって磁気抵抗の少ない磁気路を構成
し、結果的に、強磁性突起22、52相互の接触面に強
い吸着力を生ずるように作用し、特に、この場合、雌留
め具A−1を構成している永久磁石10は、前記の外周
縁部11aと周側面21bとの間に生ずる磁場を構成す
る磁束量が相対的に減じられていることから、雌雄留め
具を吸着状態にした際にあっても、磁極面11の外周縁
部11aから強磁性板21の周側面21bに向けた漏れ
磁束が少なく、この結果、前記強磁性突起22、52相
互の接触面に強い吸着力をもたらすように機能すること
が予想される。
【0054】(2) 第2実施例に係る留め具 図5〜図7は第2実施例に係る留め具を示すものであ
り、雌留め具A(本実施例では第2実施例に係る雌留め
具A−2として説明する。)、雄留め具B(本実施例で
は第2実施例に係る雄留め具B−2として説明する。)
と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する取付け
手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0055】本実施例において用いられる雌留め具A−
2は、強磁性板部21’としての強磁性板21によって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、他方の磁極面11に凹部13を備え、且つ、この凹
部13の底から他方の磁極面12に貫設された通し穴1
4を備えた永久磁石10と前記強磁性板21の面に添装
される脚部材40における座板部41’とをケース30
内に取り入れて、これを抱持一体に構成している。
【0056】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、該面から略垂直に落ち込み
且つ底面が平らな凹部13を、また、この凹部13の底
から他方の磁極面12に貫通されている通し穴14を備
えた構成としてあり、所謂、円形の環板状をなす永久磁
石10の円形をなす通し穴14と同心状の円形の凹部1
3とを、該環板状をなす永久磁石10の一方の磁極面1
1の側に設けた構成としてある。この結果、この雌留め
具A−2を構成する永久磁石10は、その一方の磁極面
11が、凹部13の外側に構成される環状面としての第
1の磁極面11’と、この第1の磁極面11’の内側に
あって、該磁極面11から垂直に落し込み形成されてい
る凹部13の底面として構成される環状の面をなす第2
の磁極面11”とを備え、この第2の磁極面11”と他
方の磁極面12との間を連通するように通し穴14が設
けられている。
【0057】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’特に、こ
の実施例において用いられる強磁性部材20は、前記強
磁性板部21’を構成する円形の強磁性板21として構
成してある。
【0058】次いで、この強磁性部材20に添装した状
態で、ケース30によって抱持一体とされる脚部材40
は、この強磁性部材20の強磁性板21と略同一寸法の
円形をなす座板部41’と、脚片42’、42’とより
なっており、この脚片42’は、前記座板部41’に対
して、略垂下状に設けてあると共に、該座板部41’の
周側から切り込まれた一対の切断線によって、該座板部
41’の周側部よりも内側に入った地から折り曲げ形成
されており、且つ、この座板部41’に設けられた切り
込みよりも長寸に形成してあり、互に向き合った一対の
脚片42’、42’としてある。
【0059】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20及び脚部材40の座板部41’とを抱持一体
に組付けるケース30は、典型的には真鍮などの非磁性
のケース30として用意されているが、このケース30
を、例えばステンレススチールなどの難磁性材料で構成
してあっても良く、また、鉄板などの強磁性材料で構成
してあっても良い。また、一部をプラスチックなどの非
磁性材で構成し、他の部分を鉄などの強磁性材で構成し
てあっても良い。
【0060】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設し、更に脚部材40の座板部41’
を該強磁性部材20に添装した際に、この永久磁石10
の磁極面11と、これに続く永久磁石10の周側面15
と、強磁性板21の周側面21bと、座板部41’の周
側面41bとを覆う形状の、所謂、上面板部37と周側
板部36とを備えた下面開口の円形の容器形状としてあ
ると共に、このケース30を構成する周側板部36の下
縁、即ち、開口縁35に係止爪34、34…が延設状に
突設してある。
【0061】また、該ケース30の上面31は、この上
面31を構成する上面板部37が、その外縁より、所定
間隔相当分内側にある位置において、その円周方向に向
けて、略直角の状態、即ち垂下状に折り曲げて、環状折
曲部を構成した後、前記当初上面と略平行となるように
折り曲げ、これによって、該上面31に前記永久磁石1
0の凹部13に沿え、且つ該凹部13内に収まる円形の
凹部32を構成している。この凹部32は、ケース30
の円形の上面に対して、略同心状に構成してある円形の
凹部32とされていると共に、この円形の凹部32の略
中心に、該凹部32に対して略同心状の円形の通し穴3
3を、前記凹部32を構成している上面板部37を略直
角の状態、即ち、垂下状に折り曲げ、これを短寸円筒状
の鍔部38とすることによって構成している。尚、ここ
で構成される通し穴33及び、これを構成するための短
寸円筒状の鍔部38は、前記永久磁石10の通し穴14
よりも直径を小さく構成してあり、この通し穴14内
に、該鍔部38が収まると共に、この鍔部38の下端
が、強磁性板21の面に届かない構成とし、結果的に、
通し穴14と、通し穴33とが連通する構成としてあ
る。
【0062】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10の第1の磁極面11’を構成する環状凸部
が、該ケース30の上面31における外周側にある環状
の収納部分に収まるようになすと共に、永久磁石10の
凹部13の底面として構成される第2の磁極面11”
が、該ケース30の上面31における凹部32の内側面
に沿うように、該永久磁石10を組み入れる。また、こ
の永久磁石10の組入れと同時に、該永久磁石10の磁
極面12に対して、強磁性部材20を吸着しておき、更
に、この強磁性部材20を構成する強磁性板21に脚部
材40の座板部41’を添装すると共に、前記ケース3
0の周側板部36から延びる係止爪34を、強磁性板2
1に添装された座板部41’の面に折り曲げることによ
って、当該強磁性部材20及び脚部材40と前記永久磁
石10とを該ケース30によって抱持、一体としてい
る。
【0063】かくして構成される雌留め具A−2は、図
6に示されるように、この雌留め具A−2における雄留
め具Bの吸着側に凹部を備えた構成とされていると共
に、この凹部の底から、永久磁石10の他方の磁極面1
2に向けて設けられている通し穴内に、強磁性部材20
の強磁性板部21’としての強磁性板21の面があらわ
れる構成としてある。
【0064】かかる構成からなる雌留め具A−2は、図
7に示されるように、例えばハンドバッグの本体側の構
成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40の脚
片42’を挿通し、この取付け対象物Hから突き出され
た該脚片42’を該取付け対象物Hに添装される座金4
5のスリット45aに挿通して、これを該座金45の面
に折り曲げることによって取付け用いる。
【0065】次いで、前記雌留め具A−2に吸着される
雄留め具B−2は、強磁性板部51’としての円形の強
磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の突起
部52’とされる強磁性突起52と、この強磁性突起5
2によって該強磁性板51に止着される脚部材60とで
構成してある。
【0066】この強磁性板51に取付けられる強磁性突
起52は、該強磁性板51に設けられている円形の孔5
1aと、脚部材60に設けられている円形の孔61aに
挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、この小
径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留め具
A−2の通し穴内において、前記強磁性板21に接触、
吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを備えた
構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面を、前記
強磁性板21の面に対して都合良く吸着できる形状、例
えば、図示例におけるように比較的平らな面として構成
している。
【0067】ここで構成される雄留め具B−2の強磁性
部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材60
を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁性
板51の面に添装される略円形の座板部61と、この座
板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成として
あり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起52
の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備えた
構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、該
脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔5
1aに連通させるように該強磁性板51に添装すると共
に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記強
磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61aに
挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを該
強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座板
部61の孔61aから突き出している該小径桿部52b
の突き出し端を、この座板部61の面に圧潰することに
よって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0068】かかる構成からなる雄留め具B−2は、図
7示されるように、取付け対象物H、例えば、ハンドバ
ッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A−2
に対して、雄留め具B−2における強磁性突起52が、
この雌留め具A−2の通し穴14内にある強磁性板21
の面に都合良く接触、吸着する位置にある取付け対象物
H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片62を挿通
し、この取付け対象物Hから突き出ている該脚片62
を、この取付け対象物Hに添装される座金65のスリッ
ト65aに挿通し、これを該座金65の面に折り曲げる
ことによって取付け用いる。
【0069】かくして構成される雌留め具A−2にあっ
ては、図6に示すように、雄留め具B−2を該雌留め具
A−2から分離した際に、磁極面11の外周縁部11
a、即ち、前記の環状面としての第1の磁極面11’の
外側の円周方向の縁と、強磁性部材20の強磁性板21
における周側面21bとの間に磁束密度の高い磁場を、
また、この第1の磁極面11’の内側の円周方向の縁、
即ち、凹部13の落し込み上縁部13bと磁極面12側
にある通し穴14の穴縁との間に磁束密度の高い磁場
を、さらに、凹部13と、通し穴14とのなす縁部13
a、即ち、環状面として構成される第2の磁極面11”
の内側の円周方向の縁と、磁極面12側にある通し穴1
4の穴縁との間に磁束密度の高い磁場を形成しており、
前記外周縁部11aと周側面21bとの間に磁場を構成
する磁束は、他の磁場を構成する磁束に相当する磁束分
少なくなる。
【0070】この結果、前記外周縁部11aと該周側面
21bとの間に生ずる磁場が、極端に強い磁気を有する
こととならず、永久磁石10からの漏れ磁束による弊害
を極力抑制することができる。また、かかる状態で、雄
留め具B−2を、雌留め具A−2に近づけた場合、前記
落し込み上縁部13bと磁極面12側にある通し穴14
の穴縁との間にある磁場を構成している磁気が、該雄留
め具B−2における強磁性突起52を凹部13内に強く
吸引するように作用し、更に、縁部13aと磁極面12
側にある通し穴14の穴縁との間にある磁場を構成して
いる磁気が、前記突起52を通し穴14内に吸引するよ
うに作用し、結果的に、雌雄留め具の吸着、係合を円滑
且つ確実になすことができる。
【0071】次いで、雌雄留め具を図7に示す吸着の状
態とした場合、永久磁石10の有する磁気が、夫々の強
磁性板21、51と、これら相互を連接する強磁性突起
52とによって磁気抵抗の少ない磁気路を構成し、結果
的に、強磁性突起52と強磁性板21相互の接触面に強
い吸着力を生ずるように作用し、特に、この場合、雌留
め具A−2を構成している永久磁石10は、前記の外周
縁部11aと周側面21bとの間に生ずる磁場を構成す
る磁束量が相対的に減じられていることから、雌雄留め
具を吸着状態にした際にあっても、磁極面11の外周縁
部11aから強磁性板21の周側面21bに向けた漏れ
磁束が少なく、この結果、前記強磁性突起52と強磁性
