JPH0216456Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、位置決め、チヤツキング用のセン
タープレートが設けられている磁気デイスクに関
するものである。

〔背景技術とその問題点〕

偏平なカセツトケース等に収納されているシー
ト状の円形をした磁気デイスク（通常、フロツピ
ーデイスクと呼ばれている。）は、記録再生装置
に対して所定の位置で位置決め、チヤツキング、
および回転駆動されるためのセンタープレートが
設けられている。

第１図は従来のかかる磁気デイスクを示す平面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線からみたセンター
プレートの部分拡大断面図である。

これらの図において、１は高分子フイルムで形成
した円板状の磁気シート、２は磁性体からなるセ
ンタープレートで、打抜き、絞り加工によつて記
録再生装置のターンテーブル上に設けられた駆動
軸Ｄ、位置決めピンＰが突入する穴２Ａ，２Ｂ
と、第２図のように磁気シート１に接着剤、例え
ば両面接着テープ３で取り付けるフランジ２Ｃと
が形成されている。なお、二点鎖線で示すＭは、
記録再生装置側のチヤツキング用の磁石である。

上記した磁気シート１をカセツトケースに収納
した磁気デイスク装置を記録再生装置に挿入、装
着すると、駆動軸Ｄが穴２Ａに突入し、センター
プレート２が磁石Ｍに吸着されるので、位置決め
ピンＰはセンタープレート２に圧着した状態にな
る。そして、駆動軸Ｄ、位置決めピンＰが回転す
ると、位置決めピンＰが第２図に示すようにばね
（図示省略）の付勢力で穴２Ｂに突入し、磁気デ
イスクが記録再生装置に対して位置決め、チヤツ
キングされる。

上記したようなセンタープレート２は、通常、
絞り加工によつてフランジ２Ｃを形成するため、
展延性のよい金属板を使用するが、精度が出にく
いために歩留りが悪く、コストアツプの原因とな
つている。さらに、駆動軸Ｄ、位置決めピンＰが
当接する部分は、回転駆動力を受けるために摩耗
が激しく、長期の使用によつて位置決め精度に狂
いが生じ易い等の問題がある。

また、フランジ２Ｃの内周部分は絞り加工のた
めに丸みを持つた形状となるため、フランジ２Ｃ
に磁気シート１を両面接着テープ３で取り付ける
と、磁気シート１の内周部分が製造公差で第２図
のように盛り上がつてしまうことがある。する
と、磁気シート１を回転したときに平面性が損な
われて波を打つてしまい、記録、再生に悪影響を
及ぼす。さらに、製造時に加工したセンタープレ
ート２を第３図のように積み重ねておくと、一点
鎖線で囲んだ部分でセンタープレート２同士が製
造公差で食いつき現象を起すことがあり、センタ
ープレート２を磁気シート１へ取り付ける際に、
センタープレート２を分離しながら行うことにな
るので、作業性が低下する等の問題がある。

〔考案の目的〕

この考案は、上記したような問題点にかんがみ
てなされたもので、加工精度よく、かつ、安価に
製造でき、位置決め精度の維持が容易で、磁気シ
ートへ取り付ける作業性が向上するようにしたセ
ンタープレートを設けた磁気デイスクを提供する
ものである。

〔考案の概要〕

この考案は、上記した所期の目的を達成するた
め、センタープレートを、磁気デイスク装置のタ
ーンテーブル上に設けられた駆動軸と位置決めピ
ンとにそれぞれ係合する駆動軸孔と位置決め孔と
を有し前記ターンテーブル上の磁石に吸着される
略円盤状の金属板部と、前記ターンテーブルに対
して前記金属板部より上方に位置し前記金属板部
の外周に合成樹脂にてモールド成形された環状の
フランジ部とから構成し、このセンタープレート
を前記フランジ部に設けられた環状の張り付け面
を介して磁気シートに取付けるように構成したも
のであり、加工精度よく、かつ、安価に製造で
き、位置決め精度の維持が容易で、磁気シートへ
取り付ける作業性も向上させるようにしたもので
ある。

