JP2611210B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JP2611210B2 JP62042848A JP4284887A JP2611210B2 JP 2611210 B2 JP2611210 B2 JP 2611210B2 JP 62042848 A JP62042848 A JP 62042848A JP 4284887 A JP4284887 A JP 4284887A JP 2611210 B2 JP2611210 B2 JP 2611210B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規にして有用なる硬化性樹脂組成物に関
する。さらに詳細には、本発明は、必須の皮膜形成成分
として、フルオロオレフィン系共重合体と、カルボキシ
ル基含有ビニル系重合体と、ポリエポキシ化合物とを含
有ことから成る、硬化性樹脂組成物に関する。
こうした特定の構成になる硬化性樹脂組成物は耐溶剤
性、付着性ならびに耐候性などにすぐれる処から、家電
用塗料、建築物、瓦またはプレコートメタル(PCM)な
どの外装用塗料、そして自動車用、とくに自動車のエナ
メル塗料、メタクリック・ベース塗料またはクリアー塗
料として、さらにはガラスやセラミック製品の表面保護
膜として、またフィルムやシート類として、あるいはシ
ーリング剤や接着剤などとして広範囲に用いられるもの
である。
〔従来の技術〕
これまでにも、溶剤に可溶であって、しかも、常温に
おいて、連続した塗膜を形成するという、高耐候性の塗
料用樹脂としては、非架橋タイプのものとしてテトラフ
ルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体、エキサフ
ルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体、テトラ
フルオロエチレン−フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン単独重合体、ク
ロロトリフルオロエチレン単独重合体、クロロトリフル
オロエチレン−シクロアルキルビニルエーテル−アルキ
ルビニルエーテル共重合体などが、また架橋タイプのも
のとして水酸基、エポキシ基などを含有するフッ化ビニ
リデン共重合体やヘキサフルオロプロピレン共重合体な
どが知られている。
しかしながら、かかる非架橋タイプの樹脂から得られ
る塗膜は耐溶剤性や基材に対する付着性が不十分であ
り、また架橋タイプの樹脂から得られる塗膜は基材に対
する付着性が不充分であり、その用途には自ら限界があ
った。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、従来型技術に従う限りは、どうしても、
耐溶剤性ならびに付着性などに優れると共に、耐候性な
どにも優れるという、極めて実用性の高い硬化性樹脂組
成物を提供することは、頗る、困難であった。
しかるに、本発明者らは、上述したような従来型技術
における種々の欠点の存在に鑑みて、耐溶剤性ならびに
付着性などにも優れる、しかも耐候性などにも優れると
いう、極めて実用性の高い硬化性樹脂組成物を求めて、
鋭意、研究に着手した。
したがって、本発明が解決しようとする問題点は、一
にかかって、とりわけ、耐溶剤性ならびに付着性などに
優れると共に、フルオロオレフィン系重合体が、本来、
有している耐候性などにも優れるという、極めて実用性
の高い硬化性樹脂組成物を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは、上述したような発明が解決し
ようとする問題点に照準を合わせて、鋭意、検討を重ね
た結果、必須の皮膜形成成分としてのフルオロオレフィ
ン系重合体に、同じく、必須皮膜形成成分としての、そ
れぞれ、該重合体を除く、カルボキシル基含有ビニル系
重合体と、ポリエポキシ化合物と配合し混合せしめると
いうことにより、各種基材に対する付着性などをはじ
め、とりわけ、耐候性などにも、さらには、耐溶剤性な
どにも優れるという、硬化性の樹脂組成物が得られるこ
とを見出し、したがって、見事に、所期の目的が達成さ
れることを見出すに及んで、ここに本発明を完成させる
に到った。
すなわち、本発明は必須の皮膜形成成分として、それ
ぞれ、フルオロオレフィン系重合体(A)と、該重合体
(A)を除く、カルボキシル基を有するビニル系重合体
(B)と、ポリエポキシ化合物(C)とを含有すること
から成る、硬化性樹脂組成物を提供しようとすることに
ある。
以下、本発明について詳細に説明することにする。
本発明で用いるフルオロオレフィン系重合体(A)成
分とは、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオ
ロエチレン、テトラフルオロエチレン、ブロモトリフル
オロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ペンタフ
ルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン及び(パ
ー)フルオロアルキルトリフルオロビニルエーテル〔但
し、この(パー)フルオロアルキル基の部分の炭素数は
