JPH02293411A - 鮮明性を呈する超ソフト特殊混繊糸の製造方法 - Google Patents

鮮明性を呈する超ソフト特殊混繊糸の製造方法

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JPH02293411A
JPH02293411A JP11214289A JP11214289A JPH02293411A JP H02293411 A JPH02293411 A JP H02293411A JP 11214289 A JP11214289 A JP 11214289A JP 11214289 A JP11214289 A JP 11214289A JP H02293411 A JPH02293411 A JP H02293411A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (発明の分野) 本発明は、特殊な微細孔を有し、着色した際に改善され
た色の深みと鮮明性を呈し、且つ、極めて高い柔軟性と
ユニークな風合を有する超ソフト特殊混繊糸の製造方法
に関する。
《従来技術》 合成繊維糸には一般にガラス転移点温度《二次転移温度
ともいう)が存在し、この温度以下では分子が凍結され
ていて動き難いので、これを延伸するに当っては延伸点
をガラス転移点温度以上とし分子を動き易くして引き伸
ばすのが常識である。
もっともこのガラス転移温度以下の分子が凍結した状態
で無理矢理にこれを引き伸ばすと分子が配向せず、今迄
の延伸糸とは全く異なる特異な風合を呈する糸ができる
(但し、分子が凍結された状態で無理に引き伸ばすので
、必ず斑延伸となり均一な外観のものは出来ない》。即
ち、ガラス転移温度以下の低温で延伸することは、特開
昭58−44762号公報にも示されるように、所言胃
Thick &Thin糸の製造方法そのものとなり、
斑を発生させずその特異風合のみを求めるといったこと
は不可能である。加えて、凍結状態の分子を無理矢理に
引き伸ばすので、それに要する力は物凄く大きくなり、
糸がローラーとスリップしたり、毛羽立ってラップが発
生したりするなどの問題点が多く、延伸フィラメントヤ
ーンの生産性が低くなるという問題もある。
更に、従来のポリエステル繊維は羊毛や絹の如き天然繊
維、レーヨンやアセテートの如き繊維索系繊維、アクリ
ル系繊維等に比較して、着色した際に色に深みがないた
め発色性、鮮明性に劣る欠点がある。
従来より、この欠点を解消せんとして、染料の改善やポ
リエステルの化学改質等が試みられてきたが、いずれも
充分な効果は得られていない。また、ポリエステル繊維
表面に透明薄膜を形成させる方法や織編物表面に80〜
500mA − see /一のプラズマ照射を施して
繊維表面に微細な凹凸を形成させる方法等が提案されて
いる。しかしながら、これらの方法によっても、色の深
みを改善する効果は不充分であり、その上繊維表面に形
成された透明薄膜は洗濯等によって容易に脱落し、その
耐久性も不充分であり、プラズマ照射を施す方法では、
照射面の影になる繊維部分の繊維の表面に凹凸が生じな
いため、着用中に生じる繊維組織内での糸の転び等によ
って平滑繊維面が表面に出て色斑になる欠点がある。
他方、ポリエステル繊維の表面に凹凸を付与する方法と
して、ボリオキシエチレングリコール又はポリオキシエ
チレングリコールとスルホン酸化合物を配合したポリエ
ステルよりなる繊維をアルカリ水溶液で処理することに
より繊維軸方向に配列した皺状の微細孔を繊維表面に形
成させる吸湿性繊維の製造法、又は酸化亜鉛、リン酸カ
ルシウム等の如き不活性無機物贋の微粒子をポリエステ
ル反応系内に添加配合せしめてなるポリエステル繊維を
、アルカリ水溶液で処理して無機微粒子を溶出すること
により微細孔を形成させる吸湿性繊維の製造方法等が提
案されている。しかしながら、これらの方法によって得
られる繊維には、色の深みを改善する効果は認められず
、かえって視感濃度の低下が認められる。
即ち、これらの方法において、アルカリ水溶液による処
理が充分でないときは、色の深みを改善する効果は全く
認められず、また、アルカリ水溶液による処理が充分な
ときは、色の深みを改善するどころか、微細孔による光
の乱反射によるなめか、視惑濃度が低下し、濃色に着色
し7ても白っぽく見えるようになり、その上得られる繊
維の強度が著しく低下し、容易にフイブリル化するよう
になり、実用に耐えない。
また、粒子径80 mμ以下のシリカの如き無機微粒子
を配合したポリエステルよりなる繊維をアルカリ減量処
理して、繊維表面に0.2〜0,7μの不規則な凹凸を
付与すると共にこの凹凸内に50〜200mμの微細な
凹凸を存在せしめることによって色の深みを改善する方
法が提案されている。しかしながら、この方法によって
も、色の深みを改善する効果は不充分であり、その上か
かる極めて複雑な凹凸形態によるためか、摩擦等の外部
からの物理作用により凹凸が破壊され、破壊された部分
が他の破壊されていない部分と比べて大きく変色したり
光沢の差を生じたり、更には容易にフイブリル化すると
いう欠点がある。
本発明者は、ポリエステル繊維に微細孔を付与すること
によって、上記欠点がなく、色の深みと鮮明性に優れた
ポリエステル繊維を提供せんとして鋭意検討を行った結
果、特定量の5価のリン化合物とこの5価のリン化合物
に対して特定量比のカルシウム化合物を予め反応させる
ことなく、ポリエステル反応系に添加して合成したポリ
エステルを溶融紡糸して得たポリエステル繊維をアルカ
リ処理することによって、特殊な微細孔を多数形成する
