JPH0231040Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、シートの縫製玉縁、とくに樹脂製の
線状芯材を用いた縫製玉縁に関する。

（従来の技術） 自動車等のシート１には、第１図に示すように
表皮を縫い合せた部分に縫目の保護と意匠上の効
果を目的とした縫製玉縁２が形成されている。

この縫製玉縁２は、第２図に示すように線状芯
材３の周囲をニツト等の織物からなる玉縁表皮４
で被覆し、この玉縁表皮４の接合部分５を縫糸７
で縫い合せたものである。この玉縁は、その接合
部を表皮６，６と共に一体的に縫糸８で縫い合わ
される。

従来、この縫製玉縁２には、樹脂成形で形成し
た線状の芯材３を使用したものがある。このよう
な線状芯材を使用したシートは、着座時に表皮を
はじめ、該玉縁がたわまされることによつて、縫
製玉縁２の線状芯材３と玉縁表皮４との間が、相
対的に移動し、両者間に摺擦が起こり、不快な異
音が発生するという不具合があつた。かかる異音
の原因は、押し出し成形により得られた樹脂製の
線状芯材３の表皮が滑らかであるために、該芯材
と玉縁表皮４との接触面積が大きいことにあつ
た。

（考案の目的） 本考案は、樹脂製の線状芯材を縫い込んだ縫製
玉縁において、不快な異音が発生しない縫製玉縁
を提供することを目的とする。

（考案の構成） 本考案は、樹脂製線状芯材を縫い込んだシート
の縫製玉縁において、線状芯材として表面に凹凸
を形成した芯材を用いたことを特徴とする。

（実施例） 以下、本考案を図示の一実施例にもとづいて説
明する。

第３図において、樹脂製の線状芯材１３の表面
には、母線方向に平行な溝１３ａが形成されてい
る。従つて、この線状芯材１３の表面は、円周方
向に微小な凹凸を有していることになる。この表
面に凹凸を設けた線状芯材１３の周囲を玉縁表皮
４（第２図参照）で覆うと、この玉縁表皮４と線
状芯材１３との接触面積が小さくなる。

このように構成された縫製玉縁をシートの縫目
に使用すると、縫製玉縁がたわまされても、玉縁
表皮と線状芯材との間の摺擦面積が小さいので異
音の発生がなくなる。

また、線状芯材表面の凹凸としては、スパイラ
ル状の溝であつてもよく、第４図に示すように、
しぼ１３ｂであつてもよい。何れにしても、芯材
表面の凹凸としては、玉縁表皮との接触面積を小
さくできる形状であればよい。

（考案の効果） 本考案によれば、線状芯材と玉縁表皮との接触
面積を小さくしたので、縫製玉縁がたわまされ
て、玉縁表皮と芯材とが相対的に移動しても、両
者の摺擦面積が小さいから、不快な異音の発生を
防止することができ、商品性を向上できると共
に、居住性を損なうことがない。

上記実施例は、自動車用シートのクツシヨン部
分を例にとつて説明したが、本考案は、シートバ
ツクやヘツドレストの縫製玉縁にも適用でき、さ
らに、家具用シートの縫製玉縁にも適用できるこ
とはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車のシートの一例を示す外観斜視
図、第２図は第１図中のＡ−Ａ線部分断面図、第
３図は本考案の一実施例を示す芯材の部分斜視
図、第４図は本考案の他の実施例を示す芯材の部
分正面図である。 １……シート、２……縫製玉縁、１３……線状
芯材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 樹脂製の線状芯材を縫い込んだシートの縫製玉
   縁において、表面に凹凸を形成された芯材を用い
   たことを特徴とするシートの縫製玉縁。