JPH0425942Y2

JPH0425942Y2 -

Info

Publication number: JPH0425942Y2
Application number: JP1985047522U
Authority: JP
Priority date: 1985-03-29
Filing date: 1985-03-29
Publication date: 1992-06-23
Also published as: JPS61160629U

Description

【考案の詳細な説明】【産業上の利用分野】

本考案は、主として稲、麦等を脱穀、選別する
コンバイン、脱穀機等の選別装置に関するもので
ある。

【従来の技術】

自脱型のコンバイン等においては、脱穀部の受
け網から漏下する被選別物と、扱室終端開口部か
ら排出される被選別物とを区分して選別すること
が必要である。そして、本考案者らは、扱室終端
開口部から排出される被選別物を選別する装置と
して、扱室終端開口部と連通するように配置した
スクリユー型選別機構を提案している。

【考案が解決しようとする課題】

一方、受け網から漏下する被選別物には、穀粒
中に細かい藁屑を混入し、風力選別だけで十分に
選別できるものであるが、これらを風力選別部ま
で搬送する必要が生じ、そのために無端ゴムベル
ト、揺動送り機構等を別途設ける必要があつた。
このため、動力伝達装置を別途設けねばならず、
全体の構成が複雑となるという問題点があつた。そこで本考案は、扱室受け網から漏下する被選
別物の搬送と扱室終端開口部から排出される被選
別物の選別とを同じ動力源で行えるようにして、
この選別装置の動力源を一つのもので構成するこ
とができて、全体の構成を単純化し得るようにし
たコンバイン等の選別装置を提供することを目的
とする。

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため本考案は、軸流形式の
扱室の下側に、扱室の受け網を漏下した被選別物
を一番口に向け搬送するように設けた複数連の搬
送用スクリユーオーガと、扱室終端開口部と連通
するように配設され、受樋部分に網体を設けて選
別機構を構成する複数連の選別用スクリユーオー
ガとを、同一軸で回転するように連結し、前記選別用スクリユーオーガは、搬送用スクリ
ユーオーガより外径およびピツチが大きく、その
スクリユー間に攪拌体を有し、搬送用スクリユー
オーガの下側に設けた選別用送風機と選別用スク
リユーオーガの終端部上方に設けた排塵用送風機
とで選別風路を形成したことを特徴とする。

【作用】

上記の構成によつて、複数連の搬送用スクリユ
ーオーガと複数連の選別用スクリユーオーガとを
同一軸で回転するように連結したので、搬送用ス
クリユーオーガと選別用スクリユーオーガを同時
に回転させて、搬送作用と選別作用とが同時に広
い範囲で行われる。また、選別用スクリユーオー
ガは、搬送用スクリユーオーガより外径およびピ
ツチが大きく、そのスクリユー間に攪拌板や攪拌
棒のような攪拌体を有し、搬送用スクリユーオー
ガの下側に設けた選別用送風機と選別用スクリユ
ーオーガの終端部上方に設けた排塵用送風機とで
選別風路を形成したので、特に選別用スクリユー
オーガにおいては、長藁の巻付きや網体の目詰ま
りがなく、効率よく選別処理され、また一番口お
よび二番口の風選処理が効率よく行われる。

