JPH0240730Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自走機体に上下駆動揺動自在なリン
ク機構を介して昇降操作自在に、かつ、ローリン
グ装置を介して機体前後向き軸芯周りで揺動自在
に苗植付装置を連結し、この苗植付装置を前後方
向視で自走機体に対して平行あるいはほぼ平行
で、かつ、前記前後向き軸芯周りでの揺動が不能
な状態にする解除自在な接当式ローリングロツク
機構を、前記苗植付装置の設定レベルへの対自走
機体上昇状態、及び、前記苗植付装置の設定レベ
ルの対自走機体下降状態の夫々においてのみ自動
作用する状態で前記リンク機構と前記苗植付装置
の間に設けた乗用田植機に関する。

この種田植機は、自走機体の左右傾斜にかかわ
らず左右の植付深さを一定に維持しながら作業で
きるように構成され、しかも、路上時のように苗
植付装置を上昇させて走行する場合や畔越え時の
ように苗植付装置を下降させ、これの重量に起因
する機体重心位置の上昇を防止しながら走行する
場合のために、苗植付装置を作業用レベルより高
いあるいは低い設定レベルまで上昇あるいは下降
させるだけで、苗植付装置が走行振動のために左
右に揺れ動いて機体横転を招いたり、地面等に接
触するトラブルが生じないように、苗植付装置が
前記対自走機体姿勢でローリングロツクされるよ
うに構成されたものであるが、従来、前記ローリ
ングロツク機構を構成するに、第７図に示すよう
に、苗植付装置の上昇状態において前記リンク機
構４を構成する揺動リンク４ｂに付設されたスト
ツパー２４ａ，２４ｂに接当するローリングロツ
ク具２７と、苗植付装置の下降状態においてスト
ツパーとしての前記揺動リンク４ｂに接当するロ
ーリングロツク具２８とが植付装置機体５ａと一
体揺動する状態で各別に設けられており、必要部
材数が多くなり、構造面においても組付手間面に
おいても不利となつていた。

本考案の目的は、前記ローリングロツク機構
を、構造簡単に構成できると共に組付けが容易に
でき、しかも、ロツクが強固に行われるものに改
造することにある。

本考案は、目的達成のために、冒記した乗用田
植機において、前記ローリングロツク機構を構成
するに、前記前後向き軸芯の左右両側に振り分け
配置した一対のローリングロツク具を、前記苗植
付装置に一体揺動自在に連結するか、あるいは、
前記リンク機構を構成する上下揺動リンクに一体
揺動自在に連結し、前記ローリングロツク具に各
別に作用する一対のストツパーを、前記ローリン
グロツク具に形成してある長孔に摺動自在に挿入
すると共に、前記苗植付装置の前記設定レベルへ
の対自走機体上昇状態において前記長孔の一端側
にて前記ローリングロツク具に接当し、かつ、前
記苗植付装置の前記設定レベルへの対自走機体下
降状態において前記長孔の他端側にて前記ローリ
ングロツク具に接当する状態で前記上下揺動リン
クに一体揺動自在に備えさせるか、あるいは、前
記苗植付装置に一体揺動自在に備えてあることを
特徴とする。

つまり、苗植付装置が作業用レベルに在る時に
は、ストツパーが長孔の途中箇所に位置し、これ
とローリングロツク具の相対摺動が可能になるの
であり、苗植付装置が作業用レベルよりも高い設
定レベルに上昇された時及び作業用レベルよりも
低い設定レベルに下降された時には、左右ストツ
パーの夫々がローリングロツク具の上端側にある
いは下端側に移行し、ストツパーとローリングロ
ツク具がリンク機構揺動駆動力によつて互に押し
付けられて、苗植付装置が前後方向視で自対機体
に対して平行あるいはほぼ平行になると共に、ス
トツパーとローリングロツク具の相対摺動が不能
になるのである。従つて、苗植付装置の設定レベ
ルへの上昇状態及び設定レベルへの下降状態の
夫々においてのみ、苗植付装置を前記した対自走
機体姿勢でローリングロツクできるようにできる
と共に、前記ローリングロツク具を苗植付装置の
上昇時用と下降時用とに兼用でき、所定のローリ
ングロツク構成が構造簡単で、かつ、組付手間の
少ないものにできた。その上、ローリングロツク
具を長孔形成にすることにより、リンクあるいは
苗植付装置からの延出端側に位置する対ストツパ
ー接当部が両端側支持されることになるので、ロ
ーリングロツク具を比較的軽小なものにしてもロ
ーリングロツクのために作用する張力にかかわが
ず変形しないようにでき、ロツク機構構成が軽小
にできるように、しかも、ローリングロツクが強
固に行われるようにできた。

以下に、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図及び第２図に示すように、エンジンボツ
ト１の有した原動部、及び、予備苗のせ台２ａ，
２ｂ等の有した車輪式自走機体に、油圧シリンダ
３によつて上下に揺動駆動するリンク機構４を介
して苗植付装置５を昇降操作自在に連結すると共
に、自走機体から回転軸６を介して苗植付装置５
に伝動するように構成して、乗用田植機を構成し
てある。

