JPH0246192Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案はケーブルラツク用吊り金具に係り、
工場、ビルデイング等の建造物に電気配線を施す
場合に用いられるケーブルラツクを吊りボルトで
懸吊する際に、吊りボルトとケーブルラツクとを
連結する金具であり、特に、親桁部材の下端に断
面溝形状の子桁載置部を設けたケーブルラツクに
装着するのに好適なケーブルラツク用吊り金具に
関するものである。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来、この種のケーブルラツクにおいて、親桁
部材Ｌ１の下端に断面溝形形状の子桁載置部Ｌ２
を設け、この子桁載置部Ｌ２の溝内にスライド装
着せしめる専用の吊り金具Ｐを備えたケーブルラ
ツクＬが知られている（第７図参照）。ところが、
このケーブルラツクＬに装着する専用の吊り金具
Ｐは、ケーブルラツクＬの端部からでなくては装
着することができないので、ケーブルラツクＬが
所定位置に一旦設置されると、専用の吊り金具Ｐ
はケーブルラツクＬの任意の位置に追加装着でき
ないものであつた。また、従来の吊り金具Ｐは、
吊りボルトＭの径に合わせた平面Ｕ字形状の溝に
吊りボルトＭを通し、所定のナツトで懸吊させる
ものなので、ｗ3/8の吊りボルトＭとｗ1/2の吊り
ボルトＭとの兼用ができず、吊りボルトＭのサイ
ズ別に吊り金具Ｐを製造しなければならないとい
つた不都合があつた。更にまた、この種の専用吊
金具Ｐは、アルミ押出し成型にて製造されてお
り、製造コストが掛る割には強度に問題を残すも
のでもあつた。

〔考案の目的〕

そこで、この考案は上述の如き不都合を解消す
べく案出されたもので、特に親桁部材の下端に吊
り金具をスライド装着せしめるケーブルラツクに
対して、その位置からでも自在に直接装着するこ
ととができるケーブルラツク用吊り金具の提供を
目的とするものである。

〔考案の概要〕

上述の目的を達成すべくこの考案は、長手方向
を前後とするケーブルラツクの親桁部材下端から
左右両側に湾出形成された断面溝形状の子桁載置
部の下端面に当接せしめる下側板と子桁載置部の
左右上端面の一方に載置せしめる上側板との夫々
にボルト挿通孔が縦方向に穿設され、このボルト
挿通孔に挿通された吊りボルトの上下に螺着した
ナツトで上下側板が緊締される吊金具において、
子桁載置部の適位置に係止せしめる係止片を下側
板の一側縁から上方に屈曲延長すると共に、この
係止片に相対峙する補強リブ片を下側板の他側縁
から屈曲延長し、一方、上側板の相対する両側縁
を下方に屈曲して子桁載置部の長手方向に略直交
する一対の支持側片を形成し、この支持側片の
夫々子桁載置部がわ一端を側面略鉤形状に切欠い
て子桁載置部の左右上端面の一方の面に当接せし
める切欠把持部を設けたことによりケーブルラツ
クのどの位置からでも自在に装着させることに成
功したものである。

〔考案の実施例〕

以下、図面を参照してこの考案の実施例を詳細
に説明する。

図に示す符号Ｌはケーブルラツクであり、断面
略Ｔ字形状を成した長手方向を前後とする親桁Ｌ
１の下端から左右両側に湾出形成された断面溝形
状の子桁載置部Ｌ２を有するものである（第１図
参照）。そして、この子桁載置部Ｌ２の上端面に
当接せしめる下側板１と子桁載置部Ｌ２の上端面
に当接せしめる上側板５とを鋼板等にて形成し、
これら下側板１と上側板５とにボルト挿通孔２を
縦方向に穿設してあり、ボルト挿通孔２に挿通さ
れた吊りボルトＭの上下にナツトＮを螺合してお
き、このナツトＮを締付けることで下側板１と上
側板５とが緊締され、子桁載置部Ｌ２の上下端面
を挟着するものである。この際、ボルト挿通孔２
の径を13mmとすることで、w3／８やw1／２の吊
りボルトの兼用ができるものとなる。

下側板４は更に、自身の位置側縁を上方に屈曲
延長して子桁載置部Ｌ２の適位置に係止せしめる
係止片３を形成する。第１図乃至第４図で示す係
止片３は、係止片３の上端を更に略水平に屈曲し
て子桁載置部Ｌ２の左右上端面の上側板５が当接
しない他方の上端面に係着せしめる把持片３Ａを
設けてある。こうすることによつて、係止片３の
係着力を頗る高めることができると共に、係止片
３を子桁載置部Ｌ２に仮止めしてスライドさせな
がらこの考案金具の緊締位置を決めることができ
るので、装着作業の能率を上げる効果も有する。
また、第５図で示す係止片３は、子桁載置部Ｌ２
の側面に係止せしめるように設けてあり、また第
６図で示す係止片３は、溝内の側面に係止せしめ
るように設けてある。このような係止片３を形成
することで、種々の子桁載置部Ｌ２に適応させる
ことが可能となる。そして、下側板１の他側縁を
上方に向けて屈曲延長して係止片３に相対峙する
補強リブ片４を形成し、下側板１の強度を高める
と共に、後述する上側板５の支持側片６一端をこ
の補強リブ片４に当接せしめてある。