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の一実施例を具体
的に説明する。第１図において、符号１はクローラ形式の走行
部２を有する自脱型コンバインの車体で、この車
体１には、前部にヘツダ部Ａが上下動調節可能に
設けられ、上部に脱穀部Ｂ、選別部Ｃが上下に重
設され、また、脱穀部Ｂ、選別部Ｃの一側に操縦
部Ｄが配設され、図示しないエンジンを搭載して
その動力を各駆動部に伝達するようにしている。ヘツダ部Ａは、従来周知のものと同様に、デバ
イダ、穀稈引起し機構、刈取機構、刈取られた穀
稈を挾持搬送する搬送機構等を具備している。そ
して、油圧シリンダ等により車体１に対し上下動
可能に構成されている。脱穀部Ｂは、扱室３内に軸心を前後方向に向け
て扱胴４を水平に軸支し、この扱胴４の下側に受
け網５を張設している。また、扱室３の外側に、
その軸線方向に沿つてフイードチエン６が設けら
れ（第２図、第３図参照）、その後端部は選別部
Ｃの上方まで延出させて排藁チエン７に連繋し、
脱穀後の排稈を機体後方に放出するようにしてい
る。受け網５の後端部は解放されていて、選別部
Ｃと連通している。前記受け網５の下側と、受け網後端開口部の下
側から後方にかけての位置とに、３連の搬送用ス
クリユーオーガ８の各回転軸と、３連の粗選別用
スクリユーオーガ９の各回転軸とがそれぞれ同一
軸で軸支されている。これら搬送用スクリユーオ
ーガ８と粗選別用スクリユーオーガ９との間には
第１図に示すように仕切りが設けられ、回転軸が
貫通している。搬送用スクリユーオーガ８の下側
には受樋１０が設けられ、この受樋１０の後端は
開放されている。粗選別用スクリユーオーガ９の
スクリユーの径は、搬送用スクリユーオーガ８の
スクリユーの径より大きく、回転軸に対しスクリ
ユーが途中で終つており、このスクリユーの下側
に選別網１１が張設され、選別網１１の後端部は
開放されている。また、粗選別用スクリユーオー
ガ９のピツチ間は軸線に沿つて攪拌板１２により
連結されている。受樋１０の下方には選別フアン
１３が配設され、この選別フアン１３の後方に、
１番オーガ１４と２番オーガ１５が順に設けられ
ている。２番オーガ１５の一側には２番還元スロ
ワ１６を設けて前記扱室３の後部と連通させてい
る。選別網１１の後端開放部の下方で２番オーガ
１５の上方には篩い線１７が揺動するように設け
られ、この篩い線１７の斜め上方の選別室後端部
には吸引フアン１８が設けられると共に、その後
方に排塵口１９が開口している。また、第２図および第３図に示すように、扱室
３のフイードチエン６と反対側の側部には処理室
２０が設けられて扱室３の一部と連通し、この処
理室２０に処理胴２１が軸支されている。さら
に、前記１番オーガ１４の搬送終端部には揚穀オ
ーガ２２が連結され、１番物を機外に取出し収容
するようになつている。このような構成のコンバインにおいては、稲、
麦等を収穫するときは、稲、麦の栽培列に沿つて
コンバインを走行させ、まずヘツダ部Ａで穀稈を
分草して引起し、機体側に掻込んで株元を刈取
り、搬送機構で株元側を挾持し搬送して脱穀部Ｂ
のフイードチエン６に受け渡される。そして、フ
イードチエン６により株元側を挾持させて搬送さ
れる穀稈は、その穂先側を扱室３内に供給されて
扱胴４により脱穀され、脱穀された排稈は排藁チ
エン７で機外に放出される。扱室３内で脱穀され
た脱穀物のうち、穀粒の約90％は細かい藁屑と共
に受け網５から漏下し、残りの約10％の穀粒は、
長藁、藁屑と共に扱室終端開口部から選別部Ｃの
粗選別用スクリユーオーガ９、選別網１１上に放
出される。受け網５を漏下した穀粒等は搬送用スクリユー
オーガ８、受樋１０上に落下して後方に向け搬送
され、その搬送端から放出されて選別フアン１
３、吸引フアン１８で形成される選別風路で風選
作用を受け、精選された１番穀粒は１番オーガ１
４に落下して一側に搬送され、揚穀オーガ２２を
介して収容袋等に収容される。風選された細かい
藁屑は排塵口１９から機外に排出される。一方、粗選別用スクリユーオーガ９、選別網１
１上に落下した穀粒および藁屑等は、スクリユー
オーガ９により機体後方へ向け搬送される間に穀
粒と長藁は選別、分離され、穀粒は選別網１１を
漏下して風選されて１番オーガ１４に落下し、長
藁等は、スクリユーオーガ９に巻付くことなく選
別網１１の後端開口部から上下に振動している篩
い線１７上に放出される。また、攪拌板１２の回
転につてり選別網１１への目詰まりが生じない。
そして、長藁等と一緒に排出された枝梗付着粒、
穂切粒等は、篩い線１７により長藁と分離されて
２番オーガ１５内に落下して２番還元スロワ１６
を介して扱室３の後部に還元され、再処理され
る。また、長藁等は吸引フアン１８に吸引されて
排塵口１９から機外に排出される。なお、脱穀部Ｂには処理室２０、処理胴２１が
設けられているので、脱穀、再処理性能が向上し
ている。前記第１の実施例における搬送用スクリユーオ
ーガ８、粗選別用スクリユーオーガ９は、第４図
に示すように構成してもよいものである。即ち、
受樋１０の後端を開放することなく補助選別網２
４を張設し、また、粗選別用スクリユーオーガ９
の長さを長くすると共に、スクリユーオーガのピ
ツチ間に攪拌棒２３を設け、選別網１１を長くし
てその後端を機外に開放して排塵口２５としてい
る。このような構成においては、前記第１の実施例
から篩い線１７を省略しても同様の選別性能が期
待できるものである。また、前記第１の実施例の粗選別用スクリユー
オーガ９にも、第２の実施例の攪拌棒２３と同様
の攪拌棒を、オーガの軸上に、あるいはオーガの
羽根上にわずかに突出するように設けてもよく、
そうすることにより被選別物の送り作用がよくな
り、スクリユーオーガ９への長藁の巻付きや選別
網１１への目詰まりが解消される。さらに、第２の実施例における選別網１１の網
目の大きさを、前半部より後半部が大きくなるよ
うにしてもよく、また、受け網５からの漏下物中
に長藁が混入するような場合（例えば、乾燥した
麦を収穫、脱穀する場合）には、第２の実施例の
ように構成することにより、１番オーガ１４に長
藁が混入するのが防止できる。なお、前記搬送用スクリユーオーガ８および粗
選別用スクリユーオーガ９の各軸の適当な位置が
上下または左右に多少ずれている場合には、ユニ
バーサルジヨイント等で接続して、一本の軸と同
様の伝動構成としてもよいことは勿論である。

