JP4668219B2 - 排水設備及びその排水設備の更新方法 - Google Patents
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Description
この排水設備100は、図16、図18に示すように、集合住宅の上階と下階とを仕切るコンクリートスラブCSを貫通して各階に設置されている排水管継手110を備えている。排水管継手110は、上階の排水立て管102及び排水横枝管103(図16参照)により導かれた排水を合流させて下階の排水立て管102に流入させる継手であり、その胴部111がコンクリートスラブCSの貫通孔CHに通された状態で埋め戻しモルタルMr等により固定されている。
排水立て管102は上部受け口102uを備えており、その上部受け口102uに上階の排水管継手110の下端直管部115が挿入接続される。また、排水立て管102の下端挿し口が下階の排水管継手110の上部受け口112に挿入接続される。
なお、排水立て管102を運搬に適した長さ寸法に裁断して現場で繋ぎ合わせる場合には、図18に示すように、ソケット105が好適に使用される。
上記した排水設備100では、上階と下階の排水管継手110が共にコンクリートスラブCSに固定されているため、例えば、途中の排水立て管102で詰まりや破損が発生し、その部分の排水立て管102を外す場合には、図17に示すように、前記排水立て管102を切断して上下に引き抜かなくてはならない。また、新たな排水立て管102を取付ける場合、その新たな排水立て管102に長さ調整が可能なやり取り継手を中間部に装着しておく必要がある。即ち、前記やり取り継手の部分で排水立て管102の一部を収納し、その排水立て管102を短くした状態で上階と下階の排水管継手110の間にセットし、次に、前記排水立て管102の一部を前記やり取り継手から引き出して上階と下階の排水管継手110に接続することが必要になる。
しかし、前記やり取り継手等を使用する方法では配管コストがアップするという問題がある。
請求項1の発明は、集合住宅の上階に設けられた排水横枝管が排水管継手の横枝管受け口に接続され、上階の排水立て管が前記排水管継手の上部受け口に挿入接続され、その排水管継手の下部接続部が下階の排水立て管に接続されており、上階の排水を重力で下階に導く構成の排水設備であって、前記排水管継手は、前記上部受け口を備える上胴体と、集合住宅の上階と下階とを仕切るコンクリートスラブを貫通して取付けられる構成で、前記下部接続部を備える下胴体と、その上胴体と下胴体とを水密な状態で連結するとともに、連結解除可能に構成された縦方向連結機構とを有しており、該縦方向連結機構は、前記上胴体の下端に形成された下部フランジと、前記下胴体の上端に形成された上部フランジとを備え、前記上胴体の下部フランジと、前記下胴体の上部フランジとが水密な状態で連結されるとともに、連結解除可能に構成されており、前記排水管継手の下胴体の下部接続部と下階の排水立て管の上端部との接続部分には、その排水管継手の下部接続部と下階の排水立て管とを水密な状態で接続するとともに、分離可能に構成された配管接続機構が設けられており、排水立て管撤去時には前記縦方向連結機構を連結解除すると共に前記配管接続機構を分離して排水立て管が排水管継手の上胴体の上部受け口に挿入接続された一体的状態で外すことのできる構成となっていることを特徴とする。
さらに、新たな排水立て管を下階の排水管継手の上胴体に挿入接続した後、その排水立て管と前記上胴体とを配管接続機構及び縦方向連結機構を使用して一体で排水設備に復旧させることができる。このため、従来のように、排水立て管の中間部に管長を調整するためのやり取り継手等が不要になり、コスト低減を図ることができるとともに、新たな排水立て管等の復旧も容易になる。
このため、下階の排水管継手の上胴体と下胴体との連結を縦方向連結機構により解除した後、下階の排水立て管を容易に上方に変位させることができるため、下階の排水管継手の上胴体を下胴体の上から取外し易くなる。なお、前記上胴体を下胴体の上から取外した後は、排水立て管とその上胴体を傾斜させた状態で、前記排水立て管等を下方に引っ張ることで、上階の排水管継手の下部接続部から排水立て管の上部受け口を簡単に引き抜くことができる。
これにより、境界拡開部に衝突する排水の抵抗を小さくすることができるとともに、排水管継手で形成された旋回流を壊さずに流下させることができる。
請求項4の発明によると、前記排水立て管の上部受け口は、管状で上方に前記排水管継手の下部接続部が挿入接続される上部受け口を有するとともに、下方に該排水立て管の直管状の上端部が嵌装可能な下側受け口を有するソケットの下側受け口に該排水立て管の上端部を嵌装接合して設けられており、該ソケットには前記上部受け口と前記下側受け口との間に、前記上部受け口側に拡開するテーパ状の境界拡開部の形成された突起が設けられており、該排水立て管の軸線に対する該境界拡開部の傾きが15°以上40°以下であることを特徴とする。
