JPS6314891A - めつき密着性に優れたＺｎ系合金電気めつき鋼板の製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、優れためつき密着性を有し種々の用途、例え
ば自動車用鋼板として適用できるＺｎ系合金電気めっき
鋼板の製造法に関するものである。

〔従来の技術および問題点〕

寒冷地帯における冬期の道路凍結防止用の散布岩塩によ
って自動車車体が腐食する問題に対して、各種めっき鋼
板の適用が検討・推進されている。車体外面の腐食は、
道路走行時の自動車に路面から跳ねあげられた小石や散
布岩塩が当たり（この現象をチッピングと称する。小石
や散布岩塩の衝突するスピードは、自動車の走行スピー
ドと同じ５０〜１５０ｋｍ／ｈで極めて大きい衝撃力で
ある。）、車体表面の塗装が剥離したり、素地鋼板に達
する疵が入り、その箇所に融雪からの水や散布塩分が作
用して促進される。

このような車体外面の腐食対策として、例えばＺｎめっ
き鋼板が使用されている。Ｚｎめっきはその強い犠牲防
食作用により、疵が素地鋼板に達していても鋼板を十分
防食する能力を持っているが、車体外面のように塗装し
て用いた場合、ブリスターと称する塗膜の膨れ清が生じ
易い欠点がある。

そのため、最近に至ってＺｎ−Ｎｉ．　Ｚｎ−Ｆ＠、　
Ｚｎ−Ｃｏ、　Ｚｎ−Ｆｅ−Ｃｒ、　Ｚｎ−Ｎｉ−Ｃｏ
、　Ｚｎ−Ｃｏ、　Ｚｎ−Ｍｎ、　Ｚｎ−Ｔｉ、　Ｚｎ
−８ｎ、　Ｚｎ−Ｃｕ、　Ｚｎ−Ｃｄ、　Ｚｎ−Ｐｂ等
のＺｎ系合金電気めっき及びこれらを複層化しためっき
（つまり成分や組成が異なるＺｎ系合金めっき層を重ね
ためっき〕や濃度傾斜しためつき（つまり組成を、めっ
き層の厚さ方向に変化させているめっき）音節した鋼板
が開発され、良好な耐ブリスター性が認められ実用化さ
れ始めている。

しかし、これらＺｎ系合金電気めっきは、めっき皮膜の
持つ内部応力がＺｎ単独の電気めっきよりも高く、その
ため鋼板素地に対するめつき密着性はＺｎめっきよりも
弱いという欠点を持つ。

又、自動車車体外面にはカチオン定着塗装。

中塗り、上塗り、塗装の３コート塗装を合計で約１００
μ以上の厚さに行うのが一般的であり、これらの塗膜の
焼付は時の収縮応力がめつき層に作用して、めっき密着
性は未塗装時よりも低くなっている。更に、冬期の寒冷
地は一４０℃ぐらいまで気温が低下し、塗膜の収縮が進
むため、めっき層に作用する応力も大きくなっており、
めっき密着性も一段と低い状態にある。このようにめっ
き密着性が一段と低まった状態下で前述のチッピングを
うけると、Ｚｎ系合金電気めっき鋼板のめつき層は剥離
する欠点がある。

Ｚｎ系合金電気めっき鋼板のめっき密着性を高める対策
として、例えば特開昭５９−２００７８９号公報の如（
Ｃｒ＋Ｍｎ＋Ｆｅ＋Ｃｏ、Ｎｉ、Ｃｕ、Ｉｎ、Ｚｎ、Ｃ
ｄ。

Ｓｎ、Ｐｂの１種又は２種以上からなる被覆層をＺｎ系
合金めっきと素地鋼板との間に設ける方法が開示されて
いる。当該方法は常温下で未塗装状態の押し出し成型（
５エリクセン張り出し〕というマイルドな状態下で密着
性を確認している。

