JPH0427407Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はシートのパツド材に関し、更に詳細に
説明すると、シートフレームの中央部に取付けら
れる中央部パツド材と、前記中央部パツド材と独
立して形成され、前記シートフレームの両側部に
取付けられるサイド部パツド材とを備え、前記中
央部パツド材とサイド部パツド材が夫々表皮材に
より独立して被覆されるようになされたシートの
パツド材に関する。

〔従来の技術〕 従来より、車両等のシートはパツド材と、この
パツド材を被覆する表皮材とを備え、これらパツ
ド材と表皮材とが１個のシートの大きさに対応し
て形成され、また近時、第３図に示す如く、パツ
ド材２を中央部パツド材３及びサイド部パツド材
４に分割したものを用い、これらを各別に形成さ
れた表皮材６，７により被覆し、シートフレーム
に組み付けてシート１を形成している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

然し乍ら、従来の分割型のパツド材２を用いる
場合には形状変化に富んだシート１が得られる
も、中央部パツド材３の両側部３ａと、サイド部
パツド材４の内側部４ａとの間に隙間が発生しな
いように十分に押圧させた状態で組み付けられ、
このため中央部パツド材３を被覆している表皮材
６と、サイド部パツド材４を被覆している表皮材
７が圧接状態となり、シート１に着座する際や、
着座者が体重移動を行つた際に前記圧接された表
皮材６，７同士が摩擦等により異音を発生させ、
特に表皮材６，７が合成樹脂シートや合成皮革で
形成されている場合には摩擦音が頻繁に発生する
欠点を有するものであつた。

本考案の目的は形状変化のあるシートを得るこ
とが出来ると共に、中央部パツド材及びサイド部
パツド材を各別に被覆する表皮材同士が圧接する
虞れがなく摩擦音等の不快な異音の発生を防止し
得、更に外観を悪化させる虞れのないシートのパ
ツド材を提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上述せる問題点に鑑みてなされたもの
で、シートフレームの中央部に取付けられる中央
部パツド材と、前記中央部パツド材と独立して形
成され、前記シートフレームの両側部に取付けら
れるサイド部パツド材とを備え、前記中央部パツ
ド材とサイド部パツド材が夫々表皮材により独立
して被覆されるようになされたシートのパツド材
において、前記中央部パツド材の両側部の上部側
にサイド部パツド材の内側部の上部側が張り出し
て形成され、且つ中央部パツド材とサイド部パツ
ド材を夫々表皮材で被覆した場合に表皮材同士が
圧接しないように中央部パツド材とサイド部パツ
ド材の相互に対向する両側部間に空隙が形成され
るようになされていることを特徴とする。

〔作用〕

本考案に依れば、サイド部パツド材の内側部の
上部側が中央部パツド材の両側部の上部側に張り
出して形成されているため、中央部パツド材とサ
イド部パツド材を夫々表皮材で被覆した場合に、
これら表皮材同士が相互に対向する両側部間に空
隙を形成しても、これにより前方より後方をまた
は上方より下方を透視される虞れがなく、外観を
悪化させることがなく、然も表皮材の相互に対向
する両側部同士が圧接される虞れがないので摩擦
音等の不快な異音の発生を防止することが出来る
ものである。

〔実施例〕

以下、本考案に係るシートのパツド材の一実施
例を図面を参照して詳述する。

第１図及び第２図には、本考案に係るシートの
パツド材の一実施例の概略が夫々示されており、
本実施例ではシート１１のシートバツク１２に本
考案を適用した場合が示されているが、同様にシ
ートクツシヨン１３にも適用し得るものである。
このシートバツク１２は中央部のメイン部１４
と、該メイン部１４の両側部に設けられたサイド
部１５とを備え、これらメイン部１４とサイド部
１５は夫々独立して形成され、且つ独立してシー
トフレーム１７に組み付けられている。

メイン部１４は中央部パツド材２１と、この中
央部パツド材２１を被覆する表皮材２２とを備
え、メイン部１４の上部はヘツドレスト部１９に
形成されている。前記サイド部１５は前記中央部
パツド材２１と独立して形成され、シートフレー
ム１７の両側部に取付けられるサイド部パツド材
２４と、このサイド部パツド材２４を被覆する表
皮材２５とを備えている。

中央部パツド材２１の背面側は上下のシートフ
レーム１７間に張設されたＳ字ばね等のスプリン
グ材２７と対向配設され、またサイド部パツド材
２４には側部のシートフレーム１７に固着された
ワイヤ２８が挿入されている。尚サイド部１５を
メイン部１４に対して回動角度調節自在に配設
し、サイドサポート性を調節するようにすること
も出来る。

前記メイン部１４の前記中央部パツド材２１の
両側部の上部側にサイド部パツド材２４の内側部
の上部側が張り出して張り出し部２４ａに形成さ
れ、且つ中央部パツド材２１とサイド部パツド材
２４を夫々表皮材２２，２５で被覆した場合に表
皮材２２，２５同士が圧接しないように中央部パ
ツド材２１とサイド部パツド材２４の相互に対向
する両側部間に空隙３１が形成されるようになさ
れている。

即ち、サイド部パツド材２４の張り出し部２４
ａが中央部パツド材２１の側部の上部に突出して
いるので、中央部パツド材２１の側部とサイド部
パツド材２４の側部の相互に対向する位置に空隙
３１を形成しても、シートバツク１２の前方より
この空隙３１が露呈する虞れがなく、前方より後
方を透視される虞れがないものである。

〔考案の効果〕

以上が本考案に係るシートのパツド材の一実施
例の構成であるが、斯る構成に依れば、サイド部
パツド材の内側部の上部側が中央部パツド材の両
側部の上部側に張り出して形成され、且つ中央部
パツド材とサイド部パツド材を表皮材で被覆した
場合に表皮材同士が圧接しないように空隙部を形
成したので、表皮材同士の圧接による摩擦音等の
不快な異音の発生を防止し得、且つ張り出し部に
より空隙が遮蔽されるので外観を悪化させる虞れ
がないシートのパツド材を得ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案に係るシートのパツ
ド材の一実施例の概略を夫々示す斜視図及び一部
断面図、第３図は従来のシートのパツド材の断面
図である。 図中、１１……シート、１２……シートバツ
ク、１４……メイン部、１５……サイド部、１７
……シートフレーム、２１……中央部パツド材、
２２……表皮材、２４……サイド部パツド材、２
４ａ……張り出し部、２５……表皮材、３１……
空隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートフレームの中央部に取付けられる中央部
   パツド材と、前記中央部パツド材と独立して形成
   され、前記シートフレームの両側部に取付けられ
   るサイド部パツド材とを備え、前記中央部パツド
   材とサイド部パツド材が夫々表皮材により独立し
   て被覆されるようになされたシートのパツド材に
   おいて、前記中央部パツド材の両側部の上部側に
   サイド部パツド材の内側部の上部側が張り出して
   形成され、且つ中央部パツド材とサイド部パツド
   材を夫々表皮材で被覆した場合に表皮材同士が圧
   接しないように中央部パツド材とサイド部パツド
   材の相互に対向する両側部間に空隙が形成される
   ようになされていることを特徴とするシートのパ
   ツド材。