板21相互の接触面に強い吸着力をもたらすように機能
することが予想される。
【0072】(3) 第3実施例に係る留め具 図8〜図10は第3実施例に係る留め具を示すものであ
り、雌留め具A(本実施例では第3実施例に係る雌留め
具A−3として説明する。)、雄留め具B(本実施例で
は第3実施例に係る雄留め具B−3として説明する。)
と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する取付け
手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0073】本実施例において用いられる雌留め具A−
3は、強磁性の突起部22’としての強磁性突起22
と、強磁性板部21’としての強磁性板21とによって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、他方の磁極面11に凹部13を備え、且つ、この凹
部13の底から他方の磁極面12に貫設された通し穴1
4を備えた永久磁石10とを、ケース30内に取り入
れ、これを抱持一体になすと共に、前記強磁性板21の
面に、脚部材40を前記強磁性突起22を用いて一体に
止着した構成としている。
【0074】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、この磁極面11の外周部
と、該永久磁石10の周側面15との間が曲面状の面取
り面16としてあると共に、この磁極面11には、該磁
極面11から略垂直に落ち込み且つ底面が平らな凹部1
3を、また、この凹部13の底から他方の磁極面12に
貫通されている通し穴14を備えた構成としてあり、所
謂、円形の環板状をなす永久磁石10の円形をなす通し
穴14と同心状の円形の凹部13とを、該環板状をなす
永久磁石10の一方の磁極面11の側に設けた構成とし
てある。この結果、この雌留め具A−3を構成する永久
磁石10は、その一方の磁極面11が、凹部13の外側
に構成される環状面としての第1の磁極面11’と、こ
の第1の磁極面11’の内側にあって、該磁極面11か
ら垂直に落し込み形成されている凹部13の底面として
構成される環状の面をなす第2の磁極面11”とを備
え、この第2の磁極面11”と他方の磁極面12との間
を連通するように通し穴14が設けられていると共に、
前記第1の磁極面11’の外周部分に面取り面16が設
けられた構成とされている。
【0075】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’と、この
強磁性板部21’から前記永久磁石10の通し穴14内
に起立する強磁性の突起部22’とを備えており、この
突起部22’は、雌留め具A−3として構成される通し
穴から上方に、その頂部側が突き出ない起立寸法に構成
してある。特に、この実施例において用いられる強磁性
部材20は、前記強磁性板部21’を構成する円形の強
磁性板21と、これに取付けられ且つ前記強磁性の突起
部22’として機能する強磁性突起22とを備えた構成
としてあると共に、この強磁性突起22の小径桿部22
bを用いて、脚部材40を一体に組付けられた構成とし
てある。
【0076】即ち、前記強磁性板21に取付けられる強
磁性突起22を、前記永久磁石10の通し穴14内に起
立し、且つ、構成される雌留め具A−3における通し穴
から、その頂部側が突き出ない形状、寸法からなる短寸
円柱状の大径桿部22aと、この大径桿部22aと同一
軸線上にあり、且つ前記強磁性板21の中心に開設され
た円形の孔21aに挿通される短寸円柱状の小径桿部2
2bとを備えた構成とし、且つ、該大径桿部22aの頂
端面を、追って説明する雄留め具Bにおける強磁性の突
起部52’に対して都合良く吸着できる形状、例えば図
示例におけるように比較的平らな面として構成してい
る。
【0077】ここで構成される雌留め具A−3の強磁性
部材20には、前記強磁性突起22を用いて脚部材40
を一体に止着してある。この脚部材40は、前記強磁性
板21の面に添装される略円形の座板部41と、この座
板部41の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片42、42とを備えた構成として
あり、前記座板部41の略中央に、前記強磁性突起22
の小径桿部22bの挿通される円形の孔41aを有す
る。かかる構成からなる脚部材40を、該脚部材40に
おける孔41aを前記強磁性板21の孔21aに連通さ
せるように該強磁性板21に添装すると共に、この脚部
材40の取付け側と反対の側から、前記強磁性突起22
の小径桿部22bを該孔21a、41aに挿通し、該強
磁性突起22における大径桿部22aを該強磁性板21
の面に当接した状態で、脚部材40の座板部41の孔4
1aから突き出している該小径桿部22bの突き出し端
を、この座板部41の面に圧潰することによって、これ
らの各部材を一体に止着してある。
【0078】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20とを抱持一体に組付けるケース30は、典型
的には真鍮などの非磁性のケース30として用意されて
いるが、このケース30を、例えばステンレススチール
などの難磁性材料で構成してあっても良く、また、鉄板
などの強磁性材料で構成してあっても良い。また、一部
をプラスチックなどの非磁性材で構成し、他の部分を鉄
などの強磁性材で構成してあっても良い。
【0079】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設した際に、この永久磁石10の磁極
面11と、これに続く永久磁石10の周側面15と、強
磁性板21の周側面21bとを覆う形状の、所謂、上面
板部37と周側板部36とを備えた下面開口の円形の容
器形状としてあると共に、このケース30を構成する周
側板部36の下縁、即ち、開口縁35に係止爪34、3
4…が延設状に突設してある。
【0080】また、該ケース30の上面31は、この上
面31を構成する上面板部37が、その外周部分から、
周側板部36に向けて傾斜する曲面37aを備えた構成
としてあると共に、その外縁より、所定間隔相当分内側
にある位置において、その円周方向に向けて、略直角の
状態、即ち垂下状に折り曲げて、環状折曲部を構成した
後、前記当初上面と略平行となるように折り曲げ、これ
によって、該上面31に前記永久磁石10の凹部13に
沿え、且つ該凹部13内に収まる円形の凹部32を構成
している。この凹部32は、ケース30の円形の上面に
対して、略同心状に構成してある円形の凹部32とされ
ていると共に、この円形の凹部32の略中心に、該凹部
32に対して略同心状の円形の通し穴33を、前記凹部
32を構成している上面板部37を略直角の状態、即
ち、垂下状に折り曲げ、これを短寸円筒状の鍔部38と
することによって構成している。尚、ここで構成される
通し穴33及び、これを構成するための短寸円筒状の鍔
部38は、前記永久磁石10の通し穴14よりも直径を
小さく構成してあり、この通し穴14内に、該鍔部38
が収まると共に、この鍔部38の下端が、強磁性板21
の面に届かない構成とし、結果的に、通し穴14と、通
し穴33とが連通する構成としてある。
【0081】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10の第1の磁極面11’を構成する環状凸部
を、該環状凸部の外周縁に備えられる面取り面16を、
ケ−ス30における曲面37aに沿わせるようにして、
該ケース30の上面31における外周側にある環状の収
納部分に収め、永久磁石10の凹部13の底面として構
成される第2の磁極面11”が、該ケース30の上面3
1における凹部32の内側面に沿うように、該永久磁石
10を組み入れる。また、この永久磁石10の組入れと
同時に、該永久磁石10の磁極面12に対して、前記脚
部材40の取付けられた強磁性部材20を吸着してお
き、この強磁性部材20を構成する強磁性板21の周側
面21bにあるケース30の周側板部36から延びる係
止爪34を、強磁性板21における永久磁石10に吸着
されていない側の面に折り曲げることによって、当該強
磁性部材20と前記永久磁石10とを該ケース30によ
って抱持、一体としている。
【0082】かくして構成される雌留め具A−3は、図
9に示されるように、この雌留め具A−3における雄留
め具Bの吸着側に凹部を備えた構成とされていると共
に、この凹部の底から、永久磁石10の他方の磁極面1
2に向けて設けられている通し穴から、強磁性突起22
が上方に突き出ない構成、即ち、雌留め具A−3におい
て構成される凹部の底面のなす面よりも、強磁性突起2
2が上方に突き出ない構成としてある。
【0083】かかる構成からなる雌留め具A−3は、図
10に示されるように、例えばハンドバッグの本体側の
構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40の
脚片42を挿通し、この取付け対象物Hから突き出され
た該脚片42を該取付け対象物Hに添装される座金45
のスリット45aに挿通して、これを該座金45の面に
折り曲げることによって取付け用いる。
【0084】次いで、前記雌留め具A−3に吸着される
雄留め具B−3は、強磁性板部51’としての円形の強
磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の突起
部52’とされる強磁性突起52と、この強磁性突起5
2によって該強磁性板51に止着される脚部材60とで
構成してある。
【0085】この強磁性板51に取付けられる強磁性突
起52は、該強磁性板51に設けられている円形の孔5
1aと、脚部材60に設けられている円形の孔61aに
挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、この小
径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留め具
A−3の通し穴内において、前記強磁性突起22に接
触、吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを備
えた構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面を、
前記突起22に対して都合良く吸着できる形状、例え
ば、図示例におけるように比較的平らな面として構成し
ている。
【0086】ここで構成される雄留め具B−3の強磁性
部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材60
を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁性
板51の面に添装される略円形の座板部61と、この座
板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成として
あり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起52
の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備えた
構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、該
脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔5
1aに連通させるように該強磁性板51に添装すると共
に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記強
磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61aに
挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを該
強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座板
部61の孔61aから突き出している該小径桿部52b
の突き出し端を、この座板部61の面に圧潰することに
よって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0087】かかる構成からなる雄留め具B−3は、図
10に示されるように、取付け対象物H、例えば、ハン
ドバッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A
−3に対して、雄留め具B−3における強磁性突起52
が、この雌留め具A−3の通し穴14内にある強磁性突
起22に都合良く接触、吸着する位置にある取付け対象
物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片62を挿
通し、この取付け対象物Hから突き出ている該脚片62
を、この取付け対象物Hに添装される座金65のスリッ
ト65aに挿通し、これを該座金65の面に折り曲げる
ことによって取付け用いる。
【0088】かくして構成される雌留め具A−3にあっ
ては、図9に示すように、雄留め具B−3を該雌留め具
A−3から分離した際に、磁極面11の外周縁部11
a、即ち、前記の環状面としての第1の磁極面11’の
外側の円周方向の縁、特に、面取り面16の内側の縁
と、強磁性部材20の強磁性板21における周側面21
bとの間に磁束密度の高い磁場を、また、この第1の磁
極面11’の内側の円周方向の縁、即ち、凹部13の落
し込み上縁部13bと強磁性突起22との間に磁束密度
の高い磁場を、さらに、凹部13と、通し穴14とのな
す縁部13a、即ち、環状面として構成される第2の磁
極面11”の内側の円周方向の縁と、強磁性突起22と
の間に磁束密度の高い磁場を形成しており、前記外周縁