1〜18個〕よりなる群から選ばれるフルオロオレフィン
単量体の少なくとも1種を重合させて得られる重合体で
あり、かかるフルオロオレフィン類の使用量としては全
単量体の5〜100重量%、好ましくは10〜100重量%なる
範囲が適当である。本発明においては、これらフルオロ
オレフィン単量体から重合体(A)成分を調製するに際
して、他の共重合体単量体を用いることができる。
このような共重合体の単量体としては、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、
カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、カプリル酸ビニ
ル、バーサティック酸ビニル、ラウリル酸ビニルもしく
はステアリン酸ビニルの如き直鎖状ないしは分岐状の脂
肪族カルボン酸のビニルエステル;シクロヘキサンカル
ボン酸ビニルエステルの如き脂環式カルボン酸のビニル
エステル;安息香酸ビニルエステル、p−t−ブチル安
息香酸ビニルエステルもしくはサリチル酸ビニルエステ
ルの如き芳香族カルボン酸ビニルエステル;ヒドロキシ
エチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエー
テルもしくはヒドロキシブチルビニルエーテルの如きヒ
ドロキシアルキルビニルエーテル;メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、
n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテ
ル、t−ブチルビニルエーテルもしくはシクロヘキシル
ビニルエーテルの如き直鎖状ないしは分岐状の脂肪族も
しくは脂環式ビニルエーテル類;グリシジルビニルエー
テル、グリシジル(メタ)アクリレートの如きエポキシ
基を有する単量体類;アクリル酸、メタアクリル酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン
酸、フマル酸、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノ
ブチル、フマル酸モノブチル、イタコン酸モノブチル、
アジピン酸モノビニル、セバシン酸モノビニルなどのカ
ルボキシル基を含有する単量体類;ジメチルアミノエチ
ルビニルエーテル、ジメチルアミノプロピルビニルエー
テル、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルア
ミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの如
き塩基性窒素を含有するビニル系単量体類;エチレン、
プロピレン、ブテン−1もしくはヘキセン−1の如きα
−オレフィン類;塩化ビニルもしくは塩化ビニリデンの
如き、前記フルオロオレフィン単量体を除く、ハロゲン
化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンもしく
はビニルトルエンの如き芳香族ビニル系単量体類;メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートもしくはβ−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートのリン酸エステルの如き(メタ)アクリル酸エス
テル類;さらには(メタ)アクリロニトリル、(メタ)
アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ドもしくはN−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド
などの単量体類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシランもしくはγ−(メタ)アクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシランなどの加水分解性シリ
ル基を含有する単量体類がある。
以上に述べた単量体類の存在下にラジカル重合開始剤
を用いて塊状重合、溶液重合、乳化重合法などの公知の
技術を駆使し回分式、半連続式あるいは連続式の操作で
重合させればよい。
かかるラジカル重合開始剤としては、アセチルパーオ
キサイドもしくはベンゾイルパーオキサイドの如きジア
シルパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキサ
イドもしくはシクロヘキサノンオキサイドの如きケトン
パーオキサイド類;過酸化水素、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイドもしくはクメンハイドロパーオキサイドの
如きハイドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオ
キサイドもしくはジクミルパーオキサイドの如きジアル
キルパーオキサイド類:t−ブチルパーオキシアセテート
もしくはt−ブチルパーオキシピバレートの如きアリキ
ルパーオキシエステル類;アゾビスイソブチロニトリル
もしくは広くアゾビスイソバレロニトリルの如きアゾ系
