JPH0219491A - 高耐食性Zn−Ni系合金めっき鋼板の製造法 - Google Patents

高耐食性Zn−Ni系合金めっき鋼板の製造法

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JPH0219491A
JPH0219491A JP63169352A JP16935288A JPH0219491A JP H0219491 A JPH0219491 A JP H0219491A JP 63169352 A JP63169352 A JP 63169352A JP 16935288 A JP16935288 A JP 16935288A JP H0219491 A JPH0219491 A JP H0219491A
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Japan
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plating
alloy
steel sheet
adhesion
plated steel
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JP63169352A
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English (en)
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Kazuhide Oshima
一英 大島
Nobukazu Suzuki
鈴木 信和
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、めっき皮膜の耐衝撃密着性、加工後密着性
並びに耐食性が共に優れ、例えば自動車用鋼板等に適用
して優れた性能を発揮するZn−Ni系合金電気めっき
鋼板の製造方法に関するものである。
〈従来技術とその課題〉 近年、自動車車体の防錆性能に対する要求は益々厳しく
なってきており、所謂“10−5−2”の防錆目標が掲
げられるに至って自動車用防錆鋼板の更なる防錆性能向
上策は緊急の課題となっていた。特に、「穴あき10年
9表面錆5年」の保証に並々ならぬ重点が置かれたこと
もあって、これに対応すべくこれまで多くの表面処理鋼
板が開発され提案されている。そして、これらの中にあ
って、Zn−Ni系合金めっき鋼板は防錆性、塗装性な
ど総合的な防錆性能が優れていることから既に実用化さ
れており、特に耐大あき腐食性に著効があ4ことから主
として自動車の内装用に使用されてきた。
一方、自動車の外装外面は塗装性が一段と重視されてお
り、これまで塗装性重視の観点から冷延面をそのまま使
用するのが普通であったが(めっき鋼板を使用する場合
でも“片面めっき鋼板”が適用され、非めっき面が外面
側とされていた)、最近では、耐外面錆対策として外面
側にもめっき面を有する両面めっき鋼板を使用する傾向
が高まっている。
ところが、耐食性面でより優れているとされるZn−N
i系合金めっき鋼板は、自動車用外板として見た場合に
はその要求性能に対して次のような問題点が指摘される
ものであり、自動車用外板に適用するにはこれらの問題
点の克服が不可欠であった。
a)通常のZn−Ni系合金めっき鋼板ではめっき層の
Ni含有量が10〜16重量%の範囲で良好な耐食性能
が得られるが、この範囲の合金はT単相の硬い金属間化
合物となっており、そのため該鋼板を自動車用外板とし
て使用すると、走行時に受けがちな飛び石等によるチッ
ピング衝撃によって塗膜の剥離と同時にめっき皮膜の剥
離までをも生じ易い。
そして、チッピング現象によるめっき剥離個所は赤錆が
生じ易く、外部端の発生が極力嫌われる自動車外板とし
ての用途には致命的な問題となる。
b)自動車製造の際のプレス加工工程では、T単相の硬
いめっき皮膜はクラックを生じてプレス型等との摺動に
より素地鋼板から剥離し易い。そして、この結果、上述
したチッピング現象の場合と同じく “裸耐食性の劣化
“や“塗装後の赤錆発生”と言った問題が生じる。
このように、Zn−Ni系合金めっき鋼板を自動車用外
板として検討した場合には、めっき皮膜の耐衝撃密着性
やプレス加工時密着性が劣ることが問題となることから
、これらを解決すべく以下のような提案もなされた。
