JPH02151608A - 含フッ素共重合体およびその用途 - Google Patents

含フッ素共重合体およびその用途

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JPH02151608A
JPH02151608A JP30544188A JP30544188A JPH02151608A JP H02151608 A JPH02151608 A JP H02151608A JP 30544188 A JP30544188 A JP 30544188A JP 30544188 A JP30544188 A JP 30544188A JP H02151608 A JPH02151608 A JP H02151608A
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JP
Japan
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group
fluorine
vinyl ether
containing copolymer
mol
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Application number
JP30544188A
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English (en)
Inventor
Takashi Izumi
和泉 隆
Hajime Inagaki
稲垣 始
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、有機溶剤に溶解して常温で速やかに硬化させ
ることができ、しかも伸びが向上された含フッ素共重合
体およびその用途に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 建築物、車輌、船舶、航空機等の外装分野には耐候性、
耐久性の優れた塗料が要求され、ポリエステル系または
アクリル系の高級外装塗料が利用されている。しかし、
既存塗料の屋外耐用年数は短く、上述の高級塗料でさえ
数年で美観と基材保護作用を失ってしまう。
一方、フッ素系重合体は熱的にも化学的にも極めて安定
であり、耐候性、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性あるいは
離型性、低摩擦性、撥水性に優れているので、各種基材
の表面処理剤として好適である。しかし、従来知られて
いるフッ素系重合体は、前述のような性質が災いして、
有機溶媒に溶けに<<、塗膜の形成が困難であって、塗
料として非常に使用しにくかった。たとえば、現在知ら
れているフッ素系重合体の塗料は粉体塗料が多く、僅か
にPVdF (ポリビニリデンフルオライド)が高温下
に特定の溶媒に溶解する性質を利用して有機溶媒分散型
塗料として用いられているに過ぎない。しかもこれらの
フッ素系重合体の塗料は、皮膜形成の際19高温の焼付
が必要であるので、その利用分野が加熱設備のできる場
所に制限されていた。また加熱設備の存在および焼付工
程を行なわなければならないことは、作業に従事する人
の安全面や作業場の環境面からも好ましいものではない
。そこで、近年になり溶剤可溶性あるいは高温での焼付
工程の必要のないフッ素系重合体の開発が試みられてい
る。
たとえば特開昭57−34107号公報には、フルオロ
オレフィン、シクロヘキシルビニルエーテル、アルキル
ビニルエーテルおよびヒドロキシアルキルビニルエーテ
ルからなる4元共重合体が開示されており、この共重合
体は有機溶剤に可溶であって、常温で硬化させることが
可能であることも記載されている。しかし、この共重合
体を常温硬化させるには、他にメラミン系硬化剤や尿素
樹脂系硬化剤が必要であり、その分、耐候性が低下する
。また、この共重合体のガラス転移温度は常温以上すな
わち25℃以上と比較的高い。また特公昭46−394
72号公報には、実際の例は記載されていないが、PT
FE (ポリテトラフルオロエチレン)にオレフィン性
不飽和結合および加水分解可能な基をもつ有機珪素化合
物を、有機ヒドロペルオキシド等のラジカル開始剤の存
在下で機械的に処理したものは、常温で水によって架橋
し硬化することが示唆されている。しかし、この方法で
製造されるフッ素系重合体は、有機珪素化合物がPTF
