JPH0230928Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプリセツト選局機能とオートチユーニ
ング機能とを有するラジオ受信機に関するもので
ある。

従来のプリセツト選局機能とオートチユーニン
グ機能との両機能を有するラジオ受信機におい
て、受信周波数をプリセツトする場合には、通常
オートチユーニング機能を動作させてブリセツト
したい放送局を捜し出し、１局プリセツトする毎
に、メモリキーとプリセツトキーとを押す必要が
ある為にオートチユーニング機能を使用してもか
なり手間がかかるものであつた。また、受信可能
放送局と受信電波の電界強度が時間と共に変化す
る車載用ラジオ受信機においては、一度プリセツ
トした内容が場所の移動により役に立たなくな
り、再びプリセツトが必要となり、常時プリセツ
ト選局機能を活用するには煩雑なプリセツト操作
を頻繁に行なわねばならず、操作性に問題があつ
た。

本考案は、ラジオ受信機のプリセツト選局機能
の操作性を良くすることを目的としてなされたも
のであり、プリセツトキーを１つオンすることに
より各選局キーに各受信可能放送局をそれぞれメ
モリにプリセツトし、プリセツトされた放送局を
ボタンのワンタツチ操作で呼出すことができるよ
うにしたラジオ受信機であり、特に、音楽番組の
ような特定の内容の番組を放送中の放送局をそう
でない番組を放送中の放送局に対して優先的にプ
リセツトしたラジオ受信機を提供するものであ
る。

以下、図面に従つて本考案を説明する。第１図
は本考案の一実施例であるAMラジオ受信機を示
すブロツク線図であり、１はアンテナ、２は高周
波増幅器、３は混合器、４はIF増幅器、５はIF
検波器、６は低周波増幅器、７はスピーカであ
り、混合器３には電圧制御発振器８、プログラマ
ブルカウンタ９、フエーズコンパレータ１０、基
準発振器１１、ローパスフイルタ１２から構成さ
れるPLLの出力を局部発振信号として入力し、
信号選択を行なう。１３はIF検波器５により検
出した受信局の電界強度に相当する検波出力をデ
ジタル量に変換するＡ／Ｄ変換器、１４はＡ／Ｄ
変換器１３より伝送されたデジタルデータが聴取
可能な電界強度か否かを判定するチユーニングコ
ントローラ、２２はオートチユーニング動作を開
始させるプリセツトキー、１７はオートチユーニ
ング動作全般を制御するチヤンネルコントローラ
であり、たとえば、内部にパルス発生器とカウン
タを設け、カウンタがパルス発生器の出力パルス
を計数して作られる分周数データをプログラマブ
ルカウンタ９に与え、プログラマブルカウンタ９
の分周比を変化させるものであり、カウンタの計
数値がある一定数を超えるとパルスを出力し、こ
の出力パルスによつてパルス発生器を停止させる
と共にカウンタの計数値をリセツトするようにし
て分周数データの可変範囲が限定されている。

１５はIF検波器５により検波された音声信号
のうち、人の声の周波数帯域をカツトするフイル
タであり、第２図に示すようなバンドパスフイル
タ特性を有し、横軸に周波数、縦軸に音声信号の
減衰度を表わしている。１６は音声信号コントロ
ーラであり、フイルタ１５を通過する音声信号の
うち人の声の周波数帯域を除いた周波数成分の量
を検出し、受信中した放送局の番組内容が人の声
の周波数帯域以外の周波数成分が量的に大きい音
楽番組なのか、あるいは、ニユース番組などのよ
うに人の声が主な番組なのかどうかを判断し、こ
の判断結果を表わす信号をメモリコントローラ１
９に送る。１８はプログラマブルカウンタ９の分
周比に相当する受信周波数を同調するデータと受
信信号の電界強度とを記憶するメモリであり、音
楽番組放送を記憶する音楽番組用アドレスと音楽
番組放送以外の放送を記憶する他の番組用アドレ
スに分かれている。１９はメモリコントローラで
あり、チヤンネルコントローラ１７より受信周波
数を同調するデータと、また、IF検波器５より
Ａ／Ｄ変換器１３、チユーニングコントローラ１
４を通つた受信局の電界強度とを音声信号コント
ローラ１６からの信号に従つて音楽番組放送と他
の番組放送とを区別してメモリ１８に記憶させる
と共に、記憶された受信局のうちから所望の局を
選択する選局キー２３の配置順序に従つて、ま
ず、音楽番組放送局の受信周波数に同調するデー
タを選局キー２３に順次対応させ、次に音楽番組
以外の他の番組放送局の受信周波数に同調するデ
ータを残りの選局キー２５に順次対応させるもの
である。２０はメモリ１８に記憶された電界強度
をメモリコントローラ１９で指定された選局キー
２３の配置に対応したデイスププレイ２１の位置
に表示するデイスプレイドライバである。