開始類;または過硫酸アンモニウムもしくは過硫酸カリ
ウムの如き過硫酸塩などが用いられ、さらに必要に応じ
て亜硫酸水素ナトリウムもしくはピロ亜硫酸ナトリウム
の如き無機の還元剤、またはナフテン酸コバルトもしく
はジメチルアニリンの如き有機の還元剤もまた用いられ
る。
重合反応に用いられる溶剤としてはトルエン、キシレ
ン、シクロヘキサン、n−ヘキサンもしくはオクタンの
如き炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチルもしくは酢酸
ブチルの如きエステル系;アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンもしく
はメチルアミルケトンの如きケトン系;ジメチルホルム
アミドもしくはジメチルアセテトアミドの如きアミド
系;メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−
ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノールもしく
はエチレングリコールモノアルキルエーテルの如きアル
コール系溶剤またはこれらの混合物が用いられる。
またこの重合にさいしては、分子量調節剤としてラウ
リルメルカプタン、オクチルメルカプタン、2−メルカ
プトエタノールまたはα−メチルスチレンダイマーの如
き各種の連鎖移動剤をも使用するこができる。
重合反応の際の反応温度としては、−20℃〜130℃な
る範囲内が好適であり、また反応初期の圧力としては1
〜100kg/cm2なる範囲内が、好ましくは5〜60kg/cm2
る範囲内が適当である。
このようにして得られるフルオロオオレフィン系重合
体の数平均分子量(▲▼)としては、重合体(A)
の成膜性及び溶剤可溶性の観点から1,000〜300,000、好
ましくは5,000〜200,000なる範囲内が適当である。
次いで、本発明で用いられる前記カルボキシル基含有
ビニル系重合体(B)とは、前掲された如き各種のフル
オロオレフィン系重合体(A)を除いた、1分子中に少
なくとも1個、好ましくは2個以上のカルボキシル基を
有するビニル系重合体を指称するものであり、当該カル
ボキシル基含有ビニル系重合体(B)は、たとえば (i)後掲される如きカルボキシル基含有ビニル系単量
体(共)重合せしめるか、あるいは (ii)カルボン酸無水基(以下、これを酸無水基と略記
する。)を有するビニル共重合体を水および/またはア
ルコール類で開環せしめる、 などの公知慣用の方法によって調製することができる。
そのうち、(i)なる方法により当該重合体(B)を
調製するに当って用いられるカルボキシル基含有ビニル
系単量体の代表例としては、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、桂皮酸、イタコン酸、マレイン酸、フ
マル酸、モノ−n−ブチルマレートまたはモノ−n−ブ
チルフマレートなどが挙げられる。
なお、これらのカルボキシル基含有ビニル系単量体に
対しては、該単量体と共重合可能な他のビニル系単量体
を共重合せしめることもでき、そうした他のビニル系単
量体として代表的なものには、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレートもしくは4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレートの如き各種(メタ)アクリル酸エステ
ル類;ジメチルマレート、ジメチルフマレート、ジブチ
ルフマレートもしくはジブチルイタコネートの如き不飽
和二塩基酸のジアルキルエステル類;ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレートもしくはジエチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレートの如き各種ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリレート類をはじめN,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミドもしくはN,N−ジエチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミドの如きN,N−ジア
ルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、また
はt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−
ブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アジリジ
ニルエチル(メタ)アクリレート、ピロリジニルエチル
(メタ)アクリレートもしくはピペリジニルエチル(メ
タ)アクリレートの如き塩基性窒素含有ビニル系単量
体;p−スチレンスルホン(酸)アミド、N−メチル−p
−スチレンスルホン(酸)アミドもしくはN,N−ジメチ
ル−p−スチレンスルホン(酸)アミドの如き各種スル
ホン(酸)アミド基含有ビニル系単量体類;(メタ)ア
クリロニトリルの如きシアノ基含量ビニル系単量体;上
