JPH0713095Y2 - フロッピーディスク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はフロッピーディスクに係
わり、特にセンターハブを備えたフロッピーディスクに
関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にフロッピーディスクは、その取扱
いの容易性、低コストといった利点からコンピュータ用
の記録媒体として広く用いられている。

【０００３】図４はこのフロッピーディスクの構成を示
すもので、図において符号１は環状のフレキシブルポリ
エステルシート等に磁性体を塗布された磁気ディスク本
体を示している。この磁気ディスク本体１の中央孔２は
両面テープ等からなるＡリング３を介して金属製のセン
ターハブ４が固着されており、このセンターハブ４の中
央にはピン孔５が形成され、その外周部には位置決め孔
６が形成されている。

【０００４】このようなフロッピーディスクは、データ
の記録、再生が行われる際には、スピンドルテーブル７
の上に保持され、回転される。このスピンドルテーブル
７は、中央にスピンドルピン８が配置され、その周囲に
内側から順にスリップシート９、マグネット１０が配置
され、そのさらに外周部にドライブピン１１が配置され
ている。

【０００５】図５はフロッピーディスクとスピンドルテ
ーブル７との保持部を示すもので、センターハブ４に配
置されたピン孔５および位置決め孔６がそれぞれスピン
ドルテーブル７に配置されたスピンドルピン８およびド
ライブピン１１に挿入され、マグネット１０の磁力によ
って金属製のセンターハブ４が吸着され保持される。ま
た回転軸に対するセンターハブ４の支持は、ドライブピ
ン１１に介挿したセンターハブ４がドライブピン１１と
板バネ１２に固定されたスピンドルピン８の回転によっ
てもたらされる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来のフロッピーディスクでは、スピンドルテーブル
７のスリップシート９とセンターハブ４のこのスリップ
シートに接触する部分が共に平面で構成されているた
め、その平面度が良好でない場合には、スピンドルテー
ブル７とセンターハブ４との保持が不安定となり、第６
図に示すように、磁気ディスク本体１に磁気ヘッド１３
を接触させてデータの記録、再生を行う際に、磁気ディ
スク本体１が回転中に振動を起こし入出力波形がひず
み、充分に磁気ディスク本体１の特性を活かすことがで
きないが、このようなスピンドルテーブル７とセンター
ハブ４との接触面全面を一様に平坦に加工することは非
常に困難であるという問題がある。

【０００７】本考案はかかる従来の事情に対処して成さ
れたもので、センターハブとスピンドルテーブルとの保
持安定性を高め回転中の振動の発生を抑制して磁気ディ
スク本体と磁気ヘッドとの密着性を高め、安定した入出
力波形を得ることのできるフロッピーディスクを提供し
ようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案は、環状の磁気デ
ィスク本体と、この磁気ディスク本体の中央孔に同心的
に固着され中心にスピンドルピンに挿入されるピン孔を
有するセンターハブとを備えたフロッピーディスクにお
いて、前記センターハブを、前記ピン孔を中心にして環
状に凹陥させ円錐状の傾斜面に成形するとともに、外周
部に逆円錐状に傾斜する環状部を形成したことにより、
入出力波形の安定化を可能としたものである。

【０００９】

【作用】本考案は、センターハブとスピンドルテーブル
とが線接触により保持安定性を高め回転中の振動の発生
を抑制すると共に、ディスク本体の外方に向かって上方
に傾斜するため、磁気ディスク本体と磁気ヘッドとの密
着性を高める。

【００１０】

【実施例】以下、本考案の一実施例について図面を参照
して説明する。

【００１１】図１は本考案のフロッピーディスクの一実
施例の要部を示すもので、図において符号４ａは金属製
のセンターハブを示している。このセンターハブ４ａ
は、中心にピン孔５が配置され、その外周部に位置決め
孔６が配置されている。またこの一実施例のセンターハ
ブ４ａは、ピン孔５を中心に環状に凹陥され、円錐状の
傾斜面に成形されている。またフレキシブルポリエステ
ルシートに磁性体を塗布された磁気ディスク本体１が両
面テープからなるＡリング３を介して固着されるセンタ
ーハブ４ａの外周部は、上方へ向けて逆円錐状の傾斜が
形成されている。

