JPH0212954B2 - - Google Patents

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JPH0212954B2
JPH0212954B2 JP15012686A JP15012686A JPH0212954B2 JP H0212954 B2 JPH0212954 B2 JP H0212954B2 JP 15012686 A JP15012686 A JP 15012686A JP 15012686 A JP15012686 A JP 15012686A JP H0212954 B2 JPH0212954 B2 JP H0212954B2
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JP
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naphthalocyanine
bis
tri
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silicon
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Shigeru Hayashida
Seiji Tai
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Priority to US07/041,409 priority patent/US4749637A/en
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Priority to DE3789243T priority patent/DE3789243T2/de
Priority to EP89122030A priority patent/EP0375967B1/en
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Priority to US07/348,128 priority patent/US5081236A/en
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規なビス(トリアルキルシロキシ)
シリコンナフタロシアニン及びその製造法に関す
る。
(従来の技術) 従来、ナフタロシアニン誘導体としては、ナフ
タロシアニンの各種金属物およびナフタレン環の
6位が炭素数4〜12のアルキル基によつて置換さ
れたテトラ―6―アルキルナフタロシアニンの各
種金属物(ただし、金属としては、銅、鉛、アル
ミニウム、錫、バナジウム、マンガン、コバル
ト、ニツケル、パラジウム、鉛、マグネシウムで
あり、金属の代りに水素が2個結合したものもあ
る)が知られている。〔ツエーナル・オブシエ・
ミキ(Zhurmal Obshchei Khimii)、第42巻696
頁、1972年、米国特許第4492750号明細書、モル
クリスト リク クリスト(Mol.Cryst.Liq.
Cryst.)第112巻345頁、1984年、特開昭60―
23451号公報、特開昭60―184565号公報〕また、
シリコンナフタロシアニン誘導体に関しては、下
記一般式()において式中Rがn―ヘキシル基
であるものが知られている(ジヤーナル・オブ・
アメリカン・ケミカル・ソサイエテイ(J.Am.
Chem.Sco.)第106巻7404頁、1984年)。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、従来のナフタロシアニンにおい
て、アルキル置換したテトラ―6―アルキルナフ
タロシアニンの各種金属物は、芳香族系およびハ
ロゲン系溶剤に可溶で、再結晶等の方法により精
製することは可能であるが、電子デバイスへの有
機物の応用のための薄膜作製方法の1つである真
空蒸着法においては、これらのナフタロシアニン
の各種金属物は分解し蒸着できない問題点があ
る。一方、無置換のナフタロシアニンの各種金属
物は、真空蒸着はできるものの、ほとんどの溶剤
に不溶で再結晶等によりその純度を向上させる点
で問題がある。また下記一般式()において式
中Rがn―ヘキシル基であるシリコンナフタロシ
アニンは、芳香族系およびハロゲン系溶剤に可溶
で、再結晶等により純度を高めることができ、か
