JPH02245B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は振動部品供給機における部品整送装置
に関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

第１１図はある小型の電子部品１の拡大斜視図
であるが、頭部２と脚部３とから成り、その全長
ｌは約16mm、頭部２の径は約３mm、長さは約3.5
mm、脚部３の径は約0.3mmである。このような部
品１を第１２図に示すように頭路２を移送路４に
懸吊させた姿勢で供給したい場合がある。５は移
送路４に形成させたスリツトでこの中に脚部３を
挿通させている。

脚部３の重量が比較的大きい場合には、部品１
全体の重心は頭部２の重心よりかなり脚部３寄り
にあるので、第１２図に示すような懸吊姿勢をと
りやすいが、脚部３の重量が批較的小さい場合に
は、部品１全体の重心は頭部２の重心の近傍にあ
るために、懸吊姿勢をとりにくゝ、第１１図で示
すように横たわつた姿勢で矢印方向に移送されが
ちとなる。すなわち、頭部２の周壁部をスリツト
５にまたがらせ、脚部３を移送路４の移送方向に
沿わせた姿勢のまゝ移送される。従来はこのよう
な場合には、スリツト５の下方に永久磁石Ｍを設
けこの磁気力で、磁性材で成る脚部３を吸引し
て、強制的に懸吊姿勢をとらせるようにしてい
る。従つてコスト高となるのみならず、場合によ
つては磁気力が他部材に悪影響を及ぼす。また、
脚部３が磁性材で成る場合はよいが、そうでない
場合には懸吊姿勢を強制的にとらせることができ
ない。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は上記問題に鑑みてなされ、永久磁石を
用いることなく頭部と脚部とから成る部品でその
頭部に又はその近傍に重心があるような部品に積
極的に懸吊姿勢をとらせることができる振動部品
供給機における部品整送装置を提供することを目
的とする。

〔手段〕

上記の目的は、振動により部品を移送し、頭部
と脚部とから成り、全体の重心が該頭部又はこの
近傍にある部品を振動により移送し、かつ懸吊し
た姿勢で供給するようにした振動部品供給機にお
ける部品整送装置において、直線的なスリツトを
有する下り傾斜移送部と、該下り傾斜移送部の下
流側端部に段差をもつて接続され、前記スリツト
と整列する直線的なスリツトを有する上り傾斜移
送部とから成り、前記下り傾斜移送部では前記ス
リツト上で頭部を支持して横臥した姿勢で前記部
品を比較的高速度で移送し、前記段差で該頭部が
落下するときに重心のまわりの回動力を受けなが
ら前記上り傾斜移送部に移行し該頭部を懸吊させ
て、該上り傾斜移送部では比較的低速度で移送す
るようにしたことを特徴とする振動部品供給機に
おける部品整送装置によつて達成される。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例による振動部品供給機に
ついて図面を参照して説明する。

図において、振動部品供給機は全体として１０
で示され、部品受容部（ボールとも呼ばれる）１
１に一体的に本発明に係わる部品整送装置１２が
固定されている。部品受容部１１の底部には第１
図に示すように可動コア１３が固定され、これに
対向して固定コア１６がベース１４上に配設され
る。固定コア１６はコイル１７を巻装し、これに
交流を通電すると可動コア１３との間に交番吸引
力が生ずる。可動コア１３とベース１４とは等角
度間隔で傾斜して配設された板ばね１５により結
合される。ねじり振動駆動部は上述の可動コア１
３、固定コア１６、コイル１７、板ばね１５など
によつて構成され、その全体はカバー１９によつ
て被覆される。また、供給機１０全体は防振ゴム
１８により床上に支持される。部品受容部１１に
は第２図に示すようにらせん状にトラツク２０が
形成されている。

トラツク２０の排出端２０ａに整合して本発明
に係わる部品整送装置１２が部品受容部１１に一
体的に固定されるが、次にこの詳細につき第３図
〜第１０図を参照して説明する。

部品整送装置１２は第３図に示すように上流側
から順に下り傾斜移送部２２、上り傾斜移送部２
３、選別移送部２４及び姿勢保持移送部２５から
成つている。

下り傾斜移送部２２は第４図に示すように一対
のブロツク２６ａ，２６ｂから成つており、これ
らの間にスリツト２８を形成させている。両ブロ
ツク２６ａ，２６ｂはねじ２９によつて一体化さ
れている。ブロツク２６ａ，２６ｂの上面２７
ａ，２７ｂは相互に向つて下向きに傾斜している
と共に第８図に示すように移送方向に向つて下向
きに傾斜している。

上り傾斜移送部２３は第５図に示すように一対
のブロツク３０ａ，３０ｂから成つており、これ
らの間にスリツト３２を形成させている。このス
リツト３２は上流側の下り傾斜移送部２２のスリ
ツト２８と整列している。また、下り傾斜移送部
２２と上り傾斜移送部２３とは第３図及び第８図
に示すように段差４０をもつて接続される。ブロ
ツク３０ａ，３０ｂの上面３１ａ，３１ｂは左右
に関しては水平であるが、移送方向に向つては第
８図に示すように上向きに傾斜している。

