JPH054799Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両用シート（特に自動車用シート）
のシートクツシヨン（座部）構造に関し、詳しく
は、シートクツシヨンの表面に装飾用凹溝を有す
るシートクツシヨン構造に係るものである。

（従来の技術） この種、自動車用シートのシートクツシヨンに
は、第５，６図に示すものがある。

同図中、自動車座席のシートクツシヨン１は、
枠フレーム２にばね製支持材３を張架し、このば
ね製支持材３上に発泡体製パツド４を載置し、こ
れらを表皮５によつて被包してなり、表皮５は表
層材５１、発泡体製ワデインク５２、表層材５３
からなる積層体である。

そして、前記パツド４には溝部６が形成され、
表皮５に一端を固定した吊込材７を溝部６に通
し、吊込材７の他端をばね製支持材３に固定する
ことにより、表皮５を吊込材７で吊り込み、シー
トクツシヨンの表面に装飾用凹溝６１を形成して
いる。

（考案が解決しようとする課題） 斯様なシートクツシヨンは、パツド４を被包す
る表皮５を吊込材７によつて吊り込んでいるだけ
であるため、シートクツシヨンの表面に設けた装
飾用凹溝６１はその深さが浅いため、外観に優れ
たシートクツシヨンが得られない不具合があつ
た。

本考案は、かかる点に鑑みなされたものであ
り、シートクツシヨンの表面に外観が良好な装飾
用凹溝を有する車両用シートのシートクツシヨン
を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案に係る車両用
シートのシートクツシヨン構造は、中央に凹部を
有するクツシヨン本体と、このクツシヨン本体の
凹部に嵌合する中央クツシヨン体とからなり、前
記クツシヨン本体は中央に凹窪を有する発泡体製
パツドと、このパツドの表面を被覆する表皮とか
ら構成し、前記中央クツシヨン体は前記パツドの
凹窪内に嵌合する発泡体製中央パツドと、この中
央パツドを被覆する中央表皮とから構成し、前記
クツシヨン本体の凹部における隅部には上、下方
向に貫通する貫通孔を設け、前記中央クツシヨン
体にはその中央表皮に一体に縫着し、前記貫通孔
に貫通して前記クツシヨン本体の底部に先端が結
着される吊込材を設けたことを特徴とするもので
ある。

（実施例） 本考案に係る一実施例を第１図乃至第４図に基
づいて説明する。

同図中、自動車座席のシートクツシヨン８は、
枠フレーム９にばね製支持材１０を張架し、この
ばね製支持材１０上に中央に凹部１１ａを有する
クツシヨン本体１１と、このクツシヨン本体１１
の凹部１１ａに嵌合する中央クツシヨン体１２を
載置している。

クツシヨン本体１１は中央に凹窪１１ｃを有す
る発泡体製パツド１１ｂと、このパツド１１ｂの
表面を被覆する表皮１４とからなり、クツシヨン
本体１１の凹部１１ａにおける隅部の前後には、
第４図に示すように、上、下方向に貫通する貫通
孔１３，１３，１３，１３が設けられている。

一方、中央クツシヨン体１２は、クツシヨン本
体１１における発泡体製パツド１１ｂの凹窪１１
ａ内に嵌合する発泡体製中央パツド１２ａと、こ
の中央パツド１２ａを被覆する中央表皮１５とか
ら構成されている。

そして、中央クツシヨン体１２にはその四隅
に、中央表皮１５に一体に縫着した吊込材１６，
１６，１６，１６が設けられている。

吊込材１６…は紐で、その先端である一端１６
ａが前述するように、中央表皮１５に縫着して取
付けられ、他端１６がクツシヨン本体１１の貫通
孔１３，１３…に貫通してクツシヨン本体１１の
発泡体製パツド１１ｂに埋設したワイヤ１７に結
着することにより、中央クツシヨン体１２の中央
表皮１５を吊込むと共に、中央クツシヨン体１２
をクツシヨン本体１１に固定する。そして、中央
クツシヨン体１２とクツシヨン本体１１との間に
は装飾用凹溝６２が形成される。

（考案の効果） 本考案によれば、次のような効果を有する。

クツシヨン本体の中央に凹部を形成し、この
凹部に嵌合する中央クツシヨン体をクツシヨン
本体に設け、中央クツシヨン体の中央表皮に一
体に縫着した吊込材の先端を、クツシヨン本体
の凹部における貫通孔に貫通してクツシヨン本
体の底部に結着することにより、中央クツシヨ
ン体の中央表皮が吊込まれる。従つて、クツシ
ヨン本体と中央クツシヨン体との間に深く明瞭
な装飾用凹溝が形成でき、シートクツシヨンの
外観品質が向上する。

シートクツシヨンがクツシヨン本体とこれと
は別体の中央クツシヨン体とからなるので、中
央クツシヨン体の中央パツドをクツシヨン本体
の発泡体製パツドとは異なる材質とすることが
でき、例えば、中央パツドをクツシヨン本体の
発泡体製パツドよりも軟い材質で形成すると、
座り心地が良くなる。

中央クツシヨン体が着座者の荷重によつて変
形し、中央クツシヨン体とクツシヨン本体との
間に隙間が生じても、クツシヨン本体はその発
泡体製パツドが表皮によつて被包されている。
従つて、クツシヨン本体の表皮が表面へ現れる
だけであり、外観上の見栄えを損なうこともな
い。

中央クツシヨン体の中央表皮だけが吊込材で
吊込まれているので、別体からなるクツシヨン
本体の表皮は吊込まれることがなく、クツシヨ
ン本体の変形を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるクツシヨン構造を用い
た自動車座席の斜視図、第２図は第１図に示すシ
ートクツシヨンの斜視図、第３図は第２図に示す
シートクツシヨンのクツシヨン本体と中央クツシ
ヨン体とに分解した状態を示す斜視図、第４図は
第２図の−線に沿う断面図、第５図は従来の
シートクツシヨン構造を用いたシートクツシヨン
の斜視図、第６図は第５図の−線に沿う断面
図である。 図中、８はシートクツシヨン、１１はクツシヨ
ン本体、１２は中央クツシヨン体、１６は吊込材
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央に凹部を有するクツシヨン本体と、このク
   ツシヨン本体の凹部に嵌合する中央クツシヨン体
   とからなり、前記クツシヨン本体は中央に凹窪を
   有する発泡体製パツドと、このパツドの表面を被
   覆する表皮とから構成し、前記中央クツシヨン体
   は前記パツドの凹窪内に嵌合する発泡体製中央パ
   ツドと、この中央パツドを被覆する中央表皮とか
   ら構成し、前記クツシヨン本体の凹部における隅
   部には上、下方向に貫通する貫通孔を設け、前記
   中央クツシヨン体にはその中央表皮に一体に縫着
   し、前記貫通孔に貫通して前記クツシヨン本体の
   底部に先端が結着される吊込材を設けたことを特
   徴とする車両用シートのシートクツシヨン構造。