Eにグラフトした重合体であり、有機溶剤には実質的に
不溶である。
本発明者らは、このような現状に鑑みて、■ 有機溶剤
に低温で溶解し、 ■ 硬化に際して特殊な硬化剤を必要とせず、■ 常温
で硬化し、 ■ 硬化後は耐候性、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性、低
摩擦性に優れ、 ■ 七ツマー成分から直接重合できるような含フッ素共
重合体として、 ■   、   3   。
(RかりRのっち2つはFSHlCOがら選ばれる基で
あり、残る1つはFSH,Cgより選ばれる基または−
CX1X2X3 (X1〜X3はFSH,Cgから選ば
れる基)で示される基である。)で示される構成単位、 (R’はアルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキ
ル、アリール、アリールアルキル)で示される構成単位
、および (RRはHまたは低級アルキル基(炭素数1〜4)であ
り、RとRは加水分解可能な基が珪素原子に結合してい
る珪素含有基である。)で示される構成単位、 からなる共重合体であって、 [B]共重合体中の(a)〜(c)の合計モル数に対し
て、(a):30〜70モル%、(b):20〜60モ
ル%、(c)  : 1〜25モル%であって、 [C]ゲル・パーミェーションクロマトグラフ法によっ
て測定した数平均分子ffi(Mn)が3000〜to
oooo、 で定義づけられる溶剤可溶性フッ素系重合体およびこの
フッ素系重合体を有機溶剤に溶解してなる塗料を、特願
昭59−263017号に提案した。
この含フッ素共重合体は極めて優れた特性を有している
が、この含フッ素共重合体を有機溶剤に溶解させてなる
塗料を基材上に塗布した後に得られる塗膜は、やや伸び
性に劣るという問題点があった。
発明の目的 本発明は、上記のような問題点を解決しようとするもの
であって、有機溶剤に溶解して塗料として用いた場合に
、伸び性に優れた塗膜を与えうるような、有機溶剤に可
溶性の含フッ素共重合体およびこの含フッ素共重合体を
有機溶剤に溶解してなる塗料組成物を提供することを目
的としている。
発明の概要 本発明に係る含フッ素共重合体は、 CRlからR3のうち2つはF、H,(lから選ばれる
基であり、残る1つはF、H,CΩより選ばれる基また
は−CX1X2X3 (X1〜X3はFSHXCDから
選ばれる基)で示される基である。)で示される構成単
位、 < R4はアルキル、シクロアルキル、アルコキシアル
キル、アリール、アリールアルキル)で示される構成単
位、および CR5R6はHまたは低級アルキル基(炭素数1〜4)
であり、R7とR8は加水分解可能な基が珪素原子に結
合している珪素含有基である。)で示される構成単位、 からなる共重合体であって、 [B]該共重合体を形成する(a)  (b)および(
C)の合計モル数に対して、(a)は30〜70モル%
の量で、(b)は20〜60モル%の量で、(C)は2
〜4.5モル%の量であり、かつ、 [C]ゲル・パーミェーションクロマトグラフ法によっ
て測定した数平均分子量(Mn )が3000〜too
oooの範囲内にあることを特徴としている。
また本発明に係る塗料組成物は、上記のような含フッ素
共重合体を有機溶剤に溶解してなることを特徴としてい
る。
発明の詳細な説明 以下本発明に係る含フッ素共重合体および塗料組成物に
ついて具体的に説明する。
まず本発明に係る含フッ素共重合体について説明すると
、この含フッ素共重合体は、(a)フルオロオレフィン
と、(b)ビニルエーテルと、(C)オレフィン性不飽
和結合および加水分解可能な基を有する有機珪素化合物
との3種類のモノマー成分単位からなる共重合体である
フルオロオレフィンから導かれる構成単位(a)は、 [式中R1からR3のうち2つはF、H,CΩから選ば
れる基であり、残る1つはF、HSCfiから選ばれる
基または−cx  x  x  (X1〜X3はF、H
,C9から選ばれる基である)で示される基である。]
で示される。
またビニルエーテルから導かれる構成単位(b)は、 ある)で示される。
さらにオレフィン性不飽和結合および加水分解可能な基
を有する有機珪素化合物から導かれる構成単位(c)は
、 (式中RおよびR6は、Hまたは炭素数1〜4の低級ア
ルキル基であり、RおよびR8は加水分解可能な基が珪
素原子に結合している珪素含有基である。)で示される
しかし本発明の目的を損わない範囲で、少量の他の共重