選別移送部２４は第６図に示すように、一対の
ブロツク３３ａ，３３ｂから成り、それらの間に
スリツト３５を形成させている。このスリツト３
５は上流側の上り傾斜移送部２３のスリツト３２
と整列している。ブロツク３３ａ，３３ｂの上面
３４ａ，３４ｂは外側に向つて下向きに傾斜して
おり、その上端のエツジ部分で部品１の頭部２を
受けるようになつている。

姿勢保持移送部２５は第７図に示すように一対
のブロツク３６ａ，３６ｂから成つており、それ
らの間に段付スリツト３８を形成させている。移
送路を形成するための内方突出部４１ａ，４１ｂ
の上面３８ａ，３８ｂで部品１の頭部２が受けら
れ、ブロツク３６ａ，３６ｂの上端部３９ａ，３
９ｂ間の間隔は部品１の頭部２の径よりわずかに
大きい。また、内方突出部４１ａ，４１ｂの上面
３８ａ，３８ｂは移送方向に関し水平であり、内
方突出部４１ａ，４１ｂ間の間隔は上流側の選別
移送部２４のスリツト３５と整列している。両ブ
ロツク３６ａ，３６ｂはねじ３７により一体的に
固定されている。なお、本実施例では下り傾斜移
送部２２、上り傾斜移送部２３及び選別移送部２
４は一体的に形成されている。

部品整送装置１２は以上のように構成される
が、この装置１２の下り傾斜移送部２２、上り傾
斜移送部２３及び選別移送部２４を囲むようにポ
ケツト２１が部品受容部１１に固定されており、
これら移送部２２，２３，２４から落下した部品
１を受けて、部品受容部１１内に導くようにして
いる。このため図示せずとも部品受容部１１の側
壁部には開口がポケツト２１に連通して形成され
ているものとする。

本発明の実施例は以上のように構成されるが、
次にこの作用について説明する。

本振動部品供給機１０の使用に当つては、ま
ず、部品受容部１１に多量の部品１が投入され
る。なお各図では部品１は散在的に図示されてい
るが、実際には更に高密度で分布している。

コイル１７に交流を通電するとねじり振動力が
発生し、部品受容部１１及びこれと一体的な部品
整送装置１２がねじり振動を行なう。部品受容部
１１内の部品１は振動によりトラツク２０に沿つ
て移送されトラツク排出端２０ａから部品整送装
置１２の下り傾斜移送部２２に導かれる。この移
送部２２の上面２７ａ，２７ｂは相互に向つて下
向きに傾斜しているので、トラツク排出端２０ａ
から横向きで導入されても振動による移送力と相
まつて長手方向を移送方向に向けるようになる。
部品１は第３図で示すような姿勢で移送されるの
であるが、その移送速度は上面２７ａ，２７ｂが
移送方向に向つて下向きに傾斜しているので重力
作用も受けて、比較的大きくなる。なお、部品１
の密度が大きく多列で導かれた場合には、外側の
列の部品１はこの移送部２２の排出端からポケツ
ト２１内に落下して再び部品受容部１１内に導か
れる。

第８図に示すように部品１が頭部２を前にして
上り傾斜移送部２３の上面３１ａ，３１ｂ上に導
かれる場合には、頭部２が下り傾斜移送部２２の
端部から離れるときに第８図において重力による
時計方向の回転モーメントが加わる。また、上り
傾斜移送部２３での移送速度は上流側の下り傾斜
移送部２２での移送速度より小さいので、時計方
向の回転モーメントは更に大きくなつて部品１は
移送と共に懸吊姿勢をとるべく回動し、第８図で
１′，１″で示す部品のように姿勢を変えて行く。
なお、以上では各部品１の間隔が充分に大きいも
のとして説明したが、間隔が小さいときには、特
に効果的に懸吊姿勢をとる。すなわち、第８図で
１，１′の姿勢にある部品は上流側から押される
ようにして進行する。換言すれば、部品は上り傾
斜移送部２３では移送速度が比較的小さいために
密度が上流側より高くなる。これにより押し合い
上面３１ａ，３１ｂ上では移送と共に頭部２を
１″のように立てようとする力が働らき、結果と
して懸吊姿勢をとる。

第９図に示すように部品１が脚部３を前にして
上り傾斜移送部２３の上面３１ａ，３１ｂ上に導
かれる場合には、頭部２を前にして導かれる場合
より段差４０により比較的容易に懸吊姿勢をと
る。すなわち、頭部２が段差４０から落下すると
きに重力作用によりその重心のまわりに第９図に
おいて反時計方向に回動する力を受ける。これに
より１′，１″で示すように懸吊姿勢をとろうとす
るのであるが、この場合にも移送速度が段差４０
の上流側と下流側とで変化するので段差４０を移
行するときに懸吊姿勢を強制的にとらせるような
力が働らく。

