JPH0342870Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は車両用シート（特に自動車座席）に
関し、より詳しくは座席を形成するシートクツシ
ヨンとシートバツクとのクツシヨン材の改良に係
るものである。

（従来の技術） この種の自動車座席を第５図ないし第８図に基
づいて説明する。

同図中、１は自動車座席で、シートクツシヨン
２とシートバツク３とからなる。シートクツシヨ
ン２は枠フレーム４間にばね製支持部材５を張架
し、このばね製支持部材５上にクツシヨン材たる
パツド部材７を載置し、これらを表皮部材８によ
り被覆して形成される。このパツド部材７は上下
２層からなり、上下２層のバツク部材７ａ，７ｂ
間に表皮部材８を接着して被包される。一方、シ
ートバツク３はクツシヨン材たるパツド部材９が
前記シートクツシヨン２のパツド部材７と同様に
上下２層からなり、上層パツド９ａの両端部９ｂ
を除き、下層パツド９ｃに接着され、表皮部材１
０により被包される。

（考案が解決しようとする問題点） 上記自動車座席は、シートクツシヨン２および
シートバツク３のパツド部材７，９は上下２層か
らなり、これらを表皮部材８，１０により被覆し
て形成されているため、シートクツシヨン２およ
びシートバツク３のコーナ部１１，１２に上層パ
ツド７ａ，９ａの曲げによるよじれが発生し、こ
れを表皮部材８，１０により被覆する際、その表
面に不均一なシワ形状が生じて外観上見栄えが悪
くなる虞れが生じた。

この考案は、かかる問題点を解決すべくなされ
たものであり、シートクツシヨンおよびシートバ
ツクのコーナ部に均一なシワ形状を発生せしめて
外観上見栄えが良好な車両用シートを得ることを
目的とする。

（問題点を解決するための手段） この考案にかかる車両用シートは、シートクツ
シヨンおよびシートバツクのクツシヨン材を上下
２層から形成し、前記クツシヨン材を表皮部材に
より被覆してなる車両用シートにおいて、前記ク
ツシヨン材の上層クツシヨン材のコーナ部裏面
に、スリツト部を形成したものである。

（作用） この考案にかかる車両用シートによれば、上層
クツシヨン部材のコーナ部裏面に、スリツト部を
形成しているため、上層クツシヨン部材のコーナ
部は曲げ易く、しかも、コーナ部に生じるシワ形
状が均一化して、外観上見栄えが良好化する。

（実施例） この考案にかかる一実施例を第１図ないし第４
図に基づいて説明する。

同図中、１１は自動車座席で、シートクツシヨ
ン１２とシートバツク１３とからなる。このシー
トバツク１３は図示しない枠フレームにクツシヨ
ン材たるパツド部材１４を配設し、このパツド部
材１４を表皮部材１５により被覆して形成され
る。パツド部材１４は２層からなり、上層パツド
部材１４ａの両端部１４ｂを除き、下層パツド部
材１４ｃに接着固定して取付けられる。この上層
パツド部材１４ａはシートバツク１３のコーナ部
１３ａに溝部１６が刻設される。溝部１６は上層
パツド部材１４ａの裏面に、シートバツク１３の
幅方向に沿つて形成される。この溝部１６は断面
三角形状からなり、頂点部１７が上層パツド部材
１４ａの内側に形成され、コーナ部１３ａに所定
間隔で３本形成される。このパツド部材１４は表
皮部材１５により被包される。

上記構成にかかる自動車座席１１は、上下２層
からなるパツド部材１４の上層パツド部材１４ａ
に、そのコーナ部１３ａに３本の断面三角形状の
溝部１６を形成し、溝部１６の頂点部１７を上層
パツド部材１４ａの内側に設けているため、上層
パツド部材１４ａを下層パツド部材１４ｃに接着
取付ける際、上層パツド部材１４ａのコーナ部１
３ａに溝部１６があり、上層パツド部材１４ａを
曲げると、上層パツド部材１４ａの曲げによるゆ
がみは溝部１６に吸収され、非常に曲げ易く、し
かも上層パツド部材１４ａの曲げによるシワは溝
部１６の形状に吸収されシワ形状が均一化し、表
面に表われるシワが均一模様となり、外観上見栄
えが良好化する。

なお、上記実施例においては、シートバツク１
３のパツド部材１４について説明したが、シート
クツシヨン１２のパツド部材においても同様に行
なえることは勿論であり、上記実施例と同様な効
果を奏する。また、上層パツド部材１４ａに断面
三角形状の溝部１６をシートバツク１３の幅方向
に沿つて形成したものについて説明したが、第４
図に示すように、上層パツド部材１８の両端部１
８ａに三角形状のスリツト１９を形成しても上記
実施例と同様な効果を奏する。さらに、この溝部
の形状は、上記実施例のように、断面三角形状に
限らず、例えば半円形状であつてもよく、種々そ
の形状は変更することができる。

また、溝部の本数は３本に限られるものではな
く、その大きさ若しく形状によりその本数は種々
変更することもできる。

（考案の効果） この考案によれば、シートクツシヨンおよびシ
ートバツクのクツシヨン材を上下２層から形成
し、前記クツシヨン材を表被皮部材により被覆し
てなる車両用シートにおいて、前記クツシヨン材
の上層クツシヨン材のコーナ部裏面に、スリツト
部を形成するという簡単な構造により、上層クツ
シヨン材の曲げ作業が容易化するとともに、表面
に表われるシワ形状が均一化して外観上見栄えが
良好な車両用シートが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる一実施例を示す自動
車座席の斜視図、第２図は第１図に示す座席のシ
ートバツクの要部の斜視図、第３図は第２図に示
す上層クツシヨン部材の背面からの斜視図、第４
図は他の実施例を示す第３図相当の斜視図、第５
図は従来の自動車座席の斜視図、第６図は第５図
の要部を拡大した斜視図、第７図は第５図の−
線に沿う断面図、第８図は第５図の−線に
沿う部分断面図である。 図中、１２はシートクツシヨン、１３はシート
バツク、１４はクツシヨン材たるパツド部材、１
５はスリツト部たる溝部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) シートクツシヨンおよびシートバツクのクツ
   シヨン材を上下２層から形成し、前記クツシヨ
   ン材を表皮部材により被覆してなる車両用シー
   トにおいて、前記クツシヨン材の上層クツシヨ
   ン材のコーナ部裏面に、スリツト部を形成した
   ことを特徴とする車両用シート。 (2) 前記スリツト部は、前記上層クツシヨン材の
   幅方向に沿つて断面三角形状に形成されたこと
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の車両用シート。 (3) 前記スリツト部は前記上層クツシヨン材の両
   端部に形成されたことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の車両用シート。 (4) 前記スリツト部は断面半円形状からなること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の車両用シート。