ことができ、こうすることによって着色した時の色の深
みと鮮明性に優れ、且つ摩擦による変色が充分に小さく
、耐フィブリル性にも優れたポリエステル繊維が得られ
ることを見出し、先に提案した。
しかしながら、このようにして得られるポリエステル繊
維は、ときによって充分な鮮明化効果が得られないとき
が生じることが判明した。本発明者はかかる欠点を改善
せんとして更に検討を重ねた結果、上記方法において使
用するリン化合物の一部を予めカルシウム化合物と反応
せしめることによって、再現性よく確実にその効果が得
られることを知った。この知見に基いて続けて検討し、
本発明を完成した。
(発明の目的) 本発明の目的は、ポリエステル繊維のかかる欠点を改良
し、着色した際に、改善された色の深みと、優れた鮮明
性を呈し、且つ、極めて柔軟性が高く、ユニークな風合
を有する超ソフト・フラットマルチフィラメントヤーン
を、その重合体分子が凍結した状憇で、マルチフィラメ
ントの断面形状を変化させることなく、またそれに捲縮
を付与することなく製造する方法を提供し、それによっ
て、均一に延伸されたマルチフィラメントからなる、均
一な外観と性能を有する超ソフトフラットマルチフィラ
メントヤーンと、およびそれから得られる超ソフト・フ
ラットマルチフィラメントヤーン布帛を提供しようとす
るものである。
(発明の構成) 即ち、本発明は、切断伸度差が少くとも70%以上であ
る2種またはそれ以上のポリエステルマルチフィラメン
ト糸を引揃えて、仮撚加工するに際して、少くとも1種
のマルチフィラメント糸として、下記の微細孔形成剤を
配合したポリエステルからなるマルチフィラメント糸を
用いて仮撚し、仮撚中のセット条件を常温若しくは高々
78℃迄としてセットしてから解撚し、解撚直後、又は
その後の工程において130℃以上の温度で熱処理する
ことを特徴とする鮮明性を呈する超ソフト特殊混繊糸の
製造方法である。
微細孔形成剤を配合したポリエステル 本発明を具体例により詳細に説明する。
第1図(a)は合成繊維の所謂未延伸糸の模式図である
。これをそのガラス転移点温度以上に加熱して、構成分
子の凍結を解いた状態で引張ると(b)のように均一に
延伸される。しかしながら、これをガラス転移温度以下
で引張ると、構成分子は凍結された状態のままで無理に
引き伸ばされるので分子はスムースに揃わず、(c)の
ように不均一な斑々の糸になってしまう。
これに対し、第2図は本発明の方法による延伸の態様を
示すもので、<dl図の如く未延伸糸(1)と、これに
より配向度の高い、従って伸び難い添え糸(2)とを引
揃えて、(e)図の如くこれをねじっていくとき、未延
伸糸(1)は伸び易く他方添え糸(2)は伸び難いので
、結局未延伸糸(1)一は添え糸(2)の周囲に(f)
図の如く捲き付けられる格好となり、その結果未延伸糸
{1}は捲き付けに要する長さだけ均一に引き伸ばされ
る。
即ち、第1図のように糸を両端で引張って延伸するとき
、特にガラス転移点く二次転移点)以下で分子が凍結さ
れているような状態では糸は伸び難いため、これを無理
矢理引き伸ばした場合、糸は伸び易い所が伸びて伸び難
い所はあまり伸びないといっなように太さ斑が生じる。
しかし、前記のように添え糸(2)と一緒にねじり、こ
れを蔓巻き状にする過程において伸ばすと、糸の各部分
で少しずつ伸ばされるので、糸の両端を引張ったような
遷択的な伸びは起らず、糸の各部分で均一かつ平等に伸
びることになる。従って、このようにガラス転移温度以
下でも均一に伸ばすことができるし、また斑になり易い
中途半端な低い倍率でも均一に引き伸ばすことが可能に
なる。
但し、この方法では糸をねじって捲き付かせる解きに自
然に伸ばされる程度以上には伸ばし得ないので、自ら延
伸できる倍率の上限は決まってくる。しかし、ここで注
目すべきことは、添え糸{2}を少し引き伸ばしながら
この未延伸糸{1)の捲き付けを行うと、未延伸糸(1
)には捲き付けの伸びにこの添え糸(1)の伸びが加わ
るが、その場合でも極めて均一に伸ばされるという事実
が在ることである。これはやはり未延伸糸(1)が添え
糸(2)にしっかり捲き付いて拘束されながら伸ばされ
るためと推察される。従って、この添え糸(1)の伸長
も加えることによって、ある程度この伸長率は加減でき
る。また、これに更に、未延伸糸(1)と添え糸{2}
とを予め交絡させておいた上で、前記のようなねじり操
作を加えると両者の拘束関係かー・層密になり、より均
一性が増す。
第3図は、本発明の具体的な実施工程の一例であって、
(1)は素材のポリエステル未延伸糸、{2}はこれよ
り伸び難い添え糸のポリエステル中間配向糸であり、両
糸は一対の供給ローラー(3)より供給され、空気ノズ
ル(4)で相互に絡められた後、中間ローラー(5)を
経て仮撚具(6)で相互にねじられる。その結果、仮撚
具(6)の前では未延伸糸(1)は添え糸(2)の周囲
に捲き付くことによって伸ばされながら、仮撚具(6)
を通過し、再び捲き付きは解かれ、両者がまとわりつい
たままデリベリローラー(7)を経てヒーター(3)で
熱セットされ、引取ローラー(9)を経てワインダー(
10)に捲き取られる。得られた加工糸を製織し染色仕
上すると、分子を凍結したまま延伸されたことによって
、今迄のポリエステル織物とは全く異なる、極めて超ソ
フトでマシュマロのような特殊な風合を有し、かつ太さ
斑や染色斑等も全くない汎用性ある織物が得られる。
本発明において、このような風合を得るためには、未延
伸糸(1)が伸ばされる時に構成分子が凍結状態にある
温度即ちガラス転移点温度(二次転移点温度)未満にす
