JPH0251564B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本発明は、主として稲麦の収穫作業に用いられ
るコンバインに関し、特に脱穀、選別機構の選別
部を改良した自脱型のコンバインに関するもので
ある。

【従来の技術】

従来周知の、走行車体に装備され、圃場に植立
している作物を引起して刈取る刈取機構と、刈取
機構で刈取られた作物を受継いで脱穀、選別機構
に向け搬送し供給する搬送機構と、搬送機構によ
り搬送されながら供給される作物の穂部を脱穀
し、選別処理する脱穀、選別機構とを有する自脱
型のコンバインが知られている。

【発明が解決しようとする課題】

前記自脱型コンバインにおいては、その脱穀、
選別機構の選別部に、通常、揺動選別棚を有して
おり、このため、その駆動機構が複雑となるう
え、機体全体が揺動による振動の影響を受けてゆ
るみを生じたり破損したりして、性能および耐久
性が悪くなるばかりでなく、操縦者の疲労度も大
きい等の問題があつた。 また、本出願人は、特開昭56−113225号におい
て、扱室の下方にスクリユーオーガと選別受網を
設け、機構の簡素化を図ると共に、機体振動を少
くし、耐久性を向上させるようにした選別装置を
提案しているが、この提案のものは、そのままで
は自脱型コンバインに適用し難い問題点があつ
た。

【課題を解決するための手段、作用】

そこで本発明は、前記脱穀、選別機構には、軸
流脱穀形式の扱胴および扱室からなる脱穀部の下
側に、脱穀部と同じ軸線方向に扱室より大きく突
出して配設されるスクリユーオーガおよびこのス
クリユーオーガの受樋部分に設けられる網体を有
する選別部を設け、扱室および扱室下方の選別部
受網を漏下した脱穀物を主として一番口に収容
し、扱室から突出した選別部を漏下する選別物は
主として二番口に収容するようにし、前記スクリ
ユーオーガに攪拌部材を設け、扱室から突出する
選別部の突出部分の上方に排塵装置を設けて、ス
クリユーオーガの攪拌部材によつて掻き上げられ
たわら稈等を排塵装置で吸引して機外に排出する
ようにしたことによつて、機体振動が少くなり、
選別性能がより良好になると共に耐久性が向上
し、機構の簡素化が図れ、さらに操縦者の疲労も
軽減でき、前記従来の問題点が解消される。

【実施例】

以下、図示の実施例を参照して本発明を説明す
る。 第１図および第２図において、符号１はクロー
ラ形式の走行輪２を有する車台で、この車台１の
前部に、圃場に植立している作物を分草する分草
体３、作物を引起す引起し体４および作物の株元
を刈取る刈刃５等からなる刈取機構６が装着され
ている。刈取機構６の後部には、刈取機構で刈取
られた作物を受継いで後述する脱穀、選別機構８
に向け挟持、搬送する搬送機構７が設けられてい
る。 脱穀、選別機構８は、上部に扱室９を設け、こ
の扱室９内に扱胴１０が車台１の走行方向に軸心
を有してほぼ水平に軸架され、また、扱室９の下
部には受網１１が設けられている。扱室９の側部
には、前記搬送機構７で搬送された作物を受継い
でその穂先側を扱室９に供給して扱胴１０の軸線
方向に移送するフイードチエン１２が設けられて
いる。扱室９の下方および後方には選別室１３が
設けられ、この選別室１３内には、前記受網１１
の直下に、第２図にも示すようにスクリユーオー
ガ１４，１５が、選別室１３の終端まで延びるよ
うに扱室９の終端より大きく突出して長く配設さ
れている。このオーガ１４，１５の下側の受樋部
分には、選別部受網１６，１７が配設されてお
り、この受網１６，１７の終端部は開放されてい
る。スクリユーオーガ１４，１５の移送方向の前
半部、即ち扱室９に対応する選別部受網１６，１
７の下方には、第１図で左から右へ搬送を行なう
べルトコンベア１８が設けられ、このコンベア１
８の搬送終端下方には１番口のオーガ１９が設け
られ、選別部受網１６，１７の後半部下方には２
番口のオーガ２０が設けられている。２番口のオ
ーガ２０の搬送終端には２番還元スロワ２１が設
けられ、扱室９の後端部に連通されている。 また、選別室１３には、コンベア１８の下方に
位置して唐みフアン２２、扱室９の後方でスクリ
ユーオーガ１４，１５の終端部上方に吸引フアン
２３および上部排塵口２４、２番口のオーガ２０
の後方に下部排塵口２５がそれぞれ設けられてい
る。 このように構成されたコンバインにおいては、
機体の前進走行と共に、圃場に植立している作物
の穀稈が分草体３で分草され、引起し体４で梳き
起すように掻き込み、刈刃５で刈取る。そして、
刈取つた穀稈を搬送機構７で挾持して脱穀、選別
機構８に向けて搬送し、フイードチエン１２に継
送させる。フイードチエン１２では、穀稈の株元
部を挾持して穀稈穂先側を扱室９内に供給して移
動し、この移動の間に扱胴１０によつて穀稈穂部
が脱穀される。扱室９内で脱穀された脱穀物の大
半は受網１１を漏下してスクリユーオーガ１６，
１７の前半部上に落下し、また、扱室９内に残つ
たチヤフは受網１１の終端開口から放出され、穂
付粒など比重の重いものはスクリユーオーガ１
６，１７上に落下し、その移送選別過程で比重の
軽い短稈、塵埃等は、唐みフアン２２の圧力風お
よび吸引フアン２３の吸引力により風選されて上
部排塵口２４から機外に排出される。 受網１１を漏下した被選別物のうち、単粒化さ
れた穀粒は、選別受網１６，１７の前半部を漏下
してべルトコンベヤ１８上に落下し、その搬送終
端から順次落下させて唐みフアン２２の選別風で
選別されて精粒のみが一番口にもたらされ、オー
ガ１９によつて容器等に収容される。選別受網１
６，１７の前半部を漏下せずに残つた被選別物
は、主として枝梗付着粒、穂切粒、穂軸粒等であ
り、スクリユーオーガ１４，１５の旋回、移送に
よつて脱粒、選別処理が行われ、選別受網１６，
１７の後半部を漏下したものは２番口にもたらさ
れ、オーガ２０、２番還元スロワ２１を介して扱
室９に還元されて再脱穀される。 また、選別受網１６，１７の後半部から落下し
た被選別物のうち、比重の軽い茎稈、塵埃等は、
唐みフアン２２の選別風により下部排塵口２５か
ら機外に排出される。 前記実施例においては、２番還元スロワ２１を
扱室９に連通したものを示したが、これをスクリ
ユーオーガ１４，１５の長さ方向中間位置に連通
させてスクリユーオーガ１４，１５で再処理する
ようにしてもよいものである。 また、スクリユーオーガ１４，１５には、第３
図および第４図に示すように、スクリユー歯のピ
ツチ間に、拡散体２６を架け渡したり、拡散棒２
７を設けたりしてもよく、この場合には、選別受
網１６，１７の目詰りが防止され、また、被選別
物の螺旋運動がより良好となり、それ自体の選別
能力および拡散体２６や拡散棒２７によつて掻き
上げられた塵埃、わら稈等が吸引フアン２３で吸
引されて上部排塵口２４から排出され、選別処理
性能が高くなる。 なお、拡散体２６、拡散棒２７等の拡散部材の
設置場所、設置個数および組合せ等は、当然のこ
とながら扱室９から漏下する被選別物の内容、作
物の種類等に応じて適宜変えてもよいものであ
る。 また、スクリユーオーガは、前記実施例のよう
に２本のものに限らず、１本、または２本以上に
してもよいものである。さらに、選別受網１６，
１７を、第５図に示すように、その後半部の２番
口のオーガ２０に対応する部分の網目の大きさ
を、前半部の網目の大きさより大きく１６ａ，１
７ａのようにすることによつて、扱室９での枝梗
付着粒、穂切粒等が多発する場合に、二番口のオ
ーガ２０への漏下がよくなり、詰りを生ずること
なく能率よく処理される。

