JP2826758B2 - 係合具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はバッグ等の開口部の一方の側から開口部を介
して他方の側へ重ね合わせ状に閉止する蓋の係止等に特
に好適とされる永久磁石を用いた係合具であって、蓋が
不用意に開かないようにし、しかも開ける時には特別な
操作なしに開けることができるようにした係合具に関す
る。

〔従来技術〕

従来永久磁石を利用した係合具には一方の磁極面から
他方の磁極面に向けて孔51aを有する永久磁石51の一方
の磁極面に強磁性板52を添装し、他方の磁極面には、強
磁性板53を着脱自在に吸着させるようにし、この強磁性
板52、53の両方又はいずれか一方に突設した強磁性突起
52a又は53aを前記孔51aを介して他方の強磁性板52又は
強磁性板53、又は他方の強磁性突起52a又は53aに吸着す
るようにした係合具があり、バッグ等の上部開口部の一
方の側から、開口部を介して他方の側へ重ね合わせ状に
閉止する蓋Ｃ′に強磁性板53と強磁性突起53aとからな
る雄具Ｂを取付け、バッグ等の本体Ｃに永久磁石51と強
磁性板52と強磁性突起52aとを一体にした雌具Ａを取付
けて吸着係合させるようにしたものが用いられていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記のように構成されてバッグ等に取付けられた係合
具はバッグ等の蓋Ｃ′をバッグ本体Ｃから離れる方向の
斜上方へ持上げるようにすることにより、蓋Ｃ′に蓋
Ｃ′の上部を支点とする梃状の作用が働き、雄具Ｂと雌
具Ａとの吸着係合が容易に外れるため、このようなバッ
グ等を携帯している時に蓋Ｃ′の下端が他の物に接触し
て持上げられると、知らない間に蓋Ｃ′が開いていると
いう不都合があった。

本発明はこのような事態を防止するようにした係合具
の提供を目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記の目的を達成するために一方の磁極面か
ら他方の磁極面に向けて孔1aを有する永久磁石１の一方
の磁極面に強磁性板２を添装し、且つ他方の磁極面が作
る吸着面に強磁性板３を着脱可能に吸着させるようにす
ると共に、この係合具の前記強磁性板２と強磁性板３と
に突設した強磁性突起2aと強磁性突起3aとを前記孔1aを
介して互に吸着するように、又は強磁性板３のみに突設
した強磁性突起3aをを強磁性板２に吸着するようにした
係合具であって、この係合具の前記強磁性板３が永久磁
石１の磁極面が作る吸着面に吸着する被吸着板部3bと、
この被吸着板部3bの側縁から立上げられている係止片部
3cとを有する構成としたものである。

〔作用〕

このように構成された係合具は強磁性板３が永久磁石
１の吸着面に被吸着板部3bを吸着された時に側縁から立
上げられている係止片部3Cが永久磁石１の両磁極面間の
側面に当接している。従ってこの係合具の強磁性板３の
係止片部3Cを蓋Ｃ′が開き始める側になるようにして蓋
Ｃ′に取付けると、バッグ等の側面で係合具により係止
されている蓋Ｃ′を持上げながら斜上方に開けようとし
た時には係止片部3Cが永久磁石１の側面に圧接するた
め、開きを阻止しようとするので蓋Ｃ′が開きにくい。

又、蓋Ｃ′を始めにバッグ本体等から強磁性板３の被
吸着板部3bの面と直交方向に引くようにすると、係止片
部3Cが前記永久磁石１の側面に添うように移動するので
強磁性板３と永久磁石１との吸着が容易に外れ、蓋Ｃ′
は開けることができる。

〔実施例〕

以下本発明にかかる係合具の一実施例について図面に
より説明する。

１は永久磁石であって、フェライト磁石、希土類磁
石、プラスチック磁石、ゴム磁石等が用いられており、
一方の磁極面から他方の磁極面に向けた孔1aが貫設され
た環盤状となっている。尚永久磁石１はこの他、方形、
楕円形盤状等のものも用いられ、又、孔1aは複数個の永
久磁石で構成されてもよい。

