JP2777902B2 - 耐食性に優れた複層めっき鋼板 - Google Patents

耐食性に優れた複層めっき鋼板

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JP2777902B2 JP1085728A JP8572889A JP2777902B2 JP 2777902 B2 JP2777902 B2 JP 2777902B2 JP 1085728 A JP1085728 A JP 1085728A JP 8572889 A JP8572889 A JP 8572889A JP 2777902 B2 JP2777902 B2 JP 2777902B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は自動車車体、健材および家電製品に用いる耐
食性に優れためっき鋼板に関するものである。
(従来の技術) 鋼板を使用する用途において耐食性に優れた表面処理
鋼板の必要性が大きく、鉄の犠牲防食の観点から亜鉛め
っき鋼板および亜鉛合金めっき鋼板が広く使用されてい
る。本発明はより優れた亜鉛系のめっき鋼板に関し、既
存の亜鉛系のめつき被膜の表面に耐食性に優れた被膜を
重ねめっきした重畳めっき鋼板を提供するものである。
本発明に関係する従来技術としては、シリカ(SiO2
と亜鉛(Zn)複合めっき被膜を被覆した亜鉛または亜鉛
合金めっき鋼板の特公昭60−9590号公報、溶融Alめっき
被膜を被覆した二層亜鉛めっき鋼板の特開昭63−47355
号公報、蒸着Alと亜鉛の二層蒸着めっき鋼板の米国特許
3438754号公報、蒸着Mg亜鉛二層めっきを被覆した鋼板
のドイツ特許1905908号公報がある。これらのめっき鋼
板は耐食性に優れているが密着性、めっき界面の腐食問
題から実現していない。
(発明が解決しようとする課題) 鉄の犠牲防食能に関しては、亜鉛が実用的な金属であ
る。しかしながら、亜鉛は活性であるため白錆を発生し
て消耗する。理想的なめっき被膜は鉄の犠牲防食に必要
な最小限のめっき金属が消耗する組成が望ましい。めっ
き被膜このような機能を付与するためには、合金めっき
および重ねめっきがある。重ねめっきした場合Ni,Cr,Fe
等の亜鉛より貴な金属が亜鉛めっき被膜の表面に被覆さ
れると、異種金属接触による電池が形成され、下層の亜
鉛が選択的に腐食する問題があった。亜鉛より卑なMg,A
l等の金属の重ねめっきの場合でも安定な酸化物被膜が
形成するため亜鉛が選択腐食する。複層めっき鋼板の場
合、表層の金属の耐食性が優れているためもし欠陥がな
ければ非常に優れた耐食性が得られるが、傷、ピンホー
ルがある場合めっき層間の剥離、腐食が生じやすい。
(課題を解決するための手段) 本発明の要旨は、 (1)Alを重量百分率で5〜55%含有する溶融亜鉛合金
めっき皮膜を下層とし、めっき量が0.5〜10g/m2のSi,T
i,Al,Mg,P,Bから選択される金属のめっき皮膜、もしく
はその金属と亜鉛を重量百分率で50%以下含有する亜鉛
合金めっき皮膜を上層とすることを特徴とする耐食性に
優れた複層めっき鋼板、 (2)Alを重量百分率で5〜55%含有し、且つMg,Si,N
i,鉄,Co,Sbから選択した金属を0.1〜1%含有する溶融
亜鉛合金めっき皮膜を下層とし、めっき量が0.5〜10g/m
2のSi,Ti,Al,Mg,P,Bから選択される金属のめっき皮膜、
もしくはその金属と亜鉛を重量百分率で50%以下含有す
る亜鉛合金めっき皮膜を上層とすることを特徴とする耐
食性に優れた複層めっき鋼板、 (3)Ni,鉄,Coの一種もしくは二種以上の金属を重量百
分率で1〜15%含有する電気亜鉛合金めっき皮膜を下層
とし、0.5〜10g/m2のSi,Ti,Al,Mg,P,Bから選択される金
属めっき皮膜、もしくはその金属と亜鉛を重量百分率で
50%以下含有する亜鉛合金めっき皮膜を上層とすること
を特徴とする耐食性に優れた複層めっき鋼板、である。
(作用) 本発明は下層に特定の亜鉛合金めっき、上層に耐食性
に優れたSi,Ti,Al,Mg,P,Bから選択される金属もしくは
その亜鉛合金被膜被覆した複層めっき鋼板である。上層