以上は各部品１の間隔が充分に大きいときであ
るが、部品１の密度が高くて、間隔が小さいとき
には特に効果的に懸吊姿勢をとる。すなわち、第
９図で１，１′の姿勢にある部品は上流側から押
されるようにして進行する。換言すれば、部品は
上り傾斜移送部２３では移送速度が比較的小さい
ために密度が上流側より高くなる。これにより押
し合い上面３１ａ，３１ｂ上では移送と共に頭部
２を１″のように立てようとする力が働らき、結
果として懸吊姿勢をとる。

上り傾斜移送部２３で懸吊された部品１はその
まゝの姿勢で選別移送部２４を進行し、姿勢保持
移送部２５に入り第７図に示すようにその姿勢を
保持して進行する。振動により頭部２は左右に揺
動するが、ブロツク３６ａ，３６ｂの上端部３９
ａ，３９ｂによりその揺動巾が規制される。これ
により姿勢が大きく崩されることなく懸吊姿勢を
保持することができる。

以上のようにして大部分の部品１は選別移送部
２４ではすでに懸吊姿勢をとつて、そのまゝこゝ
を進行するのであるが、場合によつては（例えば
部品の分布密度が高過ぎたり、部品自体に脚部３
の曲がりのような欠点のあるような場合）、懸吊
姿勢をとることなく第１０図で示すように横たわ
つた姿勢で選別移送部２５を進行することもあ
る。然しながら、第６図に示すようにこの移送路
を形成するブロツク３３ａ，３３ｂはエツヂとな
つているので振動により直ちに側方へと落下して
しまう。また、前後の部品１′，１″と当接して進
行している場合には、押し合う力を受けて、一点
鎖線で示すように側方へとはみ出し、斜面３４ａ
又は３４ｂを滑動してしまう。

以上のようにして、下り傾斜移送部２２及び上
り傾斜移送部２３で仮に懸吊姿勢をとることがで
きなかつたとしても選別移送部２４では完全に除
去され結局、振動部品供給機１０からはすべて懸
吊姿勢で部品１が一個宛、外部に供給される。

以上、本発明の実施例について説明したが勿論
本発明はこれに限定されることなく本発明の技術
的思想に基づいて種々の変形が可能である。

例えば、以上の実施例では下り傾斜移送部２２
と上り傾斜移送部２３との間に段差４０を設けた
が、部品の形状によつては、あるいは傾斜角によ
つては省略することができる。

また、下り傾斜移送部２２は下り傾斜のみでな
つているが上流側で下り傾斜とし、下流側で水平
となし、この水平部分と次の上り傾斜移送部２３
との間に段差を設けるようにしてもよい。

また以上の実施例ではらせん状のトラツクを有
する、いわゆるパーツフイーダが説明されたが、
直線状のトラツクを有する、いわゆるリニアパー
ツフイーダにも本発明は適用可能である。

また、部品の頭部も実施例の円柱形状に限るこ
となく種々の形状のものに本発明は適用可能であ
る。また、脚部も１本でなく、２本あるいはそれ
以上であつてもよい。

〔発明の効果〕

以上述べたように本発明の振動部品供給機にお
ける部品整送装置によれば、頭部と脚部とから成
る部品で頭部又はその近傍に重心があるような部
品に、永久磁石を用いることなく確実に懸吊姿勢
をとらせることができる。よつて製造コストを低
下させることができる。また、脚部が磁性材で成
らない部品にも積極的に懸吊姿勢をとらせること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例による振動部品供給機
の部分破断側面図、第２図は同平面図、第３図は
第１図における要部の部分拡大斜視図、第４図は
第３図における―線方向断面図、第５図は第
３図における―線方向断面図、第６図は第３
図における―線方向断面図、第７図は第３図
における―線方向断面図、第８図、第９図は
本実施例の作用を説明するための第５図における
―線方向拡大断面図、第１０図は同じく本実
施例の作用を説明するための第３図における選別
移送部の拡大平面図、第１１図は本実施例に適用
される部品の拡大斜視図、及び第１２図は従来の
振動部品供給機において懸吊姿勢をとつている部
品を移送路と共に示す断面図である。 なお図において、１０……振動部品供給機、１
２……部品整送装置、２２……下り傾斜移送部、
２３……上り傾斜移送部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 頭部と脚部とから成り、全体の重心が該頭部
   又はこの近傍にある部品を振動により移送し、か
   つ懸吊した姿勢で供給するようにした振動部品供
   給機における部品整送装置において、直線的なス
   リツトを有する下り傾斜移送部と、該下り傾斜移
   送部の下流側端部に段差をもつて接続され、前記
   スリツトと整列する直線的なスリツトを有する上
   り傾斜移送部とから成り、前記下り傾斜移送部で
   は前記スリツト上で頭部を支持して横臥した姿勢
   で前記部品を比較的高速度で移送し、前記段差で
   該頭部が落下するときに重心のまわりの回動力を
   受けながら前記上り傾斜移送部に移行し該頭部を
   懸吊させて、該上り傾斜移送部では比較的低速度
   で移送するようにしたことを特徴とする振動部品
   供給機における部品整送装置。