つ真空蒸着も可能であるが、その薄膜の光電流量
子収率は非常に低いものである。
本発明は、このような問題点を解決するもので
あり、芳香族系溶剤及びハロゲン系溶剤に可溶
で、真空蒸着もでき、光電流量子収率の高い新規
なシリコンナフタロシアニン誘導体を提供するも
のである。
(問題点を解決するための手段) 第1の発明は、一般式() 〔ただし、式中LはR1R2R3Si―O―(ここで、
R1,R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数2〜4の
アルキル基である)を示す〕で表わされるビス
(トリアルキルシロキシ)シリコンナフタロシア
ニンに関する。
一般式()で表わされるビス(トリアルキル
シロキシ)シリコンナフタロシアニンは、芳香族
系溶剤及びハロゲン系溶剤に可溶であり、容易に
再結晶を行なうことができ、純度を高めることが
できる。また、真空蒸着をする場合、真空蒸着装
置のボート温度を320〜470℃にすることによつて
容易に行なうことができ、このような温度では、
分解しない。
上記芳香族系溶剤としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン、1,2,4―トリメチルベンゼン、1,2,
3―トリメチルベンゼン、1―クロロナフタリ
ン、キノリン等があり、上記ハロゲン系溶剤とし
ては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素
等がある。
第2の発明は、式() で表わされるジヒドロキシシリコンナフタロシア
ニンと一般式() R1R2R3SiX () (ただし、式中、R1,R2及びR3は、それぞれ
独立に炭素数2〜4のアルキル基であり、Xは水
酸基又はハロゲンを示す)で表わされる化合物を
反応させて、上記の一般式()で表わされるト
リアルキルシリコンナフタロシアニンを合成する
ことを特徴とするビス(トリアルキルシロキシ)
シリコンナフタロシアニンの製造法に関する。
一般式()で表わされるビス(トリアルキル
シロキシ)シリコンナフタロシアニンは、ジヒド
ロキシシリコンナフタロシアニンと上記の一般式
()で表わされる化合物を加熱反応させて得る
ことができる。この場合、反応温度は150〜200℃
が好ましく、このためには、有機溶媒としてテト
ラリン、クロルベンゼン、キノリン、1―クロル
ナフタリン、1,2,4―トリメチルベンゼン、
1,2,3―トリメチルベンゼン、キシレン、ト
ルエン、ベンゼン、ジクロルベンゼン、β―ピコ
リン等を使用するのが好ましい。また、一般式
()中、Xがハロゲンの場合には、触媒として、
トリ―n―ブチルアミン、トリ―n―プロピルア
ミン、トリ―n―ヘキシルアミン、ピリジン等の
塩基を用いるのが好ましく、これらはジヒドロキ
シシリコンナフタロシアニンに対して0.1〜1重
量%使用するのが好ましい。
また、ビス(トリエチルシロキシ)シリコンナ
フタロシアニンを製造するには、トリエチルクロ
ロシリコンを使用するよりもトリエチルシラノー
ルを使用する方が収率がよい。
ビス(トリアルキルシロキシ)シリコンナフタ
ロシアニンの反応混合物からの単離・精製は、反
応混合物を濃縮・乾固後再結晶する方法、反応混
合物を水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル等のアルコールなどの前記ナフタロシアニンの
貧溶媒に注ぎ、生成する沈殿を採取して再結晶す
る方法などによつて行なうことができる。
再結晶は、前記した芳香族系溶剤又はハロゲン
系溶剤を用いることにより行なうことができる。
式()で表わされるジヒドロキシシリコンナ
フタロシアニンは公知の化合物であり、例えば、
ジヤナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイ
エテイ(J.Am.Chem.Soc.)第106巻7404頁
(1984年)に記載される方法を利用して下記式(A)
の経路により製造することができる。
すなわち、α,α,α′,α′―テトラブロモ―o
―キシレン〔式()〕0.1molとフマロニトリル
0.173molをヨウ化ナトリウム0.67molの存在下、
無水N,N―ジメチルホルムアミド中で75℃7時
間反応させ、2,3―ジシアノナフタリン〔式
()〕を得る。続いて2,3―ジシアノナフタリ
ン57.3mmolをナトリウムメトキシドの存在下、
メタノール中アンモニアと3時間加熱反応させる
