JPH0220345Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は板材を直交させて固定する場合に用い
るコーナー専用型材に関するものである。

（背景技術およびその解決すべき課題） 従来、ガラス板などからなる面板を直交させて
連結する場合に、第１図に示すように、２枚の面
板１，２の内周側端を当接させ、これらの端面１
ａ，２ａ間に扇形状にコーキング材３を充填させ
て、前記両面板１，２を固定したり、第２図に示
すように、一方の面板１の端面１ａと他方の面板
２の外面を同一平面上に位置させ、一方の面板１
の内面と他方の面板２の端面２ａの間にコーキン
グ材３を介在させて、両面板１，２を固定するこ
とが知られている。しかし、これらのものは、両
面板１，２の連結部の強度が不十分である上に、
コーキング施工に失敗すると、コーキング材がは
み出したり、ガラスとコーキング材の間に空隙が
生じたりして外観がよくないという欠点があつ
た。

また、第３図乃至第５図に示すように、アルミ
ニウムやアルミニウム合金の押出型材からなるコ
ーナー専用型材４を用いて２枚の面板１，２を直
交させて固定することが知られているが、これら
のものはコーナー専用型材４に互に直交する溝部
４ａ，４ｂを設け、これらに面板１，２の端部を
嵌め、コーキング材や接着剤を用いるなどして固
定するものであるため、連結部の強度は大きくな
るが、面板１，２の端部が溝部４ａ，４ｂに嵌ま
つているため、ガラス板からなる面板１，２が破
損した場合などに面板１，２を交換することが困
難であると共に、前記型材４の外側から見た幅が
広いので体裁が悪いという問題があつた。また、
第１図、第２図に示すものは勿論、第３図乃至第
５図に示すものも、コーナー部の内側に棚板を支
持するためなどの別部材を固定することが困難で
あるという問題があつた。

本考案者等はこれらの欠陥を除去するための改
良案を先に実願昭58−126804号として創案した
が、このコーナー専用型材は押出加工がむずかし
い点、及び面板とこれを当接させる中空二等辺三
角形部とがずれた場合に隙間を生じて見栄えが悪
い等の問題が解決されていない。

（考案の開示） 本考案は、前述した問題を解決して、直交する
面板の連結部の強度が大きく、体裁がよく、しか
も棚板支持体などの部材を容易に固定することが
でき、かつ押出加工が適確にできると共に、面板
当接個所に隙間を生じないコーナー専用型材を提
供することを目的としている。

上記目的を達成するために、本考案に係るコー
ナー専用型材は、中空コーナー型材において、頂
部から直角コーナー部に連続する第１側辺部と、
直角コーナー部から更に直交方向へ延び、かつ、
第１側辺部より短い第２側辺部と、第２側辺部の
前記直角コーナー部と反対側の端から屈曲して前
記頂部と反対側に相互間隔を有して延び底辺部で
連続する並行側辺部と、並行側辺部の下部から拡
開して設けられた面板端部緩衝用のクツシヨン材
嵌着部と、嵌着部の下端に底辺部と平行の支持体
固着用の溝形成部とを対設した横断面に形成した
ことを特徴としている。

以下、本考案の一実施例につき、第６図の横断
面図及び第７図の斜視図を参照して説明する。

第６図、第７図において、５はアルミニウム又
はアルミニウム合金の押出型材からなる中空のコ
ーナー専用型材であり、この専用型材５は次のよ
うに構成されている。即ち、専用型材５は、第６
図の横断面に於ける上部に湾曲した頂部６が形成
され、この湾曲した頂部６から直角コーナー部６
ａ，６ａへ夫々連続する第１側辺部６ｂ，６ｂが
形成され、更に直角コーナー部６ａ，６ａから直
交する方向へ延び、かつ、第１側辺部６ｂよりも
短い第２側辺部６ｃが形成されている。第２側辺
部６ｃ，６ｃの前記直角コーナー部６ａと反対側
の端から屈曲して前記頂部６と反対側に相互間隔
を有して延び底辺部６ｅで連続する並行側辺部６
ｄ，６ｄが形成されると共に、並行側辺部６ｄ，
６ｄの下部から拡開して前記側辺部６ｃと交叉す
る方向で、しかも外側面にクツシヨン材嵌着部７
が対設される。７ａは嵌着部の外側突条、７ｂは
内側突条である。尚、前記直角コーナー部６ａ
は、場合によつては鋭角或は鈍角であつてもよ
い。