２は永久磁石１の一方の磁極面ａに吸着添装されてい
る磁極面ａと同径の円板状をした強磁性板、2aはこの強
磁性板２に孔1a内に向けて立設された強磁性突起、５は
Ｕ状に屈曲形成された一対の脚5aを有する脚板であっ
て、前記強磁性突起2aに同軸状に設けられた細径桿部2
a′を強磁性板２の略中心に開けられた孔に、一方の側
から挿通すると共に他方の側に添装された脚板５の中央
部の孔に挿通して脚板５上にカシメて、強磁性突起2a、
強磁性板２、及び脚板５とを一体に固着している。

４は天壁部に穴4aを有する倒皿状の非磁性ケースであ
って前記永久磁石１と、前記一体とされている強磁性突
起2a、強磁性板２、脚板５とを永久磁石１を内方にして
抱持させ、非磁性ケース４の下縁に設けられた複数の係
止爪4bを強磁性板２面上に折曲することによって係止さ
せて、雌具Ａが構成されている。

３は雌具Ａにおける永久磁石１の磁極面ｂが作る吸着
面に吸着する被吸着板部3bとこの被吸着板部3bの被吸着
面側に一側縁から立上げられている被吸着板部3bの外周
縁と同一の曲率を有する係止片部3Cとからなる強磁性板
であり、磁極面ｂと略同径の円板上をしており、略中心
に同軸状の細径桿部3a′を有する強磁性突起3aが強磁性
板３の略中心に設けた孔に細径桿部3a′を挿通し、更に
Ｕ状に屈曲された一対の脚5a、5aを有する脚板５の中央
部の孔に挿通してカシメられ、強磁性板３と脚板５とを
一体に固着すると共に強磁性突起3aを強磁性板３に突設
し雄具Ｂが構成されている。

尚、前記雌具Ａと雄具Ｂは第３図に示すように両者の
強磁性突起2a、3aが夫々設けられて雄具Ｂの強磁性板３
が永久磁石１の磁極面ｂが作る吸着面に吸着すると共に
強磁性突起2a、3aが互に吸着する場合と、第４図に示す
ように強磁性板２には突起を設けず、強磁性板３のみに
強磁性突起3aを設けて強磁性板３が前記吸着面に吸着す
ると共に強磁性突起3aが直接強磁性板２に吸着する場合
とがある。

この係合具は脚5a、5aを取付面に刺挿して折曲げるこ
とにより、例えば雌具Ａはバッグ等の本体Ｃの側面に、
雄具Ｂはバッグ等の本体Ｃの上部開口部を覆う蓋Ｃ′に
取付けられ、雄具Ｂは係止片部3cを下側、即ち蓋Ｃ′の
開き始める側にして取り付けられている。

上記のように構成されて上記のように取付けられた係
合具はバッグの蓋Ｃ′を第２図の細い矢印のように持上
げて開けようとすると、雌具Ａの側面に当接している雄
具Ｂの係止片部3Cが雌具Ａの側面に圧接するため、雄具
Ｂは雌具Ａから外れ難くなる。

しかしながら太い矢印のように蓋Ｃ′を雌具Ａの側面
と平行方向に引くことにより、雄具Ｂの係止片部3Cは雌
具Ａの側面を滑るので雌具Ａとの係合が外れ易くなる。

第５図は係止片部3Cが雄具Ｂの強磁性板３の全周縁に
設けられた実施例であり、この場合雄具Ｂの取付けにお
いて蓋Ｃ′の開閉方向との向きを考慮する必要がない特
色を有するものである。