1)Zn−Ni系合金めっき鋼板の製造に際して、めっ
き浴条件(pH,温度1組成)及び電解条件(電流密度
等)を特定の条件に規制する方法〔米国特許第3,55
8,442号明細書]、 1i)Ni含有量が異なるZn−Ni系合金の多層めっ
きを施す方法(鋼板上に設けるめっきの第1層として、
その上に形成する所定Zn−Ni合金めっき層よりもN
i含有率が高いか或いは低いZn−Ni合金めっき層を
形成させる方法)〔特開昭58−204196号。
特開昭58−6995号〕、 11)同じく鋼板上に設けるめっきの第1層としてNi
、 Cu等のフラッシュめっき(極薄)を施し、その上
に所定のZn−Ni合金めっき層を形成する方法。
しかしながら、これらの方法によると確かにZn−Ni
合金めっき鋼板の耐衝撃密着性改善効果は認められるも
ののその程度は十分に満足できるものではなく、昨今、
特に自動車外板に強く望まれるようになった“耐低温チ
ッピング性”、即ち“北米、カナダ等の寒冷地(−20
〜〜40℃)での石はね等による苛酷な衝撃”によって
起きる鋼板素地からのめっき剥離に対する抵抗性や、更
には自動車メーカー等で年々厳しさが増しているプレス
型の清掃頻度減少対策並びに星目疵減少対策としての耐
パウダリングくめつき粉状剥離)性の向上要求に対して
は、未だ十分に応え得るめっき鋼板を製造するに至って
いないのが現状であった。
なお、Zn−Ni合金めっき鋼板の耐衝撃密着性改善策
については、本発明者等も特願昭61−51518号と
して、まず初期に極薄めっきを施してから一旦これをめ
っき液に自然溶解させ、その後更にZnNi合金電気め
っきを施すと言う方法を提案したが、この方法によって
も、耐衝撃密着性の向上は見られるもののプレス成形時
等での耐パウダリング性や耐食性の十分な改善にまでは
至らなかった。
その上、前記iii )項で示したところの下地をフラ
ッシュめっきする方法では、記述の問題点のほか、塗装
後赤錆が発生し易い等の欠点も指摘されるものであった
ここで、めっき鋼板の耐衝撃密着性、即ち小石が塗装後
のめっき鋼板に 100〜250 km/hrもの高速
で、しかも−20〜−40℃の低温下で衝突すると言っ
たような言わばダイナミックな加工に対するめっき密着
性と、プレス変形のみならず、成形型との厳しい摺動が
加わる状況下で問題となる耐パウダリング性とは共にめ
っきの密着性に関する性能ではあるが、両者ではめっき
の剥離形態(衝撃の場合には薄片状の剥離となる)が異
なる上、剥離メカニズムも異なり、従ってその#1離対
策も自ずから両者で違ったものにしなければならないと
考えられる。
く課題を解決するための手段〉 そこで本発明者等は、優れた耐食性、塗装性を有するこ
とは勿論、めっき皮膜の衝撃に対する耐剥離性とプレス
加工時等における耐パウダリング性の両者にも十分価れ
ためっき鋼板を実現すべく鋭意検討を重ねた結果、「耐
食性や塗装性に優れたZn−Ni系合金めっきを施すに
当って、まず鋼板基板上に高Ni含有量で特定厚さの微
小クラックを無数に有するZn−Ni合金系めっき処理
層を形成し、この下地処理層の上にNi含有量を調整し
たZn−Ni系合金をめっきした場合には、上記所望特
性を備えためっき鋼板が極めて安定に得られる」との知
見を得たのである。
その上、Zn−Ni系合金めっき層に高密着性を付与す
る前記高Ni含有下地処理層は、1層(NisZnz+
)単相或いは〔γ+α〕2相のZn−Ni合金めっき皮
膜(Ni:9〜16重量%)を特定のNi/Zntff
i度でかつ特定温度のめっき液中で無通電浸漬すること
によってのみ得られるもので、この下地処理層により素
地鋼板と所定の高耐食性Zn−Ni系合金めっき層の加
工密着性が著しく向上し、塗装後耐食性においても自動
車車体の外板としても十分に満足できるZn−Ni系合
金めっき鋼板が実現されることをも解明するに至った。
本発明は上記知見等に基づいてなされたものであり、 rZn−Ni系合金電気めっき鋼板を製造するに際して
、まず鋼板の少なくとも片面にγ単相又は〔γ+α〕 
2相のZn−Ni系合金電気めっきを0.1〜5g/r
dの付着量で施し、次いで Nt”及びZn”の濃度:共に20g/A以上。
Ni”°/Zn”濃度比:1〜4゜ 浴温:40〜70°C の酸性めっき浴中にめっき付着itw(g/n?)と無
通電浸漬時間T (sec)との間に T/w=5〜20 なる関係が成り立つ条件で前記薄めっき鋼板を無通電浸
漬した後、引き続いて所定のZn−Ni系合金電気めっ