めっき金属はいずれも亜鉛より卑な金属であるがその水
酸化物および酸化物は非常に安定である特徴をもってい
る。したがって、もしめっきに欠陥があると下層の亜鉛
が選択腐食する。本発明は下層に5〜55%のAl含有溶融
亜鉛合金もしくは1〜15%の鉄、Ni,Coの一種以上の電
気亜鉛合金めっきを用いることによりこの問題を解決し
た。下層に亜鉛合金を用いると上層めっきは非常に微細
の結晶が緻密に形成することが出来る。第1図aに溶融
亜鉛めっき、bに5%Al含有亜鉛合金めっき、cに12%
Ni含有亜鉛合金めっきの表面にSiを1ミクロン上層めっ
きした走査型電子顕微鏡写真の写生図をしめした。第1
図aの溶融亜鉛めっき上に比べ亜鉛合金めっき第2図b
(5%Al亜鉛合金めっき上)第1図c(12%Ni含有亜鉛
合金めっき上)はSiの結晶が細かく緻密である。他の上
層めっき金属およびその亜鉛合金めっきの場合も同様に
欠陥の少ないめっき被膜を被覆することが出来る。ま
た、下層に亜鉛合金めっきを用いることによって従来重
ねめっきで問題であっためっき層界面における腐食が防
止され上層めっき被覆の防食効果が長期間にわたって持
続できる。下層の合金めっきもまた上層のイオンおよび
腐食生成物の作用により安定な腐食生成物が形成し両者
の複合作用により優れた耐食性が得られた。下層のめっ
き組成は溶融亜鉛めっきの場合、5〜55%Alを含有する
亜鉛合金めっきが優れている。5%未満では上層のめっ
き被膜が局部的に析出しやすくまた、従来の問題である
めっき界面の選択腐食が生ずる。55%超では亜鉛に対す
る犠牲防食が極端に低下し通常の環境では赤錆が発生し
やすい。最も好ましいAlの含有率は5〜25%であり、特
に溶融状態で急速冷却しためっき、スキンパスのような
軽圧延をおこなっためっき表面が好ましい。
下層めっきの5〜55%Alを含有する亜鉛合金めっきに
Mg,Si,Ni,鉄,CO,Sbから選択した金属を0.1〜1%含有さ
せた溶融亜鉛合金めっきを用いることにより最も好まし
い結果を得ることが出来る。これらの金属の添加により
微細な上層めっき結晶が析出し、耐食性も向上する。0.
1%未満ではその効果が発揮されない。1%超では下層
めっきが硬くなり加工によって割れやすくなる欠点が生
ずるため好ましくない。
電気めっきの場合の下層めっきは1〜15%の鉄、Ni,C
oの一種以上の電気亜鉛めっきである。これらのうち、
最も好ましい合金めっきはNiを8〜12%含有する合金め
っきである。下層めっきのめっき組成において鉄、Ni,C
oが1%未満では上層のめっきが不均一であり、めっき
界面の腐食が生じ好ましくない。また、15%超では鉄に
対する犠牲防食能が不十分である。これらのうち、最も
好ましい合金めっきはNiを8〜12%含有する合金めっき
である。
上層めっきについて述べる。上層はめっき量が0.5〜1
0g/m2のSi,Ti,Al,Mg,P,Bから選択される金属の被膜もし
くは亜鉛合金被膜である。これらの金属の特徴は金属自
身が非常に活性であり、その酸化物、水酸化物、炭酸
塩、塩化物が非常に安定であることである。傷部におい
て、最初に上層めっきがわずかに腐食し次に下層の亜鉛
が腐食し上層と下層の金属イオンが中和して安定な腐食
生成物を形成し傷部を遮断する。上層のめっき金属イオ
ンの存在により耐食性の優れた水酸化亜鉛を主体とする
腐食生成物を形成する。上層めつきのめっき量が0.5g/m
2未満では上層めっきによる被覆率が不十分であるため
上層めっきの効果が期待できない。上層めっきのめっき
量が10g/m2超では上層めっきが割れやすく粉状に剥離す
る問題が生ずる。上層めっきの被膜金属としてはSi,Ti
がとくに優れた耐食性能が得られ、めっき量は1〜4g/m
2が最も好ましい。
上層めっき被膜としてSi,Ti,Al,Mg,PおよびBから選
択される金属と亜鉛の合金めっきを用いることが出来
る。合金の場合、下層めっきとの親和力が増し純粋なめ
っきに比べ密着性に優れた複層めっき鋼板を得ることが
出来る。特に、亜鉛の含有率が50%未満の合金めっきを
上層とするめっきは耐食性および密着性のバランスのよ
い複層めっき鋼板が得られる。上層めっきをめっきする
方法としては真空めっき例えば蒸着めっき、イオンプレ
