JPH0214833Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、マツチプレートをはさんで上下に重
ね合わされた鋳枠内へ該上下鋳枠の各々の背面か
ら鋳物砂を吹込み、スクイーズを行つて鋳型を造
型する方式の鋳型造型機に関し、更に詳しくは、
該鋳型造型機におけるブロータンクに関する。

（従来技術） 従来の上記方式の鋳型造型機では、上枠へ砂を
吹込むブロータンクと下枠へ砂を吹込むブロータ
ンクとがそれぞれ別個に設けられており（例えば
特開昭52−32820号、特開昭52−26316号等）、こ
のため装置が大がかりになつて、狭い場所には設
置できない難点があつた。

（考案の目的） 本考案は上記のような事情に鑑みてなされたも
ので、上枠用のブロータンクと下枠用のブロータ
ンクを１本化したコンパクトな鋳型造型機を提供
せんとするものである。

（考案の構成） 以下、本考案を実施例に基づき詳細に説明する
と、図面は本考案に係る吹込式鋳型造型機を示
し、１は図示されない支持手段により支持された
マツチプレートで、その上下両面には模型２，３
が取り付けられている。前記マツチプレート１の
上方及び下方には、図示しない昇降手段により昇
降可能にされた上鋳枠４と下鋳枠５とがそれぞれ
配設されている。

前記上鋳枠４の上方には、架台６に下向きに取
り付けられたシリンダ７，７により昇降可能にさ
れた上盛枠８が配設されている。前記上盛枠８の
更に上方には、断面が逆Ｌ字型を成し、一端開口
が下向きに、他端開口（以下、砂吹込口と呼ぶ）
９が横向きにされた筒状の上枠用ブローヘツド１
０が配設されており、該ブローヘツド１０は図示
しない昇降手段により昇降可能にされた上テーブ
ル１１に固着、支持されている。前記上枠用ブロ
ーヘツド１０の下向きの開口には、複数個のブロ
ーホール１２を貫通穿設したブロープレート１３
が固着されており、該ブロープレート１３の外周
面は前記上盛枠８の内周面を摺動可能にされてい
る。前記下鋳枠５の下方には、架台１４に上向き
に取り付けられたシリンダ１５，１５により昇降
可能にされた下盛枠１６が配設されている。前記
下盛枠１６の更に下方には、断面がＬ字型を成
し、一端開口が上向きに、他端開口（以下、砂吹
込口と呼ぶ）１７が横向きにされた筒状の下枠用
ブローヘツド１８が配設されており、該ブローヘ
ツド１８は図示しない昇降手段により昇降可能に
された下テーブル１９に固着している。前記下枠
用ブローヘツド１８の上向きの開口には、複数個
のブローホール２１を貫通穿設したブロープレー
ト２２が固着されており、該ブロープレート２２
の外周面は前記下盛枠１６の内周面を摺動可能に
されている。前記上下鋳枠４，５の側方には、そ
の上端に鋳物砂供給ホツパ２３を連設したブロー
タンク３０が前記架台６，１４に支持、固定され
て立設されている。前記ブロータンク３０は上サ
ンドマガジン２４、上鋳物砂溜り２５、下サンド
マガジン２６及び下鋳物砂溜り２７がそれぞれ連
通して成る１本の円筒体であり、その内部には該
上サンドマガジン２４の上端から下鋳物砂溜り２
７の底面まで、空洞が貫通して形成されている。
前記鋳物砂供給ホツパ２３と上サンドマガジン２
４との連設部にはスライドゲート２８が配設され
ており、該スライドゲート２８は図示しないシリ
ンダのピストンロツド２９に連結して前記連設部
の開口を開閉するようにされている。

前記上サンドマガジン２４は、その側壁の上部
と下部に給気口３１，３２を備えた外筒３３と、
その表面に内部に通じる多数のスリツトを備えた
内筒３４とから成つており、両者の間には所定の
隙間が画成されている。前記給気口３１，３２は
図示しない圧縮空気源に通じている。なお前記上
サンドマガジン２４の下部給気口３２は、該マガ
ジン２４の丈が短い場合はなくてもよい。前記上
鋳物砂溜り２５は、下側部に前記上枠用ブローヘ
ツド１０の砂吹込口９に連通可能な砂吹出口３５
を備えると共に、該砂吹出口３５に対する背部壁
面の外側に中空室３６を備えている。前記中空室
３６は前記壁面に貫通穿設された多数個の小孔３
７を介して前記上鋳物砂溜り２５内部と通気可能
にされている。また前記中空室３６の外壁には補
助エヤー給気口３８が設けられており、該補助エ
ヤー給気口３８は図示しない圧縮空気源に通じて
いる。なお３９は案内板である。

