JP2002327042A - 樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いてなるプラスチックフィルム被覆金属板 - Google Patents

樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いてなるプラスチックフィルム被覆金属板

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JP2002327042A
JP2002327042A JP2001132297A JP2001132297A JP2002327042A JP 2002327042 A JP2002327042 A JP 2002327042A JP 2001132297 A JP2001132297 A JP 2001132297A JP 2001132297 A JP2001132297 A JP 2001132297A JP 2002327042 A JP2002327042 A JP 2002327042A
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bisphenol
epoxy resin
resin
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plastic film
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Masami Yamada
正実 山田
Masahisa Kadota
昌久 門田
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、金属板とプラスチックフィルムと
を積層する際に用いられる樹脂組成物(プライマー)で
あって、硬化時にビスフェノールAの発生し難い樹脂組
成物(プライマー)を提供することを目的とする。 【解決手段】 下記関係式(1)及び(2)を満足する
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A)とフェノール樹
脂(B)とを含有することを特徴とする樹脂組成物。 (1)2500≦X≦10000 (2)0.9X+840≦Y≦15000 [式中、Xは数平均分子量、Yはエポキシ当量(g/e
q)である。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ当量の比
較的大きいエポキシ樹脂とフェノール樹脂とを含有する
樹脂組成物に関し、詳しくは金属板とプラスチックフィ
ルムとを積層する際に用いられる樹脂組成物(プライマ
ー)に関する。より詳しくは、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン(以下「ビスフェノールA」
と略す)の発生を抑えた樹脂組成物(プライマー)に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、缶詰用缶としては、側面に半田
付、接着、溶接等により継ぎ目を設けた缶胴を形成し、
該缶胴に天地缶蓋を巻絞めしてなる所謂スリーピース缶
や、絞り加工、深絞り曲げ延ばし加工、絞りしごき加
工、インパクト成形等により側面に継ぎ目を有しない有
底缶胴部(シームレス缶胴部)を形成し、該缶胴部に缶
蓋を巻絞めしてなる所謂ツーピース缶が一般に使用され
ており、また軽量容器として被覆金属板(箔)を絞り成
形して成るフランジ付容器に、蓋をヒートシールした容
器も使用されている。これらいずれのタイプの容器に用
いる金属素材も、金属素材の腐食や金属溶出を防止する
ために、素材の内面および外面に保護被覆を設けなけれ
ばならない。ところで、製缶の際の素材コスト低減や生
産性向上に対する要請から、加工前の金属素材に対する
事前被覆が専ら行われるようになっており、そのため、
被覆に用いられる素材にも被覆後の過酷な加工にも耐え
得る加工性、密着性、耐腐食性が要求されるようになっ
ている。
【0003】加工前の金属素材を被覆する方法として
は、金属素材表面に熱硬化性塗料を塗布する方法の他
に、金属素材にプライマー層を介して熱可塑性フィルム
をラミネートする方法があり、広く行われている。例え
ば、特公昭62―10188号公報には、エポキシ樹脂
およびエポキシ樹脂と反応しうる官能基を有する塗膜形
成性硬化材樹脂成分とからなる熱硬化性プライマー層を
介して、ヒートシール可能なポリエステル主体のフィル
ムを、金属板(箔)基体に熱接着させた包装用積層体が
記載されている。
【0004】従来、この種の製缶用塗料やプライマーと
