JPH0226551B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は振動部品供給機における部品選別方法
に関する。

わん形状の部品受容器の内側壁部にらせん状の
部品移送用トラツクを形成させ、ねじり振動力に
より該トラツク上の部品を移送するようにした振
動部品供給機は一般にパーツフイーダと呼ばれ、
部品を一個宛所望の姿勢で供給するのに広く利用
されている。所望の姿勢で部品を供給するために
は部品受容器内に部品選別手段を設けなければな
らないが、これには部品の形状や性状に応じて各
種の選別手段が知られている。

然るに部品によつては従来の手段では選別が困
難であつたり、複雑な機構を必要とするものがあ
る。

本発明は上述の問題に鑑みてなされ、従来より
広範囲の部品に適用可能であり簡単な構成で選別
可能とする振動部品供給機における部品選別方法
を提供することを目的とする。この目的は本発明
によれば、部品移送路に振動を与えて該部品移送
路上の部品を移送するようにした振動部品供給機
において前記部品移送路の少なくとも一部を振動
による部品の移送方向に向つて一側方に下向きに
傾斜させて選別移送路とし、選別すべき部品の姿
勢による該部品と前記傾斜した選別部品移送路と
の間のすべり摩擦力の差を利用して、すべり摩擦
力の小さい方の姿勢の部品は前記傾斜した選別移
送路上を前記一側方へと滑動させることにより該
選別移送路から下方へと排除するようにし、すべ
り摩擦力の大きい方の姿勢の部品は前記傾斜した
選別移送路上を前記移送方向に向つてそのまゝ進
行させ該選別移送路を通過させるようにしたこと
を特徴とする振動部品供給機における部品選別方
法、によつて達成される。

以下、本発明の実施例について図面を参照して
説明する。

本実施例では第１Ａ図及び第１Ｂ図に示す部品
１の選別が行われる。部品１はゴム製で円柱形状
であるが、第１Ａ図に示す姿勢で矢印Ａ方向に供
給し、第１Ｂ図に示す姿勢の部品１は排除するも
のとする。

第２図において、パーツフイーダ全体は２で示
され、わん形状の部品受容器３の底部にはねじり
振動駆動部４が結合される。ねじり振動駆動部４
において、可動コア８は部品受容器３の底部に固
定され、これは傾斜配設した複数の板ばね９によ
りベース１０と結合される。ベース１０上にはコ
イル７を巻装させた電磁石６が固定される。ねじ
り振動駆動部４全体は筒状のカバー５によつて被
覆され、パーツフイーダ２全体は防振ゴム１１に
より基台上に支持される。

第３図に示すように部品受容器３内にはらせん
状のトラツク１２が形成され、この排出端部１４
の少し上流側に部品選別手段１３が設けられてい
る。部品選別手段１３は主として選別移送路形成
板１６から成り、孤状であつた部品受容器３の一
部を切り欠いて、こゝに挿入し一体化されてい
る。この外方にはポケツト１５が一体的に固定さ
れ、その内空間１７は部品受容器３の側壁部に形
成した孔１８を介して部品受容器３の内部と連通
している。

選別移送路形成板１６は第４Ａ図又は第４Ｂ図
に示すようにポケツト１５側に向つて下向きに傾
斜しており、その傾斜角は水平線Ｈ−Ｈに対して
αである。部品受容器３のトラツク１２も部品受
容器３の外方に向つて下向きに傾斜しているが、
その傾斜角は本実施例では上述のαよりは大き
い。また、このαは第４Ａ図に示す姿勢の部品１
はねじり振動力により、そのまゝ選別移送路形成
板１６上を移送させるが、第４Ｂ図に示す姿勢の
部品１は部品受容器３の外方に向つて選別移送路
形成板１６上を転動してポケツト１５の内空間１
７へと落下するような大きさの傾斜とする。すな
わち、部品１の底面と選別移送路形成板１６の間
の摩擦力は、部品１の周面と選別移送路形成板１
６との間のころがり摩擦力よりは充分に大きい
が、この差を利用している。

本発明の実施例は以上のように構成されるが、
次にこの作用について説明する。

部品受容器３内には多量の部品１が投入される
が、図をわかり易くするために散在的に示す。ね
じり振動駆動部４のコイル７に交流を通電すると
ねじり振動力が発生し、部品受容器３内の部品１
はトラツク１２に沿つて移送される。トラツク１
２は外方に向つて下向きに傾斜しているので部品
１は側壁部に片寄つて進行する。部品１は円柱形
状であり、その高さは底部の径に比べかなり大き
いので、倒れた姿勢の部品１はねじり振動とトラ
ツク１２の傾斜とにより高さを移送方向に向ける
ような力を受け第１Ｂ図に示すような姿勢で矢印
Ａ方向に移送されるようになる。結局、選別移送
路形成板１６上には各部品１は第１Ａ図又は第１
Ｂ図に示す姿勢で至る。第１Ａ図の姿勢の部品１
は、その底面と選別移送路形成板１６との間の働
らく摩擦力がかなり大きいので、形成板１６のα
の傾斜角で外方へと滑ることなく、ねじり振動力
によつて形成板１６上を小さなジヤンプをくり返
しながらそのまゝ進行する。他方、第１Ｂ図に示
す姿勢の部品１はその周面と形成板１６との間の
摩擦力が充分に小さいので、すなわち、ころがり
摩擦力が充分に小さいので、第４Ｂ図に示すよう
にαの傾斜角による重力作用で形成板１６を転動
してポケツト１５の内空間１７内に落下する。そ
して孔１８を通つて下方のトラツク部分に落下す
る。結局、トラツク１２の排出端部１４からは第
１Ａ図に示す姿勢で部品１が１個宛供給される。
なお、以上の説明で倒れた部品１はねじり振動力
とトラツク１２の傾斜とにより高さ方向を移送方
向とするような矯正力を受けるとしたが、高さ方
向を移送方向に対し垂直方向にした部品１を、例
えばトラツク１２の一部の巾を小さくして、この
ような姿勢の部品１をトラツク１２から下方のト
ラツク１２部分に落下させるようにしてもよい。
あるいは選別移送路形成板１６の傾斜角αによつ
ては倒れた姿勢の部品１はいづれにしても摩擦力
が小さいので形成板１６から滑動除去させること
が可能である。