部11aと周側面21bとの間に磁場を構成する磁束
は、他の磁場を構成する磁束に相当する磁束分少なくな
る。
【0089】この結果、前記外周縁部11aと該周側面
21bとの間に生ずる磁場が、極端に強い磁気を有する
こととならず、永久磁石10からの漏れ磁束による弊害
を極力抑制することができる。また、かかる状態で、雄
留め具B−3を、雌留め具A−3に近づけた場合、前記
落し込み上縁部13bと強磁性突起22との間にある磁
場を構成している磁気が、該雄留め具B−3における強
磁性突起52を凹部13内に強く吸引するように作用
し、更に、縁部13aと強磁性突起22との間にある磁
場を構成している磁気が、前記突起52を通し穴14内
に吸引するように作用し、結果的に、雌雄留め具の吸
着、係合を円滑且つ確実になすことができる。
【0090】次いで、雌雄留め具を図10に示す吸着の
状態とした場合、永久磁石10の有する磁気が、夫々の
強磁性板21、51と、これら相互を連接する強磁性突
起22、52とによって磁気抵抗の少ない磁気路を構成
し、結果的に、強磁性突起22、52相互の接触面に強
い吸着力を生ずるように作用し、特に、この場合、雌留
め具A−3を構成している永久磁石10は、前記の外周
縁部11aと周側面21bとの間に生ずる磁場を構成す
る磁束量が相対的に減じられていることから、雌雄留め
具を吸着状態にした際にあっても、磁極面11の外周縁
部11aから強磁性板21の周側面21bに向けた漏れ
磁束が少なく、この結果、前記強磁性突起22、52相
互の接触面に強い吸着力をもたらすように機能すること
が予想される。
【0091】(4) 第4実施例に係る留め具 図11〜図13は第4実施例に係る留め具を示すもので
あり、雌留め具A(本実施例では第4実施例に係る雌留
め具A−4として説明する。)、雄留め具B(本実施例
では第4実施例に係る雄留め具B−4として説明す
る。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する
取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0092】本実施例において用いられる雌留め具A−
4は、強磁性板部21’としての強磁性板21によって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、他方の磁極面11に凹部13を備え、且つ、この凹
部13の底から他方の磁極面12に貫設された通し穴1
4を備えた永久磁石10と前記強磁性板21の面に添装
される脚部材40における座板部41’とをケース30
内に取り入れて、これを抱持一体に構成している。
【0093】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、この磁極面11の外周部
と、該永久磁石10の周側面15との間が曲面状の面取
り面16としてあると共に、この磁極面11には、該磁
極面11から略垂直に落ち込み且つ底面が平らな凹部1
3を、また、この凹部13の底から他方の磁極面12に
貫通されている通し穴14を備えた構成としてあり、所
謂、円形の環板状をなす永久磁石10の円形をなす通し
穴14と同心状の円形の凹部13とを、該環板状をなす
永久磁石10の一方の磁極面11の側に設けた構成とし
てある。この結果、この雌留め具A−4を構成する永久
磁石10は、その一方の磁極面11が、凹部13の外側
に構成される環状面としての第1の磁極面11’と、こ
の第1の磁極面11’の内側にあって、該磁極面11か
ら垂直に落し込み形成されている凹部13の底面として
構成される環状の面をなす第2の磁極面11”とを備
え、この第2の磁極面11”と他方の磁極面12との間
を連通するように通し穴14が設けられていると共に、
前記第1の磁極面11’の外周部分に面取り面16が設
けられた構成とされている。
【0094】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’特に、こ
の実施例において用いられる強磁性部材20は、前記強
磁性板部21’を構成する円形の強磁性板21として構
成してある。
【0095】次いで、この強磁性部材20に添装した状
態で、ケース30によって抱持一体とされる脚部材40
は、この強磁性部材20の強磁性板21と略同一寸法の
円形をなす座板部41’と、脚片42’、42’とより
なっており、この脚片42’は、前記座板部41’に対
して、略垂下状に設けてあると共に、該座板部41’の
周側から切り込まれた一対の切断線によって、該座板部
41’の周側部よりも内側に入った地から折り曲げ形成
されており、且つ、この座板部41’に設けられた切り
込みよりも長寸に形成してあり、互に向き合った一対の
脚片42’、42’としてある。
【0096】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20及び脚部材40の座板部41’とを抱持一体
に組付けるケース30は、典型的には真鍮などの非磁性
のケース30として用意されているが、このケース30
を、例えばステンレススチールなどの難磁性材料で構成
してあっても良く、また、鉄板などの強磁性材料で構成
してあっても良い。また、一部をプラスチックなどの非
磁性材で構成し、他の部分を鉄などの強磁性材で構成し
てあっても良い。
【0097】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設し、更に脚部材40の座板部41’
を該強磁性部材20に添装した際に、この永久磁石10
の磁極面11と、これに続く永久磁石10の周側面15
と、強磁性板21の周側面21bと、座板部41’の周
側面41bとを覆う形状の、所謂、上面板部37と周側
板部36とを備えた下面開口の円形の容器形状としてあ
ると共に、このケース30を構成する周側板部36の下
縁、即ち、開口縁35に係止爪34、34…が延設状に
突設してある。
【0098】また、該ケース30の上面31は、この上
面31を構成する上面板部37が、その外周部分から、
周側板部36に向けて傾斜する曲面37aを備えた構成
としてあると共に、その外縁より、所定間隔相当分内側
にある位置において、その円周方向に向けて、略直角の
状態、即ち垂下状に折り曲げて、環状折曲部を構成した
後、前記当初上面と略平行となるように折り曲げ、これ
によって、該上面31に前記永久磁石10の凹部13に
沿え、且つ該凹部13内に収まる円形の凹部32を構成
している。この凹部32は、ケース30の円形の上面に
対して、略同心状に構成してある円形の凹部32とされ
ていると共に、この円形の凹部32の略中心に、該凹部
32に対して略同心状の円形の通し穴33を、前記凹部
32を構成している上面板部37を略直角の状態、即
ち、垂下状に折り曲げ、これを短寸円筒状の鍔部38と
することによって構成している。尚、ここで構成される
通し穴33及び、これを構成するための短寸円筒状の鍔
部38は、前記永久磁石10の通し穴14よりも直径を
小さく構成してあり、この通し穴14内に、該鍔部38
が収まると共に、この鍔部38の下端が、強磁性板21
の面に届かない構成とし、結果的に、通し穴14と、通
し穴33とが連通する構成としてある。
【0099】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10の第1の磁極面11’を構成する環状凸部
を、該環状凸部の外周縁に備えられる面取り面16をケ
−ス30における曲面37aに沿わせるようにして、、
該ケース30の上面31における外周側にある環状の収
納部分に収め、永久磁石10の凹部13の底面として構
成される第2の磁極面11”が、該ケース30の上面3
1における凹部32の内側面に沿うように、該永久磁石
10を組み入れる。また、この永久磁石10の組入れと
同時に、該永久磁石10の磁極面12に対して、強磁性
部材20を吸着しておき、更に、この強磁性部材20を
構成する強磁性板21に脚部材40の座板部41’を添
装すると共に、前記ケース30の周側板部36から延び
る係止爪34を、強磁性板21に添装された座板部4
1’の面に折り曲げることによって、当該強磁性部材2
0及び脚部材40と前記永久磁石10とを該ケース30
によって抱持、一体としている。
【0100】かくして構成される雌留め具A−4は、図
12に示されるように、この雌留め具A−4における雄
留め具Bの吸着側に凹部を備えた構成とされていると共
に、この凹部の底から、永久磁石10の他方の磁極面1
2に向けて設けられている通し穴内に、強磁性部材20
の強磁性板部21’としての強磁性板21の面があらわ
れる構成としてある。
【0101】かかる構成からなる雌留め具A−4は、図
13に示されるように、例えばハンドバッグの本体側の
構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40の
脚片42’を挿通し、この取付け対象物Hから突き出さ
れた該脚片42’を該取付け対象物Hに添装される座金
45のスリット45aに挿通して、これを該座金45の
面に折り曲げることによって取付け用いる。
【0102】次いで、前記雌留め具A−4に吸着される
雄留め具B−4は、強磁性板部51’としての円形の強
磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の突起
部52’とされる強磁性突起52と、この強磁性突起5
2によって該強磁性板51に止着される脚部材60とで
構成してある。
【0103】この強磁性板51に取付けられる強磁性突
起52は、該強磁性板51に設けられている円形の孔5
1aと、脚部材60に設けられている円形の孔61aに
挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、この小
径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留め具
A−4の通し穴内において、前記強磁性板21に接触、
吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを備えた
構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面を、前記
強磁性板21の面に対して都合良く吸着できる形状、例
えば、図示例におけるように比較的平らな面として構成
している。
【0104】ここで構成される雄留め具B−4の強磁性
部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材60
を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁性
板51の面に添装される略円形の座板部61と、この座
板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成として
あり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起52
の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備えた
構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、該
脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔5
1aに連通させるように該強磁性板51に添装すると共
に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記強
磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61aに
挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを該
強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座板
部61の孔61aから突き出している該小径桿部52b
の突き出し端を、この座板部61の面に圧潰することに
よって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0105】かかる構成からなる雄留め具B−4は、図
13示されるように、取付け対象物H、例えば、ハンド
バッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A−
4に対して、雄留め具B−4における強磁性突起52
が、この雌留め具A−4の通し穴14内にある強磁性板
21の面に都合良く接触、吸着する位置にある取付け対
象物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片62を
挿通し、この取付け対象物Hから突き出ている該脚片6
2を、この取付け対象物Hに添装される座金65のスリ
ット65aに挿通し、これを該座金65の面に折り曲げ
ることによって取付け用いる。
【0106】かくして構成される雌留め具A−4にあっ
ては、図12に示すように、雄留め具B−4を該雌留め
具A−4から分離した際に、磁極面11の外周縁部11
a、即ち、前記の環状面としての第1の磁極面11’の
外側の円周方向の縁、特に、面取り面16の内側の縁
と、強磁性部材20の強磁性板21における周側面21
bとの間に磁束密度の高い磁場を、また、この第1の磁
極面11’の内側の円周方向の縁、即ち、凹部13の落
し込み上縁部13bと磁極面12側にある通し穴14の
穴縁との間に磁束密度の高い磁場を、さらに、凹部13
と、通し穴14とのなす縁部13a、即ち、環状面とし
て構成される第2の磁極面11”の内側の円周方向の縁
と、磁極面12側にある通し穴14の穴縁との間に磁束
密度の高い磁場を形成しており、前記外周縁部11aと
周側面21bとの間に磁場を構成する磁束は、他の磁場
