JPS6144157B2 - - Google Patents
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- JPS6144157B2 JPS6144157B2 JP3671883A JP3671883A JPS6144157B2 JP S6144157 B2 JPS6144157 B2 JP S6144157B2 JP 3671883 A JP3671883 A JP 3671883A JP 3671883 A JP3671883 A JP 3671883A JP S6144157 B2 JPS6144157 B2 JP S6144157B2
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Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
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- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
Description
本発明は加工特性に耐はく離性及び潤滑性のす
れたZn系2層めつき鋼板及びその製造法に関す
るものである。 Znめつき鋼板は自動車用、建材用等に広く使
用されているが、それはZnはFeよりも卑な腐食
電位を有し、腐食環境下で優先的に溶出して下地
Feを電気防食するためである。しかしながら厳
しい腐食環境下では、Znの溶出速度は早く、Zn
が消失すれば下地Feの腐食が始まる。そこでこ
れに対処するためZnとFeとの中間の腐食電位を
有する金属の下層をZn層と下地Feとの間に形成
せしめたZn系2層めつき鋼板がこれまでに種々
開発されている。 即ちZnの溶出速度は下地Feとの電位差によつ
て左右されるが、ZnとFeとの電位差に比べてZn
層と下層金属との電位差は小さいので、2層めつ
き鋼板ではZnの消失が遅い。しかもZnが消失し
た後でも、Feよりも卑な腐食電位を有する下層
金属が下地Feを電気防食する。この両方の効果
によりZn系2層めつき鋼板の耐食性は非常に良
好である。 以上のような性質を有する2層めつき鋼板とし
てはZn−Ni/Znめつき鋼板、Zn−Fe/Znめつき
鋼板などが電気めつきによつて作られている。し
かしながら一方ではこれらは潤滑性が不充分で加
工しにくいと言う欠点を有している。すなわちプ
レス加工などに際して鋼板は変形するが、その場
合の潤滑性が充分ではない。潤滑性の悪さはその
使用に際して大きな困難を持たらすので、それを
改善すべく加工法の改良、潤滑油の改良などがな
されているが充分な対策と言えず、潤滑性のすぐ
れた2層めつき鋼板の開発が切望されていた。 一方溶融Znめつきした鋼板を適当な温度と時
間条件で加熱すれば、Znと下地Feとの中間にZn
−Fe合金が形成され、Zn−Fe/Zn2層めつき鋼
板となる。しかしながらこの2層めつき鋼板はめ
つきはく離し易い、すなわちプレス加工などに際
してめつきがはく離し、ダイスに付着する。これ
は加工上の難点となる。従つて準滑性及び耐はく
離性のすぐれた2層めつき鋼板の開発が切望され
ていた。 本発明者らは上記実情に鑑み種々検討した結
果、電気めつき法で作成した2層めつき鋼板の上
層は電気めつきに特有な残留応力と結晶の並び方
を有するため硬度が高く、これが潤滑性が悪い原
因であることを見い出した。一方溶融Znめつき
鋼板を加熱して作つた2層めつき鋼板では、下層
のFe−Zn層はFeとZnとの相互拡散によつて形成
されるため、下地FeよりΓ(キヤピタルガン
マ)δ1(デルタ)ζ(ゼータ)などの各相がそ
のFe含有量の多い層から少ない相への順に並ん
でおり、これがめつきはく離の原因であることも
見い出した。 そこで電気めつき法によるZn合金層を下層と
し、溶融めつき法によるZn層を上層とする2層
めつき鋼板を作成したところ、それは加工性が良
好でかつ2層めつき本来の目的である耐食性も良