イティング、スパッタリングが最も好ましいが、非水め
っき、溶融塩めっき、溶射めっき等が適用出来る。
本発明の複層めっき後にクロメート処理、りん酸塩処
理等の化成処理やシリケート等の無機コーティング、ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル
樹脂等の有機高分子コーティングを被覆することにより
耐食性が向上する。クロメートと有機高分子の組合せが
最も良好な性能が得られる。
(実施例1) めっき量が60g/m2の5%Al−0.2%Mg含有の亜鉛合金
めっき鋼板のうえに第1表に示すSi,Ti,Al,Mg,B,りんを
それぞれめつきした複層めっき鋼板を作成した。比較と
して溶融亜鉛めつき鋼板(0.3%Al含有)のうえにAlを
蒸着めっきした鋼板および無処理の5%Al亜鉛合金めっ
き鋼板を作成した。得られた鋼板の表面に無水クロム酸
とコロイダルシリカから成るクロメート処理液をCr換算
で10mg/m2塗布したのち熱風乾燥し試料を作成した。カ
ッターナイフで深い傷をクロスカット状に入れ耐食性を
次のように調査した。塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)
にて500時間および1000時間時点での白錆および赤錆の
発生を面積率で目視評価した。密着性はT曲げ(180度
の密着曲げ後テーピング)後、酸もしくはアルカリにて
剥離した金属を溶解し、原子吸光分析にて剥離量(g/
m2)を定量分析した。無処理の5%Al亜鉛合金めっき鋼
板(A−8)が1000時間で赤錆が20%発生したのに対し
SiおよびTiを蒸着した複層めっき鋼板(A−1,A−2)
は赤錆の発生は認められず白錆が10%発生した程度であ
った。Al(A−3)、Mg(A−4)を重ねめっきした複
層めっき鋼板は500時間で白錆が発生したが1000時間で
も赤錆の発生を認めなかった。B(A−5)およびP
(A−6)を蒸着した複層めっき鋼板は白錆の発生のみ
で赤錆は認められなかった。
(実施例2) めっき量が60g/m2のAl亜鉛合金めっき鋼板のうえに第
2表に示すSi,Tiをそれぞれ蒸着めっきした複層めっき
鋼板を作成した。比較として無処理のAl亜鉛合金めっき
鋼板を作成した。得られた鋼板の表面に無水クロム酸と
コロイダルシリカから成るクロメート処理液をCr換算で
10mg/m2塗布したのち熱風乾燥し試料を作成した。カッ
ターナイフで深い傷をクロスカット状に入れ耐食性を次
のように調査した。塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)に
て500時間および1000時間時点での白錆および赤錆の発
生を面積率で目視評価した。密着性はT曲げ(180度の
密着曲げ後テーピング)後、酸もしくはアルカリにて剥
離した金属を溶解し、原子吸光分析にて剥離量(g/m2
を定量分析した。無処理の5%Al亜鉛合金めっき鋼板
(B−7〜B−9)が1000時間で赤錆が発生したのに対
しSiおよびTiを蒸着した複層めっき鋼板(B−1〜B−
6)は赤錆の発生が50%Al−Zn合金めっきの傷部にわず
かに認められ程度で優れた耐食性を示した。
(実施例3) めっき量が60g/m2の5%Al亜鉛合金めっき鋼板のうえ
に第3表に示すSiを付着量をかえて蒸着めっきし、複層
めっき鋼板を作成した。得られた鋼板の表面に無水クロ
ム酸とコロイダルシリカから成るクロメート処理液をCr
換算で10mg/m2塗布したのち熱風乾燥し試料を作成し
た。カッターナイフで深い傷をクロスカット状に入れ耐
食性を次のように調査した。塩水噴霧試験(JIS−Z−2
371)にて500時間および1000時間時点での白錆および赤
錆の発生を面積率で目視評価した。密着性はT曲げ(18
0度の密着曲げ後テーピング)後、酸もしくはアルカリ
にて剥離した金属を溶解し、原子吸光分析にて剥離量
(g/m2)定量分析した。Siを0.5〜1.0g/m2蒸着した複層
めっき鋼板(C−1及びC−2)は500時間で白錆が発
生したが赤錆の発生は1000時間でも認めなかった。Si9g
/m2蒸着材は加工によるめっき剥離が増加したが耐食性
