JPH0248420B2 - Naimentososetsuchakukanoyobisonoseiho - Google Patents

Naimentososetsuchakukanoyobisonoseiho

Info

Publication number
JPH0248420B2
JPH0248420B2 JP18004985A JP18004985A JPH0248420B2 JP H0248420 B2 JPH0248420 B2 JP H0248420B2 JP 18004985 A JP18004985 A JP 18004985A JP 18004985 A JP18004985 A JP 18004985A JP H0248420 B2 JPH0248420 B2 JP H0248420B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
layer
intervening layer
coating
paint
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP18004985A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6241023A (ja
Inventor
Shinya Ootsuka
Seiichi Nakazato
Akio Ogura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP18004985A priority Critical patent/JPH0248420B2/ja
Publication of JPS6241023A publication Critical patent/JPS6241023A/ja
Publication of JPH0248420B2 publication Critical patent/JPH0248420B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rigid Containers With Two Or More Constituent Elements (AREA)
  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、内面塗装接着罐及びその製法に関す
るもので、より詳細には、接着介在層(接着プラ
イマー層)と保護上塗り層とのダブルコートの内
面塗膜を備え、接着剤による接合に際して接合の
不均一性や、罐胴加工時の塗膜割れ等が解消され
た内面塗装接着罐及びその製法に関する。本発明
はまた、熱エネルギーコストの低減された接着罐
の製法にも関する。 従来の技術及び発明の技術的課題 近年、製罐の分野においては、罐用金属素材と
して、スズメツキ鋼板に代わり、クロメムツキ鋼
板や表面に酸化クロム被膜を有するクロム酸処理
鋼板等の所謂テイン・フリー・スチールTFSが
広く使用されている。この罐用金属素材はハンダ
付けが困難であるため、罐胴の側面継目(サイ
ド・シーム)の形成は、罐用金属素材の対向する
両端縁部をポリアミドの如き有機接着剤で接合す
る方式で専ら行われている。 公知の接着製罐方式によれば、先づ、罐用金属
素材の両表面に、接着促進剤及び下塗り塗料とな
るエポキシ−フエノール塗料の如き下塗り剤(プ
ライマー)を先ず施こし、次いで焼付けた後、罐
用金属素材の対向する両端縁部の間に位置するポ
リアミド系接着剤を熔接させ、次いで熔接したポ
リアミド系接着剤を加圧下に冷却して固化させる
ことにより、罐用金属素材の両端縁部を接合させ
る。かくして形成された罐胴を罐蓋と巻締し、次
いで罐内面に、上塗り塗料(トツプコート)をス
プレー等により施こし、罐製品とする。 公知の接着罐は、炭酸飲料のように、罐体への
内容物の充填が冷間で行われ且つ内容物が酸性で
あることにも関連して殺菌処理を必要としないも
のには、満足すべき結果を与えるとしても、保存
性の点で内容物を熱間充填し、或いは充填密封後
レトルト殺菌を行うことが必要でしかもこのもの
を長期にわたつて保存する用途には末だ満足すべ
き結果を与えるものはなかつた。 先ず、罐体に耐腐食性を賦与するために施す上
塗り塗料は、製罐後の罐体に施されるため、この
上塗り塗料の焼付温度を使用した接着剤の融点以
上に上げられないという制限がある。このため、
従来は、塩化ビニル系塗料の如き熱可塑性樹脂塗
料が専ら上塗り塗料として使用されてきたが、こ
のような熱可塑性樹脂塗料は、耐熱性及び耐熱水
性に欠けており、レトルト殺菌時に所謂白化等の
熱水劣化を生じ、更に下塗り塗料との密着不良等
を生じて、レトルト殺菌後において十分な耐腐食
性が得られないという欠点を生じる。 また、公知の接着罐の製造法においては、上塗
り塗料を溶液の形で施し且つ焼付することに関連
して、罐体を構成する接着剤、シーリングコンパ
ウンド及び下塗り塗料が溶剤や熱の攻撃による好
ましくない影響を受けるという欠点を生じる。即
ち、下塗り塗料や接着剤は、溶剤と熱との攻撃に
より膨潤し、また熱劣化して接合部における接着
劣化を生じ、漏洩の原因となる。このような接着
劣化は、罐体の加工部分、特に二重巻締のような
苛酷な加工を受けた部分において顕著に生じ、レ
トルト殺菌を受けた場合にリーク(漏洩)となつ
て表われる。更に、接着剤の加熱によりその結晶
化度が上昇し、従つて接合部を構成する接着剤の
破断伸びが減少し、柔軟性が低下して、やはりレ
トルト処理後のリークの原因となる。このような
溶剤と熱とによる劣化は、シーリングコンパウン
ドを介した巻締部分でも生じ、弾性低下、伸び減
少、罐用金属素材との密着性低下等によりやはり
リークの原因となる。 更に公知の接着罐においては、上塗り塗料を塗
布した後の罐体を比較的低い温度で焼付なければ