合可能なモノマー成分、たとえばα−オレフィン類、シ
クロオレフィン類、カルボン酸ビニルエステル、カルボ
ン酸アリルエステルなどが共重合されていてもかまわな
い。
本発明で用いられるフルオロオレフィン(a)は、分子
中に少なくとも1個以上のフッ素原子をもっており、好
ましくはオレフィンの水素原子が全てフッ素原子および
他のハロゲン原子で置換されているペルハロオレフィン
がよく、さらに重合性および得られる重合体の性質の観
点からは、炭素原子数2または3のフルオロオレフィン
が好ましい。
このようなフルオロオレフィンとしては、具体的には以
下のような化合物が用いられる。
CF  −CFS CHF−CF  、CH2−CF2
、CH2−CHF、C(l FmCF2、CHC# −
CF  、C(1−CF  、、C(l F城CCI)
F、CHF−CCg S CH2−CHF。
等の炭素原子数2のフルオロオレフィン(フルオロエチ
レン系)。
CF30F−mCF2 CF CH−mCF2、 CF3CF誠CHF。
、CF8CF−CHF1 CF CF=CH2、 CHF2CF−CHF。
CF  CH−CHS CHCF鱈CF2.CHCH−
CF  、CHCF−CH2,CF  CgCF−CF
  % CF  CCl−CF2.CF3CF−CFC
ff。
CF  CIIC(1−CF  5CF2(l CF−
CF(1,CF(l  CF−CF2、CF  C1−
C(l FS CF2O(1−ccg S ccgF 
cF−CC1J2、C(l   CF−CF2、 CF  CF−CH(1、CCI F2CF−CHCI
)。
C(1!   CF−CH(1,CF2fICF−CF
2、CF  B r CH= CF 2、 CHB r CF = CCg2、 CF 2 B r CHwaCHF SCF 2 B 
r CF −CF 2等の炭素原子数3のフルオロオレ
フィン(フルオロプロペン系)。
これらの中では、テトラフルオロエチレン(CF  −
CF2)およびヘキサフルオロプロペン(CF2III
llCFCF3)、クロロトリフルオロエチレン(CF
2−C(l F)が好適であり、さらには安全性、取扱
い性の面からヘキサフルオロプロペンおよびクロロトリ
フルオロエチレンが好適である。
また本発明において、フルオロオレフィンは、単独で用
いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で用いられるビニルエーテル(b)は、ビニル基
と、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基などとがエーテル結合した化合物である。
このようなビニルエーテルとしては、具体的には、エチ
ルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロ
ピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、tert
−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘ
キシルビニルエーテル、イソヘキシルビニルエーテル、
オクチルビニルエーテル、4−メチル−■−ペンチルビ
ニルエーテル等の鎖状アルキルビニルエーテル類、シク
ロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニル二一
チル等のシクロアルキルビニルエーテル類、フェニルビ
ニルエーテル、o−1m−1p−)リビニルエーテル等
のアリールビニルエーテル類、ベンジルビニルエーテル
、フェネチルビニルエーテル等のアラルキルビニルエー
テル類を用いることができる。
これらの中ではとくに炭素数が8以下好ましくは2〜4
である鎖状アルキルビニルエーテルおよび炭素数が5〜
6であるシクロアルキルビニルエーテルが好ましく、さ
らにはエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル
、ブチルビニルエーテルが好適である。
また本発明においては、上記のようなビニルエーテルは
、単独で用いてもよく、また複数混合して用いてもよい
本発明で用いられる有機珪素化合物(c)は、分子中に
オレフィン性不飽和結合および加水分解可能な基を有す
る化合物であって、具体的には下記−数式(1)〜(3
)に示される化合物を例示することができる。
R1R25I Y’ Y2    (1)RlXSI 
Y1Y2     (2)R’ SI Y’ Y” Y