これにより、排水立て管の上部受け口がソケットにより設けられる場合であっても、これにより、境界拡開部に衝突する排水の抵抗を小さくすることができるとともに、排水管継手で形成された旋回流を壊さずに流下させることができる。
このため、新設時に排水管継手の下部接続部を下階の排水立て管の上部受け口に挿入接続する際に、バンド状の規制部材により挿入量を一定に保持することができる。ここで、規制部材が取外し可能な構成のため、規制部材を外せば、旧排水立て管の撤去時にその旧排水立て管の上方への変位が妨げられない。
このため、リング状のスペーサを撤去することにより上部受け口を有しない直管状の排水立て管を利用した排水設備においても排水立て管を切断せずに撤去することが可能になる。
このため、経時的にリング状介装体が消失することにより、筒状のシール材内でリング状のスペーサがリング状介装体の厚み分だけ上下に隙間を有した状態で配置された格好となる。それにより、リング状のスペーサを容易に撤去することが可能になる。
このため、リング状のスペーサを容易に撤去することが可能になる。
このため、排水管継手の上胴体を必要最小限の長さで形成できるようになる。
これにより、排水管継手が貫通孔にロックウールを充填した状態で、その貫通孔の上部に、例えば3cm程度のモルタルを充填した状態で埋め戻されている場合などの種々の埋め戻し形態において排水立て管の支持強度を保つことができる。
請求項13の発明は、請求項6に記載された排水設備の更新方法であって、下階の排水管継手の縦方向連結機構により上胴体と下胴体との連結を解除する連結解除工程と、前記連結解除工程の前、あるいは後に、上階の排水管継手の下部接続部に装着されたバンド状の規制部材を外す工程と、上階の排水管継手の下部接続部を下階の排水立て管の上部受け口に挿入接続している状態で、その下階の排水立て管と前記下階の排水管継手の上胴体とを上方に変位させながら前記上胴体を下胴体から横方向にずらして分離し、この後、前記排水立て管を前記上胴体と一体で下方に変位させて上階の排水管継手の下部接続部から前記排水立て管の上部受け口を分離し、さらにコンクリートスラブの貫通孔から下階の排水管継手の下胴体を撤去する撤去工程と、新たな下階の排水管継手の下胴体を前記コンクリートスラブの貫通孔に通し、その下胴体の下部接続部を前記コンクリートスラブの下側に配置された排水立て管の上部受け口に挿入接続する工程と、所定長さ寸法に裁断された新たな排水立て管の下端部を新たな上胴体の上部受け口に挿入し、前記新たな排水立て管の上部受け口を上階の排水管継手の下部接続部に接続し、この状態で、前記上胴体を下階の排水管継手の下胴体に前記縦方向連結機構により連結する復旧工程とを有することを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項7から請求項9のいずれかに記載された排水設備の更新方法であって、下階の排水管継手の縦方向連結機構により上胴体と下胴体との連結を解除する連結解除工程と、前記連結解除工程の前、あるいは後に、配管接続機構の締め具の締付けを解除して前記配管接続機構の筒状のシール材を上階の排水管継手の下部接続部に沿って上方に変位させ、リング状のスペーサと下階の排水立て管の上端部を露出させる工程と、前記リング状のスペーサを撤去し、そのスペーサの厚み分だけ前記下階の排水立て管と下階の排水管継手の上胴体とを上方に変位させ、その排水立て管と上胴体とを横方向にずらして排水設備から外し、さらにコンクリートスラブの貫通孔から下階の排水管継手の下胴体を撤去する撤去工程と、新たな下階の排水管継手の下胴体を前記コンクリートスラブの貫通孔に通し、その下胴体の下部接続部を配管接続機構により前記コンクリートスラブの下側に配置された排水立て管の上端部と接続する工程と、所定長さ寸法に裁断された新たな排水立て管の下端部を新たな上胴体の上部受け口に挿入後、前記上胴体と新たな排水立て管を下階の排水管継手の下胴体上に仮置きし、前記新たな排水立て管と上階の排水管継手の下部接続部との間に前記リング状のスペーサを介在させる工程と、前記配管接続機構の筒状のシール材を上階の排水管継手の下部接続部に沿って下方に変位させてリング状のスペーサと下階の排水立て管の上端部とを覆い、前記シール材を締め具で締付け、その後、あるいはその前に、前記上胴体を下階の排水管継手の下胴体に前記縦方向連結機構により連結する復旧工程とを有することを特徴とする。