第３図は、上記実施例の音楽番組優先プリセツ
トおよび電界強度表示動作を示すフローチヤート
であり、フロチヤートに従つて動作を説明する。

まず、ステツプS₁において、プリセツトキー２
２をオンすると、ステツプS₂として、チヤンネル
コントローラ１７は内部で作られる分周波データ
をプログラマブルカウンタ９に与え、プログラマ
ブルカウンタ９の分周比を変化させ、それによつ
て電圧制御発振器８の局部発振周波数を変化さ
せ、全周波数帯域の最小周波数よりチユーニング
動作を開始させる。ステツプS₃として局部発振周
波数を変化させて放送信号を受信すると、IF検
波器５が受信電波の電界強度に相当する信号レベ
ルを検出し、ステツプS₄としてこの検出信号を
Ａ／Ｄ変換器１３においてデジタルデータに変換
する。次に、ステツプS₅としてチユーニングコン
トローラ１４はＡ／Ｄ変換器１３により変換され
たデジタルデータが聴取可能かどうかを判断し、
ステツプS₆として聴取可能な場合にはチユーニン
グ停止信号をチヤンネルコントローラ１７に送
り、チヤンネルコントローラ１７は一定時間チユ
ーニング動作を停止し、プログラマブルカウンタ
９は分周比を一定に保つて受信周波数を保持す
る。

ステツプS₇としてチユーニング動作が停止する
と、音声信号コントローラ１６はフイルタ１５を
通過する音声信号が人の声の周波数帯域以外の周
波数成分の量が大きいか小さいかにより、受信局
が音楽番組放送局か音楽番組以外の他の番組の放
送局かを判断し、ステツプS₈として音楽番組放送
局の場合には、メモリコントローラ１９が音声信
号コントローラ１６からの判断信号に従つてチヤ
ンネルコントローラ１７の分周数データより受信
周波数に同調するデータを、また、Ａ／Ｄ変換器
１３によりＡ／Ｄ変換された電界強度をチユーニ
ングコントローラ１４、チヤンネルコントローラ
１７を通してメモリ１８の音楽番組用アドレスに
記憶させる。ステツプS₉として音楽番組以外の他
の番組の場合には、メモリコントローラ１９は前
述の受信周波数を呼び出すデータと電界強度とを
メモリ１８の他の番組用アドレスに記憶させる。
次に、ステツプS₁₀としてチユーニング動作停止
時間が所定の時間過ぎるとチヤンネルコントロー
ラ１７は再びチユーニング動作を開始し、全受信
周波数帯域の走査が終了するまでステツプS₂〜S₉
までの一連の各ステツプを繰り返し行なう。な
お、ステツプS₅で電界強度が低く聴取不可能な場
合にチユーニング動作を停止せず、そのまま続行
させる。ステツプS₁₁としてチヤンネルコントロ
ーラ１７の分周数データの可変範囲を限定するこ
とによりあらかじめ指定された全周波数帯域をす
べて走査してしまうと、チヤンネルコントローラ
１７は上に述べたオートチユーニング動作を終了
させる。

ステツプS₁₂としてオートチユーニングが終了
すると、メモリコントローラ１９は、まず、メモ
リ１８の音楽番組用アドレスに記憶された受信周
波数を呼び出すデータと電界強度とのうち、受信
周波数を呼び出すデータをラジオ受信機の選局キ
ー２３に対応させ、電界強度はデイスプレイ２１
にデイスプレイドライバー２０により表示する。
次に、ステツプS₁₃としてメモリコントローラ１
９は、メモリ１８の他の番組用アドレスに記憶さ
れた受信周波数を呼び出すデータと電界強度との
うち、受信周波数を呼び出すデータを前述の音楽
番組放送と同様に選局キー２３に対応させ、電界
強度も同様にデイスプレイ２１にデイスプレイド
ライバー２０により表示する。ステツプS₁₄とし
て以上の動作により音楽番組を優先してプリセツ
トし、また、各放送局の電界強度の表示がすべて
終了する。

そして、上記のようにプリセツトされた放送局
を呼び出すには、選局キー２３の１つを選択的に
押し、押した選局キー２３の１つに対応したメモ
リ１８に記録された受信周波数を呼び出すデータ
をメモリコントローラ１９により読み出してチヤ
ンネルコントローラ１７に送り、チヤンネルコン
トローラ１７は分周数データをプログラマブルカ
ウンタ９に入力することによりプリセツトした放
送局を受信することができる。

第４図は、本考案を実施したラジオ受信機の選
局操作部に設けられた電界強度表示部の一例を示
すラジオ受信機の前面パネルの簡略化した外観図
であり、表示できる局数は横方向に７局分有し、
電界強度の表示は縦方向の上、中、下段をそれぞ
れ強、中、弱の三段階に電界強度を表示する。そ
のために縦横３×７のマトリクスを構成し、各マ
トリクスの構成要素にそれぞれ例えばLEDを配
し、下段のマトリクス構成要素a₁，b₁，c₁，
d₁e₁，f₁，g₁には選局キーも兼用させる。第４図
において、２４はプリセツトキーであり、電界強
度表示部２５ではマトリクス構成要素a₁，b₁…g₁
が弱電界、マトリクス構成要素a₂，b₂…g₂が中電
界、マトリクス構成要素a₃，b₃…g₃が強電界を表
わすように重み付がなされている。

