JPH0218054Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエレベータの乗場に設置される操作
盤の改良に関するものである。

通常、エレベータの乗場には、上りボタン及び
下りボタンを持つ乗場ボタンが設置されている。
そして、上り方向へ行きたい乗客は上りボタン
を、下り方向へ行きたい乗客は下りボタンを押し
てかごを呼び寄せ、到着したかごに乗り込むとか
ご内操作盤の行先階ボタンによつてかご呼びを登
録し、かごを所望の階へ運転する。

しかし、かご室が広い場合、満員になると先に
乗つた人はかご室の奥に詰め込まれるため、かご
呼びの登録は困難になる。すなわち、通常かご内
操作盤はかご出入口付近に配置されるため、かご
室の奥にいる乗客が行先階ボタンを押すために
は、人をかき分けて行かなければならず、かご室
内が混乱する。また、自分では行先階ボタンが押
せない程混んでいる場合には、大声で他の乗客に
頼んで行先階ボタンを押してもらうよりないが、
人によつてはこれをためらうことがあり、自分の
希望する階に行けなくなつてしまうことがある。

これを改良するため、例えば実公昭53−40843
号公報に示されるように、乗場に行先階ボタンを
設けるものが提案されている。これを、第１図に
示す。

図中、Ｘ，Ｙはそれぞれ３階のエレベータ出入
口に設けられた１号機及び２号機の乗場戸、１，
２，４〜９はそれぞれ１階、２階、４階〜９階に
対応する呼びを１号機及び２号機共通に登録する
行先階ボタンで、これらは３階の乗場に設置され
た乗場操作盤１０に配列されている。１１Ｘ，１
１Ｙはそれぞれ１号機及び２号機の乗場戸Ｘ，Ｙ
の上方に設置され各階に対応する階床数字を表示
する表示灯が配列され、点灯によつて１号機及び
２号機が割り当てられている階（行先階）を表示
する行先階表示器、１２Ｘ，１３Ｘは１号機の上
り及び下り到着予報灯、１２Ｙ，１３Ｙは同じく
２号機の到着予報灯である。

今、３階乗場で１階、２階、４階及び５階の行
先階ボタン１，２，４，５が押されると、これら
の呼びは周知のエレベータ割当装置によつて、各
かごに割り当てられる。このようにして、乗場か
らの情報が、従来上りと下りだけであつたのが、
更に明確な行先階として与えられるので、上記割
当てはいつそう精度の高いものとなり、それぞれ
最適のかごが割り当てられることになる。その結
果、１階及び２階の呼びは１号機に、４階及び５
階の呼びは２号機に割り当てられたとすると、行
先階表示器１１Ｘ，１１Ｙにより、それぞれ行先
階が表示される。これで、１階及び２階へ行く乗
客は１号機の乗場戸Ｘの前で、４階及び５階へ行
く乗客は２号機の乗場戸Ｙの前でかごを待てばよ
いことになる。かごが到着してかごに乗り込む
と、既に行先階のかご呼びは自動的に登録されて
いるので、乗客は結局乗場で行先階ボタンを１回
押すだけでよく、かご内が混雑していてかご内の
行先階ボタンが押せないという不具合は解消され
る。

しかしながら、行先階表示器１１Ｘ，１１Ｙは
高価であるため、コスト上の制約から設置されな
いことが考えられる。この場合、乗客は到着予報
灯１２Ｘ，１２Ｙ，１３Ｘ，１３Ｙの点灯（点
滅）によつてかごの到着を知つて、かごに乗り込
む準備をすることになる。

しかし、通常乗客は、自分の行先階が自分のい
る階よりも上方にあるのか、又は下方にあるのか
を意識せずに行先階ボタンを押すことが多い。そ
のため、かごが到着したとき、自分の行先階の方
向と点灯した到着予報灯１２Ｘ，１２Ｙ，１３
Ｘ，１３Ｙの方向との対応がつかず、一瞬途惑つ
たり、反対方向へ行くかごに乗り間違えたり、乗
るべきかごに乗り損なつたりすることが起こり得
る。