ことによつて1,3―ジイミノベンゾ〔f〕イソ
インドリン〔式()〕が得られる。さらに1,
3―ジイミノベンゾ〔f〕イソインドリン
30.6mmolを無水テトラリン及び無水トリ―n―
ブチルアミン中、四塩化ケイ素47.1mmolと還流
下約3時間反応させると式()中、OHがClで
あるジクロロシリコンナフタロシアニン
〔SiNcX2CX=Cl)〕が得られ、続いてこの化合
物を濃硫酸、ついで濃アンモニア水で処理するこ
とによつて式()で表わされるジヒドロキシシ
リコンナフタロシアニン〔SiNcX2CX=OH)〕
を得ることができる。
一般式()で表わされるビス(トリアルキル
シロキシ)シリコンナフタロシアニンは、電子写
真感光体の電子写真感光材料(電荷発生物質)、
光デイスク用の記録材料などに有用である。電子
写真感光材料として用い、電子写真感光体を製造
するには、次のようにされる。
すなわち、一般式()で表わされるビス(ト
リアルキルシロキシ)シリコンナフタロシアニン
と電荷搬送物質とを混在した単一層を導電体層の
上に光導電体層として構成することができる。ま
た、電荷発生物質と電荷搬送物質とを別個の層と
して形成し、いわゆる2層構造を導電体層の上に
光導電体層として構成することもできる。
単一層構造を採る場合、該電荷発生物質に対す
る電荷搬送物質の配合量は前者1重量部当り、後
者1〜50重量部が一般的である。また、光導電体
層全体の厚さとしては5〜100μmとするのが一般
的である。一方、2層構造を採る場合、電荷発生
層の厚さは0.1〜5μm、電荷搬送層の厚さは5〜
100μmの範囲とするのが一般的である。しかし、
いずれの場合も最終的には光感度即ち帯電特性を
損わないように配慮して決定するのが望ましい。
光導電層の厚さがあまり厚くなりすぎると層自体
の可撓性が低下する惧れがあるので注意を要す
る。
上記の電荷搬送物質としては、ピラゾリン誘導
体、ヒドラゾン誘導体、トリフエニルメタン誘導
体、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導
体、カルバゾール誘導体、スチルベン誘導体など
が挙げられる。光導電体層には既知の結合剤を適
用することができる。結合剤は線状飽和ポリエス
テル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹
脂、ブチラール樹脂、ポリケトン樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリ―N―ビニルカルバゾール、ポリ
―(p―ビニルフエニル)アントラセンなどから
選ばれる。結合剤の使用量は単一層構造の光導電
体の場合には、電荷発生物質1重量部に当り1〜
50重量部が適当である。また、二層構造の光導電
体の場合には少なくとも電荷搬送物質からなる層
に加えるべきであり、この場合、電荷搬送物質1
重量部当り結合剤は1〜50重量部が適当である。
導電体層には、アルミニウム、真ちゆう、銅、金
などが用いられる。
本発明に係るビス(トリアルキルシロキシ)シ
リコンナフタロシアニンは、半導体レーザ光線等
の電磁エネルギーの照射により記録し、かす読取
る記録媒体において、記録層材料として使用でき
る。すなわち、適当な基板上に該シリコンナフタ
ロシアニン非晶質層を設けたものは、適当な強度
の電磁エネルギー、例えば半導体レーザ光を集光
してスポツト状に照射したとき、熱変形による開
孔を生じることはないが、冷却後その部分だけが
結晶化し、反射率、吸収率などの濃度変化を生じ
るので、これらの現象を利用して情報の書込み、
読出しを行なうことができる。また、強い強度の
電磁エネルギーを用いた場合には、照射部分に孔
を形成し反射率,吸収率などの濃度変化を生じさ
せることができる。このような記録層の形成方法
としては、通常のよく知られた方法はすべて用い
得るが、例えば、スピンコート法、浸漬塗工法な
どを挙げることができる。非晶質薄膜を形成する
方法としては真空蒸着法が最も好ましい。真空蒸
着の際、基板温度は室温より低い方が非晶質薄膜
を形成しやすく、また、蒸着速度はできるだけ速
い速度が望ましい。該記録層材料は、単独あるい
は2種以上の組み合わせで用いられ、2種以上の
組み合わせの場合は、積層構造でも、混合された
単一層構造でもよい。記録層の膜厚は50〜10000
Åの範囲が好ましく、特に100〜5000Åの範囲が
好ましい。