ならないことに関連して、塗膜中に微量ではある
が無視し得ない量の溶剤が残存する場合があり、
罐詰がレトルト殺菌に賦されるとき、この残留溶
媒の影響を生じて、内容食品のフレーバーが低下
する傾向もある。 これらの接着罐の欠点を改善するために、特公
昭59−46855号公報には、テイン・フリー・スチ
ールから成る罐用素材をポリアミド系接着剤を介
して重ね合せ接合して成る接着罐において、前記
罐用素材は、前記重ね合せ接合部に対応する部分
を含めて全面に、エポキシ樹脂と多環フエノール
を含有するフエノール・アルデヒド樹脂とから成
る接着介在層ともなる下塗り層を有し、前記罐用
素材は、前記重ね合せ接合部以外の部分の少なく
とも内面側に且つ該下塗り層上に継目の接着に先
立つて施された熱硬化性樹脂からなる耐腐食性の
保護被覆上塗り層を有し、前記接着介在層の厚さ
をTA、前記保護被覆上塗り層と下塗り層との合
計の厚さをTPとしたとき、これら各層は下記式 TA/TP=0.025乃至0.7 TA=0.5乃至9ミクロン TP=3乃至20ミクロン を満足する関係にあることを特徴とする耐熱性接
着罐が記載されている。 この接着罐は、全ての塗料を接着工程に先立つ
て、罐内面となる面に施こすことによつて、前述
した諸欠点を解消し、更に接着剤による継目部に
は、接着に最も適した種類と厚みの塗膜を配し、
それ以外の部分には罐内面保護に最も適した種類
と厚みの塗膜を配したという点で顕著な特徴を有
するものではあるが、この接着罐においては未だ
改善されるべき一つの欠点があることが見出され
た。 その欠点とは、接着介在層ともなる下塗り層を
金属素材に塗布し、焼付した後、継目となるべき
部分を残して保護上塗り層をその上に塗布し、焼
付した場合に、その上塗り層の端部乃至近傍に、
ビルドアツプ部、即ち上塗り層の厚みが極部的に
極端に厚い部分が形成されることであり、このビ
ルドアツプ部の形成により、接着に際する圧力が
不均一となつて接着が不均一に行われること;接
着時或いは接着後の罐胴の加工(例えばフランジ
加工、ビード加工)時にこのビルドアツプ部に応
力が進中し、塗膜にクラツクが発生したり、或い
は局部的な漏洩の原因となること;接着剤の施用
時或いは接着時に空気を巻き込み易く、これが接
着剤と加熱溶融時に接着剤の発泡の原因となるこ
と;等である。 発明の目的 従つて、本発明の目的は、従来の接着罐におけ
る上記欠点が解消すれた内面塗装接着罐及びその
製法を提供するにある。 本発明の他の目的は、上記ビルドアツプの形成
が解消され、その結果として、接着の不均一性、
塗膜のクラツク発生及び接着剤発泡等のトラブル
が解消された内面塗装接着罐及びその製法を提供
するにある。 本発明の更に他の目的は、内面塗装罐の製造
が、少ない工程数と安価な費用、特に少ない熱エ
ネルギーコストで行われる方法を提供するにあ
る。 発明の構成 本発明によれば、罐用金属素材を熱可塑性接着
剤を介して重ね合せ接合して成る接着罐であつ
て、該罐用金属素材は、重ね合せ接合部に対応す
る部分にストライプ状に、或いは該部分を含めて
内面全面に塗布されたエポキシ−フエノール系樹
脂から成る接着介在層と、継目となるべき実質上
の部分を除いて内面全面に塗布された該接着介在
層用エポキシ−フエノール系樹脂とは異なるエポ
キシ−フエノール系樹脂から成る内面保護被覆層
とから成り、該内面保護被覆塗料は、該接着介在
層用塗料とは異なるエポキシ−フエノール系樹脂
から成り且つ該接着介在層用塗料のウエツト被膜
上で接触角(25℃測定)が5乃至30度の範囲内に
ある塗料から成り、該内面保護被覆層は該接着介
在層に対し、少なくとも重ね合せ接合部に近接位
置で接着介在層上に重なり合い、しかも接着剤の
施用に先立つてウエツト・オン・ウエツトの関係
で設けられ、前記接着剤層はその端縁部が内面保
護被覆層の端縁部と重なり合う位置関係で接着介
在層上に設けられ、接着介在層と保護被覆層との
段差部乃至その近傍には、厚みの急激に増大する
ビルドアツプ部が存在しないことを特徴とする内
面塗装接着罐が提供される。 本発明によればまた、罐用金属素材の内面とな
る面の重ね合せ接合部となるべき部分にストライ
プ状に、或いは該部分を含めて全面に接着介在層
用エポキシ−フエノール系樹脂塗料を塗布し;該
接着介在層用塗料が未だウエツトの状態におい
て、該接着介在層用塗料とは異なるエポキシ−フ
エノール系樹脂から成り且つ該接着介在層用塗料
のウエツト被膜上での接触角(25℃測定)が8乃
至20度の範囲内にある内面保護被覆層用塗料を、
接着介在層用塗料と少なくとも重ね合せ接合部に
近接した位置で互いに重なり合うように塗布し;
この二重塗装罐用素材を焼付して塗装製罐素材を
製造し;該塗装製罐素材の罐内面側継目となるべ
き端縁に対し、ポリアミド系接着剤のテープを、
その一方の端縁が内面保護被覆層の端縁と重なり
且つ接着介在層が該テープで覆われるように施こ
し;ポリアミド系接着剤層を加熱溶融し;溶融状
態にあるポリアミド系接着剤層を備えた端縁同志
を重ね合せ、冷却下に押圧して継目を形成させる
ことを特徴とする内面塗装接着罐の製法が提供さ
れる。 本発明が対象とする接着罐において、接着剤に
よる継目部には接着に最も適した種類と厚みの塗
膜を配置し、それ以外の部分には罐内面保護に最
も適した種類と厚みの塗膜を配置することの重要
性は既に指摘した通りであるが、本発明はこれら
2種類の塗膜をウエツト・オン・ウエツトの関係
で施こし、しかも、接着介在層塗料のウエツト被
膜上での、内面保護被覆用塗料の接触角が一定の
範囲内にあるものを使用すると、これら2種類の
塗膜が重なり合つた段差部乃至はその近傍におけ
るビルドアツプ部の形成が抑制され、前述した諸
欠点が解消されるという新規知見に基づくもので
ある。 本発明を以下に詳細に説明する。 接着罐の製造及び特性 本発明の接着罐は、例えば第1図に示す通り、