る必要がある。そのためには通常の仮撚加工に使う16
0〜240℃といった合成繊維の所謂熱可塑化温度で加
熱しては勿論駄目であって、高々78℃以下、好ましく
は60℃以下(熱処理時間にして0.6秒以下)にする
必要があり、一般には、前記の例のように熱を加えない
常温で行うとき最もよい結果が得られる。特にガラス転
移温度の低い素材では強制冷却することもよい。
また、供給する未延伸糸(1)と添え糸(2)とは予め
交絡しておくことは必ずしも必須ではないが、交絡する
ことによって前述の如く未延伸糸(1)がより均整に引
き伸ばされ、その外仮撚を経て解撚された後の糸がバラ
バラになるのを防ぐ効果もある。後者については、場合
によっては仮撚解撚後の交絡でもよいが、一般的には仮
撚前交絡の方がバラけが少い。
また、未延伸糸(1)の引き伸ばし量が少い場合には前
述の如く添え糸(2) も引き伸ばしてこれに加算する
のがよく、この例で言えばローラー(5)と(7)間の
速度関係を引き伸ばし状態、所謂延伸仮撚の状態で行う
のがよい。このようにしても未延伸糸(1)は前述の如
く斑糸にはならず均一に伸ばすことが可能である。特に
仮撚を摩擦仮撚具で与える時は糸がスリップするので延
伸仮撚が必須となる。一方、スピンドル仮撚であれば必
ずしも延伸仮撚にする必要はないが、−ffiに摩擦仮
撚の方が糸の引掛りがなくスムースに走行し易い。
また、仮撚でねじられた時に蔓巻き状となって専ら未延
伸糸(1)のみが伸ばされる為には、添え糸(2)は未
延伸糸(1)よりも伸び難いことが必要であることから
、複屈折率にして0.03以上の中間配向糸、高配向糸
が好ましい。そして、延伸性については、未延伸糸{1
}よりも自然延伸比(伸度%表示》で70%以上小さい
ことが望ましい。
本発明は凍結状態の分子を無理に延伸して特異な超ソフ
ト風合を出すわけであるが、その中でも延伸前の分子が
繊維軸方向に並んでいないほど、即ち配向度が低いほど
延伸が更に難しくなるので、風合の特異性は増す。従っ
て未延伸糸の配向度は高くても複屈折率にて0.02以
下、更に好ましくは0.01以下の殆んど配向していな
いものを用いることが望ましい。
このようにして無理に延伸された糸は一殻に内部歪が大
きく、沸水中の収縮率が高いので、使用に際してはこれ
を熱処理してその収縮率を落とす必要がある。第3図{
8}のヒーターはその目的のためのものであり、その加
熱温度としては少くとも130℃以上が必要で、好まし
くは160℃以上で少くとも0.1秒以上加熱するのが
よい。この加熱は前記延伸工程に引き続いて連続的に行
っておけば、出来な糸をどのような分野にでも使えるの
で安心であるが、用途によってはこれを織編物等の布帛
にしてから行うことも可能である。
本発明の混繊糸を得る工程は、特公昭61−19733
号公報、特公昭56−25529号公報などにみられる
所謂仮撚捲付二層構造加工糸の製造方法の工程と一見似
ているが、その作用効果や、それにより製造される加工
糸の構造は互いに全く異なるものである。
即ち、従来の仮撚捲付二層構造加工糸の場合には、仮撚
工程で一種のマルチフィラメントを、他のマルチフィラ
メントに捲き付けた状態にして、これを高温に加熱し、
そのねじれた形でマルチフィラメントの重合体分子を再
配向結晶化させるので、両マルチフィラメントは、仮撚
で捲き付けられたフィラメントの捲きつき形状や撚り形
状が残留し、このため、第4図(g)に示されているよ
うに「捲付」二層構造加工糸となる。このような従来の
仮撚捲付二層構造加工糸は、紡績糸的な風合を有するこ
とに特徴がある。これに対し、本発明では、仮撚で高延
伸性マルチフィラメントを低延伸性マルチフィラメント
に捲き付けても、この状態で加熱セットされることがな
いので、その捲き付けぐせやねじりぐせは全く残留せず
、得られる加工糸は第4図(h)に示されているように
各フィラメントはストレートであって(捲縮がなく)、
紡績糸様な構造にはならない。即ち、加工糸中のフィラ
メントはストレートなものであり、したがってフラット
マルチフィラメントヤーンを形成する。本発明において
、高延伸性マルチフィラメントを低温で強制的に伸長し
ながら仮撚されるので、得られる加工糸は、従来の仮撚
延伸加工糸とは全く異なる極めてソフトなタッチと、ユ
ニークな風合を有するフラットマルチフィラメントヤー
ンとなる。
本発明において、未延伸糸(1)と添え糸(2)の複合
比率については、元々本発明による特異風合は分子凍結
状態で無埋矢埋伸ばされる側[未延伸糸{1}1、即ち
低配向側(=自然延伸比の大きい側)で発生するので、
一殻的には半分以上は占めた方がよい.但し、特に伸ば
し難い分子配向を有する繊維の場合においては、風合を
ある程度犠牲にしても延伸性を優先させることもあり得
るが、その場合でも少くとも3割は占めるべきである。
一方、あまり低配向側が増えると高配向側[添え糸(2
)1か細くなりすぎて蔓巻き状を形成させることが困難
になり、糸切れ等が発生するので、多くとも8割以下に
とどめておくことが望ましい。
また、仮撚数について言えば、本発明の場合、仮撚捲縮
を施すのが目的ではないので必ずしも従来の仮撚加工ほ
どの撚数でなくても効果が得られる。例えば、仮撚加工
であると14000 /J De  t/m位の甘い撚
数では効果的な捲縮を施すことはできないが、本発明に
おいてはそれに応じた糸の冷延伸は起き、それなりの効
果は発生する。但し、特にねじり難い素材でない限り、
目一ばいの仮撚数、即ち糸の破断が起き易くなる320
00 /lm以下の仮撚数で、安定加工できる限り、高
くしな方が糸がよく伸ばされて効果的である。仮撚を摩