きを施すことにより、耐衝撃密着性、耐パウダリング性
並びに耐食性に優れ、自動車用鋼板等として十分に満足
できる性能を備えたZn−Ni系合金めっき鋼板を作業
性良く安定して製造し得るようにした点」 を特徴とするものである。
つまり、本発明は“加工後密着性(衝撃やプレス加工を
受けた際の密着性)”及び“耐食性”に優れたZn−N
i系合金めっき鋼板の製造方法に関するものであるが、
その最も特徴とするところは、高Ni含有率(Ni含有
率が相組織を左右する)で微小クラックを無数に有する
下地処理層の形成手段にある。
即ち、該下地処理層は、まず鋼板基板上にT相単相又は
〔γ+α〕の2相組織を有するZn−Ni合金めっきを
0.1〜5g/mの極薄で施し、その後、Ni”及びZ
n”の濃度が共に20g/#以上 )4iZ+/lnZ
+濃度比が1〜4.浴温か40〜70℃のZn−Ni合
金系めっき液中に極薄めっき量w (g/ m )と浸
漬時間T (sec)との間に(T/W=5〜20)な
る関係式を満たす時間Tだけ無通電浸漬漬することによ
って形成される。そして、当該処理によって形成された
下地処理層が、鋼板基板とZn−Ni系合金めっき層と
の間にあってめっき皮膜の高密着性と高耐食性とを付与
し、耐衝撃密着性、耐パウダリング性、耐食性に優れた
Zn−Ni系合金めっき鋼板の製造を可能とする訳であ
る。
次に、本発明において、Zn−Ni系合金めっき鋼板の
製造条件を前記の如くに限定した理由をその作用と共に
説明する。
く作用〉 本発明に係る方法において、第1段階として施されるZ
n−Ni系合金薄めっき(初期薄めっき層)はγ単相又
は〔γ+α〕 2相m織のもので、しかもその付着量は
0.1〜5g/n(に調整される。ここで、Zn−Ni
系合金とは、Zn−Ni合金(Ni : 8〜16重量
%程度)は勿論、これに0.1〜1重量%のCo又は3
重量%未満のTi等を添加して耐熱性や耐食性を高めた
公知のめっき合金を含むものである。
さて、初期薄めっき層の付着量を0.1〜5g/イに限
定したのは次の理由による。即ち、その付着量が0.1
g/ rd未満であるとその後のめっき液による溶解で
残存するNiリッチ層(以降、先にも呼んだ下地処理層
と称す)が少なすぎることとなり、初期薄めっき層の種
類(γ単相又はγ+α2相の種別)によらず十分な耐衝
撃密着性及び耐パウダリング性が得られない。一方、初
期薄めっき層の付着量が5g/%を超えると、良好な下
地処理層を得るのに溶解時間がかかりすぎて生産性を低
下させるだけでなく、Niリッチ下地処理層が多くなり
すぎて逆に裸耐食性が劣化する結果を招く。
更に、本発明者等の詳細な調査によると、この初期薄め
っき層はγ単相(Ni5Znz+又はN15Znzz)
或いはγ+α(Ni−α相)の2相組織であることが不
可欠である。
即ち、第1図は、初期薄めっき層をZn”濃度=30 
g/ l+ Nt”+濃度:50g#!、浴温り0℃、
 l7112のZn−Ni合金めっき液に10秒間浸漬
し、その後30g/rrlのZn−Ni合金主めっき(
Ni : 12重量%)を施したZn−Ni合金電気め
っき鋼板についての耐衝撃密着性の調査結果であるが、
この第1図からも、初期薄めっき層の相構造によりその
後の密着性能が異なり、Znのη相が混在する低Nt含
有率の皮膜ではγ単相或いは(γ+α)2相構造の皮膜
に比して衝撃密着性に劣ることが分かる。これは、めっ
き液で溶解処理した後の皮膜形態(クランクの発生状態
)が相構造により異なっており、これが性能差につなが
る結果であると考えられる。ここで、Zn−Ni系合金
の前記所望相組織はNi含有率の調整等によって確保で
きる。
なお、第1図の結果は、A S T M’ D−317
0−74に規定される耐衝撃密着性試験に準じ、150
m1×100wの鋼板試験片に自動車用3コート仕上げ
(トータル膜厚:100m)を施した後、−20℃の低
温でグラベロチッピングテストを行って得たちのであり
、耐衝撃密着性の評価基準は 4・・・良好でめっき剥離なし。
3・・・めっき剥離面積率が0.2%未満。
2・・・めっき剥離面積率が0.2%以上1%未満。
■・・・めっき剥離面積率が1%以上。
とした。
次に、鋼板上に形成された前記初期薄めっき層はめっき
液に浸漬されて無通電溶解されるが、この溶解にはめっ
き液のZn”濃度及びNi”濃度、並びに温度が大きく
影響する。そして、めっき液のNi”濃度が20g#!