〔実施例〕

第４図はこの考案の一実施例の要部を示す拡大
平面図、第５図は第４図のＢ−Ｂ線による断面図
で、第２図と同一符号は同一部分を示す。

これらの図において、１１は磁性体からなる金属
板部１２と、この金属板部１２にモールド成形し
た合成樹脂部１３とで構成したセンタープレート
である。そして、金属板部１２には打抜き加工で
駆動軸Ｄが突入する穴１２Ａと、位置決めピンＰ
が突入する穴１２Ｂと、合成樹脂部１３のモール
ド成形時に合成樹脂が流入する穴１２Ｃとが設け
られ、インサートモールドで金属板部１２に結合
される合成樹脂部１３の外縁には、ターンテーブ
ル位置、すなわちチヤツキング用磁石Ｍの位置に
対して、金属板部１２より上方の位置にフランジ
１３Ａが一体成形されている。そして、このフラ
ンジ１３Ａの金属板部１２側の面が磁気シート１
の取り付け面となり、第５図に示すように、両面
接着テープ３によつて磁気シート１が接着され
る。

この考案は、センタープレート１１を構成する
金属板部１２に打抜き加工で穴１２Ａ〜１２Ｃの
みを設ければよいので、精度よく加工できるとと
もに、その材質も従来のものに比べて厚く、展延
性を加味しないものも使用できる。また、金属板
部１２にインサートモールドで合成樹脂部１３を
成形するので、フランジ１３Ａの内周部分の直角
度を出すことは極めて容易である。

上記した理由により、センタープレート１１は加
工精度よく、歩留りがよいために安価となる。そ
して、駆動軸Ｄと位置決めピンＰが当接する金属
板部１２の摩耗を少なくできるので、長期的に位
置決め精度の維持が容易にできる。また、フラン
ジ１３Ａに取り付ける磁気シート１の内周部分
は、フランジ１３Ａの内周部分の直角度が達成さ
れているため第５図に示すように、取付後におい
て盛り上がることはなく適正に取付けることがで
きるようになり、記録、再生に悪影響を及ぼすこ
とがなくなる。

さらに、センタープレート１１を第６図のように
積み重ねても従来のように食いつき現象が起きな
いので、センタープレート１１を磁気デイスク１
に取り付ける作業性は従来に比べて向上する。

第７図はこの考案の他の実施例の要部を示す拡
大断面図で、第５図と同一符号は同一部分を示
す。この図において、１２Ｄは前記金属板部１２
の穴１２Ｃに設けたテーパ面である。

第７図のように穴１２Ｃにテーパ面１２Ｄを設
けると、合成樹脂部１３を金属板部１２へ強固に
固定することができる。

〔考案の効果〕

この考案の磁気デイスクは、センタープレート
を、駆動軸孔及び位置決め孔を有しターンテーブ
ル上の磁石によつて吸着可能な金属板部と、金属
板部の外周に合成樹脂にてモールド成形された環
状のフランジ部とから構成したので、センタープ
レートの加工精度を向上させ、特にフランジの平
面度及びフランジ内周面の直角度を達成でき、し
かも安価に製造できるという効果がある。また、
磁気デイスクの位置決め精度の維持が容易とな
り、センタープレートを積み重ねても食い付き現
象が起きないのでセンタープレートを磁気シート
へ取り付ける作業性が向上する。さらに、フラン
ジ内周部の直角度が達成されているために、フラ
ンジの張り付け面において接着された磁気シート
は取付後においても平面性を維持することがで
き、記録、再生に悪影響を及ぼすことがなくなる
という効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の磁気デイスクを示す平面図、第
２図は第１図のＡ−Ａ線からみたセンタープレー
トの部分拡大断面図、第３図はセンタープレート
を積み重ねた状態を示す説明図、第４図はこの考
案の一実施例の要部を示す拡大平面図、第５図は
第４図のＢ−Ｂ線による断面図、第６図はセンタ
ープレートを積み重ねた状態を示す説明図、第７
図はこの考案の他の実施例の要部を示す拡大断面
図である。 図中、１は磁気シート、１１はセンタープレー
ト、１２は金属板部、１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃは
穴、１３は合成樹脂部、１３Ａはフランジであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気デイスク装置のターンテーブル上に設けら
   れた駆動軸と位置決めピンとにそれぞれ係合する
   駆動軸孔と位置決め孔とを有し前記ターンテーブ
   ル上の磁石に吸着される略円盤状の金属板部と、
   前記ターンテーブルに対して前記金属板部より上
   方に位置し前記金属板部の外周に合成樹脂にてモ
   ールド成形された環状のフランジ部とから構成さ
   れるセンタープレートを有し、このセンタープレ
   ートを前記フランジ部に設けられた環状の張り付
   け面を介して磁気シートに取付けたことを特徴と
   する磁気デイスク。