以下、図1〜図15に基づいて本発明の実施形態1に係る排水設備及びその排水設備の更新方法の説明を行なう。本実施形態に係る排水設備はマンション等の集合住宅における排水設備であり、図1にその排水設備を表す側面図が示されている。図2は排水設備で使用される規制部材の平面図(A図)、排水立て管の上部受け口の縦断面図(B図)であり、図3〜図6は排水設備の更新方法を表す側面図である。また、図7は排水設備の更新方法の変更例を表す側面図、図8は排水設備で使用される配管接続機構の平面図等、図9は排水設備の更新方法の変更例を表す側面図である。また、図11は、排水立て管の上部受け口の変更例を表す断面図である。
本実施形態に係る排水設備10は、図1に示すように、集合住宅の上階と下階とを仕切るコンクリートスラブCSを貫通して各階に設置されている排水管継手20を備えている。排水管継手20は、上階の排水立て管30及び排水横枝管40により導かれた排水を合流させて下階の排水立て管30に流入させる継手であり、その排水管継手20の胴部21がコンクリートスラブCSの貫通孔CHに通された状態で埋め戻しモルタルMrにより固定されている。
排水管継手20の胴部21は上下分割式であり、上胴体21aと下胴体21bとから構成されている。そして、上胴体21aの下部に形成された下部フランジ41と下胴体21bの上部に形成された上部フランジ42とがパッキン40p(図4参照)を介して水密な状態で同軸に接続されている。即ち、上胴体21aの下部フランジ41、下胴体21bの上部フランジ42、パッキン40p、及びボルト、ナット(図示省略)等が本発明の縦方向連結機構に相当する。
胴部21の上胴体21aの上端部には、排水立て管30の内管31の下端挿し口31s(下端部)が挿入接続される上部受け口22が形成されている。そして、上部受け口22の内側には、排水立て管30の下端部と上部受け口22間を水密な状態でシールする略筒状のシール材(図示省略)が嵌め込まれている。また、上胴体21aには、上部受け口22と下部フランジ41との間に拡径された円筒部21eが形成されている(図1参照)。
また、胴部21の下胴体21bの下端部、即ち、コンクリートスラブCSの貫通孔CHから下方に突出する部分には排水立て管30の上部受け口35に挿入接続される下端直管部27が形成されている。さらに、下胴体21bの下端直管部27には、排水立て管30の上部受け口35に対する下端直管部27の挿入代を一定に保持するための規制部材70が装着されている。
規制部材70は、図2(A)に示すように、円周方向において一ヶ所が開放された金属製の円環部72と、その円環部72の開放部分の一端と他端とに設けられた一対の支持片74と、それらの支持片74とを連結するボルト&ナット75とから構成されている。円環部72は、下胴体21bの下端直管部27が挿入される部分であり、排水立て管30の上部受け口35の内径寸法よりは十分に大径に形成されている。また、円環部72には、前記支持片74と中心を挟んで反対側の位置にヒンジ部72hが設けられている。
一対の支持片74には、ボルトが通される貫通孔(図示省略)が形成されており、前記貫通孔にボルトが通されてナットが締付けられることで、一対の支持片74の間隔が狭められ、円環部72が縮径する。これによって、下胴体21bの下端直管部27が規制部材70の円環部72に締付けられ、規制部材70が下胴体21bの下端直管部27に対して軸方向に移動不能な状態で固定される。
即ち、下胴体21bの下端直管部27が本発明の排水管継手20の下部接続部に相当する。
排水立て管30は、図1に示すように、第1立て管30aと第2立て管30bとから構成されている。
第1立て管30aは、直管の上端にシール材付きの上部受け口35、下端にソケット部50を備える耐火二層管であり、例えば硬質塩化ビニル製の内管31を備えている。内管31は、図2(B)等に示すように、直管部32と、その直管部32の上端に形成された上部受け口35とから構成されており、その上部受け口35と直管部32間にテーパ状の境界拡開部33が形成されている。このテーパ状の境界拡開部33は、その排水立て管30(第1立て管30a)の軸線に対する傾きθを15°以上40°以下とするのが好ましい。境界拡開部33の軸線に対する傾きをこのような範囲に設定すれば、境界拡開部33に衝突する排水の抵抗を小さくすることができるとともに、排水管継手20で形成された旋回流を壊さずに流下させることができる。
上部受け口35は、排水管継手20の下端直管部27が挿入接続される部分であり、その上部受け口35の先端部(上端部)にシール材37がシール材保持リング38によって取付けられている。シール材保持リング38は、上部受け口35の上端に接合等により固定される構成であり、その内周面にシール材37を収納保持するための断面角形の溝38mが円周方向に連続して形成されている。
本実施形態では、上部受け口35の上面に装着されるリング状のワンタッチ目地材35mの厚み寸法Tを考慮して、排水管継手20の下端直管部27を第1立て管30aの上部受け口35に対して基準寸法NX(基準寸法NX>必要呑込み深さ寸法N)だけ挿入できる位置に、上記した規制部材70が取付けられている。