未満ではZn”+濃度によらずめっき鋼板に十分な耐衝
撃密着性が得られない。そして、N HZ +≧20g
/lの条件であればZn”″濃度が少なくても耐衝撃密
着性は良好(評価4)であるが、この場合には耐パウダ
リング性は十分に良好とは言えず、良好な耐パウダリン
グ性をも確保するにはZn”+濃度も208/β以上と
しなければならない。
更に、溶解用めっき液のNi”°濃度はZn”+濃度の
4倍以下とする必要がある。なぜなら、Ni”/Zn”
〉4の領域になるとめっき鋼板の耐食性が劣化し、例え
ば無塗装の5ST(塩水噴霧試験)においても赤錆が発
生し易くなるなどの結果を招く。従って、耐衝撃密着性
、耐パウダリング性及び耐食性が共に満足できるめっき
液の組成は、Ni”及びZn”濃度が共に20g71以
上で、Ni”°/Zn 2”濃度比が1〜4の領域しか
ないことになる。
第2図は、Ig/n?の初期薄めっき層を形成させた鋼
板を、pH:2.浴温:50℃で種々Ni”及びZn”
濃度のめっき液に10秒間浸漬し、その後30g/rr
fのZn−Ni合金主めっき(Nt : 12重量%)
を施したZn−Ni合金電気めっき鋼板についての耐衝
撃密着性及び耐パウダリング性の調査結果であるが、こ
の第2図からも、耐衝撃密着性と耐パウダリング性とが
両立するところはN I g +及びZn”濃度が共に
20g/l以上で、Ni”/Zn”濃度比が1〜4の領
域であることが分かる。ここで、耐衝撃密着性は第1図
の場合と同様に測定したが、耐パウダリング性は次のよ
うに測定した。即ち、切り出しためっき鋼板ブランク(
直径;90φ)を円筒絞り試験(ポンチ径:50φ、絞
り比:1.8.ブランクホルダー圧:1ton、  3
0龍張出し)に供し、成形後のサンプルの外壁をセロテ
ープ剥離して調査した。
なお、耐パウダリング性の評価は 4・・・めっき剥離量が成形品1個当り3 mg/ r
rr未満。
3・・・めっき剥離量が成形品1個当り3 B/ rd
以上10n+g/rr?未満。
2・・・めっき剥離量が成形品1個当り10mg/m以
上20mg/rrr未満。
1・・・めっき剥離量が成形品1個当り20mg/rt
!以上。
とし、第2図における耐衝撃密着性及び耐パウダリング
性の総合評価基準は、それぞれの評点の組み合わせによ
り ◎・・・<4−4:どちらも4点)、 ○・・・(4−3)、(4−2)、(3−3)、△・・
・(2−2)、(2−3)、 ×・・・(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−
4)、で表示した。
また、この下地処理層の形成には上記要因の他に浴温度
(初期薄めっき層を一部溶解させるためのめっき液温度
)の影響もあり、該温度が40℃よりも低いと初期薄め
っき層の溶解量が少なくなって所望性能の下地処理層が
安定して形成されず、製品めっき鋼板のめっき皮膜密着
性が劣化するようになる。一方、70℃を超える浴温度
にすることは作業性の悪化につながる。従って、該浴温
度は40〜70℃と定めた。
なお、第3図は、Ig/n(の初期薄めっき層を形成さ
せた鋼板をpHが2で種々浴温度のめっき液に10秒間
浸漬しく但し、0印は20秒浸漬)、その後30g/r
dのZn−Ni合金主めっき(Ni : 12重世%)
を施したZn−Ni合金電気めっき鋼板についての密着
性(耐衝撃密着性及び耐パウダリング性)総合評価の結
果であるが(評価基準は第2図の場合と同じ)、この第
3図からも、浴温度が30℃より低い領域ではめっき皮
膜密着性に劣ったものとなってしまい、浴温度が30℃
以上になると密着性は向上するものの、安定して良好な
密着性が得られるのは40℃以上の領域であることが分
かる。
そして、低温度により初期めっきの溶解量が少ないもの
は、浸漬時間を長く引き延ばしても密着性、特に耐パウ
ダリング性に対する効果が認められなかった。実際、こ
のようなものでは、耐衝撃試験を行うと下地処理層と主
めっき(Zn−Ni合金)層間で剥離することもあった
