JPH021404A - リポソーム製剤およびその製造法 - Google Patents

リポソーム製剤およびその製造法

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JPH021404A
JPH021404A JP5091889A JP5091889A JPH021404A JP H021404 A JPH021404 A JP H021404A JP 5091889 A JP5091889 A JP 5091889A JP 5091889 A JP5091889 A JP 5091889A JP H021404 A JPH021404 A JP H021404A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は薬物を封入してなるリポソーム製剤およびその
製造法に関する。
従来の技術 癌の治療法として癌部位を局所的に正常体温より数度高
い温度になるまで加温しく40〜45℃)、癌細胞だけ
を特異的に傷害するハイパーサーミア療法が盛んに行わ
れるようになっている。この療法においてはそれ単独だ
けではなく、その十分な効用を期待するために同時に化
学療法を施すことも知られている( Jpn、 J、 
Ilyperthermic  Oncol2、、No
、 3. I 986 )。一方、化学療法剤の場合、
一般に正常細胞への副作用か強く投与■の設定が難しい
という問題点がある。さらに薬物を封入するリポソーム
製剤において、ハイパーサーミアのt晶度範囲で内封す
る薬物を放出する特徴を持ったいわゆる熱感受性リポソ
ームをハイパーサーミアに用いることにより、少ない薬
物投与量で癌部位に高濃度に薬物を分布させ、そのター
ゲツティング効果を高めて治療効果を発揮させようとい
う試みがなされている。この報告としては、例えば、(
1) Yatvin eL al、、5cience、
 202.1290(197g)(2) Yatvin
 eial、、Cancer Res、、 41. 1
602(1981)(3) Ba5sett eL a
t、、 J、 Urol、、  135.612(19
86)があげられる。これらの方法は、静脈内に投与さ
れたリポソームか、血流に乗って癌部位に運ばれてきた
時に、そこで加温依存的にリポソーム膜の相転移変化を
起こし内封薬物を放出し、遊離の薬物を効率よく分布さ
せることをねらったものである。
上記のように、熱感受性リポソームをハイパーサーミア
に利用することは、有望なターゲツティング癌治療法で
あると考えられる。しかし、そのようなターゲツティン
グ効果は、投与されたリポソームか正常体温でどの程度
安定に血液循環内゛を還流し、どの程度ハイパーサーミ
アの温度で局所的に薬物を放出するかに依存するもので
ある。ところが、従来より報告されている熱感受性リポ
ソームでは、リポソームとしての安定性や熱放出性笠に
問題かあり、その効果は十分に期待てきないと考えられ
る。例えば、5cience、 202.1290(1
978)に記載のリポソームの場合、ハイパーサーミア
温度での薬物の放出量が小さく、J、 Uro+、、1
35゜1602(1986)に記載のリポソームでは、
ハイパーサーミア温度よりも低い温度(例えば、37〜
39’C)ですでにある程度の量の薬物を放出してしま
う。このように、従来の方法で得られるリボン−1、は
熱放出性あるいは安定性に関して解決すべき課題を残し
ている。
すなわら、リポソーム膜の相転移を温度がハイパーサー
ミアの温度(40〜456C)となるように調製され、
この温度以下では高濃度にかつ長時間安定に薬物かリポ
ソーム内に封入されており、この温度あるいはそれ以上
の温度で、極く短時間に封入薬物を効率よ(放出する実
用的製剤はまだ開発されていない。
課題を解決するための手段 上記の状況に鑑み、本発明者等は静脈[ノイ投与された
薬物封入リポソームがハイパーサーミアにより加熱され
た局所組織内で、その封入薬物を効率よく放出させるこ
とを目的に、リポソーム膜組成の選択、リポソーム内に
封入される薬液の浸透圧の調整、およびリポソーム形態
等の面から種々検討し、本発明を完成したものである。
すなわち本発明は、 (1)膜の相転移温度が40〜45℃であるリポソーム
内に、温血動物の生体液浸透圧よりも1.2〜2,5倍
高張の薬物含有液を封入してなるリポソーム製剤、 (2) アシル基が飽和アシル基であるリン脂質をリポ
ソーム膜の主構成成分とする上記(1)項記載の製剤、 (3)薬物が抗腫瘍剤である上記(1)または(2)項
記載の製剤、 (4)  リポソームがラージ・ユニラメラ−・ベンク
ルである上記(1)、(2)または(3)項記載の製剤
、 (5)浸透圧か〆晶11■動物の生体液よりも12〜2
.5倍高張の薬物含有液を封入し、膜の相転移温度が1
10〜45℃であるリポソームを形成せしめることを特
徴とするリポソーム製剤の製造法、(6) アシル基か
飽和アシル基であるリン脂質を主剤としてリポソーム膜