好なことを見出し、以上の知見に基づいて本発明
をなしたものである。 即ち本発明の要旨とする所は、Ee,Ni,Co,
Cuの1種または2種以上を合計で8〜30%含有
し、片面当りの付着量5〜40g/m2の電気Zn合
金めつき層を下層とし、片面当りの付着量20〜
600g/m2の溶融Zn又は溶融Zn合金めつき層を上
層とすることを特徴とする加工性のすぐれたZn
系2層めつき鋼板および鋼板をFeイオン、Niイ
オン、Coイオン、Cuイオンの1種又は2種以上
を含有するZnめつき溶液中で陰極電解した後、
430〜550℃の溶融又は溶融Zn合金めつき浴中に
浸漬し、その後通常の方法で付着量を制御するこ
とを特徴とする加工性のすぐれたZn系2層めつ
き鋼板の製造法にある。 以下本発明を詳細に説明する。 先ず本発明の範囲を上述のごとく定めた理由は
次の通りである。Fe,Ni,Co,Cuの1種又は2
種以上を含有するZn層は腐食電位がZnとFeとの
中間にあり、Znの溶出抑制作用と下地Feの防食
作用を有するが、合金金属濃度の合計が8%未満
ではZnとの電位差が小さく従つて上層Znに対す
る溶出抑制作用が弱いので、濃度の下限を8%と
した。また濃度の合計が30%を超えた場合はFe
との電位差が小さくなり従つて下地Feに対する
防食作用が弱くなるので、上限を30%に定めた。 電気めつき法によつてZn合金層を形成せしめ
た場合、合金層は均一構造とはならないことが多
く、例えばFe15%のZn−Fe合金では電解条件に
もよるが、η相、δ1相、Γ相等が混在する。し
かしながら腐食電位は合金元素濃度によつてほと
んど決まり、合金層の構造に対する依存性は小さ
いので、合金元素の平均濃度のみを制御すれば耐
食性は保たれる。前述のごとくZnめつき鋼板の
加熱によつて形成されたFe−Zn合金層は相互拡
散によつて形成されるため、Γ,δ1,ζ等の各
相がそのFe含有量の多い順に並んでいる結果、
めつきはく離を生じ易いが、電気めつき法で作成
したZn合金層は相互拡散による合金層のごとき
構造をとらず、従つてはく離性は良好である。 なお本発明に言う下層とは、Fe,Ni,Co,Cu
の1種または2種以上の合計の平均濃度が8〜30
%の範囲にあるならば、単層であつても2層以上
であつても良い。但し2層以上の構造を有する下
層について、製造工程においてその最外層に純
Zn又は純Znに近い低融点の電気めつき層を形成
せしむならば、その低融点層は次工程である溶融
Znめつき浴中で溶融し消失する。 Zn合金層の付着量の下限を片面当たり5g/
m2と定めたのは、5g/m2未満の付着ではピンホ
ールが多く、従つて下地Feに対する防食作用が
不充分なためである。上限については40g/m2を
超えるめつきを電気めつき法で施すことは効率が
悪いので40g/m2とした。 上層である溶融Znめつき層の付着量の下限を
20g/m2としたのは、20g/m2未満の目付では腐
食環境下に於いて上層が短時間で消失し耐食性が
不充分なためである。上限については通常の目付
量制御法では鋼板表面に600g/m2を超える量の
Znを均一に付着せしむることは困難なので、片
面当り600g/m2と定めた。 上層を形成する溶融Zn又は溶融Zn合金めつき
層は通常の溶融めつきに用いられるZnがAl10%
以下、Fe3%以下、Mg3%以下、Sn5%以下、Sb1
%以下、Pb1%以下の1種以上を含有するZn浴中
で形成されたもので良い。以下これらを溶融めつ
き層と総称する。溶融Znめつき層は電気Znめつ
き層に比較して硬度が低く、従つて潤滑性にすぐ
れている。 このような鋼板の製造法としては、鋼板を通常
の方法で脱脂、酸洗した後、通常のZnめつき浴
である硫酸浴、又は塩化物浴にFeイオン、Niイ
オン、Coイオン、Cuイオンの1種以上を共存さ
せた浴中で陰極電解すれば、下層の合金層が得ら
れる。共存濃度及び電解条件を制御することによ
つて下層の組成及び付着量が制御できる。 下層を形成せしめた鋼板を430〜550℃の溶融
Zn浴に浸漬すれば、上層の溶融Zn層が得られ
る。この場合、溶融めつき浴温度を430〜550℃と
