JPH033155Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は、脱穀機における藁切断装置に関するも
のである。

（従来の技術） スクリユー式扱胴を内装した扱室をもつ、いわ
ゆる全量供給型軸流コンバインにあつては、扱室
受網下方に揺動選別盤があり、移動選別盤の後方
に排塵口がある。

そして、その排塵口に近くチヨツパーからなる
藁切断装置がある。

（考案が解決しようとする課題） 以上のような藁切断装置をもつコンバインで
は、チヨツパー用動力を別に設ける必要があつて
経済的でないし、又藁切断装置を取付けるための
特別のスペースを作らなければならない。

したがつて、本案は、排稈の容易な脱穀機を得
ることを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 以上のような目的を達成する本案の技術的手段
は、扱胴の終端部外周に切刃を設け、これに対応
するケーシングに受刃を設けて、切刃を排塵羽根
兼用の切断装置として、排稈直前で穀稈を切断し
て放出することができるようにしたものである。

（作用） 扱胴を回動せしめると、切刃は受刃と共に扱室
内を排稈口側に向かつて移動してくる穀稈を切断
し、切断されたものは拡散板で拡散されながら排
稈口から外部に向かつて放出される。

（実施例） 先ず、第８図に示す従来の全量供給型軸流コン
バインから説明する。

作物は掻込リール１で掻き込まれて、刈刃２で
刈り取られ、刈り取られた作物は掻込オーガ３か
らフイーダーハウス４のチエーンコンベア５で扱
室６に運ばれ、スクリユー式扱胴７で脱穀され
る。

脱穀されたものは受網８から揺動選別盤９に落
下し、送風フアン１０と揺動選別盤９により選別
される。

この選別過程で、穀類と細かい藁屑は選別盤９
から下方に漏下し、長藁のみ排塵口１１方向に運
ばれる。

選別盤から落下した穀粒を含む漏下物は、唐箕
のような送風フアン１２による選別風をうけて穀
類は一番樋１３に、二番物は二番樋１４に落下
し、一番樋１３に落下した穀類は揚穀コンベア１
５で籾タンク１６に運ばれ、二番物はスロワー筒
１７を経て選別盤９上に還元されるようになつて
いる。

１８は脱穀機を搭載したクローラであり、１９
は操縦部を示す。

以上のようなコンバインにおける扱室の排稈部
は、通常、排塵羽根とケーシングとで構成されて
いる。

本案は、排塵羽根の代わりに第１，２図の如く
切刃２０を設け、かつ扱室６の側板６ａに受刃２
１を設けたもので、切刃２０は扱胴７に固定の取
付座２２にボルト２３をもつて枢支されている。

したがつて、第１図矢印の如く切刃２０は揺動
する。又、受刃２１は第１図仮想線の如く扱室６
の側板６ａ側に収納できるように構成する。

なお、第２図中２５は入力プリーを示す。

さて、扱胴７を第１図矢印の如く回動せしめる
と、切刃２０は受刃２１と共に扱室６内を排稈口
２６側に向つて移動してくる穀稈を切断し、切断
されたものは拡散板２７で拡散されながら排稈口
２６から外部に向つて放出される。

したがつて、切刃２０は扱胴７で駆動されるも
のであるから、切断装置用動力を別に設ける必要
がなく、スペースをとらない。

又、扱胴入力プリー２５近くに切刃２０が設け
られるため強度的に有利である。

すなわち、大動力伝動経路が短くて済むからで
ある。

更に又、排稈直前で切断されるため長い作物で
も排稈が容易であり、短く作物は切断されるため
排稈口が小さくて済みスペースの節約となる。

なお、受刃２１を第１図の如く可倒式にすれば
切断の切換が容易である。

もつとも、受刃２１を起立せしめたとき起立状
態を維持させるため、図示しないロツク装置を設
けることは勿論である。

又、第４，５図のものは、扱胴円周を３分割し
た締付座２８に切刃２０が設けられたものが示さ
れている。

以上のようにすると、扱胴後端に相当な荷重が
かかつても十分な強度が維持されるし、切断装置
不要の際取除くこともできる。

更に又、第６，７図のものは１番樋１３後部の
扱胴７と扱室６の内部に切刃２９を設けると共に
扱胴７のスパイラ７ａ間に扱歯３０を設けてあ
り、更に排塵羽根３１に受刃３１ａを設け、切刃
２９がこの受刃３１ａ内を通過できるように構成
されたものが示されている。

かかる構成によると、穀粒が95％以上濾過され
た１番樋後端以後に切刃、扱歯が設けられている
ことになり、これによつて扱室内の稈は切断され
細分されて排稈口から排出される。

したがつて第１，２，３図のものと同様にチヨ
ツパーやカツターのような排稈処理装置が必要で
なくなる。

もつとも、切刃、扱歯は脱着可能な構成とし、
切断細分の必要がないとき取外すようにするとよ
い。

（考案の効果） この技術的手段によれば、切断装置用動力を別
に設ける必要がなく経済的であり、又扱胴にチヨ
ツパーに代るものを取付けるためのスペースをと
らないし、扱胴入力プリー近くに刈刃を設けるた
め強度的に有利である。

しかも長い作物でも排稈が容易であり、排稈口
が小さくて済む。

【図面の簡単な説明】

第１，２，３図は本案装置を示す側面図、正面
図、切刃部分の切断平面図、第４，５図は第１，
２，３図とは異なる実施例にかかる側面図と正面
図、第６，７、図は更に他の異なる実施例にかか
る正面図と部分図、第８図は全量供給型軸流コン
バインの全体図である。 １……掻込リール、２……刈刃、３……オー
ガ、４……フイーダーハウス、５……チエーンコ
ンベア、６……扱室、７……扱胴、２０……切
刃、２１……受刃、２９……切刃、３０……扱
歯、３１……排塵羽根。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱胴の終端部外周に切刃を設け、これに対応す
   るケーシングに受刃を設けて切刃を排塵羽根兼用
   の切断装置として排稈直前で穀稈を切断し放出す
   ることを特徴とする脱穀機における藁切断装置。