８は溝形成部であつて、前記嵌着部７の下端に
底辺部６ｅと並行する位置に対設される。８ａは
開口溝部である。９は前記底辺部６ｅの上下方向
に適宜間隔を置いて複数個穿設された後述する支
持体３０嵌着用の通孔である。

又、第６図中、４０は前記嵌着部７に上下方向
に帯状に嵌着されたゴム、塩ビ等からなる断面長
方形のクツシヨン材であつて、ガラス板等の面板
１７，１８の端部損傷防止及び取付誤差吸収を目
的として嵌着される。

このクツシヨン材４０は、面板取付時に於て、
嵌着部７と面板１７，１８とが少許の間隙が生じ
るように装着されることが特に面板の損傷防止の
点から好ましい。３４は押出型材５と面板１７，
１８との空隙部に充填されたコーキング材であ
る。

尚、上記第１実施例中、頂部６は湾曲形状とし
たが、これを台形或は先鋭等に変形してもよい。

次に、前述した本考案の一実施例による専用型
材の使用例につき、第８図乃至第１０図を参照し
て説明する。

第８図乃至第１０図はユニツト化した玄関扉装
置を示す。

第８図乃至第１０図中、１０，１１は竪枠、１
２は竪枠１０，１１間に配置された方立であり、
前記竪枠１０，１１および方立１２の上端部が上
枠１３に固定され、下端部が下枠に固定されてい
る。一方の竪枠１０と方立１２間の上部に無目１
４が固定され、無目１４、上枠１３、竪枠１０お
よび方立１２で囲まれた部分にはガラス板などの
適宜の板材で欄間１５が設けられている。一方の
竪枠１０、方立１２無目１４および下枠で囲まれ
た部分に扉１６が嵌められ、扉１６は一側部が蝶
番によつて竪枠１０に枢着され、他側部が方立１
２に当接されてロツクされるように構成されてい
る。

前記方立１２と他方の竪枠１１の間にはガラス
板などの適宜の板材からなる袖部面板１７，１８
が建屋外側に突出する水平断面二等辺三角形状に
配設されている。袖部面板１７，１８は、方立１
２、竪枠１１およびこれらの間に配置した前記実
施例のコーナー専用型材５からなるコーナー部方
立１９に両側部が固定され、上幕枠２０，２１に
上端部が、下幕枠２２，２３に下端部がそれぞれ
固定されている。上幕枠２０と２１、下幕枠２２
と２３が直角を挾む角部でそれぞれ互に固定さ
れ、これらの幕枠２０〜２３にコーナー部方立１
９の上、下端部がそれぞれ固定され、上幕枠２０
と下幕枠２２が竪枠１１に固定され、上幕枠２１
と下幕枠２３が方立１２に固定されていると共
に、上幕枠２０，２１は袖部上枠２４に、下幕枠
２２，２３は袖部下枠２５にそれぞれ固定されて
いる。袖部上枠２４に固定された屋根板２６は、
上幕枠２０，２１にも固定されて袖部面板１７，
１８の上面開口を覆い、袖部下枠２５、下幕枠２
２，２３の下端部が玄関床２７に埋設されてい
る。

前述のように構成された袖部２８の建屋内側の
空間部２９には、方立１２、竪枠１１およびコー
ナー部方立１９の溝形成部１２ａ，１１ａおよび
８に支持体３０が圧入嵌合され、これらの支持体
３０は、第６図、第７図にコーナー部方立１９す
わち専用型材５の場合を示すように、支持体３０
の柱状突起３０ａが部品取付孔９に圧挿されて同
様に固定され、支持体３０上に棚板３１が支持さ
れ、この棚板３１上に植木鉢や置物などが載せら
れるようになつている。

なお、第８図、第１０図中、３２は竪枠１０，
１１、上枠１３の建屋外側面に接して設けた額
縁、３３は玄関開口の両側に位置する柱であり、
また、図示省略したが棚板３１上の屋根板２６に
近い位置には空間部２９の天井が設けられてい
る。

