JPH0237496B2

JPH0237496B2 - Nirinshatonofurontofuooku

Info

Publication number: JPH0237496B2
Application number: JP12273482A
Authority: JP
Inventors: Kyoo Nakayama; Takayoshi Tsucha
Original assignee: SHOWA Manufacturing
Current assignee: SHOWA Manufacturing
Priority date: 1982-07-14
Filing date: 1982-07-14
Publication date: 1990-08-24
Anticipated expiration: 2002-07-14
Also published as: JPS5914588A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は制動時における車体前部の沈み込みを
防止するアンチダイブ型の二輪車等のフロントフ
オークに関する。

従来、この種アンチダイブ型のフロントフオー
クとしては、外筒の底部に植設したシートパイプ
内外の油室を連通する油路を外筒の側部に設け、
該油路の途中に制動圧に連動する開閉弁を設け、
制動時にこの油路を閉塞することにより油の流通
を遮断し、これにより車体前部の沈み込みを防止
するものが知られている。

しかしながら、斯る式のフロントフオークはそ
の構造が複雑化し、部品点数の増加、加工コスト
の高騰、重量増大等の好ましからざる事態を招い
ていた。

従つて、本発明の第一の目的とする処は、シー
トパイプの拡径部内に油路を備え、スプリングで
下向きに付勢されたピストンを嵌装し、該ピスト
ンに外筒底部より上方へ延びる調整ロツドを上下
摺動自在に貫設し、該調整ロツドの外周にスプリ
ングで上向きに付勢され、ロツドの上動時前記ピ
ストンの油路面積を環状バルブを嵌装するととも
に、前記調整ロツドが制動時上動するよう構成す
ることにより、構造が単純にしてアンチダイブ機
能を発揮し、部品点数及び加工コストの削減、重
量軽減等を図り得るようにした二輪車等のフロン
トフオークを提供するにある。

以下に第一発明の好適一実施例を添付図面に基
づいて詳述する。

第１図はフロントフオークの縦断側面図、第２
図及び第３図は制動時の作動状態を示す同フロン
トフオーク要部の縦断側面図である。

第１図に基づいてフロントフオーク１の構造を
説明するに、同図中２は外筒であり、外筒２の内
部には上方より内筒３が挿入され、該内筒３は外
筒２の内周に上下摺動自在に嵌合している。

一方、外筒２内の底部にはシートパイプ４が植
設されており、該シートパイプ４の先端拡径部４
ａの外周は前記内筒３の内周に摺接している。

ところで、前記外筒２の上端内周部には内筒３
の外周に摺接するオイルシール５が嵌装されてお
り、又外筒２の上端開口部は同じく内筒３の外周
に摺接するダストシール６で被われている。

又内筒３の下方内周部にはシートパイプ４の外
周に摺接するフリーバルブ７が嵌装され、これ３
の上端はフオークボルト８にて閉塞されている。
そして、内筒３内のフオークボルト８とシートパ
イプ４の上端間にはクツシヨンスプリング９が張
架されている。

更にシートパイプ４の周壁の上下には油室同志
を連通する油路１０…，１１…が穿設されてお
り、又シートパイプ４の上端は油路１２ａ…を穿
設して成るスプリングシート１２が螺着されてい
る。そして、シートパイプ４の拡径部４ａ内部の
上記スプリングシート１２の下方には複数の油路
１３ａ…を穿設して成るピストン１３が上下摺動
自在に嵌合し、該ピストン１３はこれとスプリン
グシート１２間に縮装されたスプリング１４にて
下方へ押圧されて図示位置に停止している。

一方、外筒２の底部からは調整ロツド１５が上
方へ延び、これは前記ピストン１３及びスプリン
グシート１２の中央部を貫通しており、該調整ロ
ツド１５の下部は支持部材１６により垂直に支持
されている。そして、この調整ロツド１５はこれ
の鍔部１５ａとスプリングシート１２間に縮装さ
れたスプリング１７にて下方へ付勢されており、
これにより該ロツド１５の大径肩部１５ｂはピス
トン１３の下面側に設けられた環状バルブ１８を
これを上方へ付勢するスプリング１９に抗して図
示の如く下方へ押し下げ、該バルブ１８とピスト
ン１３の下面間に隙間ΔSを形成している。尚こ
の環状バルブ１８は調整ロツド１５に上下摺動自
在に挿通され、これには図示の如くピストン１３
の油路１３ａ…に適合する油路１８ａ…が穿設さ
れている。

