JP2949713B2 - 塗料用組成物および塗装物品 - Google Patents

塗料用組成物および塗装物品

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JP2949713B2
JP2949713B2 JP1063901A JP6390189A JP2949713B2 JP 2949713 B2 JP2949713 B2 JP 2949713B2 JP 1063901 A JP1063901 A JP 1063901A JP 6390189 A JP6390189 A JP 6390189A JP 2949713 B2 JP2949713 B2 JP 2949713B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、塗料用組成物および塗装物品に関する。
[従来の技術] 含フッ素重合体を主成分とする塗料用組成物は、アク
リル樹脂などを使った一般の塗料用組成物に比較して、
耐久性が格段に優れることが知られている。しかし、含
フッ素重合体を主成分とする塗料用組成物は、溶剤に溶
解し難いなど、作業性に問題があった。
これらの問題を解決した含フッ素共重合体は既に提供
されている(特開昭53−96088など)。これらの含フッ
素共重合体を使用した塗料用組成物も知られている(特
開昭55−25318、特開昭56−21686など)。これらの含フ
ッ素共重合体を使用する塗料用組成物は、ポリイソシア
ナートまたはメラミン系硬化剤が使用されている。
ポリイソシアナートを用いた場合には、常温硬化型塗
料となしうるが、該塗料は二液性となり、使用時に二液
を混合せねばならないという不都合があった。また、メ
ラミン系を用いた場合には、前述の不都合を解消される
が、高温の焼付け作業が必要となり、塗料現場などで塗
装できないという問題があった。従来使用されていた硬
化剤は、含フッ素共重合体に比較して、耐熱性が劣るた
め、硬化物は含フッ素共重合体の耐熱性が充分に発揮さ
れないということがあった。
さらに、従来の含フッ素共重合体を主成分とする塗料
用組成物は、ガラス、ステンレスなどの無機系基材に対
し、良好な密着性を得るために、あらかじめ基材表面に
プライマー処理をすることを必要とした。
また、こういった欠点を解消するため同組成の含フッ
素共重合体とシリルイソシアナートなる硬化剤を混合し
てなる被覆組成物が提案されている。この化合物は、上
述の問題を解消するのに飛躍的な効果があった。しか
し、反応が完結すると脱炭酸、脱アンモニアの反応によ
り塗膜の収縮がおきたり硬度が経時的に上がってくると
いうことがしばしばあった。
[発明の解決しようとする問題点] 本発明は、従来技術の有していた前述の欠点を解決す
るものである。一液、二液のいずれの型でも使用でき、
一液性で使用しても焼付けの必要なく硬化塗膜を得るこ
とができ、かつ、ガラスまたはステンレスのような無機
質基材に対し、プライマー処理を施すことなく、優れた
密着性を与え、かつ、優れた耐候性を与える塗料用組成
物を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、フルオロオレフィンに基づく重合単位を含
有し、フッ素含有量10重量%以上であり、溶剤に可溶で
あり、かつ活性水素含有基またはアルコキシシリル基を
有する含フッ素共重合体と、一般式R4-pSi(ONCR1R2
[式中、Rはアルキル基、アルケニル基、シクロアル
キル基、アリール基、アリールアルキル基、アルコキシ
基またはアシルオキシ基、R1、R2はメチル基またはエチ
ル基、pは1〜4の整数である。ただし、pが1の場合
3個のRのうち1個以上はアルコキシ基またはアシルオ
キシ基である。]で表されるシリルケトオキシメート化
合物とを含有し、かつエポキシ基含有化合物を含有しな
いことを特徴とする塗料用組成物を提供する。
[含フッ素共重合体について] 本発明においては、フルオロオレフィンに基づく重合
単位を含有し、フッ素含有量が10重量%以上であり、特
定の有機ケイ素化合物および通常使用される塗料用溶剤
と良好な相溶性または溶解性を有する含フッ素共重合体
を使用することが重要である。
フッ素含有量があまりに小さすぎる場合は、耐候性塗
料のベースとしての利点が減少するとともに、組成物の