前記下サンドマガジン２６は前記上サンドマガ
ジン２４と同じ構造であるが、給気口４１は側壁
の上部にのみ設けられている。

前記下鋳物砂溜り２７は、下側部に前記下枠用
ブローヘツド１８の砂吹込口１７に連通可能な砂
吹出口４２を備えると共に、該砂吹出口４２に対
する背部位置における傾斜壁面の外側に中空室４
３を備えている。前記中空室４３は前記傾斜壁面
に貫通穿設された多数個の小孔４４を介して前記
下鋳物砂溜り２７内部と通気可能にされている。
また前記中空室４３の外壁には補助エヤー給気口
４５が設けられており、該補助エヤー給気口４５
は図示しない圧縮空気源に通じている。なお前記
上鋳物砂溜り２５及び下鋳物砂溜り２７のそれぞ
れの砂吹出口３５，４２の外側面には、該砂吹出
口３５，４２と連通する透孔を穿設したシヤツタ
４６，４７が固着されていて、前記上枠用ブロー
ヘツド１０及び下枠用ブローヘツド１８のそれぞ
れの砂吹込口９，１７は該シヤツタ４６，４７の
表面に近接して上下動可能にされている。また４
８，４９は圧縮空気の供給によりタイヤチユーブ
のように膨張するシールである。

（作用） 上記のように構成された吹込式鋳型造型機にお
いて、スライドゲート２８は図示しないシリンダ
の作動によつて開き、所定量の砂を図示しない鋳
物砂供給装置より鋳物砂供給ホツパ２３を介して
前記ブロータンク３０内へ投入した上、該スライ
ドゲート２８を閉じる。この時、前記鋳物砂は上
サンドマガジン２４の上部給気口３１のレベルま
で充填されることが望ましい。次に上鋳枠４と下
鋳枠５を図示しない昇降手段によりそれぞれ下
降、上昇させてマツチプレート１の上下両面に気
密にセツトし、その後、上盛枠８と下盛枠１６を
シリンダ７，７，１５，１５を伸長作動させて前
記上鋳枠４の上端及び下鋳枠５の下端にそれぞれ
気密にセツトする。最後に、上枠用ブローヘツド
１０と下枠用ブローヘツド１８を、上テーブル１
１及び下テーブル１９を介して、図示しない昇降
手段によりそれぞれ下降、上昇させ、前記上盛枠
８及び下盛枠１６の背面開口をブロープレート１
３，２２によりそれぞれ閉鎖する。この時、前記
上枠用ブローヘツド１０の砂吹込口９とブロータ
ンク３０の上部砂吹出口３５、前記下枠用ブロー
ヘツド１８の砂吹込口１７とブロータンク３０の
下部砂吹出口４２は、若干の隙間を置いてそれぞ
れ相対向する。そしてシール４８，４９を膨張さ
せることにより両者間の隙間が密封される。この
ような状態で圧縮空気源から圧縮空気を前記上サ
ンドマガジン２４の上部及び下部給気口３１，３
２、上鋳物砂溜り２５の補助エヤー給気口３８、
下サンドマガジン２６の給気口４１ならびに下鋳
物砂溜り２７の補助エヤー給気口４５を経て前記
ブロータンク３０内へ同時に供給すると、該圧縮
空気は該ブロータンク３０内の砂全体に作用し、
前記上サンドマガジン２４及び上鋳物砂溜り２５
内の砂は案内板３９に導かれて、該上鋳物砂溜り
２５の砂吹出口３５、前記上枠用ブローヘツド１
０の砂吹込口９、ブロープレート１３のブローホ
ール１２等を経て前記上鋳枠４内へ吹込まれる。

また前記下サンドマガジン２６及び下鋳物砂溜
り２７内の砂は、該下鋳物砂溜り２７の砂吹出口
４２、前記下枠用ブローヘツド１８の砂吹込口１
７、ブロープレート２２のブローホール２１等を
経て前記下鋳枠５内へ吹込まれる。