を構成させる上記(5)項記載の製造法、 (7)薬物か抗腫瘍剤である上記(5)または(6)項
記載の製造法および (8)  リポソームがラージ・ユニラメラ−・ベンク
ルである上記(5)、(6)または(7)項記載の製造
法である。
本発明のリポソーム・シソ剤においては、リボンーム膜
がハイパーサーミアの温度で相転移を引き起こすように
、すなわち膜の相転移メ、υ度が、40〜45℃1好ま
しくは40〜43℃となるように構成させる。この膜の
材料としてアシル基が飽和アシル基である各種のリン脂
質(以下、単に「飽和リン脂質」と略称することがある
)を単独あるいは組合せて用いるのか極めて有利である
。例えば、グJセロリン脂質の2個のアシル基が炭素数
8以上の飽和アルキルであり、少なくともその一方か炭
素数10以上、好ましくは12〜18の飽和アルキル基
であるもの、さらに両方の飽和アシル基か炭素数12’
−18の飽和アルキルであるものかより好ましく用いら
れる。このようなリン脂質としては、動植物起源のレシ
チン(例、卵黄レシチン、大豆レシチン)に水素添加し
て得られる水添レシチンやラウリル、ミリストイル、バ
ルミトイル、ステアロイルなどの組合せからなる全合成
または半合成により得られるホスファチジルコリンなと
があけられる。とりわけ、全合成または半合成により得
られるホスファチジルコリンが有+IIに用いられ、そ
の具体例としては、相転移温度の実測値が以下の()内
で示されるような、ジミリストイルホスファチンルコリ
ン(DMPC,23,9℃)、バルミトイルミリストイ
ルホスファチジルコリン(PMPC,27,2℃)、ミ
リストイルバルミトイルホスファチジルコリン(MPP
C,35,3℃)、/バルミトイルホスファチジルコリ
ン(DPPC。
41.4℃)、ステアロイルバルミトイルホスファチジ
ルコリン(SPPC,44,,0℃)、バルミトイルス
テアロイルホスファチジルコリン(PSPC。
47.4℃)、ジステアロイルホスファチジルコリン(
DSPC,5/1.9℃,)などが好ましく用いられる
リポソーム膜の相転移温度は用いられる個々の飽和リン
脂質の相転移温度を重量比例配分して求められる+11
転移を副文に近いのて〔文献: C,G。
Knight、 ”Liposomes; from 
physical 5tructureto   th
erapeutic   applicaLions 
 、  Elscvire。
North  l1olland  p310−311
 (1981)) 、この関係を用いて、膜の+1転移
温度が上記の範囲に入るように飽和リン脂質の組成を選
ぶことができる。膜の相転移温度を上記に示すような範
囲に調整することと、後に述べるように、内封薬液の浸
透圧を特定範囲に調整することにより、得られるリポソ
ーム製剤がハイパーサーミア温度(40〜45℃)で膜
の相転移を引き起こし、かつ封入されている薬物を効率
よく放出するという本発明の目的が達せられる。
飽和リン脂質の併用例としては、D P P C/Ds
pcの重量比が9515〜70/30の範囲となるよう
に用いるのが、本発明の目的上、有利であり、さらに好
ましくは9515〜80/20の範囲で併用するのがよ
い。
本発明において飽和リン脂質はリポソーム膜の構成成分
中約60重■%以上、好ましくは約70重量%以上の量
で用いられる。さらに、リポソーム膜を構成させるに際
して、40〜45℃の膜相転移諷度が得られる範囲内で
、上記に示した飽和リン脂質と共に、各種の添加物、例
えば膜安定化のための抗酸化剤や電荷1週整剤としての
ガングリオンド、スルファチド等の糖脂質やステアロイ
ルメチルタウリンやオクタデカンスルホン等を少■用い
ることか出来る。この相転移温度の調整は、用いる飽和
リン脂質の各種類や配合割合などを適宜に選択すること
によって行うことができる。
次に、本発明においてリポソーム内に封入される薬物含
有液は、その浸透圧が温血動物の生体液浸透圧よりも1
.2〜2,5倍高張となるように調整される。この液は
、予じめ水に薬物と浸透圧調整剤とを加え、上記浸透圧
となるように調整したものを用いるのか有利である。本
浸透圧調整剤としては、水可溶性で温血動物が生理的に
許容しうるちのであれば、特に制限なく用いることかで
きる。たとえば、塩類(例、食塩)、糖類(例、ぶどつ
糖、マンニット、ソルピy+−)、アミノ酸m(例、グ
リンン、アスパラギン酸、グルタミン酸)などが好まし
く用いられる。とりわけ、シスプラチン(CI)DI)
)またはその誘導体を封入するリポソーム製剤の場合、
食塩および糖類の混合水溶液が好ましく用いられる。こ
の場合、食塩はシスプラチンまたはその誘導体の使用量
1重量部に対し40重量部以上となるように用い、かつ
糖類を温血動物の生体液の浸透圧よりも1.2〜2.5
倍高くなるように加えるのが好ましい。このような浸透
圧調整剤を用いることにより、リポソームに封入された
シスプラチンまたはその誘導体を、保存中、安定に(呆
つことかできる。
本発明において使用される薬物は、ハイパーサーミアと