【発明の効果】

以上説明したように本発明の自脱型コンバイン
によれば、脱穀、選別機構を、軸流形式の自脱型
の脱穀部と、この脱穀部の下側に設けられ、脱穀
部と同じ軸線方向に扱室より大きく突出して長く
配設されたスクリユーオーガおよびこのスクリユ
ーオーガの受樋部分に設けられる網体からなる選
別部とで構成し、扱室下方の選別受網を漏下する
脱穀物を主として一番口に、扱室から突出する選
別受網から漏下する選別物を主として二番口に収
容するようにしたので、機構が簡素化されて機体
の振動が少く機体の寿命が長くなり、操縦者の疲
労が軽減されると共に、一番物と二番物が効率よ
く分離されて能率よい脱穀選別作業が行える。 また、スクリユーオーガに攪拌部材を設け、扱
室から突出するスクリユーオーガの上方に排塵装
置を設け、攪拌部材により掻き上げられたわら稈
等を排塵装置で排出するようにしたので、特に二
番物の選別が効率よく行われて選別性能が向上
し、スクリユーオーガの詰りを解消し、消費動力
を少くするこができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す自脱型コンバイ
ン全体の概略側面図、第２図は要部の縦断正面
図、第３図および第４図はスクリユーオーガの変
形例を示す側面図、第５図は選別部受網の変形例
を示す側面図である。 １……車台、２……走行輪、３……刈取機構、
７……搬送機構、８……脱穀、選別機構、９……
扱室、１０……扱胴、１１……受網、１３……選
別室、１４，１５……スクリユーオーガ、１６，
１７……選別部受網、１８……べルトコンベア、
１９……１番口のオーガ、２０……２番口のオー
ガ、２１……２番還元スロワ、２２……唐みフア
ン、２３……吸引フアン、２４，２５……排塵
口、２６……拡散体、２７……拡散棒。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 走行車体に装備され、圃場に植立している作
   物を刈取る刈取機構と、刈取られた作物を受継い
   で脱穀部へ向け搬送する搬送機構と、搬送機構に
   より搬送されながら供給される作物の穂部を脱穀
   し、選別処理する脱穀、選別機構とを具備する自
   脱型のコンバインにおいて、 前記脱穀、選別機構は、軸流脱穀形式の扱胴お
   よび扱室からなる脱穀部の下側に、脱穀部と同じ
   軸線方向に扱室より大きく突出して配設されるス
   クリユーオーガおよびこのスクリユーオーガの受
   樋部分に設けられる網体を有する選別部を設け、
   扱室および扱室下方の選別部受網を漏下した脱穀
   物を主として一番口に収容し、扱室から突出した
   選別部を漏下する選別物は主として二番口に収容
   するようにし、 前記スクリユーオーガに攪拌部材を設け、扱室
   から突出する選別部の突出部分の上方に排塵装置
   を設けて、スクリユーオーガの攪拌部材によつて
   掻き上げられたわら稈等を排塵装置で吸引して機
   外に排出するようにしたことを特徴とする自脱型
   コンバイン。