罐用素材1を筒状にまるめ、その両端縁2,2′
をポリアミド系接着剤3を介して重ね合せ接合し
た継目構造4を有している。 罐用素材1の断面を拡大して示す第2図におい
て、本発明に用いる好適な1例の罐用素材1は、
テイン・フリー・スチール等の表面処理鋼板から
成る罐用金属素材5と、この金属素材の罐内面側
となる面全面に設けられた接着介在層6a,6b
ともなる下塗り層7と、この下塗り層7の上に継
目となるべき部分、即ち6a,6bの部分を残し
て全面に設けられた内面保護被覆層8とから成つ
ている。接着介在層兼下塗り層6a,6b,7と
しては、継目の接合に適したエポキシ−フエノー
ル系樹脂、例えば後に詳述するエポキシ樹脂と多
環フエノールを含有するフエノール樹脂とから成
る塗料が使用され、一方内面保護被覆層8として
は罐の内面保護に適したエポキシ−フエノール系
樹脂、即ち上記6a,6b,7とは異なるエポキ
シ−フエノール系塗料が使用される。 罐用素材1の他の例を示す第3図においては、
罐用金属素材5の重ね合せ接合部に対応する部分
にのみ、ストライプ状の接着介在層6a,6bが
設けられており、この接着介在層6a,6bの中
心側端縁と重なり合うように、内面保護被覆層8
が設けられる。この第3図に示す具体例において
も、第2図の場合と同様に、接着介在層6a,6
bと内面保護被覆層8との重なり合いを生じてお
り、しかも重なつていない部分の内面保護被覆層
8の厚みは接着介在層6a,6bの厚みより大で
ある。 これらの二重塗装罐用素材1においては、2つ
の塗膜3,4の重なり合に対応して必らず塗膜の
段差部9a,9bが形成されるが、本発明の接着
罐では、これらの段差部9a,9b或いはこれら
の近傍にビルドアツプの形成が行われず、塗膜の
平滑性が維持されることが顕著な特徴である。 一般に、焼付塗膜の微小な厚みの変動は塗装金
属板の表面を表面粗さ試験機による測定に付する
ことにより正確に評価できる。 第4図は、後述する実施例1における接着介在
層兼下塗り層用塗料を焼付後の膜厚が4μとなる
ようにローラ塗装し、185℃で10分間焼付し、焼
付後の塗膜上に実施例1における内面保護被覆用
塗料を焼付後の膜厚が5μとなるようにローラ塗
装し、205℃で10分間焼付した塗装罐用素材の表
面粗さ試験の結果を示しており、垂直方向が厚
み、水平方向が面方向への変位量を示している。
この第4図から明らかな通り、ウエツト・オン・
ベークの塗装罐用素材では、接着介在層6と内面
保護被覆層8との段差部9には、厚みが急激に大
となり次いで厚みが著しく減少するビルドアツプ
部10が形成されていることがわかる。このビル
ドアツプ部10の接着介在層側段差t1は5乃至
10μm、内面保護被覆層中心側の段差t2は3乃至
7μmもの大きい値であることも了解されよう。
しかして、このようなビルドアツプ部の形成は、
前述した如く、加圧不均一による接着の不均一、
加工時の応力集中による塗膜破損及び接着剤施用
時の空気抱込みによる接合部のリーク発生等のト
ラブルの原因となる。 これに対して、第5図は、前記接着介在層兼下
塗り層塗料が未だ湿潤状態にある間に前記内面保
護被覆用塗料を塗装し、これらを同時に焼付ける
以外は、第4図のものと同様に製造した塗装罐用
素材、所謂ウエツト・オン・ウエツトの塗装罐用
素材の表面粗さ試験の結果であつて、この結果に
よると本発明に用いる素材では接着介在層表面6
と内面保護被覆層表面7とはなだらかに接続さ
れ、それらの間にはビルドアツプが形成されてい
ないという驚くべき事実が明らかとなる。 本発明による接着罐の継目構造を拡大して示す
第6図において、この継目構造は第2図に示す塗
装罐用素材から形成されるものであり、罐内面側
が上側及び罐外面側が下側として示されている
(以下この例による)。継目内側となる素材端縁部
の外面にも接着介在層6cが設けられ、接着介在
層6b及び6cと金属素材のカツトエツジ11を
覆うよう接着剤テープ12が設けられる。接着剤
層12はその端部12aが内面保護被覆層8の端
部と重なり合う位置関係で接着されていることが
了解されよう。また、継目外側となる素材端縁部
の接着介在層6a上にも接着剤テープ13が設け
られ、その端部13aはやはり内面保護被覆層8
と重なり合う関係で接着固定されている。接着剤
層12と13とは同種のポリアミド系樹脂から成
り、これは溶融され且つ冷却固化されることによ
り一体化して継目の形成が行れている。 第7図は、第3図の塗装罐用素材から形成され
た罐の継目構造を示すものであつて、継目構造自
体は第6図のものと同様である。 各素材 (i) 金属素材 本発明において製罐用金属素材としては任意の
ものが使用されるが、経済性、塗膜密着性、耐腐
食性等の見地からテイン・フリー・スチール
(TFS)素材が好適に使用される。 TFS素材としては、圧延鋼板等の鋼板基質と
該鋼板基質表面に施された金属クロム、非金属ク
ロム及びこれらの組合せから成る群より選択され
た含クロム被覆層とから成るものが知られてお
り、このものは本発明の目的に好適に使用されれ
る。含クロム被覆層としては、クロム換算で0.06
乃至3.6mg/d、特に0.1乃至2.5mg/dの範囲
の膜厚にあるものが一般的に入手が容易であり且
つ本発明にも好適であるが、勿論これに限定され
る必要はなく、アルミニウムメツキ鋼板、電気亜
鉛メツキ鋼板、冷延鋼板等も用途によつては使用
できる。 また、耐腐食性に特に優れたものとして、含ク
ロム被覆層が鋼板基質上の金属クロム層と金属ク
ロム層上の非金属クロム層(酸化クロム及び/又
は水和クロム酸化物層)とから成り、且つ金属ク
ロム層が0.05乃至3.0mg/d、特に0.1乃至2.0
mg/dの範囲の膜厚にあり、非金属クロム層が
クロム換算で0.01乃至0.6mg/d、特に0.05乃至
0.4mg/dの範囲の膜厚にあるものが知られて