組合せて相乗効果か期待される薬物で、リポソームに封
入してターゲツティング効果をあげることを目的とする
ものが用いられる。この目的からは、抗腫瘍剤が好まし
い対象Aq物である。
特に水にある程度以上溶解する薬物、たとえばオフター
ル/水間の分配率の対数値かlO以下である薬物に好ま
しく適用できる。このような薬物の具体例としては、シ
スプラチン(CDDP)、カルポプラチン、テトラプラ
チン、イプロプラチンなどの金属錯体、アトリヤマイシ
ン、マイトマイシンC(MMC)、アトリヤマイシン、
アンサマイトシンあるいはその誘導体(例、9−チオメ
イタン/ン)、プレオマイシン、Ara  Csタウノ
マインンなどの制癌抗生物質、5−FU、メトトレキセ
ート、′l゛AC−788〔イソブチル5−フルオロ−
6−(E)−メルフリリデンアミノオキシ−1゜2.3
,4,5.6−へキサヒドロ−2,4−ジオキソピリミ
ジン−5−カルホキシレート、特開昭51−13780
号〕などの代謝きっ抗剤、BCNU、CCNUなどのア
ルキル化剤、メルフアラン、ミ!・キサントロンなどの
その他の制癌剤、あるいは天然型あるいは遺伝子組換え
型インターフェロン(α、β、γ)や天然型あるいは遺
伝子組換え型インターロイキン2のようなリンホカイン
類があげられる。これらの薬物の中でも特にハイパーサ
ーミアと組合せて相乗効果が期待される薬物で、ノポソ
ームに封入してターゲツティング効果の大きい薬物、す
なわちII u n を等が投与薬剤投与方法との関係
で標的部位へのより大きなターゲツティング効果を得る
ための薬物の条件として生体からの排出(クリアランス
)が大きいことをあげているように(ファーマシューテ
ィ力ルリサーチ、vol。
3 、 p、 333−<1986乃、単に溶液として
投与した時にクリアランスの大きい薬物に対する適用価
値が高い。その意味ではCDDPをはじめとする白金錯
体はハイパーサーミアとの併用効果が十分に期待でき、
またクリアランスの大きい薬物の一つで、特に望ましく
用いられる。
薬物の封入量は、治療効果の目的を達しうるように、薬
効量や1回当りの投与量を考慮して対象薬物に応じて適
宜に選択すればよいが、通常はできるだけ封入量が大き
くなるようにリポソームの調製条件を選択する。
本発明のリポソーム製剤は、上で説明したような膜構成
成分と封入液を用いて調製されるが、その製法自体は公
知の技術を適用しうる。リポソームは、マルチラメラ−
・ベシクル(multilamellarvesicl
e、  M L V )、スモール・ユニラメラ−・ベ
シクル(small  unilamellar  v
esicle、  5UV)あるいはラージ・ユニラメ
ラー・ベシクル(largeunilanellar 
 vesicle、  L U V )の3種類に大き
く分けられ、これらの公知の調製法に従って製造できる
。本発明においては、ハイパーサーミア温度でのターゲ
ツティング効果をより高くあげうるという点で、LUV
であることが最も好ましい。
LUVの範囲には逆相蒸発法リポソーム(revers
e−phaSe  evaporaLion  ves
icle、  REV)およびオリゴラメラベシクルも
含まれる。
LUVの作成法には、一般に(1)REV法、(2)透
析法・デタージエント法あるいは(3)フレンチプレス
法の3つの方法かあり、本発明においてはこれらのいず
れの方法も次のようにして適用し得る。
(1)の方法:飽和リン脂質を有機溶媒に溶解した’t
el (油相)に前記の薬物および浸透圧調整剤を含有
する液(水相)を加えW10エマルジョンを調製し、次
いで有機溶媒を揮散させて、ゲルを形成させ、さらに有
機溶媒を蒸散させることにより、本発明のリポソーム製
剤か得られる。有機溶媒としては、たとえばジエチルエ
ーテル、インフロビルエーテルあるいはクロロホルムか
有利に用いられる。これら有機溶媒は混合して用いるこ
ともてき、例えばクロロホルム1容量部とイソプロピル
エーテルを1−1.5容0を部の混合溶液かあげられる
。有機溶媒は水相液量に対して少なくとも08倍容量を
用いるが、多量に加えるのは好ましくなく、通常は3倍
容量までの範囲である。有機溶媒を過剰に用いることは
リポソーム内に封入される薬液の浸透圧調整を困難にす
るとともにリポソームのスケールアンプ製法を困難にす
るからである。
(2)の方法: 飽和リン脂質を適当な界面活性剤の存
在下に、薬物および浸透圧調整剤を含有する水相に可溶
化させ、次いでこの液を透析に付し、界面活性剤を徐々
に除去することにより、本発明のリポソーム製剤が得ら
れる(J、 Brunner at al、。
Biochmi、 Biophys、 AcLa、  
445. 322(1976))(3)の方法: 飽和
リン脂質と薬物および浸透圧調整剤を含有する水性液と
を用いて、常法によりMLVまたはS P L V (
stable  plurilamellarvesi
cle)を調製し、適当な径を有するフィルターで加圧
