JPH0255846B2 - - Google Patents

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JPH0255846B2
JPH0255846B2 JP16952384A JP16952384A JPH0255846B2 JP H0255846 B2 JPH0255846 B2 JP H0255846B2 JP 16952384 A JP16952384 A JP 16952384A JP 16952384 A JP16952384 A JP 16952384A JP H0255846 B2 JPH0255846 B2 JP H0255846B2
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JP
Japan
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polyurethane resin
magnetic
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molecular weight
group
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JP16952384A
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JPS6148120A (ja
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Tsuyoshi Hachitsuka
Tsutomu Sugitoge
Katsuya Emoto
Yutaka Mizumura
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
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Publication of JPH0255846B2 publication Critical patent/JPH0255846B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は磁気テープ、磁気デイスク等、磁気記
録媒体に関するものである。更に詳しくは非磁性
支持体上に設けた磁性層の結合剤成分として優れ
た特性を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂を用い
た磁気記録媒体に関する。 (従来の技術) 汎用的磁気記録媒体である磁気テープは、長軸
1μm以下の針状磁性粒子を適当な添加剤(分散
剤、潤滑剤、帯電防止剤等)とともに結合剤溶液
中に分散させて磁性塗料をつくり、これをポリエ
チレンテレフタレートフイルムに塗布して製造さ
れている。 磁気記録媒体の結合剤に要求される特性として
は磁性粒子の分散性、充填性、配向性、磁性層の
耐久性、耐摩耗性、耐熱性、平滑性、非磁性支持
体との接着性等があげられ、結合剤は非常に重要
な役割を果している。従来より用いられている結
合剤としては、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール
共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合
体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アク
リロニトリル・ブタジエン共重合体、ニトロセル
ロース、セルロース・アセテート・ブチレート、
エポキシ樹脂あるいはアクリル樹脂等が使用され
ている。 これらの樹脂のうちポリウレタン樹脂はウレタ
ン結合による分子間水素結合により、他の樹脂と
比べて、強靭性、耐摩耗性等の特性は優れている
が、磁性粒子の分散性が悪いという大きな欠点が
ある。この分散性を向上させるには、特開昭54−
157603号公報、特開昭57−165464号公報にみられ
るように本発明者等は、樹脂中にスルホン酸金属
塩を導入することが優れた効果があることを見い
出した。しかし、磁性層中に、磁性粒子をできる
だけ多く充填するという高密度化の要求にはスル
ホン酸金属塩基の導入は有効ではあるが、必ずし
も満足できるものではないのが現状である。 また、従来のアジペートタイプあるいはカプロ
ラクトンタイプのポリウレタン樹脂単独では、耐
ブロツキング性、耐熱性、走行安定性等の特性が
劣る。このため、ポリウレタン樹脂とニトロセル
ロースあるいは塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合
体との混合系が特に用いられている。しかし、耐
久性、耐摩耗性、走行安定性等の特性に関して
も、ビデイオテープ、電子計算機用テープ、フロ