を構成する磁束に相当する磁束分少なくなる。
【0107】この結果、前記外周縁部11aと該周側面
21bとの間に生ずる磁場が、極端に強い磁気を有する
こととならず、永久磁石10からの漏れ磁束による弊害
を極力抑制することができる。また、かかる状態で、雄
留め具B−4を、雌留め具A−4に近づけた場合、前記
落し込み上縁部13bと磁極面12側にある通し穴14
の穴縁との間にある磁場を構成している磁気が、該雄留
め具B−4における強磁性突起52を凹部13内に強く
吸引するように作用し、更に、縁部13aと磁極面12
側にある通し穴14の穴縁との間にある磁場を構成して
いる磁気が、前記突起52を通し穴14内に吸引するよ
うに作用し、結果的に、雌雄留め具の吸着、係合を円滑
且つ確実になすことができる。
【0108】次いで、雌雄留め具を図13に示す吸着の
状態とした場合、永久磁石10の有する磁気が、夫々の
強磁性板21、51と、これら相互を連接する強磁性突
起52とによって磁気抵抗の少ない磁気路を構成し、結
果的に、強磁性突起52と強磁性板21相互の接触面に
強い吸着力を生ずるように作用し、特に、この場合、雌
留め具A−4を構成している永久磁石10は、前記の外
周縁部11aと周側面21bとの間に生ずる磁場を構成
する磁束量が相対的に減じられていることから、雌雄留
め具を吸着状態にした際にあっても、磁極面11の外周
縁部11aから強磁性板21の周側面21bに向けた漏
れ磁束が少なく、この結果、前記強磁性突起52と強磁
性板21相互の接触面に強い吸着力をもたらすように機
能することが予想される。
【0109】(5) 第5実施例に係る留め具 図14〜図16は第5実施例に係る留め具を示すもので
あり、雌留め具A(本実施例では第5実施例に係る雌留
め具A−5として説明する。)、雄留め具B(本実施例
では第5実施例に係る雄留め具B−5として説明す
る。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する
取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0110】本実施例において用いられる雌留め具A−
5は、強磁性の突起部22’としての強磁性突起22
と、強磁性板部21’としての強磁性板21とによって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、他方の磁極面11に凹部13を備え、且つ、この凹
部13の底から他方の磁極面12に貫設された通し穴1
4を備えた永久磁石10とを、ケース30内に取り入
れ、これを抱持一体になすと共に、前記強磁性板21の
面に、脚部材40を前記強磁性突起22を用いて一体に
止着した構成としている。
【0111】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、この磁極面11の外周部
と、該永久磁石10の周側面15との間が曲面状の面取
り面16としてあると共に、この磁極面11には、該磁
極面11から略垂直に落ち込み且つ底面が平らな凹部1
3を、また、この凹部13の底から他方の磁極面12に
貫通されている通し穴14を備えた構成としてあり、所
謂、円形の環板状をなす永久磁石10の円形をなす通し
穴14と同心状の円形の凹部13とを、該環板状をなす
永久磁石10の一方の磁極面11の側に設けた構成とし
てある。この結果、この雌留め具A−5を構成する永久
磁石10は、その一方の磁極面11が、凹部13の外側
に構成される環状面としての第1の磁極面11’と、こ
の第1の磁極面11’の内側にあって、該磁極面11か
ら垂直に落し込み形成されている凹部13の底面として
構成される環状の面をなす第2の磁極面11”とを備
え、この第2の磁極面11”と他方の磁極面12との間
を連通するように通し穴14が設けられていると共に、
前記第1の磁極面11’の外周部分に面取り面16が設
けられた構成とされている。
【0112】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’と、この
強磁性板部21’から前記永久磁石10の通し穴14内
に起立する強磁性の突起部22’とを備えており、この
突起部22’は、雌留め具A−5として構成される通し
穴から上方に、その頂部側が突き出ない起立寸法に構成
してある。特に、この実施例において用いられる強磁性
部材20は、前記強磁性板部21’を構成する円形の強
磁性板21と、これに取付けられ且つ前記強磁性の突起
部22’として機能する強磁性突起22とを備えた構成
としてあると共に、この強磁性突起22の小径桿部22
bを用いて、脚部材40を一体に組付けられた構成とし
てある。
【0113】即ち、前記強磁性板21に取付けられる強
磁性突起22を、前記永久磁石10の通し穴14内に起
立し、且つ、構成される雌留め具A−5における通し穴
から、その頂部側が突き出ない形状、寸法からなる短寸
円柱状の大径桿部22aと、この大径桿部22aと同一
軸線上にあり、且つ前記強磁性板21の中心に開設され
た円形の孔21aに挿通される短寸円柱状の小径桿部2
2bとを備えた構成とし、且つ、該大径桿部22aの頂
端面を、追って説明する雄留め具Bにおける強磁性の突
起部52’に対して都合良く吸着できる形状、例えば図
示例におけるように比較的平らな面として構成してい
る。
【0114】ここで構成される雌留め具A−5の強磁性
部材20には、前記強磁性突起22を用いて脚部材40
を一体に止着してある。この脚部材40は、前記強磁性
板21の面に添装される略円形の座板部41と、この座
板部41の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片42、42とを備えた構成として
あり、前記座板部41の略中央に、前記強磁性突起22
の小径桿部22bの挿通される円形の孔41aを有す
る。かかる構成からなる脚部材40を、該脚部材40に
おける孔41aを前記強磁性板21の孔21aに連通さ
せるように該強磁性板21に添装すると共に、この脚部
材40の取付け側と反対の側から、前記強磁性突起22
の小径桿部22bを該孔21a、41aに挿通し、該強
磁性突起22における大径桿部22aを該強磁性板21
の面に当接した状態で、脚部材40の座板部41の孔4
1aから突き出している該小径桿部22bの突き出し端
を、この座板部41の面に圧潰することによって、これ
らの各部材を一体に止着してある。
【0115】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20とを抱持一体に組付けるケース30は、典型
的には真鍮などの非磁性のケース30として用意されて
いるが、このケース30を、例えばステンレススチール
などの難磁性材料で構成してあっても良く、また、鉄板
などの強磁性材料で構成してあっても良い。また、一部
をプラスチックなどの非磁性材で構成し、他の部分を鉄
などの強磁性材で構成してあっても良い。
【0116】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設した際に、この永久磁石10の磁極
面11と、これに続く永久磁石10の周側面15と、強
磁性板21の周側面21bとを覆う形状の、所謂、上面
板部37と周側板部36とを備えた下面開口の円形の容
器形状としてあると共に、このケース30を構成する周
側板部36の下縁、即ち、開口縁35に係止爪34、3
4…が延設状に突設してある。
【0117】また、該ケース30の上面31は、この上
面31を構成する上面板部37が、その外周部分から、
周側板部36に向けて傾斜する曲面37aを備えた構成
としてあると共に、その外縁より、所定間隔相当分内側
にある位置、即ち。前記の永久磁石10における第1の
磁極面11’の略内側に相当する位置から、該永久磁石
10の通し穴14の上縁に至る傾斜面39が備えられた
構成としてある。即ち、前記第1の磁極面11’の内側
位置にあって、その円周方向に向けて、折り曲げ傾斜さ
れた環状傾斜面としての傾斜面39が構成されていると
共に、この傾斜面39の内側に通し穴33が設けられて
いる。この傾斜面39は、ケース30の円形の上面に対
して、略同心状に構成してある円形の環状傾斜面とされ
ていると共に、この円形の傾斜面39の略中心に、該環
状傾斜面39に対して略同心状の円形の通し穴33を、
前記傾斜面39を構成している上面板部37を垂下状に
折り曲げ、これを短寸円筒状の鍔部38とすることによ
って構成している。尚、ここで構成される通し穴33及
び、これを構成するための短寸円筒状の鍔部38は、前
記永久磁石10の通し穴14よりも直径を小さく構成し
てあり、この通し穴14内に、該鍔部38が収まると共
に、この鍔部38の下端が、強磁性板21の面に届かな
い構成とし、結果的に、通し穴14と、通し穴33とが
連通する構成としてある。
【0118】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10の第1の磁極面11’を構成する環状凸部
を、該環状凸部の外周縁に備えられる面取り面16を、
ケ−ス30における曲面37aに沿わせるようにして、
該ケース30の上面31における外周側、即ち、該曲面
37aと前記傾斜面39の折曲縁との間にある環状の収
納部分に収め、且つ、該ケ−ス30における鍔部38が
該永久磁石10の通し穴14内に位置するように組み付
ける。また、この永久磁石10の組入れと同時に、該永
久磁石10の磁極面12に対して、前記脚部材40の取
付けられた強磁性部材20を吸着しておき、この強磁性
部材20を構成する強磁性板21の周側面21bにある
ケース30の周側板部36から延びる係止爪34を、強
磁性板21における永久磁石10に吸着されていない側
の面に折り曲げることによって、当該強磁性部材20と
前記永久磁石10とを該ケース30によって抱持、一体
としている。
【0119】かくして構成される雌留め具A−5は、図
15に示されるように、この雌留め具A−5における雄
留め具Bの吸着側に傾斜面39を備え、且つ、この傾斜
面39の下方に永久磁石10の凹部13として構成され
る第2の磁極面11”を備えた構成とされ、この磁極面
11”と、ケ−ス30の傾斜面39との間に磁気的間隙
tを構成している。また、この傾斜面39の下端から、
永久磁石10の他方の磁極面12に向けて設けられてい
る通し穴から前記強磁性突起22が上方に突き出ない構
成、即ち、雌留め具A−5において永久磁石10とケ−
ス30とによって構成される通し穴の上縁から上方に、
強磁性突起22が突き出ない構成としてある。
【0120】かかる構成からなる雌留め具A−5は、図
16に示されるように、例えばハンドバッグの本体側の
構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40の
脚片42を挿通し、この取付け対象物Hから突き出され
た該脚片42を該取付け対象物Hに添装される座金45
のスリット45aに挿通して、これを該座金45の面に
折り曲げることによって取付け用いる。
【0121】次いで、前記雌留め具A−5に吸着される
雄留め具B−5は、強磁性板部51’としての円形の強
磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の突起
部52’とされる強磁性突起52と、この強磁性突起5
2によって該強磁性板51に止着される脚部材60とで
構成してある。
【0122】この強磁性板51に取付けられる強磁性突
起52は、該強磁性板51に設けられている円形の孔5
1aと、脚部材60に設けられている円形の孔61aに
挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、この小
径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留め具
A−5の通し穴内において、前記強磁性突起22に接
触、吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを備
えた構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面を、
前記突起22に対して都合良く吸着できる形状、例え
ば、図示例におけるように比較的平らな面として構成し
ている。
【0123】ここで構成される雄留め具B−5の強磁性
部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材60
を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁性
板51の面に添装される略円形の座板部61と、この座
板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成として
あり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起52
の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備えた
構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、該
脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔5
1aに連通させるように該強磁性板51に添装すると共
に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記強
磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61aに
挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを該
強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座板