ろ過することにより、本発明のリポソーム製剤か得られ
る[M、 J、 l1ope et al、、 Bio
chmi。
Biophys、  AcLa、  812. 55(
1985)] 。
リポソーム製法としては、ざらにデノ)イドレインヨン
 レバイドレイジョン ベシクル法〔CKirby c
t al8. Biotechnology、 Nov
、 、 979(1984))等のLUV作成法を利用
することもできる。
このようにして得られるリポソーム製剤は、場合によっ
てはこのまま使用できるが、一般にはリポソーム内に封
入されない遊離の薬物を除去し、使用目的等を考慮して
適宜の液に分散しておくのが好ましい。遊離の薬物はリ
ポソーム調製液を透析ハ、り中に入れ、透析することに
より実施できる。
この透析においては、リポソーム調製後、薬物を封入す
るリポソームと未封入の薬物を含有する液をホローファ
イバーに注入し、次いで透析外液を流すことにより、未
封入の薬物を極めて効率よく除去できる。具体的な方法
としては、ホローファイバー(約25cm、有効膜面積
1.5mつ中に、リポソーム調製液を約15M!/分の
速度で注入し、ホローファイバーにかかる膜圧が0とな
るように、透析外液を約500+J/分の速度で流すこ
とにより好まし〈実施できる。ホローファイバーは適宜
の故を並列に配することによって、さらに効率を上げ得
る。本ホローファイバーによる透析法によると、500
M!、のリポソーム調製液から25分間の短時間に遊離
の薬物を完全に除去することができる。
透析外液は、遊離の薬物、を除去する目的からは単に生
理食塩水であってもよいが、後述するように静脈投与に
よる治療目的に用いる場合は、その投与形態に合うよう
な分散液を透析外液として用いるのが好都合である。こ
の場合、透析外液としてはたとえば前述のような浸透圧
調整剤の水溶液を用いることができる。
次に、本発明のリポソームの粒径は一般に0.1〜2μ
mの範囲に調整されるか、0.1〜0.5μmであると
さらに好ましい。粒径の調整は、リポソームの、割裂時
に、たとえば前記(1)の方法ではW10エマルジョン
をホモジナイズするときの操作条件によって調整するこ
とかでき、また得られたりポソームを適当な径の膜によ
りろ過を行なって目的とする粒径のものを選択してもよ
い。
本発明のリポソーム製剤は封入される薬物の種類に対応
した癌の治療目的に使用できる。例えば、抗腫瘍剤を封
入してなる本リポソーム製剤を、担癌温血動物(兎、ラ
ット、マウスなどの実験動物;犬、猫などの愛玩動物:
ヒト)のハイパーサーミアにおいて静脈内投与すること
により極めて優れた治療効果を示す。この場合、本製剤
は注射あるいは点滴投与が可能なように、常法に従って
適宜の分散液に分散させて投与する。この分散液は、前
述にあげた浸透圧調整剤の水溶液を用いることができる
が、その浸透圧は温血動物の生体液に等張とするのが一
般的であるが、2倍程度まで高張であってもよい。
次に、投与量は、疾患、症状、抗腫瘍剤の種類によって
適宜決定し得るが、たとえばCDDPを封入する製剤の
場合、CDDPか成人、1回投与当り約05〜30mg
となるように投与するのがヨイ。投与は、ハイパーサー
ミアにかけてから約5〜15分後から開始するのが最も
好ましいが、これ以前に投与しても特に支障はない。ノ
1イパーサーミアは局所ハイパーサーミアであればいか
なる形態でもよく、40〜45℃に患部か加温されてい
ればよい。従って、本リポソーム製剤は、ハイパーサー
ミアの対象となる固形癌(例、消化2g癌、肺癌、乳癌
、泌尿器癌、皮膚癌、脳腫瘍など)に対する抗腫瘍製剤
として有用である。
火朋週 以下に実施例、実験例および試験例を示し本発明をさら
に具体的に説明する。
実施例1 540mgのDPPCと60mgのD S I) Cを
0.2リツターのビーカー内でクロロホルムとイソプロ
ピルエーテルのPIの! 6 溶i& 30 ttdl
に溶解した。一方、水にCDDPを溶解し、この液の浸
透圧が生理食塩水の浸透圧の1.9倍となるように食塩
を溶解して、500μg/rJのCDDP含有食塩水溶
液を調製した。この水溶液30成を、上記の飽和リン脂
質の溶解液に加えて、乳化機(ポリトロン、キ不マチカ
)で10分間、さらにプローブ4(y4超音波振とう機
(大岳製作所、日本)で20分間それぞれ乳化しW10
エマルンヨンを作製した。このようにして得たエマルシ
コンを0.5リツターのナス形フラスコに移し、ロータ
ノーエバポレターにかけて、60’C1減圧下で有(幾
溶媒を留去しLUVを得た。次いて、得られたL U 
Vを1.2μmのフィルター(AcrodiscGel
man)でろ過した。リポソーム内に封入される、ll
i!液の浸透圧が1.9 t=となることはこのときの
Jポソームの浸ノh圧を測定することにより確認した(
、i′El )。さらに、得られたL U V分11り
液を透析膜(SpccLropor、  Spectr
um  Medical)を用いて生理食塩水で24時
間Jh析することによりリポソーム分散液に含まれる遊