施工性の改善効果が乏しくなるばかりでなく、硬化塗膜
の特性の面からも好ましくない。
また、フッ素含有量が10重量%以上である含フッ素重
合体であっても、ポリテトラフルオロエチレン、テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキル
ビニルエーテル)共重合体、ポリクロロトリフルオロエ
チレン、テトラルフルオロエチレン−エチレン共重合体
などのように各種溶剤に不溶性のものでは、特定の有機
ケイ素化合物と相溶することが難しく、分子鎖の絡まり
合いや、網目構造の形成が行われ難いので適用できな
い。
通常は、本発明における特定の含フッ素共重合体のフ
ッ素含有量は、10〜70重量%、好ましくは15〜50重量%
程度の範囲から選定されうる。
本発明における含フッ素共重合体としては、組成物施
工工程における操作の簡便性、硬化塗膜の機械的特性等
の面から付加重合体が採用され、また、特定の有機ケイ
素化合物との反応性等の面から、ヒドロキシル基、カル
ボキシル基、アミノ基、酸アミド基、メルカプト基、シ
ラノール基などの活性水素含有基またはアルコキシシリ
ル基からなる官能基(以下、硬化反応性部位という)を
含むものが採用される。特にヒドロキシル基、カルボキ
シル基、アミノ基または酸アミド基を含むものが好まし
い。
本発明において、好適な付加重合体の典型例として
は、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体、フ
ッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフ
ルオロエチレン共重合体、さらにはテトラフルオロエチ
レン、クロロトリフルオロエチレンまたはヘキサフルオ
ロプロピレンのようなフルオロオレフインと、ビニルエ
ーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエス
テル、アクリロイル化合物またはメタアクリロイル化合
物のようなエチレン性不飽和化合物との共重合体等が挙
げられ、高フッ素含有量で溶剤可溶な付加重合体という
点でフルオロオレフィン−ビニルエーテル系共重合体が
好ましく採用できる。
本発明において好適に使用できるフルオロオレフィン
−エチレン性不飽和化合物系共重合体としては、フルオ
ロオレフィンおよびエチレン性不飽和化合物に基づく単
位をそれぞれ30〜70モル%および70〜30モル%含有し、
未硬化状態でテトラヒドロフラン中で30℃で測定される
固有粘度が0.05〜2.0dl/g程度のものが例示される。
好ましいフルオロオレフィン成分としては、テトラフ
ルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフ
ルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプ
ロピレン、ペンタフルオロプロピレンなどの炭素数2〜
4程度のフルオロオレフィンが採用され、特に、テトラ
フルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキ
サフルオロプロピレンが好ましい。かかるフルオロオレ
フィンは、単独で使用してもよく2種以上を併用しても
よい。
また、好ましいエチレン性不飽和化合物としては、フ
ルオロオレフィンとの共重合体が優れることから、ビニ
ルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリル
エステルが採用される。なかでも、炭素数2〜15程度の
直鎖状、分岐状または脂環状のアルキル基を含有するア
ルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテルが好ま
しい。これらのエチレン性不飽和化合物は、炭素に結合
した水素の一部または全部がフッ素に置換されたもので
もよい。また、エチレン性不飽和単量体は、単独で使用
してもよく2種以上を併用してもよい。
本発明における含フッ素共重合体は、前述のような硬
化反応性部位を有する。かかる硬化反応性部位は次に例
示する方法などにより導入可能である。
ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアル
キルアリルエーテル、アミノアルキルビニルエーテル、
アミノアルキルアリルエーテル、カルボキシアルキルア
リルエーテル、アクリル酸、メタアクリル酸、ビニルシ
ラン誘導体のような硬化反応性部位含有エチレン性不飽
和化合物を共重合体せしめる方法、 重合後加水分解可能なエステル結合を有するエチレン
性不飽和化合物を共重合せしめた後、加水分解させてヒ
ドロキシル基またはカルボキシル基を形成せしめる方
法、 ヒドロキシル基含有含フッ素共重合体に無水コハク酸
などの多価塩基酸無水物を反応させてカルボキシル基を
形成する方法。
上記特定の含フッ素共重合体中の硬化反応性部位の含
有割合は、適宜変更できるが、あまりにも少なすぎる
と、架橋反応が充分進行せず、架橋密度が上がり難いの
で、強靭な塗膜が得られ難くなり、また、あまりに多す
ぎると、架橋密度が大きくなりすぎ、得られる塗膜は脆
くなり、硬化反応に伴なう収縮応力も大きくなるので、
基材に対する密着力が小さくなる。
したがって、通常は、硬化反応性部位含有単位の含有
量として、0.5〜40モル%程度、好ましくは1〜30モル
%程度の範囲から選定されうる。また、硬化反応性部位
がヒドロキシル基の場合には、含フッ素共重合体の水酸
基価が2〜200程度、好ましくは5〜150程度の範囲とな
るように、硬化反応性部位の含有割合を選定してもよ
い。
かかる含フッ素共重合体は、所定割合の単量体混合物
に重合媒体の存在下または非存在下に重合開始剤または
電離性放射線等の重合開始源を作用せしめて共重合反応
を行わしめることによって製造できる。
[シリルケトオキシメート化合物について] シリルケトオキシメート化合物は次の一般式で表され
る。
R4-pSi(ONCR1R2 (式中、Rはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、アリールアルキル基、アルコキシ基
またはアシルオキシ基、R1、R2はメチル基またはエチル
基、pは1〜4の整数である。ただし、pが1の場合3
個のRのうち1個以上はアルコキシ基またはアシルオキ
シ基である。) シリルケトオキシメート化合物は1分子中にケイ素に
直接結合した1個以上の−ONCR1R2基を有する。この−O
NCR1R2基は、本発明にいう官能性基の1つである。この
基の他に、前記硬化反応性部位と反応しうる官能性基、
または、加水分解などにより前記硬化反応性部位と反応
しうる官能性基に転換する基、を有していてもよい。か
かる官能性基としてはケイ素に直接結合した加水分解可
能な基、たとえばアルコキシ基などが挙げられる。
本発明におけるシリルケトオキシメート化合物は、上
記−ONCR1R2基を含めて2個以上の官能性基を有するこ
とが必要である。すなわち、2個以上の−ONCR1R2基を
有する場合、他の官能性基はなくてもよく、1個の−ON
CR1R2基を有する場合、他の官能性基を1個以上有す
る。
Rは複数存在する場合(pが1または2の場合)、複
数のRは異なっていてもよい。Rはアルコキシ基などの
加水分解可能な基、または、それ以外の有機基を表す、
pが1の場合、3個のRのうち1個以上は加水分解可能
な基である必要がある。
Rが加水分解可能な基である場合、それはアルコキシ
基またはアシルオキシ基であり、アルコキシ基が好まし
い。アルコキシ基としては、炭素数4以下のアルコキシ
基、特にメトキシ基またはエトキシ基が好ましい。
Rが加水分解可能な基でない場合、それはケイ素原子
に結合する炭素原子を有する有機基、例えばアルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
リールアルキル基等が好ましい。好ましくは、炭素数18
以下のアルキル基もしくはアルケニル基、または置換基
を有していてもよいフェニル基やベンジル基が採用され
る。最も好ましくは、炭素数4以下のアルキル基または
フェニル基が採用される。
本発明におけるシリルケトオキシメート化合物とし
て、具体的には、以下のものが例示される。なお、Me、
Et、Phはそれぞれメチル基、エチル基、フェニル基を示
す。
シリルテトラキス(メチルエチルケトオキシメート) Si(ONCMeEt) メチルシリルトリス(メチルエチルケトオキシメート) MeSi(ONCMeEt) ブチルシリルトリス(メチルエチルケトオキシメート) C4H9Si(ONCMeEt) オクチルシリルトリス(メチルエチルケトオキシメー