ツピースク等の高性能を要求される分野では、未
だ不充分である。 磁気記録媒体の耐久性、耐摩耗性、走行安定性
等を向上させる方法として、高級アルコール、長
鎖脂肪酸あるいはそのエステル化合物、シリコー
ンオイル、含フツ素化合物等の潤滑剤を使用し
て、磁性層表面の摩擦係数を低下させることが知
られているが、この場合には磁性層表面に添加剤
がブリードすることによる経時的な走行特性の変
化、ヘツドの目詰りを生じるという欠点あるいは
低分子量化合物が磁性層に含まれることによる塗
膜強度の低下等の欠点がある。 潤滑剤を添加する方法でのこれらの欠点を解消
するため、潤滑剤成分を結合剤中に導入する試み
がなされている。たとえば特開昭58−218034号公
報では、汎用的なシリコーンオイルの構成成分で
あるジメチルシロキサン結合を有するポリジメチ
ルシロキサンジカルビノールをポリオール成分と
するポリウレタン樹脂が、磁気記録媒体の結合剤
として記載されている。上記の特開昭58−218034
号公報に記載されたポリアルキレンシロキサンジ
カルビノールをポリオール成分とするポリウレタ
ン樹脂を磁気記録媒体の結合剤とした場合、特開
昭58−218034号公報に記載されているように、耐
摩耗性、耐久性、走行安定性には優れているが、
しかし汎用的な非磁性支持体であるポリエチレン
テレフタレートフイルムとの接着性が非常に悪
い。また他樹脂との相溶性が極端に乏しく、実用
上、他樹脂を混合して使用することは不可能であ
り、そのためこの樹脂単独で磁気記録媒体の結合
剤に要求される特性、たとえば耐熱性、耐寒性、
適度なステイツフネス、非磁性支持体との接着性
等を満たさねばならないが、特開昭58−218034号
公報に記載されたポリウレタン樹脂単独では結合
剤に要求される特性を満足できない。 また、ポリシロキサン結合をポリウレタン樹脂
中に導入することは、分子中に水酸基を有するポ
リシロキサン結合物がアジペートタイプポリエス
テルジオール、ポリカプロラクトン等の汎用的な
ポリウレタン原料と相溶性がないため、ポリウレ
タン樹脂の従来の製造方法では困難である。また
たとえ得られたとしても、磁気記録媒体の製造時
に用いるトルエン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチ
ル等の汎用有機溶剤には不溶あるいは白濁した溶
液となる。 (発明の解決しようとする問題点) 以上の情況に鑑み、本発明の目的は以下の通り
である。 磁性粒子の分散性、充填性、配向性が優れた
磁気記録媒体を提供すること。 ポリエステルフイルムとの接着性、他樹脂と
の相溶性、汎用有機溶剤への溶解性等に優れた
ポリシロキサン結合を分子中に有するポリウレ
タン樹脂を見い出し、該ポリウレタン樹脂を結
合剤成分とする耐摩耗性、耐久性、走行安定
性、ポリエステルフイルムとの接着性等に優れ
た磁気記録媒体を提供することにある。 (問題点を解決するための手段) 本発明は結合剤成分として原料の一成分が1分
子中に2個の水酸基を有する限定されたポリシロ
キサン化合物を限られた範囲内で使用して得られ
た分子中にスルホン酸金属塩基を含有するポリウ
レタン樹脂を用いることを特徴とする。すなわち
本発明は非磁性支持体上に、強磁性粉末を結合剤
中に分散させた磁性材料を塗布した磁気記録媒体
において、該結合剤の成分として、分子中にイオ
ウ含有率が0.01〜2重量%になるようにスルホン
酸金属塩基を有し、かつポリシロキサンジオール
に基づくセグメントを0.005〜10重量%有する熱
可塑性ポリウレタンを含有することを特徴とする
磁気記録媒体である。 本発明に用いる熱可塑性ポリウレタンとしては
有機ジイソシアネートA、分子量500〜5000の長
鎖ジオールB、分子量500未満の2官能性化合物
又は水Cおよび下記一般式()で示されるポリ
シロキサン化合物Dを下記比率で反応させた熱可
塑性ポリウレタン樹脂が挙げられる。 一般式(): (式中、R2,R3は炭素原子数1〜6のアルキ
ル基および/又はフエニル基であり、R1,R4
一般式():
【式】で示 される基であり、R5は水素原子又はメチル基、
R6は炭素原子数2〜10のアルキレン基を示す。
mは0〜5の整数である。またnは5〜50の整数
である。) 反応比率: A/(B+C+D)=1/0.85〜1.2 (当量比) B/D=100/0.01〜10 (重量比) 本発明で用いる熱可塑性ポリウレタン樹脂の製
造において使用される有機ジイソシアネートAと
しては、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、p−フエニ
レンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソ
シアネート、m−フエニレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレ
ンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,
4′−ビフエニレンジイソシアネート、2,4−ナ
フタレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−
4,4−ビフエニレンジイソシアネート、4,
4′−ジフエニレンジイソシアネート、4,4′−ジ
イソシアネート・ジフエニルエーテル、1,5−
ナフタレンジイソシアネート、p−キシリレンジ
イソシアネート、m−キシリレンジイソシアネー
ト、1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキ
サン、1,4−ジイソシアネートメチルシクロヘ
キサン、4,4′−ジイソシアネートジシクロヘキ
サン、4,4′−ジイソシアネートシクロヘキシル
メタン、イソホロンジイソシアネート等があげら
れる。 また、本発明で用いられる熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂の製造において使用される長鎖ジオールB
は、分子量が500〜5000の範囲にあり、ポリエス
テルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカー
ボネートジオールがあげられる。 ポリエステルジオールのカルボン酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル
酸、1,5−ナフタル酸などの芳香族ジカルボン
酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエト
キシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、
コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボ
ン酸などを挙げることができる。特にテレフタル
酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、アジピン
酸、セバシン酸が好ましい。 またポリエステルジオールのグリコール成分と
しては、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタン
ジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフ
エノールAのエチレンオキサイド付加物およびプ
ロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフエノー
ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレ
ンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコールなどがある。 上記以外のポリエステルジオールの原料成分と
しては下記一般式〔〕,〔〕で示される燐含有
化合物を挙げることができる。 (式中、R1は1価のエステル形成性官能基で
ある。R2,R3は同じかまたは異なる基であつて、
炭素原子数1〜10の1価の炭化水素基、ハロゲン
原子および1価のエステル形成性官能基からなる
群から選ばれる。Aは2価もしくは3価の有機残
基を示す。またn1は1もしくは2、n2,n3は各々
0〜40の整数を示す。) (式中、R4は水素原子、エステル形成性官能
基を含んでも良い炭素原子数1〜12の炭化水素基
またはM2。P5は炭素原子数1〜6の2価または
3価の炭化水素基。R6は水素原子、水酸基を含
んでも良い炭素原子数1〜12の炭化水素基または
M3。M1,M2,M3はアルカリ金属原子。mは0
または1、lは1または2の整数を示す。) 一般式〔〕,〔〕で示される燐含有化合物を
原料の少なくとも一成分として得られるポリエス
テルジオールを熱可塑性ポリウレタン樹脂の原料
の一成分として使用した場合、従来の熱可塑性ポ
リウレタン樹脂にみられる無機顔料、充填剤の分
散能が低いという欠点を大巾に改善するのに有効
であり、塗布型磁気記録媒体での磁性層のバイン
ダーとして用いた場合、磁性粒子の分散性が改良
されて、磁気記録媒体の電磁変換特性等磁性粒子
の分散性に起因する特性が大巾に向上する。 ポリエステルジオールとしては、他にε−カプ
ロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られ
るラクトン系ポリエステルジオール類が挙げられ
る。 ポリエーテルジオールとしては、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール等のポリアルキレングリ
コール類が挙げられる。 ポリカーボネートジオールとしては、一般式H