離のCD D I)を除去し、CD I) Pか上記高
張液と共に封入されたリポソーム製剤を得た。この時の
リボ゛/−ムのCDDP封入率は26.5%(註2)で
リポソームの膜の相転移温度は約4ピCであった。
註l 浸透圧の測定法 リポソームに封入される薬物溶液、リポソームを分散さ
せるための分散液(透析液)、あるいはリポソームの放
出試験液の浸透圧は、これらの各溶液3滅を浸透圧測定
装置(Osmometer、 Amuco)にかけるこ
とにより測定した。また、実際にリポソーム内に封入さ
れた薬液の浸透圧は有機溶媒を留去して得られる未透析
リポソーム3滅を直接に浸透圧装置にかけることにより
求められる未透析リポソームのリポソーム外液(分散液
)の浸透圧と等しいとして求めた。なおこの測定で浮遊
するリポソームがリポソーム外液の浸透圧値に影響しな
いことが脂質添加実験あるいは既知の浸透圧を持つ透析
液でリポソームを透析した後の浸透圧測定実験で確認さ
れた。
註2 リポソーム内に封入されているC 1.) D 
Pおよびリポソーム外液(分散液)に残存する遊離のC
DDPの定量法。
リポソーム内に封入されているCDDI)iQは、Jボ
ソーム0.11nIlをI 、 9 haの生理食塩水
と混合し、その混液0.1旋をさらに24成の蒸留水と
混合し、その混液中のプラチナ量を原子吸光(11iL
achi)で測定することにより求めた。また、リポソ
ーム外液に(j在する17−遊のCI) D P lは
リポソーム0.1 rJ7i−1、9旋の生理食塩水と
混合し、そのl1%’rll約2蔵をセントリザルトフ
ィルター(3M13249 E、 5artrius)
でろ過し、そのろ液を蒸留水で25倍希釈した後その中
に含まれるプラチナ量を原子吸光で測定することにより
求めた。またCD D I−)のリポソームへの封入率
は、リポソームの作成に用いた薬液、農度に対するリポ
ソーム内に封入された薬液濃度の百分率として求めた。
註3 リポソーム膜の1回転移の測定 Jボソーム膜の+1転移の1ltll定はリポソームサ
ンプル15μQをサンプラーにとりD S C(Sei
ko)て測定した(昇1晶速度5℃/m1n)。
実施例2 Jポソーム内に封入されるC D I) l)・側皮の
浸透1Fか生理食塩水の17倍となるようにして、それ
以外はすべて実施例1と同じ方法で、CD I) Pを
封入するりポノームル2剤を得た。
実施例3 リポソーム内に封入されるCDDP薬液の浸透圧が生理
食塩水の1.5倍となるようにして、それ以外はすへて
実施例1と同じ方法で、CDDPを封入するリポソーム
製剤を得た。
実施例4 リポソーム内に封入されるCDDP薬液の浸透圧か生理
食塩水の2.1倍となるようにして、それ以外はすべて
実施例1と同じ方法で、CDDPを封入するリポソーム
製剤を得た。
実施例5 実施例1で用いられるクロロホルムとイソプロピルエー
テルの11の混合溶液の代わりにクロロホルムとイソプ
ロピルエーテルの263の混合溶液を用いて、それ以外
はすべて実施例1と同じ方法で、CDDPを封入するリ
ポソーム製剤を得た。
実施例6 実施例2で用いられるクロロホルムとイソプロピルエー
テルのl=1の混合溶液30旋の代わりに該溶液60威
を用いて、それ以外はすべて実施例2と同じ方法で、C
DD’Pを封入するリポソーム製剤を得た。
実施例7 実施例2て用いられるクロロホルムとイソプロピルエー
テルの1=1の混合溶液30滅の代わりに該溶液24旋
を用いて、それ以外はすべて実施例2と同じ方法で、C
DDPを封入するリポソーム・製剤を得た。
実施例8 4.5gのDPPCと0.5gのDS PCを0.5ノ
ツターのビーカー内でクロロホルムとイソプロピルエー
テルの1:lの混合溶液250滅に溶解した。この溶液
に、浸透圧が生理食塩水の浸透圧の19倍となるように
あらかじめ調製しておいた500μg/滅のCDDP食
塩水溶液を25011J1.加え、乳化機(Po1yt
ron、 Kinematika)で10分間、さらに
バス型超音波振とう機(LaboratorySupp
lies、 New York)で20分間それぞれ乳
化しW10エマルジョンを作製した。このようにして得
られたエマルジョンを1リツターのナス形フラスコに移
し替えロータリーエバポレターにかけて、以下実施例1
と同様の方法で溶媒留去および透析を行って、CDDP
が上記高張溶液と共に封入されたリポソーム製剤を得た
。このリポソーム膜のt回転移温度は約40’Cであっ
た。
実施例9 18gのDPPCと2gのDS PCを2 ’) 2タ
ーのビーカー内でクロロホルムとイソプロピルエーテル
のl:lの混合溶液1000 runに溶解した。
この溶液に浸透圧が生理食塩水の浸透圧の19倍となる
ようにあらかしめ調製しておいた500μg/7JのC
DDP食塩水溶液をI000mf!加え軽く混合した後
、乳化機(3リツター用ホモミキサー、特殊機化)で6
0分間乳化しW10エマルションを作うνした。このよ
うにして得たエマルシヨンを同じホモミキサーを用いて
