JPH0223728Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ドアやトランクリツド等に装着され
るキイシリンダの取付構造に係り、特に車体外板
に開設した取付孔の周縁にキイシリンダの鍔部を
当接するようにしたキイシリンダの取付構造に関
する。

従来におけるキイシリンダの取付構造として
は、第１図および第２図に示すように、ドアＤの
アウタパネル１に開設した取付孔２にキイシリン
ダＫを嵌挿し、このキイシリンダＫの鍔部３をシ
ーリングワツシヤ４を介して取付孔２の周縁に当
接させる一方、アウタパネル１の内面とキイシリ
ンダＫの胴部５に突設された爪片６との間にクリ
ツプＣを圧入してキイシリンダＫとアウタパネル
１に取付けるようにしたものがある。尚、上記キ
イシリンダＫのシリンダロツド（図示せず）の端
部にはシリンダレバー８が軸支されており、この
シリンダレバー８の回転自由端には、ロツク装置
のロツキングレバー（図示せず）に接続されたリ
モートコントロールロツド９が連結されており、
キイシリンダＫのシリンダロツドの回動操作に応
じてロツク装置の施解錠が為されるようになつて
いる（実開昭57−196755号公報参照）。

しかしながら、このような従来のキイシリンダ
の取付構造にあつては、キイシリンダＫは、アウ
タパネル１の一般面に取付けられていたので、キ
イシリンダＫに不正解除入力が加えられるとアウ
タパネル１が変形すると共にシリンダレバー８が
移動し、且つリモートコントロールロツド９を介
してロツキングレバーがロツク位置からアンロツ
ク位置へ移動してしまうことがあり、ロツク装置
が不正解錠入力によつて解錠されてしまうという
虞れがあつた。

また、キイシリンダＫの鍔部３がアウタパネル
１の一般面より外方へ突出していたために、アウ
タパネル１の一般面に沿つて流れる走行風が鍔部
３に当つて空気抵抗を生じてしまい、整流効果が
悪くなるという問題があつた他、外観品質を損ね
ているという問題もあつた。

更に、キイシリンダＫの鍔部３は、外観上の観
点から必要以上には大きくできないために、シー
リングワツシヤ４に対する鍔部３の当接面積を大
きくとることができず、アウタパネル１と鍔部３
との間の耐水性および耐塵性が十分に確保されな
いという問題があつた。

尚、上記問題点は、ドアＤに設けられるキイシ
リンダＫに限らず、トランクリツドやフユーエル
リツドに設けられるキイシリンダにおいても共通
した問題であつた。

本考案は以上の観点に立つてなされたものであ
つて、その目的とするところは、キイシリンダの
鍔部の表面をアウタパネルの一般面と同一平面に
揃えることによつて、不正解錠による車両の盗難
を有効に防止することができる等、従来の問題点
を解決することのできるキイシリンダの取付構造
を提供することにある。そして本考案の要旨とす
るところは、車体外板に開設した取付孔にキイシ
リンダを嵌挿し、この取付孔の周縁にキイシリン
ダの鍔部を当接させると共に、上記車体外板の鍔
部当接部位を車体外板の一般面より凹設し、鍔部
の表面と車体外板の一般面とを略同一平面にした
キイシリンダの取付構造にある。

以下添付図面に示す実施例に基づいて本考案を
詳細に説明する。

第３図に示す一実施例において、キイシリンダ
Ｋは、従来と同様に、アウタパネル１に開設した
取付孔２に嵌挿され、キイシリンダＫの鍔部３が
取付孔２周縁に当接する一方、クリツプＣを介し
てアウタパネル１に保持されているが、従来と異
なり、鍔部３の外周面１０にテーパを設ける一
方、外周面１０のテーパ形状に対応する形状の嵌
合部１１を、アウタパネル１の取付孔２周縁に車
室内側へ凹設したものである。そして、シーリン
グワツシヤ４を介して嵌合部１１に上記鍔部３を
嵌め込むことにより、鍔部３の表面１２とアウタ
パネル１の一般面とが略同一平面となる他、鍔部
３の裏面１３および外周面１０にはシーリングワ
ツシヤ４が介在される取付構造となつている。

従つて、この実施例においては、アウタパネル
１の一般面と鍔部３の表面１２とが略同一平面と
なつているために、アウタパネル１の表面を全体
に亘つて平滑化することができ、アウタパネル１
表面における空気抵抗を減少することができる。
更に、シーリングワツシヤ４は鍔部３の裏面１３
のみならず外周面１０にも及んでいるので、その
分従来に比べてシール面積が増し防水効果、およ
び防塵効果が向上する。また、キイシリンダＫ取
付部のアウタパネル１は、車室内側に凹設されて
いるため、キイシリンダＫ取付部の強度が高く、
不正解錠入力のロツク装置への伝達を阻止してい
る。

第４図は本考案の変形例を示したものであつ
て、鍔部３の外周面１０をテーパを設けずにスト
レートに形成する一方、この外周面１０のストレ
ート形状に対応する形状の嵌合部１１をアウタパ
ネル１の取付孔２周縁に設けたものである。従つ
てこの変形例においてもシーリングワツシヤ４を
介して嵌合部１１に鍔部３を嵌め込むことによ
り、鍔部３の表面１２とアウタパネル１との一般
面とが略同一平面となる他、鍔部３の裏面１３お
よび外周面１０にはシーリングワツシヤ４が介在
される取付構造となり、前記実施例と同一の作用
効果を得ることができる。

尚、アウタパネル１に設けられる嵌合部１１の
形状は、鍔部３の外周面１０の形状に対応して設
定され、鍔部３が上記実施例以外の形状に形成さ
れた場合にもその形状に略対応した形状に形成さ
れる。また、上記実施例ではドアＤに設けられる
キイシリンダＫの取付構造について説明したが、
ドアＤに限定されることなく、トランクリツドや
フユーエルリツド等におけるキイシリンダにも適
用できることは勿論である。

以上説明したように本考案に係るキイシリンダ
の取付構造によれば、キイシリンダの鍔部表面を
キイシリンダ取付部における車体外板の一般面と
略同一平面としたので、不正解錠による車両の盗
難事故を有効に防止できる。

また、キイシリンダ取付部位において車体外板
から外方突起物をなくすることができたので、車
体外板の表面での空気抵抗を減少させることがで
き、整流効果が増加する他、美観上および安全性
の面でも効果を上げることができた。更に、キイ
シリンダ取付部位におけるシール面積を大きくと
ることができるので従来に比べてシール効果が向
上し、耐水性、耐塵性に優れた取付構造を得るこ
とができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の側面図、第２図は従来のキイ
シリンダ取付構造の一例を示す第１図中−線
断面図、第３図は本考案に係るキイシリンダ取付
構造の一実施例を示す第２図と同様の断面図、第
４図は本考案の変形例を示す第２図と同様の断面
図である。 １……アウタパネル（車体外板）、２……取付
孔、３……鍔部、１１……嵌合部、１２……鍔部
の表面、Ｃ……クリツプ、Ｋ……キイシリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体外板に開設した取付孔にキイシリンダを嵌
   挿し、この取付孔の周縁にキイシリンダの鍔部を
   当接させると共に、上記車体外板の鍔部当接部位
   を車体外板の一般面より凹設し、鍔部の表面と車
   体外板の一般面とを略同一平面にしたことを特徴
   とするキイシリンダの取付構造。