部61の孔61aから突き出している該小径桿部52b
の突き出し端を、この座板部61の面に圧潰することに
よって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0124】かかる構成からなる雄留め具B−5は、図
16に示されるように、取付け対象物H、例えば、ハン
ドバッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A
−5に対して、雄留め具B−5における強磁性突起52
が、この雌留め具A−5の通し穴14内にある強磁性突
起22に都合良く接触、吸着する位置にある取付け対象
物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片62を挿
通し、この取付け対象物Hから突き出ている該脚片62
を、この取付け対象物Hに添装される座金65のスリッ
ト65aに挿通し、これを該座金65の面に折り曲げる
ことによって取付け用いる。
【0125】かくして構成される雌留め具A−5にあっ
ては、図15に示すように、雄留め具B−5を該雌留め
具A−5から分離した際に、磁極面11の外周縁部11
a、即ち、前記の環状面としての第1の磁極面11’の
外側の円周方向の縁、特に、面取り面16の内側の縁
と、強磁性部材20の強磁性板21における周側面21
bとの間に磁束密度の高い磁場を、また、この第1の磁
極面11’の内側の円周方向の縁、即ち、凹部13の落
し込み上縁部13bと強磁性突起22との間に磁束密度
の高い磁場を、さらに、凹部13と、通し穴14とのな
す縁部13a、即ち、環状面として構成される第2の磁
極面11”の内側の円周方向の縁と、強磁性突起22と
の間に磁束密度の高い磁場を形成しており、前記外周縁
部11aと周側面21bとの間に磁場を構成する磁束
は、他の磁場を構成する磁束に相当する磁束分少なくな
る。
【0126】この結果、前記外周縁部11aと該周側面
21bとの間に生ずる磁場が、極端に強い磁気を有する
こととならず、永久磁石10からの漏れ磁束による弊害
を極力抑制することができる。また、かかる状態で、雄
留め具B−5を、雌留め具A−5に近づけた場合、前記
落し込み上縁部13bと強磁性突起22との間にある磁
場を構成している磁気が、該雄留め具B−5における強
磁性突起52を凹部13内に強く吸引するように作用
し、更に、縁部13aと強磁性突起22との間にある磁
場を構成している磁気が、前記突起52を通し穴14内
に吸引するように作用し、結果的に、雌雄留め具の吸
着、係合を円滑且つ確実になすことができる。また、こ
の突起52は、永久磁石10の第2の磁極面11”に対
して、磁気的間隙tを隔てて吸引されることから、ケ−
ス30の傾斜面39に吸着することなく、雌留め具とし
て構成される通し穴内の強磁性突起22に向けて、滑ら
かに案内移動される特長を有している。
【0127】次いで、雌雄留め具を図16に示す吸着の
状態とした場合、永久磁石10の有する磁気が、夫々の
強磁性板21、51と、これら相互を連接する強磁性突
起22、52とによって磁気抵抗の少ない磁気路を構成
し、結果的に、強磁性突起22、52相互の接触面に強
い吸着力を生ずるように作用し、特に、この場合、雌留
め具A−5を構成している永久磁石10は、前記の外周
縁部11aと周側面21bとの間に生ずる磁場を構成す
る磁束量が相対的に減じられていることから、雌雄留め
具を吸着状態にした際にあっても、磁極面11の外周縁
部11aから強磁性板21の周側面21bに向けた漏れ
磁束が少なく、この結果、前記強磁性突起22、52相
互の接触面に強い吸着力をもたらすように機能すること
が予想される。
【0128】(6) 第6実施例に係る留め具 図17〜図19は第6実施例に係る留め具を示すもので
あり、雌留め具A(本実施例では第6実施例に係る雌留
め具A−6として説明する。)、雄留め具B(本実施例
では第6実施例に係る雄留め具B−6として説明す
る。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する
取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0129】本実施例において用いられる雌留め具A−
6は、強磁性板部21’としての強磁性板21によって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、他方の磁極面11に凹部13を備え、且つ、この凹
部13の底から他方の磁極面12に貫設された通し穴1
4を備えた永久磁石10と前記強磁性板21の面に添装
される脚部材40における座板部41’とをケース30
内に取り入れて、これを抱持一体に構成している。
【0130】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、この磁極面11の外周部
と、該永久磁石10の周側面15との間が曲面状の面取
り面16としてあると共に、この磁極面11には、該磁
極面11から略垂直に落ち込み且つ底面が平らな凹部1
3を、また、この凹部13の底から他方の磁極面12に
貫通されている通し穴14を備えた構成としてあり、所
謂、円形の環板状をなす永久磁石10の円形をなす通し
穴14と同心状の円形の凹部13とを、該環板状をなす
永久磁石10の一方の磁極面11の側に設けた構成とし
てある。この結果、この雌留め具A−6を構成する永久
磁石10は、その一方の磁極面11が、凹部13の外側
に構成される環状面としての第1の磁極面11’と、こ
の第1の磁極面11’の内側にあって、該磁極面11か
ら垂直に落し込み形成されている凹部13の底面として
構成される環状の面をなす第2の磁極面11”とを備
え、この第2の磁極面11”と他方の磁極面12との間
を連通するように通し穴14が設けられていると共に、
前記第1の磁極面11’の外周部分に面取り面16が設
けられた構成とされている。
【0131】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’特に、こ
の実施例において用いられる強磁性部材20は、前記強
磁性板部21’を構成する円形の強磁性板21として構
成してある。
【0132】次いで、この強磁性部材20に添装した状
態で、ケース30によって抱持一体とされる脚部材40
は、この強磁性部材20の強磁性板21と略同一寸法の
円形をなす座板部41’と、脚片42’、42’とより
なっており、この脚片42’は、前記座板部41’に対
して、略垂下状に設けてあると共に、該座板部41’の
周側から切り込まれた一対の切断線によって、該座板部
41’の周側部よりも内側に入った地から折り曲げ形成
されており、且つ、この座板部41’に設けられた切り
込みよりも長寸に形成してあり、互に向き合った一対の
脚片42’、42’としてある。
【0133】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20及び脚部材40の座板部41’とを抱持一体
に組付けるケース30は、典型的には真鍮などの非磁性
のケース30として用意されているが、このケース30
を、例えばステンレススチールなどの難磁性材料で構成
してあっても良く、また、鉄板などの強磁性材料で構成
してあっても良い。また、一部をプラスチックなどの非
磁性材で構成し、他の部分を鉄などの強磁性材で構成し
てあっても良い。
【0134】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設し、更に脚部材40の座板部41’
を該強磁性部材20に添装した際に、この永久磁石10
の磁極面11と、これに続く永久磁石10の周側面15
と、強磁性板21の周側面21bと、座板部41’の周
側面41bとを覆う形状の、所謂、上面板部37と周側
板部36とを備えた下面開口の円形の容器形状としてあ
ると共に、このケース30を構成する周側板部36の下
縁、即ち、開口縁35に係止爪34、34…が延設状に
突設してある。
【0135】また、該ケース30の上面31は、この上
面31を構成する上面板部37が、その外周部分から、
周側板部36に向けて傾斜する曲面37aを備えた構成
としてあると共に、その外縁より、所定間隔相当分内側
にある位置、即ち、前記永久磁石10における第1の磁
極面11’の略内側に相当する位置から、該永久磁石1
0の通し穴14の上縁に至る傾斜面39が備えられた構
成としてある。即ち、前記第1の磁極面11’の内側位
置にあって、その円周方向に向けて、折り曲げ傾斜され
た環状傾斜面としての傾斜面39が構成されていると共
に、この傾斜面39の内側に通し穴33が設けられてい
る。この傾斜面39は、ケース30の円形の上面に対し
て、略同心状に構成してある円形の環状傾斜面とされて
いると共に、この円形の傾斜面39の略中心に、該傾斜
面39に対して略同心状の円形の通し穴33を、該傾斜
面39を構成している上面板部37を略垂下状に折り曲
げ、これを短寸円筒状の鍔部38とすることによって構
成している。尚、ここで構成される通し穴33及び、こ
れを構成するための短寸円筒状の鍔部38は、前記永久
磁石10の通し穴14よりも直径を小さく構成してあ
り、この通し穴14内に、該鍔部38が収まると共に、
この鍔部38の下端が、強磁性板21の面に届かない構
成とし、結果的に、通し穴14と、通し穴33とが連通
する構成としてある。
【0136】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10の第1の磁極面11’を構成する環状凸部
を、該環状凸部の外周縁に備えられる面取り面16をケ
−ス30における曲面37aに沿わせるようにして、該
ケース30の上面31における外周側、即ち、該曲面3
7aと前記傾斜面39の折曲縁との間にある環状の収納
部分に収め、且つ、該ケ−ス30における鍔部38が該
永久磁石10の通し穴14内に位置するようにして組み
付ける。また、この永久磁石10の組入れと同時に、該
永久磁石10の磁極面12に対して、強磁性部材20を
吸着しておき、更に、この強磁性部材20を構成する強
磁性板21に脚部材40の座板部41’を添装すると共
に、前記ケース30の周側板部36から延びる係止爪3
4を、強磁性板21に添装された座板部41’の面に折
り曲げることによって、当該強磁性部材20及び脚部材
40と前記永久磁石10とを該ケース30によって抱
持、一体としている。
【0137】かくして構成される雌留め具A−6は、図
18に示されるように、この雌留め具A−6における雄
留め具Bの吸着側に傾斜面39を備え、且つ、この傾斜
面39の下方に永久磁石10の凹部13として構成され
る第2の磁極面11”を備えた構成とされ、この磁極面
11”と、ケ−ス30の傾斜面39との間に磁気的間隙
tを構成している。また、この傾斜面39の下端から、
永久磁石10の他方の磁極面12に向けて設けられてい
る通し穴内に、強磁性部材20の強磁性板部21’とし
ての強磁性板21の面があらわれる構成としてある。
【0138】かかる構成からなる雌留め具A−6は、図
19に示されるように、例えばハンドバッグの本体側の
構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40の
脚片42’を挿通し、この取付け対象物Hから突き出さ
れた該脚片42’を該取付け対象物Hに添装される座金
45のスリット45aに挿通して、これを該座金45の
面に折り曲げることによって取付け用いる。
【0139】次いで、前記雌留め具A−6に吸着される
雄留め具B−6は、強磁性板部51’としての円形の強
磁性板51と、これに取付けられ、且つ、強磁性の突起
部52’とされる強磁性突起52と、この強磁性突起5
2によって該強磁性板51に止着される脚部材60とで
構成してある。
【0140】この強磁性板51に取付けられる強磁性突
起52は、該強磁性板51に設けられている円形の孔5
1aと、脚部材60に設けられている円形の孔61aに
挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、この小
径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留め具
A−6の通し穴内において、前記強磁性板21に接触、
吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを備えた
構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面を、前記
強磁性板21の面に対して都合良く吸着できる形状、例
えば、図示例におけるように比較的平らな面として構成
している。
【0141】ここで構成される雄留め具B−6の強磁性
部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材60
を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁性
板51の面に添装される略円形の座板部61と、この座
板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成として
あり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起52
の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備えた
構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、該
脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔5
1aに連通させるように該強磁性板51に添装すると共
に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記強
磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61aに
挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを該
強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座板
部61の孔61aから突き出している該小径桿部52b
の突き出し端を、この座板部61の面に圧潰することに
よって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0142】かかる構成からなる雄留め具B−6は、図
19示されるように、取付け対象物H、例えば、ハンド
バッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A−
6に対して、雄留め具B−6における強磁性突起52
が、この雌留め具A−6の通し穴14内にある強磁性板
21の面に都合良く接触、吸着する位置にある取付け対
象物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片62を
挿通し、この取付け対象物Hから突き出ている該脚片6
2を、この取付け対象物Hに添装される座金65のスリ
ット65aに挿通し、これを該座金65の面に折り曲げ
ることによって取付け用いる。
【0143】かくして構成される雌留め具A−6にあっ
ては、図18に示すように、雄留め具B−6を該雌留め
具A−6から分離した際に、磁極面11の外周縁部11
a、即ち、前記の環状面としての第1の磁極面11’の
外側の円周方向の縁、特に、面取り面16の内側の縁
と、強磁性部材20の強磁性板21における周側面21
bとの間に磁束密度の高い磁場を、また、この第1の磁
極面11’の内側の円周方向の縁、即ち、凹部13の落
し込み上縁部13bと磁極面12側にある通し穴14の
穴縁との間に磁束密度の高い磁場を、さらに、凹部13
と、通し穴14とのなす縁部13a、即ち、環状面とし
て構成される第2の磁極面11”の内側の円周方向の縁
と、磁極面12側にある通し穴14の穴縁との間に磁束
密度の高い磁場を形成しており、前記外周縁部11aと
周側面21bとの間に磁場を構成する磁束は、他の磁場
を構成する磁束に相当する磁束分少なくなる。
【0144】この結果、前記外周縁部11aと該周側面
21bとの間に生ずる磁場が、極端に強い磁気を有する
こととならず、永久磁石10からの漏れ磁束による弊害
を極力抑制することができる。また、かかる状態で、雄
留め具B−6を、雌留め具A−6に近づけた場合、前記
落し込み上縁部13bと磁極面12側にある通し穴14
の穴縁との間にある磁場を構成している磁気が、該雄留
め具B−6における強磁性突起52を凹部13内に強く
吸引するように作用し、更に、縁部13aと磁極面12
側にある通し穴14の穴縁との間にある磁場を構成して
いる磁気が、前記突起52を通し穴14内に吸引するよ
うに作用し、結果的に、雌雄留め具の吸着、係合を円滑
且つ確実になすことができる。また、この突起52は、
永久磁石10の第2の磁極面11”に対して、磁気的間
隙tを隔てて吸引されることから、ケ−ス30の傾斜面
39に吸着することなく、雌留め具A−6の通し穴内の
強磁性突起22に向けて、滑らかに案内移動される特長
を有している。
【0145】次いで、雌雄留め具を図19に示す吸着の
状態とした場合、永久磁石10の有する磁気が夫々の強
磁性板21、51と、これら相互を連接する強磁性突起
52とによって磁気抵抗の少ない磁気路を構成し、結果
的に、強磁性突起52と強磁性板21相互の接触面に強
い吸着力を生ずるように作用し、特に、この場合、雌留
め具A−6を構成している永久磁石10は、前記の外周
縁部11aと周側面21bとの間に生ずる磁場を構成す
る磁束量が相対的に減じられていることから、雌雄留め
具を吸着状態にした際にあっても、磁極面11の外周縁
部11aから強磁性板21の周側面21bに向けた漏れ
磁束が少なく、この結果、前記強磁性突起52と強磁性
板21相互の接触面に強い吸着力をもたらすように機能
することが予想される。
【0146】(7) 第7実施例に係る留め具 図20〜図22は第7実施例に係る留め具を示すもので
あり、雌留め具A(本実施例では第7実施例に係る雌留
め具A−7として説明する。)、雄留め具B(本実施例
では第7実施例に係る雄留め具B−7として説明す
る。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する
取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0147】本実施例において用いられる雌留め具A−
7は、強磁性の突起部22’としての強磁性突起22
と、強磁性板部21’としての強磁性板21とによって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、他方の磁極面11に凹部13を備え、且つ、この凹
部13の底から他方の磁極面12に貫設された通し穴1
4を備えた永久磁石10とを、ケース30内に取り入
れ、これを抱持一体になすと共に、前記強磁性板21の
面に、脚部材40を前記強磁性突起22を用いて一体に
止着した構成としている。
【0148】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、該面から略垂直に落ち込み
且つ底面が平らな凹部13を、また、この凹部13の底
から他方の磁極面12に貫通されている通し穴14を備
えた構成としてあり、所謂、円形の環板状をなす永久磁
石10の円形をなす通し穴14と同心状の円形の凹部1
3とを、該環板状をなす永久磁石10の一方の磁極面1
1の側に設けた構成としてある。この結果、この雌留め
具A−7を構成する永久磁石10は、その一方の磁極面
11が、凹部13の外側に構成される環状面としての第
1の磁極面11’と、この第1の磁極面11’の内側に
あって、該磁極面11から垂直に落し込み形成されてい
る凹部13の底面として構成される環状の面をなす第2
の磁極面11”とを備え、この第2の磁極面11”と他
方の磁極面12との間を連通するように通し穴14が設
けられている。
【0149】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’と、この
強磁性板部21’から前記永久磁石10の通し穴14内
に起立する強磁性の突起部22’とを備えており、この
突起部22’は、雌留め具A−7として構成される通し
穴から上方に、その頂部側が突き出ない起立寸法に構成
してある。特に、この実施例において用いられる強磁性
部材20は、前記強磁性板部21’を構成する円形の強
磁性板21と、これに取付けられ且つ前記強磁性の突起
部22’として機能する強磁性突起22とを備えた構成
としてあると共に、この強磁性突起22の小径桿部22
bを用いて、脚部材40を一体に組付けられた構成とし
てある。
【0150】即ち、前記強磁性板21に取付けられる強
磁性突起22を、前記永久磁石10の通し穴14内に起
立し、且つ、構成される雌留め具A−7における通し穴
から、その頂部側が突き出ない形状、寸法からなる短寸
円柱状の大径桿部22aと、この大径桿部22aと同一
軸線上にあり、且つ前記強磁性板21の中心に開設され
た円形の孔21aに挿通される短寸円柱状の小径桿部2
2bとを備えた構成とし、且つ、該大径桿部22aの頂
端面を、追って説明する雄留め具Bにおける強磁性の突
起部52’に対して都合良く吸着できる形状、例えば図
示例におけるように比較的平らな面として構成してい
る。
【0151】ここで構成される雌留め具A−7の強磁性
部材20には、前記強磁性突起22を用いて脚部材40
を一体に止着してある。この脚部材40は、前記強磁性
板21の面に添装される略円形の座板部41と、この座
板部41の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片42、42とを備えた構成として
あり、前記座板部41の略中央に、前記強磁性突起22
の小径桿部22bの挿通される円形の孔41aを有す
る。かかる構成からなる脚部材40を、該脚部材40に
おける孔41aを前記強磁性板21の孔21aに連通さ
せるように該強磁性板21に添装すると共に、この脚部
材40の取付け側と反対の側から、前記強磁性突起22
の小径桿部22bを該孔21a、41aに挿通し、該強
磁性突起22における大径桿部22aを該強磁性板21
の面に当接した状態で、脚部材40の座板部41の孔4
1aから突き出している該小径桿部22bの突き出し端
を、この座板部41の面に圧潰することによって、これ
らの各部材を一体に止着してある。
【0152】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20とを抱持一体に組付けるケース30は、典型
的には真鍮などの非磁性のケース30として用意されて
いるが、このケース30を、例えばステンレススチール
などの難磁性材料で構成してあっても良く、また、鉄板
などの強磁性材料で構成してあっても良い。また、一部
をプラスチックなどの非磁性材で構成し、他の部分を鉄
などの強磁性材で構成してあっても良い。
【0153】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設した際に、この永久磁石10の磁極
面11と、これに続く永久磁石10の周側面15と、強
磁性板21の周側面21bとを覆う形状の、所謂、上面
板部37と周側板部36とを備えた下面開口の円形の容
器形状としてあると共に、このケース30を構成する周
側板部36の下縁、即ち、開口縁35に係止爪34、3
4…が延設状に突設してある。
【0154】次いで、該ケース30は、その上面31の
側に、該上面31の外周縁から上方に突き出す環状をな
す突縁70を備え、この円環状をなす突縁70の内側
に、雄留め具Bにおける強磁状板51の収まる円形凹部
状の吸着面としての第1の凹部71が構成されていると
共に、この吸着面としての第1の凹部71の略中央部分
が円形凹部状に陥設された第2の凹部32として構成し
てあり、この第2の凹部32の略中央部分に通し穴33
が構成してある。
【0155】即ち、ケース30の上面31を構成する上
面板部37は、周側板部36が上方に延設された後、板
部相互を密着した状態で、内方に折り返されて、この上
面31の外周縁に沿って環状の突縁70を構成し、次い
で、この折り返された突縁70の下端が、該上面31の
内方に向けて略水平に折り曲げられ、ここに円形の第1
の凹部71を構成すると共に、この上面31の外周縁よ
り、所定間隔相当分内側にある位置で、該上面板部37
を略直角の状態、即ち、垂下状に折り曲げ、且つ、この
折り曲げ下端を該上面31の内方に向けて略水平に再度
屈曲することによって、この第1の凹部71の内側に、
この凹部71と同心状の且つ、前記永久磁石10の凹部
13内に収まる円形の第2の凹部32を構成している。
この凹部70及び32は、ケース30の円形の上面31
に対して、略同心状に構成してあると共に、この円形の
凹部32の略中心に、該凹部32に対して略同心状の円
形の通し穴33を、前記凹部32を構成している上面板
部37を略直角の状態、即ち、垂下状に折り曲げ、これ
を短寸円筒状の鍔部38とすることのよって構成してい
る。尚、ここで構成される通し穴33及び、これを構成
するための短寸円筒状の鍔部38は、前記永久磁石10
の通し穴14よりも直径を小さく構成してあり、この通
し穴14内に、該鍔部38が収まると共に、この鍔部3
8の下端が、強磁性板21の面に届かない構成とし、結
果的に、通し穴14と、通し穴33とが連通する構成と
してある。
【0156】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10の第1の磁極面11’を構成する環状凸部
が、該ケース30の上面31における外周側にある環状
の収納部分に収まるようになすと共に、永久磁石10の
凹部13の底面として構成される第2の磁極面11”
が、該ケース30の上面31における凹部32の内側面
に沿うように、該永久磁石10を組み入れる。また、こ
の永久磁石10の組入れと同時に、該永久磁石10の磁
極面12に対して、前記脚部材40の取付けられた強磁
性部材20を吸着しておき、この強磁性部材20を構成
する強磁性板21の周側面21bにあるケース30の周
側板部36から延びる係止爪34を、強磁性板21にお
ける永久磁石10に吸着されていない側の面に折り曲げ
ることによって、当該強磁性部材20と前記永久磁石1
0とを該ケース30によって抱持、一体としている。
【0157】かくして構成される雌留め具A−7は、図
21に示されるように、この雌留め具A−7における雄
留め具Bの吸着側に凹部を備えた構成とされていると共
に、この凹部の底から、永久磁石10の他方の磁極面1
2に向けて設けられている通し穴から、強磁性突起22
が上方に突き出ない構成、即ち、雌留め具A−7におい
て構成される凹部の底面のなす面よりも、強磁性突起2
2が上方に突き出ない構成としてある。
【0158】かかる構成からなる雌留め具A−7は、図
22に示されるように、例えばハンドバッグの本体側の
構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40の
脚片42を挿通し、この取付け対象物Hから突き出され
た該脚片42を該取付け対象物Hに添装される座金45
のスリット45aに挿通して、これを該座金45の面に
折り曲げることによって取付け用いる。
【0159】次いで、前記雌留め具A−7に吸着される
雄留め具B−7は、強磁性板部51’としての円形の且
つ、前記雌留め具A−7の第1の凹部71内において該
雌留め具A−7に吸着される強磁性板51と、これに取