第６図は永久磁石１及びこれに吸着する雄具Ｂの強磁
性板３が方形であってその一側縁に係止片部3cを設けた
実施例である。

第７図乃至第９図は吸着具Ａの実施例であって、第７
図は強磁性板３が吸着される磁極面ｂ側に強磁性板より
なるシールド板６を添設して磁極面ｂからの磁気の漏洩
を防止し、磁極面ｂに強磁性板３が吸着していない持時
に磁気カード、磁気テープ等の磁気記録物がこの磁極面
ｂ側に当接しても磁気記録の破壊等の事故が防止される
ようにしたものである。又、第８図、第９図のように永
久磁石１が硬質磁性粉末を含有した合成樹脂よりなるプ
ラスチック磁石とされて、非磁性ケースを用いない場合
もあり、この場合強磁性板２はモールディングにより永
久磁石１と一体とされる。又、強磁性板２、３への強磁
性突起2a、3aの取付け手段としては第１、２図の実施例
のように強磁性突起2a、3aに設けた細径桿部2a′、3a′
を強磁性板２、３の孔に挿通してカシメ付ける場合、第
８図のように強磁性突起と強磁性板とを一体に形成する
場合、或は第９図のように強磁性板に細径桿部を挿通し
て強磁性突起を突設し、他方の側に突出した部分にねじ
山を設けてボルト状とした取付具とする場合等がある。

雌具Ａ、雄具Ｂの取付け手段には上記のように一対の
脚5a、5aを有する脚板５を強磁性板にカシメ付けて、こ
の脚5aの折付けにより取付けられるもの、管７の一端を
漏斗状に拡開して、その周縁を座金状の円板に周縁に巻
込ませて一体とし、前記座金状の円板を強磁性板２又は
３の強磁性突起2a又は3aの突設側と反対の面に添装して
強磁性突起2a又は3aの細径桿部2a′又は3a′を前記円板
の孔に挿通してカシメることにより取付け、この管７を
バッグ等に設けた穴に挿通して突出端部を圧潰すること
により雌具Ａ又は雄具Ｂを取付けるようにしたもの、或
は強磁性突起の細径桿部がピン状となっているもの、木
ねじ状、又はボルト状となっているものが用いられ、バ
ッグ等にカシメ付け、刺挿、ねじ付け等して取付けら
れ、或は取付具を用いず両面粘着シート８、接着剤等に
よって取付けられる場合もある。

〔効果〕

本発明に係る係合具は上記のように構成されており、
特に強磁性板３が永久磁石１の磁極面が作る吸着面に吸
着する被吸着板部3bと、この被吸着板部3bの側縁から立
上げられている係止片部3cとを有するので、永久磁石１
と強磁性板２等よりなる雌具から強磁性板３と強磁性突
起3a等からなる雄具をその係止片部3cの立上げられてい
る側を開き側とし、対向する他方の側を支点側として吸
着面から外そうとしても係止片部3cが永久磁石１の側面
に圧接し、開きを阻止するため外れ難い。

従って、バッグ等の蓋に本係合具を係止片部3cが開き
側になるようにして取付ければ、バッグの蓋が不用意に
開くことがなく安心である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかゝる係合具の一実施例の分解斜視
図、第２図はバッグへの取付状態を示す断面図、第３
図、第４図は係合具の各種構成を示す断面図、第５図、
第６図は雄具の各種実施例を示す斜視図、第７図乃至第
９図は雌具の各種実施例を示す断面図、第10図乃至第13
図は取付具の各種実施例を示す雄具の断面図、第14図は
従来例の断面図である。 Ａ……雌具、Ｂ……雄具、Ｃ……本体、Ｃ′……蓋、１
……永久磁石、1a……孔、２、３……強磁性板、2a、3a
……強磁性突起、3b……被吸着板部、3c……係止片部。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一方の磁極面から他方の磁極面に向けて孔
   1aを有する永久磁石１の一方の磁極面に強磁性板２を添
   装し、且つ他方の磁極面が作る吸着面に強磁性板３を着
   脱可能に吸着させるようにすると共に、 この強磁性板２と強磁性板３とに突設した強磁性突起2a
   と強磁性突起3aとを前記孔1aを介して互に吸着するよう
   に、又は強磁性板３のみに突設した強磁性突起3aを強磁
   性板２に吸着するようにした係合具であって、 前記強磁性板３が永久磁石１の磁極面が作る吸着面に吸
   着する被吸着板部3bと、この被吸着板部3bの側縁から立
   上げられている係止片部3cとを有することを特徴とする
   係合具。