いるが、これらのTFS素材も本発明の目的に好
適に使用し得る。 使用するTFS素材は、接着罐の用途によつて
も相違するが、一般に0.12乃至0.40mm、特に0.14
乃至0.36mmの厚みを有するのがよい。基材の厚み
が上記範囲よりも低い場合には、罐詰の製造時或
いは保存中に変形を生じる場合があり、一方上記
範囲を越えると、二重巻締等の加工が困難となる
傾向がある。 (ii) 接着介在層 接着介在層としては、上述した金属素材に対し
て優れた密着性を示し且つ接着剤とも良く接着す
るエポキシ−フエノール系塗料が使用される。か
かる塗料の最も代表的なものは、エポキシ樹脂と
多環フエノールを含有するフエノール・アルデヒ
ド樹脂とを含有するプライマー塗料である。 エポキシ樹脂成分aとしては、所謂フエノール
−エポキシ塗料中のエポキシ樹脂成分として従来
使用されているものは全て制限なしに使用し得る
が、これらの内代表的なものとしては、エピハロ
ヒドリンとビスフエノールA〔2,2′−ビス(4
−ヒドロキシフエニル)プロパン〕との縮合によ
つて製造した平均分子量800乃至5500、特に望ま
しくは、1400乃至5500のエポキシ樹脂が挙げら
れ、このものは本発明の目的に好適に使用され
る。このエポキシ樹脂は、下記一般式 式中、Rは2,2′−ビス(4−ヒドロキシフエ
ニル)プロパンの縮合残基であり、nは樹脂の平
均分子量が800乃至5500となるように選択される
数である、 で表わさる。 尚、前述したエポキシ樹脂の分子量は、平均分
子量であり、従つて、比較的低重合度の塗料用エ
ポキシ樹脂と、高分子量の線状エポキシ樹脂、即
ちフエノキシ樹脂とをその平均分子量が上記の範
囲となるように組合せて使用することは何等差支
えがない。 エポキシ樹脂成分aと組合せて使用するフエノ
ール・アルドヒド樹脂成分bも、この樹脂骨格中
に多環フエノールを含有するものであれば、任意
のものを用いることができる。 本明細書において、多環フエノールとは、フエ
ノール性水酸基が結合した環を複数個有するフエ
ノール類の意味であり、かゝる多環フエノールの
代表的な例として、式 式中、Rは直接結合或いは2価の橋絡基を表わ
す、 で表わされる2価フエノールが知られており、か
かるフエノールは本発明の目的に好適に使用され
る。前記式()の2価フエノールにおいて、2
価の橋絡基Rとしては、式−CR1R2−(式中R1
びR2の各々は水素原子、ハロゲン原子、炭素数
4以下のアルキル基、又はパーハロアルキル基で
ある)のアルキリデン基、−O−,−S−,−SO
−,NR3−(式中、R3は水素原子又は炭素数4以
下のアルキル基である)の基等を挙げることがで
きるが、一般にはアルキリデン基又はエーテル基
が好ましい。このような2価フエノールaの適当
な例は、 2,2′−ビス(4−ヒドロキシフエニル)プロ
パン(ビスフエノールA)、 2,2′−ビス(4−ヒドロキシフエニル)ブタ
ン(ビスフエノールB)、 1,1′−ビス(4−ヒドロキシフエニル)エタ
ン、 ビス(4−ヒドロキシフエニル)メタン(ビス
フエノールF)、 4−ヒドロキシフエニルエーテル、 P−(4−ヒドロキシ)フエノール 等であるが、ビスフエノールA及びビスフエノー
ルBが最も好適である。 これらの多環フエノールは単独で或いはその他
のフエノール類との組合せで、ホルムアルデヒド
と縮合反応させてレゾール型フエノールアルデヒ
ド樹脂とする。その他のフエノール類としては、
従来この種の樹脂の製造に使用される1価フエノ
ールは全て使用できるが、一般には下記式 式中、R4は水素原子又は炭素数4以下のアル
キル基又はアルコキシ基であつて、3個のR4
内2個は水素原子であり且つ1個はアルキル基又
はアルコキシ基であるものとし、R5は水素原子
又は炭素数4以下のアルキル基である、 で表わされる2官能性フエノール、例えばo−ク
レゾール、p−クレゾール、p−tcrt−ブチルフ
エノール、p−エチルフエノール、2,3−キシ
レノール、2,5−キシレノール等の2官能性フ
エノールの1種又は2種以上の組合せが最も好ま
しい。勿論、上記式()の2官能性フエノール
の他に、フエノール(石灰酸)、m−クレゾール、
m−エチルフエノール、3,5−キシレノール、
m−メトキシフエノール等の3官能性フエノール
類;2,4−キシレノール、2,6−キシレノー
ル等の1官能性フエノール類;p−tert−アミル
フエノール、p−ノニルフエノール、p−フエニ
ルフエノール、p−シクロヘキシルフエノール等
のその他の2官能性フエノールも、単独で或いは
上記式()の2官能性との組合せで、フエノー
ルアルデヒド樹脂の調製に使用することができ
る。 本発明においては、既に前述した通り、多環フ
エノールを含有するフエノール・アルデヒド樹脂
とエポキシ樹脂とを含有して成る塗料を接着介在
層として用いることが、レトルト殺菌に耐え且つ
レトルト殺菌後の貯蔵中における経時漏洩を防止
するために極めて重要であり、多環フエノールを
含有しないフエノール・アルデヒド樹脂とエポキ
シ樹脂とから成る接着介在層を用いた場合には、
レトルト殺菌に耐える接合部を形成させること自
体が困難となり、破胴や微小漏洩(マイクロリー
ケジ)を虞々生じるようになる。 フエノールアルデヒド樹脂中における多環フエ
ノールの量は全フエノール成分の少なくとも10重
量%以上、特に30重量%以上であればよいが、多
環フエノール(イ)と前記1価フエノール(ロ)とを イ:ロ=98:2〜65:35 特に 95:5〜75:25 の重量比で組合せることが、耐レトルト性の点で
特に有利である。 また、フエノールアルデヒド樹脂のアルデヒド
成分としては、ホルムアルデヒド(又はパラホル
ムアルデヒド)が特に適しているが、アセトアル
デヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等
の他のアルデヒドも単独或いはホルムアルデヒド
