JPH021084Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシートのランバーサポート装置に関
し、更に詳細に説明すると、シートバツクフレー
ムに固着された固定プレートの前面側に取付けら
れたランバーサポートマツトと、該ランバーサポ
ートマツトの前面側に配設され、前記ランバーサ
ポートマツトの膨張に応じて前方に移動し、シー
トバツクのばね部材を前方に押圧する押圧プレー
トとを備えたシートのランバーサポート装置に関
する。

シートのランバーサポート装置としては乗員の
腰椎部に対応する位置に押圧部材を配置し、この
押圧部材をカム等を用いて機械的に前後移動させ
るもの、及びランバーサポートマツトをエアの注
入量により膨張調整するもの等があり、機械的に
押圧部材を前方に移動させる場合には押圧部分の
みが前方に突出し、この突出部が非常に硬い当り
感を着座者に与え、またシートバツクの表装材の
端末がシートバツクフレーム等に固着されている
ので突出量に限界があり、大きな突出量を得る事
が出来ない欠点を有し、またランバーサポートマ
ツトを膨張調整する場合にも同様に膨張量が少な
く、且つ部分的に硬い当り感を与える欠点を有し
ていた。

本考案の目的はシートバツクの着座者の腰椎部
に対応する部分の下部全体を前後方向に移動させ
る事が出来、突出させた状態でシートバツクの表
装材に引張力を与えず、シートバツクの表面を硬
化させる虞れがなく、またシートバツクのばね部
材の張力を変更させる事なく前後方向に移動させ
る事の出来る著しくクツシヨン性を向上させる事
の出来るシートのランバーサポート装置を提供す
るもので、以下図面を参照して詳述する。

第１図乃至第５図には本考案に係るシートのラ
ンバーサポート装置の一実施例の概略が夫々示さ
れており、本実施例においてはベンチタイプのシ
ート１に本考案を適用した場合として示されてい
るが、これに限定されるものではない。着座者の
腰椎部に対応するシートバツク２の下部位置にラ
ンバーサポート部３が形成され、このランバーサ
ポート部３は上部を枢支点として下部側全体が第
１図に矢印ａで示す如く前方に突出し得るように
なされている。

第２図及び第３図に示す如く、シートバツクフ
レーム４の両側部５，６間に横方向に延びる支軸
７が固着され、この支軸７に略Ｕ字状に形成さ
れ、両端部が屈折されて取付部８ａに形成された
下枠線８が取付けられ、この下枠線８の取付部８
ａが支軸７に回動可能に取付けられている。シー
トバツクフレーム４の上部横杆９にＳ字状のＳ字
ばね等からなるばね部材１１の一端が係止され、
このばね部材１１は下方に延びて下枠線８の下部
８ｂで屈折され、下枠線８の背面側上方に延びる
延設部１１ａを有し、この延設部１１ａが後述す
る押圧プレート１５に係止され、更に上方に延び
てばね部材１１の中間部に他端が係止され、ばね
部材１１が所謂フイツシユマウス形に形成されて
いる。

シートバツクフレーム４の下部横杆１０の中央
位置には固定プレート１３の下部が固着され、こ
の固定プレート１３の前面側に第５図に示すラン
バーサポートマツト２１が取付けられ、固定プレ
ート１３の上部にヒンジピン１４により押圧プレ
ート１５が取付けられ、固定プレート１３に取付
けられたランバーサポートマツト２１にエアが注
入されて膨張した場合に押圧プレート１５が前方
に移動し得るようになされている。

ランバーサポートマツト２１は第５図に示す如
く、エアパイプ２３を介してエアモータ２２に連
結され、エアモータ２２より送られて来るエアは
逆止弁２４を通つてランバーサポートマツト２１
に供給される。図中符号２５は安全弁、２６はエ
ア抜きである。

シートバツクフレーム４及びばね部材１１の前
面側のパツド材３１が取付けられ、このパツド材
３１を被覆する表装材３２が取付けられてシート
バツク２が形成される。ランバーサポート部３の
表装材３２は端末処理は第３図及び第４図に示さ
れている如く、ばね部材１１の延設部１１ａにク
リツプ３３止めされる事により行なわれている。
尚延設部１１ａにクリツプ３３止めするのに代え
て、押圧プレート１５の下部にクリツプ３３止め
しても良い。