掲の如き(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエス
テル類などの各種α,β−エチレン性不飽和カルボン酸
のヒドロキシアルキルエステル類と、燐酸ないしは燐酸
エステル類との縮合生成物たる各種燐酸エステル結合含
有ビニル系単量体類;酢酸ビニル、安息香酸ビニルもし
くは「ベオバ 9」(オランダ国シェル社製の、分岐状
脂肪酸のビニルエステル)の如き各種ビニルエステル
類;「ビスコート8F,8FM,3Fもしくは3F」〔大阪有機化
学(株)製の含ふっ素(メタ)アクリル単量体〕または
パーフルオロシクロヘキシ(メタ)アクリレート、ジパ
ーフルオロシクロヘキシルフマレートもしくはN−イソ
プロピルパーフルオロオクタンスルホン(酸)アミドエ
チル(メタ)アクリレートの如き(パー)フルオロアル
キル基ないしは(パー)フルオロシクロアルキル基含有
ビニル系単量体類;さらには前掲された如き各種のフル
オロオレフィン系重合体(A)の合成にさいして用いた
それぞれのフルオロオレフィン単量体を除いた、塩化ビ
ニルもしくは塩化ビニリデンの如きハロゲン化オレフィ
ン類;あるいはスチレン、α−メチルスチレン、p−t
−ブチルスチレンもしくはビニルトルエンの如き芳香族
ビニル系単量体類などがある。
そして、上掲された各種の単量体を用いて当該ビニル
系重合体(B)を調製するには、カルボキシル基含有ビ
ニル系単量体の0.5〜100重量%、好ましくは1〜50重量
%と、該カルボキシル基含有ビニル系単量体と共重合可
能な他のビニル系単量体の0〜99.5重量%、好ましくは
50〜99重量%とを常法により(共)重合せしめればよ
い。
また、カルボキシ基含有ビニル系単量体と共重合可能
な他のビニル系単量体として、前掲したような塩基性窒
素原子含有ビニル系単量体類などを併用する場合には、
当該ビニル系重合体(B)中にかかる塩基性窒素原子を
導入せしめることができ、かくすることによって本発明
組成物の硬化性が一層向上されることになるので、特に
望ましい。
以上に掲げられた各種の単量体から当該ビニル系重合
体(B)を調製するには、従来公知のいずれの重合方法
にも適用できるが、溶液ラジカル重合法によるのが最も
簡便である。
そのさい、重合開始剤、溶剤そして連鎖移動剤など
は、いずれも前記フルオロオレフィン系重合体(A)の
調製に用いられるようなものがそのまま用いられること
は勿論である。
次いで、前掲の(ii)なる方法により当該ビニル系重
合体(B)を調製するに当って用いられる酸無水基含有
ビニル系重合体は、無水マレイン酸や無水イタコン酸な
どの酸無水基含有単量体と、該酸無水基含有単量体と共
重合可能な他の単量体とを、前掲した如き溶剤類のうち
アルコール類を除いた各種の溶剤中でラジカル共重合せ
しめればよい。
なお、かかる酸無水基含有ビニル系重合体中の酸無水
基の、水および/またはアルコールによる開環反応は該
酸無水基含有重合体を調製するさいの共重合反応時に行
なうこともできるし、一旦、該酸無水基含有重合体を得
たのち改めて行なうこともできる。
ここにおいて、かかる酸無水基含有ビニル共重合体を
調製するにさいして用いられる共重合可能な他の単量体
としては、前掲の(i)なる方法で用いられるような、
カルボキシル基含有ビニル系単量体と共重合可能な他の
ビニル系単量体のうち水酸基含有単量体以外のいずれも
が使用できる。
そして、前掲の如き酸無水基含有単量体の使用量とし
ては、耐候性および耐アルカリ性などの面から、0.5〜6
0重量%、好ましくは1〜30重量%なる範囲内が適当で
あるし、他方、共重合体可能な他の単量体の使用量とし
ては99.5〜40重量%、好ましくは99〜70重量%なる範囲
内が適当である。
このさい、共重合可能な他の単量体の一成分として、
前掲した如きアミノ基含有ビニル系単量体をも併用する
場合には、本発明の組成物の硬化性を一層向上せしめる
ことができるという点で、特に望ましい。
かくして得られるカルボキシル基含有ビニル系重合体
(B)の▲▼としては、該重合体(B)それ自体の
成膜性および溶剤可溶性などの観点から1,000〜300,00
0、好ましくは3,000〜100,000なる範囲内が適当であ
る。
また、本発明で用いられる前記ポリエポキシ化合物
(C)とは、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を
含有する化合物を指称し、そのうちでも代表的なものと
してはエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオ
ペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキ
サンジオールジグリシジルエーテル、ソルビトールテト
ラグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジ
ルエーテルもしくはグリセリンのトリグリシジルエーテ
ルの如き多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;
フタル酸のジグリシジルエステル、イソフタル酸のジグ
リシジルエステルもしくはアジピン酸のジグリシジルエ
ステルの如き多価カルボン酸のポリグリシジルエステル
類;またはビスフェノールAないしはビスフェノールF
のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ノボラック型
エポキシ樹脂もしくはヒダントイン環含有エポキシ樹脂
の如き各種エポキシ樹脂などがあるし、さらにはp−オ
キシ安息香酸グリシジルエステルエーテルまたは側鎖に
エポキシ基を有する各種ビニル系重合体などがある。
以上に掲げられた(A)成分〜(C)成分を用いて、
本発明に係る硬化性樹脂組成物を調製するための配合組
成割合としては、まず、(A)成分/(B)成分なる重
量部比で以て、通常は、10〜90/90〜10なる範囲内が適
切であり、就中、耐候性などの観点からも、フルオロオ
レフィン系重合体(A)本来の特性を低下させることな
く、さらに、付着性ならびに耐溶剤性などの向上化をも
図れるという観点からは、30/70〜90/10なる範囲内が適
切である。
次いで、(C)成分は、(A)成分と(B)成分との
それぞれに含まれている反応性基(官能基)、つまり、
カルボキシル基の1当量、または此のカルボキシル基と
塩基性窒素原子を有するアミノ基などとの総反応性基
(官能基)の1当量に対して、当該(C)成分中に存在
するエポキシ基が、0.2〜5当量程度となるような割合
で配合せしめるのが適切である。
さらに、本発明組成には必要に応じて、公知の有機
系、無機系の顔料、アルミニウム、銅、真ちゅう、金、
銀、ニッケルなどの各種金属粉末、紫外線吸収剤または
酸化防止剤の如き各種添加剤成分などを添加することも
できる。
本発明の硬化性樹脂組成物を塗料用組成物として用い
る場合には、スプレー塗装、刷毛塗り、ロールコーター
などを用いての塗装の如き公知慣用の方法により塗布さ
れ、室温での乾燥硬化により、あるいは60〜250℃、好
ましくは60〜200℃の温度で、5秒間〜40分間程度、焼
付けることにより硬化塗膜が形成される。
かくて、本発明の硬化性樹脂組成物は家電用塗料、ま
たは建築物、瓦もしくはPCMなどの如き各種の外装用塗
料、あるいは自動車用のエナメル塗料、メタリック・ベ
ース塗料またはクリアー塗料の如き各種自動車用塗料と
して、さらにはガラスもしくはセラミックス製品の表面
保護膜として、フィルムやシートなどの成形物として、
シーリング剤または接着剤などとして、広範な用途に用
いることができる。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により一
層具体的に説明するが、以下において部および%は特に
断りのない限り、すべて重量基準であるものとする。
参考例1〔フルオロオレフィン系重合体(A)の調製
例〕 内容積が1,000mlなるステンレス製の耐圧管にメチル
イソブチルケトンの330gと、t−ブチルパーオキシビバ
レートの4.2gと、ヒドロキシブチルエーテルの84gと、
「ベオバ 9」(C9なる分岐状脂肪酸カルボン酸のビニ
ルエステル)の126gとシクロヘキサンカルボン酸ビニル
の84gとを仕込み、ドライアイス/メタノール浴で−70
℃に冷却し、窒素ガスを吹き込んで耐圧器内の空気を置
換した。
次いで、液化採取したヘキサフルオロプロピレンの12
6gを仕込んで密封した。
しかるのち、この耐圧管を60℃に加温された回転式恒
温水槽に入れて16時間反応を行なってから開封して共重
合体の溶液を得た。このものは不揮発分が53%、▲
▼が9,000であった。以下、この共重合体溶液をA−1
と略記する。
参考例2〔同上〕 使用する単量体の種類およびそれらの使用量を下記の
如く変更するようにした以外は、参考例1と同様にして
共重合体溶液(A−2)を得た。
クロロトリフルオロエチレン 126g ヒドロキシブチルビニルエーテル 42g エチルビニルエーテル 42g 「ベオバ 9」 210g この共重合体溶液(A−2)は不揮発分が53%で、か
つ▲▼が17,000なるものであった。
参考例3〔カルボキシル基含有ビニル系重合体(B)の
調製例〕 撹拌機、温度計、還流冷却器および窒素導入管を備え
た反応器に、酢酸ブチルの1,200を入れて窒素ガス雰囲
気中で110℃に昇温し、シクロヘキシルメタクリレート
の430g、t−ブチルメタクリレートの420g、メタクリル
酸の50g、アゾビスイソブロニトリル(AIBN)の10g、t
−ブチルパーオキシオクトエートの10gおよび酢酸ブチ
ルの200gからなる混合物を3時間かけて滴下し(第1表
参照)、その後も同温度に2時間保持してから、さらに
AIBNの5gおよび酢酸ブチルの100gからなる混合物を1時
間に亘って滴下し、その後も同温度に12時間保持して、
不揮発分が40%で、かつ▲▼が10,000なる目的重合
体(B)の溶液を得た。以下、これを重合体(B−1)
と略記する。
参考例4〜7〔同上〕 単量体の使用割合を第1表に示されるように変更した
以外は、参考例3と同様にして目的重合体(B)溶液:
(B−2)〜(B−5)を得た。同表中、不揮発分を
「N.V.」と略記している。
実施例1〜3 第2表に示すような配合割合に従って、(A)〜
(C)成分を配合し混合せしめるということによって、
目的とする種々の硬化性樹脂組成物を得た。
次いで、それぞれの硬化性樹脂組成物を、トルエンで
脱脂したアルミニウム板(JIS A−5052P規格品)に乾燥
膜厚が50μmとなるようにドクターブレード塗布し、15