との組合せで使用することができる。 本発明に用いるレゾール型フエノールアルデヒ
ド樹脂は、上述したフエノールとアルデヒドとを
塩基性媒体の存在下に反応させることにより得ら
れる。フエノールに対するアルデヒドの使用量に
は特に制限はなく、従来レゾール型樹脂の製造に
使用されている量比で用いることができ、例えば
フエノール類1モル当りモル以上、特に1.5乃至
3.0モルの量比のアルデヒドを好適に用いること
ができるが、1モルよりも少ないアルデヒドを用
いても特に不都合はない。縮合は、一般に適当な
反応媒体中、特に水性媒体中で行うのが望まし
い。塩基性媒体としては、従来レゾール型樹脂の
製造に使用されている塩基性媒体の何れもが使用
でき、就中、アンモニアや、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化カ
ルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性塩化
マグネシウム、塩基性酢酸マグネシウム等のアル
カリ土類金属の水酸化物、酸化物或いは塩基性塩
等が好適に使用される。これらの塩基性媒体は、
反応媒体中に触媒量、特に0.01乃至0.5モル%の
量で存在させればよい。縮合条件は、特に制限は
なく、一般に80〜130℃の温度で1乃至10時間程
度の加熱を行えばよい。 生成する樹脂はそれ自体公知の手段で精製する
ことができ、例えば反応生成物たる樹脂分を例え
ばケトン、アルコール、炭化水素溶媒或いはこれ
らの混合物で反応媒体から抽出分離し、必要によ
り水で洗浄して未反応物等を除去し、更に共沸法
或いは沈降法により水分を除去して、エポキシ樹
脂に混合し得る形のレゾール型フエノールアルデ
ヒド樹脂とすることができる。 前述したエポキシ樹脂成分aとフエノール・ア
ルデヒド樹脂成分bとは、従来この種々の塗料に
使用されている範囲内の任意の割合で組合せて使
用することができ、特別に制限は受けない。接着
部の耐レトルト性の見地からは、 (a):(b)=95:5乃至50:50 特に 90:10乃至60:40 の重量比で両者を組合せた塗料を、接着介在層の
形成に用いるのが望ましい。 本発明において、前記エポキシ樹脂とフエノー
ル樹脂とは、ケトン類、エステル類、アルコール
類或いは炭化水素溶媒或いはこれらの混合溶媒等
に溶解した状態で混合し、直接、接着介在層用の
塗料として使用することも可能であるが、一般に
は、これらの混合樹脂溶液を、80乃至130℃の温
度で1乃至10時間程度予備縮合させた後、接着介
在層用塗料とするのが望ましい。 更に、エポキシ樹脂とフエノール・アルデヒド
樹脂とは、2成分系塗料の形で使用する代りに、
フエノールアルデヒド樹脂を予めレゾールの本質
が失われない範囲内でそれ自体公知の変性剤、例
えば脂肪酸、重合脂肪酸、樹脂酸(乃至ロジン)、
乾性油、アルキド樹脂等の1種乃至2種以上で変
性した後、エポキシ樹脂と組合せたり、或いはこ
れら両樹脂を、所望により、ビニルアセタール
(プチラール)樹脂、アミノ樹脂、キシレン樹脂、
アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ワツクス、リン
酸等の変性剤で変性することも勿論可能である。 (iii) 内面保護被覆層 内面保護被覆層としては、罐内面保護の見地か
らエポキシ−フエノール系塗料の内でも耐食性に
特に優れたものが使用される。内面保護塗料とし
て、エポキシ−フエノール系塗料以外の塗料を使
用すると、二重塗装部全体にわたつてカラスの足
跡状の細いシワが発生し、耐食性の点で不満足な
ものとなり、二重塗装を行うことの利点がなくな
る。 内面保護用のエポキシ−フエノール系樹脂は、
接着介在層に用いるそれと異なることは当然であ
るが、それらの内でも、後述する例に示す通り、
下記条件即ち () 接着介在層を構成する樹脂組成物に比し
て、フエノールアルデヒド樹脂の含有量が大き
い、及び () 下記式 I.F.=2M2+3M3+4M4 式中、M2はフエノールアルデヒド樹脂中に
含有される全フエノール成分100g中の2官能
性1価フエノールのモル数、M3は全フエノー
ル成分100g中の3官能性1価フエノールのモ
ル数、M4は全フエノール成分100g中の多環2
価フエノールのモル数を夫々表わす。 で定義される官能指数I.F.が接着介在層を構成
する樹脂組成物のそれに比して大きい、 の少なくとも一方を満足するエポキシ樹脂−フエ
ノール・アルデヒド樹脂組成物を用いることが望
ましい。 即ち、レトルト殺菌に耐える強固で耐熱水性の
接着結合を形成し且つ15乃至50cmHgの真空下に
おける経時漏洩を防止するという見地からは、既
に前述した如く、接着介在層の塗料としては、エ
ポキシ樹脂成分の含有量の比較的大きいもの、即
ちフエノール・アルデヒド樹脂成分の含有量の比
較的小さいもの、換言すると最終被膜としたとき
架橋密度の比較的少ないものが要求される。これ
に対して、TFS素材の防食性や塗膜のレトルト
時或いは貯蔵中における耐抽出性という見地から
は、耐腐食性の保護被覆層用塗料としては、高度
に架橋可能で機械的にも化学構造的にも緻密な塗
膜を形成し得るもの、即ちフエノール・アルデヒ
ド樹脂成分の含有量の大きいものが望ましいこと
になる。 更に、上述した特性を満足させるためには、フ
エノール・アルデヒド樹脂中におけるフエノール
類のホルムアルデヒドに対する官能性も重大とな
る。この点に関して、前述した2環2価フエノー
ルは4官能性であり、o−クレゾールやp−クレ
ゾール等は2官能性であり、石灰酸やm−クレゾ
ールは3官能性である。しかして、前記式で定義
される官能指数I.F.が比較的大きいフエノール樹
脂とエポキシ樹脂との組合せからは、後述する例
に示す通り、高度に架橋し、従つて耐腐食性の保
護被覆層を形成することが可能となり、一方この