しては、金属素材への密着性や耐腐食性の点で、エポキ
シ樹脂と、エポキシ樹脂に対して硬化性を持つ、例えば
フェノール樹脂との組み合わせが採用されている。ここ
で、エポキシ樹脂としては、種々の脂肪酸、二塩基酸、
ポリアミドカルボン酸等で変性したものを用いることも
すでに知られている。(例えば、特開昭59−1545
8号公報、特開平1−284431号公報、特開平2−
286709号公報、特開平5−2699917公
報)。
【0005】ところで、昨今ビスフェノールAによる環
境問題が取り上げられている中、これらのプライマーの
場合も、まず塗液中のビスフェノールAを低減すること
が検討された。一般的な塗膜の場合は、ビスフェノール
Aを低減せしめた塗料を用いることによって、塗膜から
抽出されるビスフェノールAの量を低減することができ
る。一般的な塗膜とは、塗膜の一方の面が金属板等に接
し(金属板等で覆われ)、塗膜の他方の面が金属板やプ
ラスチックフィルム等では覆われてはいない塗膜をい
う。しかし、金属板とプライマー層とプラスチックフィ
ルムとを積層してなるプラスチックフィルム被覆金属板
及び該被覆金属板から形成した缶の場合、プライマー層
を形成するための塗液中のビスフェノールAをいくら低
減せしめても、プラスチックフィルム被覆金属板等の全
体から抽出されるビスフェノールAはほとんど減少でき
なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属板とプ
ラスチックフィルムとを積層する際に用いられる樹脂組
成物(プライマー)であって、硬化時にビスフェノール
Aの発生し難い樹脂組成物(プライマー)を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂を含有する樹脂組成物を熱硬化する際に樹脂組
成物中のエポキシ樹脂の一部が分解し、ビスフェノール
Aを生じ、プラスチックフィルム被覆金属板の場合、プ
ライマー層の両面が金属板とプラスチックフィルムでそ
れぞれ被覆されているので、プライマー層形成の途中で
生じたビスフェノールAが、プラスチックフィルム/プ
ライマー層/金属からなる積層体中に閉じこめられるの
で、塗液中のビスフェノールAを低減しても、プラスチ
ックフィルム被覆金属板全体から抽出されるビスフェノ
ールAがほとんど減少できなかったものと本発明者らは
考察した。そこで、本発明者らは、鋭意研究した結果、
特定の分子量及び特定のエポキシ当量のビスフェノール
A型エポキシ樹脂であれば、熱硬化時に分解してもビス
フェノールAを生じない、あるいは生じがたくなるの
で、積層体から抽出されるビスフェノールAを低減で
き、しかもプライマーとしての加工性、密着性にも優れ
ることを見出し、本発明を完成した。即ち、第1の発明
は、下記関係式(1)及び(2)を満足するビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(A)とフェノール樹脂(B)と
を含有することを特徴とする樹脂組成物である。 (1)2500≦X≦10000 (2)0.9X+840≦Y≦15000 [式中、Xは数平均分子量、Yはエポキシ当量(g/e
q)である。]
【0008】第2の発明は、エポキシ樹脂(A)が、下
記関係式(1)及び(3)を満足するビスフェノールA
型エポキシ樹脂(a1)と一分子中にフェノール性の水
酸基を1個有する化合物(a2)との反応生成物である
ことを特徴とする第1の発明に記載の樹脂組成物であ
る。 (1)2500≦X≦10000 (3)0.5X+100≦Y≦0.9X+160
【0009】第3の発明は、エポキシ樹脂(A)が、下
記式で表されるビスフェノールA型エポキシモノマー
(a3)と、ビスフェノール類(a4)と、一分子中に
フェノール性の水酸基を1個有する化合物(a2)との
反応生成物であることを特徴とする第1の発明に記載の
樹脂組成物である。
【化2】
【0010】第4の発明は、エポキシ樹脂(A)が、エ
ピクロルヒドリン(a5)と、ビスフェノール類(a
4)と、一分子中にフェノール性の水酸基を1個有する
化合物(a2)との反応生成物であることを特徴とする
第1の発明に記載の樹脂組成物である。
【0011】第5の発明は、金属板、第1ないし第4の
発明いずれかに記載の樹脂組成物から形成されるプライ
マー層、及びプラスチックフィルムが順次積層されてな
るプラスチックフィルム被覆金属板である。
【0012】
【発明の実施の形態】一般にビスフェノールA型エポキ
シ樹脂の製造方法には、以下に示すように大きく2つ、
所謂タフィー法と所謂アドバンス法とがある。 1) タフィー法:エピクロルヒドリンとビスフェノール
