JPH0643910Y2 - フロッピーディスク・システム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はフロッピーディスクを用
いたフロッピーディスク・システムに係わり、特にセン
ターハブを備えたフロッピーディスクを用いるフロッピ
ーディスク・システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にフロッピーディスクは、その取扱
いの容易性、低コストといった利点からコンピュータ用
の記録媒体として広く用いられている。

【０００３】図４はこのフロッピーディスクの構成を示
すもので、図において符号１は環状のフレキシブルポリ
エステルシート等に磁性体が塗布された磁気ディスク本
体を示している。この磁気ディスク本体１の中央孔２は
両面テープ等からなるＡリング３を介して金属製のセン
ターハブ４が固着されており、このセンターハブ４の中
央にはピン孔５が形成され、その外周部には位置決め孔
６が形成されている。

【０００４】このようなフロッピーディスクは、データ
の記録、再生が行われる際には、スピンドルテーブル７
の上に保持され、回転される。このスピンドルテーブル
７は、中央にスピンドルピン８が配置され、その周囲に
内側から順にスリップシート９、マグネット１０が配置
され、そのさらに外周部にドライブピン１１が配置され
ている。

【０００５】図５はフロッピーディスクとスピンドルテ
ーブル７との保持部を示すもので、センターハブ４に配
置されたピン孔５および位置決め孔６がそれぞれスピン
ドルテーブル７に配置されたスピンドルピン８およびド
ライブピン１１に挿入され、マグネット１０の磁力によ
って金属製のセンターハブ４が吸着され保持される。

【０００６】また回転軸に対する支持は、スピンドルピ
ン８を中心にドライブピン１１により回転力を受け、ド
ライブピン１１はセンターハブ４を板バネ１２の弾性力
によって保持している。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のフロッピーディスク・システムでは、スピン
ドルテーブル７のスリップシート９とセンターハブ４の
このスリップシートに接触する部分が共に平面で構成さ
れているため、その平面度が良好でない場合には、スピ
ンドルテーブル７とセンターハブ４との保持が不安定と
なり、図６に示すように、磁気ディスク本体１に固定さ
れた磁気ヘッド１３を接触させてデータの記録、再生を
行う際に、磁気ディスク本体１が回転中に振動を起こし
入出力波形がひずみ、充分に磁気ディスク本体１の特性
を活かすことができないが、このようなスピンドルテー
ブル７とセンターハブ４との接触面全面を一様に平坦に
加工することは非常に困難であるという問題がある。

【０００８】本考案はかかる従来の事情に対処して成さ
れたもので、回転中の振動の発生に対して磁気ディスク
本体と磁気ヘッドとの密着性を高め、安定した入出力波
形を得ることのできるフロッピーディスク・システムを
提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案は、環状の磁気デ
ィスク本体と，この磁気ディスク本体の中央孔に同心的
に固着され中心にスピンドルピンに挿入されるピン孔を
有するセンターハブとを備えたフロッピーディスクと、
前記磁気ディスク本体に接触する固定された磁気ヘッド
とを備えたフロッピーディスク・システムにおいて、前
記センターハブは、前記ピン孔を中心にした第１の環状
部と、前記第１の環状部の外周部に配置される前記磁気
ヘッドに向かって円錐状に傾斜する第２の環状部とを備
えたことを特徴としている。

【００１０】

【作用】本考案のフロッピーディスク・システムによれ
ば、センターハブの外周部に設けられた磁気ヘッドに向
かって円錐状に傾斜する環状部によって、磁気ディスク
本体の回転中の振動に対しても磁気ヘッドとの密着性を
高め、安定した入出力波形を得ることができる。

【００１１】

【実施例】以下、本考案の一実施例について図面を参照
して説明する。

【００１２】図１は本考案のフロッピーディスクの一実
施例の要部を示すもので、図において符号４ａは金属製
のセンターハブを示している。このセンターハブ４ａ
は、中心にピン孔５が配置され、その外周部に位置決め
孔６が配置されている。またこの一実施例のセンターハ
ブ４ａは、ピン孔５を中心に環状に凹陥され、円錐状の
傾斜面に成形されている。またフレキシブルポリエステ
ルシートに磁性体を塗布された磁気ディスク本体１が両
面テープからなるＡリング３を介して固着されるセンタ
ーハブ４ａの外周部は、図２に示すように磁気ヘッド１
３に向かって円錐状に傾斜する環状部に形成されてい
る。