一方、上側板５は、自身の相対する側縁を下方
に屈曲して子桁載置部Ｌ２の長手方向に略直交す
る一対の支持側片６を形成し、この支持側片６の
夫々子桁載置部Ｌ２がわ一端を側面略鉤形状に切
欠いて子桁載置部Ｌ２の左右上端面の一方の面に
係着せしめる切欠把持部７を設けてある。図示例
の切欠把持部７は、水平当接片７Ａと垂直当接片
７Ｂとで略鉤形状を成しており、この際、水平当
接片７Ａの先端縁を下方に向けて湾出部７Ｃを形
成してある（第４図参照）。こうすることで、水
平当接片７Ａの接触部分を一点に集中させて切欠
把持部７の把持力を高めることができ、上側板５
と下側板１とによる子桁載置部Ｌ２の挟着をより
確実なものにできる利点がある。

而して、この考案の使用方法を説明すると、吊
りボルトＭに間隔を置いて螺着するナツトＮ間
に、予め下側板１と上側板５とを挿通せしめ、ケ
ーブルラツクＬの所定位置で下側板１の係止片３
を子桁載置部Ｌ２の適位置に係止させる。次に、
上側板５の切欠把持部７を子桁載置部Ｌ２の他方
の上端に当接させてから吊りボルトＭ上下のナツ
トＮを締付けることによつて、下側板１と上側板
５とを子桁載置部Ｌ２に緊締させ、ケーブルラツ
クＬと吊りボルトＭとを連結せしめるものであ
る。

〔考案の効果〕

この考案は上述の如く構成したことにより、親
桁部材の下端に吊り金具をスライド装着せしめる
ケーブルラツクに対して、装着時期を選ばずに、
どの位置からでも直接装着することができる。

すなわち、長手方向を前後とするケーブルラツ
クＬの親桁Ｌ１部材下端から左右両側に湾出形成
された吊りボルトＭの上下に螺着したナツトＮで
上下側板が緊締される吊金具において、子桁載置
部Ｌ２の適位置に係止せしめる係止片３を下側板
１の一側縁から上方に延長すると共に、この係止
片３に相対峙する補強リブ片４を下側板１の他側
縁から延長したことで、下側板１の強化を図ると
共に、下側板１の係着力を高められる。

一方、上側板５の相対する側縁を下方に屈曲し
て子桁載置部Ｌ２の長手方向に略直交する一対の
支持側片６を形成し、この支持側片６の夫々子桁
載置部Ｌ２がわ一端を側面略鉤形状に切欠いて子
桁載置部Ｌ２の左右上端面の一方の面に当接せし
める切欠把持部７を設けたことにより、上側板５
自身の強化を図ると共に、特に、子桁載置部Ｌ２
上端面への当接部分の強度を高めることができ
る。

したがつて、このように強化された下側板１及
び上側板５による挟着力は極めて高いものになる
から、親桁Ｌ１の下端に湾出形成された子桁載置
部Ｌ２にこの考案吊り金具を確実に挟着させて吊
りボルトＭによる安定した懸吊状態を維持するこ
とができる。しかも、下側板１及び上側板５は、
ボルト挿通孔２を開穿してあり、このボルト挿通
孔２に挿通した吊りボルトＭ上下のナツトＮで緊
締されるものなので、ボルト挿通孔２内に挿通で
きる範囲で吊りボルトＭの径を自由に変更できる
利点がある。更に、この考案金具は、鋼板等を屈
曲して形成できる構造であることから、安価なコ
ストで製造することが可能である。

このようにこの考案によれば、下端に専用の吊
り金具をスライド装着するケーブルラツクであつ
ても装着が自在で、しかも優れた強度を有し、安
価に製造できるなどといつた実用上有益な種々の
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面中第１図乃至第４図はこの考案の一実施例
を示すもので、第１図は使用状態を示す斜視図、
第２図は分解斜視図、第３図は使用状態の側面
図、第４図は切欠き把持部を示す部分拡大側面図
であり、第５図及び第６図は夫々他の実施例を示
す側面図で、第７図は従来例を示す斜視図であ
る。 Ｌ……ケーブルラツク、Ｌ１……親桁、Ｌ２…
…子桁載置部、Ｌ３……スライド溝、Ｍ……吊り
ボルト、Ｎ……ナツト、Ｐ……専用吊金具、１…
…下側板、２……ボルト挿通孔、３……係止片、
３Ａ……把持片、４……補強リブ片、５……上側
板、６……支持側片、７……切欠把持部、７Ａ…
…水平当接片、７Ｂ……垂直当接片、７Ｃ……湾
出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長手方向を前後とするケーブルラツクの親桁部
   材下端から左右両側に湾出形成された断面溝形状
   の子桁載置部の下端面に当接せしめる下側板と子
   桁載置部の左右上端面の一方に載置せしめる上側
   板との夫々にボルト挿通孔が縦方向に穿設され、
   このボルト挿通孔に挿通された吊りボルトの上下
   に螺着したナツトで上下側板が緊締される吊金具
   において、子桁載置部の適位置に係止せしめる係
   止片を下側板の一側縁から上方に屈曲延長すると
   共に、この係止片に相対峙する補強リブ片を下側
   板の他側縁から屈曲延長し、一方、上側板の相対
   する両側縁を下方に屈曲して子桁載置部の長手方
   向に略直交する一対の支持側片を形成し、この支
   持側片の夫々子桁載置部がわ一端を側面略鉤形状
   に切欠いて子桁載置部の左右上端面の一方の面に
   当接せしめる切欠把持部を設けたことを特徴とす
   るケーブルラツク用吊り金具。