は優れていた。比較材のSi20g/m2蒸着材はSiがフイルム
状に剥離した。
(実施例4) めっき量が60g/m2の5%Al含有し且つ第三添加金属と
してSi,Ti,Ni,Co,Mgを0.2%加えた亜鉛合金めっき鋼板
のうえに第4表に示すSi,Tiをそれぞれ蒸着めっきした
複層めっき鋼板を作成した。比較として無処理のAl亜鉛
合金めっき鋼板を作成した。得られた鋼板の表面に無水
クロム酸とコロイダルシリカから成るクロメート処理液
をCr換算で10mg/m2塗布したのち熱風乾燥し試料を作成
した。カッターナイフで深い傷をクロスカット状に入れ
耐食性を次のように調査した。塩水噴霧試験(JIS−Z
−2371)にて500時間および1000時間時点で白錆および
赤錆の発生を面積率で目視評価した。密着性はT曲げ
(180度の密着曲げ後テーピング)後、酸もしくはアル
カリにて剥離した金属を溶解し、原子吸光分析にて剥離
量(g/m2)を定量分析した。無処理の5%Al亜鉛合金め
っき鋼板(E−7〜E−9)が1000時間で赤錆が発生し
たのに対しSiおよびTiを蒸着した複層めっき鋼板(E−
1〜E−6)は赤錆の発生はなく白錆が数%発生したに
すぎず優れた耐食性を示した。
(実施例5) めっき量が60g/m2のAl亜鉛合金めっき鋼板のうえに第
5表に示すSi,Tiをそれぞれ蒸着めっきした複層めっき
鋼板を作成した。比較として無処理のAl亜鉛合金めっき
鋼板を作成した。得られた鋼板の表面に無水クロム酸と
コロイダルシリカから成るクロメート処理液をCr換算で
10mg/m2塗布したのち熱風乾燥し試料を作成した。カッ
ターナイフで深い傷をクロスカット状に入れ耐食性を次
のように調査した。塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)に
て500時間および1000時間時点での白錆および赤錆の発
生を面積率で目視評価した。密着性はT曲げ(180度の
密着曲げ後テーピング)後、酸もしくはアルカリにて剥
離した金属を溶解し、原子吸光分析にて剥離量(g/m2
を定量分析した。Si,Ti,Alを薄く蒸着したNi−Zn合金
(D−1〜D−3)は薄い白錆が少し発生したのみで優
れた耐食性を示した。Siを蒸着したCo−Zn合金(D−
4)Fe−Zn合金(D−5)は後者に傷部から赤錆が若干
発生したのみで優れた耐食性を示した。Pを蒸着したNi
−Zn合金(D−6)は白錆が発生したが赤錆は発生しな
かった。比較(D−6,D−7,D−8)材はいずれも500時
間で赤錆が発生しはじめ1000時間略全面に赤錆が発生し
た。
(実施例6) めっき量が60g/m2の5%Al亜鉛合金めっき鋼板及び12
%Ni亜鉛合金めっきのうえに第6表に示すSi,Ti,Alと亜
鉛の合金めっきを蒸着めっきし、複層めっき鋼板を作成
した。得られた鋼板の表面に無水クロム酸とコロイダル
シリカから成るクロメート処理液をCr換算で10mg/m2
布したのち熱風乾燥し、試料を作成した。カッターナイ
フ深い傷をクロスカット状に入れ耐食性を次のように調
査した。塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)にて500時間お
よび1000時間時点での白錆および赤錆の発生を面積率で
目視評価した。密着性はT曲げ(180度の密着曲げ後テ
ーピング)後、酸もしくはアルカリにて剥離した金属を
溶解し、原子吸光分析にて剥離量(g/m2)を定量分析し
た。Si,TiとZnの合金を蒸着した複層めっき鋼板(F−
1〜F−2)は1000時間で白錆,赤錆の発生を認めなか
った。Al,MgとZn合金の蒸着材は白錆のみであった。
12%Ni亜鉛合金めっきの上にZn−Siの合金を蒸着した
材料は錆の発生を認めなかった。
(実施例7) めっき量が60g/m2の5%Al亜鉛合金めっき鋼板のうえ
に5g/m2のSi,Ti,Alを溶射めつきをして複層めっき鋼板
を作成した。得られた鋼板の表面に無水クロム酸とコロ
イダルシリカから成るクロメート処理液をCr換算で10mg
/m2塗布したのち熱風乾燥し試料を作成した。カッター
ナイフで深い傷をクロスカット状に入れ耐食性を次のよ