鋳物砂の上下鋳枠４，５への充填が終つた後、
圧縮空気の供給を止め、機内の残圧を適宜の方法
で排除する。その後、前記シール４８，４９の圧
縮空気を排出した上、前記上枠用ブローヘツド１
０を上テーブル１１を介して下降させると共に、
前記下枠用ブローヘツド１８を下テーブル１９を
介して上昇させ、以て前記ブロープレート１３，
２２により前記上下鋳枠４，５内の砂を押圧する
と、所望の硬度を有する上鋳型と下鋳型が同時に
造型される。なお、前記ブローヘツド１０，１８
が昇降する際、該ブローヘツド１０，１８の砂吹
込口９，１７は前記ブロータンク３０の砂吹出口
３５，４２からずれるが、該砂吹込口９，１７が
シヤツタ４６，４７によりほぼ閉鎖されること、
ブローイングにより砂がある程度固まつているこ
とから、内部の砂が外部へこぼれることは極めて
少ない。以下、所定の操作により前記マツチプレ
ート１を前記上下鋳枠４，５から分離し、該上下
鋳枠４，５を枠合わせし、該上下鋳枠４，５から
鋳型を抜き出し、該鋳型を図示しない注湯ライン
へ送り出す。この間に前記ブロータンク３０内に
は新たな鋳物砂が前記と同様にして供給される。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、本考案は吹込
式鋳型造型機のブロータンクを、上サンドマガジ
ン、上鋳物砂溜り、下サンドマガジン及び下鋳物
砂溜りをそれぞれ上下に連通させて形成し、該上
鋳物砂溜り及び下鋳物砂溜りの下側部に上枠用ブ
ローヘツド及び下枠用ブローヘツドの砂吹込口に
それぞれ連通する砂吹出口を設け、前記上サンド
マガジン及び下サンドマガジンの各々に給気口を
設けると共に、前記上鋳物砂溜り及び下鋳物砂溜
りの砂吹出口の各々の背部に中空室を介して補助
エヤー給気口を設け、該給気口及び補助エヤー給
気口へ圧縮空気を同時に供給し、以て前記ブロー
タンク内のほぼ上半分の砂を前記上枠用ブローヘ
ツドを介して上鋳枠へ、ほぼ下半分の砂を前記下
枠用ブローヘツドを介して下鋳枠へ、それぞれ同
時に吹込むものである。従つて本考案によれば、
１個のブロータンクから上下両鋳枠へ鋳物砂を吹
込むことができるから、装置全体がコンパクトに
なり、狭い場所にも設置が可能になる。

なお従来の吹込式鋳型造型機の中には、１個の
ブロータンクから上下両鋳枠へ同時に鋳物砂を吹
込むものもある（例えば特開昭59−47045号、特
開昭58−68453号等）。しかし、これらは全て砂を
鋳枠の側面から内部へ吹込む方式を取つており、
マツチプレートの模型の形状が複雑な場合には、
砂吹込口に対して模型の裏側になる部分へ砂が十
分に充填されず、不完全な鋳型ができる欠点があ
る。これに対して本考案では、砂は上下鋳枠の
各々の背面から内部へ吹込まれるため、模型の形
状が複雑な場合でも良好な鋳型を造型することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る吹込式鋳型造型機の縦断正
面図である。 １：マツチプレート、４：上鋳枠、５：下鋳
枠、９，１７：砂吹込口、１０：上枠用ブローヘ
ツド、１８：下枠用ブローヘツド、２３：鋳物砂
供給ホツパ、２４：上サンドマガジン、２５：上
鋳物砂溜り、２６：下サンドマガジン、２７：下
鋳物砂溜り、３０：ブロータンク、３１，３２，
４１：給気口、３８，４５：補助エヤー給気口、
３５，４２：砂吹出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マツチプレート１をはさんで上下に重ね合わさ
   れた鋳枠４，５内へその各々の背面から鋳物砂を
   吹込む方式の鋳型造型機において、前記鋳枠４，
   ５の側方に上サンドマガジン２４、上鋳物砂溜り
   ２５、下サンドマガジン２６及び下鋳物砂溜り２
   ７をそれぞれ上下に連通させて形成したブロータ
   ンク３０を配設し、該上鋳物砂溜り２５及び下鋳
   物砂溜り２７の下側部に、上枠用ブローヘツド１
   ０及び下枠用ブローヘツド１８の砂吹込口９，１
   ７にそれぞれ連通可能な砂吹出口３５，４２を設
   け、前記上サンドマガジン２４及び下サンドマガ
   ジン２６の各々の給気口３１，４１を設けると共
   に、前記上鋳物砂溜り２５及び下鋳物砂溜り２７
   の砂吹出口３５，４２の各々の背部に中空室３
   ６，４３を介して補助エヤー給気口３８，４５を
   設け、該給気口３１，４１及び補助エヤー給気口
   ３８，４５を圧縮空気源と連通接続させたことを
   特徴とする吹込式鋳型造型機。