無通電浸漬時間T (sec)と初期めっき量w (g
/ % )は、浸漬浴の温度やNi”及びZn2°濃度
にも依存するが、製品めっき鋼板のめっき皮膜密着性総
合性能、めっき皮膜の安定性並びに耐食性からすればT
/w=5〜20の範囲に調整するのが最適である。
即ち、T/w<5では初期薄めっき層の溶解不足のため
に密着性が劣化し、一方、T/w > 20では耐食性
が劣化する傾向となる。
第4図は、上記無通電浸漬時間T及び初期めっき量Wと
密着性の総合性能(評価基準は第2図の場合と同じ)と
の関係を示したグラフであるが、この第4図からも、T
/w≧5の範囲でないと密着性が不十分になることが確
認できる。
一方、第5図は無通電浸漬時間T及び初期めっき量Wと
製品めっき鋼板の塗装後耐食性との関係を示したクラブ
であるが(耐食性の評価は後述する第2表の場合と同じ
)、この第5図からはT/w〉20の領域では十分な耐
食性を確保できないことが確認できる。
上述のように、本発明が狙いとする性能を存した下地処
理層は成る特定の処理条件のときにのみ形成されるもの
であり、その条件としては、まず初期薄めっき層がT単
相或いは〔γ+α〕2相組織でかつ0.1〜5g/イの
付着量であり、この初期薄めっき層の無通電浸漬が、Z
 n 2 +及びNi”°濃度が共に20g/l以上 
H1m+/zn2+濃度比が1〜4.浴温度が40℃以
上のめっき液中でT/w=5〜20で行われることであ
る。なお、該処理条件のより望ましい範囲は、初期薄め
っき層の付着量が0.3〜3gInrでNi含有率10
〜20%、無通電浸漬めっき液がNi”濃度: 30〜
70 g/ l+ Zn”4度=20〜50g/l、浴
温:40〜70℃である。
ところで、前記所望の下地処理層は単に通常のZn−N
i合金めっき層をHzSOi、HCZ等の酸で溶解する
だけでは形成されず、また電解等によって強制的に溶解
した場合にも所望性能のものを得られないことが、本発
明者等による多くの実験によって判明している。
そして、本発明で規定された条件にて形成される前記下
地処理層は、GD3分析(グリムグロ発光分析)及びめ
っき断面のEPMA分析の結果、非常にNiリッチな皮
膜であり (Ni30〜80重量%)、かつ ミクロ的
なりランクを多く有していることが確認された。もっと
も、これと類似する皮膜はZn−Ni合金めっき皮膜を
単に酸等で溶解したときにも形成されはするがその性能
に大きな隔たりがあり、本発明に係るものは、初期薄め
っき皮膜がγ単相或いは〔γ+α〕 2相組織であるこ
とや、その後の無通電浸漬時における浴中Ni2′″の
鋼板上への置換析出、更にほこの反応が30℃以上の温
度で起きる(40℃以上であればより安定化する)こと
等が複雑に絡んで非常に機能的な皮膜となるものと考え
られる。実際、初期めっき、無通電浸漬後の表面浸漬電
位を測定すると、本発明に係る処理材とそれ以外の条件
による処理材とでは異なる電位を示し、表面状態が異な
ることを確認できる。
また、溶解反応に関与する無通電浸漬浴くめつき浴)の
pHについては、酸性浴でさえあれば得られる下地処理
層の性能に格別な問題はないが、p Hが5以上ではZ
n(OH)z、旧(OH)zの形成が起きるので、好ま
しくはpH1〜3に調整するのが良い。
なお、本発明に係るめっき鋼板の製造法は、ZnN1(
Ni: 8〜16重量%)合金めっきの場合だけでなく
、耐熱性、高耐食性を有する例えばZn−N1−Co(
Co:0.1〜1重量%)合金やZn−N1−Ti(T
i: 3重量%未満)合金等のめっきの場合においても
有効であることは言うまでもない。
続いて、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
〈実施例〉 まず、第1表に示すようなZn−Ni系合金電気めっき
液を準備し、アルカリ脱脂と酸洗とを行った厚さ0.8
鶴の鋼板に第2表に示す条件で初回めっきを施した後、