擦仮撚で行う場合には、仮撚数を測定し難いが、D/Y
を1.3〜2.8位の値にすればよい。
ここにおいて De=仮撚中の糸Total De D/Y一仮撚ディスク表面速度/仮撚加工中の糸速 である。
更に、本発明方法にあっては、前記の伸度差を有する2
糸条のうち、少くとも、一方のマルチフィラメントとし
て微細孔形成剤配合のボリエ叉テル繊維を用いる必要が
ある。
本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を主たる酸
成分とし、少くとも1種のグリコール、好ましくはエチ
レングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチ
レングリコールから遷ばれた少なくとも1種のアルキレ
ングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステ
ルを主たる対象とする。
また、テレフタル酸成分の一部を他の二宮能性カルボン
酸成分で置換えたポリエステルであってもよく、及び/
又はグリコール成分の一部を主成分以外の上記グリコー
ル、若しくは他のジオール成分で置換えたポリエステル
であってもよい。
ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボン
酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタリンジカルボ
ン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジ
カルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オ
キシ安息香酸、5ーナトリウムスルホイソフタル酸、ア
ジビン酸、セバシン酸、1.4−シクロヘキサンジカル
ボン酸の如き芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボ
ン酸をあげることができる。また、上記グリコール以外
のジオール化合物としては例えばシクロヘキサン−1.
4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールSの如き脂肪族、脂環族、芳
香族のジオール化合物およびポリオキシアルキレングリ
コール等をあげることができる。
かかるポリエステルは任意の方法によって合成したもの
でよい。例えば、ポリエチレンテレフタレートについて
説明すれば、通常、テレフタル酸とエチレングリコール
とを直接エステルか反応させるか、テレフタル酸ジメチ
ルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレ
ングリコールとをエステル交換反応させるか又はテレフ
タル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテレ
フタル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体
を生成させる第1段階の反応と、第1段階の反応生成物
を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応さ
せる第2段附の反応によって製造される。
本発明で使用する含金属リン化合物は下記一般式 O RIO−P−OM, OR2 で表わされるリン化合物であり、式中、R1及びR2は
一価の有機基である。この一価の有機基は具体的にはア
ルキル基、アリール基、アラルキル基又は干(CH2)
 + Ol kR3(但し、R3は水素原子、アルキル
基、アリール基又はアラルキル基、1は2以上の整数、
kは1以上の整数)等が好ましく、R1とR2とは同一
でも異なっていてもよい。Mはアルカリ金属又はアルカ
リ土類金属であり、Li, Na、K, Mg, Ca
, Sr, Baが好ましく、特にCa, Sr, B
aが好ましい。mはMがアルカリ金属のとき1であり、
Mがアルカリ土類金属のとき1/2である。
上記含金属リン化合物に代えてR1及び/又はR2が金
属(特にアルカリ金属、アルカリ土類金属)で置換えた
リン化合物を使用したのでは、得られるポリエステル繊
維に生成する微細孔が大きくなって、目的とする鮮明化
効果が得られず、また耐フィブリル性にも劣るようにな
る。
上記含金属リン化合物を製造するには、通常対応する正
リン酸エステル(モノ、ジ又はトリ〉と所定量の対応す
る金属の化合物とを溶媒の存在下加熱反応させることに
よって容易に得られる。なお、この際溶媒として、対象
ポリエステルの原料として使用するグリコールを使用す
るのが最も好ましい。
上記含金属リン化合物と併用するアルカリ土類金属化合
物としては、上記含金属リン化合物と反応してポリエス
テルに不溶性の塩を形成するものであれば特に制限はな
く、アルカリ土類金属の酢酸塩、蓚酸塩、安息香酸塩、
フタル酸塩、ステアリン酸塩のような有機カルボン酸塩
、硼酸塩、硫酸塩、珪酸塩、炭酸塩、重炭酸塩の如き無
機酸塩、塩化物のようなハロゲン化物、エチレンジアミ
ン4酢酸錯塩のようなキレート化合物、水酸化物、酸化
物、メチラート、エチラート、グリコレート等のアルコ
ラート類、フェノラート等をあげることができる。特に
エチレングリコールに可溶性である有機カルボン酸塩、
ハロゲン化物、キレート化合物、アルコラートが好まし
く、なかでも有機カルボン酸塩が特に好ましい。上記の
アルカリ土類金属化合物は1種のみ単独で使用しても、
また2種以上併用してもよい。
上記含金属リン化合物及びアルカリ土類金属化合物を添