Aとを、必要に応じてアルカリ触媒の存在下に所定の分
子量まで縮合させる。 2) アドバンス法:下記式で表されるビスフェノールA
型エポキシモノマーとビスフェノール類とを、必要に応
じてアルカリ触媒の存在下に所定の分子量まで縮合させ
る。
【化3】
【0013】本発明において用いられるビスフェノール
A型エポキシ樹脂(A)について説明する。ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(A)は、下記関係式(1)及び
(2)を満足するものであり、図1に示す領域(A)の
エポキシ樹脂である。 (1)2500≦X≦10000 (2)0.9X+840≦Y≦15000 [式中、Xは数平均分子量、Yはエポキシ当量(g/e
q)である。] このようなビスフェノールA型エポキシ樹脂(A)は、
例えば、以下に示す(イ)〜(ハ)ような方法で得るこ
とができる。
【0014】(イ) 下記関係式(1)及び(3)を満
足するエポキシ樹脂(a1)、即ち図1に示す領域(a
1)のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、一分子中に
フェノール性の水酸基を1個有する化合物(a2)とを
反応せしめる。 (1)2500≦X≦10000 (3)0.5X+100≦Y≦0.9X+160 即ち、この(イ)の方法は、上記1)タフィー法又は2)ア
ドバンス法によって得られる図1の領域(a1)に含ま
れるエポキシ樹脂のエポキシ基の約1/2を、一分子中
にフェノール性の水酸基を1個有する化合物(a2)の
水酸基で変性したものであり、変性の結果得られる反応
生成物は、図1の領域(A)に入ることが重要である。
【0015】(ロ) 下記式で表されるビスフェノール
A型エポキシモノマー(a3)のエポキシ基と、ビスフ
ェノール類(a4)のフェノール性水酸基と、一分子中
にフェノール性の水酸基を1個有する化合物(a2)の
水酸基とを必要に応じてアルカリ触媒の存在下に反応せ
しめ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A)を得る。
【化4】 即ち、この(ロ)の方法は、2)アドバンス法でエポキシ
樹脂を得る際に、エポキシ基の変性剤として一分子中に
フェノール性の水酸基を1個有する化合物(a2)を用
い、当該化合物(a2)を用いない場合に比して数平均
分子量が同程度でエポキシ当量が約2倍程度のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(A)を得る方法である。
【0016】(ハ) エピクロルヒドリン(a5)と、
ビスフェノール類(a4)と、一分子中にフェノール性
の水酸基を1個有する化合物(a2)とを必要に応じて
アルカリ触媒の存在下に反応せしめ、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂(A)を得る。即ち、この(ハ)の方法
は、1)タフィー法でエポキシ樹脂を得る際に、エポキシ
基の変性剤として一分子中にフェノール性の水酸基を1
個有する化合物(a2)を用い、当該化合物(a2)を
用いない場合に比して数平均分子量が同程度でエポキシ
当量が約2倍程度のビスフェノールA型エポキシ樹脂
(A)を得る方法である。
【0017】上記(イ)の方法で用いられる(1)2500
≦X≦10000、及び(3)0.5X+100≦Y≦0.9X+160の
関係式を満足するエポキシ樹脂(a1)の市販品として
は、例えば、ジャパンレジン(株)製のエピコート10
07(数平均分子量(X=)2,900、エポキシ当量
(Y=)約2,000)、エピコート1009(X=3,
800、Y=約3,000)、エピコート1010(X
=5,500、Y=約4,000などを挙げることがで
きる。
【0018】上記(イ)(ロ)(ハ)の方法で用いられ
る一分子中にフェノール性の水酸基を1個有する化合物
(a2)としては、フェノール、o−クレゾール、p−
クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−ノニル
フェノール等が挙げられる。
【0019】上記(ロ)の方法で用いられるビスフェノ
ールA型エポキシモノマー(a3)は、常法によって得
ることができる。また(ロ)(ハ)の方法で用いられる
ビスフェノール類(a4)としては、ビスフェノールA
が挙げられ、その他ビスフェノールF等もさらに用いる
ことができる。
【0020】本発明において用いられるビスフェノール
A型エポキシ樹脂(A)は、上記(イ)〜(ハ)の他、