ト) C8H17Si(ONCMeEt) メトキシシリルトリス(メチルエチルケトオキシメー
ト) MeSi(ONCMeEt) エトキシシリルトリス(メチルエチルケトオキシメー
ト) EtOSi(ONCMeEt) フェニルシリルトリス(メチルエチルケトオキシメー
ト) PhSi(ONCMeEt) ビニルシリルトリス(メチルエチルケトオキシメート) CH2=CHSi(ONCMeEt) ジメチルシリルビス(メチルエチルケトオキシメート) Me2Si(ONCMeEt) メチルフェニルシリルビス(メチルエチルケトオキシメ
ート) PhSi(Me)(ONCMeEt) シリルケトオキシメート化合物としては、pが2以上
すなわちケイ素原子に直接結合した−ONCR1R2基を2個
以上有するものが反応性が優れるため好ましく採用され
る。
また、シリルケトオキシメート化合物としてpが4す
なわちケイ素原子に直接結合したオキシメート基を4個
有するものは、硬化時間がきわめて短いため、塗装方法
によっては、作業性がきわめて悪くなることがある。
硬化速度および塗装作業性の面から、ケイ素原子に直
接結合した−ONCR1R2基を3個有する化合物のみの使
用、または、ケイ素原子に直接結合した−ONCR1R2基を
2〜4個有する化合物の混合物の使用、が好ましい。
また、これらシリルケトオキシメート化合物の−ONCR
1R2基が適当な有機基によりブロックされた化合物も、
耐熱性、基材との密着性は優れるが、塗膜形成時に焼付
け作業を必要とするため好ましいとはいえない。すなわ
ち、上記−ONCR1R2基としては、ブロックされていない
フリーの−ONCR1R2基が好ましい。
本発明において、シリルケトオキシメート化合物は単
独で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、また
部分縮合されたものを使用してもよい。
本発明の組成物において、前記硬化反応性部位を有す
る含フッ素共重合体に対してシリケトオキシメート化合
物は過剰当量配合される。すなわち、N個の硬化反応性
部位を有する含フッ素共重合体1モルに対し、n個の官
能性基を有するシリルケトオキシメート化合物がN/nモ
ルを超える量配合される。好ましくはm個の−ONCR1R2
基を有するシリルケトオキシメート化合物がN/mモルを
超える量配合される。
しかし、−ONCR1R2基は硬化反応性部位と容易に反応
するので、配合量がN/mモルに近づくほど含フッ素共重
合体の架橋が進行し、高粘度生成物が生成するとともに
最終的な塗料組成物の硬化の際に必要は反応性基が少な
くなる。したがって、より好ましいシリルケトオキシメ
ート化合物の配合量の下限はN/(n−1)モルであり、
特にN/(m−1)モルが好ましい。
シリルケトオキシメート化合物をNモル配合した場
合、含フッ素共重合体の硬化反応性部位1個当り平均1
分子のシリルケトオキシメート化合物が反応し、その部
分に(n−1)個の官能性基が残る。さらに、Nモル以
上の多量のシリルケトオキシメート化合物を配合すると
その過剰分は未反応で残る。
この未反応は、少ないことが好ましいが、塗料の硬化
の際水分などが硬化剤と反応して硬化するので未反応分
の存在は特に不都合というわけではない。好ましくは、
シリルケトオキシメート化合物の配合量は約10モル%過
剰量程度以下が採用される。また、通常の含フッ素共重
合体とシリルケトオキシメート化合物を使用した場合、
前者に対する後者の配合量は重量比で1/100〜100/1程度
が好ましい。特に好ましくは、5/100〜40/100(すなわ
ち、含フッ素共重合体100重量部当りシリルケトオキシ
メート化合物5〜40重量部)であることが基材に対する
密着性、耐候性の面から望ましい。
硬化反応性部位を有する含フッ素共重合体にシリルケ
トオキシメート化合物を配合した場合、−ONCR1R2基の
高い反応性により、単なる混合によっても−ONCR1R2
が硬化反応性部位に反応する。加熱することまたは触媒
を使用することなどによって、−ONCR1R2基の硬化反応
性部位への反応をより積極的に行ってもよい。反応生成
物は、シリルケトオキシメート化合物に由来する官能性