(−O−R−OCO)−oROHで表わされる長鎖ジオー
ルであり、Rとしてはジエチレングリコール、
1,6−ヘキサンジオール、ビスフエノールA等
の残基である。 長鎖ジオールAは熱可塑性ポリウレタン樹脂の
機械的特性、また後述するようにスルホン酸金属
塩基が容易に安定して樹脂中に導入できるため、
ポリエステルジオールが好ましい。 長鎖ジオールBは分子量500〜5000のものを使
用する。分子量が500未満ではウレタン基濃度が
大きくなり、樹脂の柔軟性、溶剤溶解性が低下す
る。また分子量が5000を越えるとウレタン基濃度
が低下し、ポリウレタン樹脂に特有な強靭性、耐
摩耗性等が悪化する。 本発明で用いるポリウレタン樹脂の製造時に使
用する分子量500未満の2官能性化合物Cは樹脂
中のウレタン基あるいはウレア基濃度を調整し、
ポリウレタン樹脂に特有な強靭性を付与する効果
があり、具体的な化合物としてはエチレングリコ
ール、1,3−プロピレングリコール、1,4−
テトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、シクロヘキサンジメタノール、キシリレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ビスフエノールAのエチレンオ
キサイド付加物等の直鎖グリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル、ビスフエノールAのプロピレンオキサイド付
加物等の分岐グリコール、モノエタノールアミ
ン、N−メチルエタノールアミン等のアミノアル
コール、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、イソホロンジアミン、ピベラジン等のジア
ミン等があげられる。 上記以外の分子量500未満の2官能性化合物C
としては、一般式〔〕で示される含燐化合物が
あげられる。 (式中、R1,R2は一価の炭化水素基をあらわ
し、同一でも異なつてもよい。R3,R4は置換基
を有するか又は有しない二価のアルキレン基、オ
キシアルキレン基又はポリオキシアルキレン基で
あり、同一でも異なつてもよい。X,YはR3
R4がアルキレン基の場合には、水酸基を、R3
R4がオキシアルキレン基又はポリオキシアルの
場合は水素をあらわす。) 熱可塑性ポリウレタン樹脂の原料として一般式
〔〕で示される含燐化合物を使用した場合、従
来のポリウレタン樹脂の欠点である無機顔料、充
填剤の低分散能を改良するのに有利であり、塗布
型磁気記録媒体での磁性層バインダーとして用い
た場合、磁性粒子の分散性が改善され、磁気記録
媒体の電磁変換特性等磁性粒子の分散性に起因す
る特性が大巾に向上する。 上記2官能性化合物に代えて水を使用してもよ
い。 低分子量化合物Cの分子量が500を越えるとポ
リウレタン樹脂に特有な強靭性が低下するため好
ましくない。 本発明で用いるポリウレタン樹脂の製造時に用
いるポリシロキサン化合物Dは分子の両末端に水
酸基を有する一般式〔〕であらわされるもので
ある。 (R2,R3は炭素原子数1〜6のアルキル基お
よび/又はフエニル基であり、R1,R4は一般式
():
【式】で示される基で あり、R5は水素原子又はメチル基、R6は炭素原
子数2〜10のアルキレン基を示す。mは0〜5の
整数である。またnは5〜50の整数である。) 一般式〔〕において、R2,R3の一部は炭素
原子数1〜6のアルキル基またはフエニル基であ
つてもよい。 具体的な化合物の例としては以下のものがあげ
られる。 一般式〔〕であらわされるポリシロキサン化
合物は、樹脂中のポリシロキサン化合物にもとづ
くセグメント(ポリシロキサン化合物から活性水
素を残いた残基)が、0.005〜10重量%、好まし
くは長鎖ジオールを基準として長鎖ジオールの
0.01〜10重量%の範囲、特に好ましくは0.1〜5
重量%の範囲で使用する。ポリシロキサン化合物
にもとづくセグメントが0.005重量%未満では全
く効果がなく長鎖ジオールの0.01重量%未満では
ポリシロキサン化合物を使用する効果が少ない。
長鎖ジオールの10重量%を越えると、汎用的な非
磁性支持体であるポリエチレンテレフタレートフ
イルムとの接着性の低下、他樹脂との相溶性の悪
化、得られたポリウレタン樹脂の汎用有機溶剤へ
の溶解性の低下等を生じる。特に樹脂中のポリシ
ロキサンセグメントが10重量%を越えるとこの傾
向は顕著である。 本発明で用いる熱可塑性ポリウレタン樹脂は、
分子中にスルホン酸金属塩基をイオウ含有率で
0.01〜2重量%のの範囲、好ましくは0.01〜15重
量%で有するものであり、金属はリチウム、ナト
リウム、カリウム等のアルカリ金属等があげられ
る。 熱可塑性ポリウレタン樹脂にスルホン酸金属塩
基を導入する方法としては、以下の方法があげら
れる。 長鎖ジオールとしてはポリエステルジオール
を用い、ポリエステルジオールのジカルボン酸