【００１２】以上のように構成されたフロッピーディス
クがピン孔５と位置決め孔６をそれぞれスピンドルテー
ブル７のスピンドルピン８とドライブピン１１に挿入さ
れて保持されると、センターハブ４ａはスピンドルテー
ブル７のスリップシート９の回転軸から離れた外周部だ
けで線接触により保持されるので、従来のフロッピーデ
ィスクに比べて保持安定性が向上し、回転軸の振動を抑
制することができる。

【００１３】また、センターハブ４ａの外周部は固着さ
れた磁気ディスク本体１をその外周部が上方へ傾斜する
ように逆円錘状に成形されているので、図２に示すよう
に、磁気ディスク本体１と磁気ヘッド１３との接触部の
密着性が向上する。

【００１４】図３は本実施例のフロッピーディスクと、
従来のフロッピーディスクの出力波形の違いを示す図
で、本図において符号（ａ）で示されるパターンは従来
のフロッピーディスクにおける磁気ヘッド１３の出力波
形の例を示し、符号（ｂ）で示されるパターンは、本実
施例のフロッピーディスクにおける磁気ヘッド１３の出
力波形の例を示している。この図からわかるように、本
実施例のフロッピーディスクでは、センターハブ４ａと
スピンドルテーブル７の保持安定性が向上し、磁気ディ
スク本体１と磁気ヘッド１３との密着性が向上している
ために、その出力波形が従来のフロッピーディスクの出
力波形に比べて安定しており、磁気ディスク本体１の特
性を充分に生かすことができる。

【００１５】上述のとおり、本実施例のフロッピーディ
スクでは、センターハブ４ａとスピンドルテーブル７と
の保持安定性が向上するとともに、センターハブ４ａの
外周部に、この外周部に固着される磁気ディスク本体１
が外周方向へ向かって上方に傾斜するように傾斜面が形
成されているので、図２に示されるように、磁気ディス
ク本体１の両面に配置された２個の磁気ヘッド１３が同
時に磁気ディスク本体１に接触される際に、その密着性
を向上させることができ、その出力波形も従来に比し安
定した結果が得られる。

【００１６】

【考案の効果】以上述べたように本考案のフロッピーデ
ィスクでは、センターハブがピン孔を中心にして環状に
凹陥され、円錐状の傾斜面に成形するとともに、外周部
に磁気ヘッド側に向けて逆円錐状に傾斜する環状部を形
成したために、センターハブとスピンドルテーブルとの
保持安定性を高め回転中のフロッピーディスクの振動の
発生を抑制し、磁気ディスク本体と磁気ヘッドとの密着
性を高め、安定した入出力波形を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のフロッピーディスクの一実施例の要部
を示す縦断面図。

【図２】図１に示されるフロッピーディスクの全体を示
す側面図。

【図３】本考案のフロッピーディスクと従来のフロッピ
ーディスクの出力波形の例を示すパターン図。

【図４】フロッピーディスクの構成を示す斜視図。

【図５】従来のフロッピーディスクの要部を示す縦断面
図。

【図６】図５に示されるフロッピーディスクの全体を示
す側面図。

【符号の説明】

１ 磁気ディスク本体 ２ 中央孔 ４ａ センターハブ ５ ピン孔 ７ スピンドルテーブル ８ スピンドルピン １３ 磁気ヘッド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 西山 康彦 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝 堀川町工場内 (72)考案者 泉 幸樹 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 東芝電 子エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 実開 昭57−180884（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−24877（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−34674（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−72778（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 環状の磁気ディスク本体と、中心にスピ
   ンドルピンが挿入されるピン孔を有し，前記ピン孔を中
   心として環状に凹陥された円錐状の傾斜面を有して前記
   磁気ディスク本体の中央孔に同心的に固着されるセンタ
   ーハブとを備えたフロッピーディスクにおいて、前記セ
   ンターハブは、外周部に前記傾斜面に対して逆円錐状に
   傾斜して前記磁気ディスク本体を傾斜支持する環状部を
   備えたことを特徴とするフロッピーディスク。