加するに当って、最終的に得られるポリエステル繊維に
優れた色の深みとその摩擦耐久性を与えるためには、含
金属リン化合物の使用量及び該リン化合物の使用量に対
するアルカリ土類金属化合物の使用量の比を特定する必
要がある。即ち、本発明で使用する含金属リン化合物の
添加量はあまりに少ないと最終的に得られるポリエステ
ル繊維の色の深みが不充分になり、この量を多くするに
従って色の深みは増加するが、あまりに多くなると最早
色の深みは著しい向上を示さず、かえって耐摩擦耐久性
が悪化し、その上充分な重合度と軟化点を有するポリエ
ステルを得ることが困難となり、更に紡糸時に糸切れが
多発するというトラブルを発生する。このため、含金属
リン化合物の添加量はポリエステルを構成する酸成分に
対して0.5〜3モル%の範囲にすべきであり、特に0
.6〜2モル%の範囲が好ましい。またアルカリ土類金
属化合物の添加量が含金属リン化合物の添加量に対して
0.5倍モルより少ない量では、得られるポリエステル
繊維の色の深みが不充分であり、その上重縮合速度が低
下し高重合度のボリエステルを得ることが困難となり、
また、生成ポリエステルの軟化点が大幅に低下するよう
になる。逆に含金属リン化合物に対して1.2倍モルを
越える量のアルカリ土類金属化合物を使用すると、粗大
粒子が生成し、色の深みは改善されるどころか、かえっ
て視感濃度が低下するようになる。このため、含金属リ
ン化合物に対するアルカリ土類金属化合物の添加量は、
0.5〜1.2倍モルの範囲にすべきであり、特に0.
5〜1.0倍モルの範囲が好ましい.上記含金属リン化
合物とアルカリ土類金属化合物とは予め反応させること
なくポリエステル反応系に添加する必要がある。こうす
ることによって、不溶性粒子をポリエステル中に均一な
超微粒子状態で生成せしめることができるようになる。
予め外部で上記含金属リン化合物とアルカリ土類金属化
合物とを反応させて不溶性粒子とした後にポリエステル
反応系に添加したのでは、ポリエステル中での不溶性粒
子の分散性が悪くなり、゛且つ粗大凝集粒子が含有され
るようになるため、最終的に得られるポリエステル繊維
の色の深みを改善する効果は認められなくなるので好ま
しい。
上記の合金属リン化合物及びアルカリ土類金属化合物の
添加は、それぞれポリエステルの合成が完了するまでの
任意の段階において、任意の7111序で行うことがで
きる。しかし、含金属リン化合物のみを第1段階の反応
が未終了の段階で添加したのでは、第1段階の反応の完
結が阻害されることがあり、またアルカリ土類金属化合
物のみを第1段階の反応終了前に添加すると、この反応
がエステルか反応のときは、この反応中粗大粒子が発生
したり、エステル交換反応のときは、その反応が異常に
早く進行し突沸現象を引起すことがあるので、この場合
、その20重量%程度以下にするのが好ましい.アルカ
リ土類金属化合物の少なくとも80重量%及び含金属リ
ン化合物全量の添加時期は、ポリエステルの合成第1段
階の反応が実質的に収量した段階以降であることが好ま
しい。また、含金属リン化合物及びアルカリ土類金属化
合物の添加時期が、第2段階の反応があまりに進行した
段階では、粒子の凝集、粗大化が生じ難く最終的に得ら
れるポリエステル繊維の色の深みが不充分となる傾向が
あるので、第2段附の反応における反応混合物の極限粘
度が0.3に到達する以前であることが好ましい。
本発明においては、第1段階の反応に任意の触媒を使用
することができるが、上記アルカリ土類金属化合物の中
で第1段附の反応、特にエステル交換反応の触媒能を有
するものがあり、かかる化合物を使用する場合は別に触
媒を使用することを要さず、このアルカリ土類金属化合
物を第1段階の反応開始前又は反応中に添加して、触媒
としても兼用することができるが、前述した如く突沸現
象を引起ずことがあるので、その使用量は添加するアル
カリ土類金属化合物の全量の20重量%未満にとどめる
のが好ましい。
以上説明したように、上記の含金属リン化合物の特定量
と該リン化合物に対して特定量比のアルカリ土類金属化
合物とを予め反応させることなくポリエステル反応系に
添加し、しかる後ポリエステルの合成を完了することに
よって、高重合度、高軟化点及び良好な製糸化工程通過
性を有し、且つ最終的に色の深みとその摩擦耐久性に共
に優れた繊維を与えることのできるポリエステルを得る
ことができる。
このようにして得られたポリエステルを溶融紡糸して繊
維とする際には、格別な方法を採用する必要はなく、通
常のポリエステル繊維の溶融紡糸方法が任怠に採用され
る。ここで紡出する繊維は中実繊維であっても、中空繊
維であってもよい。
また、紡出する繊維の横断面における外形や中空部の形
状は、円形であっても異形であってもよい。
更に紡糸するに際して、上記の含金属リン化合杓とアル
カリ土類金属化合物とを添加した変性ポリエステルと添
加しない未変性ポリエステルとを使用し、変性ポリエス
テルを鞘成分とし、未変性ポリエステルを芯成分とする
芯鞘型複合繊維にしても、変性ポリエステルと未変性ポ
リエステルとを用いて二層又はそれ以上の多層のサイド
・パイ・サイド型複合繊維にしてもよい。
(発明の作用・効果) 本発明の混線糸は、特公昭61−19733号公報、特
公昭56−25529号公報に見られる所謂仮撚捲付二
層構造加工糸とその製造工程においては一見似ているが
、その作用効果や糸の構造は全く異なる。
即ち、仮撚捲付二Njyi造加工糸の場合には、仮撚で
糸を捲き付き状態にして高温に加熱し、そのねじれた形
で繊維の分子を再配向結晶化させるので、その形が然固