、60℃減圧下で有機溶媒を留去することによりLUV
を得た。さらに得られたLUVの一部500 rrdl
を人工透析機〔ホローファイバー 脂化成製1日本、約
25Cm。
有効膜面積1.5m2)中に、約150滅/分の速度で
注入し、透析外液として生理食塩水をホローファイバー
にがかる膜圧がOとなるように、約500滅/分の速度
で流すことにより、遊離のCD D I)を透析除去し
、CDDPが上記高張溶液と共に封入されたリポソーム
製剤を得た。このリポソーム膜のf回転移温度は約42
℃であった実施例1O 実施例9で得られた透析前のリポソーム30M1を生理
食塩水の浸透圧の1.5倍の浸透圧となるようにN、M
 装した食塩液を用いて実施例1と同様の方法で透析を
し)Lfl離のCDDPを除去することによりリポソー
ム製剤を得た。
実施例11 実施例9で得られた透析前のリポソーム3(bJを、生
理食塩水の浸透圧の1.9倍の浸透圧となるように調製
したぶとう糖液を用いて実施例1と同[工の方法で透析
し、遊1雑のCDDPを除去することによりリポソーム
製剤を得た。
実施例12 実施例9で得られた透析前のリポソーム30 r、+1
を、生理食塩水の浸透圧の1.9倍の浸透圧となるよう
に生理食塩水にブドウ糖を加えて調製した食塩ぶどう糖
液を用いて実施例1と同様の方法で透析し、遊離のCD
DPを除去することによりリポソーム製剤を得た。
実施例13 実施例1で用いられる540mgのDPPCと60mg
DSPCの代わりに480mgのDPPCと120mg
のDSPCを用いて、それ以外は実施例1と同じ方法で
、CDDPを封入するリポソーム製剤を得た。この時の
リポソームの膜の相転移l温度は約41℃てあった〇 実施例14 実施例1で用いられる540mgのDPPCと60mg
DSPCの代わりに600mgのD I) P Cと6
0mgのステアロイルメチルタウリンナトリウム(SM
T)を用いて、それ以外は実施例1と同じ方法で、CD
DPを封入するリポソーム製剤を得た。
この時のリポソーム膜の相転移温度は約4ピCであった
実施例15 実施例1て用いられる540mgのDPPCと60mg
DSPCの代わりに600mgのDPPCと60mgの
オクタデカンスルホン酸(OD S )を用いて、それ
以外は実施例1と同じ方法で、CDDPを11人するリ
ポソーム製剤を得た。この時のリポソーム膜の相転移温
度は約42℃てあった。
実施例16 実施例1て用いられる540mgのDPPCと60mg
DSPCの代わりに540mgのDPPCと60mgの
スルファチド(SF)を用いて、それ以外は実施例1と
同じ方法で、CDDPを封入するリポソーム製剤を得た
。この時のリポソーム膜の111・1云(多1品度は約
4ピCてあった。
実施例17 実施例1で用いられる500Iig/)i、1.cDD
Pの代わりに20011g/滅の5−FUを用いて、そ
れ以外は実施例1と同じ方法で、5−FUを封入するリ
ポソーム製剤を得た。
実施例18 実施例1で用いられる500μg/ rt、flCD 
D Pの代わりに200μg/旋のTAC−788を用
いて、それ以外は実施例1と同じ方法で、TAC−78
8を封入するリポソーム製剤を得た。
実施例19 実施例1で用いられる500μg/旋CDDPの代わり
に50μg/+Jの9−チオメイタンシン(特開昭57
−192381号)を用いて、それ以外は実施例1と同
じ方法で、9−チオメイタンシンを封入するリポソーム
製剤を得た。
実施例20 実施例1で用いられる500μg/ノrJCI) D 
Pの代わりに200μg/yJのMMCを用いて、それ
以外は実施例1と同じ方法で、MMCを封入するリポソ
ーム製剤を得た。
実施例21 実施例1で用いられる500μg/hJcDDPノ代ワ
りに500μg/y4のアクラルビンン(Ara−C)
を用いて、それ以外は実施例1と同じ方法て、Ara−
Cを封入するリポソーム製剤を得た。
実施例22 実施例1で用いられる5 00 ttg/1n1c D
 D Pの代わりに1 mg/ rJのダウノマイシン
を用いて、それ以外は実施例1と同じ方法で、ダウノマ
イシンを封入するリポソーム製剤を得た。
実施例23 実施例1て用いられる500μg/IJcDDPの代わ
りに200μg/ raftのBCNUを用いて、それ
以外は実施例1と同じ方法で、BCNUを封入するリポ
ソーム製剤を得た。
実施例24 実施例1で用いられる500μg/ICDDPの代わり
に200μg/+J!のCCNUを用いて、それ以外は
実施例1と同じ方法で、CCNUを封入するリポソーム
製剤を得た。
実施例25 実施例1で用いられる500μg/ tr、1.CD 
D Pの代わりに308μtv’rrtlのインターロ
イキン2(+1.−2)を用いて、それ以外は実施例1
と同じ方法で、IL−2を封入するリポソーム製剤を得
た。
実施例26 560mgのDPPCと40mgのDSPCを0.2リ
ツターのビーカー内でクロロホルムとイソプロピルエー
テルのl=1の混合液60産に溶解した。一方、30y
