JPH0226777Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車室内の底部を構成するフロアパネ
ルに関し、更に詳しくは、フロアパネルの略中央
部で、車体長手方向に室内側に突出しているトン
ネル部の補強構造に関するものである。

（従来技術） 従来、フロアパネルに形成されたトンネル部の
補強構造としては、実開昭57−74883号公報に記
載されているように、トンネル部の上部隅角部に
ガゼツトを取付けて、この隅角部とともに閉断面
を形成してトンネル部の剛性を上げたものは知ら
れている。

ところが、上記構造は、トンネル部の剛性を上
げるために新たにガゼツトを用いなくてはいけな
いことから、部品点数の増加に伴なう作業性の低
下という問題を余儀なくされていた。

（考案の目的） 本考案は、このような問題点に鑑みてなされた
もので、トンネル部の上面に固定されたパーキン
グブレーキのケーブルを固定保持するために、上
記トンネル部の車外側上面に設けられたパーキン
グブレーキケーブルのブラケツトの下部に水平部
を形成するとともに、その両側に形成した側部フ
ランジ部をトンネル部の両側を形成する縦壁の車
外側面に固着したことによつて、部品点数の増加
を招くことなくトンネル部の剛性を向上させるこ
とを主目的としている。

（考案の構成） 上記問題を解消するための本考案の構成は、ト
ンネル部の車外側上面に、パーキングブレーキケ
ーブルのブラケツトの上部に形成した上部フラン
ジ部を固着し、この上部フランジ部から折り曲げ
られて形成した垂直部に設けられた開口部に、上
記パーキングブレーキケーブルが挿通し、さら
に、上記垂直部の下部を折り曲げて水平部を形成
し、その両側に形成した側部フランジ部を、上記
トンネル部の両側を形成する縦壁の車外側面に固
着したことを特徴とする。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図に示す自動車の後部車体フロア構造にお
いて、１は車体の底部を構成するフロアパネル
で、その中央部には、車体の長手方向で車室内側
に突出するトンネル部２が形成されており、その
上面およびフロアパネル１の上面には、車幅方向
に延びるクロスメンバー３が溶接によつて固定さ
れている。

上記トンネル部２の裏面、すなわちトンネル部
２の車外側上面には、パーキングブレーキの操作
部（図示せず）と、リアブレーキ（図示せず）と
を連結するケーブルのアウターケーブルを固定保
持するためのパーキングブレーキケーブルのブラ
ケツト４（以下、単にケーブルブラケツトとい
う）が固定されている。

このケーブルブラケツト４について第２図から
第３図に基づいて詳細に説明する。

なお、５は、前記クロスメンバー３の下方に配
設されるガイド部材であつて、このガイド部材５
は、パーキングブレーキの操作部に一端が固定さ
れ、他端がガイド部材５とケーブルブラケツト４
との間に設けられたイコライザー７に固定された
第１ケーブル８をガイドしているものである。

上記ケーブルブラケツト４は、クロスメンバー
３とフロアパネル１の立上り部１ａとの間に取付
けらるとともに、先端が上記イコライザー７に固
定され、後端が左右のリアブレーキに固定される
２本の第２ケーブル９，９のアウタケーブル９ａ
を固定保持しているものである。

また、このケーブルブラケツト４は、トンネル
部２の内面すなわち車外側の上面に沿つて固着さ
れる上部フランジ部４ａが設けられ、この上部フ
ランジ部４ａの車体後方側の一端から下方に折り
曲げて形成した垂直面４ｂと、この垂直面４ｂに
は上述した第２ケーブル９，９のインナケーブル
９ａが挿通されアウタケーブル９ｂを固定保持す
る開口部４ｃが２つ開けられている。また、垂直
面４ｂの下端が車体後方側に折り曲げられて水平
部４ｄが形成され、さらに、この水平部４ｄの両
側を下方に折り曲げて形成された側部フランジ部
４ｅは、上記トンネル部２の車体側の両側を形成
する縦壁に固着されるものである。

なお、４ｆはスプリング１０を介して上記イコ
ライザー７を車体後方側に付勢させるためのブラ
ケツトである。また、１１はガイド部材５に形成
された凹部に装着され、その内部に第１ケーブル
８が挿通されたガイド片である。

上記構成によれば、別部材等を設けることなく
従来から用いられていたパーキングブレーキのケ
ーブルブラケツトに、トンネル部の車外側の両縦
面を直線的に橋渡しする水平面を形成しているの
で、トンネル部の剛性を大幅に向上させることが
できるのみならず、当然パーキングブレーキのケ
ーブルブラケツトの剛性をも向上させることがで
きるものである。

（考案の効果） 本考案は、上記構成にすることにより別部材等
を用いることなく簡単な構造でトンネル部の剛
性、特にねじり、横荷重に対しての剛性を大幅に
向上させることができる車体のフロア構造を提供
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のパーキングブレーキケーブ
ルのブラケツトを装着した車体後部のフロア構造
の斜視図を示し、第２図は、第１図における要部
詳細拡大図、第３図は、ケーブルブラケツトの単
体斜視図を示しているものである。 ２：トンネル部、４：パーキングブレーキのケ
ーブルブラケツト（ケーブルブラケツト）、５：
ガイド部材、４ａ：上部フランジ部、４ｂ：垂直
面、４ｃ：開口部、４ｄ：水平面、４ｅ：下部フ
ランジ部、４ｆ：ブラケツト、７：イコライザ
ー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室内の底部を構成するフロアパネルの略中央
   部で、車体の長手方向に車室側に突出しているト
   ンネル部の車外側上面に沿つて、パーキングブレ
   ーキケーブルのブラケツトが取付けられる車体の
   フロア構造であつて、上記ブラケツトの上部に形
   成された上部フランジ部が、上記トンネル部の車
   外側上面に固着されていて、この上部フランジ部
   の一端から折り曲げられて下方に延びた垂直部が
   形成され、この垂直部に設けられた開口部に、上
   記パーキングブレーキケーブルが挿通保持されて
   いて、上記垂直部の下部を折り曲げて水平部が形
   成されていて、この水平部の両側に形成された側
   部フランジ部を、上記トンネル部の両側を形成す
   る縦壁の車外側面に固着したことを特徴とする車
   体のフロア構造。