”     (3)(式中、RRは、オレフィン性不飽
和結合を有し、炭素、水素および場合によって酸素から
なり、それぞれ同一または相異なる基である。Xは、オ
レフィン性不飽和結合を有しない有機基であり、YYY
  はそ れぞれ同一または相異なる加水分解可能な基である。) R1またはR2は、具体的には、ビニル、アリル(al
lyl) 、ブテニル、シクロへキセニル、シクロペン
タジェニルなどであり、とくに末端オレフィン性不飽和
基であることが好ましい。またR1またはR2は、末端
不飽和酸のエステル結合を有するCH−C(CH3)C
oo (CH2) 3CH−C(CH3)Coo (C
H2) 2−0(CH2)3 CH2−C(CH3)COOCH2CH2H などの基であることもできる。これらの中では、R1お
よびR2が酸素を含まず炭素と水素とから構成されてい
ることが好ましく、特にビニル基が最適である。
Xは、具体的には、1価の炭化水素基であるメチル、エ
チル、プロピル、テトラデシル、オクタデシル、フェニ
ル、ベンジル、トリルなどであり、またこれらの基は、
ハロゲン置換炭化水素基でもよい。
Yl Y、Y  は、具体的には、メトキシ、エトキシ
、ブトキシ、メトキシエトキシなどのアルコキシ基、ア
ルコキシアルコキシ基、ホルミロキシ、アセトキシ、プ
ロピオノキシなどのアシロキシ基、オキシムたとえば ON = C(CHa ) 2、 −0N−COCH2CH2および ON = C(Ce H5) 2などであり、その他任
意の加水分解し得る有機基である。
本発明では有機珪素化合物は、−数式(3)で表わされ
る化合物であることが好ましく、とくに基Y1 Y2 
Y3が同一である有機珪素化合物が好ましい。これらの
中でもR1がビニル基であり、Y1〜Y3がアルコキシ
基またはアルコキシアルコキシ基である有機珪素化合物
が特に好ましく、たとえばビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエ
トキシ)シランなどが好ましい。またビニルメチルジェ
トキシシラン、ビニルフエニルジメトキシシランなども
同様に用いることができる。
本発明に係る含フッ素共重合体では、(a)〜(e)の
モノマー成分の含有割合は、(a)〜(e)の合計モル
数を基準として、(a)は30〜70モル%好ましくは
40〜60モル%の量であり、(b)は20〜60モル
%好ましくは20〜50モル%の量であり、(C)は2
〜4.5モル%好ましくは2.5〜4.0モル%の量で
ある。
本発明では、有機珪素化合物(c)の量が2〜4.5モ
ル%と極めて少量であり、このような量で有機珪素化合
物が含フッ素共重合体に含まれていることによって、こ
の含フッ素共重合体を有機溶剤に溶解してなる塗料組成
物から得られる塗膜は、特に優れた伸び特性を有すると
ともに、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性、機械的性質に優
れたものとなる。換言すると、本発明に係る含フッ素共
重合体においては、有機珪素化合物(C)の量が2モル
%未満では、得られる含フッ素共重合体が硬化しに<<
、実用性に難があり、4.5モル%を超える場合には、
得られる含フッ素共重合体の伸び特性は、有機珪素化合
物(C)の量が2〜4.5モル%である場合と比較して
低下する傾向が認められる。
本発明に係る含フッ素共重合体の分子量は、テトラヒド
ロフランを溶媒にし、分子量既知の単分散ポリスチレン
を標準物質として用いて、ゲル・バミエーションクロマ
トグラフ法(G P C)により測定して求めた数平均
分子量(Mn )が、通常3000〜100000、多
くは5000〜50000 (7)範囲にある。
本発明に係る含フッ素共重合体は、また非品性または低
結晶性、多くは非品性であり、一般にはX線による結晶
化度が0%、示差走査型熱量計(DSC)で融点が観察
されないことが多い。したがって本発明に係る含フッ素
共重合体は、透明性が良好である。
また本発明に係る含フッ素共重合体は、そのガラス転移
温度(T g)を、試料を−120”Cに冷却したのち
10℃/分の昇温速度でDSCにより71111定する
と、通常−60〜+20’C1多くが一40〜+5℃の
範囲にある。
このような本発明に係る含フッ素共重合体は、常温にお
いて、たとえばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトンなどの
ケトン類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、エ
チルセロソルブなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブ
チルなどのエステル類、n−ブタノール、エタノールな
どのアルコール類、トリクロロメタン、ジクロロエタン
、クロ、ロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類などに
溶解する。
したがって上記のような含フッ素共重合体を上記のよう
な有機溶剤に溶解させて塗料組成物を調製することがで
きる。
上記のような含フッ素共重合体から塗料組成物を調製す
る場合には、有機溶剤として、トルエン、キシレン、酢
酸ブチル、メチルイソブチルケトン、エチルまたはメチ
ルセロソルブ、酢酸セロソルブあるいはこれらの混合物
などを用いることが好ましい。
このような含フッ素共重合体は、有機珪素化合物(c)
に由来する加水分解可能な有機基を有しているので、水
分と接触することにより重合体の分子鎖間に橋かけ反応
が起こり、硬化する。したがって、大気中の湿気によっ
ても当然のことながら架橋が起こり得る。この含フッ素
共重合体は、単独でも架橋が進むことは明白であるが、
塗料として用いる場合には、基材に塗布された含フッ素
共重合体の皮膜が迅速に硬化するように、シラノール縮
合触媒を塗料組成物中に予め添加しておいても、塗装置
前に添加してもよい。この場合、含フッ素共重合体とシ
ラノール縮合触媒を含んだ有機溶剤液を基材に塗布する
と、有機溶剤が蒸散して空気中の湿分と接触しだすと同
時に硬化反応が起こり、皮膜硬化が起こる。
シラノール触媒としては、公知のものを用いることがで
き、具体的には、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル
錫ジラウレート、酢酸第1錫、オクタン酸第1錫、ナフ
テン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉄、ナフテン酸コバル
トなどのカルボン酸金属塩、エチルアミン、ヘキシルア
ミン、ジブチルアミン、ピペリジンなどの有機塩基、無
機酸および有機脂肪酸などの酸などが用いられる。この
うちアルキル錫カルボン塩、たとえばジブチル錫ジラウ
レート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオク
トエート、ジブチル錫ジアセテートが好ましい。
本発明に係る含フッ素共重合体の橋がけ反応は、常温す
なわち室温付近(0〜40’C)で十分進行するが、必
要に応じて加熱下で反応を行わしめてもよい。
本発明に係る含フッ素共重合体を塗料として使用する場
合には、前記のように1液型で使用するのが好適であり
、この塗料組成物は、通常の液体塗料と同じように刷毛
、スプレー、ローラコータ等で金属、木、プラスチック
、セラミ・ツク、紙、ガラスなどの基材表面に塗布する
ことができる。
硬化後の被膜は、耐候性、耐薬品性、耐溶剤性、耐水性
、低摩擦性に優れ、さらに透明性、光沢、伸び性にも優
れている。
硬化後の含フッ素共重合体は、前記のように伸び特性に
優れている。ここで含フ・ン素共重合体の伸び特性は実
施例に示すようにして評価した。
本発明に係る含フッ素共重合体は、上記のような各モノ
マー(a)〜(C)を周知のラジカル開始剤の存在下共
重合することによって製造することができる。ここで(
a)〜(e)の各成分はいずれも存在することが必要で
あり、たとえば(a)成分と(C)成分とのみでは共重
合が生じないが、(b)成分を加えることによって(a
> 、(b) 、(c)の各成分が共重合する。
このような含フッ素共重合体を製造する際にはラジカル
開始剤として、公知の種々のものが使用できる。具体的
には有機ペルオキシド、有機ベルエステルたとえばベン
ゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド
、ジクミルペルオキシド、ジーtert−ブチルペルオ
キシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシベ
ンゾエート)ヘキシン−3,1,4−ビス(tert−
ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイル
ペルオキシド、tert−ブチルベルアセテート、2.