他方、調整ロツド１５の下部を挿通支持する前
記支持部材１６の内部には下方へ開口する凹溝１
６ａが形成され、該凹溝１６ａにはプラグ部材２
０が螺着せしめられ、凹溝１６ａ内には油圧室Ｓ
が形成されている。そして、この油圧室Ｓはプラ
グ部材２０中に設けられた油路２０ａ、該油路２
０ａに連通する導管２１を介して不図示のブレー
キのマスタシリンダに連通している。

斯くしてフロントフオーク１内部はシートパイ
プ内、外室S₁，S₂及び上部室S₃に区画され、シー
トパイプ外室S₂は更にフリーバルブ７にて上部室
S₂₁と下部室S₂₂とに区画され、夫々の室S₁，S₂，
S₃内には作動油が封入され、特に上部室S₃の上部
は空気で占められている。そして、内筒３の上端
は車体側に、外筒２の下端部は車輪側に夫々連結
され、両者２，３は相対伸縮動する。

次にフロントフオーク１の作用について述べ
る。

まず圧縮行程時の作用について言及するに、内
筒３が外筒２に対して下動すれば、シートパイプ
外室S₂の下部室S₂₂の油の油路１１…を通過して
シートパイプ内室S₁に流入し、この油の一部は油
路１０…を通つてシートパイプ外室S₂の上部室
S₂₁に流入し、他の残りの油はピストン１３と環
状バルブ１８間の隙間ΔS及びバルブ１８の油路
１８ａ…、ピストン１３に設けた油路１３ａ…、
スプリングシート１２に設けた油路１２ａ…を通
過して上部室S₃に流入する。そして、油が各油路
を通過する時の流動抵抗によりフロントフオーク
１には所要の減衰力が発生し、これにより外部振
動は有効に吸収緩和される。

次に伸長行程時の作用について述べるに、内筒
３が外筒２に対して上動すれば、シートパイプ外
室S₂の上部室S₂₁の油は油路１０…を通過してシ
ートパイプ内室S₁に流入し、この油の一部は油路
１１…を通過して下部室S₂₂に流入し、他の残り
の油は前記圧縮行程時と同様の経路をたどつて上
部室S₃に流入し、油が各油路を通過する際の流動
抵抗により伸長行程時においても前記圧縮行程と
同様にフロントフオーク１内には所要の減衰力が
発生する。

ところで、不図示のブレーキを作動させた場合
は、慣性により重心が前方へ移動し、二輪車の車
体は前方に沈み込もうとし、内筒３には圧縮荷重
が働らく。

この時マスタシリンダに発生する油圧は導管２
１、油路２０ａを経て油圧室Ｓに導入され、調整
ロツド１５の下端面に作用してこれを上方へ移動
せしめる。この調整ロツド１５の上動でこれの肩
部１５ｂと環状バルブ１８との係合は解除され、
環状バルブ１８はこれを上方へ付勢するスプリン
グ１９により第２図に示す如くピストン１３の下
面に圧着され、この結果第１図に示す隙間ΔSは
無くなり、油の流通はこのバルブ１８に穿設した
油路１８ａ…を介してのみ許容される。従つて、
制動時内筒３に圧縮荷重が作用しても、シートパ
イプ内室S₁の油の環状バルブ１８の油路１８ａ…
を通過する際の流動抵抗は大きく、内筒３の下
動、即ち車体前部の沈み込みは有効に防止され
る。

ところで、斯る状態において大きな衝撃が加わ
つてシートパイプ内室S₁の油圧が設定値以上に上
昇すれば、第３図に示す如くピストン１３はスプ
リング１４に抗して上方へ押し上げられ、油はピ
ストン１３の下面側に形成される隙間ΔS′を通つ
て抵抗なく流れ、上記車体前部の沈み込み防止、
即ちアンチダイブ機能が解除される。

以上において、フロントフオーク１は単純な構
成で以つて上記アンチダイブ機能を発揮するた
め、構成部品点数、加工コストの削減、軽量化等
を有効に図ることができる。

ところで、以上の第一発明では円板状の、しか
もピストン１３の下面の面積に対して相当大きな
面積を占める環状バルブ１８を採用したため、第
１図に示すアンチダイブ機能が非作動の状態にお
いて環状バルブ１８が油の流動に対して相当大き
な抵抗になつたり、又バルブ１８がこれの下端面
に作用する油圧を受けて上動する等して作動の安
定性が害される虞れも生ずる。