官能指数I.F.が比較的小さいフエノール樹脂とエ
ポキシ樹脂との組合せからは、後述する例に示す
通り、ポリアミド系接着剤による熱接着に適した
接着介在層を形成することが可能となる。 一般に、接着介在層に使用するフエノール樹脂
のI.F.は1.60乃至1.95、特に1.70乃至1.90の範囲に
あり、一方保護被覆層に使用するフエノール樹脂
のI.F.は2.00乃至3.00、特に2.05乃至2.50の範囲に
あり且つ接着介在層のフエノール樹脂のI.F.より
も少なくも0.2大きいI.F.を有することが望まし
い。 (v) ポリアミド系接着剤 本発明において、ポリアミド系接着剤として
は、従来接着罐の用途に広く使用されているポリ
アミド系接着剤の内、任意のものを使用すること
ができる。このようなポリアミド系接着剤として
は、98%濃硫酸中1%濃度で測定したときに相対
粘度(η rel)が1.5以上特に1.8以上の範囲にあ
る線状ホモポリアミド、コポリアミド、変性ポリ
アミド或いはこれらの2種以上のポリマーブレン
ドが好適に使用される。この適当な例は、ポリヘ
キサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセ
バカミド、ポリヘキサメチレンドデカミド、ポリ
ドデカメチレンドデカミド、6−アミノ−カプロ
ン酸重合体、11−アミノ−ウンデカン酸重合体、
12−アミノ−ラウリン酸重合体等のホモポリアミ
ド:上記ホモポリアミドの構成単量体、即ちジカ
ルボン酸−ジアミン塩或いはω−アミノカルボン
酸の2種以の組合せから成るコポリアミド、或い
はこれらのホモポリアミドやコポリアミドを重合
脂肪酸等で変性したものである。接着部の強度の
点では、用いるポリアミド系接着剤は結晶性であ
ることが望ましい。 接着罐の製造 本発明に従い、ビルドアツプ部が接着介在層と
内面保護被覆層との段差部乃至その近傍に実質上
形成されていない二重塗装構造物を製造するため
には、上述した制限に加えて、接着介在層用塗料
のウエツト被膜上で内面保護被覆用塗料の接触角
(25℃測定)が5乃至30度、特に8乃至20度の範
囲となるようにすることが極めて重要である。即
ち、この接触角が上記範囲を越えて大きい場合に
は、第4図に示したのと同様なビルドアツプ部が
前記段差部乃至はその近傍に形成されることにな
る。この事実は後述する例を参照することにより
明白となろう。一方、この接触角の上記範囲を越
えて小さいと、二重の塗料層同志のなじみがよく
なりすぎる結果として本来、接着介在層用塗料が
確保すべき接着介在層6a,6bの巾が縮少さ
れ、所期目的の接着強度が得難くなる。また二重
塗料層の厚みが帯体に均一化しして、接着介在層
の厚みを薄く、それ以外の部分の塗膜を十分に厚
く設けるという作用効果を期待し得なくなる。 一般に、液体の固体表面に対する接触角は、液
体の粘性や液体の固体への親和性によつて変化す
る。前者に相当するものとして、本発明に用いる
塗料の固形分濃度があり、また後者に相当するも
のとして樹脂及び溶媒の種類がある。本発明にお
いては、これらのフアクターを調節して、接着介
在層用塗料のウエツト被膜上で内面保護塗料の接
触角が前述した範囲内とすれば、全体として厚み
に差があり、しかもビルドアツプ現象やシワ寄り
現象のない、厚みが微視的にも一様な塗膜を形成
することが可能となるのであつて、この事実は後
述する例からも明らかであろう。 一般的に言つて、塗料用溶媒としては、キシレ
ン、トルエン等の芳香族溶媒;アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶
媒:エタノール、ブタノール等のアルコール系溶
媒:テトラヒドロフラン、ジオキサン各種セロソ
ルブ等の環状或いは線状エーテル類:酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類等が単独或いは2
種以上の組合せで使用され、前述した要件が満足
されるように夫々定める。また、樹脂固形分濃度
は25乃至35%の範囲から、やはり接触角が前記範
囲となるように夫々定める。 塗装はロールコーター等の塗装機構により二段
に行われ、形成される2種類の塗膜は、一般の焼
付操作で焼付られる。塗膜の焼付条件は、塗料組
成によつても若干変動するが、一般に180乃至220
℃の温度及び7乃至13分間の時間の内から、塗膜
の必要且つ十分な硬化が行われる条件を選定す
る。 ポリアミド系接着剤の施用は、テープ状の接着
剤を継目となるべき部分に施こすことにより行わ
れ、その施用形状は添付図面に示した通りでよ
い。接着剤テープの厚みは20乃至60μmの範囲内
にあることが望ましい。 罐用素材の両端縁部の接合は、筒状に形成した
罐用素材の対向両端縁部分の間に位置するポリア
ミド系接着剤を熔融し、次いで罐用素材の両端縁
部を冷却下に圧着して、ポリアミド系接着剤を固
化させることにより行う。このようなサイド・シ
ーム接合により形成した罐胴は、次いで、ノツチ
ング加工、フランジ加工、それ自体公知のシーリ
ングコンパウンドを備えた罐蓋との巻締等のそれ
自体周知の製罐工程に賦し、最終罐体とする。 実施例 本発明を次の例で説明する。 実施例 1 (1) 接着介在層用塗料の製造 2−2′ビス(4−ヒドロキシフエニル)プロパ
ン80部とp−クレゾール20部に2.0(モル/フエノ
ール1モル)の37%ホルムアルドヒド水溶液を加
え65℃に加熱して溶解させ、塩基性触媒を加え95
℃で3時間反応させる。 反応生成物はケトン、アルコール、炭化水素か
らなる混合溶剤で抽出し、水洗した後、共沸によ
り水を除去する。このようにして得られるレゾー
ル型フエノール樹脂溶剤と別に予めケトン、エス
テル、アルコール、炭化水素などからなる混合溶
剤に溶解させて得られるエポキシ樹脂(エピコー
ト1009)とを、フエノール樹脂とエポキシ樹脂の