基(−ONCR1R2基や加水分解可能な基)を有する。した
がって、この官能性基は新たな硬化反応性部位となる。
この硬化性部位は水と反応しうる。
[塗料用組成物] 本発明の塗料用組成物は空気中の水分により硬化でき
る。このようなタイプの塗料はいわゆる一液硬化型の塗
料である。また、水以外の硬化剤、たとえばポリオール
やポリアミンなどを使用しても硬化できる。特に、本発
明の組成物は、上記のような一液硬化型の塗料用として
使用されるものであることが好ましい。
また、一液硬化型の塗料用とする場合、塗料組成物の
粘度などの変化が少ないように、含フッ素共重合体とシ
リルケトオキシメート化合物はあらかじめ充分に反応さ
せておくことが好ましいが、N個の硬化反応性部位を有
する含フッ素共重合体1モル当りNモル以上のシリルケ
トオキシメート化合物を配合した場合には、単に混合す
るだけであってもゲル化を起こすことはない。また、ア
ルミニウムアルコキシド等の触媒を含むこともできる。
本発明の組成物は溶剤を含有していることが塗装作業
の容易性などの理由から好ましい。こうした溶剤として
は、種々の溶剤が使用でき、キシレン、トルエンのよう
な芳香族炭化水素類、酢酸ブチルのようなエステル類、
メチルイソブチルケトンのようなケトン類、ジエチルセ
ロソルブのようなグリコールジエーテル類などに加え
て、市販の各種シンナーも採用でき、これらを種々の割
合で混合して使用することもできる。こうした有機溶剤
は被塗物の状態、蒸発速度、作業環境などを勘案して適
宜選定することが望ましい。
本発明の塗料用組成物の調合に際しては、ボールミ
ル、ペイントシューカー、サンドミル、ジェットミル、
三本ロール、ニーダーなどの通常の塗料化に用いられる
種々の機器を使用できる。この際、顔料、分散安定剤、
粘度調節剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、紫外線吸収
剤、合成樹脂またはその前駆体などを添加することもで
きる。また、調合に際しては、湿気など、水分の存在を
極力避けるようにすることが好ましい。水分の存在下に
調合するとゲル化が進行し、塗料としての使用が難しく
なることがある。
本発明の塗料用組成物は、常温乾燥で用いても硬化速
度が速く、短時間で塗膜となるが、さらに短時間で溶剤
除去および硬化を行わしめるため、加熱乾燥を用いても
よい。
また、本発明の塗料用組成物は、ガラス、金属などの
無機基材に限られず、有機基材にも適用でき、耐候性の
優れた塗装物品を提供できる。
[作用] 本発明の組成物の硬化機構は、必ずしも明確ではない
が、硬化剤が、空気中の水分の作用により加水分解など
の反応を起し、架橋が進行すると考えられる。したがっ
て、本発明の組成物は一液硬化性が保たれると考えられ
る。また本発明の組成物により得られる硬化体は、架橋
構造が安定な構造であるため耐熱性、耐候性がきわめて
優れると考えられる。
また、この架橋構造は、ガラス、ホーローなどSiOを
主成分とする基材に対し、親和性が高いため、基材との
密着性が高くなると考えられる。さらに、本発明の組成
物の硬化機構は、ガラスの表面または金属表面の酸化層
に存在する−OH基と化学的に結合するものであるため、
ガラス、金属などの基材に対し、きわめて優れた密着性
が得られるものと考えられる。
[実施例] 以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に
説明するが、これら実施例により本発明は限定されな
い。なお、実施例および比較例において行った試験は、
次の通りとした。
[耐熱試験] 試験片を180℃で8時間加熱した。加熱後のイエロー
インデックスをスガ試験機社製3Mカラーコンピュータに
て測定し、加熱前との差をΔYとした。
[密着性試験] 試験片を20時間煮沸後、塗膜にカッターナイフでゴバ
ン目状の切りすじ(1mm角×100個)を入れた後、セロテ
ープを強く押しつけた。その後、セロテープを引き剥
し、塗膜の残ったますめの数Xを数え、X/100とした。
[耐溶剤試験] 試験片の塗膜上のシキレンを含んだガーゼで強くこす
り、塗膜の状態を観察した。塗膜が溶解を起すまで繰り
返し、この回数を数えた。本試験は200回まで行い、ま
だ塗膜の溶解が認められないときは>200とした。