記録媒体の支持体には、ガラス、マイカ、金
属、合金などの無機材料のほか、ポリエステル、
酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニ
リデン共重合体、ポリアミド、ポリスチレン、ポ
リメチルメタクリレート及びメチルメタクリレー
ト共重合体等の有機高分子材料のフイルムや板が
挙げられるが、これらに限定されない。記録時に
熱損失が少なく、感度をあげるという意味で低熱
伝導率の有機高分子からなる支持体が望ましい。
また、形成された記録像を光学的に再生する
時、反射光を利用することが多い。この場合には
コントラストを高める有効な方法として、支持体
と記録層の間に、高い反射率を示す金属をあらか
じめ設けるとよい。この高反射率の金属として
は、Al、Cr、Au、Pt、Snなどが用いられる。こ
れらの膜は、真空蒸着、スパツタリング、プラズ
マ蒸着などの公知の薄膜形成技術で形成すること
ができ、その膜厚は100〜10000Åの範囲で選ばれ
る。また、基板自身の表面平滑性が問題になると
きは、基板上に有機高分子の均一な膜を設けると
よい。これらのポリマーとしては、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニルなどの市販のポリマーが適用
可能である。
さらに、最外層に有機高分子化合物を主体とす
る保護層を設け、これにより安定性、保護性を増
し、さらに、表面反射率の低減による感度増加を
目的とする層を設けることが好ましい。このよう
な有機高分子化合物としては、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデンとアクリロ
ニトリル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド
ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ
イソプレン、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポ
リビニルブチラール、フツ素ゴム、ポリエステ
ル、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、酢酸セルロ
ースなどが単独でまたはブレンドとして用いられ
る。保護層にシリコーンオイル、帯電防止剤、架
橋剤などを存在させることは、膜性能の強化の点
で好ましい。また、保護層は2層に重ねることも
できる。有機高分子化合物は、適当な溶剤に溶解
して塗布するか、薄いフイルムとしてラミネート
する方法が適用可能である。このような保護層の
膜厚は0.1〜10μmの厚みに設けるが、好ましくは
0.1〜2μmで用いられる。
(実施例) 製造例 1 ジヒドロキシシリコンナフタロシアニンの製造
α,α,α′,α′―テトラブロモ―o―キシレン
42.2g(0.1mol)、フマロニトリル13.5g
(0.173mol)の無水N,N―ジメチルホルムアミ
ド400ml溶液によくかくはんしながらヨウ化ナト
リウム100g(0.67mol)を加え、窒素雰囲気下
75℃で約7時間かくはんした。反応後、反応混合
物を約2Kgの氷中へ注ぎ出した赤かつ色の水溶液
が淡黄色になるまで徐々に亜硫酸水素ナトリウム
を加えわずかに過剰量亜硫酸水素ナトリウムを加
えしばらくかくはんした後、室温下一晩放置し
た。析出した淡黄色固体を吸引ろ過し、充分水洗
した後、自然乾燥した。淡黄色固体をエタノー
ル/クロロホルムの混合溶媒から再結晶すると、
無色の結晶として2,3―ジシアノナフタリン13
g(73%)を得た。この結晶の融点は265.5―
257.5℃であつた(文献値、融点256℃)。
次に、窒素雰囲気下、無水メタノール90mlに金
属ナトリウム0.64g(28mmol)を5回に分けて
加えて調整したナトリウムメトキシド―メタノー
ル溶液に2,3―ジシアノナフタリン10.2g
(57.3mmol)を加えよくかくはんしながら室温で
無水アンモニアガスを約1時間ゆつくりとバブル
した。無水アンモニアガスをバブルしながら約3
時間還流した。冷却後、析出した黄色固体をろ過
しメタノールで充分洗浄後、減圧乾燥すると1,
3―ジイミノベンゾ〔f〕イソインドリンが黄色
固体として約9.5g(86%)得られた。この1,
3―ジイミノベンゾ〔f〕イソインドリンは未精
製のまま次の反応に用いた。