第２図及び第３図に示すように、エンジンボン
ネツト１とこれの左右両横側に振り分け配設され
た一対の予備苗のせ台２ａ，２ｂの一方２ａとの
間に、機体前方からの乗り降りを可能にするため
の乗降用ステツプ７を設け、エンジンボンネツト
１と他方の予備苗のせ台２ｂの間に、苗すくい板
８の収納部を設けてある。前記ステツプ７に荷重
が掛かつているか否かを感圧センサー３０によつ
て検出するように構成すると共に、このセンサー
３０に対してエンジン自動停止装置３１をステツ
プ７に荷重が掛かると自動作動するように連係さ
せてある。つまり、エンジンをかけたままで降り
ようとしても、ステツプ７に乗るとエンジンが自
動停止され、不測にレバー類が接触操作されても
各種装置が作動しないように安全を図つてある。

第４図に示すように、前記シリンダ３のロツド
３ａを、これに摺動自在に取付けた連結具９、及
び、枢支連結ピン１０を介して前記リンク機構４
の操作アーム４ａに連結して、油圧シリンダ３と
リンク機構４の相対変位を可能にすると共に、シ
リンダロツド３ａに付設したスプリング受け１１
と前記連結具９の間にサスペンシヨンスプリング
１２を介装してある。そして、前記連結具９の連
結ピン１０が挿通してある孔１３を、シリンダ３
の軸芯方向の長孔に形成すると共に、連結ピン１
０の複数個の受止め段部１４ａ……を階段状に備
えさせてあるピン受け具１４を、前記連結具９の
長孔１５の作用により摺動調節できるように、か
つ、調節位置にボルト１６によつて締付け固定す
るように前記連結具９に取付けて、前記受止め段
部１４ａ……のいずれかがピン孔１３に対応して
連結ピン１０の支持を行う状態となるようにピン
受け具１４の取付位置を変更調節することによ
り、サスペンシヨンスプリング１２に苗植付装置
重量が掛からない状態におけるリンク機構４の自
走機体に対する取付け角を変更できるように構成
してある。つまり、施肥装置（図外）を装着する
等のために苗植付装置５の重量が変化し、サスペ
ンシヨンスプリング１２の圧縮変形量が変化して
も、シリンダ３による苗植付装置昇降操作範囲の
対自走機体高さがほぼ一定になるように調節する
ことを可能にしてある。

第５図に示すように、苗植付装置機体５ａから
前方に突出された連結軸１７を前記リンク機構４
の遊端側に備えられているボス部１８に回動自動
に取付けて、苗植付装置５が自走機体に対して機
体前後向き軸芯P₁の周りで揺動することを可能
にするローリング装置１９を構成し、自走機体の
左右傾斜にかかわらず、フロート２０の接地によ
り苗植付装置５が圃場面に対して平行あるいはほ
ぼ平行に維持され、左右の植付深さをほぼ一定に
維持しながら作業できるように構成してある。

第５図及び第６図に示すように、一対のローリ
ングロツク具２１ａ，２１ｂを、前記前後向き軸
芯P₁の左右両側に振り分け配置すると共に、ロ
ーリングロツク具２１ａ，２１ｂの前後揺動を可
能にする枢支連結軸２２、及び、支持杆２３を介
して前記連結軸１７に苗植付装置５との一体揺動
が可能に連結し、前記ローリングロツク具２１
ａ，２１ｂに対する一対のストツパー２４ａ，２
４ｂを、前記リンク機構４を構成する左右一対の
上下揺動自在なロワーリンク４ｂ，４ｂに各別に
突設すると共に、一対のローリングロツク具２１
ａ，２１ｂに各別に作用するように両ローリング
ロツク具２１ａ，２１ｂ夫々の長孔２５ａ又は２
５ｂに摺動自在に挿入して、苗植付装置５が作業
用レベルよりも高い設定レベルに対自走機体上昇
された時、及び、作業用レベルよりも低い設定レ
ベルに対自走機下降された時の夫々においての
み、苗植付装置５を前後方向視で自走機体に対し
て平行あるいはほぼ平行な姿勢にすると共に、前
記軸芯P₁周りで揺動しないように自動的にロツ
クする解除自在なローリングロツク機構２６を構
成してある。すなわち、苗植付装置５が作業用レ
ベルに在る時には、第６図に示す如く一対のスト
ツパー２４ａ，２４ｂの夫々が長孔２５ａ又は２
５ｂの途中箇所に位置して、左右夫々におけるス
トツパー２４ａ又は２４ｂとローリングロツク具
２１ａ又は２１ｂとの相対摺動が可能になること
により、苗植付装置５の対自走機体ローリングが
可能になるのである。そして、苗植付装置５が作
業用レベルよりも上昇あるいは下降されるに伴
い、ロワーリンク４ｂ，４ｂと連結軸２２が軸芯
P₂周りで相対揺動することにより、一対のスト
ツパー２４ａ，２４ｂの夫々が長孔２５ａ又は２
５ｂの上端側あるいは下端側に移動し、苗植付装
置５が設定上昇レベルあるいは設定下降レベルに
達すると、第５図に実線あるいは仮想線で示すよ
うに、一対のストツパー２４ａ，２４ｂの夫々が
長孔２５ａ又は２５ｂの端に達し、ストツパー２
４ａ，２４ｂの夫々がリンク機構４の駆動力によ
つてローリングロツク具２１ａ又は２１ｂの上端
側あるいは下端側に押し付けられることにより、
苗植付装置５が自走機体に対して平行あるいはほ
ぼ平行になるのであり、かつ、左右夫々のストツ
パー２４ａ又は２４ｂとローリングロツク具２１
ａ又は２１ｂの相対摺動が不能になることによ
り、苗植付装置５がローリング不能にロツクされ
るのである。