付けられ、且つ、強磁性の突起部52’とされる強磁性
突起52と、この強磁性突起52によって該強磁性板5
1に止着される脚部材60とで構成してある。
【0160】この強磁性板51に取付けられる強磁性突
起52は、該強磁性板51に設けられている円形の孔5
1aと、脚部材60に設けられている円形の孔61aに
挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、この小
径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留め具
A−7の通し穴内において、前記強磁性突起22に接
触、吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを備
えた構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面を、
前記突起22に対して都合良く吸着できる形状、例え
ば、図示例におけるように比較的平らな面として構成し
ている。
【0161】ここで構成される雄留め具B−7の強磁性
部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材60
を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁性
板51の面に添装される略円形の座板部61と、この座
板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成として
あり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起52
の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備えた
構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、該
脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔5
1aに連通させるように該強磁性板51に添装すると共
に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記強
磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61aに
挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを該
強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座板
部61の孔61aから突き出している該小径桿部52b
の突き出し端を、この座板部61の面に圧潰することに
よって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0162】かかる構成からなる雄留め具B−7は、図
22に示されるように、取付け対象物H、例えば、ハン
ドバッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A
−7に対して、雄留め具B−7における強磁性突起52
が、この雌留め具A−7の通し穴14内にある強磁性突
起22に都合良く接触、吸着する位置にある取付け対象
物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片62を挿
通し、この取付け対象物Hから突き出ている該脚片62
を、この取付け対象物Hに添装される座金65のスリッ
ト65aに挿通し、これを該座金65の面に折り曲げる
ことによって取付け用いる。
【0163】かくして構成される雌留め具A−7にあっ
ては、図21に示すように、雄留め具B−7を該雌留め
具A−7から分離した際に、磁極面11の外周縁部11
a、即ち、前記の環状面としての第1の磁極面11’の
外側の円周方向の縁と、強磁性部材20の強磁性板21
における周側面21bとの間に磁束密度の高い磁場を、
また、この第1の磁極面11’の内側の円周方向の縁、
即ち、凹部13の落し込み上縁部13bと強磁性突起2
2との間に磁束密度の高い磁場を、さらに、凹部13
と、通し穴14とのなす縁部13a、即ち、環状面とし
て構成される第2の磁極面11”の内側の円周方向の縁
と、強磁性突起22との間に磁束密度の高い磁場を形成
しており、前記外周縁部11aと周側面21bとの間に
磁場を構成する磁束は、他の磁場を構成する磁束に相当
する磁束分少なくなる。
【0164】この結果、前記外周縁部11aと該周側面
21bとの間に生ずる磁場が、極端に強い磁気を有する
こととならず、永久磁石10からの漏れ磁束による弊害
を極力抑制することができる。更に、雌留め具A−7の
吸着面側に、前記の突縁70を設けることによって、永
久磁石10からの漏れ磁束による弊害を更に効果的に防
止できる構成としている。また、かかる状態で、雄留め
具B−7を、雌留め具A−7に近づけた場合、前記落し
込み上縁部13bと強磁性突起22との間にある磁場を
構成している磁気が、該雄留め具B−7における強磁性
突起52を凹部13内に強く吸引するように作用し、更
に、縁部13aと強磁性突起22との間にある磁場を構
成している磁気が、前記突起52を通し穴14内に吸引
するように作用し、結果的に、雌雄留め具の吸着、係合
を円滑且つ確実になすことができる。
【0165】次いで、雌雄留め具を図22に示す吸着の
状態とした場合、永久磁石10の有する磁気が、夫々の
強磁性板21、51と、これら相互を連接する強磁性突
起22、52とによって磁気抵抗の少ない磁気路を構成
し、結果的に、強磁性突起22、52相互の接触面に強
い吸着力を生ずるように作用し、特に、この場合、雌留
め具A−7を構成している永久磁石10は、前記の外周
縁部11aと周側面21bとの間に生ずる磁場を構成す
る磁束量が相対的に減じられていることから、雌雄留め
具を吸着状態にした際にあっても、磁極面11の外周縁
部11aから強磁性板21の周側面21bに向けた漏れ
磁束が少なく、この結果、前記強磁性突起22、52相
互の接触面に強い吸着力をもたらすように機能すること
が予想される。
【0166】(8) 第8実施例に係る留め具 図23〜図25は第8実施例に係る留め具を示すもので
あり、雌留め具A(本実施例では第8実施例に係る雌留
め具A−8として説明する。)、雄留め具B(本実施例
では第8実施例に係る雄留め具B−8として説明す
る。)と、これら雌雄留め具の取付け対象物Hに対する
取付け手段及び当該取付け対象物Hとを示している。
【0167】本実施例において用いられる雌留め具A−
8は、強磁性の突起部22’としての強磁性突起22
と、強磁性板部21’としての強磁性板21とによって
構成される強磁性部材20と、厚さ方向に着磁され、且
つ、他方の磁極面11に凹部13を備え、且つ、この凹
部13の底から他方の磁極面12に貫設された通し穴1
4を備えた永久磁石10とを、ケース30内に取り入
れ、これを抱持一体になすと共に、前記強磁性板21の
面に、脚部材40を前記強磁性突起22を用いて一体に
止着した構成としている。
【0168】先ず、ここで用いられる永久磁石10は、
厚さ方向に着磁された円形の環板状をなす永久磁石であ
って、一方の磁極面11に、該面から略垂直に落ち込み
且つ底面が平らな凹部13を、また、この凹部13の底
から他方の磁極面12に貫通されている通し穴14を備
えた構成としてあり、所謂、円形の環板状をなす永久磁
石10の円形をなす通し穴14と同心状の円形の凹部1
3とを、該環板状をなす永久磁石10の一方の磁極面1
1の側に設けた構成としてある。この結果、この雌留め
具A−8を構成する永久磁石10は、その一方の磁極面
11が、凹部13の外側に構成される環状面としての第
1の磁極面11’と、この第1の磁極面11’の内側に
あって、該磁極面11から垂直に落し込み形成されてい
る凹部13の底面として構成される環状の面をなす第2
の磁極面11”とを備え、この第2の磁極面11”と他
方の磁極面12との間を連通するように通し穴14が設
けられている。
【0169】かかる構成からなる永久磁石10の磁極面
12に対して取付けられる強磁性部材20は、前記永久
磁石10の磁極面12の面にあって、この磁極面12に
おける磁気の磁場を構成する強磁性板部21’と、この
強磁性板部21’から前記永久磁石10の通し穴14内
に起立する強磁性の突起部22’とを備えており、この
突起部22’は、雌留め具A−8として構成される通し
穴から上方に、その頂部側が突き出ない起立寸法に構成
してある。特に、この実施例において用いられる強磁性
部材20は、前記強磁性板部21’を構成する円形の強
磁性板21と、これに取付けられ且つ前記強磁性の突起
部22’として機能する強磁性突起22とを備えた構成
としてあると共に、この強磁性突起22の小径桿部22
bを用いて、脚部材40を一体に組付けられた構成とし
てある。
【0170】即ち、前記強磁性板21に取付けられる強
磁性突起22を、前記永久磁石10の通し穴14内に起
立し、且つ、構成される雌留め具A−8における通し穴
から、その頂部側が突き出ない形状、寸法からなる短寸
円柱状の大径桿部22aと、この大径桿部22aと同一
軸線上にあり、且つ前記強磁性板21の中心に開設され
た円形の孔21aに挿通される短寸円柱状の小径桿部2
2bとを備えた構成とし、且つ、該大径桿部22aの頂
端面を、追って説明する雄留め具Bにおける強磁性の突
起部52’に対して都合良く吸着できる形状、例えば図
示例におけるように比較的平らな面として構成してい
る。
【0171】ここで構成される雌留め具A−8の強磁性
部材20には、前記強磁性突起22を用いて脚部材40
を一体に止着してある。この脚部材40は、前記強磁性
板21の面に添装される略円形の座板部41と、この座
板部41の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片42、42とを備えた構成として
あり、前記座板部41の略中央に、前記強磁性突起22
の小径桿部22bの挿通される円形の孔41aを有す
る。かかる構成からなる脚部材40を、該脚部材40に
おける孔41aを前記強磁性板21の孔21aに連通さ
せるように該強磁性板21に添装すると共に、この脚部
材40の取付け側と反対の側から、前記強磁性突起22
の小径桿部22bを該孔21a、41aに挿通し、該強
磁性突起22における大径桿部22aを該強磁性板21
の面に当接した状態で、脚部材40の座板部41の孔4
1aから突き出している該小径桿部22bの突き出し端
を、この座板部41の面に圧潰することによって、これ
らの各部材を一体に止着してある。
【0172】かかる構成からなる永久磁石10と、強磁
性部材20とを抱持一体に組付けるケース30は、典型
的には真鍮などの非磁性のケース30として用意されて
いるが、このケース30を、例えばステンレススチール
などの難磁性材料で構成してあっても良く、また、鉄板
などの強磁性材料で構成してあっても良い。また、一部
をプラスチックなどの非磁性材で構成し、他の部分を鉄
などの強磁性材で構成してあっても良い。
【0173】ここで用いられるケース30は、前記永久
磁石10と、この永久磁石10の磁極面12に対して強
磁性部材20を添設した際に、この永久磁石10の磁極
面11と、これに続く永久磁石10の周側面15と、強
磁性板21の周側面21bとを覆う形状の、所謂、上面
板部37と周側板部36とを備えた下面開口の円形の容
器形状としてあると共に、このケース30を構成する周
側板部36の下縁、即ち、開口縁35に係止爪34、3
4…が延設状に突設してある。
【0174】次いで、該ケース30は、その上面31の
側に、該上面31の外周縁から上方に突き出す環状をな
す突縁70を備え、この円環状をなす突縁70の内側
に、雄留め具Bにおける強磁状板51の収まる円形凹部
状の吸着面としての凹部71が構成されていると共に、
この吸着面としての凹部71の略中央部分が永久磁石1
0の通し穴14の上縁に至る傾斜面39として構成して
あり、この傾斜面39の略中央部分に通し穴33が構成
してある。
【0175】即ち、ケース30の上面31を構成する上
面板部37は、周側板部36が上方に延設された後、板
部相互を密着した状態で、内方に折り返されて、この上
面31の外周縁に沿って環状の突縁70を構成し、次い
で、この折り返された突縁70の下端が、該上面31の
内方に向けて略水平に折り曲げられ、ここに円形の凹部
71を構成すると共に、この上面31の外周縁より、所
定間隔相当分内側にある位置で、該上面板部37を屈曲
し、通し穴33に到る円環状をなす傾斜面39としてい
る。この凹部70及び傾斜部39は、ケース30の円形
の上面31に対して、略同心状に構成してあると共に、
この円環状をなす傾斜面39の略中心に、該傾斜面39
に対して略同心状の円形の通し穴33を、前記傾斜面3
9を構成している上面板部37を略垂下状に折り曲げ、
これを短寸円筒状の鍔部38とすることのよって構成し
ている。尚、ここで構成される通し穴33及び、これを
構成するための短寸円筒状の鍔部38は、前記永久磁石
10の通し穴14よりも直径を小さく構成してあり、こ
の通し穴14内に、該鍔部38が収まると共に、この鍔
部38の下端が、強磁性板21の面に届かない構成と
し、結果的に、通し穴14と、通し穴33とが連通する
構成としてある。
【0176】かかる構成からなるケース30に対して、
永久磁石10の第1の磁極面11’を構成する環状凸部
が、該ケース30の上面31における外周側にある環状
の収納部分に収め、且つ該ケース30における鍔部38
が該永久磁石10の通し穴14内に位置するように組み
付ける。また、この永久磁石10の組入れと同時に、該
永久磁石10の磁極面12に対して、前記脚部材40の
取付けられた強磁性部材20を吸着しておき、この強磁