どのような方法で得られたものでもかまわないが、 (1)2500≦X≦10000 (2)0.9X+840≦Y≦15000 [式中、Xは数平均分子量、Yはエポキシ当量(g/e
q)である。]の関係式を満足することが重要である。
即ち、数平均分子量Xが2500未満だと、ビスフェノール
A抽出量が多くなり、かつ加工性、耐食性が悪化してく
る。一方、数平均分子量Xが10000を越えると、プライ
マーとしての必要な接着力を得ることができない。ま
た、エポキシ当量Yが、0.9X+840よりも小さいと、ビ
スフェノールA抽出量が多くなる。一方、エポキシ当量
Yが、15000よりも大きいとプライマーとしての必要な
接着力を得ることができない。
【0021】次に本発明において用いられるフェノール
樹脂(B)について説明する。フェノール樹脂(B)
は、例えば、フェノール、クレゾール等をアルカリ触媒
の存在下にホルマリンと縮合反応させることによって常
法に従い得ることができる。フェノール樹脂(B)の数
平均分子量としては、400〜1000の範囲内が望ま
しい。
【0022】本発明のプライマー用の樹脂組成物は、エ
ポキシ樹脂(A)/フェノール樹脂(B)=60〜95
(重量%)/5〜40(重量%)であることが好まし
く、65〜80(重量%)/20〜35(重量%)であ
ることがより好ましい(但し、エポキシ樹脂(A)+フ
ェノール樹脂(B)=100重量%とする)。そして、
エポキシ樹脂(A)+フェノール樹脂(B)=100重
量部に対して0.01〜1重量部の硬化触媒を含有する
ことが好ましい。用いられる硬化触媒としては、無機酸
及び有機酸の任意のものを使用できるが、特にリン酸が
好ましい。
【0023】本発明のプライマー用の樹脂組成物は、有
機溶媒に溶液した状態で用いられることが好ましい。有
機溶媒としては、キシレン、トルエン等の炭化水素系溶
媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、シク
ロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン系溶媒、エタノール、プロパノール、
ブタノール等のアルコール系溶媒、エチルセロソルブ、
ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、グリコール系
溶媒、グリコールエーテル系溶媒の1種あるいは2種以
上を用いることができる。溶液中の固形分濃度は、5〜
50重量%、特に10〜40重量%の範囲内にあるのが
好ましい。本発明のプライマー用の樹脂組成物は、上記
の有機溶媒中で50〜100℃、2〜4時間程度攪拌
し、エポキシ樹脂(A)とフェノール樹脂(B)とを部
分的にかつ予備的に反応せしめておくことが好ましい。
さらに本発明の樹脂組成物には、顔料、滑剤、充填剤、
安定剤、可塑剤等のそれ自体は公知の塗料用配合剤を配
合しても良い。
【0024】本発明のプライマー用の樹脂組成物は、塗
装に適した粘度に調整した後、ドクターコーター、エア
ナイフコーター、リバースコーター等の各種コーター
や、ローラやブラシを用いて、プラスチックフィルムの
表面に塗布することができる。またスプレー塗装、静電
塗装等の方法を用いることもできる。さらに本発明のプ
ライマー用の樹脂組成物は、プラスチックフィルムでは
なく金属板に塗布することもできる。膜厚は、用途によ
って適宜選定すれば良いが、通常5〜10μm程度が好
ましい。
【0025】上記したように本発明のプライマー用の樹
脂組成物をプラスチックフィルム又は金属板に塗布し、
所謂タックーフリーの状態に乾燥した後、金属板又はプ
ラスチックフィルムを接触せしめつつ加熱することによ
って、プラスチックフィルム被覆金属板を得ることがで
きる。プラスチックフィルムと金属板とを積層する際に
は、加熱ロールによる圧着等の伝熱加熱方式、電熱オー
ブン、ガス燃焼オーブン、各種熱源から発生させた熱風
オーブン等による雰囲気加熱方式などを採用することが
でき、150〜250℃で10〜50秒程度加熱するこ
とが好ましい。
【0026】本発明で用いられるプラスチックフィルム
としては、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィ
ルム等が挙げられ、ポリエステルフィルムが好ましい。
ポリエステルフィルムとしてはポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(以下、PETと略す)が好ましい。又、
本発明で用いられる金属板としては、鋼板、アルミニウ
ム板等が挙げられる。
【0027】
【実施例】本発明を実施例により、さらに具体的に説明
する。以下、[部]および[%]はそれぞれ[重量部]
および[重量%]を意味する。