前記ストツパー２４ａ，２４ｂを苗植付装置５
の方に付設し、ローリングロツク具２１ａ，２１
ｂを揺動リンク４ｂの方に連結して実施してもよ
い。

又、上記実施例に示した如く、ローリングロツ
ク具２１ａ，２１ｂをストツパー２４ａ，２４ｂ
の軸芯と平行あるいはほぼ平行な軸芯周りで揺動
するように取付けておくと、長孔２５ａ及び２５
ｂの形状を直線形状に済ませらせ、長孔形成の面
から製作が容易にできて有利であるが、長孔２５
ａ及び２５ｂを前記軸芯P₂を中心とする円弧形
状に形成し、ローリングロツク具２１ａ，２１ｂ
を揺動不能に設けて実施してもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る乗用田植機の実施例を示
し、第１図は全体側面図、第２図は全体平面図、
第３図は自走機体の正面図、第４図はリンク機構
とシリンダの連結部の一部切欠き側面図、第５図
は苗植付装置連結部の側面図、第６図はローリン
グロツク機構の正面図である。第７図は従来ロー
リングロツク機構の正面図である。 ４……リンク機構、４ｂ……上下揺動リンク、
５……苗植付装置、１９……ローリング装置、２
１ａ，２１ｂ……ローリングロツク具、２４ａ，
２４ｂ……ストツパー、２５ａ，２５ｂ……長
孔、２６……ローリングロツク機構、P₁……前
後向き軸芯。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 自走機体に上下駆動揺動自在なリンク機構４
   を介して昇降操作自在に、かつ、ローリング装
   置１９を介して機体前後向き軸芯P₁周りで揺
   動自在に苗植付装置５を連結し、この苗植付装
   置５を前後方向視で自走機体に対して平行ある
   いはほぼ平行で、かつ、前記前後向き軸芯P₁
   周りでの揺動が不能な状態にする解除自在な接
   当式ローリングロツク機構２６を、前記苗植付
   装置５の設定レベルへの対自走機体上昇状態、
   及び、前記苗植付装置(5)の設定レベルへの対自
   走機体下降状態の夫々においてのみ自動作用す
   る状態で前記リンク機構４と前記苗植付装置５
   の間に設けた乗用田植機であつて、前記ローリ
   ングロツク機構２６を構成するに、前記前後向
   き軸芯P₁の左右両側に振り分け配置した一対
   のローリングロツク具２１ａ，２１ｂを、前記
   苗植付装置５に一体揺動自在に連結するか、あ
   るいは、前記リンク機構４を構成する上下揺動
   リンク４ｂに一体揺動自在に連結し、前記ロー
   リングロツク具２１ａ，２１ｂに各別に作用す
   る一対のストツパー２４ａ，２４ｂを、前記ロ
   ーリングロツク具２１ａ，２１ｂに形成してあ
   る長孔２５ａ又は２５ｂに摺動自在に挿入する
   と共に、前記苗植付装置５の前記設定レベルへ
   の対自走機体上昇状態において前記長孔２５
   ａ，２５ｂの一端側にて前記ローリングロツク
   具２１ａ，２１ｂに接当し、かつ、前記苗植付
   装置５の前記設定レベルへの対自走機体下降状
   態において前記長孔２５ａ，２５ｂの他端側に
   て前記ローリングロツク具２１ａ，２１ｂに接
   当する状態で前記上下揺動リンク４ｂに一体揺
   動自在に備えさせるか、あるいは、前記苗植付
   装置５に一体揺動自在に備えてある乗用田植
   機。 前記ローリングロツク具２１ａ，２１ｂが前
   記ストツパー２４ａ，２４ｂの軸芯と平行ある
   いはほぼ平行な軸芯周りで揺動自在に連結され
   ると共に、前記長孔２５ａ，２５ｂが直線形状
   に形成されている実用新案登録請求の範囲第
   項に記載の乗用田植機。