即ち、排水管継手20の下端直管部27と第1立て管30aの上部受け口35とが本発明の配管接続機構に相当する。
第2立て管30bは、上記した第1立て管30aと等しい径寸法の耐火二層管であり、図1に示すように、直管状の内管31と、その内管31の両端(挿し口)以外の部分を覆う繊維強化モルタル製の外管39とから構成されている。そして、第2立て管30bの上端挿し口が第1立て管30aのソケット部50に接続されることで排水立て管30が完成する。即ち、第2立て管30bの内管31の下端挿し口の部分が前記排水立て管30の下端挿し口31sとして働くようになる。
なお、第1立て管30a及び第2立て管30bは設定された長さ寸法に基づいて、必要本数だけ工場で量産され、施工現場で繋ぎ合わされて排水立て管30が組み立てられる。
なお、耐火二層管の第2立て管30bの外管はルーズなので、組み立ての際に外管を持って挿すと滑ってしまうので、第1立て管30aのソケット部50を持って挿す。
上記した排水設備10の施工及び更新方法について説明する。
排水設備10の新設時には、排水管継手20と排水立て管30とが下の階から順番に組み上げられることにより配管される。即ち、下階の排水管継手20が設置された後、その排水管継手20の上部受け口22にその階の排水立て管30の下端挿し口31sがリング状のワンタッチ目地材35mを介在させた状態で挿入接続される。次に、排水立て管30が支持材(図示省略)に支持された状態で、上階Aの排水管継手20が上階のコンクリートスラブCSの貫通孔CHに通され、その排水管継手20の下端直管部27が前記排水立て管30の上部受け口35に挿入接続される。このとき、排水管継手20の下端直管部27には、規制部材70が固定されているため、排水立て管30の上部受け口35に対する排水管継手20の下端直管部27の挿入量が一定に保持される。
さらに、上階Aの排水管継手20の上部受け口22に上階の排水立て管30の下端挿し口31sがリング状のワンタッチ目地材35mを介在させた状態で挿入接続される。このように、下の階から順番に排水管継手20と排水立て管30とが接続されることで、排水設備10が施工される。
なお、排水設備10の施工後、各階のコンクリートスラブCSの貫通孔CHがモルタルMrにより埋め戻されて、各階の排水管継手20はコンクリートスラブCSに固定される。
先ず、図3に示すように、下階Bの排水管継手20における上胴体21aの下部フランジ41と下胴体21bの上部フランジ42との連結が解除される。なお、図3中の符号Bは下部フランジ41、上部フランジ42の連結用のボルトであり、符号Nは前記ボルト用のナットである。
次に、上階Aの排水管継手20の下端直管部27における規制部材70のボルト&ナット75が支持片74から外されて、円環部72が広げられ、その規制部材70が排水管継手20の下端直管部27から外される。これにより、上階Aの排水管継手20の下端直管部27と下階Bの排水立て管30の上部受け口35とが接続されている状態で、その下階Bの排水立て管30を上方に変位させることができるようになる。
この状態で、下階Bの排水管継手20の上胴体21aと下胴体21bとを分離させて、その上胴体21aと下階Bの排水立て管30とを上方に約寸法Uだけ変位させる。ここで、前記寸法Uは、上胴体21aの下部フランジ41と下胴体21bの上部フランジ42との嵌合代よりも大きな寸法である。
これにより、下階Bの排水管継手20の上胴体21aを下胴体21bの上から横方向にずらすことができる。次に、図4に示すように、下階Bの排水立て管30と下階Bの排水管継手20の上胴体21aとを一体で傾斜させた状態で、下方に変位させる(引っ張る)ことにより、上階Aの排水管継手20の下端直管部27から下階Bの排水立て管30の上部受け口35を外すことができる。次に、外した下階Bの排水立て管30が上胴体21aの上部受け口22から引き抜かれることで、旧排水立て管30が撤去される。
このようにして、排水管継手20の修繕が終了すると、上記とは逆の手順で新たな排水立て管30が取付けられる。即ち、図4に示す矢印方向とは逆に新たな排水立て管30と上胴体21aとを一体で斜め状態から上方に変位させ、その排水立て管30の上部受け口35に上階Aの排水管継手20の下端直管部27を挿入させる。この状態で、さらに排水立て管30と上胴体21aとを一体で上方に変位させつつ、上胴体21aを下階Bの排水管継手20における下胴体21bの上に仮置する。次に、前記上胴体21aの下部フランジ41と下胴体21bの上部フランジ42とをパッキン40pを介して正式に接続することにより、下階Bの排水立て管30の更新が完了する。