第４図に示した電界強度表示部２５の表示動作
を、第５図に示すような受信放送局と受信電界強
度を有するものについて説明する。第５図におい
て、受信周波数₁，₃は音楽番組を放送中の放送
局であり、受信周波数₂，₄は音楽番組以外の他
の番組を放送中の放送局であり、電界強度０から
E₁までは弱電界強度であり、電界強度E₁からE₂
までは中電界強度であり、電界強度E₂以上は強
電界強度である。第４図に示した本考案による装
置のプリセツトキー２４をオンすると、選局キー
が内蔵されたマトリクス構成要素a₁に中電界強度
の音楽番組局₁がプリセツトされ、縦の１列目の
マトリクス構成要素a₁，a₂に内蔵のLEDが２個所
点灯する。次に、選局キーを内蔵したマトリクス
構成要素b₁に弱電界強度の音楽番組局₃がプリセ
ツトされ、２列目（b₁の列）マトリクス構成要素
b₁に内蔵のLEDだけ点灯し、次に、選局キーを
内蔵したマトリクス構成要素c₁に強電界強度の他
の番組局₂がプリセツトされ、３列目（c₁の列）
マトリクス構成要素c₁，c₂，c₃に内蔵のLEDが３
個所共すべて点灯する。最後に、選局キーを内蔵
したマトリクス構成要素d₁に中電界強度の他の番
組局₄がプリセツトされ、４列目（d₁の列）マト
リクス構成d₁，d₂に内蔵のLEDが２個所まで点灯
する。このように音楽番組放送を優先してプリセ
ツトすると共に、電界強度の表示が終了し、その
後、たとえば選局キーを内蔵したマトリクス構成
要素a₁をオンすれば受信周波数₁の音楽番組放送
が受信でき、次に、たとえば選局キーを内蔵した
マトリクス構成要素d₁をオンすれば受信周波数₄
の他の番組放送が受信できる。

以上本考案によれば、受信周波数帯全域を順次
受信状態にする為にチユーナの局部発振周波数を
順次変化させる手段と、受信局の電界強度を検出
し聴取可能な局かどうか判断する判断手段と、特
定の周波数帯域の音声信号を検出する検出手段と
を備えたラジオ受信機において、前記判断手段の
判断に基づく聴取可能局の受信周波数に同調する
データを前記検出された電界強度と共に、前記検
出手段により検出される特定の周波数帯域の音声
信号の有無により区別して記憶する記憶装置と、
前記記憶された放送番組のうち特定の周波数帯域
の音声信号を有する局を優先的に選局可能な選局
キーと、前記選局キー配置に対応した位置に前記
記憶された電界強度を表示する表示手段とを糎備
えたので、選局の際音楽番組放送局や受信状態の
良い局を優先的に選局できる。また、前記、選局
キーが表示手段を兼用するようにしたので、選局
操作性が一段と向上するとともにラジオ受信機前
面パネルの構成が簡素となり、スペースが節約で
き、コストダウンが可能になる。

なお、実施例においては、表示例として、３×
７のマトリクス構成としたが、プリセツト局は７
局に限らず可局でも良く、電界強度表示も３段階
表示に限らず何段階で表示しても良いし、選局キ
ーはLED表示部とは兼葉せずに別に設けても良
いのはもちろん、LEDの代わりにLCD等の他の
表示素子を用いても良い。また本考案は当然のこ
とながらAMラジオ受信機に限らずFMラジオ受
信機にも使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すAMラジオ受信
機のブロツク線図、第２図はフイルタの特性を示
すグラフ、第３図は第１図の実施例の動作を説明
する為のフローチヤート、第４図は本考案のラジ
オ受信機の選局操作表示部の１実施例の前面パネ
ルの簡略化した外観図、第５図は受信周波数と電
界強度とを示すグラフである。 ５……IF検波器、６……復調器、９……プロ
グラマブルカウンター、１３……Ａ／Ｄ変換器、
１４……チユーニングコントローラ、１５……フ
イルター、１６……音声信号コントローラ、１７
……チヤンネルコントローラ、１８……メモリ、
１９……メモリコントローラ、２０……デイスプ
レイドライバ、２１……デイスプレイ、２２……
プリセツトキー、２３……選局キー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 受信周波数帯全域を順次受信状態にする為にチ
   ユーナの局部発振周波数を順次変化させる手段
   と、受信局の電界強度を検出し聴取可能な局かど
   うか判断する判断手段と、特定の周波数帯域の音
   声信号を検出する検出手段と、前記判断手段の判
   断に基づく聴取可能局の受信周波数に同調するデ
   ータを前記検出された電界強度と共に、前記検出
   手段により検出される特定の周波数帯域の音声信
   号の有無により区別して記憶する記憶装置と、前
   記記憶された放送番組のうち特定の周波数帯域の
   音声信号を有する局を優先的に選局可能な選局キ
   ーと、前記選局キー配置に対応した位置に前記記
   憶された電界強度を表示する表示手段とを有し、
   前記選局キーが該表示手段を兼用することを特徴
   とするラジオ受信機。