成分、ジオール成分の一部にスルホン酸金属塩
基を有する化合物を使用する方法。 分子中、活性水素を2個含有する低分子量化
合物の少なくとも一成分がスルホン酸金属塩基
を含有する化合物である方法。 イソシアネート末端プレポリマーを
H2NCH2CH2SO3H,HOCH2CH2SO3H,
H2NCH2CH2SO3Na等のスルホン酸基あるい
はスルホン酸金属塩基含有化合物と反応させ、
スルホン酸基を水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等で中和する方法等があげられる。 これらの方法のうち汎用有機溶剤への溶解性、
製造の安定性等より、スルホン酸金属塩基を含有
するポリエステルジオールを長鎖ジオール成分の
少なくとも一成分とする方法が好ましい。スルホ
ン酸金属塩基含有ポリエステルジオールを製造す
るために用いるスルホン酸金属塩基含有化合物と
しては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5
−カリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスル
ホテレフタル酸が好ましい。 スルホン酸金属塩基の含有量は、ポリウレタン
樹脂中、イオウ含有率で0.01〜2重量%、好まし
くは0.01〜1.5重量%、特に好ましくは0.05〜1.0
重量%の範囲にある。イオウ含有率が0.01重量%
未満ではスルホン酸金属塩基を含有する効果がみ
られず、1.5重量%を越えると溶液粘度の大巾な
上昇、汎用有機溶剤への溶解性の低下、湿度によ
る物性の変化がみられる。特に2重量%を越える
と顕著である。 本発明で用いるポリウレタン樹脂を製造する
際、イソシアネート基とヒドロキシ基との比率は
1/0.85〜1.2の範囲にあり、この比率により得
られるポリウレタン樹脂の分子量が決まる。イソ
シアネート基がヒドロキシ基に対して過剰の条件
下では、得られるポリウレタン樹脂はイソシアネ
ート基末端となるため保存性が悪く、又ヒドロキ
シ基が過剰すぎるとポリウレタン樹脂の分子量が
低くなるため、好ましい範囲は1/1〜1/1.15
である。 本発明で用いるポリウレタン樹脂の重付加反応
は、全成分を同時に反応させるワンシヨツト法、
まずイソシアネート過剰の条件下で長鎖ジオール
を反応させ、得られるイソシアネート基末端プレ
ポリマーを鎖延長剤により、さらに高分子化させ
るプレポリマー法とがある。本発明で用いる熱可
塑性ポリウレタン樹脂の場合、ワンシヨツト法、
プレポリマー法のいずれの方法でも製造できる
が、得られる樹脂の透明性より、プレポリマー法
が好ましく、特にプレポリマー法でも長鎖ジオー
ルBとポリシロキサン化合物Dのウレタン化反応
をイソシアネートA過剰の条件下で段階的に行な
つた後、低分子量化合物Cで鎖延長反応を実施す
る方法が好ましい。 反応方法は原料を溶融状態で行なう方法、溶液
中で溶解して行なう方法があげられる。 反応触媒としてオクチル酸第一錫、ジブチル錫
ジラウレート、トリエチルアミン等を用いてもよ
い。また、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、酸化
防止剤等を熱可塑性ポリウレタン・ウレア樹脂の
製造前、製造中、あるいは製造後に添加してもよ
い。 本発明においては、本発明の熱可塑性ポリウレ
タン系樹脂以外に、可撓性の調節、耐寒性、耐熱
性の向上等の目的のために、他の樹脂を添加する
か、および/または熱可塑性ポリウレタン系樹脂
と反応して架橋する化合物を混合することが望ま
しい。他の樹脂としては塩化ビニル系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ樹
脂、フエノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ア
クリロニトリル・ブタジエン共重合体等が挙げら
れる。一方、熱可塑性ポリウレタン樹脂と架橋す
る化合物としては、ポリイソシアネート化合物、
エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等があ
り、特にこれらの中でポリイソシアネート化合物
が特に望ましい。 本発明の磁気記録媒体の磁性層に使用される強
磁性粒子としては、γ−Fe2O3,γ−Fe2O3
Fe3O4の混晶、CrO2、コバルトをドープしたγ−
Fe2O3又はFe3O4、バリウムフエライト、および
Fe−Co,Fe−Co−Ni等の強磁性合金粉末など
をあげることができる。 本発明の磁気記録媒体には必要に応じてジブチ
ルフタレート、トリフエニルホスフエートのよう
な可塑剤、ジオクチルスルホ−ナトリウムサクシ
ネート、t−ブチルフエノール・ポリエチレンエ
ーテル、エチルナフタレンスルホン酸ソーダ、ジ
ラウリルサクシネート、ステアリン酸亜鉛、大豆