又、鉄と鋼７１　（１９８５）ｓ１２７３ではＦｅ。

Ｚｎ、　Ｎｌ、　Ｃｕ、　Ｓｎ　　の１種からなる薄い
被覆層をＺｎ系合金めっきと素地鋼板との間に設ける方
法が開示されており、２コート塗装、氷点化、デュポン
衝撃試験の条件下で十分なめっき密着性が得られると報
告されている。

しかし、本発明者等の確認によれば、寒冷地（−５０℃
）、３コート塗装、高速チッピングという過酷な条件下
では、上記方法を用いてもＺｎ系合金電気めっきのめつ
き密着性はなお不十分であった。加えて、上記方法の如
き異種めっきの２１傷めっき化は、少なくとも２種類の
めつき液が必要であり、製造コスト、製造管理の点で必
ずしも得策とは言えない。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者等は前記実情に鑑み、自動車用３コート塗装を
施したＺｎ系合金′ｆは気めっき鋼板が、低温下でチッ
ピングを受けても良好なめっき密着性を得られることを
目的として、同一めっき液を用いて種々のめつき処理法
について実験研究を重ねた。

その結果、同一のＺｎ系合金めつき液を用いて最初に微
看のＺｎ系合金めっきを施し、次いでめっき液中に無通
電で浸漬し、引き続いて、所定量のＺｎ系合金めっきを
施すと、上記の如き過酷な条件下でも良好なめっき密着
性が得られること？見出した。

本発明者等は、Ｚｎ系合金めっきのめつき密着性を改善
するには、Ｚｎ系合金めっき特有の大きな電析ひすみ（
内部応力）を減少させることが必要であることを確認し
、特に初期に形成される鋼板表面付近のめっき層の電析
ひすみを緩和すれば、めっき密着性が良好になること、
及びこの方法として、初期めっき後、めっき液中で無通
電浸漬する方法が有効であることを知見した。

すなわち、最初に施される微危のＺｎ系合金めっきは、
めっき液中に無通電で浸漬されることにより、めっき層
の一部が、溶解されると共にＺｎ系合金めっき特有の大
きな電析ひずみが著しく緩和される。これにより、引き
続き上層に所定量のＺｎ系合金めっきが施されても、め
っき層全体として、優れためつき密着性が得られるもの
と考えられる。

又、このような方法で製造されたＺｎ系合金電気めっき
鋼板は、耐食性や塗膜密着性など他の特性についても、
従来法で製造されたものと比較して、遜色のないもので
あることに確認した。

本発明は以上の如き知見に基づいてなされたものであり
、その要旨とするところは、Ｚｎ系合金電気めっき鋼板
の製造において、同一組成のめっき液を用いて、鋼板の
少なくとも片面に、付着量１０〜１０００ｍ９７ｍ”の
Ｚｎ系合金めっきを施した後、めっき液中で無通電浸漬
処理を行い、引き続いて所定付着量のＺｎ系合金めっき
を施すことを特徴とするめつき密着性に優れたＺｎ系合
金電気めっき鋼板の製造法であり、さらには、Ｚｎ系合
金電気めっき鋼板ｆ　Ｚｎ　−Ｎｌ系合金電気めっき鋼
板またはＺｎ　−Ｆ＠系合金電気めっき鋼板とするもの
である。

以下、最初に施される微量のＺｎ系合金めっきを初期め
っき、無通電浸漬処理を行なった後流されるＺｎ系合金
めっきを主めっきと呼ぶ。

〔作用〕

以下、本発明の詳細な説明する。

本発明における初期めっきの付着量は、１０〜１０００
ｍ９／　ｍ”である。付着ｆｋ１０η／ｍ２未満では、
浸漬処理後の初期めっきの残存量が少なすぎて鋼板表面
の一部が露出し、結果的に主めっきが部分的に鋼板表面
に直接接することになり、めっき密着性は不十分なもの
となる。また、１０００ｍ９７ｍ２超の場合には、無通
電浸漬処理を行なっても、初期めっきの電析ひすみを十
分に緩和できず、その結果、主めっき後のめっき密着性
は不十分になる。より好ましい初期めっきの付着量範囲
は１０〜５００ｍ９／ｍ”であり、この範囲　で、安定
して、良好なめっき密着性が得られる。