各種浴組成のめっき液中に同じく第2表で示す条件で無
通電浸漬し、引き続いて初期めっきに使用したのと同様
のめっき液により所定厚のZn−Ni系合金めっきを施
すことによって、第2表に示しためっき皮膜を有するZ
n−Ni系合金めっき鋼板を得た。
第   1   表 次いで、このように製造された各Zn−Ni系合金めっ
き鋼板につき「耐衝撃密着性」、「耐パウダリング性」
、「無塗装耐食性」及び「塗装後耐食性Jを調査し、そ
の結果を第2表に併せて示した。
なお、めっき鋼板の前記性能評価には次に示す手段を採
用した。
〔耐衝撃密着性〕
70龍×150鰭の試験片に自動車用3コート処理(ト
ータル膜厚100μff1)を施した後、−20℃の低
温でグラベロメータを用いてASTMのD3170−7
4に規定するチッピングテストを行い、そのときのめっ
き剥離面積率をもって評価。
■値玉準 4点・・・めっき剥離なし。
3点・・・めっき剥離面積率が0.2%未満。
2点・・・めっき剥離面積率が0.2%以上1%未満。
1点・・・めっき剥離面積率が1%以上。
〔耐パウダリング性〕
第6図(a)に略示する円筒絞り試験(絞り比2張り出
し高さ30龍)を行った後、第6図山)で示すように絞
り後の円筒の外壁面をセロテープ剥離し、めっきの剥離
量をもって評価。なお、第6図において、符号lは試験
片を、2はダイスを、3はポンチを、4はブランクホル
ダーを、5はセロテープ剥離個所をそれぞれ示している
用堡蒸準 4点・・・めっき剥離量が成形品1ヶ当り3II1g未
満。
3点・・・めっき剥離量が成形品1ヶ当り3mg以上1
0mg未満。
2点・・・めっき剥離量が成形品1ヶ当り10mg以上
20mg未満。
1点・・・めっき剥離量が成形品1ヶ当り20mg以上
〔無塗装耐食性〕
無塗装試験片をJIS Z2371に準する塩水噴霧試
験に供し、400hr後の赤錆発生面積率で評価。
圧値基! 4点・・・赤錆発生面積率が0%。
3点・・・赤錆発生面積率がO超〜10%未満。
2点・・・赤錆発生面積率が10〜50%未満。
1点・・・赤錆発生面積率が50%以上。
〔塗装後耐食性〕
円筒絞り試験後の成形品に化成処理(リン酸亜鉛処理)
を施し、更にカチオン電着塗装(20μm厚)を施して
からこれに傷を付け、その後前記と同様の塩水噴霧試験
を840hr実施したときの塗膜フクレ(ブリスター)
幅、赤錆発生レベルにて評価。
■員基準 4点・・・フクレ幅が片側11■未満。
3点・・・フクレ幅が片側1〜3鰭未満。
2点・・・フクレ幅が片側3〜5 +u未満。
1点・・・フクレ幅が片側6龍以上。
第2表に示される結果からも、本発明で規定する条件通
りに製造されたZn −Ni系合金めっき鋼板は前記何
れの性能にも優れているのに対して、製造条件が本発明
の規定から外れた場合には、耐衝撃密着性、耐パウダリ
ング性並びに耐食性が揃って満足できるめっき鋼板の実
現は困難であることが明らかである。
〈効果の総括〉 以上に説明した如く、この発明によれば、耐衝撃密着性
、耐パウダリング性に加え、耐食性にも優れたZn−N
i系合金めっき鋼板を安定して量産することが可能とな
り、例えば自動車車体等の内板外板の何れに適用したと
してもその耐久性を一段と向上することが期待できるな
ど、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、Zn−Ni合金めっき鋼板製造の際の初期め
っき量と耐衝撃密着性との関係を示すグラフである。 第2図は、Zn−Ni合金めっき鋼板製造の際の無通電
浸漬めっき液のZn”及びNi”濃度と耐衝撃密着性及
び耐パウダリング性との関係を示すグラフである。 第3図は、Zn−Ni合金めっき鋼板製造の際の無通電
浸漬めっき液の温度と密着性総合評価(耐衝撃密着性及
び耐パウダリング性)との関係を示すグラフである。 第4図は、Zn−Ni合金めっき鋼板製造の際の、無通
電浸漬めっき液への無通電浸漬時間T及び初11Jl薄
めっきfilwと密着性総合評価(耐衝撃密着性及び耐