定めたのは、Zn融点は419℃であるが、、430℃未
満の温度では溶融Znの粘性が高く、めつきが困
難なためである。上限については550℃を超える
温度ではめつき作業を阻害するドロスの発生量が
多く、かつZnの蒸発が激しくなつて作業性が低
下することを考慮して550℃とした。なお浸漬時
間は特に定めないが、3〜60秒程度が適当であ
る。 付着量の制御は通常のガスワイピング法或いは
ロール絞り法など任意の手段で行う。 なお、電気Zn合金めつき浴としては前記の通
り硫酸浴又は塩化物浴を用いるが、金属イオン濃
度は望ましくはZn2+イオンが0.1〜2.0モル/程
度に対して、Feイオン(Fe2++Fe3+),Ni2+イオ
ン、Co2+イオン、Cu2+イオンは各々0.01〜2.0モ
ル/程度が適当である。それ以外はNa5イオ
ン、K+イオン、NH4 +イオン等も添加される。電
解条件は特に定めないが、望ましい範囲として
は、陰極電流密度はほぼ5〜200A/dm2程度、
電解時間は約1〜400秒程度が適当である。 このようにして得られる本発明のZn系2層め
つき鋼板は、上層は溶融めつきで作られるため電
気めつきに特有の残留応力や結晶の並び方を有し
ておらず、従つて硬度が高くない。一方下層は電
気めつきで作られるためZn合金の各相はランダ
ムに配置されており順序よく並んだ構造をとらな
い。その結果潤滑性がすぐれ、しかも耐はく離性
が極めて良好である。更に下層としてZnとFeと
の中間の電位を有するZn−Fe系、Zn−Ni系、Zn
−Co系、Zn−Cu系合金層を選ぶことによつて耐
食性も良好となる。 以下実施例により本発明の効果を更に具体的に
示す。 実施例 鋼板表面を通常の方法で脱脂、酸洗した後、各
種Zn合金めつき浴中で各種条件で陰極電解し、
その後溶融Znめつき浴に浸漬して各種のZn系2
層めつき鋼板を得た。詳細を第1表に示す。 次に、第1表に示した方法で作成したZn系2
層めつき鋼板を塩水噴霧試験によつて耐食性を、
金属磨耗試験によつて潤滑性を、型かじり試験に
よつて耐はく離性を調べた。結果を第2表に示
す。第1表の番号と第2表の番号は各々対応して
いる。
れたZn系2層めつき鋼板及びその製造法に関す
るものである。 Znめつき鋼板は自動車用、建材用等に広く使
用されているが、それはZnはFeよりも卑な腐食
電位を有し、腐食環境下で優先的に溶出して下地
Feを電気防食するためである。しかしながら厳
しい腐食環境下では、Znの溶出速度は早く、Zn
が消失すれば下地Feの腐食が始まる。そこでこ
れに対処するためZnとFeとの中間の腐食電位を
有する金属の下層をZn層と下地Feとの間に形成
せしめたZn系2層めつき鋼板がこれまでに種々
開発されている。 即ちZnの溶出速度は下地Feとの電位差によつ
て左右されるが、ZnとFeとの電位差に比べてZn
層と下層金属との電位差は小さいので、2層めつ
き鋼板ではZnの消失が遅い。しかもZnが消失し
た後でも、Feよりも卑な腐食電位を有する下層
金属が下地Feを電気防食する。この両方の効果
によりZn系2層めつき鋼板の耐食性は非常に良
好である。 以上のような性質を有する2層めつき鋼板とし
てはZn−Ni/Znめつき鋼板、Zn−Fe/Znめつき
鋼板などが電気めつきによつて作られている。し
かしながら一方ではこれらは潤滑性が不充分で加
工しにくいと言う欠点を有している。すなわちプ
レス加工などに際して鋼板は変形するが、その場
合の潤滑性が充分ではない。潤滑性の悪さはその
使用に際して大きな困難を持たらすので、それを
改善すべく加工法の改良、潤滑油の改良などがな
されているが充分な対策と言えず、潤滑性のすぐ
れた2層めつき鋼板の開発が切望されていた。 一方溶融Znめつきした鋼板を適当な温度と時
間条件で加熱すれば、Znと下地Feとの中間にZn
−Fe合金が形成され、Zn−Fe/Zn2層めつき鋼
板となる。しかしながらこの2層めつき鋼板はめ
つきはく離し易い、すなわちプレス加工などに際
してめつきがはく離し、ダイスに付着する。これ
は加工上の難点となる。従つて準滑性及び耐はく