また、本実施形態では、排水管継手20の上胴体21aとして、上部受け口22と下部フランジ41との間に拡径された円筒部21eを備える上胴体21aを使用したが、図6に示すように、円筒部21eを有しない、内部空間のほぼ全体が上部受け口に占有された短い上胴体21eを使用することも可能である。
また、排水管継手20の下胴体21bの側面に横枝管受け口25が直接的に形成されている排水管継手20を例示したが、図6に示すように、複数の横枝管受け口25を備えるヘッダ管28,29を下胴体21bの側面に接続可能な構成の排水管継手20を使用することも可能である。
本実施形態に係る排水設備10によると、上階Aの排水管継手20の下端直管部27と下階Bの排水立て管30の上端部とは上部受け口35により分離可能に構成されており、下階Bの排水管継手20は下部フランジ41、上部フランジ42等により上胴体20aと下胴体20bとが連結解除可能に構成されている。このため、下階Bの排水立て管30と下階Bの排水管継手20の上胴体20aとを一体で排水設備10から外すことが可能になる。したがって、旧排水立て管30を切断する必要がなくなり、旧排水立て管30の撤去が容易になる。
さらに、新たな排水立て管30を下階Bの排水管継手20の上胴体20aに挿入接続した後、その排水立て管30を上部受け口35により、また前記上胴体20aを下部フランジ41、上部フランジ42等により一体で排水設備10に復旧させることができる。このため、従来のように、排水立て管30の中間部に管長を調整するためのやり取り継手等が不要になり、コスト低減を図ることができるとともに、新たな排水立て管30等の復旧も容易になる。
また、排水管継手20の下端直管部27には、排水立て管30の上部受け口35に対する挿入量を規制できるバンド状の規制部材70が取外し可能な状態で装着されている。このため、新設時に排水管継手20の下端直管部27を排水立て管30の上部受け口35に挿入接続する際に、規制部材70により挿入量を一定に保持することができる。
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態に係る排水立て管30の更新方法では、上部受け口35を備える排水立て管30を使用する例を示したが、図7、図9に示すように、上部受け口35を有しない排水立て管30を使用することも可能である。この場合、図8に示すような配管接続機構であるノンハブカップリング80が好適に使用される。なお、図7は排水立て管30に排水用硬質塩ビライニング鋼管を使用した場合を例示しており、図9は排水立て管30に繊維強化モルタル製の外管を有する耐火二層管を使用した場合を例示している。
前記ノンハブカップリング80は、図8に示すように、筒状のシール材82と、前記シール材82を囲んでそのシール材82を半径方向外側から締付け可能に構成された締め具86とから構成されている。
シール材82は、内周面の周方向に形成されたリング状の凹凸を備えるゴム材であり、上階Aの排水管継手20の下端直管部27が上方から挿入され、下階Bの排水立て管30の直管状の上端部30uが下方から挿入されるように構成されている。上階Aの排水管継手20の下端直管部27と下階Bの排水立て管30との間にはリング状のスペーサ84が挟持される。
リング状のスペーサ84は、排水管継手20の下端直管部27及び排水立て管30と等しい外径、及び内径寸法で形成されており、排水管継手20の下端直管部27と排水立て管30との間に同軸に挟持される。
締め具86は、図8に示すように、円周方向において一ヶ所が開放された金属製の円筒部86tと、その円筒部86tの開放部分の一端と他端とに設けられた一対の支持片86sと、それらの支持片86sとを連結するボルト&ナット86nとから構成されている。円筒部86tは、シール材82を覆う部分であり、シール材82とほぼ等しい軸長寸法で形成されている。一対の支持片86sには、ボルトが通される貫通孔(図示省略)が形成されており、前記貫通孔にボルトが通されてナットが締付けられることで、一対の支持片86sの間隔が狭められ、円筒部86tが縮径するようになる。これによって、シール材82が円筒部86tに締付けられ、シール材82に収納された排水管継手20の下端直管部27と排水立て管30との間が水密な状態で接続される。
先ず、下階の排水管継手20における上胴体21aの下部フランジ41と下胴体21bの上部フランジ42との連結が解除される。