【００１３】以上のように構成されたフロッピーディス
クがピン孔５と位置決め孔６をそれぞれスピンドルテー
ブル７のスピンドルピン８とドライブピン１１に挿入さ
れて保持されると、センターハブ４ａはスピンドルテー
ブル７のスリップシート９の回転軸から離れた外周部だ
けで線接触により保持されるので、従来のフロッピーデ
ィスク・システムに比べて保持安定性が向上し、回転軸
の振動を抑制することができる。

【００１４】また、センターハブ４ａの外周部は、固着
された磁気ディスク本体１をその外周部が磁気ヘッド１
３に向かって傾斜するように円錘状に成形されているの
で、図２に示すように磁気ディスク本体１と磁気ヘッド
１３との接触部の密着性が向上する。

【００１５】図３は本実施例のフロッピーディスク・シ
ステムと、従来のフロッピーディスク・システムとの出
力波形の違いを示す図で、本図において符号（ａ）で示
されるパターンは従来のフロッピーディスク・システム
における磁気ヘッド１３の出力波形の例を示し、符号
（ｂ）で示されるパターンは、本実施例のフロッピーデ
ィスク・システムにおける磁気ヘッド１３の出力波形の
例を示している。この図からわかるように、本実施例の
フロッピーディスク・システムでは、センターハブ４ａ
とスピンドルテーブル７の保持安定性が向上し、磁気デ
ィスク本体１と磁気ヘッド１３との密着性が向上してい
るために、その出力波形が従来のフロッピーディスク・
システムの出力波形に比べて安定しており、磁気ディス
ク本体１の特性を充分に生かすことができる。

【００１６】上述のとおり、本実施例のフロッピーディ
スク・システムでは、センターハブ４ａとスピンドルテ
ーブル７との保持安定性が向上するとともに、センター
ハブ４ａの外周部に、この外周部に固着される磁気ディ
スク本体１が固定された磁気ヘッドに向かって円錐状に
傾斜する環状部が形成されているので、安定した入出力
波形を得ることができる。

【００１７】

【考案の効果】以上述べたように本考案のフロッピーデ
ィスク・システムでは、センターハブ外周部に磁気ヘッ
ド側に向かって円錐状に傾斜する環状部を備えているの
で、磁気ディスク本体と磁気ヘッドとの密着性を高め、
安定した入出力波形を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のフロッピーディスク・システムの一実
施例の要部を示す縦断面図。

【図２】図１に示されるフロッピーディスク・システム
の全体を示す側面図。

【図３】本考案のフロッピーディスク・システムと従来
のフロッピーディスク・システムの出力波形の例を示す
パターン図。

【図４】フロッピーディスクの構成を示す斜視図。

【図５】従来のフロッピーディスク・システムの要部を
示す縦断面図。

【図６】図５に示されるフロッピーディスク・システム
の全体を示す側面図。

【符号の説明】

１…磁気ディスク本体 ２…中央孔 ４、４ａ…センターハブ ５…ピン孔 ７…スピンドルテーブル ８…スピンドルピン １３…磁気ヘッド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 西山 康彦 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝 堀川町工場内 (72)考案者 泉 幸樹 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 東芝電 子エンジニアリング株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 環状の磁気ディスク本体と，この磁気デ
   ィスク本体の中央孔に同心的に固着され中心にスピンド
   ルピンに挿入されるピン孔を有するセンターハブとを備
   えたフロッピーディスクと、前記磁気ディスク本体に接
   触する固定された磁気ヘッドとを備えたフロッピーディ
   スク・システムにおいて、 前記センターハブは、前記ピン孔を中心にした第１の環
   状部と、前記第１の環状部の外周部に配置される前記磁
   気ヘッドに向かって円錐状に傾斜する第２の環状部とを
   備えたことを特徴としたフロッピーディスク・システ
   ム。