fの水にCDDPlomg、食塩60 mgおよびマン
ニット1530mgを溶解した。
この水溶液30滅を上記の飽和リン脂質溶液に加えて、
実施例1と同様に乳化、有機溶媒を留去してLUVを得
た。次いで実施例1と同様にLUVを12μmのフィル
ターで濾過し浸透圧を測定すると生理的食塩水の1.8
倍であった。このLUVを実施例1と同様に透析しCD
DPを封入するリポソーム製剤を得た。このリポソーム
膜の相転移温度は約42℃であった。
実験例1 実施例1〜16で得られたリポソーム製剤について、放
出試験液として生理食塩水を用いて熱放出性(註4)を
調べて、表1の結果を得た。すなわら、実施例1〜16
のいずれのリポソーム0川旙も39℃てはCDDPをほ
とんと放出せず(1%以下)、ハイパーサーミア温度に
加l晶しない限り安定に薬物をリポソーム内に(♀持す
る特性を示した。
また42℃ではいずれも70%以上CDDPか放出され
、ハイパーサーミア加温てほとんとの薬物を短時間で放
出するという良好な熱放出性を示した。
註4 リポソームの熱放出試験 リポソーム0川旙を放出試験液としての生理食塩水ある
いは種々の浸透圧に調整した食塩水溶液1.9顧に分散
し、39℃あるいは42℃で15分間加温した後のリポ
ソーム外液(放出1拭験液)に放出されるCDDPIを
註2で述へたリポソーム外液に存在する遊離のCDDP
の定量と同し方法で測定し、放出率はリポソーム含量に
対する百分率として求めた。
表1 実施例11.9 実施例21.7 実施例31.5 実施例42.1 実施例51.9 実施例61.5 実施例71.9 実施例81.9 実施例91.9 実施例10  1.9 実施例11  1.9 実施例12  1.9 実施例13  1.9 実施例14  1.9 実施例15  1.9 実施例16  1.9 0.0    89.5 0.0    79.6 0.1    75.2 0.2    86.9 0.9    89.5 0.0    86.9 0.1    83.2 0.1    84.4 0.6    81.9 0.3    80.7 0.0    80.0 0.0    826 0.0    70.8 0.3  74.9 0.2    71.4 0.0    99.3 a) リポソーム内に封入されている薬液の浸透圧を表
わし、生理食塩水の浸透圧をlとした時の相対値で示さ
れる。
実験例2 実施例1のサンプルについて、39℃および42℃以外
の温度での熱放出性を調べたところ、37℃で0.0%
、38℃で0,0%、40℃て10.3%、4ピCで8
8.4%、45℃で760%であった。この結果、ハイ
パーサーミアの温度領域で十分に熱放出するか、それよ
りも低いl温度では安定に薬物を封入する特性を示した
。また、これとは別に上記のリポソームサンプルを一定
流b1で細いチュウブ(PE50)に通し、チュウブの
一部分を加熱し、それによって熱放出されるCDDP量
を調べた結果、ハイパーサーミアの温度加温で数秒以内
ではとんとの薬物か放出されることを示し、ハイパーサ
ーミアによるリポソームからの薬物の放出は爆発的に起
こり、短時間で完結することを示した。
実験例3 Jポソームに封入されるcoopz液の浸透圧か生理食
塩水の浸透圧の0.6倍、08倍および1 、0 (r
η(いずれも本発明のリポソームにおけるより茎、低い
浸透圧)となるようにして、それ以外はすべて実施例1
と同じ方法でCD D Pを封入するリポソームを作成
した(サンプル1,2.3)。また、サンプル4として
、リポソームに封入されるCDDP薬液の浸透圧が生理
食塩水の浸透圧の3.0f3(本発明のリポソームにお
けるよりも高い浸透圧)および透析液の浸透圧か2,5
倍となるようにしてCDDPを封入するリポソームを作
成した。また、実施例1て用いられる540mgのDP
PCと60mgDSPCの代わりに300mgのDPp
cと300mgのDS PC(相転移を温度48℃)あ
るいは600mgのDS PC(相転移温度55℃)を
用いて、実施例1と同じ方法で、ハイパーサーミアの温
度より高い膜用転移温度を何し、CDDPを封入するリ
ポソームを作成した(サンプル5.6)。これらのリポ
ソームについて生理食塩水を試験液として、熱放出性を
調へたところ、表2のような結果が得られた。すなわち
、表2のサンフル1.2および3の42℃ての放出率に
見られるようにリポソーム内に封入される薬液の浸透圧
か低すぎると、ハイパーサーミアの温度で薬物を十分に
放出しないことを示した。また一方、サンプル4の38
℃ての放出率に示されるようにリポソーム内に封入され
る薬液の?IJ’li圧が高すぎるとリポソームは不安
定となり、リポソーム膜の相変化に基づく薬物の放出と
は異なり熱非依存的に薬物の一部を漏出してしまうこと
を示した。また、表2のサンプル5および6の42℃で
の放出率に示されるようにリポソームの膜の相転移l温
度かハイパーサーミアのt温度よりも高いと、たとえ封
入薬液の浸透圧がうまく調整されていても熱放出性が得
られないことを示した。