定される。従って、これを解撚しても捲き付きや撚りぐ
せ(ねじりぐせ)が残って、第4図(g)のような「捲
付」二層横造加工糸となり、このものはスパンライク的
な風合に特徴がある。これに反し、本発明では仮撚で糸
を捲き付き状態にしてもこれは加熱セットはしないので
、その捲き付けぐせやねじりぐせは全く残らず、糸は(
h)のようなあくまでもストレートな糸となり、スパン
ライクな構造にはならない。即ちその構造はフィラメン
ト的なストレートなものである、凍結された分子を無理
矢理引き伸ばすことによる。
今迄の繊維とは全く異なった極めてソフトなタッチを有
する繊維の集合したフィラメント系となる。
まな、このようにガラス転移温度以下の常温等で無理矢
理延伸すると、分子は凍結状態にあるのでその延伸張力
は非常に大きくなり、特に紡糸速度が2000 m/m
in以下の未延伸糸のように分子が殆んど配向していな
いようなものでは、その力は極めて大きい。従って、通
常は延伸ラップや糸切れ、毛羽立ちが発生したりスリッ
プしたりして生産性が困難である。しかしながら、本発
明のようにねじる力でこれを伸ばすとスムースに延伸が
行われ、また伸びる力はねじり力で主に与えられるので
、延伸機のようなローラーに何回もターンできる設備は
勿論、仮撚加工機のようなワンニップの簡単なローラー
装置でも生産上のトラブルもなく簡単に延伸できるとい
う特長も有する。
また、本発明により得られた混繊糸は従来の合成繊維の
概念を破る極めて柔軟な風合特徴を有する。特に比較的
モジュラスが高く、従って風合が硬くて腰の強いポリエ
ステル繊維に応用すると、今迄のポリエステルの特徴的
な硬さはなくなり、非常にソフトな風合、強いて言えば
マシュマロかさくら紙のような柔らかいタッチのフィラ
メントになるので、肌に直接触れるランジェリーなどの
インナー衣料やベビー衣料及び高級ブラウスや高級ドレ
スなどにその用途を拡大することができ、そのメリット
は大きい。
また、本発明に用いる素材としては、延伸可能な合成繊
維であれば制限はないが、特にポリエステル繊維に応用
すると、その本質的に硬い風合を大幅に軟らかく改良で
きる点で、或いはガラス転移温度が高く、本発明の低温
凍結延伸の効果が一層発揮できる点で適用の効果は甚大
である。
かくして得られる特殊混繊ポリエステル繊維から、その
一部を除去するには必要に応じて延伸熱処理又は仮撚加
工等を施した後、又は更に布帛にした後、アルカリ化合
物の水溶液で処理することにより容易に行うことができ
る。
ここで用いるアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイド
ロオキサイド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等をあげ
ることができる.なかでも、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムが特に好ましい。
かかるアルカリ化合物の水溶液の濃度は、アルカリ化合
物の種類、処理条件等によって異なるが、通常0.01
〜40重量%の範囲が好ましく、特に0.1〜30重量
%の範囲が好ましい。処理温度は常温〜100℃の範囲
が好ましく、処理時間は1分〜4時間の範囲で通常行わ
れる。また、このアルカリ化合物の水溶液の処理によっ
て溶出除去する量は、繊維重量に対して2重量%以上の
範囲にすべきである。このようにアルカリ化合物の水溶
液で処理することによって、繊維軸方向に配列し、且つ
度数分布の最大値が繊維軸の直角方向の幅が0.1〜0
.3μの範囲であって、繊維軸方向の長さが0.1〜5
μの範囲になる大きさを有する微細孔を繊維表面及びそ
の近傍に多数形成せしめることができ、染色した際に優
れた色の深みを呈するようになる。
なお、本発明の方法により得られるポリエステル繊維に
は、必要に応じて任意の添加剤、例えば触媒、着色防止
剤、耐熱剤、難燃剤、蛍光増白剤、艶消剤、着色剤等が
含まれていてもよい。
かくして得られるポリエステル混繊糸は、その少くとも
外層部には、微細孔を有するポリエステル繊維が分布す
るものであるから、着色した際に、色の深みと鮮明性に
優れる性質に加えて、非常にソフトな風合、柔らかいタ
ッチを示すので、肌に直接触れるランジェリーなどのイ
ンナー衣料又はベビー衣料に好適である。
また、前記の微細孔を有するポリエステル繊維が使用さ
れる結果、得られるポリエステル織編物は、好ましいド
ライ感が付与される。これは、該微細孔により、前記ポ
リエステル繊維の摩擦特性が、動摩擦抵抗と静摩擦抵抗
との差を大きくするように作用することにもよるものと
考えられる。
更に、本発明は、微細孔形成剤として前記に示したよう
な特定の剤を使用するものであるから、アルカリ性溶液
で処理することにより形成した微細孔に起因するフィブ
リルによる摩耗強度の低下の問題も殆んど発生しないも
のである。
このように本発明によれば、着色時の鮮明性に優れ、且
つ極めて高い柔軟性に富み、且つドライ感も有する、ユ
ニークな風合を有する超ソフト特殊混繊糸を得ることが
できる。
(実施例) 本発明を、更に下記実施例により説明する。
実施例中下記の測定が行われた。
約3000デニールの総を作り、これに荷重0.1g/
deをかけて原長No(cm)を読み取った。前記認の
荷重を2mg/deに変えて、これを沸騰水中で30分
間熱処理し、室温で乾燥させた後、荷重を0.1g/d
eに変えてその長さjet(cm)を読み取った。
次いで、荷重を再度2mg/deに変えて、180℃の
加熱空気中で1分間熱処理した後、取出して荷重を0.