5−ジメチル−2,5−ジ’(t6rt−ブチルペルオ
キシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(
tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブ
チルペルベンゾエート、tert−ブチルベルフェニル
アセテート% tert−ブチルベルイソブチレート、
tert−ブチルベルー5eC−オクトエート、ter
t−ブチルペルピバレート、クミルペルピノくレート、
tert−ブチルペルジエチルアセテートなど、その他
アゾ化合物たとえばアゾビス−イソブチルニトリル、ジ
メチルアゾイソブチレートなどが用いられる。このうち
ジクミルペルオキシド、ジーtort−ブチルペルオキ
シド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチ
ルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,
5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、■、
4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)
ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましい。
上記のような共重合反応は、有機溶媒からなる反応媒体
中で行われることが好ましい。このような有機溶媒とし
ては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンな
どの脂肪族炭化水素、クロロベンゼン、ブロモベンゼン
、ヨードベンゼン、0−ブロモトルエンなどのハロゲン
化芳香族炭化水素、テトラクロロメタン、1.1.1−
)リクロロエタン、テトラクロロエチレン、■−クロロ
ブタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素等を用いること
ができる。
上記のような共重合反応は、上記のような溶媒中でラジ
カル開始剤をモノマーの合計モル数に対してモル比て1
0−2〜2X10−3の範囲で添加して行うことが好ま
しい。また重合温度は一30〜200℃、好ましくは2
0〜100℃、重合圧力は0〜100kg/cJ−G、
好ましくは0〜50 kg/C−・Gである。
なお本発明では、フルオロオレフィンとして塩素を含む
フルオロオレフィンを用いて含フッ素共重合体を製造す
るに際しては、重合反応時および/または得られた共重
合体の精製時に、系内に塩素捕捉剤を存在させておくこ
とが望ましい。
このような塩素捕捉剤としては、以下のような化合物を
用いることができる。
(イ)M  Ag(OR)2x+3.−2□(A)  
  ax     y               
          zH20(式中、MはMg5Ca
またはZnであり、AはCOまたはHPO4であり、x
、y、zは正数であり、all!Oまたは正数である。
)で示される複合化合物。
(イ)で示される複合化合物としては、具体的には、下
記のような化合物が用いられる。
Mg   AIJ   (OH)   C0・4H20
621θ  3 Mg  Al   (OH)   C0・5H20Mg
  Aj!   (OH)   CO拳4H20Mg 
 AIJ  (OR)   C0・4H20to   
2    22  3 Mg   AN   (OH)   HPO−4H20
Ca  A fl   (OH)   COφ4 H2
0Z n   A II   (OH)   CO44
H20この(イ)で示される複合化合物は、上記のよう
な式で正確に示されない化合物であってもよく、たとえ
ばMg  All  (OH)  ・3H20のOHの
一部がCOaで置換された化合物であってもよい。また
これらの化合物は、結晶水が除去されていてもよい。
このような複合化合物のうちでは、MがMgであり、A
がCO3である化合物が好ましい。
(ロ)アルカリ土類金属の塩基性化合物アルカリ土類金
属の塩基性化合物としては、具体的には、Mg 0SC
a Oなどのアルカリ土類金属酸化物、Mg(OH) 
 、Ca(OH) 2などのアルカリ土類金属水酸化物
、MgCO3、CaC0などのアルカリ土類金属炭酸塩
などが用いられる。
上記のようなアルカリ土類金属の塩基性化合物は、(M
gC03)4ΦMg(OH)   争5H20などの複
塩であってもよく、またこれらの化合物は結晶水が除去
されていもよい。
これらのアルカリ土類金属の塩基性化合物のうちでは、
Mg含有化合物が好ましい。