離性のすぐれた2層めつき鋼板の開発が切望され
ていた。 本発明者らは上記実情に鑑み種々検討した結
果、電気めつき法で作成した2層めつき鋼板の上
層は電気めつきに特有な残留応力と結晶の並び方
を有するため硬度が高く、これが潤滑性が悪い原
因であることを見い出した。一方溶融Znめつき
鋼板を加熱して作つた2層めつき鋼板では、下層
のFe−Zn層はFeとZnとの相互拡散によつて形成
されるため、下地FeよりΓ(キヤピタルガン
マ)δ1(デルタ)ζ(ゼータ)などの各相がそ
のFe含有量の多い層から少ない相への順に並ん
でおり、これがめつきはく離の原因であることも
見い出した。 そこで電気めつき法によるZn合金層を下層と
し、溶融めつき法によるZn層を上層とする2層
めつき鋼板を作成したところ、それは加工性が良
好でかつ2層めつき本来の目的である耐食性も良
好なことを見出し、以上の知見に基づいて本発明
をなしたものである。 即ち本発明の要旨とする所は、Ee,Ni,Co,
Cuの1種または2種以上を合計で8〜30%含有
し、片面当りの付着量5〜40g/m2の電気Zn合
金めつき層を下層とし、片面当りの付着量20〜
600g/m2の溶融Zn又は溶融Zn合金めつき層を上
層とすることを特徴とする加工性のすぐれたZn
系2層めつき鋼板および鋼板をFeイオン、Niイ
オン、Coイオン、Cuイオンの1種又は2種以上
を含有するZnめつき溶液中で陰極電解した後、
430〜550℃の溶融又は溶融Zn合金めつき浴中に
浸漬し、その後通常の方法で付着量を制御するこ
とを特徴とする加工性のすぐれたZn系2層めつ
き鋼板の製造法にある。 以下本発明を詳細に説明する。 先ず本発明の範囲を上述のごとく定めた理由は
次の通りである。Fe,Ni,Co,Cuの1種又は2
種以上を含有するZn層は腐食電位がZnとFeとの
中間にあり、Znの溶出抑制作用と下地Feの防食
作用を有するが、合金金属濃度の合計が8%未満
ではZnとの電位差が小さく従つて上層Znに対す
る溶出抑制作用が弱いので、濃度の下限を8%と
した。また濃度の合計が30%を超えた場合はFe
との電位差が小さくなり従つて下地Feに対する
防食作用が弱くなるので、上限を30%に定めた。 電気めつき法によつてZn合金層を形成せしめ
た場合、合金層は均一構造とはならないことが多
く、例えばFe15%のZn−Fe合金では電解条件に
もよるが、η相、δ1相、Γ相等が混在する。し
かしながら腐食電位は合金元素濃度によつてほと
んど決まり、合金層の構造に対する依存性は小さ
いので、合金元素の平均濃度のみを制御すれば耐
食性は保たれる。前述のごとくZnめつき鋼板の
加熱によつて形成されたFe−Zn合金層は相互拡
散によつて形成されるため、Γ,δ1,ζ等の各
相がそのFe含有量の多い順に並んでいる結果、
めつきはく離を生じ易いが、電気めつき法で作成
したZn合金層は相互拡散による合金層のごとき
構造をとらず、従つてはく離性は良好である。 なお本発明に言う下層とは、Fe,Ni,Co,Cu
の1種または2種以上の合計の平均濃度が8〜30
%の範囲にあるならば、単層であつても2層以上
であつても良い。但し2層以上の構造を有する下
層について、製造工程においてその最外層に純
Zn又は純Znに近い低融点の電気めつき層を形成
せしむならば、その低融点層は次工程である溶融
Znめつき浴中で溶融し消失する。 Zn合金層の付着量の下限を片面当たり5g/
m2と定めたのは、5g/m2未満の付着ではピンホ
ールが多く、従つて下地Feに対する防食作用が
不充分なためである。上限については40g/m2を
超えるめつきを電気めつき法で施すことは効率が
悪いので40g/m2とした。 上層である溶融Znめつき層の付着量の下限を
20g/m2としたのは、20g/m2未満の目付では腐
食環境下に於いて上層が短時間で消失し耐食性が
不充分なためである。上限については通常の目付
量制御法では鋼板表面に600g/m2を超える量の
Znを均一に付着せしむることは困難なので、片
面当り600g/m2と定めた。 上層を形成する溶融Zn又は溶融Zn合金めつき