[貯蔵安定性] 含フッ素共重合体、硬化剤、溶剤および場合によって
は硬化触媒からなる混合物を密封状態で室温で放置し、
この混合物が硬化するまでの時間を測った。
[耐候性試験] サンシャインウエザーオーメータ4000時間照射後の光
沢保持率(%)を測定した。
[実施例1] クロロリトフルオロエチレン/シクロヘキシルビニル
エーテル/エチルビニルエーテル/ヒドロキシブチルビ
ニルエーテルに基づく単位がそれぞれ52.5/19.5/26.3/1
1.7(重量部)で含有されており、テトラビドロフラン
中30℃で測定される固有粘度が0.20dl/gである含フッ素
共重合体100重量部、メチルシリルトリス(メチルエチ
ルケトオキシメート)27重量部をトルエン250部に混合
した。この混合物を厚さ2.5mmのガラス板上へフィルム
アプリケータにより乾燥膜厚25μmとなるよう塗布し、
室温で1日間放置し、硬化させ、試験片を得た。該試験
片を用いて前述の各試験を行った結果を表2に示す。
[比較例1〜3] 表1に示す硬化剤とその量および表2に示す硬化条件
で行う以外は実施例1と同様にして試験片を得た。その
試験片を用いた試験結果を表2を示す。
[実施例2] メチルシリルトリス(メチルエチルケトオキシメー
ト)27重量部に代えてメトキシシリルテトラキス(メチ
ルエチルケトオキシメート)22重量部を用い、含フッ素
共重合体成分としてヒドロキシブチルビニルエーテルに
代えてカルボキシエチルビニルエーテル(共重合体組成
は、実施例1で用いた含フッ素共重合体における組成
と、モル比が同一になるように調整した)とした以外は
実施例1と同様にして試験片を得た。その試験片を用い
た試験結果を表2に示す。
[実施例3] メチルシリルトリス(メチルエチルケトオキシメー
ト)27重量部に代えてトキシリルトリス(メチルエチル
ケトオキシメート)28重量部を用い、含フッ素共重合体
成分として、ヒドロキシブチルビニルエーテルに代えて
アミノエチルビニルエーテル(共重合体組成は、実施例
1の含フッ素共重合体のモル比と同等)とした以外は実
施例1と同様にして試験片を得た。その試験片を用いた
試験結果を表2に示す。
[発明の効果] 本発明の組成物は、一液で硬化し、かつ高温での焼付
け作業を必須としないため、塗装作業をきわめて容易に
するという効果を有する。また、ガラスや金属などの基
材にきわめて優れた密着性を示し、かつ、耐候性が充分
であり耐候性がきわめて優れるという効果を有する。さ
らには、硬化時間が短時間であるという効果を有する。
また、本発明の塗装物品は、塗膜と物品間の剥離もな
く、長期にわたって光沢が保持されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 127/12 C08L 27/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フルオロオレフィンに基づく重合単位を含
    有し、フッ素含有量10重量%以上であり、溶剤に可溶で
    あり、かつ活性水素含有基またはアルコキシシリル基を
    有する含フッ素共重合体と、一般式R4-pSi(ONCR1R2
    [式中、Rはアルキル基、アルケニル基、シクロアル
    キル基、アリール基、アリールアルキル基、アルコキシ
    基またはアシルオキシ基、R1、R2はメチル基またはエチ
    ル基、pは1〜4の整数である。ただし、pが1の場合
    3個のRのうち1個以上はアルコキシ基またはアシルオ
    キシ基である。]で表されるシリルケトオキシメート化
    合物とを含有し、かつエポキシ基含有化合物を含有しな
    いことを特徴とする塗料用組成物。
  2. 【請求項2】含フッ素共重合体が、フルオロオレフィン
    およびビニルエーテルを共重合して得られる含フッ素共
    重合体であって、テトラヒドロフラン中30℃で測定され
    る固有粘度が0.05〜2dl/gである請求項1記載の塗料用
    組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の塗料用組成物の硬
    化した塗膜を有することを特徴とする塗装物品。
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