次に、上階の排水管継手20の下端直管部27と下階の排水立て管30との間に位置するノンハブカップリング80の締め具86のボルト&ナット86nが緩められる。これにより、シール材82を下端直管部27に沿って上方に変位させることができるようになる。そして、シール材82を上方に変位させることで、リング状のスペーサ84と排水立て管30の上端部30uとを露出させる。次に、リング状のスペーサ84を取外した状態で、そのスペーサ84の厚み分だけ、排水立て管30及び下階の排水管継手20の上胴体21aを一体で上方に変位させる。これにより、下階の排水管継手20の上胴体21aと下胴体21bとを分離させることができる。次に、この状態で、図7(B)に示すように、下階の排水立て管30と前記上胴体21aとを一体で横方向に移動させることで、旧排水立て管30と前記上胴体21aを排水設備10から分離することができる。そして、外した下階の排水立て管30を上胴体21aの上部受け口22から引き抜くことで、旧排水立て管30の撤去が完了する。
また、図10(B)に示されるように、リング状スペーサ84の排水管継手20の下端直管部27との当接面及び下階の排水立て管30との当接面を離型性材料で構成するのも好ましい。リング状スペーサ84の上面および下面に離型性のコーティング材を塗布することにより離型性の皮膜84a,84bを設けることができる。離型性材料としては、例えばポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。ポリテトラフルオロエチレンで皮膜84a,84bを形成すれば、離型性に優れるのみならず、耐腐食性にも優れるため、リング状スペーサ84が金属製であっても錆付きにより取り外しが困難になるのを防ぐこともできる。図10(B)に示すようなリング状スペーサ84は、排水管継手20の下端直管部27と下階の排水立て管30とに直接当接させて両者の間に挟持させても容易に取り外すことができる。この場合、少なくとも排水管継手20の下端直管部27との当接面及び下階の排水立て管30との当接面が離型性材料で構成されていればよいが、図10(C)に示すように、リング状スペーサ84の全体が離型性材料で形成されていてもよい。
次に、ノンハブカップリング80のシール材82を下端直管部27に沿って下方に変位させることで、そのシール材82でリング状のスペーサ84と排水立て管30の上端部30uとを覆うことができる。この状態で、締め具86によりそのシール材82を半径方向外側から締付けることにより、下階の排水管継手20の下端直管部27と排水立て管30とが水密な状態で連結される。これで下階の排水立て管30の更新が完了する。
このように、上部受け口を有しない直管状の排水立て管30を使用する排水設備であっても、前記排水立て管30を切断せずに撤去することが可能になる。
また、本実施形態では、排水管継手20の胴部21をコンクリートスラブCSの貫通孔CHに通した状態でモルタルMrにより埋め戻す例を示したが、図9に示すように、前記貫通孔CHにロックウールGを充填した状態で、その貫通孔CHの上部に、例えば、3cm程度のモルタルMrを充填することも可能である。これによって、共用排水管の撤去の際のはつり工事を軽減することができる。
また、本実施形態では、排水管継手20に必要な修繕を行い更正する例を示したが、図9(C)に示すように、排水管継手20の上胴体21aと下胴体21bを貫通孔CHから撤去し、新品の上胴体21aと下胴体21bを使用することも可能である。
また、本実施形態では、排水立て管30として耐火二層管や排水用硬質塩ビライニング鋼管を使用する例を示したが、耐火二層管等の代わりに鋳鉄管、樹脂管を使用することも可能である。
なお、吊り具52を排水立て管30の直管部位に設けても差し支えないことは言を俟たない。
CH 貫通孔
Mr モルタル
G ロックウール
10 排水設備
20 排水管継手
21a 上胴体
21b 下胴体
22 上部受け口(配管接続機構)
27 下端直管部(下部接続部、配管接続機構)
30 排水立て管
31 内管
31s 下端挿し口
33 境界拡開部
35 上部受け口
39 外管
41 下部フランジ
42 上部フランジ
52 吊り具
60 上側シール付ソケット
61 突起
61a 境界拡開部
62 下側受け口
70 規制部材
80 ノンハブカップリング(配管接続機構)
82 シール材
84 リング状のスペーサ
86 締め具
90 排水管継手
91 上胴体
91a 下部直管部
92 下胴体
92a 拡径部
92b パッキン装着部
93 環状パッキン
94 押し輪部材
Claims (15)
- 集合住宅の上階に設けられた排水横枝管が排水管継手の横枝管受け口に接続され、上階の排水立て管が前記排水管継手の上部受け口に挿入接続され、その排水管継手の下部接続部が下階の排水立て管に接続されており、上階の排水を重力で下階に導く構成の排水設備であって、
前記排水管継手は、前記上部受け口を備える上胴体と、集合住宅の上階と下階とを仕切るコンクリートスラブを貫通して取付けられる構成で、前記下部接続部を備える下胴体と、その上胴体と下胴体とを水密な状態で連結するとともに、連結解除可能に構成された縦方向連結機構とを有しており、