この考案は上記不具合を改良するもので、行先
階ボタンを方向別に配列することにより、かご到
着時に判断に迷つたり、かごに乗り間違えたりす
ることが少なくなるようにするとともに自分の行
先階の方向を意識しやすくしたエレベータの乗場
操作盤を提供することを目的とする。

以下、第１図及び第２図によりこの考案の一実
施例を説明する。

第２図では、３階よりも下方の１階及び２階の
行先階ボタン１，２からなる下方行先階ボタン群
Ｌが、乗場操作盤１０の下方に配置され、これと
ほぼ行先階ボタン１個分分離して３階よりも上方
の４階〜９階の行先階ボタン４〜９からなる上方
行先階ボタン群Ｈが、乗場操作盤１０の上方に配
置されている。そして、更に下方行先階ボタン群
Ｌと上方行先階ボタン群Ｈの間には、上りボタン
１４と下りボタン１５（通常の乗場ボタンの上り
ボタン及び下りボタンと同様の機能を持つもの）
が併設されている。

このように、第１図の乗場操作盤１０の行先階
ボタン１，２，４〜９の配置とは異なり、下方行
先階ボタン群Ｌと上方行先階ボタン群Ｈとは明確
に分割して配置されているので、乗客が行先階ボ
タン１，２，４〜９を押すとき、自然に自分の行
先階の方向を意識することになる。したがつて、
かご到着時に自分の行先階の方向と到着予報灯の
方向の一致・不一致の判断に迷うことがなくな
り、かごを乗り間違えたり、乗り損なつたりする
ことが少なくなる。また、これらの上りボタン１
４及び下りボタン１５は三角形を形成しており、
それらの三角形の向きがそれぞれ上方行先階ボタ
ン群Ｈ及び下方行先階ボタン群Ｌを指し示すよう
になるので、いつそう乗客が自分の行先階の方向
を意識しやすくなるものである。

第３図はこの考案の他の実施例を示し、下方向
先階ボタン群Ｌと上方行先階ボタン群Ｈを、左方
及び右方に分離して配置し、それらの下方に下り
ボタン１５及び上りボタン１４を配設したもので
ある。この機能も既述の実施例と同様である。

以上説明したとおりこの考案は、エレベータの
乗場操作盤の行先階ボタンを、下方行先階ボタン
群と上方行先階ボタン群と分離して配列し、かつ
これらに下りボタン及び上りボタンを対応させて
配置したので、乗客が行先階ボタンを押したとき
自分の行先階の方向を自然に意識することがで
き、かご到着時に判断に迷つたり、乗り間違えた
りすることを少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエレベータの乗場操作盤を示す
乗場正面図、第２図はこの考案によるエレベータ
の乗場操作盤の一実施例を示す正面図、第３図は
この考案の他の実施例を示す正面図である。 １，２，４〜９は１階、２階４階〜９階の行先
階ボタン、１０は３階の乗場操作盤、１４は上り
ボタン、１５は下りボタン、Ｌは下方行先階ボタ
ン群、Ｈは上方行先階ボタン群。なお、図中同一
符号は同一部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 乗場に行先階の呼びを登録する行先階ボタン
   を配置したものにおいて、上記行先階ボタンの
   設置された階床よりも下方の階床の行先階ボタ
   ン群と、上方の階床の行先階ボタン群とを分離
   して配列し、上記行先階ボタンの配置された階
   床の下り呼び及び上り呼びを登録する下りボタ
   ン及び上りボタンをそれぞれ上記下方の階床の
   行先階ボタン群及び上方の階床の行先階ボタン
   群に対応させて配置したことを特徴とするエレ
   ベータの乗場操作盤。 (2) 下方の階床の行先階ボタン群の上方に上方の
   階床の行先階ボタン群を配置し、その間にそれ
   ぞれ下りボタン及び上りボタンを配置した実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のエレベータの
   乗場操作盤。 (3) 下方の階床の行先階ボタン群の横に上方の階
   床の行先階ボタン群を配置し、これらの下にそ
   れぞれ下りボタン及び上りボタンを配置した実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のエレベータ
   の乗場操作盤。