(ハ)エポキシ基含有化合物 エポキシ基含有化合物としては、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのケイ素含
有エポキシ化合物、トリメチロールプロパンポリグリシ
ジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエ
ーテルなどの脂肪族エポキシ化合物などが用いられる。
このうちγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
などのケイ素含有エポキシ化合物が好ましい。
上記のような塩素捕捉剤のうち、無機化合物である塩素
捕捉剤は、有機化合物である塩素捕捉剤と比較して、塩
素(塩酸)との反応が速く、かつ重合系あるいは精製系
に溶解していないため、系外に除去しやすいため好まし
く用いられる。特に(イ)で示した複合化合物が好まし
い。
上記のような塩素捕捉剤を、重合反応時または得られた
共重合体の精製時あるいはこの両方に存在させることに
よって、得られる含フッ素共重合体の着色を効果的に防
止することができる。特に塩素捕捉剤を重谷反応時に系
内に存在させることによって、得られる含フッ素共重合
体の着色を効果的に防止することができる。
また得られた含フッ素共重合体をアルコール類などで精
製処理する際に系内に塩素捕捉剤を存在させることによ
って、この含フッ素共重合体をトルエンなどの有機溶剤
に溶解させて塗料とし、この塗料を金属などの基材に塗
布して塗膜を形成した際に、基材に錆が発生するのを効
果的に防止することができる。
このような塩素捕捉剤を、重合反応時に用いる場合には
、(a)フルオロオレフィンに含まれる塩素原子1モル
に対して0.5〜100g好ましくは1〜70gの量で
用いることが好ましい。
また塩素捕捉剤を、精製時に用いる場合には、得られた
含フッ素共重合体100gに対して0.5〜100g好
ましくは1〜70gの量で用いることが好ましい。
本発明に係る含フッ素共重合体の利用分野としては、上
記してきたように各種の有機溶剤に溶解した形で塗料組
成物として用いるのが最適である。
この場合、顔料あるいは染料などを塗料組成物に配合し
て着色塗料としてもよく、さらに必要に応じて通常合成
樹脂に配合される各種添加剤を配合してもよい。また上
記のような含フッ素共重合体を、シリル化アクリル樹脂
、シリコン系塗料、シリル化ポリオレフィンなどのアル
コキシシリル基あるいはシラノール基を有する樹脂の改
質剤として使用してもよい。
〔実施例〕
以下本発明の内容を好適な例でもって説明するが、4と
くに断わりのない限り本発明はこれらの例に制限される
ものではなく、本発明の目的を損わない範囲でいかなる
態様も可能である。
実施例1 内容積1.5gのステンレス製撹拌棒付きオートクレー
ブ内を窒素置換し、窒素気流下にベンゼン180 ml
、エチルビニルエーテル(BYE)161.8g5n−
ブチルビニルエーテル(BYE)31.2g、  トリ
メトキシビニルシラン(TMVS)25.7g、合成ハ
イドロタルサイト(Mg4.5Aff   (OH) 
 Co  ・3.5H20)粉末の焼成品(SHT)1
3.0gを仕込んだ。その後、クロロトリフルオロエチ
レン(CTPE) 257 gオートクレーブ中に導入
し、65℃まで昇温した。
このようにして得られた混合液に、過酸化ジラウロイル
766gをベンゼン120m1に溶解させてなる開始剤
溶液を4時間かけてフィードした。
さらに65℃で6時間反応を行なった後、オートクレー
ブを水冷し、反応を停止させた。65℃における系内の
圧力は反応開始時で5.3kgf/cdG1反応終了時
で1 、 7 kg f / cIit Gであった。
冷却後、未反応モノマーを追い出し、オートクレーブを
解放し、1.5gのナス形フラスコに反応液を取り出し
た。
この反応液に、キシレン210f、メタノール140g
5SHT13.Ogを加え、50℃で1.5時間さらに
60℃で1,5時間撹拌下に加熱処理した。
処理後、エバポレータにて減圧下に残留モノマーおよび
溶媒を留去し、次いでキシレン550gを加え、撹拌に
より均一溶液とした。
この溶液を濾過してSHTを除去し、減圧濃縮して無色
透明な重合体399gを得た。
得られたポリマーのゲルパーミェーション(GPC)に
よる数平均分子量は9,700であり、示差走査型熱量
計(DSC)によるガラス転移点(Tg )は−42,
7℃であった。また、屈折率(no )は1.444で
あった。
この共重合体の組成分析を元素分析およびNMRを用い
て行なったところ、CTFE/EVE/BVE/TMV
S−46/42/8/4(モル比)であった。
