JPH0217263Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、集合住宅やホテル等の建築物におけ
る汚水や雑排水等の排水を行なう排水集合管の取
付装置に関する。

（従来の技術） 従来、排水集合管を取付ける場合には、第３図
に示される如く、建築物の各階のコンクリート床
１に排水集合管２の管径より大きな挿通孔３を形
成し、該挿通孔３に集合管２を挿入し、集合管２
の分枝管４を床１に当接させ、挿通孔３と集合管
２外周面との間隙にコンクリート５を充填し、固
化させて集合管２を床１に固定していた。

（考案が解決しようとする課題） 上記集合管２の取付けによれば、集合管２内を
流れる排水の流下音が充填固化したコンクリート
５と床１を伝播し、居室内の騒音となつていた。

（課題を解決するための手段） そこで、本考案は排水の流下音が集合管と床と
の取付部を介して居室内へ伝播するのを防止する
と共に施工性の良好なものを提供するものであ
り、その技術的手段は、建築物のコンクリート床
に設けられた挿通孔に、上部集合管と下部集合管
とからなる排水集合管の下部集合管が遊挿され、
挿通孔上方位置で上部集合管下端部と下部集合管
上端部とを互いにボルト締結により接続する外方
張出状のフランジ体に、支持具の上端部が前記ボ
ルトで共締め固定され、支持具の下端部が遮音材
を介してコンクリート床上面側に固定され、前記
挿通孔内周面と下部集合管外周面との間隙に遮音
材が充填された点にある。

（作用） 本考案によれば、支持具とコンクリート床との
間に介在された遮音材、及び下部集合管と挿通孔
との間隙に充填された遮音材によつて、排水によ
る流下管の居室内に対する伝播を防止するのであ
る。

また、上部集合管と下部集合管とを接続するボ
ルトを利用して支持具の上端部を共締めするた
め、部材が兼用でき、構成が簡素化される。そし
て、ボルトの締結作業に際しては、挿通孔上方に
位置されているため、締結作業が容易に行なえ
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、第１図及び第２図において、１１は排水集
合管で、上部集合管１２と下部集合管１３とから
なり、上部集合管１２には上端及び側面に排水立
管や横枝管との接続部１５，１７が夫々設けられ
ている。また、下部集合管１３側面にも横枝管と
の接続部３４が適宜設けられている。

下部集合管１３上端には受口部３０が設けられ
ており、該受口部３０に上部集合管１２下端が挿
入され、上部集合管１２に外嵌されたフランジ体
としての押輪３１と、受口部３０上端の外方張出
状のフランジ体としてのフランジ部３３とがパツ
キング３２を介してボルト２１、ナツト２２によ
り締結されて互いに接続されている。そして、建
築物のコンクリート床２３に形成された挿通孔２
４内に下部集合管１３が該外周面と間隙を有して
遊挿されている。

挿通孔２４上方に位置されたボルト２１、ナツ
ト２２の締結部には、該ボルト２１、ナツト２２
を利用してフランジ部３３下面側に支持具として
の支持金具２５の上端部が共締め状に締結固定さ
れている。また支持金具２５の下端部は挿通孔２
４周縁部のコンクリート床２３上面に、遮音材と
しての超低反発弾性ゴム等の緩衝ゴム２６を介在
して、ホールインアンカ２７により締結固定され
ている。

そして下部集合管１３外周面と挿通孔２４内周
面との間隙には遮音材としてのロツクウール２８
が充填されている。

尚、下部集合管１３の内周面には三日月状の羽
根体２９が突設されており、排水の流れに旋回力
を与え、排水の流れを円滑に行なうよう構成され
ている。また下部集合管１３の接続部３４とコン
クリート床２３上面との間には適宜、間隙を有し
て配設してもよい。

本考案の実施例は以上のように構成されてお
り、排水集合管１１をコンクリート床２３に取け
固定するに際し、支持金具２５とコンクリート床
２３との間に緩衝ゴム２６が設けられ、また下部
集合管１３外周面と挿通孔２４内周面との間隙に
ロツクウール２８が充填されているため、排水集
合管１１内を流れる排水の流下音は緩衝ゴム２６
やロツクウール２８によつて吸収され、コンクリ
ート床２３に対する流下音の伝播が防止でき、従
つて居室内に対する流下音による騒音が有効に防
止できる。また、上部集合管１２と下部集合管１
３とを締結するためのフランジ部３３を利用して
支持金具２５の上端部をボルト２１、ナツト２２
で共締めする構成であり、部材の兼用化が図れ、
構成の簡素化が図れる。さらにボルト２１、ナツ
ト２２による締結部が挿通孔２４の上方位置であ
るため、ボルト２１締め作業がコンクリート床２
３上で容易に行なえ、施工性がよく、ボルト２
１、ナツト２２による締結部が挿通孔２４内に位
置されるものと比較して挿通孔２４も小さな孔径
でよい。

（考案の効果） 本考案によれば、建築物のコンクリート床に設
けられた挿通孔に、上部集合管と下部集合管とか
らなる排水集合管の下部集合管が遊挿され、挿通
孔上方位置で上部集合管下端部と下部集合管上端
部とを互いにボルト締結により接続する外方張出
状のフランジ体に、支持具の上端部が前記ボルト
で共締め固定され、支持具の下端部が遮音材を介
してコンクリート床上面側に固定され、前記挿通
孔内周面と下部集合管外周面との間隙に遮音材が
充填されたものであり、排水集合管内を流れる排
水の流下音は各遮音材によつて吸収され、コンク
リート床に対する流下音の伝播が防止され、従つ
て流下音による居室内に対する騒音が有効に防止
できる。また、挿通孔上方位置で、支持具上端部
を共締めする構成であり、部材の兼用化により構
成の簡素化が図れると共に施工性も良好であると
いう利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す側面図、第
２図は第１図−線断面矢視図、第３図は従来
例を示す側面図である。 １１……排水集合管、１２……上部集合管、１
３……下部集合管、２１……ボルト、２２……ナ
ツト、２３……コンクリート床、２４……挿通
孔、２５……支持金具、２６……緩衝ゴム、２８
……ロツクウール、３１……押輪、３３……フラ
ンジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建築物のコンクリート床に設けられた挿通孔
   に、上部集合管と下部集合管とからなる排水集合
   管の下部集合管が遊挿され、挿通孔上方位置で上
   部集合管下端部と下部集合管上端部とを互いにボ
   ルト締結により接続する外方張出状のフランジ体
   に、支持具の上端部が前記ボルトで共締め固定さ
   れ、支持具の下端部が遮音材を介してコンクリー
   ト床上面側に固定され、前記挿通孔内周面と下部
   集合管外周面との間隙に遮音材が充填されたこと
   を特徴とする排水集合管取付装置。