パウダリング性)との関係を示すグラフである。 第5図は、Zn−Ni合金めっき鋼板製造の際の、無通
電浸漬めっき液への無通電浸漬時間T及び初期薄めっき
量Wと塗装後耐食性との関係を示すグラフである。 第6図は、耐パウダリング性評価方法の概略説明図であ
り、第6図(alは円筒絞り試験過程を、そして第6図
(b)はセロテープ剥離過程をそれぞれ示している。 図面において、 1・・・試験片、    2・・・ダイス。 3・・・ポンチ、    4・・・ブランクホルダー5
・・・セロテープ剥離個所。 第1図 第2図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 Zn−Ni系合金電気めっき鋼板を製造するに際して、
    まず鋼板の少なくとも片面にγ単相又は〔γ+α〕2相
    のZn−Ni系合金電気めっきを0.1〜5g/m^2
    の付着量で施し、次いで Ni^2^+及びZn^2^+の濃度:共に20g/l
    以上、Ni^2^+/Zn^2^+濃度比:1〜4、浴
    温:40〜70℃ の酸性めっき浴中にめっき付着量w(g/m^2)と無
    通電浸漬時間T(sec)との間に T/w=5〜20 なる関係が成り立つ条件で前記薄めっき鋼板を無通電浸
    漬した後、引き続いて所定のZn−Ni系合金電気めっ
    きを施すことを特徴とする、耐衝撃密着性、耐パウダリ
    ング性並びに耐食性に優れたZn−Ni系合金めっき鋼
    板の製造方法。
JP63169352A 1988-07-07 1988-07-07 高耐食性Zn−Ni系合金めっき鋼板の製造法 Pending JPH0219491A (ja)

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DE68919135T DE68919135T2 (de) 1988-07-07 1989-07-06 Mit einer Zn-Ni-Legierung plattiertes Stahlblech mit verbesserter Adhäsion bei Schlagwirkung und Verfahren zu dessen Herstellung.
US07/376,022 US4940639A (en) 1988-07-07 1989-07-06 Zn-Ni alloy-plated steel sheet with improved impact adhesion
EP89112394A EP0350048B1 (en) 1988-07-07 1989-07-06 Zn-Ni alloy-plated steel sheet with improved impact adhesion and a manufacturing process therefor
KR1019890009676A KR920000246B1 (ko) 1988-07-07 1989-07-07 내충격 밀착성이 우수한 Zn-Ni 합금도금강판 및 그 제조방법

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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62211397A (ja) * 1986-03-11 1987-09-17 Sumitomo Metal Ind Ltd 密着性に優れた亜鉛系合金メツキ鋼板の製法
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JPH0211792A (ja) * 1988-06-30 1990-01-16 Nippon Steel Corp 耐チッピング性、溶接部の耐食性に優れたZn−Ni系合金めっき鋼板の製造方法

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