該縦方向連結機構は、前記上胴体の下端に形成された下部フランジと、前記下胴体の上端に形成された上部フランジとを備え、前記上胴体の下部フランジと、前記下胴体の上部フランジとが水密な状態で連結されるとともに、連結解除可能に構成されており、
前記排水管継手の下胴体の下部接続部と下階の排水立て管の上端部との接続部分には、その排水管継手の下部接続部と下階の排水立て管とを水密な状態で接続するとともに、分離可能に構成された配管接続機構が設けられており、
排水立て管撤去時には前記縦方向連結機構を連結解除すると共に前記配管接続機構を分離して排水立て管が排水管継手の上胴体の上部受け口に挿入接続された一体的状態で外すことのできる構成となっていることを特徴とする排水設備。 - 請求項1に記載された排水設備であって、
前記配管接続機構は、排水管継手の直管状の下部接続部と、排水立て管の上端部に形成されて、前記排水管継手の下部接続部が挿入接続される上部受け口とから構成されており、
前記上部受け口の呑込み可能な寸法は、その上部受け口と前記排水管継手の下部接続部とが接続されている状態から前記排水立て管を所定寸法だけ上方に変位させることが可能な寸法に設定されていることを特徴とする排水設備。 - 請求項2に記載された排水設備であって、
前記排水立て管は、直管部と、該直管部の上端に形成された上部受け口とを有し、該直管部と該上部受け口との間にテーパ状の境界拡開部が形成されており、該排水立て管の軸線に対する該境界拡開部の傾きが15°以上40°以下であることを特徴とする排水設備。 - 請求項2に記載された排水設備であって、
前記排水立て管の上部受け口は、管状で上方に前記排水管継手の下部接続部が挿入接続される上部受け口を有するとともに、下方に該排水立て管の直管状の上端部が嵌装可能な下側受け口を有するソケットの下側受け口に該排水立て管の上端部を嵌装接合して設けられており、該ソケットには前記上部受け口と前記下側受け口との間に、前記上部受け口側に拡開するテーパ状の境界拡開部の形成された突起が設けられており、該排水立て管の軸線に対する該境界拡開部の傾きが15°以上40°以下であることを特徴とする排水設備。 - 請求項2から請求項4のいずれかに記載された排水設備であって、
前記上部受け口の呑込み可能な寸法は、85mm以上であることを特徴とする排水設備。 - 請求項2から請求項5のいずれかに記載された排水設備であって、
排水管継手の直管状の下部接続部には、排水立て管の上部受け口に対する挿入量を規制できるバンド状の規制部材が取外し可能な状態で装着されていることを特徴とする排水設備。 - 請求項1に記載された排水設備であって、
前記配管接続機構は、排水管継手の直管状の下部接続部が上方から挿入され、排水立て管の直管状の上端部が下方から挿入されるように構成された筒状のシール材と、排水管継手の下部接続部と排水立て管との間に同軸に挟持されるリング状のスペーサと、前記シール材を半径方向外側から締付け、あるいはその締付けを解除可能な筒状の締め具とから構成されていることを特徴とする排水設備。 - 請求項7に記載された排水設備であって、
前記リング状のスペーサは、水溶性材料又は昇華性材料からなるリング状介装体を介して排水管継手の下部接続部と排水立て管との間に挟持されていることを特徴とする排水設備。 - 請求項7に記載された排水設備であって
前記リング状のスペーサは、少なくとも前記排水管継手の下部接続部との当接面及び前記排水立て管との当接面が離型性材料からなることを特徴とする排水設備。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載された排水設備であって、
前記排水管継手の上胴体は、内部空間のほぼ全体が上部受け口に占有されていることを特徴とする排水設備。 - 請求項1から請求項10のいずれかに記載された排水設備であって、
前記上階と下階とを仕切るコンクリートスラブに吊り具が吊設されており、該吊り具に前記排水立て管が係吊されていることを特徴とする排水設備。 - 請求項6に記載された排水設備の更新方法であって、
下階の排水管継手の縦方向連結機構により上胴体と下胴体との連結を解除する連結解除工程と、
前記連結解除工程の前、あるいは後に、上階の排水管継手の下部接続部に装着されたバンド状の規制部材を外す工程と、
上階の排水管継手の下部接続部を下階の排水立て管の上部受け口に挿入接続している状態で、その下階の排水立て管と前記下階の排水管継手の上胴体とを上方に変位させながら前記上胴体を下胴体から横方向にずらして分離し、この後、前記排水立て管を前記上胴体と一体で下方に変位させて上階の排水管継手の下部接続部から前記排水立て管の上部受け口を分離し、さらに前記上胴体の上部受け口から前記排水立て管の下端部を引き抜く排水立て管撤去工程と、