1g/deに変えて、その長さJL(cm)を読み取っ
た。
ρ。一ρ1 沸水収縮率BWS (%)→ ×100 ρ0 沸水後180℃乾熱収縮HS(%) ’Jx一ρ0 ×100 自己伸長率−BWS (%)一}Is(%)織物の柔軟
度は曲げ硬さ(BS)により、また織物の反撓性は曲げ
反発度(BR)により評価した。測定法はJIS L 
1096の6. 20. 3C法(剛軟度ループ圧縮法
)を用いた。
抗ピリング性はJIS L i076の4.1に示され
るICI形試験機を用いて、同試験法6,1に示されて
いるA法(ICI形試験機を用いる方法)により測定評
価した。
摩耗強さは、JIS L 1096のA−3法(折目法
)に示されている方法により、研磨紙として#600を
用いて測定した。
ポリエステル繊維を染色した際の色の深み、摩擦変色は
以下の方法で測定しな。
(1)色の深み 色の深みを示す尺度としては、深色度(K/S)を用い
た。この値はサンプル布の分光反射率<R>を島津RC
−330型自記分光光度計にて測定し、次に示すクベル
カームンク(Kube lkaR!unk )の式から
求めた。この値が大きいほど深色効果が大きいことを示
す。
(1−R)2 K/S = 2R なお、Kは吸収係数、Sは散乱係数を示す。
(9)耐摩擦変色性 摩擦堅牢度試験用の学振型平面摩耗機を使用して摩擦布
としてポリエチレンテレフタレート100%からなるジ
ョーゼットを用い、試験布を500gの加重下で所定回
数平面摩耗して、.変色の発生の程度を変褪色用グレー
スケールで判定しな。耐摩耗性が極めて低い場合を1級
とし、極めて高い場合を5級とした。
実用上4級以上が必要である。
実施例 デレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール6
0部、酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフタル酸
ジメチルに対して0. 066モル%)をエステル交換
缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下4時間がけて140℃か
ら230℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留
去しながらエステル交換反応を行った。続いて、得られ
た反応生成物に、0.5部のリン酸トリメチル(デレフ
タル酸ジメチルに対して0. 693モル%)と0.3
1部の酢酸カルシウム1水塩(リン酸トリメチルに対し
て172倍モル)とを8.5部のエチレングリコール中
で120℃の温度において、全環流下60分間反応せし
めて調製したリン酸ジエステルカルシウム塩の透明溶液
9.31部に室温下0.57部の酢酸カルシウム1水塩
(リン酸トリメチルに対して0.9倍モル)を溶解せし
めて得たリン酸ジエステルカルシウム塩と酢酸カルシウ
ムとの混合透明溶液9.88部を添加し、次いで三酸化
アンチモン0、04部を添加して重合缶に移した。
次いで1時間かけて760mm}Igから1 mmHg
まで減圧し、同時に1時間30分かけて230℃から2
85℃まで昇温した。1 mmHg以下の減圧下、重合
温度285℃で更に3時間、合計4時間30分重合して
極限粘度0.641 、軟化点259℃のボリマーを得
た。反応終了後ボリマーを常法に従いチップ化した。
このチップを常法により乾燥し、孔径0. 3mmの円
形紡糸孔を36個穿設した紡糸口金を使用して290゜
Cで溶融紡糸した。この変性ポリエステルを速度130
0 m/分の紡糸によって得られたポリエステル低配向
未延伸系(tJDY)[自然延伸比160%(倍率にし
て2.6倍)]、伸度:345%、ガラス転移点:67
゜C、繊度: 9Qde’ 、フィラメント数=24本
]と、複屈折率:0.043、自然延伸比:45%(倍
率にして1.45倍)、伸度:140%、ガラス転移点
:80℃、繊度:80de’ 、フィラメント数:36
本、断面形状:円形、速度3200 m/分の紡糸によ
って得られた普通のポリエステル高配向未延伸糸(PO
Y)とを配合比率53:47で引揃え、これをオーバー
フィード:1.0%、圧空圧二4Kg/一の条件で空気
交絡ノズルに供して、フィラメントを互いに交絡させた
。次に、630 m /minの表面速度で回転してい
る三軸式摩擦仮撚装置に、速度:350m/分、伸長率
:55%、仮撚張力: 32g 、解撚張力:27gの
延伸仮撚を室温(25℃》で施し(D/Y = 1. 