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のコンバイン等の
選別装置によれば、以下の効果を奏することがで
きる。軸流形式の扱室の下側に、扱室の受け網を漏
下した被選別物を一番口に向け搬送するように
設けた複数連の搬送用スクリユーオーガと、扱
室終端開口部と連通するように配設され、受樋
部分に網体を設けて選別機構を構成する複数連
の選別用スクリユーオーガとを、同一軸で回転
するように連結しので、搬送用スクリユーオー
ガと選別用スクリユーオーガを同時に回転させ
て、搬送作用と選別作用とが同時に広い範囲で
行われ、伝動機構が簡単になつてコンバイン全
体の構成が簡略化され、軽量でメンテナンスが
容易となる。選別用スクリユーオーガは、搬送用スクリユ
ーオーガより外径およびピツチが大きく、その
スクリユー間に攪拌板や攪拌棒のような攪拌体
を有し、搬送用スクリユーオーガの下側に設け
た選別用送風機と選別用スクリユーオーガの終
端部上方に設けた排塵用送風機とで選別風路を
形成したので、特に選別用スクリユーオーガに
おいては、被選別物が多くても、長藁が選別用
スクリユーオーガに巻付いたり、被選別物の詰
まりを生じたり、選別網に目詰まりを生じたり
することがなく、効率よく選別処理することが
できる。また、一番口および二番口の風選処理
を効率よく行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例を示すコンバイ
ン全体の概略側面図、第２図は、第１図の−
線に沿う断面図、第３図は、第１図の−線に
沿う断面図、第４図は、本考案の第２の実施例を
示す概略側面図である。Ａ……ヘツダ部、Ｂ……脱穀部、Ｃ……選別
部、Ｄ……操縦部、１……車体、２……走行部、
３……扱室、４……扱胴、５……受け網、６……
フイードチエン、７……排藁チエン、８……搬送
用スクリユーオーガ、９……粗選別用スクリユー
オーガ、１０……受樋、１１……選別網、１２…
…攪拌板、１３……選別フアン、１４……１番オ
ーガ、１５……２番オーガ、１６……２番還元ス
ロワ、１７……篩い線、１８……吸引フアン、１
９，２５……排塵口、２０……処理室、２１……
処理胴、２２……揚穀オーガ、２３……攪拌棒、
２４……補助選別網。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】軸流形式の扱室の下側に、扱室の受け網を漏下
した被選別物を一番口に向け搬送するように設け
た複数連の搬送用スクリユーオーガと、扱室終端
開口部と連通するように配設され、受樋部分に網
体を設けて選別機構を構成する複数連の選別用ス
クリユーオーガとを、同一軸で回転するように連
結し、前記選別用スクリユーオーガは、搬送用スクリ
ユーオーガより外径およびピツチが大きく、その
スクリユー間に攪拌体を有し、搬送用スクリユー
オーガの下側に設けた選別用送風機と選別用スク
リユーオーガの終端部上方に設けた排塵用送風機
とで選別風路を形成したことを特徴とするコンバ
イン等の選別装置。