本発明においては、１０〜１０００ｍ９／ｍ２の初期め
っきを施した後、同一組成のめっき液中に完全な無通電
状態で浸漬して、初期めっきの電析ひずみを緩和させる
。浸漬処理の適正な時間は、めっき浴により異なるが、
例えば、ｐＨ０，５〜２．５゜浴温３０〜７０℃の硫酸
系Ｚｎ　−Ｎｉ合金めつき浴では、浸漬時間０．５秒以
上が好ましい。

又、ｐＨ４〜５．浴温５０〜６０℃の全塩化物系Ｚｎ　
−Ｎｉ合金めっき浴の場合には、１秒以上が好ましい。

浸漬時間を長くしても、めっき密着性改善効果は低下し
ないが、あまり長くしすぎると初期めっきの残存量が少
なすぎて鋼板表面の一部が露出し、めっき密着性は不十
分なものになる。

又、浸漬時間を長くすることによる生産性の低下という
ことも考慮すると、浸漬時間は１０秒を上限とすること
が望ましい。

主めっきの付着量は特に制限されず、所定付着付の主め
っきを施せばよい。

本発明において、初期めっき〜浸漬処理〜主めっきから
なる一連の工程は、同一組成のＺｎ系合金めっき液を使
用して、連続的に行なわれるため、各工程間で水洗、乾
燥を行なう必要は無く、設備投資面、製造コスト面でも
非常に有利である。めっき液の種類は特に制約されるも
のではなく、例えば硫酸塩浴、全塩化物浴、これらの混
合浴の何れでも適用可能である。

多数のめっきセルに有する連続電気めっきラインにおい
て本発明の製造法を行なう場合には、■　第１番目のセ
ルで初期めっき全施し、第２番目のセルでめっき液を満
たした状態で無通電で通過させて浸漬処理を行ない、第
３番目以降のセルで主めっきを施すか、 ■　第１番目と第２番目のセルの間に別途浸漬処理・専
用タンクを設ければよい。

初期めっき及び主めっきを施す際の′叶流密度は、特に
制約されるものではなく、合金めっきの析出下限電流密
度以上、限界電流密度以下であればよいが、生産性を考
慮すると、初期めっき、主めっき共に２　ＯＡ／　ｄｍ
２以上で行なうのがＡ１しい。

本発明に関わるＺｎ系合金めっきとは、Ｚｎ−Ｎｉ゜Ｚ
ｎ−Ｆｅ、Ｚｎ−Ｃｏ、Ｚｎ−Ｆｅ−Ｃｒ、Ｚｎ−Ｎｉ
−Ｃｏ、Ｚｎ−ＣａｒＺｎ−Ｍｎ、Ｚｎ−Ｔｌ、Ｚｎ−
３ｎ、Ｚｎ−Ｃｕ、　　Ｚｎ−Ｃｄ、Ｚｎ−Ｐｂ等のＺ
ｎ系合金′直気めっき及びこれらを複層化しためつき（
つまり成分や組成が異なるＺｎ系合金めっき層を重ねた
めっき）や濃度傾斜しためっき（つまり組成を、めっき
層の厚さ方向に変化させているめっき）を含む。Ｚｎ以
外の成分の含有率は特に制約されるものではないが、耐
ブリスター性の上では、Ｚｎ以外の成分を単独あるいは
複合で合計１〜３０重量壬含有することが好ましい。

また、Ｚｎ　−Ｎｌ系合金めっきとはＺｎ　−Ｎｉ合金
めっきの他に、Ｎｌヲ主成分とし、他の成分としてＣｏ
、　Ｆｅ、　Ｃｒ等を微量含有し残部Ｚｎとする合金め
っきを含む。