8)、交絡されたマルチフィラメントヤーンを加撚した
後これを解撚し、次にオーバーフィード率:0%で23
0℃のヒーター(熱処理時間0.2秒)に通して加熱し
て、各フィラメントの熱収縮率を低下させ、得られた加
工糸をワインダーに巻き取り、110デニール/60フ
ィラメントの糸条を得た。
この糸条を顕微鏡で観察しなところ、各フィラメントの
断面形状に変形はまったく認められなかった。更に、糸
条自体はノントルクであって、フィラメントに捲縮が実
質的に認められず、通常の混繊フラットマルチフィラメ
ントヤーンと同じ外観を示していた。
尚、上記加工において、仮撚装置を除いて、延伸のみを
行ったところ、所要延伸張力は130g/dであった。
次に得られたフラットマルチフィラメントヤーンの特性
は第1表(1)の通りであった。
次いで、これに800 T/mの撚を施してから綾[織
にて製織した。
得られた生機をロータリーワッシャーにて沸胱温度で2
0分間リラックス処理を施し、シボ立てを行い、常法に
よりブリセット後、3.5%の水酸化ナトリウム水溶液
で沸騰温度にて処理し、減量率が10%、20%及び3
0%の布帛を得た。
これらのアルカリ処理後の布帛(織物特性は第2表に示
す通り)をDianix Black HG−FS (
三菱化成工業■製晶)15%owfで130℃で60分
間染色後、水酸化ナトリウムIg/ρ及びハイドロサル
ファイト1g/1を含む水溶液にて70℃で20分間還
元洗浄して黒染布を得な。これらの黒色布の色の深みお
よび摩耗200回後の耐摩擦変色性は第3表の通りであ
った。
この結果、深色性の優れた、しかも、従来ポリエステル
のタッチとは全く異なる、滑かで極めて柔軟性があり、
軽やかで皺にならない全く新しい感性のポリエステル織
物となり、インナーウエアーなと、従来ポリエステル織
物の苦手とする超ソフト分野への商品的進出が可能とな
った。
第1表 第 表 織物の曲げ硬さは、アルカリ減量前で1.5g前後、ア
ルカリ減量後で1.2g前後であった。
比較例1 高速攪拌分散機(攪拌翼外径28mm、外筒環内径29
mm、英国シルバーソンマシーン社製ラボラトリー・ミ
キサー・エマルシファイヤー)を用い、5000rpm
の回転速度下でリン酸モノメチル100部と酢酸カルシ
ウム1水塩の4%エチレングリコール溶液3933部(
リン酸モノメチルに対して等モルの酢酸カルシウムを含
有)とを120℃にて60分間高速攪拌下反応させてリ
ン酸モノエステルカルシウム塩の白濁スラリーを得た。
実施例1においてエステル交換反応後に添加したリン酸
ジエステルカルシウム塩と酢酸カルシウム1水塩との混
合透明溶液の代りに、このスラリーと酢酸カルシウム1
水塩の相当量を添加する以外は、実施例1と同様に行っ
た.結果は第4表に示した通りであり、色の深さは改善
されるどころか、視感濃度の低下が認められた。また、
200回の摩耗で著しく白っぽくなった。
(発明の効果) 本発明の方法は、極めてソフトでユニークな風合を有す
る超ソフト・フラットマルチフィラメントヤーンからな
る混繊糸を、仮撚加工装置を利用して、容易な操作で極
めて高効率で製造することができる。また、本発明の方
法により得られる超ソフト・フラットマルチフィラメン
トヤーンおよびその布帛は、そのユニークな風合と、優
れた物理的特徴を有し、ランジェリーなどのインナー衣
料用、ベビー衣料用および、紳士・婦人用高反抗性ソフ
ト衣料(例えばスーツ等)に広く利用することができる
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の延伸原理を説明する模式図、第2図は本
発明の延伸原理を説明する−模式図、第3図は本発明の
一実施態様を示す工程図、第4図は本発明の糸と従来の
スパンライク糸との違いを示す模式図である。 第3図において、(1)・・・未延伸糸、(2)・・・
未延伸糸{1}よりも配向度の高い添え糸、(3)・・
・供給ローラー、{4}・・・空気交絡ノズル、(5)
・・・中間ローラー、(6)・・・仮撚具、(7)・・
・デリベリローラー(8)・・・熱処理ヒーター、{9
}・・・引取ローラー第1図 第 図 第 図 (子) (/1)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 切断伸度差が少くとも70%以上である2種又はそれ以
    上のポリエステルマルチフィラメント糸を引揃えて、仮
    撚加工するに際して、少くとも1種のマルチフィラメン
    ト糸として、下記の微細孔形成剤を配合したポリエステ
    ルからなるマルチフィラメント糸を用いて仮撚し、仮撚
    中のセット条件を常温若しくは高々78℃迄としてセッ
    トしてから解撚し、解撚直後又はその後の工程において
    、130℃以上の温度で熱処理することを特徴とする鮮
    明性を呈する超ソフト特殊混繊糸の製造方法。 微細孔形成剤を配合したポリエステル [ポリエステルの合成が完了するまでの任意の段階で、
    (a)該ポリエステルを構成する酸成分に対して、微細
    孔形成剤として0.5〜3モル%の下記一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼ (式中、R^1及びR^2は一価の有機基であって、R
    ^1及びR^2は同一でも異なっていてもよく、Mはア
    ルカリ金属又はアルカリ土類金属であって、mはMがア
    ルカリ金属の場合は1、Mがアルカリ土類金属の場合は
    1/2である。)で表わされる含金属リン化合物及び(
    b)該含金属リン化合物に対して0.5〜1.2倍モル
    のアルカリ土類金属化合物を(a)と(b)を予め反応
    させることなく添加する。]
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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