重量比が20:80になるよう混合し、固型分28%の
塗料を製造した。 (2) 内面被覆用塗料の製造 (A) 2−2′ビス(4−ヒドロキシフエニル)プロ
パンに2.0(モル/フエノール1モル)の37%ホ
ルムアルドヒド溶液を加え65℃に加熱して溶解
させ、塩基性触媒を加え95℃で2時間反応させ
る。 反応生成物は、ケトン、アルコール、炭化水
素などからなる混合溶剤で抽出し、水洗した
後、共沸によりに水を除去する。 このレゾール型フエノール樹脂と別に予めケ
トン、アルコール、炭化水素などからなる混合
溶剤に溶解させて得られるエポキシ樹脂とをフ
エノール樹脂とエポキシ樹脂の重量比が15:85
になるように混合し、固型分30%の塗料を製造
した。但し、ケトン、アルコール、炭化水素な
どからなる混合溶剤組成は乾燥後、所定膜厚と
なるように接着介在層用塗料を塗装後まだウエ
ツト状態で内面被覆用塗料の接触角が8〜25度
になる様に調整した。 (B) (A)と同様の製造であるが、混合溶剤組成及び
添加剤により接触角が5度以下になる様調整し
た。 (C) 接触角を30度以上に調整した。 1 接触角の測定 接着介在層用塗料をTFS上に乾燥後所定膜厚
になるように塗装し、塗装後15秒内面被覆用塗料
を滴下し、3秒後の接触角を測定した。 wet on Bakeでは接着介在層用塗料をTFS上
に所定膜厚となる様塗装し、185℃−10分間焼付
乾燥後、塗装板上に内面被覆用塗料を滴下し、3
秒後の接触角を測定した。測定温度は25℃で実施
した。
【表】 実施例 2 wet on Wetでは、重ね合せ接合部に対応する
部分にストライプ状、あるいは該部分を含めて内
面全面に接着介在層用塗料を乾燥後所定膜厚にな
る様にローラ塗装後、2秒後に継目となるべき実
質上の部分を除いて内面保護被覆用塗料を接着介
在層に対し、少なくとも重ね合せ接合部に近接す
る位置で互いに重り合うよう所定膜厚で塗装し、
185℃−10分間焼付乾燥した。 wet on Bakeでは、接着介在層用塗料を所定
膜厚になる様塗装後185℃−10分間焼付乾燥後、
継目となるべき実質上の部分を除いて内面保護被
覆用塗料を所定膜厚になる様塗装し、205℃−10
分間焼付けた。 この様にして作製した塗装板のビルドアツプ、
塗装欠陥、継目部分(6a+6b)の確保性につい
て調べた。 評価 ◎…非常に良好 ○…良好 △…やや不良 ×…不良 実施例 3 実施例2に準じ製作した塗装板から呼称径202
である内径52.5mm、罐高さ13.28cm寸法に切断し、
ポリアミド径接着剤による側面継目製罐法で毎分
600罐の製罐速度で罐胴製罐、フランジ加工、ビ
ード加工をおこないアルミ蓋片巻罐を製造した。
以上の工程で製罐した罐について各種の評価を実
施した。 (1) 接着強度 接合部を5mm巾に切り出し、テンシロンを用い
20cm/minでT−ピール強度を測定し、接着強度
とした。n=5 (2) 接合部近傍の塗割れ フランジ加工、ビード加工による接合部近傍の
塗膜割れを硫酸銅水溶液による金属露出により評
価した。n=300 (3) 接着剤の発泡 接着部を剥離し、発泡状態を評価した。 n=100 (4) 漏洩試験 水中で罐内に6Kg/cm2の空気圧をかけ接合部を
巻締めた場所からの気泡発生につき評価した。 n=300
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による接着罐の斜視図であり、
第2図は本発明に用いる塗装罐用素材を示す一部
断面での斜視図であり、第3図は用いる塗装罐用
素材の他の例を示す一部断面での斜視図であり、
第4図はウエツト・オン・ベーク方式で形成した
塗装罐用素材についての表面粗さ試験結果を示す
線図であり、第5図はウエツト・オン・ウエツト
方式で形成した塗装罐用素材についての表面粗さ
試験結果を示す線図であり、第6図は本発明によ
る接着罐の継目構造を拡大して示す断面図であ
り、第7図は第3図の素材から形成された接着罐
の継目構造を拡大して示す断面図である。 1は罐用素材、2,2′は端縁、3はポリアミ
ド系接着剤、5は罐用金属素材、6a,6bは接
着介在層、7は下塗り層、8は内面保護被覆層、
9,9a,9bは塗膜間の段差部。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 罐用金属素材を熱可塑性接着剤を介して重ね
    合せ接合して成る接着罐であつて、該罐用金属素
    材は、重ね合せ接合部に対応する部分にストライ
    プ状に、或いは該部分を含めて内面全面に塗布さ
    れたエポキシ−フエノール系樹脂から成る接着介
    在層と、継目となるべき実質上の部分を除いて内
    面全面に塗布された該接着介在層用エポキシ−フ
    エノール系樹脂とは異なるエポキシ−フエノール
    系樹脂から成る内面保護被覆層とから成り、 該内面保護被覆塗料は、該接着介在層用塗料と
    は異なるエポキシ−フエノール系樹脂から成り且
    つ該接着介在層用塗料のウエツト被膜上で接触角
    (25℃測定)が5乃至30度の範囲内にある塗料か
    ら成り、 該内面保護被覆層は該接着介在層に対し、少な
    くとも重ね合せ接合部に近接位置で接着介在層上
    に重なり合い、しかも接着剤の施用に先立つてウ
    エツト・オン・ウエツトの関係で設けられ、前記
    接着剤層はその端縁部が内面保護被覆層の端縁部
    と重なり合う位置関係で接着介在層上に設けら
    れ、接着介在層と保護被覆層との段差部乃至その
    近傍には、厚みの急激に増大するビルドアツプ部
    が存在しないことを特徴とする内面塗装接着罐。 2 罐用金属素材の内面となる面の重ね合せ接合
    部となるべき部分にストライプ状に、或いは該部
    分を含めて全面に接着介在層用エポキシ−フエノ