また、Ｚｎ　−Ｆａ系合金めっきとはＺｎ　−Ｆｅ合金
めっきの他に、Ｆｅｋ主成分とし、他の成分としてＣｏ
、　Ｎｌ、　Ｃｒ　′４を微量含有し、残部Ｚｎとする
合金めっきを含む。

本発明の製造法は、必ずしも鋼板の両面に対して適用し
なければならないというものではなく、用途に応じて片
面のみにこの製造法を採用してもよいことは言うまでも
ない。

以下、実施例により、本発明の効果を更に具体的に説明
する。

〔実施例〕

本発明に基づく製造法により、種々のＺｎ系合金電気め
っき鋼板を製造し、自動車用３コート塗装後の低温下チ
ッピングでのめっき密着性評価試験を行なった。使用し
ためっき液は、−〇、　５〜２．５、浴温３０〜７０℃
の硫酸塩浴である。

７ｐ、１表には塗装条件、試験条件、評価基準を示した
。

第２表にはＺｎ系合金電気めっき鋼板の製造方法とめっ
き密着性評価結果を示した。

比較例２１〜２３は、浸漬処理を行なわない通常の製造
法によるＺｎ系合金めっきであるが、明らかにめっき密
着性は不良である。比較例２４．２５は初期めりきの付
着量が本発明の範囲を逸脱しているためめっき密着性は
不十分である。

これらに対して、本発明例１〜２０のめっき密着性は、
めっき組成、付着量に関わらず、明らかに良好である。

〔発明の効果〕

以上述べた如く、本発明の製造法によれば、めっき密着
性に優れたＺｎ系合金電気めっき鋼板を容易かつ安定的
に工業生産することが可能であり、その実用的価値は誠
に大きい。

手続補正書 昭和４７年２１７日 昭和６１年特許願第１ｆのＵ号 ３、補正をする者 事件との関係　　出　願　人 ｔｔ　　％＃（ＩＮＭ）東泉部千イ文田区大手町２丁目
Ｇ丘３号氏　名（名称）（Ｇｉｎ’、＋）亨５日永：像
；ユ（宋式會ン１４、代　理　人 住　所　　東京都千代田区丸の内２丁目６番２号丸の内
へ重洲ピノし３３０争−。

７、補正の対象 ノテ式Ｃ゛・ 補　　　　正　　　　　書 本願明細書中下記事項を補正いたします。

記 １、第４頁２行目Ｋ 「上塗り、塗装の」とあるな 「上塗り塗装の」と訂正する。

２、第４頁下から２行目に 「５エリクセン」とあるを 「５憇エリクセン」と訂正する。

３、第１４頁「第２表」中、「比較例２５」の「初期め
っき付着址」の欄に ｒＬＯＯＪとあるを ｒ１２００Ｊと訂正する。

４、第１４頁「第２表ｊ中、「比較例２４」の「主めっ
き電流密度」の欄に ｒ（５０）ｊとあるを 「５０」と訂正する。

代理人　　谷　山　輝　雄「：゛ ′−−リ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｚｎ系合金電気めっき鋼板の製造において、同一
   組成のめっき液を用いて、鋼板の少なくとも片面に、付
   着量１０〜１０００ｍｇ／ｍ＾２のＺｎ系合金めっきを
   施した後、めっき液中で無通電浸漬処理を行い、引き続
   いて所定付着量のＺｎ系合金めっきを施すことを特徴と
   するめっき密着性に優れたＺｎ系合金電気めっき鋼板の
   製造法。
2. （２）Ｚｎ系合金電気めっき鋼板がＺｎ−Ｎｉ系合金電
   気めっき鋼板である特許請求の範囲第１項記載のめっき
   密着性に優れたＺｎ系合金電気めっき鋼板の製造法。
3. （３）Ｚｎ系合金電気めっき鋼板がＺｎ−Ｆｅ系合金電
   気めっき鋼板である特許請求の範囲第１項記載のめっき
   密着性に優れたＺｎ系合金電気めっき鋼板の製造法。