層は通常の溶融めつきに用いられるZnがAl10%
以下、Fe3%以下、Mg3%以下、Sn5%以下、Sb1
%以下、Pb1%以下の1種以上を含有するZn浴中
で形成されたもので良い。以下これらを溶融めつ
き層と総称する。溶融Znめつき層は電気Znめつ
き層に比較して硬度が低く、従つて潤滑性にすぐ
れている。 このような鋼板の製造法としては、鋼板を通常
の方法で脱脂、酸洗した後、通常のZnめつき浴
である硫酸浴、又は塩化物浴にFeイオン、Niイ
オン、Coイオン、Cuイオンの1種以上を共存さ
せた浴中で陰極電解すれば、下層の合金層が得ら
れる。共存濃度及び電解条件を制御することによ
つて下層の組成及び付着量が制御できる。 下層を形成せしめた鋼板を430〜550℃の溶融
Zn浴に浸漬すれば、上層の溶融Zn層が得られ
る。この場合、溶融めつき浴温度を430〜550℃と
定めたのは、Zn融点は419℃であるが、、430℃未
満の温度では溶融Znの粘性が高く、めつきが困
難なためである。上限については550℃を超える
温度ではめつき作業を阻害するドロスの発生量が
多く、かつZnの蒸発が激しくなつて作業性が低
下することを考慮して550℃とした。なお浸漬時
間は特に定めないが、3〜60秒程度が適当であ
る。 付着量の制御は通常のガスワイピング法或いは
ロール絞り法など任意の手段で行う。 なお、電気Zn合金めつき浴としては前記の通
り硫酸浴又は塩化物浴を用いるが、金属イオン濃
度は望ましくはZn2+イオンが0.1〜2.0モル/程
度に対して、Feイオン(Fe2++Fe3+),Ni2+イオ
ン、Co2+イオン、Cu2+イオンは各々0.01〜2.0モ
ル/程度が適当である。それ以外はNa5イオ
ン、K+イオン、NH4 +イオン等も添加される。電
解条件は特に定めないが、望ましい範囲として
は、陰極電流密度はほぼ5〜200A/dm2程度、
電解時間は約1〜400秒程度が適当である。 このようにして得られる本発明のZn系2層め
つき鋼板は、上層は溶融めつきで作られるため電
気めつきに特有の残留応力や結晶の並び方を有し
ておらず、従つて硬度が高くない。一方下層は電
気めつきで作られるためZn合金の各相はランダ
ムに配置されており順序よく並んだ構造をとらな
い。その結果潤滑性がすぐれ、しかも耐はく離性
が極めて良好である。更に下層としてZnとFeと
の中間の電位を有するZn−Fe系、Zn−Ni系、Zn
−Co系、Zn−Cu系合金層を選ぶことによつて耐
食性も良好となる。 以下実施例により本発明の効果を更に具体的に
示す。 実施例 鋼板表面を通常の方法で脱脂、酸洗した後、各
種Zn合金めつき浴中で各種条件で陰極電解し、
その後溶融Znめつき浴に浸漬して各種のZn系2
層めつき鋼板を得た。詳細を第1表に示す。 次に、第1表に示した方法で作成したZn系2
層めつき鋼板を塩水噴霧試験によつて耐食性を、
金属磨耗試験によつて潤滑性を、型かじり試験に
よつて耐はく離性を調べた。結果を第2表に示
す。第1表の番号と第2表の番号は各々対応して
いる。
【表】
【表】
【表】
【表】
表中2,3,4,6,8,10,12,14は比較
例、他は本発明の鋼板である。溶融Znめつき浴
温度が本発明の範囲外である2,3ではめつきが
困難であつた。溶融Znめつき後に加熱して作つ
た下層を有する4の鋼板はめつき層がはく離し易
く、電気めつきで作つた上層を有する6の鋼板は
潤滑性が悪い。下層の組成が本発明の範囲外であ
る8,10の鋼板、下層の目付量が本発明の範囲外
である12の鋼板、上層の目付量が本発明の範囲外
である14の鋼板はいずれも耐食性が悪い。 これに対し、本発明のZn系2層めつき鋼板は
いずれも、耐食性、潤滑性、耐はく離性がすぐれ
ている。また本発明の方法ではZn系2層めつき
鋼板が良好に製造できる。 以上詳述したごとく本発明は加工性特に潤滑性
及び耐はく離性がすぐれたZn系2層めつき鋼板
を得ることを可能としたものであり、その産業上
の価値は誠に大きい。
例、他は本発明の鋼板である。溶融Znめつき浴
温度が本発明の範囲外である2,3ではめつきが