性部材20を構成する強磁性板21の周側面21bにあ
るケース30の周側板部36から延びる係止爪34を、
強磁性板21における永久磁石10に吸着されていない
側の面に折り曲げることによって、当該強磁性部材20
と前記永久磁石10とを該ケース30によって抱持、一
体としている。
【0177】かくして構成される雌留め具A−8は、図
24に示されるように、この雌留め具A−8における雄
留め具Bの吸着側に凹部71と傾斜面39とを備え、且
つ、この傾斜面39の下方に永久磁石10の凹部13と
して構成される第2の磁極面11″を備えた構成とさ
れ、この磁極面11″と、ケース30の傾斜面39との
間に磁気的間隙tを構成している、また、この傾斜面3
9の下端より、永久磁石10の他方の磁極面12に向け
て設けられている通し穴から、前記強磁性突起22が上
方に突き出ない構成、即ち、雌留め具A−8において構
成される通し穴の上縁から、強磁性突起22が上方に突
き出ない構成としてある。
【0178】かかる構成からなる雌留め具A−8は、図
25に示されるように、例えばハンドバッグの本体側の
構成皮生地などの取付け対象物Hに、前記脚部材40の
脚片42を挿通し、この取付け対象物Hから突き出され
た該脚片42を該取付け対象物Hに添装される座金45
のスリット45aに挿通して、これを該座金45の面に
折り曲げることによって取付け用いる。
【0179】次いで、前記雌留め具A−8に吸着される
雄留め具B−8は、強磁性板部51’としての円形の且
つ、前記雌留め具A−8の第1の凹部71内において該
雌留め具A−8に吸着される強磁性板51と、これに取
付けられ、且つ、強磁性の突起部52’とされる強磁性
突起52と、この強磁性突起52によって該強磁性板5
1に止着される脚部材60とで構成してある。
【0180】この強磁性板51に取付けられる強磁性突
起52は、該強磁性板51に設けられている円形の孔5
1aと、脚部材60に設けられている円形の孔61aに
挿通される短寸円柱状をなす小径桿部52bと、この小
径桿部52bと同一軸線上にあり、しかも前記雌留め具
A−8の通し穴内において、前記強磁性突起22に接
触、吸着される短寸円柱状をなす大径桿部52aとを備
えた構成としてあり、この大径桿部52aの頂端面を、
前記突起22に対して都合良く吸着できる形状、例え
ば、図示例におけるように比較的平らな面として構成し
ている。
【0181】ここで構成される雄留め具B−8の強磁性
部材50には、前記強磁性突起52を用いて脚部材60
を一体に止着してある。この脚部材60は、前記強磁性
板51の面に添装される略円形の座板部61と、この座
板部61の周側縁から、略直角に折曲げ延設された互に
向き合った一対の脚片62、62とを備えた構成として
あり、前記座板部61の略中央に、前記強磁性突起52
の小径桿部52bの挿通される円形の孔61aを備えた
構成としてある。かかる構成からなる脚部材60を、該
脚部材60における孔61aを前記強磁性板51の孔5
1aに連通させるように該強磁性板51に添装すると共
に、この脚部材60の取付け側と反対の側から、前記強
磁性突起52の小径桿部52bを該孔51a、61aに
挿通し、該強磁性突起52における大径桿部52aを該
強磁性板51の面に当接した状態で、脚部材60の座板
部61の孔61aから突き出している該小径桿部52b
の突き出し端を、この座板部61の面に圧潰することに
よって、これらの各部材を一体に止着してある。
【0182】かかる構成からなる雄留め具B−8は、図
25に示されるように、取付け対象物H、例えば、ハン
ドバッグの本体側に取付けられている前記の雌留め具A
−8に対して、雄留め具B−8における強磁性突起52
が、この雌留め具A−8の通し穴14内にある強磁性突
起22に都合良く接触、吸着する位置にある取付け対象
物H、例えばハンドバッグの蓋片に、前記脚片62を挿
通し、この取付け対象物Hから突き出ている該脚片62
を、この取付け対象物Hに添装される座金65のスリッ
ト65aに挿通し、これを該座金65の面に折り曲げる
ことによって取付け用いる。
【0183】かくして構成される雌留め具A−8にあっ
ては、図24に示すように、雄留め具B−8を該雌留め
具A−8から分離した際に、磁極面11の外周縁部11
a、即ち、前記の環状面としての第1の磁極面11’の
外側の円周方向の縁と、強磁性部材20の強磁性板21
における周側面21bとの間に磁束密度の高い磁場を、
また、この第1の磁極面11’の内側の円周方向の縁、
即ち、凹部13の落し込み上縁部13bと強磁性突起2
2との間に磁束密度の高い磁場を、さらに、凹部13
と、通し穴14とのなす縁部13a、即ち、環状面とし
て構成される第2の磁極面11”の内側の円周方向の縁
と、強磁性突起22との間に磁束密度の高い磁場を形成
しており、前記外周縁部11aと周側面21bとの間に
磁場を構成する磁束は、他の磁場を構成する磁束に相当
する磁束分少なくなる。
【0184】この結果、前記外周縁部11aと該周側面
21bとの間に生ずる磁場が、極端に強い磁気を有する
こととならず、永久磁石10からの漏れ磁束による弊害
を極力抑制することができる。更に、雌留め具A−8の
吸着面側に、前記の突縁70を設けることによって、永
久磁石10からの漏れ磁束による弊害を更に効果的に防
止できる構成としている。また、かかる状態で、雄留め
具B−8を、雌留め具A−8に近づけた場合、前記落し
込み上縁部13bと強磁性突起22との間にある磁場を
構成している磁気が、該雄留め具B−8における強磁性
突起52を凹部13内に強く吸引するように作用し、更
に、縁部13aと強磁性突起22との間にある磁場を構
成している磁気が、前記突起52を通し穴14内に吸引
するように作用し、結果的に、雌雄留め具の吸着、係合
を円滑且つ確実になすことができる。又、この突起52
は、永久磁石10の第2の磁極面11”に対して磁気的
間隙tを隔てて吸引されることから、ケース30の傾斜
面39に吸着することなく、雄留め具A−8の通し穴内
の強磁性突起22に向けて滑らかに案内移動される特長
を有している。
【0185】次いで、雌雄留め具を図25に示す吸着の
状態とした場合、永久磁石10の有する磁気が、夫々の
強磁性板21、51と、これら相互を連接する強磁性突
起22、52とによって磁気抵抗の少ない磁気路を構成
し、結果的に、強磁性突起22、52相互の接触面に強
い吸着力を生ずるように作用し、特に、この場合、雌留
め具A−8を構成している永久磁石10は、前記の外周
縁部11aと周側面21bとの間に生ずる磁場を構成す
る磁束量が相対的に減じられていることから、雌雄留め
具を吸着状態にした際にあっても、磁極面11の外周縁
部11aから強磁性板21の周側面21bに向けた漏れ
磁束が少なく、この結果、前記強磁性突起22、52相
互の接触面に強い吸着力をもたらすように機能すること
が予想される。
【0186】
【発明の効果】本発明に係る留め具は、叙上の特長ある
構成、特に、構成される留め具を、一方の磁極面11に
凹部13が設けられ、且つ、該凹部13の底から他方の
磁極面12に通し穴14が設けられている永久磁石10
及び、該通し穴14の開口されている側の磁極面12に
備えられている強磁性部材20を有する雌留め具Aと、
前記永久磁石10の凹部13の設けられている磁極面1
1の側にある前記雌留め具Aの側に吸着され、且つ、該
雌留め具Aを構成する永久磁石10の通し穴14内にお
いて該雌留め具Aの強磁性部材20に吸着する強磁性の
突起部を有する強磁性部材50を備えた雄留め具Bとに
よって構成してあることから、雌留め具Aを構成する永
久磁石10は、これに雄留め具Bを吸着していない状態
において、磁極面11の外周縁部11aと、この永久磁
石10に備えられている強磁性部材20との間、当該磁
極面11に設けられている凹部13及び通し穴14との
なす縁部13aと強磁性部材20との間、磁極面11に
おいて段差状に落し込み形成されている前記凹部13に
おける落し込み上縁部13bと強磁性部材20との間
に、夫々磁束密度の高い磁場を構成するように機能し、
結果的に、前記外周縁部11aと強磁性部材20との間
に生ずる磁場が、極端に強い磁気を有することとなら
ず、永久磁石10からの漏れ磁束による弊害を少なくで
きる特長を有している。
【0187】また、かかる状態で、雄留め具Bを、雌留
め具Aに近づけた場合、前記落し込み上縁部13bと強
磁性部材20との間にある磁場を構成している磁気が、
該雄留め具Bにおける強磁性突起52を凹部13内に強
く吸引し、更に、縁部13aと強磁性部材20との間に
ある磁場を構成している磁気が、前記突起52を通し穴
14内に強く吸引し、雌雄留め具が円滑且つ確実に吸
着、係合される特長を有している。
【0188】更に、雌雄留め具を吸着の状態とした場
合、永久磁石10の有する磁気が、夫々の磁性部材2
0、50によって磁気抵抗の少ない磁気路を構成し、結
果的に、強磁性部材20、50相互の接触面に強い吸着
力を生ずるように作用すると共に、雌留め具Aを構成し
ている永久磁石10は、前記の外周縁部11aと強磁性
部材20との間に生ずる磁場の磁束量が相対的に減じら
れていることから、雌雄留め具を吸着状態にした際にあ
っても、磁極面11の外周縁部11aから強磁性部材2
0に向けた漏れ磁束が少なく、この結果、前記強磁性部
材20、50相互の接触面に強い吸着力をもたらす特長
を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】典型的な実施例としての留め具の構成図を示す
ものであり、(1)は雌雄留め具を離した状態の構成要
部部品の断面図、(2)は雌雄留め具を接近した状態の
構成要部部品の断面図である。
【図2】第1実施例に係る留め具の部品分離斜視図。
【図3】第1実施例に係る留め具の取付け前の状態を、
雌雄留め具を分離した状態で示す断面図。
【図4】第1実施例に係る留め具を取付け対象物に取付
け、且つ、雌雄留め具を吸着した状態で示す断面図。
【図5】第2実施例に係る留め具の部品分離斜視図。
【図6】第2実施例に係る留め具の取付け前の状態を、
雌雄留め具を分離した状態で示す断面図。
【図7】第2実施例に係る留め具を取付け対象物に取付
け、且つ、雌雄留め具を吸着した状態で示す断面図。
【図8】第3実施例に係る留め具の部品分離斜視図。
【図9】第3実施例に係る留め具の取付け前の状態を、
雌雄留め具を分離した状態で示す断面図。
【図10】第3実施例に係る留め具を取付け対象物に取
付け、且つ、雌雄留め具を吸着した状態で示す断面図。
【図11】第4実施例に係る留め具の部品分離斜視図。
【図12】第4実施例に係る留め具の取付け前の状態
を、雌雄留め具を分離した状態で示す断面図。
【図13】第4実施例に係る留め具を取付け対象物に取
付け、且つ、雌雄留め具を吸着した状態で示す断面図。
【図14】第5実施例に係る留め具の部品分離斜視図。
【図15】第5実施例に係る留め具の取付け前の状態
を、雌雄留め具を分離した状態で示す断面図。
【図16】第5実施例に係る留め具を取付け対象物に取
付け、且つ、雌雄留め具を吸着した状態で示す断面図。
【図17】第6実施例に係る留め具の部品分離斜視図。
【図18】第6実施例に係る留め具の取付け前の状態
を、雌雄留め具を分離した状態で示す断面図。
【図19】第6実施例に係る留め具を取付け対象物に取
付け、且つ、雌雄留め具を吸着した状態で示す断面図。
【図20】第7実施例に係る留め具の部品分離斜視図。
【図21】第7実施例に係る留め具の取付け前の状態
を、雌雄留め具を分離した状態で示す断面図。
【図22】第7実施例に係る留め具を取付け対象物に取
付け、且つ、雌雄留め具を吸着した状態で示す断面図。
【図23】第8実施例に係る留め具の部品分離斜視図。
【図24】第8実施例に係る留め具の取付け前の状態
を、雌雄留め具を分離した状態で示す断面図。
【図25】第8実施例に係る留め具を取付け対象物に取
付け、且つ、雌雄留め具を吸着した状態で示す断面図。
【図26】従来例の留め具を示す断面図。
【符号の説明】
10 永久磁石 11 磁極面 12 磁極面 13 凹部 14 通し穴 20 強磁性部材 50 強磁性部材 A 雌留め具 B 雄留め具

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の磁極面に凹部が設けられ、且つ、
    該凹部の底から他方の磁極面に通し穴が設けられている
    永久磁石、及び該通し穴の開口されている側の磁極面に
    備えられている強磁性部材を備えた雌留め具と、 前記永久磁石の凹部の設けられている磁極面の側にある
    前記雌留め具の側に吸着され、且つ、該雌留め具を構成
    する永久磁石の通し穴内において該雌留め具の強磁性部
    材に吸着する強磁性の突起部を有する強磁性部材を備え
    た雄留め具とよりなることを特徴とする留め具。
  2. 【請求項2】 雄留め具の強磁性部材が、強磁性板部
    と、この強磁性板部に立設される強磁性の突起部とより
    なることを特徴とする請求項1記載に係る留め具。
  3. 【請求項3】 雌留め具の強磁性部材が、強磁性板部、
    又は、強磁性板部と、この強磁性板部に立設される強磁
    性の突起部とよりなることを特徴とする請求項1記載に
    係る留め具。
  4. 【請求項4】 雌留め具の永久磁石が、円形の通し穴
    と、該通し穴と同心状の円形の凹部とを備えていること
    を特徴とする請求項1記載に係る留め具。
  5. 【請求項5】 上面に永久磁石の通し穴に連通する通し
    穴を備え、且つ下面開口のケース内に、雌留め具を構成
    する永久磁石、及び強磁性部材を抱持一体としたことを
    特徴とする請求項1記載に係る留め具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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