以上が本考案に係るシートのランバーサポート
装置の一実施例の構成であるが、いま、第３図に
示す加く、ランバーサポートマツト２１にエアが
注入されていない状態では、ランバーサポート部
３はシートバツク２と一連の状態にあるが、この
状態より、エアモータ２２を作動させ、ランバー
サポートマツト２１にエアを注入すると、順次ラ
ンバーサポートマツト２１が膨張し、ランバーサ
ポートマツト２１の前面側の押圧プレート１５を
ヒンジピン１４を中心に前方に回動させ、押圧プ
レート１５に係止されているばね部材１１の延設
部１１ａを中心とする部分が順次前方に押圧さ
れ、第４図に示す如く、下枠線８が支軸７を中心
に前方に回動し、パツド材３１及び表装材３２が
一体となつて前方に突出し、第１図に示す如く、
ランバーサポート部３がシートバツク２より突出
したランバーサポート状態とする事が出来る。

次にエア抜き２６を作動させてランバーサポー
トマツト２１内のエアを排出すると、前述とは逆
にランバーサポート部３がシートバツク２内に収
納された状態となる。

本考案に依れば、シートバツクのランバーサポ
ート部を前後方向に移動調整するのが容易であ
り、この移動量を著しく増大させる事が出来、ラ
ンバーサポート部を突出させる場合にパツド材及
び表装材に引張力を与えず、更にばね部材の張力
を変更しないので、ランバーサポート部の感触及
びクツシヨン性を著しく向上させる事が出来るシ
ートのランバーサポート装置を得る事が出来る。

第６図には本考案の変形例が示されており、前
述せる実施例と対応する部分に同一符号を付して
これ以上の詳細説明はこれを省略するも、前記ば
ね部材１１が支軸７を中心として上部ばね部材１
１Ａと下部ばね部材１１Ｂとに分割されている事
を除いては前述せる実施例と同様に構成を有する
ものであり、ランバーサポートマツト２１が膨張
した場合に下枠線８の回動を著しく容易に行える
ようにした点を除いては前述せる作用及び効果と
同一の作用及び効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案に係るシートのラン
バーサポート装置の一実施例の概略を夫々示すも
ので、第１図はシートの斜視図、第２図はシート
バツクのフレーム構成を示す正面説明図、第３図
及び第４図はランバーサポート部の突出前及び突
出した状態を夫々示す側断面説明図、第５図はラ
ンバーサポートマツトの斜視図、第６図は本考案
のフレーム構成の変形例を示す正面説明図であ
る。 図中、１……シート、２……シートバツク、３
……ランバーサポート部、４……シートバツクフ
レーム、５，６……両側部、７……支軸、８……
下枠線、１１……ばね部材、１１ａ……延設部、
１３……固定プレート、１４……ヒンジピン、１
５……押圧プレート、２１……ランバーサポート
マツト、３１……パツド材、３２……表装材、１
１Ａ……上部ばね部材、１１Ｂ……下部ばね部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツクフレームの下部横杆に下部が固着
   された固定プレートと、該固定プレートの前面側
   に取付けられたランバーサポートマツトと、該ラ
   ンバーサポートマツトの前面側に配設され、且つ
   上端が前記固定プレートの上部に枢支された押圧
   プレートとを備えていると共に、シートバツクフ
   レームの両側部間に横方向に延びる支軸が設けら
   れ、該支軸に下枠線が取付けられ、前記支軸と下
   枠線との間において上下方向に延びてばね部材が
   配設され、且つ前記ばね部材には下枠線の下部で
   屈折されて下枠線の背面側より上方に延びる延設
   部が形成され、該ばね部材の延設部の一端が前記
   押圧プレートに取付けられ、前記押圧プレートの
   下端が前記ランバーサポートマツトの膨張に応じ
   て前方に移動し、シートバツクのばね部材を前方
   に押圧するようになされていると共に、前記ばね
   部材の前面側に取付けられるパツド材及び該パツ
   ド材を被覆する表装材の端末が前記ばね部材の延
   設部側または押圧プレートの下部側に端末処理さ
   れている事を特徴とするシートのランバーサポー
   ト装置。