JPH0245234Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は積層された用紙から一枚を分離して搬
送路に自動的に送り出す給紙装置の改良に関する
ものであり、特に原稿等の用紙を搬送路へ送り出
す用紙の繰出し部の構成に係るものである。

〈従来技術〉 フアクシミリ装置や光学的文字読取り装置など
各種の情報処理装置が開発されるに伴つて、情報
が記載された原稿や、記録再生のためのシートな
で多数積層された用紙から一枚ずつ円滑に送り出
して読取り部や記録再生部に搬送する装置が要求
されている。この種の装置において、セツトされ
た原稿等の用紙を搬送路へ送り出す手段として搬
送路の下側に配置された繰出しローラと該繰出し
ローラに対向して設けられた押圧ローラを備えて
いるのが一般的である。

即ち、原稿等の用紙の給送方向に回転する繰出
しローラとこのローラで用紙に搬送力を与えるた
めに繰出しローラ方向に圧力を与える作用をなす
押圧ローラを備えるものである。そして、従来装
置の前記押圧ローラのローラ形状は円形のもの又
は半円形状のものを用いている。

しかしながら、前記円形又は半円形状の押圧ロ
ーラは繰出しローラに対してその円周部で対向し
つまり繰出しローラと点で対向位置することか
ら、先端部にカールを有した原稿がセツトされた
場合にはこれらローラで矯正することは難しく、
従つてカール原稿はキヤリアシート等に入れて給
送されたりまたそのままカール原稿を給送させる
と搬送路の途中でジヤムが発生したりすることが
多いものであつた。また、前記押圧ローラでカー
ル原稿を矯正させようとすると、このローラの曲
率を相当大きくしないとこのカールを矯正するこ
とができないものであつた。

そして、カール原稿の矯正にためにローラの曲
率を大きく形成すると、円形のものは勿論のこと
半円形状のものであつてもその点有面積を大きく
必要として省スペースを実現できず、昇スペース
を目的とした半円形状のローラとする意味がない
という問題があつた。

〈考案の目的〉 本考案は上述の問題に鑑み、上記繰出しローラ
に対向して配置される押圧ローラを、この占有面
積を大きくせずにかつカール原稿の矯正ができる
形状に構成したことを目的とするものである。

特に押圧ローラの繰出しローラと対向する面
を、給紙する用紙面に沿う平担な面に形成して該
ローラの曲率を大きくすることなくかつ前記平担
面で原稿のカールを矯正するようにしたことを特
徴とするものである。

〈実施例〉 第１図は本考案自動給紙装置の要部構成を上方
から見た斜視図、第２図はその断面構成を示す図
である。

第１図において、１Ａ，１Ｂは左、右のフレー
ムであり、このフレーム１Ａ，１Ｂ間には後述す
る繰出しローラ、押圧ローラ、分離板等が装備さ
れる。

また、前記左、右のフレーム１Ａ，１Ｂ間には
原稿等の用紙を案内するために搬送路に沿つて用
紙ガイド上２と用紙ガイド下３が設けられてい
る。

この用紙ガイド上２の上方においては押圧ロー
ラ４，４を回転自在に支持する支持軸５がフレー
ム１Ａ，１Ｂ間に架設されており、この押圧ロー
ラ４，４の下部は用紙ガイド上２に形成された開
口部２Ａ，２Ａを介して搬送路内に位置される。

また、用紙の搬送方向において前記押圧ローラ
４，４の後段側に、分離板６を支持する支持軸７
がフレーム１Ａ，１Ｂ間に回転自在に架設されて
おり、この分離板６も軸支部と反対側の一端側が
用紙ガイド上２の開口２Ｂを介して搬送路内に位
置されている。

更に、前記分離板６の後段側に（用紙の搬送方
向において）、搬送ローラ８，８を取着した駆動
軸９がフレーム１Ａ，１Ｂ間に回転自在に支持さ
れており、この搬送ローラ８，８もこの一周面が
用紙ガイド上２の開口２Ｃ，２Ｃを介して搬送路
内に位置するように構成されており、また駆動軸
９はフレーム１Ａに装備された駆動系１０と連結
されている。

次に、第２図に基づいてこの自動給紙装置の構
成を具体的に説明する。

前記支持軸５の回転自在に支持された押圧ロー
ラ４，４は、搬送路の底壁側つまり用紙ガイド下
３の下方でフレーム１Ａと１Ｂ間に支持された回
転軸１１に取付けられた繰出しローラ１２と対向
位置している。

前記繰出しローラ１２の一周面は用紙ガイド下
３の開口を介して搬送路の下面に臨むように設け
られている。

そして、前記押圧ローラ４，４の繰出しローラ
１２と対向する面は、給紙する用紙面に沿う平担
面４Ａに構成しまたこの平担面４Ａに連なる、用
紙Ａの送られてくる上側の面を円弧状の曲面部４
Ｂに構成し更に、前記平担面４Ａの用紙Ａの送り
対して下側の面は略直線的にカツトした構成とな
つており、換言すると全体として平担面４Ａを有
する半円形のローラ形状となしている。

そして、前記押圧ローラ４，４は、一端が用紙
ガイド上２に係止されたバネ１３，１３で時計方
向に常時附勢されていると共にこの附勢による押
圧ローラ４，４はこの下端の平担面４Ａが繰出し
ローラ１２の周面と接する位置近くでその回転が
規制されるよう図示しないストツパー手段により
回転止めされている。