0℃で20分間なる条件で加熱硬化させて塗膜を得た。
しかるのち、それぞれの硬化塗膜について同表欄外の
脚註に記載されている通りの要領で、付着性および耐溶
剤性の評価を行なった。それらの結果は同表にまとめて
示す。
比較例1および2 (B)および(C)成分などの使用を、一切、欠如す
るというようにし、併せて、第2表に示すような配合割
合ならびに硬化条件に従うように変更した以外は、実施
例1〜3と同様にして、対照用の硬化性樹脂組成物を調
製し、造膜せしめて、二種の対照品を得た。これらの塗
膜性能を同表に併せて示す。
(脚註) 1) 重合体(A−3):数平均分子量40,000の、フッ
化ビニリデン50重量%とテトラフルオロエチレン50重量
%から成る共重合体のメチルイソブチルケトン溶液。不
揮発分30%。
2) 重合体(A−4):数平均分子量30,000の、フッ
化ビニリデン45重量%、テトラフルオロエチレン45重量
%およびヘキサフルオロプロピレン10重量%から成る共
重合体のメチルイソブチルケトン溶液。不揮発分45%。
3) 「ディナコール EX−612」:長瀬産業(株)製の
ソルビトールポリグリシジルエーテル、エポキシ当量=
170。
4) グリセリンポリグリシジルエーテル:エポキシ当
量=145。
5) 「コロネート EH」:日本ポリウレタン工業
(株)製の、イソシアネート環を有するポリイソシアネ
ート,イソシアネート含有率=21.3%、不揮発分=100
%。
6) 安全カミソリの刃で塗膜にカット線を入れ、1mm
間隔のゴバン目を100個作成し、その部分をセロファン
テープで剥離した後にアルミニウム板に付着しているゴ
バン目の個数を示した。この値が大きいほど付着性が良
好である。
7) キシレンを溶剤としてラビングテスター(荷重=
1kg)にて塗膜を50回ラビングした後の外観を目視判定
した。
〔判定基準〕
◎ 異常がない ○ 若干光沢が低下した △ 著しく光沢が低下した × 塗膜が完全に消失した 〔発明の効果〕 本発明の硬化性樹脂組成物は、耐溶剤性ならびに付着
性などに優れると共に、フルオロオレフィン系重合体が
本来有する耐候性などの優れた性能も保持されるという
利点を有する。このため、本発明の硬化性樹脂組成物は
家電用塗料、建築物、瓦またはPCMなどの外装用塗料
に、あるいは自動車用、特に自動車のエナメル塗料、メ
タリックベース塗料またはクリヤー塗料として、さらに
はガラス、セラミックス製品の表面保護膜、フィルム、
シーリング剤、接着剤などとして適用することができる
が、決して上掲の適用範囲にのみ限定されるものではな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 127/12 PFJ C09D 127/12 PFJ 157/10 PDH 157/10 PDH 163/00 PKD 163/00 PKD (56)参考文献 特開 昭62−27469(JP,A) 特開 昭61−283657(JP,A) 特開 昭62−212471(JP,A) 特開 昭61−12760(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フルオロオレフィン系重合体(A)と、上
    記重合体(A)を除く、カルボキシル基を有するビニル
    共重合体(B)と、ポリエポキシ化合物(C)とを含有
    することを特徴とする、硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記したフルオロオレフィン系重合体
    (A)が、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフル
    オロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフ
    ルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフ
    ルオロプロピレンおよび(パー)フルオロアルキルトリ
    フルオロビニルエーテル〔ただし、此の(パー)フルオ
    ロアルキル基の部分の炭素数は1〜18であるものとす
    る。〕よりなる群から選ばれる、少なくとも1種のフル
    オロオレフィン単量体を重合させて得られるものであ
    る、特許請求の範囲第1項に記載の組成物。
  3. 【請求項3】前記したカルボキシル基を有するビニル系
    重合体(B)が、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
    酸およびマレイン酸よりなる群から選ばれる、少なくと
    も1種のカルボキシル基含有ビニル系単量体と、該ビニ
    ル系単量体と共重合可能なる其の他のビニル系単量体と
    の共重合体である、特許請求の範囲第1項に記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】前記したカルボキシル基を有するビニル系
    重合体(B)が、カルボキシル基と塩基性窒素原子とを
    併せ有するものである、特許請求の範囲第1項に記載の
    組成物。
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