油レシチン、シリコーンオイルのような潤滑剤や
種々の帯電防止剤を添加することもできる。 (発明の効果) 本発明で用いるポリウレタン樹脂は分子中にス
ルホン酸金属塩基とポリシロキサン結合を含むも
のであり、該ポリウレタン樹脂を磁性粒子の結合
剤成分として用いた磁気記録媒体は、磁性粒子の
分散性だけではなく充填性、配向性に優れる。ま
たポリシロキサン化合物の割合及び種類を限定す
ることにより、磁性層の耐摩耗性、耐久性、走行
安定性が優れるだけではなく、磁気記録媒体の汎
用支持体であるポリエステルフイルムとの接着
性、他樹脂との相溶性が良好である。 (実施例) 以下実施例により、本発明を具体的に例示す
る。 実施例中、単に部とあるのは重量部を示す。 各合成例において使用したポリエステルジオー
ルA〜Eは第1表に示された組成および分子量を
有する。
【表】 合成例 1 温度計、撹拌機、環流式冷却管を具備した反応
容器中に分子量2000のポリエステルジオール
A100部、トルエン173部およびメチルエチルケト
ン173部を仕込み、樹脂溶解後、4,4′−ジフエ
ニルメタンジイソシアネート(MDI)36部、反
応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.05部を加
え、75℃で2時間反応させ、分子量1000のポリシ
ロキサン化合物イ(前出)2部を加えて更に1時
間反応させた後、ネオペンチルグリコール
(NPG)10部を仕込み、75℃で8時間加熱撹拌し
た。得られたポリウレタン樹脂A溶液は固型分濃
度30%、溶液粘度(25℃)35ポイズの淡黄色透明
な均一溶液であつた。またゲル浸透クロマトグラ
フイによる分析は分子量は標準ポリスチレン換算
24000、ポリウレタン樹脂A中のイオウ含有率は
0.20%であつた。 また得られたポリウレタン樹脂A溶液に硝化綿
(ダイセル社製RS1/2)、塩ビ・酢ビ系樹脂(U・
C・C社製VAGH)のMEK/トルエン(1/1)
溶液を固型分比で1/1、固型分濃度で20%にな
るように混合し、相溶性を測定した。均一に混合
してから、室温放置5時間後に相分離を生じたも
のを×、均一状態を保持したものを〇としたとこ
ろ、相溶性は良好(〇)であつた。 合成例 2 合成例1で用いた反応容器中に分子量1500のポ
リエステルジオールB50部、分子量2000のポリブ
チレンアジペートPBA50部、ネオペンチルグリ
コール10部、分子量1000のポリシロキサン分子量
ニ(前出)2部、トルエン175部、メチルエチル
ケトン175部を加え、溶解後、4,4′−ジフエニ
ルメタンジイソシアネート38部、ジブチル錫ジラ
ウレート0.05部を加え、75℃12時間反応させた。
得られたポリウレタン樹脂B溶液は固型分濃度30
%、溶液粘度(25℃)12ポイズの若干霞んだ淡黄
色均一な溶液であつた。またポリウレタン樹脂B
の分子量は18000、イオウ含有量は0.15%であつ
た。合成例1と同様にして他樹脂との相溶性試験
を行なつたところ、相溶性は良好であつた。 合成例 3〜11 合成例1あるいは2と同様の反応順序により、
合成例3〜11のポリウレタン樹脂C〜Kを合成し
た。使用した原料及び得られたポリウレタン樹脂
の特性を第2表に示す。 比較合成例 1 ポリシロキサン化合物イを用いないこと以外は
合成例1と同様にしてポリウレタン樹脂を合成し
た。得られたポリウレタン樹脂A*の特性を第3
表に示す。 比較合成例 2 合成例2で用いたポリエステルジオールBの代
わりにスルホン酸金属塩基を含まないポリエステ
ルジオールDを用いて合成例2と同様にして、ポ
リウレタン樹脂溶液を得た。得られたポリウレタ
ン樹脂B*の特性を第3表に示す。 比較合成例 3〜7 合成例1あるいは2と同様の反応手順により、
比較合成例3〜7を得た。使用した原料及び得ら
れたポリウレタン樹脂C*〜G*の特性を第3表に
示す。
【表】
【表】 表中、反応手順は以下のものである。 :ポリエステルジオールジイソシアネート ―――――――――→ ポリシロキサンジオール→2官能低分子量化
合物 :ポリエステルジオール、ポリシロキサンジ
オール、2官能低分子量化合物→ジイソシアネー
ト 溶剤は以下のものである。 A:メチルエチルケトン/トルエン=1/1
(容量比) B:トルエン/シクロヘキサノン=1/1
( 〃 ) C:メチルエチルケトン 合成例 12 合成例1で用いた反応容器中に、分子量2000の
ポリテトラメチレングリコール100部、ネオペン
チルグリコール12部、分子量2000のポリシロキサ
ン化合物ロ(前出)2部、トルエン231部、N,
N−ジメチルホルムアミド154部を仕込み、溶解
後、4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネート
50部及びジブチル錫ジラウレート0.05部加え、75
℃1時間反応後、タウリン