所定長さ寸法に裁断された新たな排水立て管の下端部を分離後の前記上胴体の上部受け口に挿入し、前記新たな排水立て管の上部受け口を上階の排水管継手の下部接続部に接続し、この状態で、分離後の前記上胴体を下階の排水管継手の下胴体に前記縦方向連結機構により連結する復旧工程と、
を有することを特徴とする排水設備の更新方法。 - 請求項6に記載された排水設備の更新方法であって、
下階の排水管継手の縦方向連結機構により上胴体と下胴体との連結を解除する連結解除工程と、
前記連結解除工程の前、あるいは後に、上階の排水管継手の下部接続部に装着されたバンド状の規制部材を外す工程と、
上階の排水管継手の下部接続部を下階の排水立て管の上部受け口に挿入接続している状態で、その下階の排水立て管と前記下階の排水管継手の上胴体とを上方に変位させながら前記上胴体を下胴体から横方向にずらして分離し、この後、前記排水立て管を前記上胴体と一体で下方に変位させて上階の排水管継手の下部接続部から前記排水立て管の上部受け口を分離し、さらにコンクリートスラブの貫通孔から下階の排水管継手の下胴体を撤去する撤去工程と、
新たな下階の排水管継手の下胴体を前記コンクリートスラブの貫通孔に通し、その下胴体の下部接続部を前記コンクリートスラブの下側に配置された排水立て管の上部受け口に挿入接続する工程と、
所定長さ寸法に裁断された新たな排水立て管の下端部を新たな上胴体の上部受け口に挿入し、前記新たな排水立て管の上部受け口を上階の排水管継手の下部接続部に接続し、この状態で、前記上胴体を下階の排水管継手の下胴体に前記縦方向連結機構により連結する復旧工程と、
を有することを特徴とする排水設備の更新方法。 - 請求項7から請求項9のいずれかに記載された排水設備の更新方法であって、
下階の排水管継手の縦方向連結機構により上胴体と下胴体との連結を解除する連結解除工程と、
前記連結解除工程の前、あるいは後に、配管接続機構の締め具の締付けを解除して前記配管接続機構の筒状のシール材を上階の排水管継手の下部接続部に沿って上方に変位させ、リング状のスペーサと下階の排水立て管の上端部を露出させる工程と、
前記リング状のスペーサを撤去し、そのスペーサの厚み分だけ前記下階の排水立て管と下階の排水管継手の上胴体とを上方に変位させ、その排水立て管と上胴体とを横方向にずらして排水設備から外し、その後、前記排水立て管を前記上胴体の上部受け口から引き抜く排水立て管撤去工程と、
所定長さ寸法に裁断された新たな排水立て管の下端部を分離後の前記上胴体の上部受け口に挿入後、分離後の前記上胴体と新たな排水立て管を下階の排水管継手の下胴体上に仮置きし、前記新たな排水立て管と上階の排水管継手の下部接続部との間に前記リング状のスペーサを介在させる工程と、
前記配管接続機構の筒状のシール材を上階の排水管継手の下部接続部に沿って下方に変位させてリング状のスペーサと下階の排水立て管の上端部とを覆い、前記シール材を締め具で締付け、その後、あるいはその前に、分離後の前記上胴体を下階の排水管継手の下胴体に前記縦方向連結機構により連結する復旧工程と、
を有することを特徴とする排水設備の更新方法。 - 請求項7から請求項9のいずれかに記載された排水設備の更新方法であって、
下階の排水管継手の縦方向連結機構により上胴体と下胴体との連結を解除する連結解除工程と、
前記連結解除工程の前、あるいは後に、配管接続機構の締め具の締付けを解除して前記配管接続機構の筒状のシール材を上階の排水管継手の下部接続部に沿って上方に変位させ、リング状のスペーサと下階の排水立て管の上端部を露出させる工程と、
前記リング状のスペーサを撤去し、そのスペーサの厚み分だけ前記下階の排水立て管と下階の排水管継手の上胴体とを上方に変位させ、その排水立て管と上胴体とを横方向にずらして排水設備から外し、さらにコンクリートスラブの貫通孔から下階の排水管継手の下胴体を撤去する撤去工程と、
新たな下階の排水管継手の下胴体を前記コンクリートスラブの貫通孔に通し、その下胴体の下部接続部を配管接続機構により前記コンクリートスラブの下側に配置された排水立て管の上端部と接続する工程と、
所定長さ寸法に裁断された新たな排水立て管の下端部を新たな上胴体の上部受け口に挿入後、前記上胴体と新たな排水立て管を下階の排水管継手の下胴体上に仮置きし、前記新たな排水立て管と上階の排水管継手の下部接続部との間に前記リング状のスペーサを介在させる工程と、
前記配管接続機構の筒状のシール材を上階の排水管継手の下部接続部に沿って下方に変位させてリング状のスペーサと下階の排水立て管の上端部とを覆い、前記シール材を締め具で締付け、その後、あるいはその前に、前記上胴体を下階の排水管継手の下胴体に前記縦方向連結機構により連結する復旧工程と、
を有することを特徴とする排水設備の更新方法。
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