また、上記した支持軸７に回転自在に支持され
た分離板６は給紙ローラ１４と対向位置してお
り、つまり前記分離板６に対向する用紙ガイド下
３の下側でフレーム１Ａと１Ｂ間に支持された駆
動軸１５に給紙ローラ１４が取付けられており、
該給紙ローラ１４の一周面は用紙ガイド下３の開
口を介して搬送路の下面に臨むように設けられて
いる。

そして、前記分離板６はスプリング１６によつ
て給紙ローラ１４方向に附勢されて該分離板６の
先端部分は給紙ローラ１４の周面に所定圧で接し
ており、給送されてきた用紙Ａを１枚ずつに分離
させる作用を行なう。

従つて、この分離板６は軸７による支持とスプ
リング１６による附勢で搬送路内において用紙Ａ
の給紙方向に傾斜した構成となつており、また用
紙Ａが該分離板６に当接する面には耐摩耗性にす
ぐれたゴム６Ａが装着されている。

更に上記した搬送ローラ８，８に対向してピン
チローラ１７，１７が配置されており、このピン
チローラ１７，１７は用紙ガイド３の下側と支持
軸１８に回転自在に支持されると共にこのローラ
１７，１７の一周面を用紙ガイド下３の開口を介
して搬送路内に位置し、搬送ローラ８，８と一定
圧で押接されている。

なお、上記した繰出しローラ１２，１２の回転
軸１１と給紙ローラ１４の駆動軸１５は上記した
フレーム１Ａに構成された駆動系１０に連結され
ている。

このように構成された自動給紙装置の動作は原
稿等の用紙Ａがホツパー部３Ａに複数枚積層して
セツトされると、この用紙Ａは繰出しローラ１２
の駆動と押圧ローラ４，４の押圧作用とによつて
下部に位置する用紙Ａが搬送路方向に搬送されて
分離板６側へ送られる。

分離板６は送られてきた用紙の１枚ずつに確実
に分離させる作用をなし、この分離板６と給紙ロ
ーラ１４によつて用紙を分離して更に後段の搬送
路に１枚ずつ給送させるものである。そして、前
記分離された用紙は搬送ローラ８，８及びピンチ
ローラ１７，１７によつて例えば光学読取系に給
送されるものである。

所で、上記した押圧ローラ４，４は上述のよう
に繰出しローラ１２と対向する面を平担面４Ａに
形成しており、これは原稿等の用紙Ａの先端がカ
ールしていた場合にもこのカールを矯正してスム
ーズに後段の分離板６へ給紙できるようにするた
めである。

即ち、第３図に示すようにカール原稿Ａが押圧
ローラ４と繰出しローラ１２の間に挿入される
と、この繰出しローラ１２と押圧ローラ４の挾持
圧でカール部分は平担に押圧されると共にそれら
ローラの挾持点を通過したすぐの原稿Ａのカール
部分は元に戻ろうとするが、押圧ローラ４の下端
が平担面４Ａとなつているのでこの平担面４Ａ部
分でガイドされて原稿Ａはそのまま平担な状態で
分離板６方向に給送されることになる。

また、押圧ローラ４，４の給紙方向において上
側の円弧上の曲面部４Ｂとしているのはホツパー
部３Ａに原稿をセツトし易すくするためであり、
しかもこの押圧ローラ４，４は円周全体を使わず
に給送に必要のない部分は肉をカツトして省スペ
ース化をさらに図つている。

更に前記左、右の押圧ローラ４，４は夫々バネ
１３，１３で附勢されて相互に独立しており、し
かも押圧ローラ４，４の軸５と繰出しローラ１２
の駆動軸１５は同一の左、右のフレーム１Ａ，１
Ｂ間に支持させているために、この軸５と１５の
位置精度を出し易くつまり両軸の平行度が保たれ
て押圧ローラ４，４と繰出しローラ１２との片当
りを極力抑えることができ、このため原稿の斜め
送りを防止することができる。

〈効果〉 以上のように本考案にあつてはセツトされた用
紙を順次搬送路へ送り出す繰出しローラとこの繰
出しローラに対向して前記ローラ方向に圧力を与
える押圧ローラを備えた自動給紙装置にあつて、
前記押圧ローラの繰出しローラと対向する面を、
給紙する用紙面に沿う平担な面を形成したもので
あり、これによつて前記押圧ローラの平担部分で
カール原稿のカールが矯正されてスムーズに給送
でき、また当該押圧ローラ自体も前記平担部分を
有することでこの曲率を大きくする必要がなく、
小径化のローラで原稿のカールを矯正できる省ス
ペース化が図れる押圧ローラを提供し得るもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案自動給紙装置の要部構成を上方
から見た斜視図、第２図はその断面構成を示す断
面図、第３図は本考案に係る押圧ローラの動作を
示す図である。 １Ａ及び１Ｂ：フレーム、２：用紙ガイド上、
３：用紙ガイド下、４，４：押圧ローラ、５：押
圧ローラの支持軸、６：分離板、１１：繰出しロ
ーラの回転軸、１２：繰出しローラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 セツトされた用紙を順次搬送路へ送り出すため
   の繰出しローラとこの繰出しローラに対向して配
   置されて繰出しローラ方向に所定の押圧力を与え
   る押圧ローラとを備えた自動給紙装置において、 前記押圧ローラの繰出しローラと対向する面
   を、給紙する用紙面に沿う平坦な面に形成してな
   ることを特徴とする自動給紙装置。