    ール系樹脂塗料を塗布し; 該接着介在層用塗料が未だウエツトの状態にお
    いて、該接着介在層用塗料とは異なるエポキシ−
    フエノール系樹脂から成り且つ該接着介在層用塗
    料のウエツト被膜上で接触角(25℃測定)が5乃
    至30度の範囲内にある内面保護被覆層塗料を、接
    着介在層用塗料と少なくとも重ね合せ接合部に近
    接した位置で接着介在層上に重なり合うように塗
    布し; この二重塗装罐用素材を焼付して塗装製罐素材
    を製造し; 該塗装製罐素材の罐内面側継目となるべき端縁
    に対し、ポリアミド系接着剤のテープを、その一
    方の端縁が内面保護被覆層の端縁と重なり且つ接
    着介在層が該テープで覆われるように施し; ポリアミド系接着剤層を加熱溶融し; 溶融状態にあるポリアミド系接着剤層を備えた
    端縁同志を重ね合せ、冷却下に押圧して継目を形
    成させることを特徴とする内面塗装接着罐の製
    法。
JP18004985A 1985-08-17 1985-08-17 Naimentososetsuchakukanoyobisonoseiho Expired - Lifetime JPH0248420B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18004985A JPH0248420B2 (ja) 1985-08-17 1985-08-17 Naimentososetsuchakukanoyobisonoseiho

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18004985A JPH0248420B2 (ja) 1985-08-17 1985-08-17 Naimentososetsuchakukanoyobisonoseiho

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6241023A JPS6241023A (ja) 1987-02-23
JPH0248420B2 true JPH0248420B2 (ja) 1990-10-25

Family

ID=16076590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18004985A Expired - Lifetime JPH0248420B2 (ja) 1985-08-17 1985-08-17 Naimentososetsuchakukanoyobisonoseiho

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0248420B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0364183U (ja) * 1989-10-27 1991-06-21

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0364183U (ja) * 1989-10-27 1991-06-21

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6241023A (ja) 1987-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4173290A (en) Bonded can having high hot water resistance and undercoating composition for use in production thereof
EP0273980B1 (en) Can with an easily openable lid and a process for producing the same
JPS6347756B2 (ja)
KR850000809B1 (ko) 이음매를 피복한 틴 프리스틸(tin-free steel)용접깡통
JPH057263B2 (ja)
JPH0248420B2 (ja) Naimentososetsuchakukanoyobisonoseiho
JPS5946855B2 (ja) 耐熱性接着罐及びその製造法
JPS6241544B2 (ja)
KR860001370Y1 (ko) 내열성 접착관
JPS6111270B2 (ja)
JPH05269917A (ja) 製缶用ラミネート金属板及びそれに用いるプライマー
US4553682A (en) Bonded can of key-opening type and process for production thereof
JPH01182248A (ja) イージイオープン蓋及びその製法
KR850001008B1 (ko) 내열성접착관
JPH0534063B2 (ja)
CA1098636A (en) Bonded can having high hot water resistance and undercoating composition for use in production thereof
JPH06114999A (ja) 溶接缶用ラミネート鋼板
JPS58127773A (ja) アルミニウム製接着缶及びその製法
JPS6228191B2 (ja)
JPS5832104B2 (ja) 耐熱性接着罐及びその製造方法
JPS6411077B2 (ja)
JPH0367454B2 (ja)
JPH09169949A (ja) 製缶用塗料
JP2002327042A (ja) 樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いてなるプラスチックフィルム被覆金属板
JPS6311982B2 (ja)