(H2NCH2CH2SO3H)1g、メタノール3g、
水5gからなる溶液を加え、更に75℃5時間反応
させた後、5N−水酸化ナトリウム水溶液1.6g添
加し、ポリウレタン樹脂L溶液を得た。 得られたポリウレタン樹脂L溶液の固型分濃度
は30%、溶液粘度(25℃)は15ポイズ、またポリ
ウレタン樹脂Lの分子量は18000、イオウ含有率
は0.15であつた。また合成例1と同様に相溶性試
験を行なつたところ硝化綿、塩ビ・酢ビ系樹脂共
に良好であつた。 比較合成例 8 合成例12と同様に(ただし、水酸化ナトリウム
によるタウリンのスルホン酸基を中和することな
く)ポリウレタン樹脂H*を得た。得られたポリ
ウレタン樹脂H*溶液の固型分濃度は30%、溶液
粘度25℃は13ポイズ、またポリウレタン樹脂H*
の分子量は19000、イオウ含有率は0.15%であつ
た。合成例1と同様の相溶性試験は良好であつ
た。 実施例 1 合成例1で得られたポリウレタン樹脂Aを用い
て下記の配合割合の組成物をボールミルに入れて
48時間分散してから、イソシアネート化合物コロ
ネート2030(日本ポリウレタン工業(株)製)5部を
硬化剤として加え、更に1時間混合して磁性塗料
を得た。これを厚み12μのポリエチレンテレフタ
レートフイルム上に、乾燥後の厚みが5μになる
ように、2000ガウスの磁場を印加しつつ塗布し
た。50℃、2日間放置後1/2インチ巾にスリツト
し、磁気テープを得た。 ポリウレタン樹脂A溶液 100部 (固型分30%、MEK/トルエン=1/1溶液) コバルト被着γ−Fe2O3 120部 オリーブ油 1部 シクロヘキサン 50部 トルエン 100部 MEK 50部 実施例2〜12、比較例1〜10 合成例1で得られたポリウレタン樹脂Aの代わ
りに、合成例2〜12のポリウレタン樹脂B〜L、
比較合成例1〜8で得たポリウレタン樹脂A*
H*溶液及び第4表に記載した樹脂を用いて、実
施例1と同様にして、磁気テープを得た。 以上の実施例及び比較例の磁気テープの特性を
第4表、第5表に示す。 なお、磁性層中の結合剤の含有量は磁性粒子
(重量)の1/4である。 各特性は次の方法により測定した。 充填性:空隙率Rvを次式により求めた。 Rv=1−Ms/q・Mo(Ms:単位体積当たり
の磁性塗膜の飽和磁化、Mo:単位体積当たりの
磁性粉のみの飽和磁化、q:磁性塗膜中の磁性粉
の体積分率、空隙率が小さい程、充填性が大きく
高記録密度化できる。) 走行安定性:磁気テープをビデイオデツキにか
け走行時のムラを見た。 ポリエチレンテレフタレート(PET)フイル
ムとの接着:磁性層上にセロハンテープを貼り、
セロハンテープを急速に剥離した時、磁性層がポ
リエチレンテレフタレートフイルムから全面的に
剥離するものを×、全く剥離しないものを〇、ほ
ぼ半分剥離するものを△とした。 結合剤としては以下のものを使用した。 硝化綿:ダイセル社製RS1/2 アジペートタイプポリウレタン:日本ポリウレ
タン社製 ニツポラン−2304
【表】
【表】
【表】 第4表および第5表から明らかなように、本発
明の磁気記録媒体は磁性粒子の分散性、配向性な
らびに充填性に優れるとともに、磁性層の摩耗状
態、走行安定性およびポリエチレンテレフタレー
トフイルムとの接着性に優れる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 非磁性支持体上に、強磁性粉末を結合剤中に
    分散させた磁性材料を塗布した磁性記録媒体にお
    いて、該結合剤の成分として、分子中にイオウ含
    有率が0.01〜2重量%になるようにスルホン酸金
    属塩基を有し、かつポリシロキサンジオールに基
    づくセグメントを0.005〜10重量%有する熱可塑
    性ポリウレタンを含有することを特徴とする磁気
    記録媒体。 2 熱可塑性ポリウレタンが有機ジイソシアネー
    トA、分子量500〜5000の長鎖ジオールB、分子
    量500未満の2官能性化合物又は水C、および下
    記一般式()で示されるポリシロキサン化合物
    Dを下記比率で反応させた熱可塑性ポリウレタン
    樹脂であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の磁気記録媒体。 一般式(): (式中、R2,R3は炭素原子数1〜6のアルキ
    ル基および/又はフエニル基であり、R1,R4
    一般式(): 【式】で示される基であ り、R5は水素原子又はメチル基、R6は炭素原子
    数2〜10のアルキレン基を示す。mは0〜5の整
    数である。またnは5〜50の整数である。) 反応比率: A/(B+C+D)=1/0.85〜1.2 (当量比) B/D=100/0.01〜10 (重量比)
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