【0028】[エポキシ樹脂の合成例] (イ)エポキシ樹脂2段変性 攪拌機、温度計の付いたフラスコに、エピコート100
9(商品名、ジャパンエポキシレジン社製のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、数平均分子量約3,800、エ
ポキシ当量約3,000)を125部、p-tert-ブチル
フェノール2部、20%テトラメチルアンモニウムクロ
ライド水溶液0.5部を加え、攪拌下160℃まで徐々
に昇温し、同温で5時間保持し、エポキシ樹脂(A1)
を得た。得られたエポキシ樹脂(A1)は、数平均分子
量8,000、エポキシ当量12,000を有してい
た。これをエポキシ樹脂(A1)とする。
【0029】(ロ)Advance法変性 攪拌機、温度計の付いたフラスコに、エピコート828
EL(商品名、ジャパンエポキシレジン社製のビスフェノ
ールA型エポキシモノマー、数平均分子量約350、エ
ポキシ当量約190)、ビスフェノールAを加え、攪拌
した後、30℃で20%テトラメチルアンモニウムクロ
ライド水溶液を加え、160℃まで徐々に昇温して、反
応を開始した。所定時間の反応を行い、エポキシ樹脂
(A2〜A8)を得た。各試薬の仕込量、反応時間、お
よび得られたエポキシ樹脂(A2〜A8)のエポキシ当
量、数平均分子量を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】(ハ)Taffy法変性 攪拌機、温度計の付いたフラスコに、エピクロルヒドリ
ン35部、ビスフェノールA65部、20%テトラメチ
ルアンモニウムクロライド水溶液を1部、p-tert-ブチ
ルフェノール0.5部加え、撹拌しながら160℃まで
徐々に昇温し、同温で5時間保持し、エポキシ樹脂(A
9)を得た。得られたエポキシ樹脂(A9)は数平均分
子量2,900、エポキシ当量4,000であった。
【0032】[フェノール樹脂(B)の合成]攪拌機、
温度計、還流冷却機の付いたフラスコに、パラクレゾー
ル9.12部、イオン交換水2.78部、25%液体カ
セイソーダ4.08部、ホルマリン20.67部を加
え、1時間かけて83℃まで昇温し、3時間反応する。
冷却後、酢酸ブチル17.67部を仕込み、50℃以下
で20%塩酸を仕込み中和し、水槽を捨てる。イオン交
換水14.69部×2回で洗浄し、加熱濃縮、還流脱水
をし、固形分35%にした後、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル4.6部を加え固形分30%、♯4フ
ォードカップ粘度27秒のフェノール樹脂(B)溶液を
得た。得られた樹脂は、数平均分子量530であった。
【0033】[実施例1]樹脂組成物(プライマー)の
合成 攪拌機、温度計のついたフラスコに、上記合成例で得た
エポキシ樹脂(A1)を17.5部、上記合成例で得た
フェノール樹脂(B)溶液25部、セロソルブアセテー
ト3.56部、シクロヘキサノン11.81部、n−ブ
タノール3.03部、ソルベッソ100J(エクソン化
学製)4.52部を加え、100℃で2時間加熱溶解
し、90℃に冷却後、別容器でリン酸0.05部をn−
ブタノール0.68部で希釈したものを添加、100℃
まで昇温し、3時間攪拌した後、60℃まで冷却後メチ
ルエチルケトン11.95部を添加し、固形分は32%
の樹脂組成物(プライマー)を得た。
【0034】[比較例1]エポキシ樹脂(A1)の代わ
りにエピコート1009(商品名、ジャパンエポキシレ
ジン社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂、数平均分
子量約3,800、エポキシ当量約3,000を用いた
以外は実施例1と同様にして樹脂組成物(プライマー)
を得た。
【0035】[実施例2〜4、6][比較例2〜5] エポキシ樹脂(A1)の代わりにエポキシ樹脂(A2)
〜(A9)を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂組
成物(プライマー)を得た。
【0036】[実施例5]エポキシ樹脂(A2)17.
5部の代わりに、エポキシ樹脂(A2)/エピコート1
009(商品名、ジャパンエポキシレジン社製のビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、数平均分子量約3,80
0、エポキシ当量約3,000)=1/1(重量比)の
混合物17.5部を用いた以外は実施例2と同様にして
樹脂組成物(プライマー)を得た。
【0037】<接着力評価>上記実施例1〜6及び比較
例1〜5で得た樹脂組成物(プライマー)を、厚さ0.
