JPS6145364B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は永久磁石の吸着力を利用した係合具
において永久磁石の吸着力を補強する目的で雌具
内に摩擦抵抗の大きい摺接部材を装填し、雄具の
抜け出しを防止するようにした係合具、特にバン
ド類の係合具の提供を目的とする。

（従来技術） 従来のこの種の永久磁石を利用した係合具は、
永久磁石の吸着力を効果的に引き出すことを目的
として構成され、吸着力が不足する場合には、磁
気容量の大きい永久磁石を使用することが一般的
であつた。

又、一度吸着された係合具の離脱を防止するた
めには、仮錠的なロツク構造を、この永久磁石の
吸着力による係合に併用することが一般的であつ
た。

（本発明が解決しようとする問題点） しかしながら、かゝる従来の手法においては、
先ず使用永久磁石が大きくなり、嵩張つてしまう
ことから、小型、軽量の係合具が強い吸着力を有
する製品を作り出すことが困難であつた。

又、永久磁石を環板状として、永久磁石の有す
る磁力線を中央の孔部に集めて強力な吸着力を得
るようにした場合には、ある程度の小型、軽量化
が可能とされたものゝ、製作コストが割高となつ
たり、使用永久磁石が割れたりする不都合を有し
ていた。

又、永久磁石にロツク構造を併用した場合、構
造が複雑となり、小型、軽量化が困難とされた
り、操作が煩雑となる等の不都合と共に、製品が
割高となる不都合を有していた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、かゝる係合具における不都合を無く
す目的において摩擦抵抗の大きい摺接部材の併用
をなすことにより、比較的引つ張り力が強く作用
したり、強い衝撃を受け易いバンド類にも適用で
きる係合具を提供することを意図し、以下の構成
とした。即ち、強磁性板５の略中央部分が吸着板
部５Ｂとされ、且つ該強磁性板５の両端部が同一
方向に向けて平行に折曲げられて挿入板部５Ａ及
び立上り板部５Ｃとされ、しかも該立上り板部５
Ｃの自由端部が前記吸着板部５Ｂと平行で、且つ
該吸着板部５Ｂと反対方向へ折曲げられて繋着板
部５Ｄとされた〓状の雄具と、天壁４ａと周壁４
ｂとからなる下面開口の浅い非磁性ケース４にお
ける一側方の周壁４b′の方向に偏つた天壁４ａ
に、該非磁性ケース４の内方に向けて折込まれた
鍔４c′を有する細長状の孔４ｃが設けられ、該孔
４ｃと前記非磁性ケース４における他側方の周壁
４b″との間の天壁４ａの面４a′が前記雄具の吸着
板部５Ｂの接触面とされ、且つ前記非磁性ケース
４内に永久磁石１が前記天壁４ａに一方の磁極面
ａを向け且つ周壁４b″に周面を接して装填され
ると共に、該永久磁石１と前記孔４ｃの鍔４c′と
の間に摩擦抵抗の大きい摺接部材６が装填され、
且つ前記永久磁石１の他方の磁極面ｂに接するよ
うに前記非磁性ケース４の開口部に強磁性板２が
取付けられると共に該強磁性板２の一部が前記周
壁４b′の側より前記非磁性ケース４の外方に突出
されてなる雌具、とよりなり、前記雄具の吸着板
部５Ｂが該雌具の天壁４ａの面４a′に、また挿入
板部５Ａの先端が強磁性板２に夫々着脱自在に吸
着される係合具としたものである。

（実施例） 以下本発明に係る係合具の典型的な事例を第１
図について説明する。

係合具は雄具と雌具とよりなり、雄具は強磁性
板５の略中央部分が吸着板部５Ｂとされ、且つ該
強磁性板５の両端部が同一方向に向けて平行に折
曲げられて挿入板部５Ａ及び立上り板部５Ｃとさ
れ、しかも該立上り板部５Ｃの自由端部が前記吸
着板部５Ｂと平行で、且つ該板部５Ｂと反対方向
に折曲げられて繋着板部５Ｄとされた〓状に形成
されており、雌具は次の如く構成されている。

４は、天壁４ａと周壁４ｂとからなる下面を開
口された、いわゆる倒皿状の非磁性素材よりなる
ケースであつて、一側方の周壁４b′の方向に偏つ
た天壁４ａに細長状の孔４ｃが設けられており、
しかも、この孔４ｃの縁がケース４の内方に折り
込まれて鍔４c′とされている。又周壁４ｂの下端
には爪４ｄがあり、この爪４ｄで永久磁石１と、
強磁性板２を一体的に抱持するようにしている。

孔４ｃとケース４における他側方の周壁４
b″との間の天壁４ａの面４a′が前記雄具の吸着板
部５Ｂの接触面とされ、かゝるケース４に対し、
板状の永久磁石１を用意し、この永久磁石の磁極
面ａをケース４の天壁４ａに向け且つ周壁４
b″に周面を接して該ケース４内に収納し、又、
摺接部材６を該永久磁石１と前記鍔４c′に係当さ
せながら同様にケース４内に装填した後、強磁性
板２を、このケース４の開口部分を覆うように取
付けられている。

尚、この強磁性板２は、永久磁石１の磁極面ｂ
に接した状態でケース４の爪４ｄをもつてケース
４内に取りこまれるものとし、摺接部材６は、前
記ケース４の孔４ｃの鍔４c′に係当して、収納さ
れることゝして、この孔４ｃから強磁性板２に到
る間が、空間とされるように特に組付け構成され
ている。