第６Ａ図及び第６Ｂ図は部品選別手段の変形例
１９を示す第４Ａ図及び第４Ｂ図と同様な断面図
である。第４Ａ図及び第４Ｂ図に対応する部分に
ついては同一の符号を付すものとする。この選別
移送路形成板２０も上述の形成板１６と同様に平
面的には孤状であるが、外縁側に突起２０ａが弧
状に形成されている。部品１が第６Ａ図に示すよ
うに立つた姿勢でも、摩擦係数の変動やねじり振
動の振巾によつては形成板１６上を外方へと移動
する力を受けることも考えられる。勿論、第６Ｂ
図に示す姿勢の部品１の方が摩擦力が小さいので
外方へと確実に転動するろであるが、突起２０ａ
により立つた姿勢の部品１は落下を防止され、倒
れた部品１は加速をつけた突起２０ａをのり越え
て落下する。

第７Ａ図及び第７Ｂ図は部品の他例を示すもの
であるが、このような部品２１も本実施例により
選別可能である。本部品２１は板状であつて、そ
の表面２２には凸状に数字が形成されている。裏
面２３には何も形成されておらず完全に平らであ
る。このような部品２１は第７Ａ図に示すように
表向きで移送されてきた場合には選別移送路形成
板１６で裏面２３と該形成板１６との間の摩擦力
は充分に小さいので外方へ滑動して除去される。
また第７Ｂ図に示すように裏向きで移送されてき
た場合には表面２２と形成板１６との間の摩擦力
が充分に大きいので該形成板１６を滑動すること
なくねじり振動力を受けて、そのまゝ矢印Ｂ方向
に進行する。

以上、本発明の実施例について説明したが、勿
論本発明はこれに限定されることなく本発明の技
術的思想に基づいて種々の変形が可能である。

例えば、以上の実施例ではいわゆるらせん式の
パーツフイーダを説明したが、本発明は直線的な
部品移送路を有し、これに直線的な振動力を与え
るいわゆるリニアパーツフイーダにも適用可能で
ある。

また以上の実施例では本発明に係わる選別手段
だけを示したが、他の従来の各種の選別手段と組
み合わせて用いてもよい。

また、以上の説明では部品選別移送路形成板１
６の材質については言及しなかつたが、適用さね
る部品との関連で適宜選定すればよい。あるいは
形成板１６上に何らかの表面処理（例えばテフロ
ンコーテイング）を行うようにしてもよい。また
部品にシリコンオイルを全体的に、あるいは部品
的に塗布するようにしてもよい。

以上述べたように、本発明の振動部品供給機に
おける部品選別方法によれば、広範囲の種類の部
品の選別が可能であり、構造も極めて簡単なもの
とすることができる。従つてコストダウンを図る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１Ａ図及び第１Ｂ図は本発明の実施例に適用
される部品のそれぞれ異なつた姿勢で示す斜視
図、第２図は本発明の実施例による部品選別手段
を備えたパーツフイーダの部分破断側面図、第３
図は同平面図、第４Ａ図及び第４Ｂ図は本実施例
の作用を説明するための第３図における−線
方向拡大断面図、第５図は第３図における部品選
別手段の拡大斜視図、第６Ａ図及び第６Ｂ図は部
品選別手段の変形例を示す第４Ａ図及び第４Ｂ図
と同様な拡大断面図、第７Ａ図及び第７Ｂ図は本
実施例に適用可能な部品の他例をそれぞれ異なつ
た姿勢で示す斜視図である。 なお図において、１，２１……部品、２……パ
ーツフイーダ、３……部品受容器、１３，１９…
…部品選別手段、１６，２０……選別移送路形成
板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 部品移送路に振動を与えて該部品移送路上の
   部品を移送するようにした振動部品供給機におい
   て前記部品移送路の少なくとも一部を振動による
   部品の移送方向に向つて一側方に下向きに傾斜さ
   せて選別移送路とし、選別すべき部品の姿勢によ
   る該部品と前記傾斜した選別部品移送路との間の
   すべり摩擦力の差を利用して、すべり摩擦力の小
   さい方の姿勢の部品は前記傾斜した選別移送路上
   を前記一側方へと滑動させることにより該選別移
   送路から下方へと排除するようにし、すべり摩擦
   力の大きい方の姿勢の部品は前記傾斜した選別移
   送路上を前記移送方向に向つてそのまゝ進行させ
   該選別移送路を通過させるようにしたことを特徴
   とする振動部品供給機における部品選別方法。