窒素雰囲気下、1,3―ジイミノベンゾ〔f〕
イソインドリン6g(30.6mmol)の無水テトラ
リン40ml懸濁液に無水トリ―n―ブチルアミン20
mlを加え、ついで四塩化ケイ素5.4ml
(47.1mmol)を加えて、約3時間還流した。冷却
後メタノール30mlを加え一晩放置した。赤かつ色
反応混合物をろ過しメタノールで充分洗浄後、減
圧乾燥すると濃緑色の固体としてジクロロシリコ
ンナフタロシアニンが約4g(64%)得られた。
このジクロロシリコンナフタロシアニンは未精製
のまま次の反応に用いた。
ジクロロシリコンナフタロシアニン5.8g
(7.15mmol)を濃硫酸200mlに加え、約2時間か
くはんした。反応混合物を氷約600g中に注ぎ一
晩放置した。析出した沈殿をろ過し、水で3回ア
セトン/水(1/1)混合溶媒で3回洗浄した
後、この沈殿を150mlの濃アンモニア水中約1時
間還流した。冷却後、ろ過し水で充分に洗浄し減
圧乾燥すると、濃緑色の固体としてジヒドロキシ
シリコンナフタロシアニンが約4g(72%)得ら
れた。
実施例 1 ジヒドロキシナフタロシアニン774mg
(1mmol)のキノリン35ml懸濁液にトリエチルシ
ラノール3.5ml(23mmol)を加え、約3時間還流
した。冷却後、反応混合物をエタノール/水
(1/1)200ml中へ注ぎ、よくかきまぜた後一晩
放置した。析出した沈殿をろ過しメタノールで洗
浄した。熱クロロホルム約600mlを用いてこの沈
殿のうち溶けるものだけ溶かし出し、クロロホル
ム溶液を約50mlに濃縮した。濃縮したクロロホル
ム溶液を冷却し、析出した結晶をろ過しクロロホ
ルムで洗浄した。得られた結晶をクロロホルムを
用いて再結晶したとこの濃緑色の結晶360mg(36
%)が得られた。この濃緑色結晶は、下記の分析
結果よりビス(トリエチルシロキシ)シリコンナ
フタロシアニン〔上記の一般式()中、Lが―
O―Si(―C2H53であるもの〕であることを確認
した。
(1) 融点 300℃以上 (2) 元素分析値: C H N 計算値(%) 71.82 5.42 11.17 実測値(%) 70.45 5.34 10.92 (3) NMR値(NMRスペクトルを第1図に示
す):CDCl3溶媒 δ値 10.13(8H,s) 8.68(8H,dd,J=6.10,3.05Hz) 7.93(8H,dd,J=6.10,3.05Hz) −1.02(12H,t,J=7.93Hz) −2.07(18H,q,J=7・93Hz) (4) UVスペクトル(CHCl3溶液)を第2図に示
す。
実施例 2 ジヒドロキシシリコンナフタロシアニン3g
(3.9mmol)の無水β―ピコリン420ml懸濁液に窒
素雰囲気下、無水トリ―n―ブチルアミン12ml
(50.4mmol)ついでトリ―n―ブチルクロロシラ
ン13.2ml(49.2mmol)を加え、約2時間還流し
た。冷却後、混合物をエタノール/水(1/1)
600ml中へ注ぎ、よくかきまぜた後一晩放置した。
析出した沈殿をろ過し水で洗浄した。熱クロロホ
ルム約600mlを用いてこの沈殿のうち溶けるもの
だけ溶かし出し、クロロホルム溶液を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、約50mlに濃縮した。濃縮した
クロロホルム溶液を冷却し析出した結晶をろ過し
クロロホルムで洗浄した。母液を濃縮し、アルミ
ナカラムクロマトグラフイーによりベンゼンを展
開溶媒として溶出し、緑色のベンゼン溶液を濃縮
し、ヘキサンを加え析出した結晶をろ過しヘキサ
ンで充分に洗浄した。得られたすべての粗結晶を
集めクロロホルムを用いて再結晶したところ、濃
緑色の結晶約2g(44%)が得られた。この濃緑
色結晶は下記の分析結果よりビス(トリ―n―ブ
チルシロキシ)シリコンナフタロシアニンである
ことを確認した。
(1) 融点>300℃ (2) 元素分析値: C H N 計算値(%) 73.81 6.71 9.50 実測値(%) 73.71 6.73 9.40 (3) NMR値(NMRスペクトルを第3図に示
す):CDCl3 δ値 10.11(8H,s) 8.67(8H,dd,J=6.10,3.35Hz) 7.92(8H,dd,J=6.10,3.35Hz) −0.1〜0.1(30H,m) −0.97(12H,quintet,J=7.32Hz) −2.07(12H,t,J=7.32Hz) (4) UVスペクトル(CHCl3溶液)を第4図に示
す。