実施例2〜3および比較例1〜3 実施例1と同様の条件において、モノマーと仕込組成を
変えて重合を行なった。
得られたポリマーの物性を表1に示す。
試験例1 実施例1で得た共重合体(1)の59.7重量%キシレ
ン溶液100重量部と、ジラウリン酸ジn−ブチル錫の
6.3重量%溶液3重量部との混合液6に、シンナーを
加えて塗料組成物(1)を調製し、この塗料組成物をポ
リプロピレン・シートに塗布して塗膜を形成した。
この塗膜を23℃で4日間養生したのち、塗膜をポリプ
ロピレン・シートからはがし、縦8cffl×rA6 
c+nの大きさに切り、温度60℃、湿度70%の条件
で30日間養生し、養生前後の寸法変化、養生後の引張
試験による塗膜の伸び、応力緩和時間を測定した。
測定結果を表2に示す。また、引張試験条件を以下に示
す。
く引張試験条件〉 試験片:温度60℃、湿度70%の条件で30日間養生
した塗膜を、カッターナイフを用いて幅15m、長さ8
0 m+*に切出し試験片とした。
チャック間:50關 引張速度:20mm/分 試験条件:23℃、50%RH く応力緩和試験条件ン 上記の条件で引張り、試験片の伸びが5%に達した時点
で引張りを中止し、そのままの状態で試験片を固定した
。その時の引張応力が1/2になるまでに要する時間を
測定した。
また実施例1で得られた共重合体(I)35゜5重量部
、テトラメチルオルト珪酸オリゴマー1゜7重量部、オ
ルトギ酸メチル1.7重量部、酸化チタン29重量部、
キシレン32.1重量部よりなる塗料組成物(II)を
調製した。
一方フレキシブル板(10cmX30cm)にカンペゴ
ムタイルシーラを塗布し、アクリルゴム系弾性外装材(
カンペゴムタイルラフ)を平吹きした。
翌日、その上にアクリルゴム系弾性外装材(カンペ・ゴ
ムタイルラフ)を玉吹きして、コテ押をし、玉の上面を
平坦にした。
玉吹き、コテ押さの翌日、この上に上記のようにして調
製した塗料組成物(n)を塗布し、1週間装置した後、
サンシャインウェザメーターによる促進耐候試験を行な
い、クラ・ツクの発生を調べたところ、3000時間経
過後もクラ・ツクの発生は認められなかった。
試験例2〜6 試験例1において、実施例1の共重合体(I)のかわり
に実施例2〜6で得られた共重合体を用いた以外は、試
験例1と同様の試験を行なった。
物性を表2に示す。
発明の効果 本発明のフッ素系重合体は、 (1)有機溶剤に常温で溶解する、 (j)水分が存、在すれば常温で硬化反応が進む、(i
i)伸び、透明性に優れ、硬化後は耐候性、耐薬品性、
機械的性質、低摩擦性等の性質に優れる、 といった特長を示し、したがって塗料として用いた場合
には、 ()V)フッ素系塗料でありながら焼付工程が不要であ
り、得られる塗膜は伸び、耐候性などに優れている。
したがって本発明に係るフッ素系塗料は、金属、木材、
プラスチック、セラミック、紙等のコーティング剤、光
ファイバーや光ディスク、液晶表示基板の表面コートに
利用できる。
代理人  弁理士  鈴 木 俊一部 表

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)[A](a) ▲数式、化学式、表等があります▼ (R^1からR^3のうち2つはF、H、Clから選ば
    れる基であり、残る1つはF、H、Clより選ばれる基
    または−CX^1X^2X^3(X^1〜X^3はF、
    H、Clから選ばれる基である)で示される基である。 )で示される構成単位、 (b)▲数式、化学式、表等があります▼ (R^4はアルキル、シクロアルキル、アルコキシアル
    キル、アリールまたはアリールアルキル)で示される構
    成単位、および (c)▲数式、化学式、表等があります▼または▲数式
    、化学式、表等があります▼ (R^5、R^6はHまたは炭素数1〜4の低級アルキ
    ル基であり、R^7とR^8は加水分解可能な基が珪素
    原子に結合している珪素含有基である。)で示される構
    成単位、 からなる共重合体であって、 [B]該共重合体を形成する(a)、(b)および(c
    )の合計モル数に対して、(a)は30〜70モル%の
    量で、(b)は20〜60モル%の量で、(c)は2〜
    4.5モル%の量であり、かつ、 [C]ゲル・パーミエーションクロマトグラフ法によっ
    て測定した数平均分子量(¥M¥n)が3000〜10
    0000の範囲内にあることを特徴とする溶剤可溶性含
    フッ素共重合体。
  2. (2)請求項第1項に記載の含フッ素共重合体を有機溶
    剤に溶解してなる塗料組成物。
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