困難であつた。溶融Znめつき後に加熱して作つ
た下層を有する4の鋼板はめつき層がはく離し易
く、電気めつきで作つた上層を有する6の鋼板は
潤滑性が悪い。下層の組成が本発明の範囲外であ
る8,10の鋼板、下層の目付量が本発明の範囲外
である12の鋼板、上層の目付量が本発明の範囲外
である14の鋼板はいずれも耐食性が悪い。 これに対し、本発明のZn系2層めつき鋼板は
いずれも、耐食性、潤滑性、耐はく離性がすぐれ
ている。また本発明の方法ではZn系2層めつき
鋼板が良好に製造できる。 以上詳述したごとく本発明は加工性特に潤滑性
及び耐はく離性がすぐれたZn系2層めつき鋼板
を得ることを可能としたものであり、その産業上
の価値は誠に大きい。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Fe,Ni,Co,Cuの1種または2種以上を合
計で8〜30%含有し、片面当りの付着量5〜40
g/m2の電気Zn合金めつき層を下層とし、片面
当たりの付着量20〜600g/m2の溶融Zn又は溶融
Zn合金めつきを上層とすることを特徴とする加
工性のすぐれたZn系2層めつき鋼板。 2 鋼板をFeイオン、Niイオン、Coイオン、Cu
イオンの1種又は2種以上を含有するZnめつき
溶液中で陰極電解した後、430〜550℃の溶融Zn
又は溶融Zn合金めつき浴中に浸漬し、その後通
常の方法で付着量を制御することを特徴とする加
工性のすぐれたZn系2層めつき鋼板の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3671883A JPS59162294A (ja) | 1983-03-08 | 1983-03-08 | 加工性のすぐれたZn系2層めつき鋼板及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3671883A JPS59162294A (ja) | 1983-03-08 | 1983-03-08 | 加工性のすぐれたZn系2層めつき鋼板及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59162294A JPS59162294A (ja) | 1984-09-13 |
JPS6144157B2 true JPS6144157B2 (ja) | 1986-10-01 |
Family
ID=12477527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3671883A Granted JPS59162294A (ja) | 1983-03-08 | 1983-03-08 | 加工性のすぐれたZn系2層めつき鋼板及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59162294A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63143269A (ja) * | 1986-12-05 | 1988-06-15 | Nippon Steel Corp | 耐食性および加工性にすぐれた合金めつき鋼材の製造法 |
JP2777902B2 (ja) * | 1989-04-06 | 1998-07-23 | 新日本製鐵株式会社 | 耐食性に優れた複層めっき鋼板 |
JPH04202797A (ja) * | 1990-11-30 | 1992-07-23 | Nkk Corp | プレス成形性および電着塗装性に優れた複数のめっき層を有する鉄系合金めっき鋼板およびその製造方法 |
-
1983
- 1983-03-08 JP JP3671883A patent/JPS59162294A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59162294A (ja) | 1984-09-13 |
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