第１図の実施例では、鍔４c′の両方に摺接部材
６，６が配置され、この摺接部材６，６の間に、
孔４ｃと、強磁性板２を連絡する空間が設けられ
ている。

尚、強磁性板２は、ケース４内に全て納まるこ
となく、その一部をケース４より側方に延設し
て、取付け板部２Ａとする。

尚、叙上における摺接部材６は、充分な摩擦抵
抗と弾力性とを有する樹脂、特にゴム系の樹脂材
が最適とされているが、必ずしも、これに限られ
るものでなく、挿入板部５Ａの抜け出しが防止さ
れる程度に摩擦抵抗を有する素材であれば良い。

次いで第２図の実施例では、前記摺接部材６が
ケース４の鍔４c′の片側のみに配置されたもので
あり、第３図の実施例では、この摺接部材６に凸
部６Ａを設け、しかも、この凸部６Ａを、雄具で
ある前記強磁性板５の挿入板部５Ａの挿入される
側に設けるようにしている。

第４図の実施例は、第２図と第３図に示されて
いる実施例の組合せた事例であり、第５図の実施
例は、雄、雌具に、取付け用の脚３を別途取付け
た事例を示している。

（作用、効果） 而して従前に於けるこの種の永久磁石を使用し
た止具構造に於いては、その離脱方向、即ち蓋の
開閉等が必ず吸着面に対し垂直の方向とはならず
稍々傾斜されたものとなり、これが吸着面の容易
な離脱を誘起していた。本発明はかゝる従来製品
の欠陥に鑑み特に案出されたものであつて、かゝ
る必然的に誘起される離脱時の傾きに対し挿入板
部５Ａと摺接部材６との摩擦を期し、該部に於い
て惹起される摩擦抵抗による抜出しの防止と共に
該部材６の有する弾発力による反発再吸着を予定
し、より確実な吸着性を係合具にもたらすことゝ
した。

又かゝる構造的特長に於いては挿入板部５Ａの
挿入が摺接部材６の有する弾縮性をもつて、より
円滑且つ確実なものとされ、緩か且つ、滑かな挿
入と共に一定挿入位置よりの急激な吸着を可能と
し、これが取扱い係合の容易さの約束と共に止着
時に於いて当接音を発し、止着のより確実な認識
を可能としている。

而して、摺接部材６を介装する、より第一義的
な目的は叙上の安定した吸着性より、使用磁石の
低廉化と小型化を約束したものである。即ち、叙
上に於ける特長よりして磁気容量の比較的少ない
磁石の使用が可能とされ、素材コストに占める永
久磁石の割合を有効に減じ得たものであり、又同
時に肉簿、小型の止具の提供も可能とした。

次いで、永久磁石１を一方側に寄せた構造、即
ち磁石１を単なる長方体形状ないしは立方体形状
としたことに伴う使用磁石１の小型化並びにその
製作コストの低廉化と、前記摺接部材６の有する
反発弾性をもつて挿入板部５Ａの吸着の離脱を極
力抑止したことによつて強磁性板５と永久磁石１
とが、永久磁石１の有する吸着力以上に強力に係
合される利点と、ケース４に対する緊密な嵌合を
必要としない構造的特徴より使用磁石１の寸法精
度が比較的ラフなもので良い利点と、同時にその
組立作業が極めて容易である利点により総じて製
作コストの著しい削減が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の典型的な一実施例を示す断面
図、第２図乃至第５図は他の実施例を示す断面図
である。 尚、図中１……永久磁石、２……強磁性板、４
……ケース、５……強磁性板、６……摺接部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 強磁性板５の略中央部分が吸着板部５Ｂとさ
   れ、且つ該強磁性板５の両端部が同一方向に向け
   て平行に折曲げられて挿入板部５Ａ及び立上り板
   部５Ｃとされ、しかも該立上り板部５Ｃの自由端
   部が前記吸着板部５Ｂと平行で、且つ該吸着板部
   ５Ｂと反対方向へ折曲げられて繋着板部５Ｄとさ
   れた〓状の雄具と、 天壁４ａと周壁４ｂとからなる下面開口の浅い
   非磁性ケース４における一側方の周壁４b′の方向
   に偏つた天壁４ａに、該非磁性ケース４の内方に
   向けて折込まれた鍔４c′を有する細長状の孔４ｃ
   が設けられ、該孔４ｃと前記非磁性ケース４にお
   ける他側方の周壁４b″との間の天壁４ａの面４
   a′が前記雄具の吸着板部５Ｂの接触面とされ、且
   つ前記非磁性ケース４内に永久磁石１が前記天壁
   ４ａに一方の磁極面ａを向け且つ周壁４b″に周
   面を接して装填されると共に、該永久磁石１と前
   記孔４ｃの鍔４c′との間に摩擦抵抗の大きい摺接
   部材６が装填され、且つ前記永久磁石１の他方の
   磁極面ｂに接するように前記非磁性ケース４の開
   口部に強磁性板２が取付けられると共に該強磁性
   板２の一部が前記周壁４b′の側より前記非磁性ケ
   ース４の外方に突出されてなる雌具、 とよりなり、前記雄具の吸着板部５Ｂが該雌具の
   天壁４ａの面４a′に、また挿入板部５Ａの先端が
   強磁性板２に夫々着脱自在に吸着されることを特
   徴とする係合具。