288mmのアルミ板に乾燥塗膜厚が10μmとなるよう
に塗装し、185℃で10分間焼き付けて硬化させた塗
装板を得た。2枚の塗装板(80mm×5mm)の塗膜面を
被着面としてナイロンフィルムを挟み込み、これを温度
200℃、加圧10Kg/cm2で30秒、その後温度200
℃、60秒間、20Kg/cm2で加圧し、両塗面に上記ナイ
ロンフィルムを融着したものを試験片とした。この試験
片を用いて引っ張り試験機(TOYO BALDWIN
製 TENSILONUTM-3-500)により、温度20℃、引
っ張り速度200mm/minの条件で、塗膜/アルミ板界面
間のTピール接着強度を測定した。尚、プライマーとし
て用いるためにはPET等のプラスチックフィルム及び
金属板の両方に対して十分接着することが必要である
が、上記方法によりまず硬化塗膜の金属板に対する接着
力を簡便的に代替評価した。 〇:1Kg/5mm以上の接着力を持つ。 ×:1Kg/5mm以下の接着力を持つ。 この評価結果を表2に示す。
【0038】<BPA抽出濃度>上記実施例1〜6および
比較例1〜5で得た樹脂組成物(プライマー)を、厚さ
0.288mmのアルミ板に乾燥塗膜厚が10μmとなる
ように塗装した。その塗装板の塗装面が内側になるよう
半分に折り曲げアルミホイルでつつみ込み、230℃で
10分間焼き付けて硬化させた塗装板およびアルミホイ
ルを、塗膜面積(cm2)/水(g)= 1/1となる量の水
中で、125℃-30分間レトルト処理を行った。その
水を50倍に濃縮後、逆相分配型HPLCによりBPA
の抽出量を求めた。結果を表2に示す。 〇:BPA抽出濃度が10ppb以下 ×:BPA抽出濃度が10ppb以上
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物(プライマー)は、
ビスフェノールA含有量がきわめて少なくかつ、焼き付
けによるビスフェノールA型エポキシ樹脂の熱分解から
発生するビスフェノールA量が極めて少なく、環境問題
の対応できるものであり、塗装作業性が良好である。ま
た、本発明の組成物から得られる塗膜は、基材への密着
性、加工性、耐腐食性などの塗膜性能に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】エポキシ樹脂の数平均分子量とエポキシ当量と
の関係を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年5月18日(2001.5.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】(ロ)Advance法変性 攪拌機、温度計の付いたフラスコに、エピコート828
EL(商品名、ジャパンエポキシレジン社製のビスフェノ
ールA型エポキシモノマー、数平均分子量約350、エ
ポキシ当量約190)、ビスフェノールA及びp−tB
uPhを加え、攪拌した後、30℃で20%テトラメチ
ルアンモニウムクロライド水溶液を加え、160℃まで
徐々に昇温して、反応を開始した。所定時間の反応を行
い、エポキシ樹脂(A2〜A8)を得た。各試薬の仕込
量、反応時間、および得られたエポキシ樹脂(A2〜A
8)のエポキシ当量、数平均分子量を表1に示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01A AB10 AK01C AK33B AK48 AK53B AL05B BA03 BA10A BA10C EJ65B GB16 JB02 JK06 JL00 JL01 JL05 YY00B 4J036 AA02 AD01 AD08 BA02 CA06 CA07 CA08 DA01 FB07 GA00 GA23 HA12 JA01 JA02 JA06 KA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記関係式(1)及び(2)を満足する
    ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A)とフェノール樹
    脂(B)とを含有することを特徴とする樹脂組成物。 (3)2500≦X≦10000 (4)0.9X+840≦Y≦15000 [式中、Xは数平均分子量、Yはエポキシ当量(g/e
    q)である。]
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂(A)が、下記関係式
    (1)及び(3)を満足するエポキシ樹脂(a1)と一
    分子中にフェノール性の水酸基を1個有する化合物(a
    2)との反応生成物であることを特徴とする請求項1記
    載の樹脂組成物。 (1)2500≦X≦10000 (5)0.5X+100≦Y≦0.9X+160
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂(A)が、下記式で表され
    るビスフェノールA型エポキシモノマー(a3)と、ビ
    スフェノール類(a4)と、一分子中にフェノール性の
    水酸基を1個有する化合物(a2)との反応生成物であ
    ることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。 【化1】
  4. 【請求項4】 エポキシ樹脂(A)が、エピクロルヒド
    リン(a5)と、ビスフェノール類(a4)と、一分子
    中にフェノール性の水酸基を1個有する化合物(a2)
    との反応生成物であることを特徴とする請求項1記載の
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 金属板、請求項1ないし4いずれか記載
    の樹脂組成物から形成されるプライマー層、及びプラス
    チックフィルムが順次積層されてなるプラスチックフィ
    ルム被覆金属板。
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