実施例 3 ジヒドロキシシリコンナフタロシアニン3g
(3.9mmol)の無水β―ピコリン420ml懸濁液に無
水トリ―n―ブチルアミン12ml(50.4mmol)つ
いでトリ―n―プロピルクロロシラン10.8ml
(49.2mmol)を加え、約2時間還流した。冷却
後、反応混合物を実施例2と同様に処理し、クロ
ロホルムから再結晶することによつて濃緑色結晶
を1.45g(34%)得た。この濃緑色結晶は下記の
分析結果よりビス(トリ―n―プロピルシロキ
シ)シリコンナフタロシアニンであることを確認
した。
(1) 融点>300℃ (2) 元素分析値: C H N 計算値(%) 72.89 6.12 10.30 実測値(%) 72.70 6.13 10.28 (3) NMR値(NMRスペクトルを第5図に示
す):CDCl3 δ値 10.03(8H,s) 8.68(8H,dd,J=6.10,3.03Hz) 7.93(8H,dd,J=6.10,3.03Hz) −0.28(18H,t,J=7.32Hz) −0.85(12H,sextet J=7.32Hz) −2.06(12H,t,J=7.32Hz) (4) UVスペクトル(CHCl3溶液)を第6図に示
す。
実施例 4 ジヒドロキシシリコンナフタロシアニン1g
(1.3mmol)の無水β―ピコリン140ml懸濁液に無
水トリ―n―ブチルアミン4ml(16.8mmol)つ
いでトリメチルクロロシラン2.1ml(16.4mmol)
を加え、約2時間還流した。冷却後、反応混合物
を実施例2と同様に処理したところ、濃緑色の結
晶としてビス(トリメチルシロキシ)シリコンナ
フタロシアニンを得た。そのUVスペクトル
(CHCl3溶液)を第7図に示す。
比較例 1 ジヒドロキシシリコンナフタロシアニン1g
(1.3mmol)の無水β―ピコリン140ml懸濁液に無
水トリ―n―ブチルアミン4ml(16.8mmol)つ
いでトリ―n―ヘキシルクロロシラン6ml
(16.4mmol)を加え、1.5時間還流した。冷却後、
不溶性の不純物をろ別して除き、ろ液をエタノー
ル/水(1/1)200ml中へ注ぎ出し、析出した
沈殿をろ過して生成物を得た。この生成物は水で
よく洗浄した後真空乾燥し、アルミナカラムクロ
マトグラフイーにおいてトルエン―ヘキサン
(3:1)溶液を展開溶媒として溶出し、得られ
た濃緑色溶液を濃縮してヘキサン/クロロホルム
から再結晶し、緑色針状晶を0.52g(30%)得
た。この化合物は文献記載の分析結果と下記分析
結果を比較することによりビス(トリ―n―ヘキ
シルシロキシ)シリコンナフタロシアニンである
ことを確認した。
(1) 融点 277―278℃(丈献値、融点278℃) (2) NMR値(NMRスペクトルを第8図に示
す):CDCl3 δ値 10.11(8H,s) 8.67(8H,dd,J=6.21、3.35Hz) 7.91(8H,dd,J=6.21、3.35Hz) 0.63(12H、sextet、J=7.32Hz) 0.42(18H、t、J=7.32Hz) 0.23(12H,quintet、J=7.32Hz) 0.07(12H、quintet、J=7.32Hz) −0.98(12H、quintet、J=7.32Hz) −2.06(12H、t、J=7.32Hz) (3) UVスペクトル(CHCl3溶液)を第9図に示
す。
試験例 1 第10図及び第11図に示す光電流測定用のサ
ンドイツチセルを次のようにして作製した。な
お、第10図は該サンドイツチセルの平面図であ
り、第11図は第10図のa―a′断面図である。
真空蒸着装置内に、ネサ膜1を有するガラス板
2を所定位置に設置、タングステン製蒸着ボート
にビス(トリエチルシロキシ)シリコンナフタロ
シアニン10mgを入れ、3×10-6トール(Torr)
で410〜470℃の条件にて、ネサ膜1を一部残して
覆うように光導電層3を蒸着した。この上に、
Alを光導電層3を横切るように約300Åの厚さに
蒸着し、Al層4を形成した。
上記サンドイツチセルのネサ膜及びAl層に銀
ペーストを用いてリード線を結合し、光電流測定
を次のようにして行なつた。光源は300Wハロゲ
ンランプを用いモノクロメーター(リツ―応用光
学社製)で分光した光を光チヨツパー(NF回路
ブロツク社製)を通してサンドイツチセルに照射
した。光照射により発生した光電流をロツクイン
アンプ(NF回路ブロツク社製)にて計測した。
測定波長領域は500〜840nmで10nm毎に測定し