表2 サンプル10.6   0.0    0.0サンプル
2  0.8   0.0    2.5サンプル3 
 1.0   0.0   30.4サンプル4  3
,0  38.7   95.8サンプル5  0.6
   0.0    0.0a) リポソーム内に封入
されている薬液の浸透圧を表わし、生理食塩水の浸透圧
を1とした時の相対値で示される。
実験例4 実施例1および3のリポソームについて放出試験液の浸
透圧を種々に変えて、熱放出性を1週へると表3のよう
な結果となった。すなわら、これらの結果はリポソーム
の放出性に及はす浸透圧の効果は概ね熱放出試験液の浸
透圧に対するリポソーム内に1.1人される薬物含有液
の浸透圧の比率(表3に示されるOsm(in)10s
m(out))で決まることを示した。これは放出試験
液の浸透圧が異なるものの、実験例Iで示したように4
2℃の良好な放出性(約70%以上)を得るには、リポ
ソーム内に封入される薬物含有液の浸透圧の、リポソー
ムが実際に熱放出すべき生体液の浸透圧(約3000s
m)に対する比率が1.2以上である必要があり、また
リポソームの良好な安定性(38℃では放出しない)を
得るためには、その比率は25以下であることか望まし
いことを示している。
(以 下 余 白) 表3 a) リポソーム内に封入されている薬液の浸透圧を表
わし、生理食塩水の浸透圧を1とした時のt目射値とし
て示される。
b)熱放出試験液の浸透圧を表わし、生理食塩水の浸透
圧を1とした時の÷目射値として示される。
実験例5 実施例1および8のリポソームを冷所(約5℃)に3ケ
月1呆存したi&のリポソームからl届出したノル離の
CD D I)を測定した結果いずれも2%以下であっ
た。本発明のリポソームは非常に安定であることを示し
た。
試験例 MethA担癌マウス(BALB/C,酸マウス、1n
15匹、平均体重20g)に、実施例1で得られたCD
I) P封入のリポソームを生理食塩水で希釈し、CD
DPとして10.20あるいは40μg/マウス(−匹
)となるように静脈投与した。この投与開始1稔15分
から30分間にわたって、癌部位(側腹皮下)のみを4
0〜45℃となるように熱板で加71mシた。この投与
を1日に1回ずつ2回行なった後、21日経過後に腫瘍
型■を測定した。本リポソーム製剤投与1:1−の平均
腫瘍重量(T)と111(処置IITの平均腫瘍車量の
比(T/C)を測定し、第1図の結果を得た。図中、−
・−は加温して本発明のJポソーム製剤を投与したli
f、−一一〇−一−は加温せずに単にCDDPを投与し
た群、−−−・−一−は非’Jll l!!下に本発明
のリポソーム製剤を投与した肝、または○は加温してC
DDP水溶液を投与したli1′についての各測定結果
を示す。
この図から明らかなように、本発明のリポソーム製剤を
加温下に投与することにより、顕著な抗腫瘍効果か得ら
れた。
本発明の作用と効果 本発明のリポソーム製剤は、膜の1目転移温度か110
〜45℃でかつリポソームに封入される薬物含有液の浸
透圧か温血動物の生体11によりも12〜25倍高張と
いう点が特徴である。抗腫1α剤を封入せしめた本発明
のリポソーム製剤は、40〜45℃で極めて高い薬物放
出性を示し、ノ・イパーサーミア療法と組合せて顕著な
抗腫瘍効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、試験例においてCDDPを封入する本発明の
リポソーム製剤をマウスに投与したときの抗腫瘍効果を
対照群と比較して示したものである。 牧寿量(杓/勿人1ご)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)膜の相転移温度が40〜45℃であるリポソーム
    内に、温血動物の生体液浸透圧よりも1.2〜2.5倍
    高張の薬物含有液を封入してなるリポソーム製剤。
  2. (2)アシル基が飽和アシル基であるリン脂質をリポソ
    ーム膜の主構成成分とする請求項(1)記載の製剤。
  3. (3)薬物が抗腫瘍剤である請求項(1)または(2)
    記載の製剤。
  4. (4)リポソームがラージ・ユニラメラー・ベシクルで
    ある請求項(1)、(2)または(3)記載の製剤。
  5. (5)浸透圧が温血動物の生体液よりも1.2〜2.5
    倍高張の薬物含有液を封入し、膜の相転移温度が40〜
    45℃であるリポソームを形成せしめることを特徴とす
    るリポソーム製剤の製造法。
  6. (6)アシル基が飽和アシル基であるリン脂質を主剤と
    してリポソーム膜を構成させる請求項(5)記載の製造
    法。
  7. (7)薬物が抗腫瘍剤である請求項(5)または(6)
    記載の製造法。
  8. (8)リポソームがラージ・ユニラメラー・ベシクルで
    ある請求項(5)、(6)または(7)記載の製造法。
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