（本考案の効果） 本考案は前記のような構成であつて、専用型材
５の嵌着部７の外面と少許の間隙が生じるように
クツシヨン材４０を介して袖部の面板１７，１８
を支持することで、ガラス等の面板の損傷の発生
やずれによる隙間発生を未然に防止できると共
に、万一面板取付誤差が生じても、これを吸収さ
せることができて便利である。

更に、面板１７，１８の側端面と、側辺部６ｃ
及び並行側辺部６ｄとの間にコーキング材３４を
充填して面板１７，１８を固定するように構成し
たことにより、前記中空の湾曲頂部６が中空柱状
で細幅に形成されるため、体裁がよく玄関等に最
適である。

又、面板１７，１８がガラスなどの透明板の場
合には、これらを溝に嵌める従来のものに比べ、
面板７，１８と専用型材５との重なり寸法が短い
ため、採光面積を広くすることができると共に、
袖部面板１７，１８の交換も容易にできるのであ
る。

しかも、クツシヨン材４０とコーキング材３４
で面板１７，１８を専用型材５に装着することが
できるために、コーナー部材を用いないで面板を
直交させて固定する方式のものと比べ、面板１
７，１８を精度よく容易に直交させることができ
る。

更に、本実施例のものは、底辺部に部品取付孔
９を穿つたことで、棚板３１の支持体３０を頂部
６が細くても、支持体３０を容易に固定できると
いう効果がある。

なお、本考案のコーナー専用型材は、前述した
玄関装置の袖部だけではなく、例えば出窓の天板
と地板の間に箱状の収納部を設ける場合など、直
交する面板を固定するコーナー専用型材として広
く使用できるものであり、また本考案のコーナー
専用型材は溝形成部と三角形部の底辺部を利用し
て棚板の支持体以外の適宜の部材を固定するよう
にしてもよい。

このように、本考案のコーナー専用型材は、建
屋外側から見た場合に細くて体裁がよく、また座
屈のおそれがない等強度が大きく、面板を精度よ
く容易に直交させて支持することができる上、面
板固着個所が損傷しにくく、かつ面板の取付誤差
を吸収することができる他、棚板支持体などの部
材を容易に固定でき、しかも、押出加工が適確に
できる等の多くの優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は２枚の面板を直交させて
固定した一例および他例をそれぞれ示す横断面
図、第３図乃至第５図は従来の互に異なつたコー
ナー専用型材をそれぞれ示す横断面図、第６図お
よび第７図は本考案の一実施例のコーナー専用型
材を示す横断面図および部分斜視図、第８図およ
び第９図は本考案の一実施例のコーナー専用型材
を用いた玄関扉装置を示す正面図および背面図、
第１０図は同横断面図である。 ５……専用型材、６……頂部、６ａ……直角コ
ーナー部、６ｂ……第１側辺部、６ｃ……第２側
辺部、６ｄ……並行側辺部、６ｅ……底辺部、７
……嵌着部、７ａ……外側突条、７ｂ……内側突
条、８……溝形成部、８ａ……開口溝部、９……
通孔、１７，１８……面板、３４……コーキング
材、４０……クツシヨン材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 中空コーナー型材において、頂部から直角コ
   ーナー部に連続する第１側辺部と、直角コーナ
   ー部から直交方向へ延び、かつ、第１側辺部よ
   り短い第２側辺部と、第２側辺部の前記直角コ
   ーナー部と反対側の端から屈曲して前記頂部と
   反対側に相互間隔を有して延び底辺部で連続す
   る並行側辺部と、並行側辺部の下部から拡開し
   て設けられた面板端部緩衝用のクツシヨン材嵌
   着部と、嵌着部下端に底辺部と平行の支持体固
   着用の溝形成部とを対設した横断面に形成した
   ことを特徴とするコーナー専用型材。 (2) 底辺部に部品取付孔を形成した実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のコーナー専用型材。 (3) 嵌着部と嵌着するクツシヨン材は、嵌着時に
   於て面板と嵌着部との間に、少許の間隙を隔て
   て装着される実用新案登録請求の範囲第１項又
   は第２項記載のコーナー専用型材。