た。各波長毎に得られた光電流、Ipを、その波長
の光照射強度Ioで割ることによつて光電流量子収
率、η(η〕Ip/Io)を求めた。これを波長に対
してプロツトしたアクシヨンスペクトルを第12
図に示した。
試験例 2 ビス(トリ―n―プロピルシロキシ)シリコン
ナフタロシアニンについて試験例1とまつたく同
様に測定用サンドイツチセルを作製し測定を行な
つた。アクシヨンスペクトルを第13図に示し
た。
試験例 3 ビス(トリ―n―ブチルシロキシ)シリコンナ
フタロシアニンについて試験例1と同様にサンド
イツチセルを作製し測定を行なつた。そのアクシ
ヨンスペクトルを第14図に示した。
試験例 4 ビス(トリ―n―ヘキシルシロキシ)シリコン
ナフタロシアニンについても試験例1と同様の方
法でサンドイツチセルを作製し測定を行なつた。
そのアクシヨンスペクトルを第15図に示した。
第12図と比較すると800nmの波長における光電
流量子収率ηは50〜100倍低いことがわかる。
(発明の効果) 本発明に係る一般式()で表わされるビス
(トリアルキルシロキシ)シリコンナフタロシア
ニンは光電流量子収率の高い新規化合物である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ビス(トリエチルシロキシ)シリコ
ンナフタロシアニンのNMRスペクトルである。
第2図は、ビス(トリエチルシロキシ)シリコン
ナフタロシアニンのUVスペクトルである。第3
図は、ビス(トリ―n―ブチルシロキシ)シリコ
ンナフタロシアニンのNMRスペクトルである。
第4図は、ビス(トリ―n―ブチルシロキシ)シ
リコンナフタロシアニンのUVスペクトルであ
る。第5図は、ビス(トリ―n―プロピルシロキ
シ)シリコンナフタロシアニンのNMRスペクト
ルである。第6図は、ビス(トリ―n―プロピル
シロキシ)シリコンナフタロシアニンのUVスペ
クトルである。第7図は、ビス(トリメチルシロ
キシ)シリコンナフタロシアニンのUVスペクト
ルである。第8図は、ビス(トリ―n―ヘキシル
シロキシ)シリコンナフタロシアニンのNMRス
ペクトルである。第9図は、ビス(トリ―n―ヘ
キシルシロキシ)シリコンナフタロシアニンの
UVスペクトルである。第10図は、光電流測定
用サンドイツチセルの平面図であり、第11図
は、第10図のa―a′断面図である。第12図
は、ビス(トリエチルシロキシ)シリコンナフタ
ロシアニンのアクシヨンスペクトルである。第1
3図は、ビス(トリ―n―プロピルシロキシ)シ
リコンナフタロシアニンのアクシヨンスペクトル
(実線)であり、破線はそのUVスペクトルであ
る。第14図は、ビス(トリ―n―ブチルシロキ
シ)シリコンナフタロシアニンのアクシヨンスペ
クトルである。第15図は、ビス(トリ―n―ヘ
キシルシロキシ)シリコンナフタロシアニンのア
クシヨンスペクトル(実線)であり、破線はその
UVスペクトルである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式() 〔ただし、式中LはR1R2R3Si―O―(ここで、
    R1,R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数2〜4の
    アルキル基である)を示す〕で表わされるビス
    (トリアルキルシロキシ)シリコンナフタロシア
    ニン。 2 式() で表わされるジヒドロキシシリコンナフタロシア
    ニンと一般式() R1R2R3SiX () (ただし、式中、R1,R2及びR3は、それぞれ
    独立に炭素数2〜4のアルキル基であり、Xは水
    酸基又はハロゲンを示す)で表わされる化合物を
    反応させて、一般式() 〔ただし、式中、Lは、R1R2R3Si―O―(こ
    こでR1,R2及びR3は一般式()と同じである)
    を示す〕で表わされるビス(トリアルキルシロキ
    シ)シリコンナフタロシアニンを合成することを
    特徴とするビス(トリアルキルシロキシ)シリコ
    ンナフタロシアニンの製造法。
JP15012686A 1986-04-24 1986-06-26 ビス(トリアルキルシロキシ)シリコンナフタロシアニン及びその製造法 Granted JPS635093A (ja)

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