JPH0223844Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、鉄骨鉄筋コンクリート建造物等を構
築する際に仮設されるコンクリート打設用型枠の
角部を支持するパイプを緊締するパイプ締付金具
に関する。

〔従来技術と問題点〕

鉄筋鉄骨コンクリート建造物等の構築における
コンクリートの型枠の仮設工事は、第１０図に示
すように、型枠はベニヤ板によつて形造られ、
ベニヤ板１の外面にパイプ２を当て、更にパイプ
２の外側にパイプ２に交叉する方向にパイプ３を
当てて型枠を補強すると共に、雄ねじ棒とナツト
を組合せによつて構成されたセパレーター４によ
つてベニヤ板１及びパイプ３を支持する。

型枠の角部分は、ベニヤ板１の継ぎ目が開口し
てコンクリートが流出することのないように、パ
イプ２の外径寸法と同じ高さ寸法を有する桟木５
がベニヤ板１に釘付けされ、桟木５の外側面はパ
イプ３によつて支持されるが、パイプ３の端部を
支持するために、型枠の角部分近くで交叉する二
本のパイプ３の交叉点の外側に更にパイプ製の挟
圧部材６を当て、該パイプ製の挟圧部材６をチエ
ン７によつて緊張し、第１０図の矢印Ｆ方向に押
付ける。

ラエン７を緊張するには、チエン７の両端に取
付けられたフツクをパイプ３とセパレーター４と
の相貫部等に引掛けて、チエン７をパイプ製の挟
圧部材６に巻き付けて固縛し、チエン７の中間部
に設けられたターンバツクル８を締め込むことに
よつて行われる。

しかしながら、ラエン７をパイプ製の挟圧部材
６に固縛して緊張する作業は可成りの工数を必要
とする労働であるため、簡単にパイプ３の交叉点
を緊締する方法が望まれる。

本考案は、短時間でパイプ３の交叉点を確実に
緊締する金具を提供するもので、重量が軽いため
に緊締作業に適し、製造原価が廉価でかつ堅牢で
ある等の数多くの利点を有するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、交叉する二本のパイプの交叉点に両
脇にそれぞれ配置される挟圧部材と、一側面に上
記一方の挟圧部材に接触する凹部を有し地側面に
締込用ナツトとの接触面を有し、上記両側面に対
して少なくとも一個の貫通孔を有する移動金具
と、上記他方の挟圧部材に接触する湾曲部を有し
該湾曲部の反対側に上記移動金具の上記貫通孔に
挿入される雄ねじ部を有するボルト材と、該ボル
ト材の上記雄ねじに螺合し上記押圧部材を介して
上記パイプの交叉点を締付る締付用ナツトとによ
つてパイプ締付金具を構成した。

〔実施例〕

本考案のパイプ締付金具並びにその使用の実施
例を図面を参照して説明する。

なお、従来例と同一部品には同一符号を付す。

第１図において、符号９は、型枠の角部近傍で
交叉する２本のパイプ３の交叉点の両脇に配置さ
れたパイプ製の挟圧部材を示し、符号１０は該パ
イプ製の挟圧部材９に接触する湾曲部１０ａを有
し、湾曲部１０ａの反対側に雄ねじ部１０ｂを有
するＵ字形状のボルトである。

ボルト１０の雄ねじ部１０ｂが挿入される移動
金具１１は、第３図及び第４図に示すように、プ
レス加工により断面がコ字形に成形された本体１
１ａに板１１ｂを溶着したもので、ボルト１０の
雄ねじ部１０ｂ挿入用の孔１１ｃを有する。

移動金具１１の中央部には、パイプ製の挟圧部
材９に接触する凹部１１ｄが形成される。

移動金具１１及びボルト１０によつて挟圧され
たパイプ製の挟圧部材９は、雄ねじ部１０ｂに螺
合する締付用ナツトによつて挟圧され、交叉する
二本のパイプ３を緊締する。

よつて、桟木７を介してパイプ３によつて補強
されたベニヤ板１の角部分は、型板に流し込まれ
たコンクリートの圧力に耐えることができ、角部
分におけるベニヤ板１の接ぎ目にコンクリートを
流出する開口を生ずることはない（第９図参照）。

第２図は、他の実施例を示すもので、ボルト１
０′はパイプ製の挟圧部材９に接触する湾曲部１
０ｄを有し、湾曲部１０ｄの反対側に雄ねじ部１
０ｂを有する。

湾曲部１０ｄは、第５図及び第６図に示すよう
に、板材よりプレス加工された後にボルト１０′
に溶着されたもので、パイプ製の挟圧部材９に接
触する凹部１０ｅを有する。

移動金具１１′は、第７図及び第８図に示すよ
うに、プレス加工により断面がコの字形に成形さ
れた本体１１ｅに板材１１ｆを溶着したもので、
ボルト１０′のねじ部１０ｂ挿入用の孔１１ｇを
有する。

移動金具１１′の中央部には、パイプ製の挟圧
部材９に接触する凹部１１ｈが形成される。

移動金具１１′及びボルト１０′によつてパイプ
製の挟圧部材９が締付けられることによつて交叉
するパイプ３が緊締されることは上述の実施例に
同じである。

〔効用〕

本考案は次の効果を有する。

(a) 本考案の締付金具は、ボルトと移動金具と締
付用ナツト及び挟圧部材のみによつて構成され
ており、装置の重量は軽く、又、締付金具によ
つてパイプを挾持しナツトを締付むのみでパイ
プが緊締できるため、パイプ緊締作業が極めて
容易になり、作業時間も短時間で行うことが可
能となつた。

(b) 本締付金具は構造簡単にして部品数が少いた
め製造費が低廉でかつ堅牢であるなどの利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第９図は本考案の実施例を示し、第１
図はパイプ締付金具の正面図、第２図は他の実施
例におけるパイプ締付金具の正面図、第３図及び
第４図は移動金具の縦断面図及び側面図、第５図
及び第６図は他の実施例における湾曲部の縦断面
図及び側面図、第７図及び第８図は他の実施例に
おける移動金具の縦断面図及び側面図、第９図は
本考案の締付金具の使用例を示す型枠の断面図、
第１０図は締付金具の使用例を示す型枠の断面図
である。 １……ベニヤ板、２，３……パイプ、６，９…
…挟圧部材、４……セパレーター、５……桟木、
１０，１０′……ボルト、１０ａ，１０ｄ……湾
曲部、１０ｂ……雄ねじ部、１１，１１′……移
動金具、１１ｃ，１１ｆ……孔、１１ｄ，１１
ｈ，１１ｅ……凹部、１２……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 交叉する二本のパイプの交叉点の両脇にそれぞ
   れ配置される挟圧部材と、一側面に上記一方の挟
   圧部材に接触する凹部を有し他側面に締込用ナツ
   トとの接触面を有し、上記両側面に対して少なく
   とも一個の貫通孔を有する移動金具と、上記他方
   の挟圧部材に接触する湾曲部を有し該湾曲部の反
   対側に上記移動金具の上記貫通孔に挿入される雄
   ねじ部を有するボルト材と、該ボルト材の上記雄
   ねじに螺合し上記押圧部材を介して上記パイプの
   交叉点を締付る締付用ナツトとによつて構成され
   るパイプ締付金具。