うに調査した。塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)にて500
時間および1000時間時点での白錆および赤錆の発生を面
積率で目視評価した。密着性はT曲げ(180度の密着曲
げ後テーピング)後、酸もしくはアルカリにて剥離した
金属を溶解し、原子吸光分析にて剥離量(g/m2)を定量
分析した。Si,Ti,Alを5g/m2溶射した複層めつき鋼板は5
00時間で白錆が発生したが赤錆の発生は1000時間でも認
めなかった。
(発明の効果) 本発明は蒸着を用いた場合、一層の合金めっき製品に
比べ比較的容易に従来の合金めっき以上の耐食性能を有
する複層めっき鋼板を得ることが出来る。特に蒸着めっ
きプロセスの問題の一つである短時間で密着性を確保す
ることが難しいのに対し下層に合金めっきを用いること
により容易に密着性が得られる特徴がある。また、上層
の金属は薄く平滑なため当面が美麗であり高級な外観を
生かした用途も考えられる。さらには、耐熱性、耐磨耗
性、耐薬品性など新しい特性を期待できるための用途的
には広い範囲に使用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図aは溶融亜鉛めっきの上にSiを蒸着した表面を走
査型電子顕微鏡写真の写生図でSiが不均一に付着してい
る比較例を示すものである。第1図bはAlと亜鉛の合金
めっき上にSiを蒸着した例で流状ではあるが均一なSiが
析出する本発明の電子顕微鏡写真の写生図である。第1
図cはNi亜鉛の電気めっきのうえにSiを蒸着した例で非
常に緻密なSiが析出している電子顕微鏡写真の写生図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橘高 博之 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式会社君津製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭61−179861(JP,A) 特開 昭63−47355(JP,A) 特開 昭64−17855(JP,A) 特開 昭60−52568(JP,A) 特開 昭59−162294(JP,A) 特開 昭63−143269(JP,A) 特開 平1−104753(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 28/00 - 28/04 C23C 2/00 - 2/40 C23C 14/00 - 14/58 C25D 5/00 - 5/56

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Alを重量百分率で5〜55%含有する溶融亜
    鉛合金めっき皮膜を下層とし、めっき量が0.5〜10g/m2
    のSi,Ti,Al,Mg,P,Bから選択される金属のめっき皮膜、
    もしくはその金属と亜鉛を重量百分率で50%以下含有す
    る亜鉛合金めっき皮膜を上層とすることを特徴とする耐
    食性に優れた複層めっき鋼板。
  2. 【請求項2】Alを重量百分率で5〜55%含有し、且つM
    g,Si,Ni,鉄,Co,Sbから選択した金属を0.1〜1%含有す
    る溶融亜鉛合金めっき皮膜を下層とし、めっき量が0.5
    〜10g/m2のSi,Ti,Al,Mg,P,Bから選択される金属のめっ
    き皮膜、もしくはその金属と亜鉛を重量百分率で50%以
    下含有する亜鉛合金めっき皮膜を上層とすることを特徴
    とする耐食性に優れた複層めっき鋼板。
  3. 【請求項3】Ni,鉄,Coの一種もしくは二種以上の金属を
    重量百分率で1〜15%含有する電気亜鉛合金めっき皮膜
    を下層とし、0.5〜10g/m2のSi,Ti,Al,Mg,P,Bから選択さ
    れる金属のめっき皮膜、もしくはその金属と亜鉛を重量
    百分率で50%以下含有する亜鉛合金めっき皮膜を上層と
    することを特徴とする耐食性に優れた複層めっき鋼板。
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