従つて本発明の第二の目的とする処は、ピスト
ンに内外二重の油路を穿設するとともに、調整ロ
ツドの上動時前記ピストンの内側油路を閉塞する
スライドパイプ式バルブを調整ロツドに嵌装する
ことにより、通常作動時にバルブが油の流動抵抗
となることなく、又バルブが下面に受ける油圧で
以つて上動することもない作動安定性の高い二輪
車等のフロントフオークを提供するにある。

以下に第二発明の好適一実施例を添付図面に基
づいて説明する。

第４図は本第二発明に係るフロントフオークの
縦断側面図、第５図及び第６図は制動時の作動状
態を示す同フロントフオーク要部の縦断側面図で
ある。尚以上の第４図乃至第６図において前記第
一発明に係る図面第１図乃至第３図と同一の部品
に対しては同一番号を付し、以下これらについて
の説明は省略する。

この場合は、ピストン１１３にはその中央に大
径の油路１１３ａが穿設され、該油路１１３ａの
外側にはこれを囲む如く複数の小径油路１１３ｂ
…が穿設されている。

又調整ロツド１５のピストン１１３下方にはス
ライドパイプ式のバルブ１１８が挿通され、該バ
ルブ１１８はスプリング１９にて上方へ付勢され
るとともに、通常作動時は第４図に示す如く調整
ロツド１５の肩部１５ｂに係合して下方へ押圧さ
れ、ピストン１１３との間に隙間ΔSを形成して
いる。

而して、圧縮、伸長行程時、シートパイプ内室
S₁の油は上記隙間ΔS、油路１１３ａ及び油路１
１３ｂ…を通過して上方へ流れる。この通常作動
時、バルブ１１８は受圧面積の小さな駒状物体と
して存在するため、油の流れに対して抵抗となる
ことはなく、又下面に作用する圧力を受けて上動
するようなこともない。

斯くしてフロントフオーク１は作動安定性が高
く保たれる。

尚制動時に前記同様に調整ロツド１５が上動す
れば、バルブ１１８はスプリング１９の反力で上
動し、第５図に示す如く油路１１３ａを閉塞す
る。この時油の流通は油路１１３ｂ…のみを介し
て成されるため前記同様アンチダイブが有効に図
られる。又この時所定以上の強い衝撃が加わつた
場合には、第６図に示す如くピストン１１３はス
プリング１４に抗して上動し、これにより前記同
様アンチダイブは解除される。

第一及び第二発明によれば以上の如き効果を奏
し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は第一発明に係るフロントフオークの縦断側面
図、第２図及び第３図は制動時の作動を示す同フ
ロントフオーク要部の縦断側面図、第４図は第二
発明に係るフロントフオークの縦断側面図、第５
図及び第６図は制動時の作動を示す同フロントフ
オーク要部の縦断側面図である。尚図面中２は外筒、３は内筒、４はシートパイ
プ、７はフリーバルブ、１２はスプリングシー
ト、１３，１１３はピストン、１５は調整ロツ
ド、１８は環状バルブ、１１８はスライドパイプ
式バルブ、ΔS，ΔS′は隙間、Ｓ，S₁，S₂，S₃は
油圧室である。

Claims

【特許請求の範囲】１内筒と外筒を摺動自在に嵌合し、外筒の底部
に植設したシートパイプの上端拡径部を内筒内に
摺接して成る二輪車等のフロントフオークにおい
て、前記シートパイプの拡径部内に油路を備え、
且つスプリングで下向きに付勢されたピストンを
嵌装し、該ピストンに外筒底部より上方へ延びる
調整ロツドを上下摺動自在に貫設し、該調整ロツ
ドの外周にスプリングで上向きに付勢され、ロツ
ドの上動時前記ピストンの油路面積を調整する環
状バルブを嵌装するとともに、前記調整ロツドが
制動時に上動するよう構成したことを特徴とする
二輪車等のフロントフオーク。２内筒と外筒を摺動自在に嵌合し、外筒の底部
に植設したシートパイプの上端拡径部を内筒内に
摺接して成る二輪車等のフロントフオークにおい
て、前記シートパイプの拡径部内に内外側に油路
を備え、且つスプリングで下向きに付勢されたピ
ストンを嵌装し、該ピストンに外筒底部より上方
へ延びる調整ロツドを貫設し、該調整ロツドの外
周にスプリングで上向きに付勢され、ロツドの上
動時前記ピストンの内側油路を閉塞するスライド
パイプ式バルブを嵌装するとともに、前記調整ロ
ツドが制動時に上動するよう構成したことを特徴
とする二輪車等のフロントフオーク。